JP2006342899A - ロックアップ機構の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロックアップ機構付トルクコンバータを具えた車両がロックアップ状態で減速走行中に、エンジンの吹け上がりやエンストが生じることを防止する。
【解決手段】減速走行中にアンチスキッド装置が作動中であり(ステップS1でYes)、アクセル開度が0かつロックアップ状態であると、車両14が停止するまでに要する時間Tvsp0を算出し(ステップS3)、ロックアップクラッチ16の解放に要する時間Tluoffを算出し(ステップS4)、当該車両停止所要時間Tvsp0がロックアップ解除所要時間Tluoffよりも長いか否かを判断する(ステップS5)。当該車両停止所要時間Tvsp0がロックアップ解除所要時間Tluoffよりも長い場合には、停止までに余裕があるので目標ロックアップ油圧を第2ロックアップ油圧とする(ステップS6)。逆の場合には、エンストの懸念があるので目標ロックアップ油圧を低圧の第1ロックアップ油圧とする(ステップS7)。
【選択図】図2
【解決手段】減速走行中にアンチスキッド装置が作動中であり(ステップS1でYes)、アクセル開度が0かつロックアップ状態であると、車両14が停止するまでに要する時間Tvsp0を算出し(ステップS3)、ロックアップクラッチ16の解放に要する時間Tluoffを算出し(ステップS4)、当該車両停止所要時間Tvsp0がロックアップ解除所要時間Tluoffよりも長いか否かを判断する(ステップS5)。当該車両停止所要時間Tvsp0がロックアップ解除所要時間Tluoffよりも長い場合には、停止までに余裕があるので目標ロックアップ油圧を第2ロックアップ油圧とする(ステップS6)。逆の場合には、エンストの懸念があるので目標ロックアップ油圧を低圧の第1ロックアップ油圧とする(ステップS7)。
【選択図】図2
Description
本発明は、Vベルト式無段変速機と、ロックアップ機構付トルクコンバータとを組み合わせたパワートレーンの制御に関するものである。
クラッチ圧を高圧状態または低圧状態に切り換えることができる無段変速機の油圧制御装置の発明として、本願出願人は特許文献1に記載のごときものを先に提案している。
特許文献1に記載の無段変速機の油圧制御装置は、ロックアップ機構付トルクコンバータにおけるロックアップ状態と非ロックアップ状態との切り換えを監視し、当該切り換え時には、制御対象であるクラッチに入力されるクラッチ入力トルクが所定値よりも大きいか否かを判断する。そして、トルク増大作用を享受する非ロックアップ状態では、クラッチ入力トルクが所定値よりも大きいと判断してクラッチ圧を高圧状態に切り換える。また、滑りによる効率悪化を回避するロックアップ状態では、クラッチ入力トルクが所定値よりも小さいと判断して、クラッチ圧を低圧状態に切り換える。これによって、それまで不必要に高圧状態に設定されていたクラッチ圧を適宜低下させて、燃費の向上を図るものである。
また、このクラッチ圧の制御に関する技術的思想を、ロックアップ機構付トルクコンバータのロックアップ制御圧に適用することにより、ロックアップ状態にあるロックアップ機構付トルクコンバータのロックアップ締結容量を、大きなものとしたり小さなものとしたりするよう切り換えて、燃費の向上を図ることが可能である。
特開平8−14345号公報
特許文献1に記載の無段変速機の油圧制御装置は、ロックアップ機構付トルクコンバータにおけるロックアップ状態と非ロックアップ状態との切り換えを監視し、当該切り換え時には、制御対象であるクラッチに入力されるクラッチ入力トルクが所定値よりも大きいか否かを判断する。そして、トルク増大作用を享受する非ロックアップ状態では、クラッチ入力トルクが所定値よりも大きいと判断してクラッチ圧を高圧状態に切り換える。また、滑りによる効率悪化を回避するロックアップ状態では、クラッチ入力トルクが所定値よりも小さいと判断して、クラッチ圧を低圧状態に切り換える。これによって、それまで不必要に高圧状態に設定されていたクラッチ圧を適宜低下させて、燃費の向上を図るものである。
また、このクラッチ圧の制御に関する技術的思想を、ロックアップ機構付トルクコンバータのロックアップ制御圧に適用することにより、ロックアップ状態にあるロックアップ機構付トルクコンバータのロックアップ締結容量を、大きなものとしたり小さなものとしたりするよう切り換えて、燃費の向上を図ることが可能である。
しかし、上記従来のような無段変速機の油圧制御装置にあっては、以下に示すような問題が生じる。特許文献1には、ロックアップ状態の有無の判定を、ロックアップ信号の検出により行う。ここで、ロックアップ信号は、車速がしきい値である10km/hを超えたとき出力される。そして、車速がしきい値よりも高い中・高速領域の場合には、ロックアップ機構に供給するロックアップ油圧を高圧状態とし、車速がしきい値よりも低い低速領域の場合には、ロックアップ機構に供給するロックアップ油圧を低圧状態とするものである。つまり、車速に応じてクラッチ圧を高圧状態または低圧状態に切り換える例が記載されている。
したがって特許文献1に記載された従来例では、減速走行や再加速走行については何ら考慮しておらず、10km/h以下の低速領域まで減速した車両が再加速する場合、ロックアップ状態にあるロックアップ締結容量が低くなっているため、再加速に必要な大きなエンジントルクがロックアップ機構付トルクコンバータに入力されるとロックアップ機構のロックアップクラッチが外れてしまう場合がある。この場合、エンジン回転数が吹け上がってしまい、ロックアップ機構付トルクコンバータの伝達効率が低下して、燃費が悪化するという一の問題が生じる。また運転者にとっては駆動輪の駆動力に意図しない変化が生じてしまい、運転性能が損なわれる。
したがって特許文献1に記載された従来例では、減速走行や再加速走行については何ら考慮しておらず、10km/h以下の低速領域まで減速した車両が再加速する場合、ロックアップ状態にあるロックアップ締結容量が低くなっているため、再加速に必要な大きなエンジントルクがロックアップ機構付トルクコンバータに入力されるとロックアップ機構のロックアップクラッチが外れてしまう場合がある。この場合、エンジン回転数が吹け上がってしまい、ロックアップ機構付トルクコンバータの伝達効率が低下して、燃費が悪化するという一の問題が生じる。また運転者にとっては駆動輪の駆動力に意図しない変化が生じてしまい、運転性能が損なわれる。
かといって、低速領域まで減速した車両が再加速する場合にロックアップクラッチが外れないよう、ロックアップ締結容量を低速領域でも大きく設定すれば、つまり上記しきい値を例えば5km/hのように低くするとすれば、
