JP2006346860A - 放電加工制御方法および放電加工制御装置 - Google Patents

放電加工制御方法および放電加工制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】極間制御系への外乱を抑えて安定な加工状態を維持することにより加工速度を改善する。
【解決手段】被加工物の加工状態を検出する加工状態検出部102と、加工状態検出部の検出値をノッチ周波数によりフィルタリングするノッチフィルタ部103と、ノッチフィルタ部の出力値と加工状態の目標値との差を演算する差信号演算部105と、差と指令された電極の指令値とから電極の制御量を演算する制御量演算部106と、制御量演算部から出力された制御量により電極を所定方向に移動させると共に被加工物との対向面に垂直な回転軸を中心として回転させる電極駆動部(電極駆動装置)109とを備えている。
【選択図】 図1−1

Description

本発明は、加工液中に電極と被加工物を配置し、電極と被加工物の間に電圧を印可して放電を発生させ加工を行う放電加工制御方法および放電加工制御装置に関するものである。
加工液中に電極と被加工物を配置し、それらの間に電圧を印可し、放電を発生させ加工を行う放電加工機では、安定な加工状態を維持するために電極と被加物の距離を調整する極間制御系が構成されている。図16は例えば「放電加工のしくみと100%活用法」(技術評論社)、P88〜90において説明されている従来の極間制御系を含む加工制御系の構成を示す図である。図において、101は放電加工プロセス、102は加工状態放出部、104は目標値設定都、105は差信号演算部、106は制御量演算部、107は加工軌跡設定部、108は回転条件設定部、109は電極駆動装置(電極駆動部)、110は加工パルス条件設定部、111は加工電源である。また、yは放電加工プロセス101の状態量、ymは加工状態検出部102により検出される状態量yの検出値、rは目標値設定部104で設定されている加工状態の目標値、eは差信号演算部105より検出値ymと目標値rから求められる差信号、Rvは加工軌跡設定部107で設定されている加工軌跡指令値、Rrは回転条件設定部108で設定されている回転指令値、Upは制御量演算部106により差信号eと加工軌跡指令値Rvから求められる制御量、Mpは電極駆動装置109により制御量Upおよび回転指令値Rrにもとづいて操作される電極操作量、Rsは加工パルス条件設定部110で設定されている加工パルス条件指令値、Msは加工電源111により指令値Rsにもとづいて操作される加工パルス操作量である。なお、加工軌跡指令値Rv、制御量UpはXYZ軸に対応するベクトル量、回転指令値RrはC軸の回転数および回転方向に対応するベクトル量、電極駆動装置109はXYZ軸駆動装置およびC軸回転装置であり、電極操作量Mpにより電極をC軸方向に回転させながらXYZ軸方向に極間距離が制御される。また、加工パルス条件指令値Rsはオープン電圧、ピーク電流、パルスオンタイム、パルスオフタイムなどからなる。
図17は従来の極間制御系の動作内容を示す図である。極間制御アルゴリズムの実行は一般にマイクロコンピュータによるソフトウェア処理で行われ、図ではk回目の処理を示している。S201は加工状態検出部102の処理であり、放電加工プロセスの加工状態を、例えば極間平均電圧ym(k)として検出する。S401は差信号演算部105の処理であり、極間平均電圧の目標値rと該検出値ym(k)から差信号e(k)を求める。S1701は制御量演算都106の処理であり、加工軌跡設定部107で設定されている加工軌跡指令値Rvと該差信号e(k)から制御量Up(k)を求め、該制御量Up(k)を電極駆動装置109へ指令する。Kpは比例ゲイン、Kiは積分ゲインであり、一般によく知られているPI補償(比例+積分補償)により該検出値ym(k)が該目標値rと一致するように電極が操作される。
