JP2006347422A - 車輌の制動力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車速が特定の車速域にないときに制振押圧量の位相を順次変更する暫定的な制振によりブレーキ振動に対する制振押圧量の最適の位相差を求め、特定の車速域に於いて最適の位相差の制振押圧量にてブレーキ振動を効果的に且つ確実に制振抑制する。
【解決手段】運転者の制動操作量に応じて各車輪の暫定目標制動圧Patiが演算され(S30)、制動圧Piの周期的変動に基づいて制動トルクの振動が演算され(S40)、車速が特定の車速域ではないときに(S50)、制動トルクの振動に対する暫定制振トルクの位相差を順次変更しつつ暫定の制振を行い、制振効果が最も高くなる位相差を最適の位相差に決定し(S60〜130)、車速が特定の車速域にあるときには(S50)、制振トルクの位相差を最適の位相差に設定して制振制動圧Pvtiを演算し、暫定目標制動圧Patiと制振制動圧Pvtiとの和に基づき制動圧を制御する(S170〜240)。
【選択図】図2

Description

本発明は、車輌の制動力制御装置に係り、更に詳細には車輪と共に回転する回転部材に対し摩擦材を押圧し、それらの押圧力を制御することにより制動力を制御する制動力制御装置に係る。
自動車等の車輌に於いては、制動力発生装置が長期間使用される過程に於いてその回転部材としてのロータディスクやブレーキドラムに周方向の肉厚変動や扁形が生じ、そのため制動時に回転部材に対する摩擦材の押圧力が一定に制御されても、回転部材と摩擦材との間に発生する制動力が周期的に変動することに起因するブレーキ振動が発生することがある。
かかるブレーキ振動を抑制する手法が従来より種々提案されており、例えば下記の特許文献1に記載されている如く、制動油圧の脈動を検出することによってブレーキ振動を検出し、検出された制動油圧の脈動に基づいて該脈動が低減されるよう制動油圧を制御する制動力制御装置が既に知られている。
特開2001−88669号公報
しかし上述の如き従来の制動力制御装置に於いては、油圧の伝播遅れに起因して遅れなくブレーキ振動を正確に検出し制動油圧の脈動を遅れなく低減することが困難であり、そのためブレーキ振動を効果的に抑制することが困難である。また上述の如き従来の制動力制御装置に於いては、制動力発生装置がその制動油圧の増減により制動力を増減する油圧式の制動力発生装置である場合に限定され、回転部材に対する摩擦材の押圧量が電磁アクチュエータにより制御される電磁式の制動力発生装置に適用することができないという問題がある。
一般に、ブレーキ振動は車輪の回転に伴って制動力が周期的に変動することに起因して生じ、ブレーキ振動が顕著になるのはブレーキ振動の周波数が車体やシャシーの共振周波数近傍の場合である。ブレーキ振動の周波数は車輪の回転速度に対応して変化し、従って車速に対応して変化するので、車輪の回転速度によってブレーキ振動の周波数が決定され、ブレーキ振動は特定の車速域に於いて顕著になる。
またブレーキ振動の周期は車輪の回転周期に対応しており、ブレーキ振動を抑制する制振押圧量の位相を変化させると、ブレーキ振動に対する制振押圧量の位相差が変化し制振効果が変化する。従って車輪の回転周期に対応して周期的に変動するブレーキ振動や車輪の回転周期の如き周期的変動量に対する制振押圧量の位相を変化させれば、ブレーキ振動、特にその位相を正確に検出しなくてもブレーキ振動に対する制振押圧量の位相が逆相になって制振効果が最も高くなる最適の位相差を求めることができる。
本発明は、制動油圧の脈動を検出してブレーキ振動を抑制するよう構成された従来の制動力制御装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、ブレーキ振動の上記特徴に着目し、車速が特定の車速域にない制動時に周期的変動量に対する制振押圧量の位相を種々の値に設定して暫定的な制振を行うことにより、ブレーキ振動に対する制振押圧量の最適の位相差を求め、これにより車速が特定の車速域にある制動時に最適の位相差の制振押圧量にて制振を行い、ブレーキ振動の正確な検出を要することなくブレーキ振動を効果的に且つ確実に抑制することである。
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち運転者の制動操作量を検出する手段と、車輪と共に回転する回転部材に対し摩擦材を押圧することにより制動力を発生する制動力発生装置と、少なくとも運転者の制動操作量に基づいて前記制動力発生装置の目標押圧量を演算し、前記目標押圧量に基づいて前記制動力発生装置の押圧量を制御することにより車輪の制動力を制御する制御手段とを有する車輌の制動力制御装置に於いて、車輪の回転に同期して車輌に発生する振動の周期的変動量を検出する手段と、車輪速度により決定される周波数を有する制振押圧量を演算する手段と、前記目標押圧量を前記制振押圧量にて修正する目標押圧量修正手段と、車速検出手段と、車速が所定の車速域以外の状況にて運転者により制動操作が行われているときに、前記周期的変動量に対する前記制振押圧量の位相差を種々の値に設定しつつ前記目標押圧量を前記制振押圧量にて修正し制振効果を判定することにより、制振効果を最適化するための最適の位相差を決定する位相差決定手段とを有することを特徴とする車輌の制動力制御装置によって達成される。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記目標押圧量修正手段は車速が前記所定の車速域にある状況にて運転者により制動操作が行われているときには、前記周期的変動量に対する前記制振押圧量の位相差を前記最適の位相差に設定して前記目標押圧量を前記制振押圧量にて修正するよう構成される(請求項2の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1又は2の構成に於いて、前記周期的変動量は車輪の制動力の振動に起因する周期的変動量であるよう構成される(請求項3の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1又は2の構成に於いて、前記周期的変動量は車輪の回転角度により判定される車輪の回転周期であるよう構成される(請求項4の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項3の構成に於いて、更に車輪の回転周期を検出する手段を備え、前記位相差決定手段は前記最適の位相差による前記制振押圧量と前記車輪の回転周期との位相関係を学習し、新たに決定した最適の位相差による前記制振押圧量と前記車輪の回転周期との位相関係が学習した位相関係に対し所定の範囲内にないときには、前回決定した最適の位相差を今回の最適の位相差とするよう構成される(請求項5の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項4の構成に於いて、前記位相差決定手段は前記最適の位相差を学習し、新たに決定した最適の位相差が学習した位相差と所定量以上異なるときには、前回決定した最適の位相差を今回の最適の位相差とするよう構成される(請求項6の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項2乃至6の構成に於いて、前記目標押圧量修正手段は車速が前記所定の車速域にある状況にて運転者により制動操作が行われているときには、前記最適の位相差を含む所定の最適の位相差の範囲内にて前記制振押圧量の位相差を種々の位相差に設定して前記目標押圧量を前記制振押圧量にて修正し制振効果を判定することにより、前記最適の位相差を修正するよう構成される(請求項7の構成)。