今度は、低速領域で走行していた車両が急減速または急停止した場合にロックアップクラッチが外れにくくなっているため、エンストする可能性が高くなるという他の問題が生じる。
今度は、低速領域で走行していた車両が急減速または急停止した場合にロックアップクラッチが外れにくくなっているため、エンストする可能性が高くなるという他の問題が生じる。
そこで本願出願人は、油圧を高圧状態または低圧状態に切り換えることができる上記従来の無段変速機の油圧制御装置を、より走行状態および運転状態に適合するよう改良したロックアップ機構の制御装置を提案することを目的とする。
この目的のため本発明によるロックアップ機構の制御装置は、請求項1に記載のごとく、
原動機と駆動輪とを結合する駆動伝達経路上に設けられたロックアップ機構付トルクコンバータに、該ロックアップ機構をロックアップ状態にするための油圧を供給するロックアップ機構の制御装置において、
車両の走行状態を検出する走行状態検出手段を具え、車両が前記ロックアップ機構をロックアップ状態にして減速走行中には、検出した走行状態と、ロックアップ状態にあるロックアップ機構に供給中のロックアップ油圧とに基づき、ロックアップ機構の目標ロックアップ油圧を制御する油圧制御手段とを具えたことを特徴としたものである。
原動機と駆動輪とを結合する駆動伝達経路上に設けられたロックアップ機構付トルクコンバータに、該ロックアップ機構をロックアップ状態にするための油圧を供給するロックアップ機構の制御装置において、
車両の走行状態を検出する走行状態検出手段を具え、車両が前記ロックアップ機構をロックアップ状態にして減速走行中には、検出した走行状態と、ロックアップ状態にあるロックアップ機構に供給中のロックアップ油圧とに基づき、ロックアップ機構の目標ロックアップ油圧を制御する油圧制御手段とを具えたことを特徴としたものである。
かかる本発明の変速制御装置によれば、車両の走行状態、すなわち車速や減速度等に基づいてロックアップ機構の目標ロックアップ締結容量を制御するため、再加速が実行されると推定される走行状態では、ロックアップ状態が外れない様、予めロックアップ締結容量を大きく設定しておくことが可能となる。また、急停止が実行されると推定される走行状態では、ロックアップ状態を直ぐに外し得る様、予めロックアップ締結容量を小さく設定しておくことが可能となる。
これにより、前述したエンジン回転数が吹け上がって燃費が悪化するという一の問題と、急停止してエンストするという他の問題とを、同時に解決することができる。
これにより、前述したエンジン回転数が吹け上がって燃費が悪化するという一の問題と、急停止してエンストするという他の問題とを、同時に解決することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例になるロックアップ機構の制御装置を具えた車両のパワートレーンを、その制御系とともに示す制御システム図である。
まず、この実施例になるパワートレーンについて説明する。エンジン1のエンジン出力軸2は、流体伝動装置であるトルクコンバータ3の入力側と結合する。また、トルクコンバータ3の出力側にあるトルクコンバータ出力軸4はトランスアクスル5内に設けた前後進切換機構6と接続する。トルクコンバータ3は入力側にはタービンランナを、出力側にはポンプインペラを具え、これらの間にステータを具える他、ロックアップ機構を具えた公知のものである。このロックアップ機構を作動させることにより、エンジン出力軸2とトルクコンバータ出力軸4とを直結するロックアップ状態を形成することができる。ロックアップ状態では、流体伝動に基づくトルク増大効果は得られないものの、流体伝動に因る伝達効率の悪化を防止して、エネルギーロスのないようエンジン1からのエンジン出力をトランスアクスル5に伝達することができる。また、エンジン出力軸2とトルクコンバータ出力軸4とを直結させない非ロックアップ状態(コンバータ状態)では、流体伝動に基づくトルク増大効果が得られる。
図1は本発明の一実施例になるロックアップ機構の制御装置を具えた車両のパワートレーンを、その制御系とともに示す制御システム図である。
まず、この実施例になるパワートレーンについて説明する。エンジン1のエンジン出力軸2は、流体伝動装置であるトルクコンバータ3の入力側と結合する。また、トルクコンバータ3の出力側にあるトルクコンバータ出力軸4はトランスアクスル5内に設けた前後進切換機構6と接続する。トルクコンバータ3は入力側にはタービンランナを、出力側にはポンプインペラを具え、これらの間にステータを具える他、ロックアップ機構を具えた公知のものである。このロックアップ機構を作動させることにより、エンジン出力軸2とトルクコンバータ出力軸4とを直結するロックアップ状態を形成することができる。ロックアップ状態では、流体伝動に基づくトルク増大効果は得られないものの、流体伝動に因る伝達効率の悪化を防止して、エネルギーロスのないようエンジン1からのエンジン出力をトランスアクスル5に伝達することができる。また、エンジン出力軸2とトルクコンバータ出力軸4とを直結させない非ロックアップ状態(コンバータ状態)では、流体伝動に基づくトルク増大効果が得られる。
トランスアクスル5は、前後進切換機構6の他、ベルト式無段変速機構7と、減速歯車組8とディファレンシャルギア装置9と、図示しない左右駆動輪を駆動するためのドライブシャフト10,11等を具える。トランスアクスル5は、トルクコンバータ出力軸4から入力されるトルクおよび回転数を、これら前後進切換機構6、ベルト式無段変速機構7、減速歯車組8、ディファレンシャルギア装置9、ドライブシャフト10,11を順次介して、図示しない左右駆動輪に出力する。これによって、これら左右駆動輪を駆動する。
トルクコンバータ3のロックアップ、前後進切換機構6の切り換えおよびベルト式無段変速機構7の変速は、変速機コントローラ12が行う。これがため、変速機コントローラ12には、エンジン1のエンジン出力を制御するエンジンコントローラ13からのエンジン出力情報と、このパワートレーンおよび制御系を搭載した車両14の走行状態に関する情報と、運転者が操作するアクセルペダル15のアクセル開度APOと、図示しない左右駆動輪の制動力を制御するアンチスキッド装置(図示せず)からの作動信号とを、それぞれ入力する。
なお、ここでいう走行状態に関する情報とは、車速VSPと、この車速VSPの単位時間当たりの減少率すなわち減速度とを意味する。
なお、ここでいう走行状態に関する情報とは、車速VSPと、この車速VSPの単位時間当たりの減少率すなわち減速度とを意味する。
