JP2006342462A - クラフトパルプの製造方法 - Google Patents

クラフトパルプの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006342462A
JP2006342462A JP2005169426A JP2005169426A JP2006342462A JP 2006342462 A JP2006342462 A JP 2006342462A JP 2005169426 A JP2005169426 A JP 2005169426A JP 2005169426 A JP2005169426 A JP 2005169426A JP 2006342462 A JP2006342462 A JP 2006342462A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulp
acid
oxygen delignification
component
kraft pulp
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005169426A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Okamura
徹也 岡村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daio Paper Corp
Original Assignee
Daio Paper Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daio Paper Corp filed Critical Daio Paper Corp
Priority to JP2005169426A priority Critical patent/JP2006342462A/ja
Publication of JP2006342462A publication Critical patent/JP2006342462A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

【課題】 無塩素漂白方式によって製造されるクラフトパルプ(特に、広葉樹クラフトパルプ)の退色性を改善することと、製造されたパルプの強度を改善すること。
【解決手段】 蒸解工程と酸素脱リグニン工程と、塩素を使用しない無塩素漂白方式による漂白工程とを有するクラフトパルプの製造方法において、酸素脱リグニン工程後のパルプ成分中のヘキセンウロン酸量を45mmol/絶乾パルプkg以上とする。 そしてまた、製造されたパルプの退色性を改善するための手段として、漂白工程後のパルプ成分中のヘキセンウロン酸量を5mmol/絶乾パルプkg以下とする。 本願発明の方法を実施するにあたっては、酸素脱リグニン工程後に、pH2.5〜3.5、反応温度80〜90℃、反応時間180分以上、好ましくは180〜480分、さらに好ましくは240〜420分の条件下でパルプ成分を酸処理することが推奨される。
【選択図】なし