前述の如く、車輪の回転速度によってブレーキ振動の周波数が決定されるので、車輪の回転速度に応じて制振押圧量の周波数を決定し、車輪の回転に同期して車輌に発生する振動の周期的変動量に対する制振押圧量の位相差を種々の値に設定して制振押圧量の位相を変化させつつ暫定的な制振を行えば、ブレーキ振動に対する制振押圧量の位相差が変化し制振効果が変化するので、ブレーキ振動に対する制振押圧量の位相が逆相になって制振効果が最も高くなる最適の位相差を求めることができる。
またブレーキ振動はロータディスクやブレーキドラムの如き回転部材に周方向の肉厚変動や扁形が生じ、制動時に回転部材に対する摩擦材の押圧力が一定に制御されても制動力が周期的に変動することに起因して生じるので、ブレーキ振動の周期は車輪の回転周期と完全に同期しており、従ってブレーキ振動に対する制振押圧量の最適の位相差はブレーキ振動や制振押圧量の周波数や振幅に関係なく一定である。
上記請求項1の構成によれば、車輪速度により決定される周波数を有する制振押圧量が演算され、車速が所定の車速域以外の状況にて運転者により制動操作が行われているときに、車輪の回転に同期して車輌に発生する振動の周期的変動量に対する制振押圧量の位相差を種々の値に設定しつつ目標押圧量が制振押圧量にて修正され、その際の制振効果が判定されることにより、制振効果を最適化するための最適の位相差が決定されるので、制動力の振動、特にその位相を正確に検出しなくても制振効果が最も高くなる最適の位相差を求めることができる。
また制振押圧量は制動力の振動を検出し検出された制動力の振動に基づいて演算される訳ではなく、振幅の変化により制振効果を判定することができればよいので、制振効果を判定するために制動力の振動が検出される場合にも、検出される制動力の振動は実際の制動力の振動に対し遅れていてもよく、制動圧の振動、車輪速度の振動、回転軸のトルクの振動等実際の制動力の振動に対応するものであれば任意の振動であってよい。
また上記請求項2の構成によれば、車速が所定の車速域にある状況にて運転者により制動操作が行われているときには、車輪の回転に同期して車輌に発生する振動の周期的変動量に対する制振押圧量の位相差を最適の位相差に設定して目標押圧量が制振押圧量にて修正されるので、車速が所定の車速域にあり制動力の振動が顕著になる状況に於いて、制振効果が最も高くなる最適の位相差にて制振を行うことができ、制振押圧量による制振制御の遅れをも補償することができる。
また上記請求項2の構成によれば、車輪の回転速度に応じて制振押圧量の周波数を決定し、制振押圧量の位相差を最適の位相差に設定し、例えば制動力の振動の振幅に応じて制振押圧量の振幅を設定すればよく、制動力の振動を検出し、検出された制動力の振動に基づいて遅れ補償をしながら制振押圧量を演算する場合に比して、遥かに少ない演算負荷にて制振効果が最も高い制振押圧量を演算することができる。
また上記請求項3の構成によれば、周期的変動量は車輪の制動力の振動に起因する周期的変動量であるので、制振効果が最も高くなる最適の位相差として車輪の制動力の振動に起因する周期的変動量に対する最適の位相差を決定し、車輪の制動力の振動に起因する周期的変動量に対する制振押圧量の位相差を該最適の位相差に設定して最も効果的な制振を行うことができる。
また上記請求項4の構成によれば、周期的変動量は車輪の回転角度により判定される車輪の回転周期であるので、上記請求項3の構成の場合と同様、振効果が最も高くなる最適の位相差として車輪の回転周期に対する最適の位相差を決定し、車輪の回転周期に対する制振押圧量の位相差を該最適の位相差に設定して最も効果的な制振を行うことができる。
また上記請求項5の構成によれば、位相差決定手段は最適の位相差による制振押圧量と車輪の回転周期との位相関係を学習し、新たに決定した最適の位相差による制振押圧量と車輪の回転周期との位相関係が学習した位相関係に対し所定の範囲内にないときには、決定した最適の位相差を今回の最適の位相差とするので、ブレーキ振動以外の要因により車輪の回転に同期して車輌に発生する振動の周期的変動量に対する制振押圧量の位相差が本来の最適の位相差とは異なる値になった場合にも、その位相差により最適の位相差が本来の最適の位相差とは異なる値に決定されることを確実に防止することができる。
また上記請求項6の構成によれば、位相差決定手段は最適の位相差を学習し、新たに決定した最適の位相差が学習した位相差と所定量以上異なるときには、前回決定した最適の位相差を今回の最適の位相差とするので、ブレーキ振動以外の要因により車輪の回転周期に対する制振押圧量の位相差が本来の最適の位相差とは異なる値になった場合にも、その位相差により最適の位相差が本来の最適の位相差とは異なる値に決定されることを確実に防止することができる。
また上記請求項7の構成によれば、目標押圧量修正手段は車速が所定の車速域にある状況にて運転者により制動操作が行われているときには、最適の位相差を含む所定の最適の位相差の範囲内にて制振押圧量の位相差を種々の位相差に設定して目標押圧量を制振押圧量にて修正し制振効果を判定することにより、最適の位相差を修正するので、車速が所定の車速域にあり運転者により制動操作が行われている状況に於いて制振が行われる際の制振押圧量の位相差を更に一層最適化することができる。
〔課題解決手段の好ましい態様〕
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、位相差決定手段は周期的変動量に対する制振押圧量の位相差を順次変更することにより周期的変動量に対する制振押圧量の位相差を種々の値に設定するよう構成される(好ましい態様1)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は上記好ましい態様1の構成に於いて、位相差決定手段はそれまでに決定された最適の位相差を含む所定の位相差の範囲内にて制振押圧量の位相差を種々の値に設定するよう構成される(好ましい態様2)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は上記好ましい態様1又は2の構成に於いて、位相差決定手段は制動力の振動に起因する周期的変動量の少なくとも振幅に基づいて制振効果を判定するよう構成される(好ましい態様3)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は上記好ましい態様1乃至3の構成に於いて、位相差決定手段は車速が所定の車速域よりも高い状況にて運転者により制動操作が行われているときに、周期的変動量に対する制振押圧量の位相差を種々の値に設定しつつ目標押圧量を制振押圧量にて修正し制振効果を判定するよう構成される(好ましい態様4)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様4の構成に於いて、位相差決定手段は車速が所定の車速域の上限値よりも高く且つ上限値より基準値高い車速以下である状況にて運転者により制動操作が行われているときに、周期的変動量に対する制振押圧量の位相差を種々の値に設定しつつ目標押圧量を制振押圧量にて修正し制振効果を判定するよう構成される(好ましい態様5)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項4又は上記好ましい態様1乃至5の構成に於いて、制振