これにより、変速機コントローラ12は、車両14が目標進行方向に走行するよう、前後進切換機構6に前進、後進または中立いずれかの切り換え指令を与える。また、車速VSPおよびエンジン出力情報およびアクセル開度APOに基づき周知の変速制御マップを用いてベルト式無段変速機構7の目標変速比を算出し、この目標変速比となるようベルト式無段変速機構7に変速指令を与える。さらに、車速VSPが所定のしきい値以上の場合にはトルクコンバータ3がロックアップ状態となるよう、トルクコンバータ3に油圧指令を与える。
エンジン出力軸2と結合するポンプインペラと、トルクコンバータ出力軸4と結合するタービンランナとを直結するため、トルクコンバータ3に設けられたロックアップクラッチ16は、公知のものであって、ロックアップクラッチ16のロックアップ油室(図示せず)の油圧を制御することにより、上記ポンプインペラおよびタービンランナを機械的に締結または解放する。そしてロックアップクラッチ16が締結されたロックアップ状態では、上記油圧に比例してエンジン出力軸2およびトルクコンバータ出力軸4間で伝達される締結トルク容量(以下、ロックアップ締結容量という)を可変とすることが可能である。
すなわち、変速機コントローラ12は、上記した1の油圧指令で、トルクコンバータ3のロックアップを指令する他、ロックアップ状態にあっては、ロックアップ締結容量を指令するものである。
また、油圧を供給する手段は、エンジン1で駆動されるオイルポンプと、このオイルポンプから吐出された作動油の油圧を調圧するコントロールバルブとで構成する。なお、「油圧に比例してロックアップ締結容量を可変とする」とは、締結中のロックアップクラッチ16に供給される油圧(ロックアップ油圧)が大きいほどロックアップ締結容量が大きくなること、およびロックアップ状態を解除するために要する時間が長くなることを意味する。
また、油圧を供給する手段は、エンジン1で駆動されるオイルポンプと、このオイルポンプから吐出された作動油の油圧を調圧するコントロールバルブとで構成する。なお、「油圧に比例してロックアップ締結容量を可変とする」とは、締結中のロックアップクラッチ16に供給される油圧(ロックアップ油圧)が大きいほどロックアップ締結容量が大きくなること、およびロックアップ状態を解除するために要する時間が長くなることを意味する。
次に、本発明が狙いとするロックアップ機構の制御を遂行するため、変速機コントローラ12が実行する処理について、図2に示すフローチャートに基づき説明する。
ロックアップ状態で走行している車両14が減速走行に移行すると、図2に示す処理を開始する。この処理は、例えば10msecなどの定時間隔で実行される。
まずステップS1において、アンチスキッド作動信号の有無を読み込む。アンチスキッド作動信号が出力されていれば(Yes)、アンチスキッド制御が実行されているため、次のステップS2へ進む。
これに対し、アンチスキッド作動信号が出力されていなければ(No)、制動中に駆動輪がロック(停止)する虞がある。つまり、走行中に駆動輪が回転を停止してエンジン1がエンストする懸念があるため、ステップS2以後の処理を行うことなく本制御を終了する。
ロックアップ状態で走行している車両14が減速走行に移行すると、図2に示す処理を開始する。この処理は、例えば10msecなどの定時間隔で実行される。
まずステップS1において、アンチスキッド作動信号の有無を読み込む。アンチスキッド作動信号が出力されていれば(Yes)、アンチスキッド制御が実行されているため、次のステップS2へ進む。
これに対し、アンチスキッド作動信号が出力されていなければ(No)、制動中に駆動輪がロック(停止)する虞がある。つまり、走行中に駆動輪が回転を停止してエンジン1がエンストする懸念があるため、ステップS2以後の処理を行うことなく本制御を終了する。
次のステップS2においては、アクセル開度APOと、ロックアップ中のロックアップクラッチ16に出力中の油圧指令を読み込み。アクセル開度APOが0か否か、トルクコンバータ3がロックアップ状態か否かを判断する。
アクセル開度APOが0であって、かつ、トルクコンバータ3がロックアップ状態であれば(Yes)、次のステップS3へ進む。
これに対し、アクセル開度APOが0よりも大きかったり、トルクコンバータ3が非ロックアップ状態であったりすれば(No)、本発明が狙いとする再加速走行中のエンジン1の吹け上がりの防止や、急停止によるエンストを防止するための処理を実行する必要はない。そこで、ステップS3以後の処理を行うことなく本制御を終了する。
アクセル開度APOが0であって、かつ、トルクコンバータ3がロックアップ状態であれば(Yes)、次のステップS3へ進む。
これに対し、アクセル開度APOが0よりも大きかったり、トルクコンバータ3が非ロックアップ状態であったりすれば(No)、本発明が狙いとする再加速走行中のエンジン1の吹け上がりの防止や、急停止によるエンストを防止するための処理を実行する必要はない。そこで、ステップS3以後の処理を行うことなく本制御を終了する。
次のステップS3においては、車速VSPと、最大制動力と、車重等の車両諸元を読み込み、車両14が停車するまでの時間Tvsp0を算出する。
車両14が停車するまでの時間Tvsp0は、予測値である。すなわち、運転者がブレーキペダルを最大に踏み込んだならば得られる最大制動力(Max Brake Force)から車両14の減速度を求める。ここで、最大制動力は予め変速機コントローラ12に記憶させておいてもよく、また車重は、駆動輪および従動輪を懸架するサスペンション装置に重量センサを設け、重量センサが重量を検出するものであってもよい。
つまり車両停止所要時間Tvsp0は、減速走行中の車両14が急停止に要する時間を予測したものである。
車両14が停車するまでの時間Tvsp0は、予測値である。すなわち、運転者がブレーキペダルを最大に踏み込んだならば得られる最大制動力(Max Brake Force)から車両14の減速度を求める。ここで、最大制動力は予め変速機コントローラ12に記憶させておいてもよく、また車重は、駆動輪および従動輪を懸架するサスペンション装置に重量センサを設け、重量センサが重量を検出するものであってもよい。
つまり車両停止所要時間Tvsp0は、減速走行中の車両14が急停止に要する時間を予測したものである。
次のステップS4においては、ロックアップ状態にあるトルクコンバータ3におけるロックアップクラッチ16を解放するのに要する時間Tluoffを算出する
