JP2006347564A - 金属製パレット、上枠部材、コーナーアングル及び梱包構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シート又は縦軸のコイルよりなる製品を載置する載置面20を有する金属製の載置板部2と、載置板部2の下面に横たえて平行に接合された複数の金属製の脚部3とを有する金属製パレット1である。脚部3の内部又はその近傍には、包装用バンドを挿通する挿通穴40を有するバンドガイド部4を設けてある。バンドガイド部4における挿通穴40の開口端部またはその延長上には、曲率半径が3mm以上の円弧状表面を有する曲げ支点部45が配設されており、挿通穴40に挿通された包装用バンドが上記曲げ支点部に沿って曲げられるように構成されていることが好ましい。
【選択図】図1
Description
また、特にコイルは大型化が進み、例えばアルミニウム合金のコイルの場合には、10トンを超えるような製品が梱包され、輸送されているのが現状である。
なお、従来の金属製パレットとしては、例えば特許文献1、2等がある。
上記脚部の内部又はその近傍には、包装用バンドを挿通する挿通穴を有するバンドガイド部を設けてあることを特徴とする金属製パレットにある(請求項1)。
従来は、包装用バンドの配設位置がある程度一定の位置に決められているものの、上記のようなバンドガイド部を備えているパレットはなかった。そのため、従来は、締め付け時に、包装用バンドの位置合わせする作業が比較的煩雑であり、例えば、最終の締め付けを行う前に包装用バンドの締結位置を再調整する作業も行っていた。また、重量物である製品を運搬する際には、予想以上の応力が製品に付与されるので、包装用バンドの締結位置が運搬中にずれることも全くないとは言い切れない。
該上枠部材は、アルミニウム合金製の中空状の押出形材よりなる長尺状の本体部と、該本体部の長手方向両端を閉塞するよう溶接されたアルミニウム合金板よりなる側壁部材とよりなり、上記製品の上面に配される包装用バンドに沿って、その下方に配置して使用するよう構成されていることを特徴とする上枠部材にある(請求項12)。
したがって、本発明の上枠部材を用いることによって、荷ずれを抑制することができ、梱包状態を安定させることができる。
該製品の上に上記第2の発明の上枠部材を載置し、
上記金属製パレットの上記バンドガイド部を挿通させた包装用バンドを上記上枠部材の上面に通して締め付けてあることを特徴とする梱包構造にある(請求項16)。
該コーナーアングルは、2つの側面にそれぞれ対面するよう直角に配された2つの側板部と、該2つの側板部のL字状の端部を繋ぐように上記2つの側板部と直角に接合された上板部とを有してなり、
上記パレット上に載置された上記製品に締められる包装用バンドの下方に位置するように、上記製品の側面角部に当接させて使用するよう構成されていることを特徴とするコーナーアングルにある(請求項18)。
また、このコーナーアングルを用いれば、積層したシート製品がずれたりすることを防止することができ、より安定した梱包状態を得ることができる。
該製品の4つの側面角部に上記第4の発明のコーナーアングルを当接させ、
上記金属製パレットの上記バンドガイド部を挿通させた包装用バンドを上記コーナーアングルの上記側板部と上記上板部の上面に通して締め付けてあることを特徴とする梱包構造にある(請求項19)。
本発明の梱包構造は、上記のごとく優れた第1の発明の金属製パレットと第4の発明のコーナーアングルの相乗的な効果によって、シート製品における非常に安定した梱包状態を得ることができる。
また、上記バンドガイド部は、上記脚部と平行に設けることが好ましい。この場合には、両者が平行であることにより、バンドガイド部の配設が非常に容易である。また、この場合には、上記バンドガイド部は、後述するごとく、脚部の内部に設けてもよいし、脚部とは別に設けてもよい。
また、上記バンドガイド部は、上記脚部と直角方向に設けることも可能である。
上記曲げ支点部の曲率半径が3mm未満の場合には、上述した効果が十分に得られないおそれがある。
すなわち、上記バンドガイド部は、上記脚部の内部に全長にわたって設けた上記挿通穴により構成されていることが好ましい。これにより、脚部と別にバンドガイド部を設ける必要がなく、構造をシンプルにすることができる。また、上記挿通穴を脚部全長に設けることによって、載置台の裏面に包装用バンドを通す作業を非常に容易にすることができる。
上記側面緩衝材としては、例えばゴム板、繊維ボード、プラスチック板、硬質発泡材等を適用することができる。
上記底面緩衝材としては、常時製品の荷重を受けるので、耐荷重性および耐摩耗性に優れた、例えばプラスチック角材等を適用することが好ましい。