押圧量を演算する手段は制動力の振動に起因する周期的変動量の振幅に基づいて制振押圧量の振幅を設定するよう構成される(好ましい態様6)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様1乃至6の構成に於いて、車速が所定の車速域以外であるときの制振押圧量の振幅は車速が所定の車速域にあるときの制振押圧量の振幅よりも小さいよう構成される(好ましい態様7)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項3又は上記好ましい態様1乃至7の構成に於いて、制動力発生手段は制動液圧により回転部材に対し摩擦材を押圧することにより制動力を発生し、車輪の制動力の振動に起因する周期的変動量は制動液圧の周期的変動量であるよう構成される(好ましい態様8)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項3又は上記好ましい態様1乃至7の構成に於いて、車輪の制動力の振動に起因する周期的変動量は車輪速度の周期的変動量であるよう構成される(好ましい態様9)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項3又は上記好ましい態様1乃至7の構成に於いて、車輪の制動力の振動に起因する周期的変動量は車軸の回転トルクの周期的変動量であるよう構成される(好ましい態様10)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項5又は上記好ましい態様1乃至10の構成に於いて、位相差決定手段は最適の位相差による制振押圧量と車輪の回転周期との位相差の移動平均値を演算することにより位相関係を学習するよう構成される(好ましい態様11)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項6又は上記好ましい態様1乃至10の構成に於いて、位相差決定手段は最適の位相差の移動平均値を演算することにより最適の位相差を学習するよう構成される(好ましい態様12)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項7又は上記好ましい態様1乃至12の構成に於いて、所定の最適の位相差の範囲は所定の位相差の範囲よりも狭いよう構成される(好ましい態様13)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項7又は上記好ましい態様1乃至13の構成に於いて、目標押圧量修正手段は周期的変動量に対する制振押圧量の位相差を順次変更することにより周期的変動量に対する制振押圧量の位相差を種々の値に設定し、車速が所定の車速域にあるときの各変更毎の位相差の変更量は車速が所定の車速域以外であるときの位相差の変更量よりも小さいよう構成される(好ましい態様14)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至7又は上記好ましい態様1乃至14の構成に於いて、制動力発生手段は制動液圧により回転部材に対し摩擦材を押圧することにより制動力を発生し、制御手段は制動液圧を制御することにより押圧力を制御するよう構成される(好ましい態様15)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至7又は上記好ましい態様1乃至7又は9乃至14の構成に於いて、制動力発生手段は電磁力により回転部材に対し摩擦材を押圧することにより制動力を発生し、制御手段は電磁力を制御することにより押圧力を制御するよう構成される(好ましい態様16)。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を好ましい実施例について詳細に説明する。
図1は油圧式の制動力制御装置として構成された本発明による車輌の制動力制御装置の実施例1の油圧回路を示す概略構成図及び制御系を示すブロック図である。尚図1に於いては、簡略化の目的で各弁のソレノイドの図示は省略されている。
図1に於いて、10は電気的に制御される油圧式のブレーキ装置を示しており、ブレーキ装置10は運転者によるブレーキペダル12の踏み込み操作に応答してブレーキオイルを圧送するマスタシリンダ14を有している。ブレーキペダル12とマスタシリンダ14との間にはドライストロークシミュレータ16が設けられている。
マスタシリンダ14は第一のマスタシリンダ室14Aと第二のマスタシリンダ室14Bとを有し、これらのマスタシリンダ室にはそれぞれ左前輪用のブレーキ油圧供給導管18及び右前輪用のブレーキ油圧制御導管20の一端が接続されている。ブレーキ油圧制御導管18及び20の他端にはそれぞれ左前輪及び右前輪の制動力を制御するホイールシリンダ22FL及び22FRが接続されている。
ブレーキ油圧供給導管18及び20の途中にはそれぞれ連通制御弁として機能する常開型の電磁開閉弁(所謂マスタカット弁)24L及び24Rが設けられ、電磁開閉弁24L及び24Rはそれぞれ第一のマスタシリンダ室14A及び第二のマスタシリンダ室14Bと対応するホイールシリンダ22FL及び22FRとの連通を制御する遮断弁として機能する。またマスタシリンダ14と電磁開閉弁24FLとの間のブレーキ油圧供給導管18には常閉型の電磁開閉弁(常閉弁)26を介してウェットストロークシミュレータ28が接続されている。
マスタシリンダ14にはリザーバ30が接続されており、リザーバ30には油圧供給導管32の一端が接続されている。油圧供給導管32の途中には電動機34により駆動されるオイルポンプ36が設けられており、オイルポンプ36の吐出側の油圧供給導管32には高圧の油圧を蓄圧するアキュムレータ38が接続されている。リザーバ30とオイルポンプ36との間の油圧供給導管32には油圧排出導管40の一端が接続されている。リザーバ30、オイルポンプ36、アキュムレータ38等は後述の如くホイールシリンダ22FL、22FR、22RL、22RR内の圧力を増圧するための高圧の圧力源として機能する。
尚図1には示されていないが、オイルポンプ36の吸入側の油圧供給導管32と吐出側の油圧供給導管32とを連通接続する導管が設けられ、該導管の途中にはアキュムレータ38内の圧力が基準値を越えた場合に開弁し吐出側の油圧供給導管32より吸入側の油圧供給導管32へオイルを戻すリリーフ弁が設けられている。
オイルポンプ36の吐出側の油圧供給導管32は、油圧制御導管42により電磁開閉弁24Lとホイールシリンダ22FLとの間のブレーキ油圧供給導管18に接続され、油圧制御導管44により電磁開閉弁24Rとホイールシリンダ22FRとの間のブレーキ油圧供給導管20に接続され、油圧制御導管46により左後輪用のホイールシリンダ22RLに接続され、油圧制御導管48により右後輪用のホイールシリンダ22RRに接続されている。
油圧制御導管42、44、46、48の途中にはそれぞれ常閉型の電磁式のリニア弁50FL、50FR、50RL、50RRが設けられている。リニア弁50FL、50FR、50RL、50RRに対しホイールシリンダ22FL、22FR、22RL、22RRの側の油圧制御導管42、44、46、48はそれぞれ油圧制御導管52、54、56、58により油圧排出導管40に接続されており、油圧制御導管52、54の途中にはそれぞれ常閉型の電磁式のリニア弁60FL、60FRが設けられ、また油圧制御導管56、58の途中にはそれぞれ常閉型の電磁式のリニア弁よりも低廉な常開型の電磁式のリニア弁60RL、60RRが設けられている。
