JP2006347098A - ゴム製品製造用金型およびゴム製品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ゴム製品の製造時における金型汚れの発生を低減し、金型洗浄などのメンテナンス性を大幅に改良させることによって、ゴム製品の生産性を著しく向上させ、一方、表面平滑性に優れたゴム製品の製造を可能とするゴム製品製造用の金型を提供すること。
【解決手段】 析出硬化系ステンレス鋼からなり、仕上げ加工後の表面にメッキおよび/またはフッ素樹脂コーティングなどの表面処理が施されていないことを特徴とするゴム製品製造用金型。
【選択図】なし
【解決手段】 析出硬化系ステンレス鋼からなり、仕上げ加工後の表面にメッキおよび/またはフッ素樹脂コーティングなどの表面処理が施されていないことを特徴とするゴム製品製造用金型。
【選択図】なし
Description
本発明は、ゴム製品の製造用の金型に関し、さらに詳しくは、金型の仕上げ加工面にメッキなどの表面処理を施さなくともゴム製品の製造に際し金型汚れが低減され、金型の洗浄頻度が極めて少ないことから、ゴム製品の生産性に優れ、高精度のゴム製品の製造が可能なゴム製品製造用の金型およびゴム製品の製造方法に関する。
種々のゴム製品は、通常、金型を使用する圧縮成形、トランスファー成形や射出成形などによって製造される場合が多い。上記成形で使用される金型としては、通常、S55Cなどのスチール系材料を切削加工し、金型表面の仕上げ加工後にクロムやニッケルなどのメッキやフッ素樹脂加工などの表面処理を施した金型が用いられている。
金型表面のメッキにおいて、耐久性が最も高いといわれる硬質クロムメッキは、当該メッキ被膜が亀甲状であることから、亀甲同士の間隙部にゴム組成物からの揮発物が侵入して上記金型表面を腐食したり、該被膜表面に付着物が蓄積する現象、いわゆる金型汚れが生じ、当該金型を用いて得られるゴム製品の表面平滑性が損なわれ、ゴム製品の品質を低下させる原因となっている。この金型の汚れを除去するには、汚れた金型を洗浄しなければならず、また、ある程度の期間ごとに金型表面の前記メッキのかけ替え作業も必要になる。これらの作業には多大な時間とコストを費やすために、ゴム製品の生産性を低下させる大きな原因となっている。
また、金型表面に電解硬質クロムメッキを施す場合には、メッキする金型表面に存在している鋭利に突出した部分には、メッキ処理中に電荷が集まり易く、その部分にクロムの電着量は多くなるが、金型表面の窪んだ部分は逆にクロムの電着量が少なく、金型表面の粗度が拡大されてさらに粗さが増大する。該粗度を低下させるために、金型表面をメッキした後、当該表面に磨き加工を施したとしても、特に金型の鋭角のコーナー部は殆んど磨きによる加工は不可能である。このように金型表面のメッキ後に金型表面の磨き加工を行っても、前記の金型汚れを防止することは困難であり、ゴム製品の製造過程における金型洗浄頻度の低下には結びつかないという問題がある。
一方、金型の仕上げ加工面あるいはそのメッキ面にフッ素樹脂膜を形成することにより金型表面の耐食性は向上し、ある程度の金型表面への汚れの付着物の減少はあるものの、ゴム製品の製造過程における金型洗浄の頻度の大幅な減少は見込めない。また、フッ素樹脂膜を金型表面に均一な厚さに形成することは困難であり、このようなフッ素樹脂膜を設けた金型は、寸法精度が要求される前記用途のゴム製品の製造には適していない。さらに該樹脂膜は物理的な耐久性に劣るので、ゴム製品の成形時のみならず、金型の洗浄過程でも樹脂膜の摩滅により金型の寸法精度が低下するという問題もある。
特開平11−198148号
特開平06−010042号
本発明の目的は、前記の如きゴム製品の製造時における金型汚れの発生を低減し、金型洗浄などのメンテナンス性を大幅に改良させることによって、ゴム製品の生産性を著しく向上させ、一方、表面平滑性に優れたゴム製品の製造を可能とするゴム製品製造用の金型およびこの金型を使用するゴム製品の製造方法を提供することである。
