JP5542496B2 - 型成形品用エラストマー組成物およびそれを用いた型成形品、並びにその型成形品の製法 - Google Patents

型成形品用エラストマー組成物およびそれを用いた型成形品、並びにその型成形品の製法 Download PDF

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本発明は、型成形品用エラストマー組成物およびそれを用いた型成形品、並びにその型成形品の製法に関するものであり、詳しくは、タンクパッキン、オイルシール、Oリング等の、金型成形等により製造される型成形品の材料に適したエラストマー組成物およびそれを用いた型成形品、並びにその型成形品の製法に関するものである。
アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)は、耐油性が極めて高く、また、加工性が良好で、優れた機械的強度を有することから、オイルや燃料油等に接触する部品等の各種工業製品の材料に用いられている。しかしながら、その一方で、NBRには、耐オゾン性、耐寒性、耐屈曲性に劣るといった短所もある。そこで、NBRに対する相溶性に優れたポリ塩化ビニル(PVC)をブレンドし、これらの短所を克服することのできるブレンドポリマー(NBR−PVC)が各種検討されている。NBR−PVCは、そのブレンド比により、タンクパッキン、オイルシール、Oリング等の様々な製品の材料として使用されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平4−253786号公報
ところで、NBR−PVCブレンド用の市販のPVCには、アルキルベンゼンスルホン酸塩類等の乳化剤が残留している。この乳化剤は、PVCの重合時に使用されるものであり、その使用量の多さにより、PVCの製造性(品質)が向上する。そして、このように製造性の高いPVCのブレンドにより、耐オゾン性等の物性に優れたNBR−PVC組成物を調製することができる。しかしながら、アルキルベンゼンスルホン酸塩類は、相溶性が低いため、インジェクション成形等の金型成形時に、NBR−PVC組成物中から滲出(ブリードアウト)しやすい。このようにブリードアウトした乳化剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩類)は、金型内周面へ付着し、この付着物が金属表面で化学結合すると、そのままこびり付いて金型汚染を発生させる。そして、このまま金型成形を繰り返すと、その汚染物が、金型内周面から剥離してNBR−PVC成形品の表面に転写され、成形品表面に白いアク(皺状の模様)を生じさせる。このような成形品表面のアクは、こすっても取れず、そのため、成形品の外観不良発生率の増加に繋がる。したがって、型成形品の材料として、上記のようなNBR−PVC組成物を使用した場合、歩留まりが非常に悪い。
上記のような問題は、従来、金型の掃除を頻繁に行うことにより対処されてきた。しかしながら、一般に、金型の形状は複雑なことから、掃除がしにくく、それにより掃除時間が増加する傾向にあり、しかも、金型の掃除により金型温度が急激に下がることから、上記のような対処方法は、結果として、製造効率の低下に繋がる。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、NBR−PVC物性に優れるとともに、NBR−PVC組成物中からのブリードアウトを抑え、金型汚染や、その組成物からなる型成形品の外観不良といった不具合を改善することのできる、型成形品用エラストマー組成物およびそれを用いた型成形品、並びにその型成形品の製法の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、下記の(A)〜(C)成分からなるブレンドポリマーを50重量%以上含有する型成形品用エラストマー組成物であって、可塑剤として下記の(D)および(E)成分を含有し、(A)成分と(B)成分との含有割合が、重量比で、(A)/(B)=80/20〜60/40の範囲であり、(A)〜(C)成分の合計量100重量部に対して、(D)成分の含有量が5〜40重量部であり、(E)成分の含有量が1〜15重量部である型成形品用エラストマー組成物を第1の要旨とする。
(A)アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)。
(B)ポリ塩化ビニル(PVC)。
(C)アルキルベンゼンスルホン酸塩類。
(D)エーテルエステル系可塑剤。
(E)アジピン酸ジオクチル(DOA)およびセバシン酸ジ(2−エチルへキシル)(DOS)の少なくとも一方。
また、本発明は、上記第1の要旨のエラストマー組成物を型成形してなる型成形品を第2の要旨とする。