リニア弁50FL、50FR、50RL、50RRはそれぞれホイールシリンダ22FL、22FR、22RL、22RRに対する増圧弁(保持弁)として機能し、リニア弁60FL、60FR、60RL、60RRはそれぞれホイールシリンダ22FL、22FR、22RL、22RRに対する減圧弁として機能し、従ってこれらのリニア弁は互いに共働してアキュムレータ38内より各ホイールシリンダに対する高圧のオイルの給排を制御する増減圧制御弁を構成している。
尚電磁開閉弁等が異常であり制動力を正常に制御することができないときには、各電磁開閉弁、各リニア弁及び電動機34に駆動電流は供給されず、電磁開閉弁24L及び24Rは開弁状態に維持され、電磁開閉弁26、リニア弁50FL〜50RR、リニア弁60FL及び60FRは閉弁状態に維持され、リニア弁60RL及び60RRは開弁状態に維持され(非制御モード)、これにより左右前輪のホイールシリンダ内の圧力は直接マスタシリンダ14により制御される。
図1に示されている如く、第一のマスタシリンダ室14Aと電磁開閉弁24Lとの間のブレーキ油圧制御導管18には該制御導管内の圧力を第一のマスタシリンダ圧力Pm1として検出する第一の圧力センサ66が設けられている。同様に第二のマスタシリンダ室14Bと電磁開閉弁24Rとの間のブレーキ油圧制御導管20には該制御導管内の圧力を第二のマスタシリンダ圧力Pm2として検出する第二の圧力センサ68が設けられている。ブレーキペダル12には運転者によるブレーキペダルの踏み込みストロークStを検出するストロークセンサ70が設けられ、オイルポンプ34の吐出側の油圧供給導管32には該導管内の圧力をアキュムレータ圧力Paとして検出する圧力センサ72が設けられている。
それぞれ電磁開閉弁24L及び24Rとホイールシリンダ22FL及び22FRとの間のブレーキ油圧供給導管18及び20には、対応する導管内の圧力をホイールシリンダ22FL及び22FR内の圧力Pfl、Pfrとして検出する圧力センサ74FL及び74FRが設けられている。またそれぞれ電磁開閉弁50RL及び50RRとホイールシリンダ22RL及び22RRとの間の油圧制御導管46及び48には、対応する導管内の圧力をホイールシリンダ22RL及び22RR内の圧力Prl、Prrとして検出する圧力センサ74RL及び74RRが設けられている。
電磁開閉弁24L及び24R、電磁開閉弁26、電動機34、リニア弁50FL〜50RR、リニア弁60FL〜60RRは電子制御装置78により制御される。電子制御装置78はマイクロコンピュータ80と駆動回路82とよりなっている。尚マイクロコンピュータ80は図1には詳細に示されていないが例えばCPUとROMとRAMと入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のものであってよい。
マイクロコンピュータ80には、圧力センサ66及び68よりそれぞれ第一のマスタシリンダ圧力Pm1及び第二のマスタシリンダ圧力Pm2を示す信号、ストロークセンサ70よりブレーキペダル12の踏み込みストロークStを示す信号、圧力センサ72よりアキュムレータ圧力Paを示す信号、圧力センサ74FL〜74RRよりそれぞれホイールシリンダ22FL〜22RR内の圧力Pi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号、車輪速度センサ76FL〜76RRよりそれぞれ左前輪、右前輪、左後輪、右後輪の車輪速度Vwi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号が入力される。
マイクロコンピュータ80は、後述の如く図2及び図3に示されたフローチャートによる制御ルーチンを記憶しており、正常時には電磁開閉弁26を開弁状態に維持すると共に、電磁開閉弁24L及び24Rを閉弁状態に維持し、圧力センサ66、68により検出されたマスタシリンダ圧力Pm1、Pm2及びストロークセンサ70より検出された踏み込みストロークStに基づき各車輪の暫定目標制動圧(目標ホイールシリンダ圧力)Pati(i=fl、fr、rl、rr)をマスタシリンダ圧力Pm1、Pm2よりも高い値に演算し、制動トルクに過大な振動が生じていない通常時には各車輪の制動圧Piが暫定目標制動圧Patiに等しい目標制動圧Ptiになるよう各リニア弁50FL〜50RR及び60FL〜60RRを制御する。
以上の説明より解る如く、マイクロコンピュータ80は運転者の制動操作量に基づき各車輪の目標ホイールシリンダ圧力をマスタシリンダ圧力Pm1、Pm2よりも高い値に演算し、電磁開閉弁24L及び24R、電磁開閉弁26、電動機34、リニア弁50FL〜50RR、リニア弁60FL〜60RR、電子制御装置78、圧力センサ66等の各センサと共働して高圧の圧力源の圧力を使用して電磁開閉弁24L及び24Rを閉弁させた状態で各車輪のホイールシリンダ圧力が対応する目標ホイールシリンダ圧力になるようリニア弁50FL〜50RR及びリニア弁60FL〜60RRを制御する。
この場合ブレーキ装置10のオイルポンプ36、リニア弁50FL〜50RR、リニア弁60FL〜60RR等は各車輪の制動圧、即ちホイールシリンダ22FL〜22RR内の圧力Piを制御する制動圧制御手段として機能する。また図1に示されている如く、ホイールシリンダ22FL〜22RRはそれらの内部の圧力Piが増減されることにより、各車輪に設けられ車輪と共に回転するローターディスクやブレーキドラムの如き回転部材86FL〜86RRに対しブレーキシューの如き摩擦材88FL〜88RRを押圧し制動力を発生し増減する制動力発生装置90FL〜90RRの一部を構成している。
図示の実施例1に於いては、マイクロコンピュータ80は図2に示されたフローチャートに従い、運転者による制動操作中であり且つ車速が特定の車速域(制動トルクの振動が顕著に発生する車速域であり、車輌毎に予め決定される)ではないときには、運転者の制動操作量に基づいて暫定目標制動圧Pati(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、車輪の回転速度及び制動トルクの振動に基づいて暫定制振トルクを演算し、所定の位相差の範囲について制動トルクの振動に対する暫定制振トルクの位相差を所定の時間毎に変更させながら暫定制振トルクに応じた暫定制振制動圧Pptiにて暫定目標制動圧Patiを修正し、修正後の目標制動圧Ptiに基づいて制動圧Piを制御することにより、暫定的に制動トルクの制振を行い、制振効果が最も高くなる位相差を制動トルクの振動に対する最適の位相差と決定する。
またマイクロコンピュータ80は図2に示されたフローチャートに従い、運転者による制動操作中であり且つ車速が特定の車速域であるときには、運転者の制動操作量に基づいて暫定目標制動圧Patiを演算し、車輪の回転速度及び制動トルクの振動に基づいて制振トルクを演算し、制動トルクの振動に対する制振トルクの位相差を最適の位相差に設定し、制振トルクに応じた制振制動圧Pvtiにて暫定目標制動圧Patiを修正し、修正後の目標制動圧Ptiに基づいて制動圧Piを制御することにより、制動トルクを制振する。
次に図2に示されたフローチャートを参照して実施例に於ける制動力制御について説明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御はマイクロコンピュータ80が起動されることにより開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。特にステップ40〜240は例えば左前輪、右前輪、左後輪、右後輪の順に各車輪について実行される。
