JP2006346823A - クーラント補充装置 - Google Patents

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勇 松平
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Abstract

【課題】タンク内のクーラントの温度変化を抑えつつ自動的にクーラントを補充することができ、しかも設置が簡単なクーラント補充装置を提供する。
【解決手段】クーラント7を溜めるサブタンク2と、そのサブタンク2を加工設備のメインタンク1に連通させる供給路3と、その供給路3に直列に配置してメインタンク1側からサブタンク2側への逆流を防止する2つの逆止弁4、5と、扉16と扉枠15の相対移動によりエアの吸入と吐出を行なうエアシリンダ6とを有し、そのエアシリンダ6を供給路3の逆止弁4、5の間に形成される液溜め室9に連通させ、エアシリンダ6のエアの吸入によりサブタンク2から液溜め室9にクーラントを吸入し、エアシリンダ6のエアの吐出により液溜め室9内のクーラントをメインタンク1に吐出するようにしたクーラント補充装置。
【選択図】図1

Description

この発明は、加工精度を低下させずに加工設備のクーラントを補充するクーラント補充装置に関する。
マシニングセンタなどの加工設備においては、刃具または砥石がワークと接触する加工点の冷却や潤滑等のためにクーラントが用いられる。タンク内のクーラントは、吸い上げて加工点に噴射した後に再びタンク内に戻して用いられるが、ワークへの付着や蒸発により減少するので、定期的に補充する必要がある。この補充は、減少した分のクーラントを一度にタンクに供給して行なうことが多い。
しかし、タンクに供給するクーラントの量が多いと、供給するクーラントとタンク内のクーラントの温度差によってタンク内のクーラントの温度が変化し、その温度変化により加工点に噴射するクーラントの温度も変化して、ワークの加工精度に影響する。また、クーラントの補充を手作業で行なうのは面倒である。
そこで、クーラントの補充を自動で行なう装置として、クーラントの下限量を検知する液面センサが作動すると、上限量を検知する液面センサが作動するまでクーラント供給用の電磁バルブを開放する装置が提案されている(特許文献1)。
しかし、この装置は、液面センサによる液面検知に基づいて電磁バルブが開閉するので、一度に供給するクーラントの量を少なくするのが難しい。そのため、クーラントの補充前後でタンク内のクーラントの温度、濃度等の変化が大きい。また、液面センサおよび電磁バルブの電源確保および電気制御が面倒である。
特開平8−174420号公報
この発明が解決しようとする課題は、タンク内のクーラントの温度変化を抑えつつ自動的にクーラントを補充することができ、しかも設置が簡単なクーラント補充装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、クーラントを溜めるサブタンクと、そのサブタンクを加工設備のメインタンクに連通させる供給路と、その供給路に直列に配置してメインタンク側からサブタンク側への逆流を防止する2つの逆止弁と、前記加工設備の繰り返し運動する部分の相対移動によりエアの吸入と吐出を行なう空圧装置とを有し、その空圧装置を前記供給路の前記2つの逆止弁の間に形成される液溜め室に連通させ、前記エアの吸入により前記サブタンクから前記液溜め室にクーラントを吸入し、前記エアの吐出により前記液溜め室内のクーラントを前記メインタンクに吐出するようにしたクーラント補充装置を提供する。
この装置は、以下の構成を加えるとより好ましいものとなる。
1)外気を導入するとともに導入する外気の量を調整可能な調整弁を、前記空圧装置に連通する位置に設ける。
2)前記加工設備の繰り返し運動する部分が、マシニングセンタの扉と扉枠、またはツールチェンジャもしくはワーク搬送機の移動部と固定部からなり、前記マシニングセンタの扉と扉枠の相対移動、または前記ツールチェンジャもしくは前記ワーク搬送機の移動部と固定部の相対移動により前記空圧装置のエアの吸入と吐出を行なうようにする。
3)上記2)の空圧装置を、前記液溜め室に連通したエア室を有するエアシリンダ、弾性容器または蛇腹容器で構成し、前記マシニングセンタの扉と扉枠の相対移動、または前記ツールチェンジャもしくは前記ワーク搬送機の移動部と固定部の相対移動により前記エア室の容積を増減させ、その容積の増減によりエアの吸入と吐出を行なうようにする。
メインタンクのクーラントは、加工設備の繰り返し運動する部分が相対移動するごとに補充される。そのため、一度に供給するクーラントが少量で済み、メインタンク内のクーラントの温度変化を抑えて加工精度の低下を防止することができる。また、加工設備の繰り返し運動する部分の相対移動を利用しているので、新たな電源を必要とせず、設置が簡単である。
図1に、この発明のクーラント補充装置の実施形態を示す。この補充装置は、マシニングセンタのメインタンク1にクーラントを補充する装置であり、サブタンク2と、サブタンク2からメインタンク1に連通する供給路3と、供給路3に配置した吸入逆止弁4および吐出逆止弁5と、エアシリンダ6とを有する。
メインタンク1には、クーラント7が溜められており、このクーラント7がポンプ(図示せず)で吸い上げられて加工点Wに噴射される。噴射されたクーラント7はメインタンク1に戻される。このように、メインタンク1内のクーラント7は循環させて用いられる。
