JP2006342413A - アクチュエータアーム並びにその表面処理方法 - Google Patents

アクチュエータアーム並びにその表面処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 シリコンを含有するアルミニウム系合金からなるハードディスクドライブ用のアクチュエータアームの表面に、成形加工によって生じるバリ、微細なキズや凹凸等がなく、かつシリコンの酸化物を含む第2相粒子の脱落がない、表面の清浄度が高められたアクチュエータアーム並びにこのアクチュエータアームを得るための表面処理方法を提供することにある。
【解決手段】 シリコンを含有するアルミニウム系合金からなるハードディスクドライブ用のアクチュエータアームの表面を、80〜110℃に調整したリン酸および硝酸を含む混合水溶液で化学研磨処理した後、フッ化物イオンを含む酸性水溶液中に5〜300sec浸漬処理するアクチュエータアームの表面処理方法とすることによって、解決される。【選択図】 図1

Description

本発明は、コンピュータのハードディスクドライブのヘッド部を駆動させるアクチュエータアーム並びにその表面処理方法に関するものである。
コンピュータの記憶装置であるハードディスクドライブは、その性能をさらに向上させることが要求されており、そのためにその記録、再生を行なう磁気ヘッドも同様の要求がなされている。この磁気ヘッドはアクチュエータによって位置制御されるものであるから、アクチュエータも高速、高精度で駆動する必要がある。このためには、アクチュエータを軽量化することが重要な条件となってきている。そこで現在使用されているアクチュエータ部品は、通常アルミニウム系合金が使用されている。これは、アルミニウム系合金が高速駆動に十分耐える強度、弾性係数を有し、かつ軽量であるためである。そして、このアクチュエータ部品は形状が複雑であるにもかかわらず、数〜数十μm程度の寸法精度を要求される。またその成形加工は、通常切削やプレスによって行なわれている。しかしながら切削加工やプレス加工ではバリやキズの発生が避けられず、このようなバリは、前述のアクチュエータ部品の寸法精度上問題があり、またハードディスクドライブに組み込まれた後に、微細な金属片等として剥がれ落ちたりすると記録の読取り障害等の原因にもなる。そこでこのバリ等は、電解研磨や化学研磨等によって取除くことが行なわれている。例えば、本発明者等によって提案された特許文献1や特許文献2に記載される表面処理方法によれば、キズ等のない平滑な表面を得ることができる。しかしながら、前述のアルミニウム系合金の中でもシリコンを含有するアルミニウム系合金においては、前述の加工層の処理による平滑化のみでは不十分であることが判った。
すなわち、シリコンを含有するアルミニウム系合金によって製造されたアクチュエータ部品においては、金属部内に含まれるシリコンの酸化物を含む第2相粒子が脱落してくるという問題が判った。これは、前述した加工層の処理においてはアルミニウム系合金の母相は溶解するが、シリコンの酸化物を含む第2相粒子は溶解せずに母相内に埋った状態となり、その表面部分は母相からはみ出した状態となって残留しているため、アクチュエータ部品の使用中に脱落してディスク表面やヘッド部分に付着することによって、記録や再生を阻害するものと考えられる。このためにアクチュエータ部品は、成形加工層の単なる表面処理だけでは高い清浄度の高品質のものが得られなくなってきた。本発明は、このような問題も解決したアクチュエータ部品の表面処理方法に関するものである。
特開2004−131757号公報 特開2004−216480号公報
よって本発明が解決しようとする課題は、シリコンを含有するアルミニウム系合金からなるハードディスクドライブ用のアクチュエータアームの表面に、成形加工によって生じるバリ、微細なキズや凹凸等がなく、かつシリコンの酸化物を含む第2相粒子の存在が極めて少なく脱落の問題がない、表面の清浄度が高められたアクチュエータアーム並びにこのアクチュエータアームを得るための表面処理方法を提供することにある。