従来の木製パレットの問題として、木材にカビ等が発生したり、木材自身が劣化して耐久性が十分でないという問題があるが、これらは、上記のごとく、載置板部および脚部を金属製にすることによって概ね解決可能である。しかしながら、梱包状態で保管している際に害虫が製品に付く、あるいは汚れが侵入するという問題については、単に、素材を木材から金属に変えただけでは解決できない。特に飲料缶等の材料となるアルミニウム合金板製品の梱包には、害虫や汚れの侵入が大きな問題となるので、様々な環境対策や管理体制等によって問題の発生を抑えてきた。
一方、従来の木製のパレットおよび金属製は、軽量化の観点から、載置板部を簀の子状にして表裏が連通する連通部を設けることが通常であり、特に、シート又はコイルを梱包するためのパレットは、少なくとも一部に表裏の連通部を有している。
なお、上記載置面における裏面との連通状態を遮断する構造としては、シート状の穴のない上記表皮部を用いる構造の他に、例えば形材の平面部分を上面に向けて複数並べ、当接部分を表側又は裏側で溶接する構造などを採用することができる。
なお、上記表皮部は、必ずしも金属である必要はなく、耐久性に優れた樹脂材料等を適用することも可能である。
上記滑り防止用シートとしては、例えば、ゴムのシートを適用することができる。
なお、表裏の完全な遮断構造が必要ない場合には、底のない挿入穴を設けると共に、その開口部周囲に窪みを設け、つば部を有する位置決め部材を用いて挿入深さを規制する構造をとることもできる。
本発明の実施例に係る金属製パレット、上枠部材及び梱包構造につき、図1〜図12を用いて説明する。
まず、本例で用いる金属製パレット1(以下、パレット1という)は、図1〜図6に示すごとく、縦軸のコイルを載置する載置面20を有する金属製の載置板部2と、該載置板部2の下面に横たえて平行に接合された複数の金属製の脚部3とを有する。脚部3の内部には、包装用バンド8(図12)を挿通する挿通穴40を有するバンドガイド部4を脚部3と平行に設けてある。
また、同図に示すごとく、載置板部2の載置面20は、裏面との連通状態が遮断されるようにその全面が繋がった平板状に形成されている。
図2に示すごとく、骨部22は、八角形を縁取る周枠部221と、2本の縦枠部222と、4本の横枠部223とより構成され、横枠部223と平行に2本一対の脚部3が裏面に接合されている。脚部3の側面には、図1、図2、図4に示すごとく、ワイヤー等の吊り具を接触させる部分の強化として、L型のアングル材29が接合されている。
曲げ支点部は、曲率半径が4mmの円弧状表面を有するもの、つまり直径8mmφの丸棒を採用した。
また、脚部3の底面には、衝撃を吸収する底面緩衝材352を配設した。底面緩衝材352の材質はプラスチックとし、その厚みは40mmとした。
上枠部材6は、アルミニウム合金製の中空状の押出形材よりなる長尺状の本体部60と、本体部60の長手方向両端を閉塞するよう溶接されたアルミニウム合金板よりなる側壁部材61とよりなる。
また、本体部60は、その上面に全長に渡って窪んだ、包装用バンド8の幅寸法よりも広く、厚み寸法よりも深い凹部65を有している。
また、本例では、図7に示すごとく、2本の上枠部材6を平行に並べ、それらの間をアルミニウム合金よりなる繋ぎ部材66を介して溶接接合した構造のものを採用した。これらの間隔は、上記凹部65同士の間隔が、上述したパレット1の脚部3に設けたバンドガイド部4同士の間隔と合致するように設定した。
図9に示すごとく、まず、パレット1の載置面20上に製品9を載置する。通常、コイルは横軸状態で製造されるが、上記の状態にするには、例えばダウンエンダーと呼ばれるような90°反転装置を用いて行う。
次に、図11に示すごとく、製品9の上、つまり上記保護板部材89の上に、上述した上枠部材6を載置する。このとき、パレット1の脚部3と、上枠部材6とが垂直方向に見て揃うように配置する。
本例の梱包構造は、上記のような手順によって得られた構造を有している。
まず、本例のパレット1は、脚部3の内部に、包装用バンド8を挿通する挿通穴40を有するバンドガイド部4を脚部3と平行に設けてある。そのため、バンドガイド部4の挿通穴40に包装用バンド8を通すことによって、包装用バンド8の締結位置を簡単に決定することができ、締め付け作業を非常に容易にすることができる。また、締結した包装用バンド8がずれようとしても、上記バンドガイド部4によってその移動が阻止されるので、包装用バンド8がずれる心配も全くない。