図18は従来の極間制御系における加工状態検出値のパワースペクトラムの様子を示す図であり、いわば、従来の極間制御系を有する放電加工機により加工を行った際の加工状態検出部102により検出された極間平均電圧ym(k)のパワースペクトラムPを求めたものである。図において、周波数f1、f2、f3にパワースペクトラムのピークが確認できるが、これは電極の回転周波数、およぴその高調波に対応するものである。これらのパワースペクトラムのピークは、電極回転による電極の偏心および給電ブラシ部分での電気的特性変動によるものである。
図19は従来の極間制御系を用いた別の放電加工機における加工状態検出値のパワースペクトラムの様子を示す図であり、いわば、従来の極間制御系を有する別の放電加工機により加工を行った際の加工状態検出部102により検出された極間平均電圧ym(k)のパワースペクトラムPを求めたものである。図18のものと比較すると周波数f4にパワースペクトラムのピークが現れる。これはXYZ軸駆動装置が持つ機械系の共振周波数に対応するものである。したがって、機械系の共振周波数が複数ある場合には、それに対応して複数の周波数にパワースペクトラムのピークが現れる。このように、検出された極開平均電圧のパワースペクトラムにいくつかのピークが発生することは、そのピークを持つ周波数において極間制御系への外乱が存在しており、その周波数で安定な加工状態が維持できていないことを示している。
以上のように電極を回転させながら加工を行う場合には、電極の偏心が極間距離の変動となり、極間制御系への外乱となることから加工速度の低下を招くという問題を生じていた。また、加工電流は給電ブラシを介して加工電源より電極へ供給するが、電極回転に起因する給電ブラシ部分での電気的特性変動が極間制御系への外乱となることから加工速度の低下を招くという間題を生じていた。さらに、電極駆動装置に機械共振を有する場合には、駆動装置への制御量と実際の電極の動きが異なり、適切な極間距離に制御できずに加工が不安定となり、加工速度の低下を招くという間題を生じていた。
この発明は上述のような課題を解決するためになされたもので、極間制御系への外乱を抑えることができ、安定な加工状態を維持することにより加工速度を改善する放電加工制御方法および放電加工制御装置を得ることを目的とする。
この発明に係る放電加工制御方法は、加工液中に電極と被加工物とを所定の間隙で対向させて配置すると共に間隙に電圧を印加して放電を発生させ被加工物を加工する放電加工方法において、被加工物の加工状態を検出し、加工状態の検出値をノッチ周波数によりフィルタリングし、フィルタリングによる出力値と加工状態の目標値との差を演算し、差と指令された電極の指令値とから電極の制御量を演算し、制御量により電極を所定方向に移動させると共に被加工物との対向面に垂直な回転軸を中心として回転させるようにしたことを特徴とする。
また、この発明に係る放電加工制御装置は、加工液中に電極と被加工物とを所定の間隙で対抗させて配置すると共に間隙に電圧印加して放電を発生させ被加工物を加工する放電加工装置において、被加工物の加工状態を検出する加工状態検出部と、加工状態検出部の検出値をノッチ周波数によりフィルタリングするノッチフィルタ部と、ノッチフィルタ部の出力値と加工状態の目標値との差を演算する差信号演算部と、差と指令された電極の指令値とから電極の制御量を演算する制御量演算部と、制御量演算部から出力された制御量により電極を所定方向に移動させると共に被加工物との対向面に垂直な回転軸を中心として回転させる電極駆動部とを備えたことを特徴とする。
この発明に係る放電加工制御方法によれば、極間制御系への外乱を抑えることができ、安定な加工状態を維持することにより加工速度を改善する制御方法を得ることができる。
この発明に係る放電加工制御装置によれば、極間制御系への外乱を抑えることができ、安定な加工状態を維持することにより加工速度を改善する制御装置を得ることができる。
実施の形態1.