また図2に示されたフローチャートによる制御に先立ち、電磁開閉弁26が閉弁されると共に、電磁開閉弁24L及び24Rが開弁され、これによりマスタシリンダ14とウェットストロークシミュレータ28との連通が遮断されると共に、マスタシリンダ14と各車輪のホイールシリンダ22FL、22FR、22RL、22RRとが連通接続され、ステップ40に於いては電磁開閉弁26が開弁され又は開弁状態が維持されると共に、電磁開閉弁24L及び24Rが閉弁され又は閉弁状態が維持され、これによりマスタシリンダ14とウェットストロークシミュレータ28とが連通接続されると共に、マスタシリンダ14と各車輪のホイールシリンダ22FL、22FR、22RL、22RRとの連通が遮断される。
まずステップ10に於いては圧力センサ66により検出されたマスタシリンダ圧力Pm1を示す信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いては運転者の制動操作量としてのマスタシリンダ圧力Pm1、Pm2及びストロークStに基づき当技術分野に於いて公知の要領にて車輌の目標減速度Gtが演算されると共に、車輌の目標減速度Gtに基づき各車輪の暫定目標制動圧Pati(i=fl、fr、rl、rr)が演算される。
ステップ40に於いては制動圧Piより当技術分野に於いて公知の要領にて制動圧Piの周期的変動成分が抽出されると共に、制動圧Piの周期的変動成分に基づいて制動トルクの振動が演算され、制動トルクの振動の周期及び振幅が求められる。
ステップ50に於いては車輪速度Vwiに基づいて当技術分野に於いて公知の要領にて車速Vが演算されると共に、車速Vが特定の車速域にあるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ170へ進み、否定判別が行われたときにはステップ60へ進む。
ステップ60に於いては制動トルクの振動を暫定的にキャンセルするための暫定制振トルクが演算される。尚暫定制振トルクは車輪速度Vwiに基づいて求められる車輪の回転周期と同一の周波数を有し、制動トルクの振動の振幅よりも十分に小さい振幅を有するトルクとして演算される。
ステップ70に於いては制動トルクの振動に対する暫定制振トルクの位相差が所定の位相差範囲について順次変更設定される。この場合所定の位相差範囲は前回の最適の位相差をφs°とし、φ1及びφ2を正の定数として、φs−φ1〜φs−φ2の範囲である。またΔφを0.5〜1°程度の正の定数として、暫定制振トルクの位相差の変更設定は制動トルクの振動に対する暫定制振トルクの位相差を所定の時間毎又は所定数の振動周期毎にφs−φ1よりφs−φ2までΔφずつ順次増大させることにより、又はφs−φ2よりφs−φ1までΔφずつ順次低下させることにより行われてよい。
ステップ80に於いてはステップ60に於いて設定された位相差にて暫定制振トルクを回転部材86FL〜86RRに付与するための暫定制振制動圧Ppti(i=fl、fr、rl、rr)が演算され、ステップ90に於いては目標制動圧Ptiが暫定目標制動圧Patiと暫定制振制動圧Pptiとの和に設定される。
ステップ100に於いては各車輪の制動圧Piが対応する目標制動圧Ptiになるよう油圧フィードバックにより制御され、ステップ110に於いては暫定制振制動圧Pptiによる暫定制振の効果が判定される。この場合暫定制振制動圧Pptiによる暫定制振後の制動トルクの振動振幅の減少が大きいほど暫定制振の効果が高いと判定される。
ステップ120に於いては上述の所定の位相差範囲の全てについて暫定制振が完了したかの判別が行われ、否定判別が行われたときには図2に示されたルーチンによる制御が一旦終了され、肯定判別が行われたときにはステップ130に於いて暫定制振の効果が最も高いと判定されたときの位相差が制動トルクの振動に対する制振トルクの最適の位相差であると決定され、RAMに記憶される。
ステップ170に於いては制動トルクの振動振幅に基づき制動トルクの振動が過大であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ190へ進み、否定判別が行われたときにはステップ180に於いて各車輪の目標制動圧Ptiが暫定目標制動圧Patiに設定された後ステップ240へ進む。
ステップ190に於いては制動トルクの振動をキャンセルするための制振トルクが演算され、ステップ200に於いては制動トルクの振動に対する制振トルクの位相差がRAMに記憶されている最適の位相差に設定される。尚制振トルクは制動トルクの振動と同一の周波数を有し、制動トルクの振動の振幅と同一又はそれよりも僅かに小さい振幅を有するトルクとして演算される。
ステップ220に於いては制振トルクを回転部材86FL〜86RRに付与するための制振制動圧Pvti(i=fl、fr、rl、rr)が演算され、ステップ230に於いては目標制動圧Ptiが暫定目標制動圧Patiと制振制動圧Pvtiとの和に設定され、しかる後ステップ240へ進む。
ステップ240に於いては上記ステップ100の場合と同様、各車輪の制動圧Piが対応する目標制動圧Ptiになるよう油圧フィードバックにより制御され、これにより各車輪の制動力が少なくとも運転者の制動操作量に応じて制御される。
かくして図示の実施例1によれば、ステップ20に於いて制動中であると判別されると、ステップ30に於いて運転者の制動操作量に応じて各車輪の暫定目標制動圧Patiが演算され、ステップ40に於いて当技術分野に於いて公知の要領にて制動圧Piの周期的変動に基づいて制動トルクの振動が演算される。
そしてステップ50に於いて車速が特定の車速域ではないと判別されると、ステップ60に於いて暫定制振トルクが演算され、ステップ70に於いて制動トルクの振動に対する暫定制振トルクの位相差が所定の位相差範囲について順次変更設定され、ステップ80に於いて暫定制振トルクに基づいて暫定制振制動圧Pptiが演算され、ステップ90に於いて目標制動圧Ptiが暫定目標制動圧Patiと暫定制振制動圧Pptiとの和に設定される。
またステップ100に於いて車輪の制動力が運転者の制動操作量に応じて制御されると共に暫定的な制振が実行され、ステップ110に於いて暫定制振の効果が判定され、ステップ120及び130に於いて所定の位相差範囲について暫定制振の効果が最も高いと判定されたときの位相差が制動トルクの振動に対する制振トルクの最適の位相差であると決定される。
従って図示の実施例1によれば、車輪に於ける実際の制動トルクの振動に対し遅れて検出される制動圧に基づく制動トルクの振動の位相遅れが求められるのではなく、実際の制動トルクの振動に対する遅れを補償する位相差として制動圧に基づく制動トルクの振動に対する制振トルクの最適の位相差が求められるので、車輪に於ける実際の制動トルクや制動圧に基づく制動トルクの振動、特にその位相を正確に検出しなくても制振効果が最も高くなる最適の位相差を求めることができる。
例えば図3は暫定的な制振トルクの振動が実際の制動トルクの振動に対し逆相にて位相が合っていない場合(A)及びは暫定的な制振トルクの振動が実際の制動トルクの振動に対し逆相にて位相が合っている場合(B)に於ける実際の制動トルクの振動、暫定的な制振トルクの振動、暫定的な制振後の制動トルクの振動の例を示すグラフである。