Description

本願発明は、塩素を使用しない無塩素漂白方式で漂白工程を行うクラフトパルプの製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、退色性及び強度の改善されたクラフトパルプの製造方法に関するものである。
無塩素漂白クラフトパルプの退色性改善について言及されている公知文献としては後記特許文献1があり、同特許文献1においては次のような内容が開示されている。
すなわち、特許文献1によれば、高白色度のパルプ(通常ISOの白色度90%以上のパルプ)は、多量の電気エネルギーを使用して製造される二酸化塩素を多量に使用するため環境に優しいパルプとはいえず、そのため、特許文献1の発明ではISO白色度70〜89%を目標としたこと、そしてパルプの退色性を改善するために、広葉樹材を蒸解する工程において、カッパー価が18〜23でありかつヘキセンウロン酸量が35〜45mmol/絶乾パルプkgである未漂白パルプを得、その後、アルカリ酸素脱リグニン処理を行い、元素状塩素を使用しない多段漂白工程で漂白処理してISO白色度70〜89%、ヘキセンウロン酸含有量が10mmol/絶乾パルプkg未満の漂白パルプを得る、ということが開示されている(特許文献1の段落番号「0003」、「0011」)。
特開2003−96680
本願発明は、特許文献1記載の発明と同様、無塩素漂白方式によって製造されるクラフトパルプ(特に、広葉樹クラフトパルプ)の退色性を改善することを目的とするものであるが、それと同時に、製造されたパルプの強度を改善することをも目的としてなされたものである。
すなわち、本願発明者は、蒸解後のパルプ成分中のヘキセンウロン酸量が、特許文献1の発明で規定する35〜45mmol/絶乾パルプkgでは、十分なパルプ強度が得られないことを知見し、また、本願発明者は、無塩素漂白方式で製造されるパルプの退色性を改善するためには、漂白工程後のヘキセンウロン酸量は可及的に低減された方がよいとの知見に至り、これらの知見にもとづいて以下に開示する本願発明に想到したものである。
すなわち、本願発明では、強度のあるクラフトパルプを得るために、漂白前のカッパー価を高く維持することとし、具体的には、リグノセルロース物質からなるパルプ原料を蒸解薬品で蒸解してパルプ成分を生成する蒸解工程と、前記パルプ成分中のリグニン成分を除去又は低減させる酸素脱リグニン工程と、塩素を使用しない無塩素漂白方式による漂白工程とを有するクラフトパルプの製造方法において、先ず第1の特徴として、酸素脱リグニン工程後のパルプ成分中のヘキセンウロン酸量を45mmol/絶乾パルプkg以上とする。これは、酸素脱リグニン工程での過激な脱リグニンはクラフトパルプの強度を低下させることと、脱リグニンが少なすぎると、漂白工程での負荷が高くなり、多量の二酸化塩素を使用してしまうことによる。
本願発明では、そしてまた、製造されたパルプの退色性を改善するための手段として、漂白工程後のパルプ成分中のヘキセンウロン酸量を5mmol/絶乾パルプkg以下とすることを第2の特徴とする。本願発明の方法は、針葉樹材にも広葉樹材にも適用可能であるが、広葉樹クラフトパルプの製造方法に適用すれば特に有利である。本願発明の方法において、酸素脱リグニン工程後のパルプ成分中のヘキセンウロン酸量を45mmol/絶乾パルプkg以上に維持するためには、蒸解工程における蒸解を過度に進めないことが推奨される。
なお、本願発明の方法を実施するにあたっては、酸素脱リグニン工程後に、pH2.5〜3.5、反応温度80〜90℃、反応時間180分以上、好ましくは180〜480分、さらに好ましくは240〜420分の条件下でパルプ成分を酸処理することが推奨される。
その理由は次の通りである。
クラフトパルプ製造時、クラフト蒸解によってウロン酸からヘキセンウロン酸が生成する。ヘキセンウロン酸は硫酸処理によって容易に加水分解し、2−フロン酸と5−カルボキシ−2−フラルデヒドに分解する。これによって退色性が改善される。ヘキセンウロン酸が十分に存在する条件では硫酸加水分解によってヘキセンウロン酸が消費されるが、反応が進んでヘキセンウロン酸が少なくなってくるとセルロース、ヘミセルロースの分解が起こるようになる。これによってパルプ強度が低下する。したがって、反応PHが高かったり、反応温度が低かったり、あるいは反応時間が短かったりするとヘキセンウロン酸の分解が進まずに多く残って退色性が改善されず、また、反応PHが低すぎたり、反応温度が高すぎたり、あるいは反応時間が長すぎたりするとヘキセンウロン酸の分解が進み過ぎ、セルロ−ス、ヘミセルロースの分解が始まってパルプ強度が低下する。
なお、酸素脱リグニン工程後に行われる酸処理工程及び漂白工程のシーケンスとしては、A−D−Eop−D−D、A−ZE−D−E(又はEo)−D−D、A−ZE−D−E(又はEo)−D、A−ZE−P−D等が応用可能である。
但し、
A:酸処理段、ZE:オゾン漂白及びアルカリ抽出段、D:二酸化塩素漂白段、E:アルカリ抽出段、Eo:酸素アルカリ抽出段、Eop:酸素、過酸化水素アルカリ抽出段、P:過酸化水素漂白段、である。
本願発明のクラフトパルプ製造方法では、上記のように、蒸解工程及び酸素脱リグニン工程では過度にカッパー価を低減しない、または脱リグニンを進めないことによりパルプの強度を維持することができ、さらにその後の酸処理工程及び漂白工程で高度のヘキセンウロン酸の除去を行うことにより、退色性の改善されたクラフトパルプを得ることができる効果がある。また、蒸解工程での蒸解を抑制することにより、強度が強く、歩留りの高いクラフトパルプを製造し得るとともに、蒸解薬品の低減にも寄与し得る効果がある。
続いて本願発明のいくつかの実施例と、本願発明の技術的優位性を示すための比較例を表1に示す。
Figure 2006342462
(注)
※1 HexA量:ヘキセンウロン酸量は図1に示すグラフに基づいて酸素脱リグニン後カッパー価から換算した。
※2 酸処理Δカッパー価:(酸素脱リグニン後カッパー価)−(酸処理後カッパー価)
<評価>
酸素脱リグニン工程後のパルプ成分中のヘキセンウロン酸量、漂白工程後のパルプ成分中のヘキセンウロン酸量がともに本願発明で規定する数値内にあり、酸処理時におけるパルプ成分のpH、反応温度、滞留時間が本願発明の実施例の範囲内にある実施例1〜13は退色性が少なく、かつパルプ強度がすぐれている。特に、酸処理時のPHが2.5〜3.5、反応温度が80〜90℃、滞留時間が240〜420分のいずれかの範囲で処理する場合は、退色性・パルプ強度の双方とも比較的に良好な結果となっている。これに対して酸素脱リグニン工程後のヘキセンウロン酸量が本願発明の範囲を下回る比較例1はパルプ強度の点で劣り、さらに漂白後ヘキセンウロン酸量が本願発明の範囲をこえる比較例2は、パルプ強度が優れているが、漂白後のヘキセンウロンサン量が多いので退色性の点で問題がある。
酸素脱リグニン後カッパー価とヘキセンウロン酸量との換算関係を示すグラフである。