本発明者は、ゴム製品成形用の金型の素材について種々検討した結果、析出硬化系ステンレス鋼を用いて金型を形成した場合には、仕上げ加工後の金型表面に各種メッキやフッ素樹脂コーティングなどの表面処理を施さずとも、前記の如き金型汚れの発生が著しく低減され、その結果、金型洗浄の頻度を著しく減少させることができるなど、メンテナンス性が改良されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、析出硬化系ステンレス鋼からなり、仕上げ加工後の表面にメッキおよび/またはフッ素樹脂コーティングなどの表面処理が施されていないことを特徴とするゴム製品製造用金型を提供する。
すなわち、本発明は、析出硬化系ステンレス鋼からなり、仕上げ加工後の表面にメッキおよび/またはフッ素樹脂コーティングなどの表面処理が施されていないことを特徴とするゴム製品製造用金型を提供する。
上記本発明においては、析出硬化系ステンレス鋼が、マルテンサイト、オーステナイトまたはオーステナイト・フェライト組織のいずれかの組織からなるステンレス鋼に、銅元素またはアルミニウム元素を添加したものであること;析出硬化系ステンレス鋼が、マルテンサイト系組織を有するステンレス鋼であり、添加元素が銅元素であること;およびゴム製品が、医薬・医療用、食品用または化粧品用の容器のゴム栓であることが好ましい。
上記本発明においては、医薬・医療用容器のゴム栓が、バイアル製剤容器用ゴム栓、輸液製剤容器用ゴム栓、注射器のピストン(滑栓)、注射器兼用容器のゴム栓(注射針取り付け部用キャップ、内挿用または下端部密封用)または輸液用栓体の針刺し部分であること;およびゴム製品の表面の少なくとも一部が、ポリエチレンなどのα−オレフィン系ポリマーまたはフッ素系ポリマーの被膜で被覆されていることが好ましい。
また、本発明は、圧縮成形、トランスファー成形または射出成形によりゴム製品を製造するに際し、金型として上記本発明の金型を用いることを特徴とするゴム製品の製造方法を提供する。
以上の本発明によれば、ゴム製品の製造に際して金型洗浄の頻度を著しく少なくすることができるので、ゴム製品の製造における生産性を著しく向上させることが可能である。また、金型表面の汚れが抑制される結果、金型表面の汚れや腐食などに起因する異物の混入のない優れたゴム製品の製造が可能である。
次に、発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明の金型を用いて製造されるゴム製品は、圧縮成形、トランスファー成形または射出成形などの金型を用いて製造されるゴム製品であれば特に制限されないが、中でも医薬・医療用、食品用または化粧品用容器のゴム栓、あるいは医療機器用ゴム製品が好ましいものとして挙げられる。例えば、バイアル製剤または輸液製剤用の各種サイズおよび各種形状のゴム栓、および注射器のピストン(滑栓)、注射器兼用容器の密封用ゴム栓(注射針取り付け部用キャップ、注射筒内挿用および下端部密封用)、輸液用栓体の針刺し部分などが挙げられる。
これらの製品はその用途から、非常に高い品質を要求されており、金型表面の汚れや腐食などに起因するゴム製品への異物の混入が致命的な欠陥になる。また、従来から、これらの製品の中には、ハロゲンや硫黄などの高腐食性ガスを発生する元素を含有する原材料や添加剤を使用するものもあり、金型表面のメッキおよび/またはフッ素樹脂コーティングが必要不可欠となっている。
本発明でゴム製品の製造に使用する金型は、材料として析出硬化系ステンレス鋼を使用し、金型製造の常法に従って切削加工などにより所定の形状に形成され、硬化熱処理(時効熱処理)を施すことによって得られるものである。時効熱処理により、金型表面に銅富化相(銅元素添加系)やニッケル・アルミニウムの金属間化合物(アルミニウム元素添加系)が形成され、金型材料の硬度と耐食性が向上する。