そして前記課題を解決するためには、請求項1に記載するように、シリコンを含有するアルミニウム系合金からなるハードディスクドライブ用のアクチュエータアームであって、その表面が化学研磨処理およびフッ化物イオンを含む酸性水溶液中に浸漬処理されることによって、シリコンの酸化物を含む第2相粒子が表面に存在しないように処理されているアクチュエータアームとすることによって、解決される。
また請求項2に記載するように、シリコンを含有するアルミニウム系合金からなるハードディスクドライブ用のアクチュエータアームの表面を、80〜110℃に調整したリン酸および硝酸を含む混合水溶液で化学研磨処理した後、フッ化物イオンを含む酸性水溶液中に5〜300sec浸漬処理するアクチュエータアームの表面処理方法とすることによって、解決される。さらに好ましくは、請求項3に記載するように、前記混合水溶液は、リン酸を5mol/L以上および硝酸を0.1〜0.8mol/L含む混合水溶液であり、また前記酸性水溶液中のフッ化物イオンの濃度が、0.05〜0.50mol/Lである請求項2に記載のアクチュエータアームの表面処理方法とすることによって、解決される。
シリコンを含有するアルミニウム系合金からなるハードディスクドライブ用のアクチュエータアームであって、その表面が化学研磨処理およびフッ化物イオンを含む酸性水溶液中に浸漬処理されることによって、シリコンの酸化物を含む第2相粒子(以下第2相粒子)が存在しないように処理したアクチュエータアームとしたので、アクチュエータアームの表面には成形加工によって生じるバリ、微細なキズや凹凸等がなく、また第2相粒子の存在が極めて少なく脱落の問題がない、清浄度が高められたアクチュエータアームである。このような特性を有するアクチュエータアームは、清浄度、寸法精度が高くかつ軽量化されたアクチュエータアームであると共に、高速、高精度での回転等に十分対応できるものとなり、ハードディスクドライブの記録、再生等の性能をより向上させることができるようになる。
また、シリコンを含有するアルミニウム系合金からなるハードディスクドライブ用のアクチュエータアームの表面を、80〜110℃に調整したリン酸および硝酸を含む混合水溶液で化学研磨処理した後、フッ化物イオンを含む酸性水溶液中に5〜300sec浸漬するアクチュエータアームの表面処理方法としたので、アクチュエータアームの表面には成形加工によって生じるバリ、微細なキズや凹凸等がなく、また第2相粒子の存在が極めて少なく脱落の問題が生じない、表面の清浄度が高められたアクチュエータアームを比較的簡単に得ることができる。
さらに前述の表面処理方法の条件を、前記混合水溶液は、リン酸を5mol/L以上および硝酸を0.1〜0.8mol/L含む混合水溶液とし、前記酸性水溶液中のフッ化物イオンの濃度を、0.05〜0.50mol/Lであるアクチュエータアームの表面処理方法とすることによって、表面に成形加工によって生じるバリ、微細なキズや凹凸等がなく、また第2相粒子の存在が極めて少なくなり、脱落による種々の問題がない清浄度が高められたアクチュエータアームを、効率よく確実に行なうことができる。このようにして製造したアクチュエータアームは、清浄度、寸法精度の高いかつ軽量化されたアクチュエータアームであると共に、高速、高精度での回転等に十分対応できるものとなり、ハードディスクドライブの記録、再生等の性能をより向上させることができるようになる。