サブタンク2には、メインタンク1に供給するクーラント8が溜められている。サブタンク2とメインタンク1は供給路3で連通しており、この供給路3の中をクーラント8が流れる。供給路3の途中には液溜め室9が形成されており、液溜め室9とサブタンク2の間にはサブタンク2側への逆流を防止する吸入逆止弁4が、液溜め室9とメインタンク1の間にはメインタンク1側からの逆流を防止する吐出逆止弁5が、それぞれ設けられている。
エアシリンダ6は、円筒状のチューブ10と、チューブ10内を往復するピストン11と、ピストン11と一体に動くロッド12とからなり、チューブ10とピストン11の間にエア室13を形成している。エア室13は、エア配管14を介して液溜め室9に連通している。
このエアシリンダ6は、図2に示すようにマシニングセンタの扉枠15に取り付けられており、開く扉16がロッド12を押し動かしてピストン11を移動させ、エア室13の容積を増大させるようになっている。また、エアシリンダ6にはばね17が組み込まれており、このばね17が、エア室13の容積を減少させる方向にピストン11を付勢している。
次に、このクーラント補充装置の動作を説明する。
マシニングセンタの扉16が開くと、図1に示すように、ピストン11が往動してエア室13の容積が増大する。容積が増大したエア室13は、液溜め室9からエアを吸入して液溜め室9を負圧にする。負圧になった液溜め室9は、吸入逆止弁4を通じてサブタンク2からクーラント8を吸入する。
つぎに扉16が閉じると、図3に示すように、ばね17の力でピストン11が復動してエア室13の容積が減少する。容積が減少したエア室13は、図3に示すように、液溜め室9にエアを吐出して液溜め室9の圧力を高める。圧力の高まった液溜め室9は、吐出逆止弁5を通じて液溜め室9内のクーラントをメインタンク1に吐出する。
このように、扉16が開くとサブタンク2内のクーラント8が液溜め室9に吸入され、扉16が閉じると液溜め室9内のクーラントがメインタンク1に吐出される。
このクーラント補充装置を用いれば、メインタンク1のクーラント7は、扉16が開閉するごとに補充される。そのため、一度に供給するクーラントが少量で済み、メインタンク1内のクーラント7の温度変化を無視できる範囲に抑えて加工精度の低下を防止することができる。クーラントの供給量は、たとえばエア室13の容積が小さいエアシリンダ6を用いることによって小さくすることができる。
また、このクーラント補充装置は、扉16と扉枠15の相対移動を利用してクーラントの供給を行なうので、新たな電源を必要とせず、設置が簡単である。また、ランニングコストが低く、経済的である。
このクーラント補充装置は、図1に示すように、外気を導入するとともに導入する外気の量を調整可能な調整弁18をエア配管14に設けると好ましい。このようにすれば、調整弁18で導入する外気の量を調節することにより、液溜め室9から吸引されるエア量を調節し、扉16が1回開閉するごとにメインタンク1に供給されるクーラントの量を調整することができる。
調整弁18は、エア室13に連通する位置であれば他の位置に設けてもよく、たとえばエア室13自体や液溜め室9に設けてもよい。
調整弁18としては、たとえば外気を導入するとともに、導入する外気の流量を調整可能な流量調整弁や、エア室13の負圧が設定圧力を超えて小さくなったときに外気を導入するとともに、その設定圧力を調整可能な圧力調整弁を用いることができる。
上記実施形態では、エアシリンダ6をマシニングセンタの扉枠15に取り付けているが、たとえば扉16に取り付けてロッド12が扉枠15に押されるようにしてもよく、扉16と扉枠15の相対移動によりエア室13の容積が増減すればよい。扉16は、自動扉と手動扉のいずれでもよい。
エアシリンダ6は、ロッド12を扉16に連結して、扉16と一体にピストン11が移動するようにしてもよい。
またエアシリンダ6は、扉16が閉じるときにエア室13の容積が減少するように扉枠15に取り付けてもよく、扉16の開閉によりエア室13の容積が増減すればよい。
上記実施形態では、エアシリンダ6をマシニングセンタの扉枠15に設けているが、たとえば繰り返し運動する固定部と移動部を有するツールチェンジャやワーク搬送機の固定部にエアシリンダ6を取り付けて、移動部がエアシリンダのロッド12を押し動かすようにしてもよい。要は繰り返し運動する部分の相対移動によりエアシリンダ6がエアの吸入と吐出とを繰り返せばよい。
このクーラント補充装置は、たとえば研削盤や切削加工機など、クーラントタンクを有する他の加工設備に取り付けてもよい。
上記実施形態では空圧機器としてエアシリンダ6を用いたが、たとえばゴムチューブ等の弾性容器または蛇腹容器を扉枠15に設け、その弾性容器または蛇腹容器のエア室の容積が扉16の移動により増減するようにしてもよく、加工設備の繰り返し運動する部分の相対移動によりエアの吸入と吐出を行なうものであれば他の空圧機器を用いてもよい。
供給路3は、メインタンク1側の端が、サブタンク2内のクーラント8の液面よりも高くなるように配置すると好ましい。このように配置すれば、供給路3がサイフォンとなってクーラントを過剰に供給することを防止できる。
この発明のクーラント補充装置の実施形態を示す図 上記のクーラント補充装置のエアシリンダの取付け例を示す図 上記のクーラント補充装置がクーラントを吐出する状態を示す図
符号の説明
1 メインタンク
2 サブタンク
3 供給路
4 吸入逆止弁
5 吐出逆止弁
6 エアシリンダ
7、8 クーラント
9 液溜め室
13 エア室
15 扉枠
16 扉
18 調整弁