また、本発明は、上記第1の要旨のエラストマー組成物を型成形する型成形品の製法を第3の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。そして、NBR−PVC組成物中からのアルキルベンゼンスルホン酸塩類のブリードアウトを抑えるため、各種実験を行った。その結果、DOAやDOSといった相溶性の高い可塑剤を配合することにより、アルキルベンゼンスルホン酸塩類がNBR−PVC組成物内部に閉じ込められ、また、金型表面に付着したアルキルベンゼンスルホン酸塩類も、上記可塑剤により除去されるといった作用効果が得られることを突き止めた。しかしながら、これにより、金型汚染は改善されるものの、NBR−PVCの低温性の悪化(低温脆化しやすく、耐寒性に劣る)が顕著になるといった問題が新たに生じる。そこで、本発明者らは、さらに研究を重ね、ジブチルグリコールアジペート等のエーテルエステル系可塑剤を、DOAやDOSと併用する実験を行った結果、上記ブリードアウトの抑制効果を阻害することなく、低温性についても満足する結果が得られ、所期の目的が達成できることを見いだし、本発明に到達した。
本発明の型成形品用エラストマー組成物は、NBR、PVC、および、PVCの重合乳化剤であるアルキルベンゼンスルホン酸塩類からなるブレンドポリマーを主成分とするとともに、可塑剤として、エーテルエステル系可塑剤〔(D)成分〕とともに、DOAおよびDOSの少なくとも一方〔(E)成分〕を含有するものである。したがって、NBR−PVC物性(耐オゾン性等)に優れるとともに、NBR−PVC組成物中からのアルキルベンゼンスルホン酸塩類のブリードアウトを抑えることができ、それにより、金型汚染や、その組成物からなる型成形品の外観不良といった不具合を改善することができる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の型成形品用エラストマー組成物は、先に述べたように、NBR〔(A)成分〕、PVC〔(B)成分〕、アルキルベンゼンスルホン酸塩類〔(C)成分〕からなるブレンドポリマー(NBR−PVC)を主成分とするとともに、可塑剤として、エーテルエステル系可塑剤〔(D)成分〕とともに、DOAおよびDOSの少なくとも一方〔(E)成分〕を含有するものである。ここで「主成分」とは、組成物の特性に大きな影響を与えるもののことであり、全体の50重量%以上を意味する。
上記NBR−PVCの材料であるNBR〔(A)成分〕としては、例えば、そのアクリロニトリル量(AN量)が15〜60の範囲のものが好ましく、より好ましくはAN量が30〜60の範囲である。すなわち、NBRのAN量が上記範囲未満であると、耐燃料油性に劣る傾向がみられるからであり、逆に、NBRのAN量が上記範囲を超えると、圧縮永久歪みや柔軟性が低下するからである。
また、上記NBR〔(A)成分〕とともに用いられるPVC〔(B)成分〕としては、例えば、その平均重合度が500〜1400の範囲に設定されたものを用いることが好ましく、より好ましくは700〜1000の範囲である。すなわち、PVCの平均重合度が上記範囲未満であると、粘度が低くなりすぎ、逆に、PVCの平均重合度が上記範囲を超えると、成形性が悪化するからである。そして、上記重合に際し、重合乳化剤として、アルキルベンゼンスルホン酸塩類〔(C)成分〕が用いられる。
上記NBR〔(A)成分〕と、PVC〔(B)成分〕の混合比(重量比)は、(A)/(B)=80/20〜60/40の範囲に設定し、好ましくは、(A)/(B)=75/25〜65/35の範囲である。すなわち、上記混合比において、(B)成分の混合比が上記範囲未満であると、耐オゾン性等の特性に劣るからであり、逆に(B)成分の混合比が上記範囲を超えると、NBRの割合が低下し、それにより耐燃料油性が低下するおそれがあるからである。
上記アルキルベンゼンスルホン酸塩類としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム等があげられる。上記アルキルベンゼンスルホン酸塩類の使用量は、上記(B)成分100重量部(以下「部」と略す)に対して、通常、0.05〜5部の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは0.2〜4部の範囲である。すなわち、アルキルベンゼンスルホン酸塩類の割合が上記範囲未満であると、安定なラテックスが得られず、逆に上記範囲を超えると、余剰となり、ラテックス移送時や排水処理時の発泡トラブル、熱安定性等の樹脂品質上の問題が起きるからである。