図3(A)に示されている如く、暫定的な制振トルクの振動が実際の制動トルクの振動に対し逆相にて位相が合っていない場合には、暫定的な制振後の制動トルクの振動の振幅は暫定的な制振前の制動トルクの振動の振幅よりも大きくなるので、暫定的な制振の制振効果がマイナスであることの判定により、暫定的な制振トルクの振動が実際の制動トルクの振動に対し逆相にて位相が合っておらず、そのときの位相差は最適の位相差ではないことが解る。
これに対し図3(B)に示されている如く、暫定的な制振トルクの振動が実際の制動トルクの振動に対し逆相にて位相が合っている場合には、暫定的な制振後の制動トルクの振動の振幅は暫定的な制振前の制動トルクの振動の振幅よりも小さくなると共に、暫定的な制振トルクの振動が実際の制動トルクの振動に対し逆相にて位相が合っていない場合に於ける暫定的な制振後の制動トルクの振動の振幅より小さくなるので、暫定的な制振の制振効果が最も高いことの判定により、暫定的な制振トルクの振動が実際の制動トルクの振動に対し逆相にて位相が合っていること及びそのときの位相差は最適の位相差であることが解る。
尚図3に於いて、一点鎖線は制動圧Piの周期的変動成分より求められる制動トルクの振動を示しており、制動圧に基づく制動トルクの振動は油圧の伝播の遅れ等に起因して実際の制動トルクの振動に対し実質的に一定の遅れがある。図示の実施例1に於いては、制動圧に基づく制動トルクの振動に対する暫定的な制振トルクの振動の最適の位相差が求められることにより、結果的に実際の制動トルクの振動に対する暫定的な制振トルクの振動の最適の位相差が求められるので、実際の制動トルクの振動を遅れなく正確に検出したり、検出遅れを補償するための位相進みの演算処理は不要である。
また図示の実施例1によれば、ステップ50に於いて車速が特定の車速域であると判別され、ステップ170に於いて制動トルクの振動が過大であると判別されると、ステップ190に於いて制動トルクの振動をキャンセルするための制振トルクが演算され、ステップ200に於いて制動トルクの振動に対する制振トルクの位相差がRAMに記憶されている最適の位相差に設定される。
そしてステップ220に於いて制振トルクを回転部材86FL〜86RRに付与するための制振制動圧Pvtiが演算され、ステップ230に於いて目標制動圧Ptiが暫定目標制動圧Patiと制振制動圧Pvtiとの和に設定され、ステップ240に於いて各車輪の制動力が少なくとも運転者の制動操作量に応じて制御されると共に、制動トルクの振動に対する制振トルクの位相差が最適の位相差に設定された状態で制振制動圧Pvtiによる制動トルクの振動の制振が行われる。
従って図示の実施例1によれば、車速が所定の車速域にあり制動トルクの振動が顕著になる状況に於いて、車輪に於ける実際の制動トルクや制動圧に基づく制動トルクの振動、特にその位相の正確な検出を要することなく、制振効果が最も高くなる最適の位相差にて制動トルクの制振を行うことができ、また制振制動圧Pvtiによる制振制御の遅れ(制振制動圧Pvtiによる制振制御指令より車輪に於ける制振トルク発生までの遅れをも補償することができる。
例えば図4は車輌が特定の車速域よりも高い車速にて走行している状況に於いて制動され、車速が漸次低下する場合に於ける図示の実施例1の作動の例を示す説明図である。図4に示されている如く、時点t1に於いて制動が開始され、時点t2に於いて車速Vが特定の車速域の上限車速Vmaxになり、時点t3に於いて車速Vが特定の車速域の下限車速Vminになり、その後車速が漸次低下したとする。
時点t1より時点t2までの間及び時点t3以降に於いては、ステップ50に於いて否定判別が行われ、ステップ60〜120が実行されることにより、車輪の制動力が運転者の制動操作量に応じて制御されると共に暫定的な制振が実行され、制動トルクの振動に対する制振トルクの最適の位相差が求められる。
また時点t2より時点t3までの間に於いては、ステップ50に於いて肯定判別が行われ、ステップ130〜200が実行されることにより、車輪の制動力が運転者の制動操作量に応じて制御されると共に暫定的な制振が実行され、制振効果が最も高くなる最適の位相差にて制動トルクの制振が行われ、これにより制動トルクが効果的に制振される。
尚図4に於いて一点鎖線にて示されている如く、車速Vが所定の車速域にある状況にて制動が開始されると、暫定的な制振が行われることなく前回決定された最適の位相差にて制動トルクの制振が行われ、また図4に於いて二点鎖線にて示されている如く、車速Vが所定の車速域の下限値よりも低い値である状況にて制動が開始されると、最適の位相差にて制動トルクの制振が行われることなく暫定的な制振が行われ、最適の位相差が決定される。
図5は油圧式の制動力制御装置として構成された本発明による車輌の制動力制御装置の実施例2に於ける制動力制御ルーチンを示すフローチャートである。尚図5に於いて図2に示されたステップと同一のステップには図2に於いて付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されており、このことは後述の他の実施例についても同様である。
図には示されていないが、この実施例2に於ける車輪速度センサ76FL〜76RRは、対応する車輪の車輪速度Vwiに加えて、車輪の特定の位置を回転角度0として回転角度θi(i=fl、fr、rl、rr)を検出することができ、これにより0〜180°の回転を1回転周期として車輪の回転周期(回転位相)を検出することができる。このことも後述の他の実施例についても同様である。
この実施例2に於いては、ステップ70、130、200を除く他のステップは上述の実施例1の場合と同様に実行され、ステップ70に於いては車輪の回転周期に対する暫定制振トルクの位相差が上述の実施例1の場合と同様の要領にて所定の位相差範囲について順次変更設定され、ステップ130に於いては暫定制振の効果が最も高いと判定されたときの位相差が車輪の回転周期に対する暫定制振トルクの最適の位相差であると決定され、RAMに記憶され、ステップ200に於いては車輪の回転周期に対する制振トルクの位相差がRAMに記憶されている最適の位相差に設定される。
かくして図示の実施例2によれば、位相差を判定する基準の振動が制動トルクの振動ではなく、車輪の回転周期である点を除き上述の実施例1の場合と同様の要領にて制振トルクの最適の位相差が求められ、また制振トルクの位相差が車輪の回転周期に対する位相差として最適の位相差に設定される。
従って図示の実施例2によれば、上述の実施例1の場合と同様、車輪に於ける実際の制動トルクや制動圧に基づく制動トルクの振動、特にその位相を正確に検出しなくても制振効果が最も高くなる最適の位相差を求めることができ、また車速が所定の車速域にあり制動トルクの振動が顕著になる状況に於いて、車輪に於ける実際の制動トルクや制動圧に基づく制動トルクの振動、特にその位相の正確な検出を要することなく、制振効果が最も高くなる最適の位相差にて制動トルクの制振を行うことができ、また制振制動圧Pvtiによる制振制御の遅れをも補償することができる。
図6は実施例1の修正例1として構成された本発明による車輌の制動力制御装置の実施例3に於ける制動力制御ルーチンの要部を示すフローチャートである。
この実施例3に於いては、図には示されていないがステップ10〜130、170〜190、220〜240は上述の実施例1の場合と同様に実行され、ステップ190の次に実行されるステップ210に於いては上述の実施例1に於けるステップ70の場合と同様の要領にて制動トルクの振動に対する制振トルクの位相差が最適の位相差範囲について順次変更設定される。尚この場合最適の位相差範囲はステップ70の場合の所定の位相差範囲よりも小さく、また位相差を所定の時間毎又は所定数の振動周期毎に順次増大又は低下させる際の変化量Δφsはステップ70の場合の変化量Δφよりも小さい。