図1−1および図1−2は本発明の実施の形態1である放電加工制御系を表すブロック図および座標の斜視図である。図において、101,102,104〜111は従来例に示したものと同じである。また、状態量y、検出値ym、加工状態の目標値r、差信号e、加工軌跡指令値Rv、回転条件指令値Rr、制御量Up、電極操作量Mp、加工パルス条件指令値Rs、加工パルス操作量Msの意味するところは従来例に示したものと同じである。103はノッチフィルタ部、yfは検出値ymをノッチフィルタ部103でフィルタリングしたフィルタリング信号である。図2−1および図2−2は図1−1および図1−2に示した極間制御系の動作内容を示すフローチャートおよび回路図である。図では極間制御アルゴリズムをマイクロコンピュータで実現した場合のk回目のソフトウェア処理を示している。S201は加工状態検出部102の処理であり、放電加工プロセスの加工状態を例えば極開平均電圧ym(k)として検出する。S202はノッチフィルタ部103の処理であり、検出値ym(k)をフィルタF(z-1)によりフィルタリングして信号yf(k)を求める。フィルタF(z-1)はノッチフィルタ特性を有する一つあるいは二つ以上のフィルタからなる。フィルタのノッチ周波数は、電極の回転周波数に対応するもの、XYZ軸駆動装置の機械系の共振周波数に対応するもののいずれか一つ、あるいは電極の回転周波数に対応するものと該回転周波数の高調波に対応するもの、電極の回転周波数とXYZ軸駆動装置の機械系の共振周波数に対応するもの、電極の回転周波数と該回転周波数の高調波とXYZ軸駆動装置の機械系の共振周波数に対応するもの、XYZ軸駆動装置の機械系の二つ以上の共振周波数に対応するもののいずれかにおける二つ以上である。
S203は差信号演算部105の処理であり、極間平均電圧の目標値rとフィルタリングされた信号yf(k)から差信号e(k)を求める。S204は制御量演算部106の処理であり、該差倍号e(k)に積分+比例補償を施して信号u(k)を求め、該信号u(k)に該加工軌跡設定部107に設定された加工軌跡指令値Rvをかけることにより制御量Up(k)を求める。いま、Up(k)=(up_x(k),up_y(k),up_z(k))、Rv=(rv_x,rv_y,rv_z)とすると、制御量Up(k)は以下のような式(1)(2)(3)で求められる。求められた該制御量Up(k)は電極駆動装置109に与えられる。ここで、Kpは比例ゲイン、Kiは積分ゲインである。
Figure 2006346860
以上のように、加工状態の検出値をフィルタリングすることにより電極回転による電極の偏心、給電ブラシ部の電気的特性変動、駆動装置が持つ機域系の共振が、極間制御系に外乱として作用することを抑制することが可能となる。
なお、以上はソフトウェア処置される場合について説明したが、専用ハードウェアにより図1−1のように構成してもよい。
図1−1において、P1〜P3はオペアンプ、R1〜R5は抵抗、C1〜C3はコンデンサであり、これらの素子により、ノッチフィルタを構成している。
ノッチフィルタのノッチ周波数fNは次式(4)〜(6)により決めることができる。
Figure 2006346860
例えば、1000rpmで電極が回転している場合、
1=C3=0.22μF,C2=2C1=0.44μF,
1=R3≒43.4KΩ,R2=1/2R1≒21.7KΩ
に設定すると、上記よりノッチ周波数はfN≒16.7Hgとなる。
実施の形態2.
図3は実施の形態2である放電加工制御系を表す図である。図において101〜111は本発明の実施の形態1に示したものと同じである。また、状態量y、検出値ym、加工状態の目標値r、差信号e、加工軌跡指令値Rv、回転条件指令値Rr、制御量Up、電極操作量Mp、加工パルス条件指令値Rs、加工パルス操作量Msの意味するところは実施の形態1に示したものと同じである。efは差信号eをノッチフィルタ部103でフィルタリングした信号である。図4は図3に示した極間制御系の動作内容を示す図である。図では極間制御アルゴリズムをマイクロコンピュータで実現した場合のk回目のソフトウェア処理を示している。S201は加工状態検出都102の処理であり、実施の形態1に示したものと同じである。S401は差信号演算部105の処理であり、極間平均電圧の目標値rと検出値ym(k)から差信号e(k)を求める。S402はノッチフィルタ部103の処理であり、差信号e(k)をフィルタF(z-1)によりフィルタリングして信号ef(k)を求める。フィルタF(z-1)はノッチフィルタ特性を有する一つあるいは二つ以上のフィルタからなる。S403は制御量演算部106の処理であり、信号ef(k)に積分+比例補償を施して信号u(k)を求め、該信号u(k)に該加工軌跡設定部107に設定された加工軌跡指令値Rvをかけることにより制御量Up(k)を求める。ここで、Kpは比例ゲイン、Kiは積分ゲインである。