以下に本発明を詳細に説明する。請求項1に記載される発明は、シリコンを含有するアルミニウム系合金からなるハードディスクドライブ用のアクチュエータアームであって、その表面が化学研磨処理およびフッ化物イオンを含む酸性水溶液中に浸漬処理されることによって、特にその表面に、シリコンの酸化物を含む第2相粒子の存在が極めて少ないアクチュエータアームである。図1に基づいて説明すると、このアクチュエータアーム1は、回転自在な支持部2、スイングアーム3、磁気コイル4並びに前記磁気コイルの保持部5からなるものである。そしてこのアクチュエータアーム1の表面6には、通常成形加工によるバリや微細なキズが存在する。このバリや微細なキズは、種々の化学研磨処理によって取除かれる。通常平均表面粗さが0.5μm以下となる表面平滑とされる。なお、この図面に記載したアクチュエータアームは一例を示すものである。
しかしながら前述の処理を行っても、シリコンを含むアルミニウム系合金からなるアクチュエータ1には、その表面6にシリコンの酸化物を含む第2相粒子と呼ばれるパーティクル(Particle)が残留することが確認された。これは、前述の化学研磨処理等によりアルミニウム系合金の母相は溶解するが、第2相粒子は溶解せずに母相内に埋った状態となり、その表面部分は母相からはみ出した状態となって残留しているためである。このように残留した第2相粒子は、高速で回転するハードディスクドライブ中で脱落し記録、再生等の性能を阻害することになる。このために、この第2相粒子も除く必要がある。このため、フッ化物イオンを含む酸性水溶液中で浸漬処理することによって除去することを提案するものである。具体的には、リン酸、硫酸等の酸性水溶液中に、中性フッ化アンモニウム、酸性フッ化アンモニウム等のフッ化物を添加して用いる。このようなフッ化物イオンを含む酸性水溶液中に浸漬することによって、第2相粒子を完全に除去することができる。このような浸漬処理されたアクチュエータアーム表面は、成形加工によって生じるバリ、微細なキズや凹凸等がないと共に、第2相粒子の存在が極めて少ないので、第2相粒子の脱落が生じることがない、極めて清浄度が高められたアクチュエータアームとすることができる。このことにより清浄度、寸法精度が高く、かつ軽量化されたアクチュエータアームであると共に、高速、高精度での回転等に十分対応できるものとなり、ハードディスクドライブの記録、再生等の性能をより向上させることができる。
以上のような特性を有するアクチュエータアームは、請求項2に記載する、シリコンを含有するアルミニウム系合金からなるハードディスクドライブ用のアクチュエータアームの表面を、80〜110℃に調整したリン酸および硝酸を含む混合水溶液で化学研磨処理した後、フッ化物イオンを含む酸性水溶液中に5〜300sec浸漬するアクチュエータアームの表面処理方法によって、比較的簡単に表面処理することができる。すなわち、市販のリン酸試薬並びに硝酸試薬をイオン交換水中に添加、混合して、所望の濃度のリン酸、硝酸混合水溶液を作製する。この時、リン酸が主成分となるように添加、混合するものである。そしてこの混合水溶液を、ステンレス製等の容器に入れ、外部からウオーターバス等で加熱すると共にステンレス製の投げ込みヒータを入れて中からも加温することが好ましい。そしてその時、エアーポンプを用いて空気攪拌を行なって、所望の温度に調整する。そしてこのような温度調整された混合水溶液中に、成形加工したアクチュエータアーム1をステンレス製のワイヤー等で吊るし、市販のカソードロッカーにより揺動させ、所定の時間、化学研磨処理を行なうものである。その時の温度は、温度80〜110℃の範囲で行なうのが良い。これは、80℃未満では反応速度が遅すぎて実用的ではなく、また110℃を超えると混合水溶液中の硝酸や水分の蒸発が大きくなり好ましくないためである。さらに、リン酸を主成分としこれに硝酸を添加した混合水溶液を用いるのは、化学研磨処理後の表面が平滑で光沢のあるものとするためであり、また溶解速度が0.1μm/sec程度であるため、溶解による寸法変化をコントロールし易くするためである。また、通常平均表面粗さも0.5μm以下の表面平滑とすることができる。これは、アクチュエータアーム1本体部分も、化学研磨処理によって若干溶解するためである。このような処理によって、アクチュエータアーム1の表面6の成形加工によって生じたバリ、微細なキズや凹凸等を比較的簡単に処理することができる。