またステップ240の次に実行されるステップ250に於いては、上述の実施例1に於けるステップ120の場合と同様、最適の位相差範囲の全てについて制振が完了したかの判別が行われ、否定判別が行われたときには図6に示されたルーチンによる制御が一旦終了され、肯定判別が行われたときにはステップ260に於いて制振の効果が最も高いと判定されたときの位相差が制動トルクの振動に対する制振トルクの最適の位相差であると決定され、RAMに記憶されている値が更新される。
かくして図示の実施例3によれば、上述の実施例1及び2の場合と同様の作用効果を得ることができるだけでなく、制振制動圧Pvtiに基づく制振トルクによる制動トルクの振動の制振の際にも最適の位相差が変更され、制振効果が判定されることによって必要に応じて最適の位相差が修正されるので、上述の実施例1及び2の場合よりも最適の位相差を一層最適化することができ、これにより制振効果を更に一層向上させることができる。
特に図示の実施例3によれば、最適の位相差範囲はステップ70の場合の所定の位相差範囲よりも小さく、また位相差を所定の時間毎又は所定数の振動周期毎に順次増大又は低下させる際の変化量Δφsはステップ70の場合の変化量Δφよりも小さいので、最適の位相差の変更に起因して一時的に制振効果が大きく悪化することを確実に防止することができる。
図7は実施例2の修正例1として構成された本発明による車輌の制動力制御装置の実施例4に於ける制動力制御ルーチンの要部を示すフローチャートである。
この実施例4に於いても、ステップ10〜130、170〜190、220〜240は上述の実施例2の場合と同様に実行され、ステップ190の次に実行されるステップ210に於いては上述の実施例2に於けるステップ70の場合と同様の要領にて車輪の回転周期に対する制振トルクの位相差が最適の位相差範囲について順次変更設定される。尚この場合の最適の位相差範囲もステップ70の場合の所定の位相差範囲よりも小さく、また位相差を所定の時間毎又は所定数の振動周期毎に順次増大又は低下させる際の変化量Δφsはステップ70の場合の変化量Δφよりも小さい。
また上述の実施例3の場合と同様に、ステップ240の次に実行されるステップ250に於いては、上述の実施例1に於けるステップ120の場合と同様、最適の位相差範囲の全てについて制振が完了したかの判別が行われ、否定判別が行われたときには図7に示されたルーチンによる制御が一旦終了され、肯定判別が行われたときにはステップ260に於いて制振の効果が最も高いと判定されたときの位相差が車輪の回転周期に対する制振トルクの最適の位相差であると決定され、RAMに記憶されている値が更新される。
かくして図示の実施例4によれば、上述の実施例1及び2の場合と同様の作用効果を得ることができるだけでなく、上述の実施例3の場合と同様、上述の実施例1及び2の場合よりも最適の位相差を一層最適化することができ、これにより制振効果を更に一層向上させることができる。
また図示の実施例4によれば、上述の実施例3の場合と同様、最適の位相差範囲はステップ70の場合の所定の位相差範囲よりも小さく、また位相差を所定の時間毎又は所定数の振動周期毎に順次増大又は低下させる際の変化量Δφsはステップ70の場合の変化量Δφよりも小さいので、最適の位相差の変更に起因して一時的に制振効果が大きく悪化することを確実に防止することができる。
図8は実施例1の修正例2として構成された本発明による車輌の制動力制御装置の実施例5に於ける制動力制御ルーチンの要部を示すフローチャートである。
この実施例5に於いては、ステップ10〜130、170〜200、220〜240は上述の実施例1の場合と同様に実行され、ステップ130の次に実行されるステップ140に於いては、最適の位相差による制振トルクの振動と車輪の回転周期との位相差が基準値以内であるか否かの判別により、最適の位相差が車輪の回転周期に対し所定の範囲内であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ150に於いて最適の位相差が前回決定された値に設定され、肯定判別が行われたときにはステップ160に於いて例えばそれまでの所定サイクルに亘る最適の位相差による制振トルクの振動と車輪の回転周期との位相差の移動平均値が演算されることにより、最適の位相差と車輪の回転周期との関係が学習され、RAMに記憶される。尚ステップ140に於ける判別の基準値は最適の位相差と車輪の回転周期との関係の学習結果に基づいて設定される。
かくして図示の実施例5によれば、上述の実施例1及び2の場合と同様の作用効果を得ることができるだけでなく、例えば路面からの外乱の如くブレーキ振動以外の要因により制動トルクの振動に対する制振トルクの位相差が本来の最適の位相差とは異なる値になった場合にも、その位相差により最適の位相差が本来の最適の位相差とは異なる値に決定され設定されることを確実に防止することができる。
図9は実施例2の修正例2として構成された本発明による車輌の制動力制御装置の実施例6に於ける制動力制御ルーチンの要部を示すフローチャートである。
この実施例6に於いても、ステップ10〜130、170〜200、220〜240は上述の実施例2の場合と同様に実行され、ステップ130の次に実行されるステップ140に於いては、例えば今回決定された最適の位相差と最適の位相差の学習値との偏差の大きさが基準値以下であるか否かの判別により、今回決定された最適の位相差が最適の位相差の学習値に対し所定の範囲内にあるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ150に於いて最適の位相差が前回決定された値に設定され、肯定判別が行われたときにはステップ160に於いて例えばそれまでの所定サイクルに亘る最適の位相差の移動平均値が演算されることにより、最適の位相差が学習され、RAMに記憶される。尚ステップ140の判別に於ける所定の範囲は最適の位相差の学習結果に基づいて設定される。
かくして図示の実施例4によれば、上述の実施例1及び2の場合と同様の作用効果を得ることができるだけでなく、上述の実施例5の場合と同様、ブレーキ振動以外の要因により制動トルクの振動に対する制振トルクの位相差が本来の最適の位相差とは異なる値になった場合にも、その位相差により最適の位相差が本来の最適の位相差とは異なる値に決定され設定されることを確実に防止することができる。
以上の説明より解る如く、図示の各実施例によれば、制動力の振動、特にその位相を正確に検出しなくても制振効果が最も高くなる最適の位相差を求めることができ、また制動力の振動を検出し、検出された制動力の振動に基づいて遅れ補償をしながら制振押圧量を演算する場合に比して、遥かに少ない演算負荷にて制振効果が最も高い制振押圧量を演算することができる。
尚図示の各実施例によれば、暫定的な制振が行われる際に制動力の振動が却って悪化される場合があるが、暫定的な制振は制動力の振動が顕著には発生しない特定の車速域以外の車速域にて行われ、またその振幅は小さいので、暫定的な制振により制動力の振動が著しく悪化されることはない。
以上に於いては本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば上述の各実施例に於いては、暫定的な制振は車速Vが特定の車速域Vmax〜Vminにない状況に於いて行われるようになっているが、αを正の定数として車速Vが特定の車速域の上限値Vmaxよりも高くVmax+α以下である状況に於いて実行されるよう修正されてもよい。