上記(A)〜(C)成分からなるブレンドポリマー(NBR−PVC)とともに用いられるエーテルエステル系可塑剤〔(D)成分〕としては、例えば、ジブチルグリコールアジペート、ジブチルカルビトールアジペート、ジブチルグリコールアジペート縮合物、ジブチルカルビトールアジペート縮合物が、耐熱性、練り加工性、柔軟性、低温性等の観点から好ましく用いられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。また、上記エーテルエステル系可塑剤としては、その重量平均分子量(Mw)が、200〜1000の範囲内のものが好ましく、特に好ましくは、重量平均分子量(Mw)が400〜900の範囲のものである。すなわち、上記エーテルエステル系可塑剤の重量平均分子量(Mw)が上記範囲未満であると、ブリードアウトしやすいからであり、逆に、重量平均分子量(Mw)が上記範囲を超えると、上記可塑剤自身が結晶化しやすくなり、エラストマーの硬度が低下しにくくなるからである。なお、このようなエーテルエステル系可塑剤としては、市販のものでは、ADEKA社製のアデカサイザーRS−107、RS−700、RS−735等が好ましく用いられる。
そして、上記エーテルエステル系可塑剤〔(D)成分〕の含有割合は、上記(A)〜(C)成分の合計量100部に対して5〜40部の範囲に設定し、好ましくは、10〜30部の範囲である。すなわち、この範囲内でエーテルエステル系可塑剤を配合することにより、下記(E)成分の可塑剤のみの配合により生ずるNBR−PVC物性(低温性、硬度等)の劣化を、効果的に解消することができる。
本発明では、可塑剤として、上記エーテルエステル系可塑剤〔(D)成分〕と併用し、アジピン酸ジオクチル(DOA)およびセバシン酸ジ(2−エチルへキシル)(DOS)の少なくとも一方〔(E)成分〕が用いられる。なかでも、DOAは、NBR−PVCとの相溶性が高く、好ましい。なお、DOAとDOSとは、上記のように、その少なくとも一方を使用すればよく、また、DOAとDOSとを併用してもよい。
そして、上記(E)成分の可塑剤の含有割合は、上記(A)〜(C)成分の合計量100部に対して1〜15部の範囲に設定し、好ましくは、3〜7部の範囲である。すなわち、上記(E)成分の可塑剤の割合が上記範囲未満であると、乳化剤であるアルキルベンゼンスルホン酸塩類のブリード抑制効果が得られず、逆に上記範囲を超えると、NBR−PVC物性(低温性、硬度等)を低下させるおそれがあるからである。
また、上記(D)成分および(E)成分の可塑剤の総含有量は、NBR−PVC物性の観点から、上記(A)〜(C)成分の合計量100部に対して6〜55部の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは、10〜30部の範囲である。
本発明のエラストマー組成物には、上記(A)〜(E)の各成分に加え、通常、加硫剤が配合される。
上記加硫剤としては、例えば、硫黄、モルホリン、ジスルフィド等の硫黄化合物、有機過酸化物等があげられる。上記加硫剤の含有割合は、上記(A)〜(C)成分の合計量100部に対して、通常、0.2〜5部の範囲に設定される。
なお、本発明のエラストマー組成物には、上記各成分に加えて、加工助剤、老化防止剤、補強剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤、充填剤、着色剤、難燃剤等を必要に応じて適宜配合しても差し支えない。
上記加工助剤としては、例えば、ステアリン酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、炭化水素樹脂等があげられる。上記加工助剤の含有割合は、上記(A)〜(C)成分の合計量100部に対して、通常、0.1〜10部の範囲に設定される。
上記老化防止剤としては、例えば、フェニレンジアミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、ジフェニルアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤、ワックス類等があげられる。上記老化防止剤の含有割合は、上記(A)〜(C)成分の合計量100部に対して、通常、0.2〜10部の範囲に設定される。
上記補強剤としては、例えば、カーボンブラック、ホワイトカーボン等があげられる。上記補強剤の含有割合は、上記(A)〜(C)成分の合計量100部に対して、通常、10〜200部の範囲に設定される。
上記加硫促進剤としては、例えば、チアゾール系促進剤、チウラム系促進剤、スルフェンアミド系促進剤等があげられる。上記加硫促進剤の含有割合は、上記(A)〜(C)成分の合計量100部に対して、通常、0.2〜5部の範囲に設定される。
上記加硫促進助剤としては、例えば、酸化亜鉛、活性亜鉛華、酸化マグネシウム等があげられる。上記加硫促進助剤の含有割合は、上記(A)〜(C)成分の合計量100部に対して、通常、0.5〜10部の範囲に設定される。
上記加硫遅延剤としては、例えば、N−(シクロヘキシルチオ)フタルイミド等があげられる。上記加硫遅延剤の含有割合は、上記(A)〜(C)成分の合計量100部に対して、通常、0.1〜3部の範囲に設定される。
上記充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルク、シリカ等があげられる。上記充填剤の含有割合は、上記(A)〜(C)成分の合計量100部に対して、通常、10〜100部の範囲に設定される。