また、上記材料の表面層は他のステンレス鋼と同様に、空気に触れることによる自己修復性を有しているため、上記材料からなる金型表面に傷がついた場合でも、その傷から金型表面が腐食するということがない。従って、本発明の金型はメッキおよび/またはフッ素樹脂コーティングなどの表面処理を全く行わないにもかかわらず、ゴム製品の製造において金型汚れが抑制および低減され、その結果、ゴム製品の製造に際し金型洗浄の頻度が著しく減少し、ゴム製品の生産性が格段に増加するという顕著な効果が奏される。また、前記材料を金型の材料として用いる際の波及効果として、金型表面へのメッキやフッ素樹脂コーティングなどの表面処理に要していた時間やコストを節約でき、さらに金型表面の腐食の発生が根本的に抑制されることや、金型表面の経時的なメッキのかけ替えなど、金型のメンテナンス上の負荷も低減されるため、金型の耐用年数までも延ばすことができる。
本発明で金型の製造に使用する析出硬化系ステンレス鋼は、マルテンサイト、オーステナイトまたはオーステナイト・フェライト組織のいずれかの組織からなるステンレス鋼に、銅元素やアルミニウム元素を添加したものである。かかる析出硬化系ステンレス鋼は、SUS630(マルテンサイト系銅元素添加)、SUS631(マルテンサイト系アルミニウム元素添加)などが知られており、SUS630を改良したNAK101(商品名、大同特殊鋼社製)なども市販されている。
本発明の金型を用いてゴム製品を製造するために使用される原料ゴムは、ゴム製品に要求される特性を満足するものを選択すればよく、原料ゴムの種類は特に制限されない。例えば、医薬品用・医療機器用ゴム栓の製造においては、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、ジビニルベンゼン共重合部分架橋ブチルゴム、高シスポリブタジエンゴム、高シスポリイソプレンゴム、エピクロルヒドリン系ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンモノマー三元共重合ゴム(EPDM)、アクリルゴム、熱可塑性エラストマーなどが使用される。
ゴム製品を製造するには、原料ゴムに硫黄系架橋剤/架橋助剤/架橋促進剤など(硫黄架橋系)または有機過酸化物架橋剤/架橋助剤など(有機過酸化物架橋系)を添加し、さらに必要により、シリカなどの補強剤、炭酸カルシウムなどの充填剤、カーボンブラックなどの着色剤、加工助剤、老化防止剤などの配合剤を添加して、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサーなどの通常の混合機を用いて作製したゴム組成物が使用される。上記の各配合剤は、従来から各種ゴム製品の製造に使用されているものが使用でき、配合剤の種類およびその使用量はゴム製品に要求される性能を満足するように決定すればよく、特に制限されるものではない。ゴム製品が医薬品用・医療機器用ゴム製品の場合には、安全・衛生上の要請から各種公定規格に適合するように配合剤の種類および使用量を決定することが重要である。
ゴム製品は、上記のゴム組成物を用い、意図したゴム製品の外径形状となるよう雄型や雌型が形成された本発明の金型を取りつけた成形機によって製造される。ゴム製品の種類によって圧縮成形機(プレス成形機)、トランスファー成形機あるいは射出成形機などが使用される。なお、圧縮成形機を使用する場合には、シート状のゴム組成物とフッ素系樹脂フィルムやポリエチレン、ポリプロピレンなどのα−オレフィン系ポリマーフィルムなどを重ねて成形することによって、表面の少なくとも一部が上記フィルムで被覆されたゴム製品を製造することができる。
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
金型のサイズはすべて約900×600mmとし、作成するゴム栓およびピストンの最大径はいずれも約15mmとした。
実施例1