上記実施の形態では、差信号e(k)をフィルタF(z-1)によりフィルタリングして信号ef(k)を求めたが、差信号e(k)をフィルタリングするのに替えて、図5に示すように制御量Up(k)=(up_x(k),up_y(k),up_z(k))を求めた後、それぞれの制御量に対してフィルタリングを行ってもよい。すなわち、S501に示すようにup_x(k),up_y(k),up_z(k)にフィルタリングを行い、up_x(k),up_y(k),up_z(k)をXYZ軸駆動装置への制御量とする。ここで、フィルタF(z-1)はノッチフィルタ特性を有する一つあるいは二つ以上のフィルタからなる。
また、ノッチフィルタ部のノッチフィルタの周波数が電極または被加工物の駆動装置が有する共振周波数である場合には、差信号e(k)をフィルタリングするのに替えて、制御量Up(k)=(up_x(k),up_y(k),up_z(k))を求めた後、共振を有する軸の制御量に対してのみフィルタリングしてもよい。たとえば、図6のS601に示すのは、X紬駆動装置に共振がある場合であり、up(k)にフィルタリングを行い、up_xf(k)をX軸駆動装置への制御量とする。ここで、フィルタG(z-1)はノッチフィルタ特性を有する一つあるいは二つ以上のフィルタからなる。
以上のように、差信号e(k)、あるいは制御量Up(k)をフィルタリングすることにより、電極回転による電極の偏心、給電ブラシの電気的特性変動、駆動装置が持つ機械系の共振が極間制御系に外乱として作用することを抑制することが可能となる。また、機械系の共振に対しては、その共振を有する軸の制御量にのみフィルタリングすることにより、極間制御での不必要な位相遅れの発生を逃れることができ、極間制御系の安定性において有利である。
なお、以上はソフトウェア処置される場合について説明したが、専用ハードウェアにより構成してもよい。
実施の形態3.
図7は実施の形態3である放電加工制御系を表す図である。図において、101,102,104〜111は本発明の実施の形態1に示したものと同じである。また、状態量y、検出値ym、フィルタリングしたyf、加工状態の目標値r、差信号e、加工軌跡指令値Rv、回転条件指令値Rr、制御量Up、電極操作量Mp、加工パルス条件指令値Rs、加工パルス操作量Msの意味するところは本発明の実施の形態1に示したものと同じである。701は可変ノッチフィルタ部、702はノッチ周波数自動調整部である。可変ノッチフィルタ部701は、ノッチ周波数自動調整部702により求められるノッチ周波数を有するノッチフィルタ特性を実現し、検出値ymをフィルタリングすることにより信号yfを求める。図8には可変ノッチフィルタ部701およびノッチ周波数自動調整部702におけるk回目のソフトウェア処理を示す。S801では回転条件設定部108で設定される回転条件指令値Rrや予め調べておいた駆動装置が有する共振周波数を読み込み、S802ではその読み込んだ情報にもとづいてノッチ周波数を求め、S803では該ノッチ周波数にもとづいて可変ノッチフィルタ部のノッチ周波数の調整を行う。
以上のように横成することにより、回転条件などが変化した場合にも、それに対応してノッチ周波数を調整することができ、常に適切なフィルタソングを実現できる。
以上の実施の形態では、ノッチ周波数自動調整部702が回転条件設定部108で設定される回転条件指令値Rrや予め調べておいた駆動装置が有する共振周波数にもとづいてノッチ周波数を求め、可変ノッチフィルタ部のノッチ周波数の調整を行うようにしたが、図9に示すように、ノッチ周波数自動調整部901においては、検出値ymを取り込み、該検出値ymが持つパワースペクトラムを求め、該パワースペクトラムの分布でピークを有する周波数を求め、該周波数にもとづいて可変ノッチフィルタ部のノッチ周波数の調整を行ってもよい。図10には可変ノッチフィルタ部701およびノッチ周波数自動調整部901におけるk回目のソフトウェア処理を示す。S1001では検出値ymを取り込み、S1002では該検出値ymのパワースペクトラムを計算し、S1003では該パワースペクトラムにおいてピークをもつ周波数を求め、S803では該周波数をノッチ周波数として可変ノッチフィルタ部の周波数の調整を行う。
以上のように構成することにより、予め機械系の共振周波数を調べる必要もなく、また回転条件を調べる必要もなく、さらにそれらが変化した場合にも、それに対応してノッチ周波数を自動的整することができ、常に適切なフィルタリングを実現できる。
また、上記説明では、フィルタリングを検出値ymに行う場合について述べたが、フィルタリングを差信号eに行う場合や駆動装置の制御量に行う場合にも、同様の構成を取ることができる。
なお、以上はソフトウェア処置される場合について説明したが、専用ハードウェアにより構成してもよい。
実施の形態4 .