ロックアップ解除所要時間Tluoffは、ロックアップ油圧から算出され、ロックアップ油圧が大きいほど、作動油の供給・排出に時間を要することから、ロックアップ解除所要時間Tluoffが長くなる。また、エンジン1のエンジン回転数が大きいほど、ロックアップ油圧が大きくなるよう設定しているため、車速VSPが大きいほどロックアップ油圧が大きくなって、ロックアップ解除所要時間Tluoffが長くなる傾向にある。
つまり本制御の前提として、車速VSPとロックアップ解除所要時間Tluoffとの間には、正の相関関係にある。
ロックアップ油圧は、前述したようにロックアップ締結容量と対応し、これらの関係は、ロックアップ締結容量が大きいほどロックアップ油圧が大きいものとなる略比例の関係にある。
ロックアップ解除所要時間Tluoffは、ロックアップ油圧から算出され、ロックアップ油圧が大きいほど、作動油の供給・排出に時間を要することから、ロックアップ解除所要時間Tluoffが長くなる。また、エンジン1のエンジン回転数が大きいほど、ロックアップ油圧が大きくなるよう設定しているため、車速VSPが大きいほどロックアップ油圧が大きくなって、ロックアップ解除所要時間Tluoffが長くなる傾向にある。
つまり本制御の前提として、車速VSPとロックアップ解除所要時間Tluoffとの間には、正の相関関係にある。
ロックアップ油圧は、前述したようにロックアップ締結容量と対応し、これらの関係は、ロックアップ締結容量が大きいほどロックアップ油圧が大きいものとなる略比例の関係にある。
ここで、ステップS3に進むまで、つまり、駆動走行時などステップS1またはS2で本制御を抜ける場合の目標ロックアップ油圧制御について付言する。駆動走行時等にあっては、ロックアップ油圧を、エンジン1のエンジン回転数の高低や、車速VSPの高低に合わせた値とする。例えば、エンジン回転数が中・高回転領域にあったり、車速VSPが中・高速時にあったりすると、ロックアップ油圧を、低回転領域や低速時における設定値よりも高く設定する。
したがって、ステップS4では、減速走行に移行する直前の駆動走行時等におけるロックアップ油圧から、ロックアップ解除所要時間Tluoffをある程度予測することが可能である。
次のステップS5においては、上記ステップS3で算出した車両停止所要時間Tvsp0が、上記ステップS4で算出したロックアップ解除所要時間Tluoffよりも大きいか否かを判断する。
車両停止所要時間Tvsp0がロックアップ解除所要時間Tluoffよりも大きい場合(Yes)、車両14が急停止するとしても、停止するより先にロックアップクラッチ16を解放することができる。したがって、ステップS6へ進み、再加速走行が行われてもロックアップが外れないようなロックアップ油圧を、目標ロックアップ油圧として、油圧指令を行う。これを第2ロックアップ油圧と呼び、対応するロックアップ締結容量を第2ロックアップ締結容量と呼ぶ。
これに対し、車両停止所要時間Tvsp0がロックアップ解除所要時間Tluoff以下の場合(No)、車両14が急停止すると、停止するより先にロックアップクラッチ16を解放することができず、エンストすることとなる。したがって、ステップS7へ進み、急停止時にはロックアップを直ぐに外し得るようなロックアップ油圧を、目標ロックアップ油圧として、油圧指令を行う。これを第1ロックアップ油圧と呼び、対応するロックアップ締結容量を第1ロックアップ締結容量と呼ぶ。
第1ロックアップ油圧は第2ロックアップ油圧よりも低圧である。
車両停止所要時間Tvsp0がロックアップ解除所要時間Tluoffよりも大きい場合(Yes)、車両14が急停止するとしても、停止するより先にロックアップクラッチ16を解放することができる。したがって、ステップS6へ進み、再加速走行が行われてもロックアップが外れないようなロックアップ油圧を、目標ロックアップ油圧として、油圧指令を行う。これを第2ロックアップ油圧と呼び、対応するロックアップ締結容量を第2ロックアップ締結容量と呼ぶ。
これに対し、車両停止所要時間Tvsp0がロックアップ解除所要時間Tluoff以下の場合(No)、車両14が急停止すると、停止するより先にロックアップクラッチ16を解放することができず、エンストすることとなる。したがって、ステップS7へ進み、急停止時にはロックアップを直ぐに外し得るようなロックアップ油圧を、目標ロックアップ油圧として、油圧指令を行う。これを第1ロックアップ油圧と呼び、対応するロックアップ締結容量を第1ロックアップ締結容量と呼ぶ。
第1ロックアップ油圧は第2ロックアップ油圧よりも低圧である。
つまりステップS7においては、目標ロックアップ油圧を低圧とする。この低圧の目標ロックアップ油圧は、上記ステップS5で説明したように、ロックアップクラッチ16を車両停止所要時間Tvsp0よりも短い所要時間で解除し得るような値とする。
これに対しステップS6においては、目標ロックアップ油圧を上記した第1ロックアップ油圧よりも高圧の第2ロックアップ油圧とし、第2ロックアップ締結容量とは、上記ステップS4およびS5で説明したように、車両14の再加速時にエンジン1からトルクコンバータ3に入力されるトルク以上の所定値とし、再加速走行が行われてもロックアップが外れないようにする。
ロックアップ油圧が上記の値となるよう、油圧指令を出力すると、本制御を終了する。
ロックアップ油圧が上記の値となるよう、油圧指令を出力すると、本制御を終了する。
なお、図2にフローチャートで示す処理は、ロックアップクラッチ16の制御の一部であって、ロックアップクラッチ16を締結する場合には、図示はしなかったがロックアップ機構の別途の制御により、これを行う。
次に、この実施例になるロックアップ機構の制御装置の作用について、図3のタイムチャートに基づき説明する。図3のタイムチャートでは、この実施例を実線で示し、比較のため、特許文献1に記載の従来例を破線で示す。
図3の最上段には、車速VSPを示す。瞬時t3〜t4のA区間と、瞬時t9〜t10のB区間と、瞬時t12〜t14のC区間では、車速VSPが減少する減速走行を行う。
図3の上から2段目には、アンチスキッド作動信号の出力状態を示す。この実施例ではアンチスキッド作動信号が終始1であり、アンチスキッド制御は終始作動中である。
図3の上から3段目には、ロックアップクラッチ16が締結中に出力されるロックアップ信号の検出状態を示す。この実施例では、車速VSPが中・高速領域では、ロックアップ信号が1となり、トルクコンバータ3がロックアップ状態となることがわかる。これに対し、車速VSPが低速領域では、ロックアップ信号が0となり、トルクコンバータ3が非ロックアップ状態(コンバータ状態)となることがわかる。