Claims (3)

  1. リグノセルロース物質からなるパルプ原料を蒸解薬品で蒸解してパルプ成分を生成する蒸解工程と、前記パルプ成分中のリグニン成分を除去又は低減させる酸素脱リグニン工程と、塩素を使用しない無塩素漂白方式による漂白工程とを有するクラフトパルプの製造方法であって、前記酸素脱リグニン工程後のパルプ成分中のヘキセンウロン酸量が45mmol/絶乾パルプkg以上であり、且つ前記漂白工程後のパルプ成分のヘキセンウロン酸量が5mmol/絶乾パルプkg以下であることを特徴とするクラフトパルプの製造方法。
  2. 酸素脱リグニン工程と漂白工程との間において、pH2.5〜3.5、反応温度80〜90℃、反応時間180分以上の条件下でパルプ成分を酸処理することを特徴とする請求項1記載のクラフトパルプの製造方法。
  3. 酸素脱リグニン工程と漂白工程との間において、pH2.5〜3.5、反応温度80〜90℃、反応時間180〜480分の条件下でパルプ成分を酸処理することを特徴とする請求項1記載のクラフトパルプの製造方法。
JP2005169426A 2005-06-09 2005-06-09 クラフトパルプの製造方法 Pending JP2006342462A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005169426A JP2006342462A (ja) 2005-06-09 2005-06-09 クラフトパルプの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005169426A JP2006342462A (ja) 2005-06-09 2005-06-09 クラフトパルプの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006342462A true JP2006342462A (ja) 2006-12-21

Family

ID=37639628

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005169426A Pending JP2006342462A (ja) 2005-06-09 2005-06-09 クラフトパルプの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006342462A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013181258A (ja) * 2012-03-01 2013-09-12 Nippon Paper Industries Co Ltd パルプの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013181258A (ja) * 2012-03-01 2013-09-12 Nippon Paper Industries Co Ltd パルプの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007308824A (ja) 漂白パルプの製造方法
CN1065304C (zh) 制备脱木素和漂白化学纸浆的方法
JP4893210B2 (ja) 漂白パルプの製造方法
JPH08511308A (ja) リグノセルロース材料を脱リグニン化する改良されたオゾン/過酸法
JP4887900B2 (ja) 漂白パルプの製造方法
RU2439232C2 (ru) Способ отбеливания бумажной целлюлозной массы путем конечной обработки озоном при высокой температуре
JP2006342462A (ja) クラフトパルプの製造方法
JP5915263B2 (ja) パルプの製造方法
JP2009138293A (ja) 漂白アルカリ化学パルプの製造方法
JP4356380B2 (ja) 製紙用漂白パルプの製造方法
JP2010265564A (ja) Ecf漂白パルプの製造方法
JP5471050B2 (ja) Tcf漂白方法
JP6522274B2 (ja) 溶解クラフトパルプの製造方法。
JP4321273B2 (ja) 製紙用パルプの漂白方法
JP2004169243A (ja) 製紙用漂白パルプの製造方法
Ma et al. Pulp and fiber characterization of bamboo dissolving pulp
JP2000290887A (ja) リグノセルロースの漂白方法
WO2024003457A1 (en) A method for reducing the viscosity of dissolving pulp
JP2004052115A (ja) ケミカルパルプの退色性改善方法
JP2001348790A (ja) 製紙用化学パルプの漂白方法
JP2000303375A (ja) 漂白パルプの製造方法
TW202113196A (zh) 漂白漿粕之製造方法
JP2010116659A (ja) 酸化白液、その製造法及びクラフト法漂白パルプの製造法
JP2003268688A (ja) ケミカルパルプの漂白方法
JPH10266085A (ja) 化学パルプの酸性漂白白水による処理方法及び印刷用紙または塗工用原紙