また、バンドガイド部4における挿通穴40の開口端部には、上記曲げ支点部45が配設されている。これにより、包装用バンド8を曲げる曲率半径を大きくすることができ、包装用バンド8へのダメージが小さくなり、また、増し締め等を行う際に包装用バンドが滑りやすくなる。そのため、より強固で安定した梱包状態を得ることができる。
また、脚部3の底面には、衝撃を吸収する底面緩衝材352も配設されている。これにより、床面あるいはトラックの荷台等に脚部3が衝突してこれらを傷つける等の不具合を防止することができる。
これにより、害虫や汚れがパレット1の載置板部2の裏面から表面へ通過することを確実に防止することができ、製品の健全性を長期にわたって維持することができる。
また、表皮部21としては、アルミニウム合金板という耐久性と軽量という特性を兼ね備えたものを採用しており、しかも、骨部22との組み合わせで構成してあるので、強度と軽量化の両方を満足させることができる。
本例は、図13に示すごとく、実施例1のパレット1における脚部3に代えて構造の異なる脚部302を採用した例である。
すなわち、本例における脚部302は、底板部321、縦板部322及び天板部323をコ字状に配した鋼材より構成され、その天板部323の裏面に、四角形状のパイプよりなるバンドガイド部5を配設した。
その他の構造は実施例1と同様である。
この場合には、挿通穴50への包装用バンド8の挿通作業が実施例1の場合よりも若干やりにくくなるが、それ以外は実施例1とほぼ同様の作用効果が得られる。
本例は、図14、図15(a)に示すごとく、実施例1の場合と構造の異なる載置板部25を採用し、さらに、その載置板部25に、コイルの内径の位置決め用の位置決め部材を立設するための有底の挿入穴27を中央部に4つ設けた例である。
すなわち、図14、図15に示すごとく、載置板部25は、断面略コ字状の曲げ加工を施した幅の異なる2種類の鋼部材251、252等を複数並べ、その接触部分を溶接して構成した。そして、この溶接により、製品を載置する載置面250は、その全面が実質的に繋がった平板状に形成されている。
本例の場合には、例えば、幅の小さいコイルを複数積層する場合などに、コイルのズレを防止することができ、特に有効である。
その他は実施例1と同様の作用効果が得られる。
なお、表裏の完全な遮断構造が必要ない場合には、図15(b)に示すごとく、底のない挿入穴28を設けると共に、その開口部周囲に窪み281を設け、つば部291を有する位置決め部材29を用いて挿入深さを規制する構造をとることもできる。
本例は、四角形状のシートを積層してなる製品の梱包構造、およびこれに用いる金属パレット等に関する例である。
図16に示すごとく、本例の金属製パレット7は、シートよりなる製品を載置する載置面を有するアルミニウム合金製形材よりなる載置板部71と、該載置板部71の下面に横たえて平行に接合された複数のアルミニウム合金製形材よりなる脚部75とを有する。そして、本例では、脚部75の上方には、上記載置板部71を構成する四角パイプ状の形材710の内部に、包装用バンドを挿通する挿通穴740を有するバンドガイド部74を設けてある。
また、載置板部71の両端部裏面には、脚部75と平行に配された補強板76が溶接されている。
また、図18に示すごとく、各側板部771、772の上下端の断面形状は、その角部が曲率半径3mmを超える円弧状形状に仕上げられている。
図20に示すごとく、まず、パレット7の載置板部71上に製品95を載置する。同図に示すごとく、製品95は、薄板の四角形状のシート品であるが、積層することによって直方体形状となっている。そして、その製品95の上には、保護板部材87を被せた後に、上述した上枠部材78を載置する。
なお、図23に示すごとく、すべてのコーナーアングル77を横切るように横方向に包装用バンド8を締めることも可能である。
2、25、71 載置板部
3、302 脚部
4、5、74 バンドガイド部
40、50、740 挿通穴
45、55 曲げ支点部
6、78 上枠部材
77 コーナーアングル
Claims (20)
- シート又は縦軸のコイルよりなる製品を載置する載置面を有する金属製の載置板部と、該載置板部の下面に横たえて平行に接合された複数の金属製の脚部とを有する金属製パレットにおいて、
上記脚部の内部又はその近傍には、包装用バンドを挿通する挿通穴を有するバンドガイド部を設けてあることを特徴とする金属製パレット。 - 請求項1において、上記バンドガイド部における上記挿通穴の開口端部またはその延長上には、曲率半径が3mm以上の円弧状表面を有する曲げ支点部が配設されており、上記挿通穴に挿通された包装用バンドが上記曲げ支点部に沿って曲げられるように構成されていることを特徴とする金属製パレット。