図3の上から2段目には、アンチスキッド作動信号の出力状態を示す。この実施例ではアンチスキッド作動信号が終始1であり、アンチスキッド制御は終始作動中である。
図3の上から3段目には、ロックアップクラッチ16が締結中に出力されるロックアップ信号の検出状態を示す。この実施例では、車速VSPが中・高速領域では、ロックアップ信号が1となり、トルクコンバータ3がロックアップ状態となることがわかる。これに対し、車速VSPが低速領域では、ロックアップ信号が0となり、トルクコンバータ3が非ロックアップ状態(コンバータ状態)となることがわかる。
図3の上から4段目には、アクセル開度APOの状態を示す。A,B,C区間には運転者がアクセルペダル15を釈放して、アクセル開度APOが0になる時間が含まれる。なお、A区間およびC 区間では0であったアクセル開度APOが、その後微増するにとどまり、車速VSPもその後0になっている。これに対しB区間では0であったアクセル開度APOが瞬時t10以後大きく増大し、車速VSPもそれに応じて増大する再加速走行が行われる。
図2および前述したようにロックアップ状態かつアクセル開度APO=0のときにあっては、A,B,C区間に示すようにロックアップ解除所要時間Tluoffを算出する。図3には、算出されたロックアップ解除所要時間Tluoffを縦軸に表示する。
A区間の直前(瞬時t2〜t3)の車速VSPはそれほど高くないことから、A区間ではロックアップ油圧が低く設定されている。このため、ロックアップ解除所要時間Tluoffが短い。
B、C区間の直前(瞬時t8〜t9および瞬時t11〜t12)の車速VSPは高いことから、
B、C区間ではロックアップ油圧が高く設定されている。このため、ロックアップ解除所要時間Tluoffが長い。
また、前述したステップS4で算出するロックアップ解除所要時間Tluoffは、車速VSPと正の相関関係にある。このため、A、B、C区間において車速VSPが減速中には、ロックアップ解除所要時間Tluoffも減少する。したがって縦軸で表示されたロックアップ解除所要時間Tluoffは図3のように下り勾配で表される。
A区間の直前(瞬時t2〜t3)の車速VSPはそれほど高くないことから、A区間ではロックアップ油圧が低く設定されている。このため、ロックアップ解除所要時間Tluoffが短い。
B、C区間の直前(瞬時t8〜t9および瞬時t11〜t12)の車速VSPは高いことから、
B、C区間ではロックアップ油圧が高く設定されている。このため、ロックアップ解除所要時間Tluoffが長い。
また、前述したステップS4で算出するロックアップ解除所要時間Tluoffは、車速VSPと正の相関関係にある。このため、A、B、C区間において車速VSPが減速中には、ロックアップ解除所要時間Tluoffも減少する。したがって縦軸で表示されたロックアップ解除所要時間Tluoffは図3のように下り勾配で表される。
前述したようにロックアップ状態かつアクセル開度APO=0のときにあっては、同時に、車両停止所要時間Tvsp0を算出する。車両停止所要時間Tvsp0を図3に示すように縦軸に表示する。
前述したステップS3で算出する車両停止所要時間Tvsp0は減速するにつれて短くなる。この理由は、低車速であるほどすぐに停止しやすいためである。つまり減速走行により車速VSPが低くなるにつれて、車両停止所要時間Tvsp0は短くなる。したがって縦軸で表示された車両停止所要時間Tvsp0は図3のように下り勾配で表される。
前述したステップS3で算出する車両停止所要時間Tvsp0は減速するにつれて短くなる。この理由は、低車速であるほどすぐに停止しやすいためである。つまり減速走行により車速VSPが低くなるにつれて、車両停止所要時間Tvsp0は短くなる。したがって縦軸で表示された車両停止所要時間Tvsp0は図3のように下り勾配で表される。
そして、これら車両停止所要時間Tvsp0とロックアップ解除所要時間Tluoffを比較して、車両停止所要時間Tvsp0のほうが短いか否かを判断する。ここで否定的に判断する場合には、つまり、Tluoff < Tvsp0 と判断されると、図3に示すように、時間判定信号として1を出力する。
変速機コントローラ12は、上記の時間判定信号に応じた目標ロックアップ油圧指令をトルクコンバータ3に与える。ロックアップクラッチ16に供給される実際の油圧は、直ちに目標ロックアップ油圧に追従する。
時間判定信号=1を出力するB区間では、目標ロックアップ油圧を減速走行用の第2ロックアップ油圧とする。
これに対し、時間判定信号=0を出力するA区間では、目標ロックアップ油圧を減速走行用の第1ロックアップ油圧とする。図3に示すように、当該第1ロックアップ油圧は、上記第2ロックアップ油圧よりも低い。
またC区間では、瞬時t12〜t13では時間判定信号=1を出力して、目標ロックアップ油圧を減速走行用の第2ロックアップ油圧とする。これに続く瞬時t13〜t14では、時間判定信号=0を出力して、目標ロックアップ油圧を減速走行用の第1ロックアップ油圧に切り換える。
時間判定信号=1を出力するB区間では、目標ロックアップ油圧を減速走行用の第2ロックアップ油圧とする。
これに対し、時間判定信号=0を出力するA区間では、目標ロックアップ油圧を減速走行用の第1ロックアップ油圧とする。図3に示すように、当該第1ロックアップ油圧は、上記第2ロックアップ油圧よりも低い。
またC区間では、瞬時t12〜t13では時間判定信号=1を出力して、目標ロックアップ油圧を減速走行用の第2ロックアップ油圧とする。これに続く瞬時t13〜t14では、時間判定信号=0を出力して、目標ロックアップ油圧を減速走行用の第1ロックアップ油圧に切り換える。
この実施例においては、C区間のように車両が急減速して車速VSPが落ち込んだ場合には、目標ロックアップ油圧を減速走行用の低圧に切り換えるため、車両が急減速または急停止する際にはロックアップクラッチ16を迅速に解除し得えて、エンストの防止を図ることができる。
つまり瞬時t13以後では、車両停止所要時間Tvsp0がロックアップ解放所要時間Tluoffよりも短くなることから、ロックアップ油圧を低圧用に設定する。したがって、瞬時t14以後で車速VSP=0となっても、エンジン回転数が0にはならず、エンストを回避する。A区間にあっても、ロックアップ油圧を低圧にするため、瞬時t4以後で車速VSP=0となっても、エンジン回転数が0にはならず、エンストを回避することができる。