図11は本発明の実施の形態4である放電加工制御系を表す図である。図において、101,102,104〜111は本発明の実施の形態1に示したものと同じである。また、状態量y、検出値ym、加工状態の目標値r、差信号e、加工軌跡指令値Rv、回転条件指令値Rr、制御量Up、電極操作量Mp、加工パルス条件指令値Rs、加工パルス操作量Msの意味するところは本発明の実施の形態1に示したものと同じである。1101は補正量演算部、1102は制御量補正部であり、θは実際の電極の回転角度、Cpは該回転角θをもとに補正量演算部1101により求められた補正量、Upcは制御量Upを該補正量Cpにより補正して求めた電極駆動装置109への制御量である。
いま、円柱電極を回転させながら行う加工において、電極中心と電極の回転中心とが異なり電極が偏心している場合について考える。図12において、1201は電極半径がr_e、電極中心がOe(x_Oe,y_Oe)の円柱電極であり、回転中心O(0,0)で回転する。電極を2回転させ、偏心の状況をx軸との交点pで観測すると、定常成分を除いて図13のようになる。図では、r_oeは電極中心Oeと回転中心Oとの距離である。
図14は図11における補正量演算部1101、制御量補正部1102におけるk回目のソフトウェア処理を示す図である。S1401では電極の偏心を補正するためのデータをすでに持っているかどうかを判断する。補正データを持っていない場合にはS1402へ進み、電極の回転角度θと点Pでの変位量Lとの関係を測定する。S1403では測定結果よりr_ocを求める。S1404では電極を0か360°へ回転させたとき、変位量Lが最初に減少するかどうかを判断する。もし、減少しない場合にはS1406へ進み、変位量Lが最大となるθmaxを求め、φ=−θmaxとする。一方、減少する場合にはS1406へ進み、変位量Lが最小となるθminを求め、φ=θmin=−180°とする。以上により、r_ocおよびφが求まるが、これらの処理は電極を取り付けた後、実際の加工を行う前に行うものである。したがって、加工中にはS1401で補正データを持っていると判断され、S1407へ進み、回転角θを検出する。S1408では検出された回転角θ(k)、およびr_oc、φより補正量Cp=(cp_x(k),cp_y(k))を求める。S1409では制御量Upを該補正量Cpにより補正して制御量Upcを求める。制御量Upは、従来例と同様な方法で求められたものである。
以上のように構成することにより、実際の電極の偏心を実測でき、その実測値をもとに従来の電極駆動装置を用いることにより信号処理の変更だけで偏心を補正でき、電極回転時の加工状態の安定化を図ることが可能となる。
なお、r_oeおよびφの求め方は、上記説明に限定されるものでなく、その他の方法で求めても同様の電極偏心の補正を行うことが可能である。
以上の実施の形態では、r_oeとφを用いて偏心補正のデータを数式により求めるようにしたが、図13の測定データから偏心補正のためのデータテーブルを構成し、実際の電極の回転角度θにもとづいてデータテーブルを参照し、制御量Upcを求めてもよい。
実施の形態5.