つぎに、第2相粒子の除去について述べる。すなわち、前述の化学研磨処理を行なったアクチュエータアーム1の表面6に対して、フッ化物イオンを含む酸性水溶液中に5〜300sec間浸漬処理を行なうものである。詳細に述べると、リン酸、硫酸等の酸性水溶液中に、中性フッ化アンモニウム、酸性フッ化アンモニウム等のフッ化物を添加した水溶液中を用いる。このようなフッ化物イオンを含む酸性水溶液中に5〜300sec程度浸漬する処理方法とすることによって、第2相粒子をほぼ完全に除去することができる。なお、浸漬時間が5sec未満では殆ど除去の効果がなく、また、300secを超えるとアルミニウム系合金の母相を侵食する作用が大きくなりピットができ易くなるので、300sec程度とするのが良い。このように、化学研磨処理と浸漬処理を組合わせることによって、成形加工によって生じるバリ、微細なキズや凹凸等がなく、また第2相粒子の存在を極めて少なくすることができ、脱落による問題を生じない極めて清浄度が高められたアクチュエータアームとすることができる。またこのような処理は比較的簡単な処理であるため、実用的な表面処理方法である。
つぎに、前述した表面処理方法のより好ましい条件について説明する。すなわち請求項3に記載するように、前述の表面処理方法の条件として、前記混合水溶液は、リン酸を5mol/L以上および硝酸を0.1〜0.8mol/Lとし、また前記酸性水溶液中のフッ化物イオンの濃度を、0.05〜0.50mol/Lであるアクチュエータアームの表面処理方法とすることによって、より好ましいアクチュエータアームの表面処理方法とすることができる。
すなわち、混合水溶液のリン酸濃度を5mol/L以上とし、硝酸濃度を0.1〜0.8mol/Lとするのは、混合水溶液中のリン酸濃度が5mol/L未満であると、平均表面粗さが0.5μm以下の平滑性を十分に達成できず、また硝酸濃度を0.1〜0.8mol/Lとすることによって、前記した表面平滑性が確実に得られることになる。なお、0.8mol/Lを超えて添加すると、亜硝酸ガスの発生量が多くなって作業性が、好ましくなくなるためである。このような濃度範囲の混合水溶液を用いることによって、平均表面粗さが0.5μm以下で、またその処理時間も180秒以内で行なうことができ、実際の製造作業上からも好ましいものとなる。なお、この混合水溶液には他の添加剤として、アルミニウムよりもイオン化傾向の低い銅、鉛、ニッケルのような金属イオン等を添加しても良い。
さらに、前記酸性水溶液中のフッ化物イオンの濃度を、0.05〜0.50mol/Lであるアクチュエータアームの表面処理方法とすることによって、前記アクチュエータアームの表面の第2相粒子を略除去することができ、表面性状のより優れたものとすることができ、高速、高精度で駆動させても第2相粒子の脱落問題が生じない。すなわち、前記酸性水溶液中のフッ化物イオンの濃度を0.05mol/L以上とすることによって、第2相粒子の存在を極めて少ない量とすることができるようになる。なお0.50mol/Lを超えると、アルミニウム系合金の母相を侵食する作用が大きくなり、ピットができ易くなるので0.50mol/Lまでとするのが好ましい。このような浸漬処理水溶液は、前述のようにリン酸、硫酸等の酸性水溶液中に、中性フッ化アンモニウム、酸性フッ化アンモニウム等のフッ化物を添加した水溶液を用いる。このように、化学研磨処理と浸漬処理を組合わせることによって、成形加工によって生じるバリ、微細なキズや凹凸等がないと共に、第2相粒子の存在を極めて少なくでき脱落による問題が生じない、極めて清浄度が高められたアクチュエータアームとすることができる。またこのような表面処理は、比較的簡単な表面処理方法であるため実用的である。