つまり瞬時t13以後では、車両停止所要時間Tvsp0がロックアップ解放所要時間Tluoffよりも短くなることから、ロックアップ油圧を低圧用に設定する。したがって、瞬時t14以後で車速VSP=0となっても、エンジン回転数が0にはならず、エンストを回避する。A区間にあっても、ロックアップ油圧を低圧にするため、瞬時t4以後で車速VSP=0となっても、エンジン回転数が0にはならず、エンストを回避することができる。
図3の最下段から2段目に示す目標ロックアップ油圧には、比較のため、10km/h以下の低車速領域では常にロックアップ締結容量が小さくなるようロックアップ油圧を低圧に設定された特許文献1に記載の従来例を破線で示す。
従来例では、A,B,C区間のすべてにおいて、ロックアップ油圧を低圧用に設定していたため、ハッチングで示すように、上記の第2ロックアップ油圧よりも低い。このため、瞬時t10以後の再加速時には、図3の最下段に示すようにエンジン回転数が吹け上がってしまうという問題があった。
これに対しこの実施例では、B,C区間にあっては目標ロックアップ油圧を低圧用よりも高圧側にある第2ロックアップ油圧に設定するため、瞬時t10以後の再加速時に、図3の最下段に示すようにエンジン回転数が吹け上がることがない。
従来例では、A,B,C区間のすべてにおいて、ロックアップ油圧を低圧用に設定していたため、ハッチングで示すように、上記の第2ロックアップ油圧よりも低い。このため、瞬時t10以後の再加速時には、図3の最下段に示すようにエンジン回転数が吹け上がってしまうという問題があった。
これに対しこの実施例では、B,C区間にあっては目標ロックアップ油圧を低圧用よりも高圧側にある第2ロックアップ油圧に設定するため、瞬時t10以後の再加速時に、図3の最下段に示すようにエンジン回転数が吹け上がることがない。
図3に示すようにこの実施例では、Tvsp0>Tluoffであるときは、再加速が実行されてもロックアップ状態が外れない様、予めロックアップ油圧を大きく設定し、逆の場合にあっては、急停止が実行されてもロックアップ状態を急停止に要する時間よりも早く外し得る様、予めロックアップ油圧を小さく設定する。
これにより、本発明が解決しようとする2つの問題、すなわちエンジン回転数が吹け上がって燃費が悪化するという一の問題と、急停止してエンストするという他の問題とを、同時に解決することができる。
これにより、本発明が解決しようとする2つの問題、すなわちエンジン回転数が吹け上がって燃費が悪化するという一の問題と、急停止してエンストするという他の問題とを、同時に解決することができる。
次に、本発明の他の実施例について説明する。
図4は、本発明の他の実施例になるロックアップ機構の制御装置を具えた車両のパワートレーンを、その制御系とともに示す制御システム図である。
この実施例は、前述した一実施例に、運転者が操作するブレーキペダル17を付加したものである。このため、共通する基本構成については同一の符号を付して説明を省略し、相違する部分について説明する。
変速機コントローラ12には、エンジン1のエンジン出力を制御するエンジンコントローラ13からのエンジン出力情報と、このパワートレーンおよび制御系を搭載した車両14の走行状態に関する情報と、運転者が操作するアクセルペダル15のアクセル開度APOと、図示しない左右駆動輪の制動力を制御するアンチスキッド装置(図示せず)からの作動信号とを、それぞれ入力する他、運転者に踏み込まれるブレーキペダル17のブレーキペダル操作量およびブレーキペダル17の踏み込み始めにおける遊び量などのブレーキ情報を入力する。
この実施例は、前述した一実施例に、運転者が操作するブレーキペダル17を付加したものである。このため、共通する基本構成については同一の符号を付して説明を省略し、相違する部分について説明する。
変速機コントローラ12には、エンジン1のエンジン出力を制御するエンジンコントローラ13からのエンジン出力情報と、このパワートレーンおよび制御系を搭載した車両14の走行状態に関する情報と、運転者が操作するアクセルペダル15のアクセル開度APOと、図示しない左右駆動輪の制動力を制御するアンチスキッド装置(図示せず)からの作動信号とを、それぞれ入力する他、運転者に踏み込まれるブレーキペダル17のブレーキペダル操作量およびブレーキペダル17の踏み込み始めにおける遊び量などのブレーキ情報を入力する。
この実施例において、これらの情報を入力された変速機コントローラ12が実行する処理について、図5に示すフローチャートに基づき説明する。
ステップS1〜S7の処理は前述した図2に示すとおりである。
ここで、ステップS3においては、現実の走行状態を反映させるよう改良を加える。
つまり、減速走行中の車両14が停車するまでの時間である車両停止所要時間Tvsp0を算出するにあたっては、運転者のブレーキ操作量等のブレーキ情報を考慮するものである。
このため、車速VSPを読み込み、入力されたブレーキ情報から減速度を求めて、これら車速VSPおよび減速度から車両停止所要時間Tvsp0を算出する。
ここで、ステップS3においては、現実の走行状態を反映させるよう改良を加える。
つまり、減速走行中の車両14が停車するまでの時間である車両停止所要時間Tvsp0を算出するにあたっては、運転者のブレーキ操作量等のブレーキ情報を考慮するものである。
このため、車速VSPを読み込み、入力されたブレーキ情報から減速度を求めて、これら車速VSPおよび減速度から車両停止所要時間Tvsp0を算出する。
ブレーキ情報が入力されると、図7に例示する予め記憶しておいた制動力マップを参照して、ブレーキペダル操作量から制動力を求める。求めた制動力および車両14の重量から減速度を求める。なお、重量は、駆動輪および従動輪を懸架するサスペンション装置に重量センサを設け、重量センサが重量を検出するものであってもよい。
これにより減速走行中の車両14が停止するために要する時間、すなわち車両停止所要時間Tvsp0を精度よく予測することができる。
これにより減速走行中の車両14が停止するために要する時間、すなわち車両停止所要時間Tvsp0を精度よく予測することができる。
この実施例になるロックアップ機構の制御装置の作用について、図6のタイムチャートに基づき説明する。図6のタイムチャートでは、この実施例を実線で示し、比較のため、特許文献1に記載の従来例を破線で示す。
A区間では、ロックアップ解除所要時間Tluoffよりも車両停止所要時間Tvsp0が短いため、前述したステップS5でNoと判断され、目標ロックアップ油圧は低圧の第1ロックアップ油圧に設定される。
これにより、燃費の悪化を防止する。また車両停止の際にはロックアップを外し得てエンジン1のエンストを回避する。
これにより、燃費の悪化を防止する。また車両停止の際にはロックアップを外し得てエンジン1のエンストを回避する。