図15は本発明の実施の形態5である放電加工制御系を表す図である。図において、101,102,104〜111は本発明の実施の形態1に示したものと、1101は本発明の実施の形態4に示したものと同じである。また、状態量y、検出値ym、加工状態の目標値r、差信号e、加工軌跡指令値Rv、回転条件指令値Rr、制御量Up、電極操作量Mp、加工パルス条件指令値Rs、加工バルス操作量Msの意味するところは本発明の実施の形態1に示したものと、電極の回転角度θ、補正量Cpの意味するところは本発明の実施の形態4に示したものと同じである。1501は偏心補正駆動装置であり、電極操作量Mpcは電極駆動装置109による電極操作量Mpによる電極操作量を加えたものである。
次に、動作について説明する。実施の形態4と同じ補正量演算部1101は該補正量Cpを求め、該補正量は偏心補正駆動装置1501の制御量として与えられる。すなわち、電極駆動装置109とは別に、電極をXY軸方向に比較的微小な範囲で駆動できる偏心補正駆動装置1501により、電極の偏心量を補正するものである。
従来の電極駆動装置では、電極駆動範囲を大きく取るため高速応答が困難であるが、偏心補正駆動装置では微妙な範囲の駆動であり、高速応答が実現し易い。したがって、以上のように構成することにより、電極を高速回転する場合にも電極の偏心を正確に補正することが可能となる。また、従来の極間制御系の信号処理とは独立に、偏心を補正するだけの信号処理を行えばよいことから比較的容易に実現できる。
以上の実施の形態では、偏心補正駆動装置をXY軸方向に比較的微小な範囲で駆動できる装置としたが、電極駆動装置と偏心補正駆動装置との座標軸が異なっていても、それらの座標関係が明かであれば、補正量Cpに座標変換を施すことにより、問題なく電極の偏心量を補正することが可能である。
本発明は放電加工装置に適用され、電極回転時における電極の偏心、電極の駆動系の機械共振に起因する極間制御系への外乱を抑え、加工の安定化による加工速度の改善に効果がある。
本発明の実施の形態1の放電加工制御系を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1の放電加工制御系座標を示す斜視図である。 図1−2に示す極間制御系の動作を示すフロー図である。 図2−1と対応し、専用ハードウェアにより構成した図である。 本発明の実施の形態2である放電加工制御系を示すブロック図である。 図3に示す極間制御系の動作を示すフロー図である。 本発明の実施の形態2の他の極間制御系の動作を示すフロー図である。 本発明の実施の形態2の他の極間制御系の動作を示すフロー図である。 本発明の実施の形態3の放電加工制御系を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3のノッチ周波数の自動調整動作を示す図である。 本発明の実施の形態3の他の極間制御系の動作を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3のノッチ周波数の自動調整動作を示す図である。 本発明の実施の形態4の放電加工制御系を示すブロック図である。 本発明の実施の形態4の電極中心と電極の回転中心とが異なる場合を示す図である。 本発明の実施の形態4の電極を回転させた場合に観測される偏心の様子を示す図である。 図11において補正演算部、制御量補正部のK回目のソフトウェア処理を示すフロー図である。 本発明の実施の形態5の放電加工制御系を示すブロック図である。 従来の極間制御系を含む加工制御系の構成を示すブロック図である。 従来の極間制御系の動作内容を示すフロー図である。 従来の極間制御系における加工状態検出値のパワースペクトラムの様子を示す図である。 従来の極間制御系を用いた他の放電加工機における加工状態検出値のパワースペクトラムの様子を示す図である。
符号の説明
102 加工状態検出部
103 ノッチフィルタ部
105 差信号演算部
106 制御量演算部
109 電極駆動装置(電極駆動部)
701 ノッチフィルタ部
702、901 ノッチ周波数自動調整部
1102 制御量補正部



Claims (8)

  1. 加工液中に電極と被加工物とを所定の間隙で対向させて配置すると共に前記間隙に電圧を印加して放電を発生させ前記被加工物を加工する放電加工方法において、
    前記被加工物の加工状態を検出し、
    前記加工状態の検出値をノッチ周波数によりフィルタリングし、
    前記フィルタリングによる出力値と加工状態の目標値との差を演算し、
    前記差と指令された電極の指令値とから電極の制御量を演算し、