金型材料を析出硬化系ステンレス鋼SUS630(マルテンサイト系ステンレス鋼に銅元素を添加したもの)とし、NCフライス加工と放電加工を組み合わせ、ゴム栓形状のキャビティを約650個形成したバイアル製剤容器用ゴム栓の金型を作成した。仕上げ加工面にはメッキやフッ素樹脂コーティングなどの表面処理を一切行わなかった。
金型のサイズはすべて約900×600mmとし、作成するゴム栓およびピストンの最大径はいずれも約15mmとした。
実施例1
金型材料を析出硬化系ステンレス鋼SUS630(マルテンサイト系ステンレス鋼に銅元素を添加したもの)とし、NCフライス加工と放電加工を組み合わせ、ゴム栓形状のキャビティを約650個形成したバイアル製剤容器用ゴム栓の金型を作成した。仕上げ加工面にはメッキやフッ素樹脂コーティングなどの表面処理を一切行わなかった。
<成形試験>
実施例1の金型を用い、架橋性ブチルゴム組成物を用いて圧縮成形により、160℃、15分の条件でゴム栓を成形した。成形は繰り返し1,000回行うこととし、金型汚れに起因する成形不良が出始めるようになったら、洗浄を行うこととした。洗浄回数と汚れ具合について表1に示した。
実施例1の金型を用い、架橋性ブチルゴム組成物を用いて圧縮成形により、160℃、15分の条件でゴム栓を成形した。成形は繰り返し1,000回行うこととし、金型汚れに起因する成形不良が出始めるようになったら、洗浄を行うこととした。洗浄回数と汚れ具合について表1に示した。
実施例2
実施例1の金型材料を析出硬化系ステンレス鋼SUS631(マルテンサイト系ステンレス鋼にアルミニウム元素を添加したもの)とした以外は、実施例1と同様に作成した金型を用いて、成形試験を行った。洗浄回数と汚れ具合について表1に示した。
実施例1の金型材料を析出硬化系ステンレス鋼SUS631(マルテンサイト系ステンレス鋼にアルミニウム元素を添加したもの)とした以外は、実施例1と同様に作成した金型を用いて、成形試験を行った。洗浄回数と汚れ具合について表1に示した。
比較例1
比較のため金型材料にオーステナイト系ステンレスSUS304を用い、仕上げ加工面にクロムメッキを施した以外は上記実施例1と同様に作成した金型を用いて、成形試験を行った。洗浄回数と汚れ具合について表1に示した。
比較のため金型材料にオーステナイト系ステンレスSUS304を用い、仕上げ加工面にクロムメッキを施した以外は上記実施例1と同様に作成した金型を用いて、成形試験を行った。洗浄回数と汚れ具合について表1に示した。
実施例3、4、比較例2
それぞれ実施例1、2と同じ金型材質を用い、NCフライス加工にてピストン形状のキャビティを約650個形成した注射器兼用容器用ピストンの金型を製造した。仕上げ加工面にはメッキやフッ素樹脂コーティングなどの表面処理を一切行わなかった。これらの金型でそれぞれ成形試験を行った。また、比較のため金型材料にオーステナイト系ステンレスSUS304を用い、仕上げ加工面にクロムメッキを施した以外は上記実施例3と同様に作成した金型を用いて、成形試験を行った。それぞれの洗浄回数と汚れ具合について表1に示した。
それぞれ実施例1、2と同じ金型材質を用い、NCフライス加工にてピストン形状のキャビティを約650個形成した注射器兼用容器用ピストンの金型を製造した。仕上げ加工面にはメッキやフッ素樹脂コーティングなどの表面処理を一切行わなかった。これらの金型でそれぞれ成形試験を行った。また、比較のため金型材料にオーステナイト系ステンレスSUS304を用い、仕上げ加工面にクロムメッキを施した以外は上記実施例3と同様に作成した金型を用いて、成形試験を行った。それぞれの洗浄回数と汚れ具合について表1に示した。
実施例5〜8、比較例3、4
実施例1〜4および比較例1、2において、充填する架橋性ブチルゴム組成物の上側表面にフッ素樹脂フィルムを積層したものを使用することにより、同一の金型で、それぞれフッ素樹脂被覆医薬品容器(バイアル)用ゴム栓、フッ素樹脂被覆医療機器(既充填注射器)用ピストンを製造した。この成形方法で成形試験を行った。洗浄回数と汚れ具合について表2に示した。