また上述の実施例1、3、5に於いては、制振押圧量の最適の位相差を決定するための基準、即ち車輪の回転に車輌に発生する振動の周期的変動量は制動圧Piの周期的変動成分より求められる制動トルクの振動であるが、車輪速度Vwiの周期的変動成分より求められる制動トルクの振動や車軸の回転トルクの周期的変動成分より求められる制動トルクの振動等であってもよい。
また上述の説明に於いては、実施例2及び実施例5は相互に独立しており、実施例3及び実施例6は相互に独立しているが、実施例2及び5が組み合わされてもよく、実施例3及び6が組み合わされてもよい。
また上述の実施例3及び4に於いては、それぞれ制動トルクの振動及び車輪の回転周期に対する制振トルクの位相差が最適の位相差範囲について順次変更設定されるようになっているが、制振トルクの位相差を順次変更して判定される制振効果が悪化するときには、それ以上の制振トルクの位相差の変更が行われることなく最適の位相差の修正が行われるよう修正されてもよい。
また上述の各実施例に於いては、各車輪の目標制動圧Ptiは運転者の制動操作量を示す値としてのマスタシリンダ圧力Pm1、Pm2の平均値Pma及びブレーキペダルの踏み込み量Stに基づいて運転者の要求減速度Gtが演算され、運転者の要求減速度Gtに基づいて各車輪の暫定目標制動圧Patiが演算されるようになっているが、制動力の制御自体は本発明の要旨をなすものではなく、当技術分野に於いて公知の任意の要領にて実行されてよい。
また上述の各実施例に於いては、各車輪のホイールシリンダ圧力Piを制御する増減圧制御弁は増圧制御弁としてのリニア弁50FL〜50RR及び減圧制御弁としてのリニア弁60FL〜60RRよりなっているが、これらの弁は増減圧及び保持の機能を備えた制御弁に置き換えられてもよい。
また上述の各実施例に於いては、通常時にはマスタシリンダ14と各車輪のホイールシリンダ22FL〜22RRとの連通がマスタカット弁としての常開型の電磁開閉弁24L及び24Rにより遮断されるようになっているが、本発明の制動力制御装置はマスタカット弁を有さずマスタシリンダ14の圧力により各車輪のホイールシリンダ22FL〜22RR内の圧力が増減される制動装置を備えた車輌に適用されてもよく、また制動装置は車輪と共に回転する回転部材に対し摩擦材を押圧することにより制動力を発生するものである限り、押圧力が電磁式に発生される制動装置であってもよい。
油圧式の制動力制御装置として構成された本発明による車輌の制動力制御装置の実施例の油圧回路を示す概略構成図及び制御系を示すブロック図である。 実施例1に於ける制動力制御ルーチンを示すフローチャートである。 暫定的な制振トルクの振動が実際の制動トルクの振動に対し逆相にて位相が合っていない場合(A)及びは暫定的な制振トルクの振動が実際の制動トルクの振動に対し逆相にて位相が合っている場合(B)に於ける実際の制動トルクの振動、暫定的な制振トルクの振動、暫定的な制振後の制動トルクの振動の例を示すグラフである。 輌が特定の車速域よりも高い車速にて走行している状況に於いて制動され、車速が漸次低下する場合に於ける図示の実施例1の作動の例を示す説明図である。 油圧式の制動力制御装置として構成された本発明による車輌の制動力制御装置の実施例2に於ける制動力制御ルーチンを示すフローチャートである。 実施例1の修正例1として構成された本発明による車輌の制動力制御装置の実施例3に於ける制動力制御ルーチンの要部を示すフローチャートである。 実施例2の修正例1としてとして構成された本発明による車輌の制動力制御装置の実施例4に於ける制動力制御ルーチンの要部を示すフローチャートである。 実施例1の修正例2として構成された本発明による車輌の制動力制御装置の実施例5に於ける制動力制御ルーチンの要部を示すフローチャートである。 実施例2の修正例として構成された本発明による車輌の制動力制御装置の実施例6に於ける制動力制御ルーチンの要部を示すフローチャートである。
符号の説明
10 ブレーキ装置
12 ブレーキペダル
14 マスタシリンダ
22FL〜22RR ホイールシリンダ
24F、24R、26 電磁開閉弁
50FL〜50RR リニア弁
60FL〜60RR リニア弁
66、68 圧力センサ
70 ストロークセンサ
72、74FL〜74RR 圧力センサ
76FL〜76RR 車輪速度センサ
78 電子制御装置

Claims (7)

  1. 運転者の制動操作量を検出する手段と、車輪と共に回転する回転部材に対し摩擦材を押圧することにより制動力を発生する制動力発生装置と、少なくとも運転者の制動操作量に基づいて前記制動力発生装置の目標押圧量を演算し、前記目標押圧量に基づいて前記制動力発生装置の押圧量を制御することにより車輪の制動力を制御する制御手段とを有する車輌の制動力制御装置に於いて、車輪の回転に同期して車輌に発生する振動の周期的変動量を検出する手段と、車輪速度により決定される周波数を有する制振押圧量を演算する手段と、前記目標押圧量を前記制振押圧量にて修正する目標押圧量修正手段と、車速検出手段と、車速が所定の車速域以外の状況にて運転者により制動操作が行われているときに、前記周期的変動量に対する前記制振押圧量の位相差を種々の値に設定しつつ前記目標押圧量を前記制振押圧量にて修正し制振効果を判定することにより、制振効果を最適化するための最適の位相差を決定する位相差決定手段とを有することを特徴とする車輌の制動力制御装置。
  2. 前記目標押圧量修正手段は車速が前記所定の車速域にある状況にて運転者により制動操作が行われているときには、前記周期的変動量に対する前記制振押圧量の位相差を前記最適の位相差に設定して前記目標押圧量を前記制振押圧量にて修正することを特徴とする請求項1に記載の車輌の制動力制御装置。
  3. 前記周期的変動量は車輪の制動力の振動に起因する周期的変動量であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車輌の制動力制御装置。
  4. 前記周期的変動量は車輪の回転角度により判定される車輪の回転周期であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車輌の制動力制御装置。
  5. 更に車輪の回転周期を検出する手段を備え、前記位相差決定手段は前記最適の位相差による前記制振押圧量と前記車輪の回転周期との位相関係を学習し、新たに決定した最適の位相差による前記制振押圧量と前記車輪の回転周期との位相関係が学習した位相関係に対し所定の範囲内にないときには、前回決定した最適の位相差を今回の最適の位相差とすることを特徴とする請求項3に記載の車輌の制動力制御装置。
  6. 前記位相差決定手段は前記最適の位相差を学習し、新たに決定した最適の位相差が学習した位相差と所定量以上異なるときには、前回決定した最適の位相差を今回の最適の位相差とすることを特徴とする請求項4に記載の車輌の制動力制御装置。
  7. 前記目標押圧量修正手段は車速が前記所定の車速域にある状況にて運転者により制動操作が行われているときには、前記最適の位相差を含む所定の最適の位相差の範囲内にて前記制振押圧量の位相差を種々の位相差に設定して前記目標押圧量を前記制振押圧量にて修正し制振効果を判定することにより、前記最適の位相差を修正することを特徴とする請求項2乃至6に記載の車輌の制動力制御装置。
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