    前記制御量により電極を所定方向に移動させると共に前記被加工物との対向面に垂直な回転軸を中心として回転させるようにした
    ことを特徴とする放電加工制御方法。
  2. 加工液中に電極と被加工物とを所定の間隙で対向させて配置すると共に前記間隙に電圧を印加して放電を発生させ前記被加工物を加工する放電加工方法において、
    前記被加工物の加工状態を検出し、
    前記加工状態の検出値と加工状態の目標値との差を演算し、
    前記差をノッチ周波数によりフィルタリングし、
    フィルタリングされた前記差と指令された電極の指令値とから電極の制御量を演算し、
    前記制御量により電極を所定方向に移動させると共に前記被加工物との対向面に垂直な回転軸を中心として回転させるようにした
    ことを特徴とする放電加工制御方法。
  3. 加工液中に電極と被加工物とを所定の間隙で対向させて配置すると共に前記間隙に電圧を印加して放電を発生させ前記被加工物を加工する放電加工方法において、
    前記被加工物の加工状態を検出し、
    加工状態の検出値と加工状態の目標値との差を演算し、
    前記差と指令された電極の指令値とから電極の制御量を演算し、
    演算した前記制御量をノッチ周波数によりフィルタリングし、
    フィルタリングされた前記制御量により電極を所定方向に移動させると共に前記被加工物との対向面に垂直な回転軸を中心として回転させるようにした
    ことを特徴とする放電加工制御方法。
  4. 前記ノッチ周波数を、電極の回転周波数または電極の移動と回転を行わせる駆動系の機械共振周波数に応じて調整する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の放電加工制御方法。
  5. 加工液中に電極と被加工物とを所定の間隙で対抗させて配置すると共に前記間隙に電圧印加して放電を発生させ前記被加工物を加工する放電加工装置において、
    前記被加工物の加工状態を検出する加工状態検出部と、
    前記加工状態検出部の検出値をノッチ周波数によりフィルタリングするノッチフィルタ部と、
    前記ノッチフィルタ部の出力値と加工状態の目標値との差を演算する差信号演算部と、 前記差と指令された電極の指令値とから電極の制御量を演算する制御量演算部と、
    前記制御量演算部から出力された前記制御量により電極を所定方向に移動させると共に前記被加工物との対向面に垂直な回転軸を中心として回転させる電極駆動部と
    を備えたことを特徴とする放電加工制御装置。
  6. 加工液中に電極と被加工物とを所定の間隙で対抗させて配置すると共に前記間隙に電圧印加して放電を発生させ前記被加工物を加工する放電加工装置において、
    前記被加工物の加工状態を検出する加工状態検出部と、
    前記加工状態検出部の検出値と加工状態の目標値との差を演算する差信号演算部と、
    前記差をノッチ周波数によりフィルタリングするノッチフィルタ部と、
    前記ノッチフィルタ部の出力値と指令された電極の指令値とから電極の制御量を演算する制御量演算部と、
    前記制御量演算部から出力された前記制御量により電極を所定方向に移動させると共に前記被加工物との対向面に垂直な回転軸を中心として回転させる電極駆動部と
    を備えたことを特徴とする放電加工制御装置。
  7. 加工液中に電極と被加工物とを所定の間隙で対抗させて配置すると共に前記間隙に電圧印加して放電を発生させ前記被加工物を加工する放電加工装置において、
    前記被加工物の加工状態を検出する加工状態検出部と、
    前記加工状態検出部の検出値と加工状態の目標値との差を演算する差信号演算部と、
    前記差信号演算部の出力値と指令された電極の指令値とから電極の制御量を演算する制御量演算部と、
    前記制御量演算部から出力された前記制御量をノッチ周波数によりフィルタリングするノッチフィルタ部と、
    前記ノッチフィルタ部の出力値により電極を所定方向に移動させると共に前記被加工物との対向面に垂直な回転軸を中心として回転させる電極駆動部と
    を備えたことを特徴とする放電加工制御装置。
  8. 電極の回転周波数または電極の移動と回転を行わせる駆動系の機械共振周波数に基づき前記ノッチ周波数を調整するノッチ周波数自動調整部をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の放電加工制御装置。
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