B区間では、車両停止所要時間Tvsp0がロックアップ解除所要時間Tluoffよりも長いため、前述したステップS5でYesと判断され、目標ロックアップ油圧は高めの第2ロックアップ油圧に設定される。これにより、車両14の再加速によってロックアップが外れてエンジン回転数が吹け上がるという問題を防止できる。
これに対し従来例では、B区間の前後に亘って破線で示すように、低車速領域では常に目標ロックアップ油圧を低圧用の油圧(第1ロックアップ油圧に相当)に設定するので、瞬時t10以後の再加速時には、エンジン回転数が吹け上がってしまっている。
これに対し従来例では、B区間の前後に亘って破線で示すように、低車速領域では常に目標ロックアップ油圧を低圧用の油圧(第1ロックアップ油圧に相当)に設定するので、瞬時t10以後の再加速時には、エンジン回転数が吹け上がってしまっている。
C区間の前半(瞬時t12〜t15)では、運転者によるブレーキ操作量が少ない等の理由により、車両停止所要時間Tvsp0の減少率は図6の(1)に示すように緩やかな下り勾配である。また、車両停止所要時間Tvsp0がロックアップ解除所要時間Tluoffよりも長いため、前述したステップS5でYesと判断され、目標ロックアップ油圧は第2ロックアップ油圧に設定される。
この実施例では、ブレーキペダル17のブレーキ情報を読み込んで車両停止所要時間Tvsp0を算出するため、C区間前半(瞬時t12〜t15)のある瞬時から運転者がブレーキペダル17を踏み増しすると、図6の(2)に示すようにC区間の後半では、車両停止所要時間Tvsp0は時間の経過とともに減少の度合いが強まる急な下り勾配となる。
この実施例では、ブレーキペダル17のブレーキ情報を読み込んで車両停止所要時間Tvsp0を算出するため、C区間前半(瞬時t12〜t15)のある瞬時から運転者がブレーキペダル17を踏み増しすると、図6の(2)に示すようにC区間の後半では、車両停止所要時間Tvsp0は時間の経過とともに減少の度合いが強まる急な下り勾配となる。
そうすると、図6に示す瞬時t15で、車両停止所要時間Tvsp0がロックアップ解除所要時間Tluoffよりも短くなって逆転し、瞬時t15以後では、目標ロックアップ油圧は低圧の第1ロックアップ油圧に設定される。この結果、燃費の悪化を防止することができるとともに、車両停止の際にはロックアップが外れてエンジン1のエンストを回避することができる。
ところで、上記した本実施例によれば、エンジン1と図示しない駆動輪とを結合する駆動伝達経路上に設けられ、ロックアップクラッチ16を具えたトルクコンバータ3に、ロックアップクラッチ16を締結するための油圧を供給するものである。そして、車両14がロックアップ状態で減速走行中には、変速機コントローラ12に入力された走行状態に関する情報と、ロックアップクラッチ16に供給中のロックアップ油圧とに基づき、目標ロックアップ油圧を低圧の第1ロックアップ油圧またはそれよりも高圧の第2ロックアップ油圧に制御する。
このため、従来のように低速領域で走行中はロックアップ油圧が常に低圧用の油圧に設定されることなく、再加速時には、エンジンが吹け上がって燃費が悪化するという一の問題を防止することができる。
また、低速領域で走行中に急停止してもクラッチを直ぐに外すことができ、エンストを防止することができる。
このため、従来のように低速領域で走行中はロックアップ油圧が常に低圧用の油圧に設定されることなく、再加速時には、エンジンが吹け上がって燃費が悪化するという一の問題を防止することができる。
また、低速領域で走行中に急停止してもクラッチを直ぐに外すことができ、エンストを防止することができる。
また上記の各実施例では、走行状態に関する情報である車速および減速度に基づき、車両停止所要時間Tvsp0を算出し、ロックアップクラッチ16に供給されているロックアップ油圧に基づき、ロックアップ解除所要時間Tluoffを算出する。そして、これら予測された車両停止所要時間Tvsp0およびロックアップ解除所要時間Tluoffを比較して、車両停止所要時間Tvsp0のほうが長いか否かを判断する(ステップS5)。ここで否定的に判断する場合には、目標ロックアップ油圧を低圧の第1ロックアップ油圧に設定する(ステップS7)。
このため、車両停止所要時間Tvsp0がロックアップ解除所要時間Tluoffよりも短く、ロックアップクラッチ16の解放よりも車両14の停止のほうが早いと予測される場合には、ロックアップ油圧を低圧用の油圧にして、ロックアップクラッチ16を直ぐに解放できるように備えておくことが可能になる。したがって、低速領域で走行中に急停止してもクラッチを直ぐに外すことができ、エンストを防止することができる。
このため、車両停止所要時間Tvsp0がロックアップ解除所要時間Tluoffよりも短く、ロックアップクラッチ16の解放よりも車両14の停止のほうが早いと予測される場合には、ロックアップ油圧を低圧用の油圧にして、ロックアップクラッチ16を直ぐに解放できるように備えておくことが可能になる。したがって、低速領域で走行中に急停止してもクラッチを直ぐに外すことができ、エンストを防止することができる。
トルクコンバータ3がロックアップ状態でトルクを伝達可能とするロックアップ締結容量は、ロックアップ油圧と略比例関係にある。図2および図5で前述した各実施例では、ロックアップ油圧をステップS6で第2ロックアップ油圧とするときは、ロックアップ締結容量が車両の再加速時にトルクコンバータ3に入力されるトルク以上となるよう、ここでいう第2ロックアップ油圧を定める。これに対し、ステップS7でロックアップ油圧を低圧の第1ロックアップ油圧とするときは、ロックアップクラッチ16を直ぐに解放できるよう、ここでいう低圧の第1ロックアップ油圧を定める。
このため、車両停止所要時間Tvsp0がロックアップ解除所要時間Tluoffよりも長く再加速が予測される場合には、ロックアップが外れないようにすることができる。また、車両停止所要時間Tvsp0がロックアップ解除所要時間Tluoffよりも短い場合には、目標ロックアップ油圧をできるだけ低くして、急停止に備えることができる。
このため、車両停止所要時間Tvsp0がロックアップ解除所要時間Tluoffよりも長く再加速が予測される場合には、ロックアップが外れないようにすることができる。また、車両停止所要時間Tvsp0がロックアップ解除所要時間Tluoffよりも短い場合には、目標ロックアップ油圧をできるだけ低くして、急停止に備えることができる。