実施例1〜4および比較例1、2において、充填する架橋性ブチルゴム組成物の上側表面にフッ素樹脂フィルムを積層したものを使用することにより、同一の金型で、それぞれフッ素樹脂被覆医薬品容器(バイアル)用ゴム栓、フッ素樹脂被覆医療機器(既充填注射器)用ピストンを製造した。この成形方法で成形試験を行った。洗浄回数と汚れ具合について表2に示した。
実施例9〜12、比較例5、6
実施例1〜4および比較例1、2において、圧縮成形用であった金型を射出成形用とし、射出成形にて成形試験を行った。洗浄回数と汚れ具合について表3に示した。
実施例1〜4および比較例1、2において、圧縮成形用であった金型を射出成形用とし、射出成形にて成形試験を行った。洗浄回数と汚れ具合について表3に示した。
実施例13〜16、比較例7、8
実施例1〜4および比較例1、2において、圧縮成形用であった金型をトランスファー成形用とし、トランスファー成形にて成形試験を行った。洗浄回数と汚れ具合について表4に示した。
実施例1〜4および比較例1、2において、圧縮成形用であった金型をトランスファー成形用とし、トランスファー成形にて成形試験を行った。洗浄回数と汚れ具合について表4に示した。
本発明の金型を用いた場合はいずれの金型も繰返し1,000回成形した時点においても金型汚れはほとんど生じず、金型洗浄の必要は全くなかった。一方、従来の金型(SUS304系ステンレス鋼+クロムメッキ)を用いた場合にはいずれも20回程度成形した時点から金型汚染が発生し始め、およそ80回成形の時点で金型洗浄を行う必要があった。洗浄後、再度成形を開始し、1,000回使用の間に合計で11〜12回の金型の洗浄を行った。1回の金型洗浄に約10分間を要するので、全体では約2時間金型洗浄に余分の時間を費やした。
以上の如き本発明によれば、ゴム製品の製造に際して金型洗浄の頻度を著しく少なくすることができるので、ゴム製品の製造における生産性を著しく向上させることが可能である。また、金型表面の成形原料による汚染が抑制される結果、金型表面の汚染や腐食などに起因する異物の混入のない優れたゴム製品の製造が可能である。
Claims (7)
- 析出硬化系ステンレス鋼からなり、仕上げ加工後の表面にメッキおよび/またはフッ素樹脂コーティングなどの表面処理が施されていないことを特徴とするゴム製品製造用金型。
- 析出硬化系ステンレス鋼が、マルテンサイト、オーステナイトまたはオーステナイト・フェライト組織のいずれかの組織からなるステンレス鋼に、銅元素またはアルミニウム元素を添加したものである請求項1に記載のゴム製品製造用金型。
- 析出硬化系ステンレス鋼が、マルテンサイト系組織を有するステンレス鋼であり、添加元素が銅元素である請求項2に記載のゴム製品製造用金型。
- ゴム製品が、医薬・医療用、食品用または化粧品用の容器のゴム栓である請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム製品製造用金型。
- 医薬・医療用容器のゴム栓が、バイアル製剤容器用ゴム栓、輸液製剤容器用ゴム栓、注射器のピストン(滑栓)、注射器兼用容器のゴム栓(注射針取り付け部用キャップ、内挿用または下端部密封用)または輸液用栓体の針刺し部分である請求項4に記載のゴム製品製造用金型。
- ゴム製品の表面の少なくとも一部が、ポリエチレンなどのα−オレフィン系ポリマーまたはフッ素系ポリマーの被膜で被覆されている請求項4または5に記載のゴム製品製造用金型。
- 圧縮成形、トランスファー成形または射出成形によりゴム製品を製造するに際し、金型として仕上げ加工後の表面にメッキおよび/またはフッ素樹脂コーティングなどの表面処理が施されていない析出硬化系ステンレス鋼からなる金型を使用することを特徴とするゴム製品の製造方法。
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