- 請求項1又は2において、上記バンドガイド部は、上記脚部の内部に全長にわたって設けた上記挿通穴により構成されており、上記曲げ支点部は、上記脚部の両端側面における上記挿通穴の開口端部の上辺部に設けられていることを特徴とする金属製パレット。
- 請求項1〜3のいずれか1項において、上記脚部の両端の側面には、衝撃を吸収する側面緩衝材が配設されていることを特徴とする金属製パレット。
- 請求項1〜4のいずれか1項において、上記脚部の底面には、衝撃を吸収する底面緩衝材が配設されていることを特徴とする金属製パレット。
- 請求項1〜5のいずれか1項において、上記載置板部の上記載置面は、裏面との連通状態が遮断されるようにその全面が実質的に繋がった平板状に形成されていることを特徴とする金属製パレット。
- 請求項6において、上記載置板部は、複数の金属製構造材を組み合わせて構成した骨部と、該骨部の上面全面を覆う表皮部とにより構成されていることを特徴とする金属製パレット。
- 請求項7において、上記表皮部は、アルミニウム合金板よりなることを特徴とする金属製パレット。
- 請求項7又は8において、上記表皮部の表面には、滑り防止用シートを配置してあることを特徴とする金属製パレット。
- 請求項1〜9のいずれか1項において、上記金属製パレットは、コイルを縦軸にして載置するコイル専用パレットであり、上記載置板部の形状は、縦寸法と横寸法とが略同一であることを特徴とする金属製パレット。
- 請求項10において、上記載置板部には、上記コイルの内径の位置決め用の位置決め部材を立設するための挿入穴を中央部に設けてあることを特徴とする金属製パレット。
- パレット上に載置されたシート又は縦軸のコイルよりなる製品を包装用バンドを用いて梱包固定する際に、該製品の上面に配置される上枠部材であって、
該上枠部材は、アルミニウム合金製の中空状の押出形材よりなる長尺状の本体部と、該本体部の長手方向両端を閉塞するよう溶接されたアルミニウム合金板よりなる側壁部材とよりなり、上記製品の上面に配される包装用バンドに沿って、その下方に配置して使用するよう構成されていることを特徴とする上枠部材。 - 請求項12において、上記本体部は、その内部に上下の壁部を繋ぐリブを有しており、該リブは、上記包装用バンド配設位置の真下に位置するように配置されていることを特徴とする上枠部材。
- 請求項12又は13において、上記本体部は、その上面に全長に渡って窪んだ凹部を有しており、該凹部は、その幅が上記包装用バンドの幅寸法よりも広く、その深さが上記包装用バンドの厚み寸法よりも深いことを特徴とする上枠部材。
- 請求項12〜14のいずれか1項において、上記上枠部材は、複数平行に並べられ、それらの間がアルミニウム合金よりなる繋ぎ部材を介して接合されていることを特徴とする上枠部材。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の金属製パレットにおける上記載置板部上にシート又は縦軸のコイルよりなる製品を載置し、
該製品の上に請求項12〜15のいずれか1項に記載の上枠部材を載置し、
上記金属製パレットの上記バンドガイド部を挿通させた包装用バンドを上記上枠部材の上面に通して締め付けてあることを特徴とする梱包構造。 - 請求項16において、上記シート又はコイルは、アルミニウム合金板材よりなることを特徴とする梱包構造。
- パレット上に載置された略四角形状のシートよりなる製品を包装用バンドを用いて梱包固定する際に、該製品の側面角部に配置されるコーナーアングルであって、
該コーナーアングルは、2つの側面にそれぞれ対面するよう直角に配された2つの側板部と、該2つの側板部のL字状の端部を繋ぐように上記2つの側板部と直角に接合された上板部とを有してなり、
上記パレット上に載置された上記製品に締められる包装用バンドの下方に位置するように、上記製品の側面角部に当接させて使用するよう構成されていることを特徴とするコーナーアングル。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載の金属製パレットにおける上記載置板部上に略四角形状のシートよりなる製品を載置し、
該製品の4つの側面角部に請求項18に記載のコーナーアングルを当接させ、
上記金属製パレットの上記バンドガイド部を挿通させた包装用バンドを上記コーナーアングルの上記側板部の上面に通して締め付けてあることを特徴とする梱包構造。 - 請求項19において、上記シートは、アルミニウム合金板材よりなることを特徴とする梱包構造。
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