Claims (4)

  1. クーラントを溜めるサブタンクと、そのサブタンクを加工設備のメインタンクに連通させる供給路と、その供給路に直列に配置してメインタンク側からサブタンク側への逆流を防止する2つの逆止弁と、前記加工設備の繰り返し運動する部分の相対移動によりエアの吸入と吐出を行なう空圧装置とを有し、その空圧装置を前記供給路の前記2つの逆止弁の間に形成される液溜め室に連通させ、前記エアの吸入により前記サブタンクから前記液溜め室にクーラントを吸入し、前記エアの吐出により前記液溜め室内のクーラントを前記メインタンクに吐出するようにしたクーラント補充装置。
  2. 外気を導入するとともに導入する外気の量を調整可能な調整弁を、前記空圧装置に連通する位置に設けた請求項1に記載のクーラント補充装置。
  3. 前記加工設備の繰り返し運動する部分が、マシニングセンタの扉と扉枠、またはツールチェンジャもしくはワーク搬送機の移動部と固定部からなり、前記マシニングセンタの扉と扉枠の相対移動、または前記ツールチェンジャもしくは前記ワーク搬送機の移動部と固定部の相対移動により前記空圧装置のエアの吸入と吐出を行なうようにした請求項1または2に記載のクーラント補充装置。
  4. 前記空圧装置が、前記液溜め室に連通したエア室を有するエアシリンダ、弾性容器または蛇腹容器からなり、前記マシニングセンタの扉と扉枠の相対移動、または前記ツールチェンジャもしくは前記ワーク搬送機の移動部と固定部の相対移動により前記エア室の容積を増減させ、その容積の増減によりエアの吸入と吐出を行なうようにした請求項3に記載のクーラント補充装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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