ここで、本発明のエラストマー組成物は、例えば、次のようにして調製することができる。すなわち、まず、NBRと、PVC(乳化剤であるアルキルベンゼンスルホン酸塩類を含む)とを、所定の割合で混合して、NBR−PVCブレンドポリマーを作製し、ついで、このブレンドポリマーに、前記(D)成分および(E)成分の可塑剤、さらに必要に応じて、カーボンブラック等の充填材,酸化亜鉛等の加硫助剤,老化防止剤等を配合(加硫剤や加硫促進剤を除く)する。つぎに、これらを、バンバリーミキサー等を用いて、110〜150℃で、1〜20分間程度混練する。その後、加硫剤や加硫促進剤を適宜に配合し、オープンロールを用いて、所定条件(例えば、100℃×10分間)で混練することにより、目的とするエラストマー組成物を作製することができる。
そして、上記のようにして得られたエラストマー組成物を、インジェクション成形、注型成形等の成形方法に従い、金型等の型に流し込み、高温(150〜170℃)で5〜30分間、加硫する(型成形する)ことにより、目的とする型成形品(エラストマー部材)を得ることができる。なお、本発明のエラストマー組成物の配合組成により、上記型成形を繰り返し行っても金型汚染が発生しにくいことから、金型の掃除を頻繁に行わなくともよくなり、また、型成形品の外観不良発生率も抑制されるため、歩留まりの悪化も改善されるようになる。
このようにして得られる本発明の型成形品は、上記のように外観不良を生じておらず、また、オイルや燃料油等に接触する部品として有用であり、例えば、タンクパッキン、オイルシール、Oリングとして好適に用いられる。また、耐磨耗性が要求される部品としても有用であり、例えば、印刷ロール、紡績ロール、安全靴としても用いられる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す各材料を準備した。
〔NBR−PVC(i)〕
NBR(アクリロニトリル量:42重量%)70部と、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むPVC(PVCの平均重合度:800、PVC100部に対するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム含量:1.5部)30部とからなるブレンドポリマー
〔NBR−PVC(ii)〕
NBR(アクリロニトリル量:42重量%)70部と、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むPVC(PVCの平均重合度:800、PVC100部に対するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム含量:0.8部)30部とからなるブレンドポリマー
〔NBR〕
ニポールDN003、日本ゼオン社製
〔エーテルエステル系可塑剤(D成分)〕
アデカサイザーRS−107、ADEKA社製
〔DOA(E成分)〕
DOA、田岡化学工業社製
〔DOS(E成分)〕
DOS、田岡化学工業社製
〔DOP〕
DOP、田岡化学工業社製
〔加硫剤〕
SULFAX 200S、鶴見化学工業社製
〔実施例1〕
NBR−PVC(i)100部と、エーテルエステル系可塑剤18部と、DOA5部とを配合し、これらを、バンバリーミキサーを用いて、約130℃で5分間混練した。その後、さらに、加硫剤0.3部を配合し、オープンロールを用いて、約100℃で10分間混練することにより、エラストマー組成物を調製した。
〔実施例2〜10、比較例1〜4〕
下記の表1および表2に示すように、各成分の含有量等を変更する以外は、実施例1に準じて、エラストマー組成物を調製した。
Figure 0005542496
Figure 0005542496
このようにして得られた実施例および比較例のエラストマー組成物に関し、下記の基準に従って、各特性の評価を行った。その結果を、後記の表3および表4に併せて示した。
〔金型汚染・成形品の外観不良〕
インジェクション成形用の金型を用い、上記調製したエラストマー組成物のインジェクション成形を行い、170℃で5分間加熱し加硫させた後、脱型し、直径50mm×高さ25mmの円筒形状のテストピースを作製した。この操作を、金型を洗浄せずに繰り返し、上記テストピースの作製を連続で10回行った。そして、テストピースの作製回数(ショット数)に応じた、金型汚染(ブリードが金型内周面に付着したことにより生じる汚染)、および、その汚染物が成形品(テストピース)表面に転写したことによる、成形品表面の外観不良の状態を、目視評価した。すなわち、金型汚染においては、ブリードによる汚染が確認されなかったものを○、実用上問題ない程度の汚染が確認されたものを△、実用上支障をきたす程度の汚染が確認されたものを×と評価した。また、成形品の外観不良においては、成形品表面にアクが確認されなかったものを○、成形品表面に若干のアクが確認されたものを△、成形品表面に酷いアクが確認されたものを×と評価した。なお、本発明においては、両評価ともに、△以上の評価(○および△)が要求される。