また、図5および前述した他の実施例では、運転者が操作するブレーキペダル17からブレーキ操作量等のブレーキ情報を検出し、ステップS3においては、検出したブレーキ情報に基づき、前記減速度を算出することから、車両停止所要時間Tvsp0を精度よく算出することが可能となる。したがって、実際の走行状態に合致するよう、減速走行中のロックアップ状態を、低圧用の油圧またはそれよりも高い油圧といったように区別して適宜制御することができ、エンジン1の吹け上がり防止とエンスト防止を高い次元で達成することができる。
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であり、本発明はその主旨に逸脱しない範囲において種々変更が加えられうるものである。
1 エンジン
2 エンジン出力軸
3 ロックアップ機構付トルクコンバータ
4 トルクコンバータ出力軸
5 トランスアクスル
6 前後進切換機構
7 ベルト式無段変速機構
8 減速歯車組
10,11 ドライブシャフト
12 変速機コントローラ
14 車両
15 アクセルペダル
16 ロックアップクラッチ
17 ブレーキペダル
2 エンジン出力軸
3 ロックアップ機構付トルクコンバータ
4 トルクコンバータ出力軸
5 トランスアクスル
6 前後進切換機構
7 ベルト式無段変速機構
8 減速歯車組
10,11 ドライブシャフト
12 変速機コントローラ
14 車両
15 アクセルペダル
16 ロックアップクラッチ
17 ブレーキペダル
Claims (4)
- 原動機と駆動輪とを結合する駆動伝達経路上に設けられたロックアップ機構付トルクコンバータに、該ロックアップ機構をロックアップ状態にするための油圧を供給するロックアップ機構の制御装置において、
車両の走行状態を検出する走行状態検出手段を具え、車両が前記ロックアップ機構をロックアップ状態にして減速走行中には、検出した走行状態と、ロックアップ状態にあるロックアップ機構に供給中のロックアップ油圧とに基づき、ロックアップ機構の目標ロックアップ油圧を制御する油圧制御手段とを具えたことを特徴とするロックアップ機構の制御装置。 - 請求項1に記載のロックアップ機構の制御装置において、
前記走行状態検出手段は、車速および減速度に基づき、減速走行中の車両が停止するまでに要する時間を予測する車両停止所要時間予測手段と、
この減速走行中でロックアップ状態にされたロックアップ機構に供給中の油圧に基づき、該ロックアップ状態を解除するまでに要する時間を算出するロックアップ解除所要時間算出手段と、
これら予測手段および算出手段によって予測された車両停止所要時間およびロックアップ解除所要時間を比較して、車両停止所要時間のほうが長いか否かを判断する判断手段とを具え、
該判断手段が否定的に判断する場合には、前記油圧制御手段が前記目標ロックアップ油圧を第1ロックアップ油圧に設定し、
該判断手段が肯定的に判断する場合には、前記油圧制御手段が前記目標ロックアップ油圧を前記第1ロックアップ油圧よりも高い第2ロックアップ油圧に設定することを特徴とするロックアップ機構の制御装置。 - 請求項2に記載のロックアップ機構の制御装置において、
前記ロックアップ機構付トルクコンバータがロックアップ状態で伝達可能なロックアップ締結容量は、ロックアップ油圧と略比例関係にあり、
前記第2ロックアップ油圧に対応するロックアップ締結容量が、車両の再加速時に前記ロックアップ機構付トルクコンバータに入力されるトルク以上となるよう、当該第2ロックアップ油圧を定め、
ロックアップ状態を前記車両停止所要時間よりも短い所要時間で解除し得るよう、前記第1ロックアップ油圧を設定することを特徴とするロックアップ機構の制御装置。 - 請求項3に記載のロックアップ機構の制御装置において、
運転者が操作するブレーキ操作子のブレーキ情報を検出する手段を具え、
前記車両停止所要時間予測手段は、検出したブレーキ情報に基づき、前記減速度を算出することを特徴とするロックアップ機構の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005169716A JP2006342899A (ja) | 2005-06-09 | 2005-06-09 | ロックアップ機構の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005169716A JP2006342899A (ja) | 2005-06-09 | 2005-06-09 | ロックアップ機構の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=37640008
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005169716A Withdrawn JP2006342899A (ja) | 2005-06-09 | 2005-06-09 | ロックアップ機構の制御装置 |
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JP (1) | JP2006342899A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8790218B2 (en) | 2009-09-28 | 2014-07-29 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Vehicle control system |
CN109240136A (zh) * | 2018-09-14 | 2019-01-18 | 北京全路通信信号研究设计院集团有限公司 | 一种停车器控制方法及其控制系统 |
-
2005
- 2005-06-09 JP JP2005169716A patent/JP2006342899A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
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CN109240136A (zh) * | 2018-09-14 | 2019-01-18 | 北京全路通信信号研究设计院集团有限公司 | 一种停车器控制方法及其控制系统 |
CN109240136B (zh) * | 2018-09-14 | 2020-11-06 | 北京全路通信信号研究设计院集团有限公司 | 一种停车器控制方法及其控制系统 |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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