〔低温性〕
上記調製したエラストマー組成物を、JIS K 6404に準拠した形状とサイズに加硫成形してテストピースを作製し、このテストピースを用いて、JIS K 6404に準拠して、低温脆化温度を測定した。そして、その低温脆化温度が−25℃より高温を示したものを×、−25℃以下のものを○と評価した。なお、測定値が−40℃以下のものは「−40≧」と表記した。
〔耐オゾン性〕
上記調整したエラストマー組成物を加熱加硫し、JIS K 6259のテストピースを作製した。このテストピースを80%伸張し、40℃、80pphmのオゾン層に投入して240時間経過後にオゾンクラックの有無を確認した。そして、オゾンクラックが発生していないものを○、発生しているものを×と評価した。
〔耐燃料油性〕
上記調製したエラストマー組成物を加熱加硫し、20mm×20mm×厚み2mmのテストピースを作製した。このテストピースを、Fuel Cに40℃×120時間浸漬し、その体積変化率(%)を測定した。そして、耐燃料油性の評価において、上記体積変化率が25%未満であったものを○、25%以上35%未満であったものを△、35%以上であったものを×と評価した。なお、本発明においては、△以上の評価(○および△)が要求される。
Figure 0005542496
Figure 0005542496
上記表の結果から、実施例のエラストマー組成物は、NBR−PVC物性(低温性、耐オゾン性、耐燃料油性)が高く、また、ショットを10回程度繰り返しても、ブリードアウトによる金型汚染や成形品の外観不良を殆ど生じていないことがわかる。
これに対し、比較例1では、可塑剤として、エーテルエステル系可塑剤のみが配合されており、DOAやDOSが不含であることから、ショットを繰り返すことにより、ブリードアウトしたアルキルベンゼンスルホン酸塩類による金型汚染や成形品の外観不良がみられた。比較例2では、可塑剤として、DOAのみが配合され、その相溶性の高さに起因し、金型汚染や成形品の外観不良は生じなかったが、低温性の劣化がみられた。比較例3では、可塑剤としてDOPのみが配合されていることから、金型汚染と成型品の外観不良、および低温性の低下がみられた。比較例4では、可塑剤として、エーテルエステル系可塑剤およびDOAが配合されているが、ポリマーがNBRのみであり、耐オゾン性に劣る結果となった。比較例5では、可塑剤として、エーテルエステル系可塑剤およびDOPが配合されており、ブリードアウトしたアルキルベンゼンスルホン酸塩類による金型汚染や成形品の外観不良がみられた。なお、実施例,比較例ともに、「耐燃料油性」評価で「×」となったものはなかった。

Claims (7)

  1. 下記の(A)〜(C)成分からなるブレンドポリマーを50重量%以上含有する型成形品用エラストマー組成物であって、可塑剤として下記の(D)および(E)成分を含有し、(A)成分と(B)成分との含有割合が、重量比で、(A)/(B)=80/20〜60/40の範囲であり、(A)〜(C)成分の合計量100重量部に対して、(D)成分の含有量が5〜40重量部であり、(E)成分の含有量が1〜15重量部であることを特徴とする型成形品用エラストマー組成物。
    (A)アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)。
    (B)ポリ塩化ビニル(PVC)。
    (C)アルキルベンゼンスルホン酸塩類。
    (D)エーテルエステル系可塑剤。
    (E)アジピン酸ジオクチル(DOA)およびセバシン酸ジ(2−エチルへキシル)(DOS)の少なくとも一方。
  2. 上記(D)成分のエーテルエステル系可塑剤の重量平均分子量(Mw)が200〜1000である請求項1記載の型成形品用エラストマー組成物。
  3. 上記(D)成分のエーテルエステル系可塑剤が、ジブチルグリコールアジペート、ジブチルカルビトールアジペート、ジブチルグリコールアジペート縮合物およびジブチルカルビトールアジペート縮合物からなる群から選ばれた少なくとも一つである請求項1または2記載の型成形品用エラストマー組成物。
  4. 上記(D)成分および(E)成分の可塑剤の総含有量が、(A)〜(C)成分の合計量100重量部に対して6〜55重量部の範囲である請求項1〜のいずれか一項に記載の型成形品用エラストマー組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載のエラストマー組成物を型成形してなることを特徴とする型成形品。
  6. 上記型成形品が、タンクパッキン、オイルシールまたはOリングである請求項記載の型成形品。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載のエラストマー組成物を型成形することを特徴とする型成形品の製法。
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