以下に実施例並びに比較例を示して、本発明の効果を述べる。市販のリン酸試薬並びに硝酸試薬をイオン交換水中に添加、混合して、表1に示した濃度のリン酸、硝酸混合水溶液を作製した。そしてこの混合水溶液を、ステンレス製等の容器に入れ、外部からウオーターバス等で加熱すると共にステンレス製の投げ込みヒータを入れて中からも加温して、表1に記載する温度に調整した。なおこの時、エアーポンプを用いて空気攪拌を行なった。そしてこの中に、成形加工したアクチュエータアームをステンレス製のワイヤーで吊るし、市販のカソードロッカーにより揺動させ、所定の時間化学研磨処理を行なった。ついで、リン酸0.5mol/L水溶液に、表1に示した濃度の酸性フッ化アンモニウムを添加した酸性水溶液で種々の時間(sec)浸漬処理し、引上げたアクチュエータアームをイオン交換水で水洗を3回行なって試料とした。
このアクチュエータアームについて、表面粗さをJIS B 0601に準拠して測定した。平均表面粗さが0.5μm以下を合格として○印で、0.5μmを超える場合は×印で記載した。また第2相粒子(以下パーティクル)の量については、アクチュエータアームを純水中で1min間超音波洗浄(45kHz、250W)した時の洗浄液を、LPC(Liquid Particle Counter)で測定し純水中に脱落した第2相粒子の量とした。評価は、最大粒子径が2μm以上のパーティクルの検出量が、アクチュエータアーム表面の単位面積あたり50個/cm未満の場合を○印で、50個/cm以上の場合は×印で記載した。結果は、表1のとおりである。
Figure 2006342413
表1から明らかなとおり、本発明の範囲である80〜110℃に調整したリン酸を5mol/L以上および硝酸を0.1〜0.8mol/L含む混合水溶液で化学研磨処理した後、フッ化物イオンの濃度が、0.05〜0.50mol/L含む酸性水溶液中に5〜300sec浸漬処理するアクチュエータアームの表面処理方法とすることによって、表面性に優れ、またシリコンの酸化物を含む第2相粒子が存在しないアクチュエータアームとすることができる。すなわち、実施例1〜12に示すアクチュエータアームは、平均表面粗さが0.5μm以下で、最大粒子径が2μm以上のパーティクルが、表面の単位面積あたり50個/cm未満と優れたものである。
これに対して、比較例1または2に示すように、リン酸濃度が4.5mol/Lと低い場合または硝酸濃度が0.05mol/Lと低い場合は、表面粗さが不合格となる。また、比較例7のように硝酸濃度が0.9mol/Lと高い場合には、ピットが生じて表面性が悪くなる。さらに、比較例6に示されるように、フッ化物イオンを含む酸性水溶液中での浸漬時間が350secと長い場合にも、ピットが生じて表面性が悪くなる。さらにまた、比較例4のようにフッ化物イオン濃度が0.6mol/Lと高い酸性水溶液中で処理した場合にも、ピットが生じて表面性が悪くなる。また、比較例3のようにフッ化物イオン濃度が0.03mol/Lと低い酸性水溶液中で処理した場合には、第2相粒子の脱落が多く見られた。さらに比較例5のように、フッ化物イオンを含む酸性水溶液中での浸漬時間が3secと短い場合にも、第2相粒子の脱落が多く見られた。
本発明のアクチュエータアームは、シリコンを含有するアルミニウム系合金を用いても、成形加工によって生じるバリ、微細なキズや凹凸等がなく、かつ第2相粒子の脱落の問題がない極めて表面の清浄度が高められたものであるから、ハードディスクドライブの軽量化、高速化に対しても十分対応できる優れたものである。
本発明のアクチュエータアームの一例を示す概略図面である。
符号の説明
1 アクチュエータアーム
2 回転自在な支持部
3 スイングアーム
4 磁気コイル
5 磁気コイル4の保持部
6 アクチュエータアームの表面

Claims (3)

  1. シリコンを含有するアルミニウム系合金からなるハードディスクドライブ用のアクチュエータアームであって、その表面が化学研磨処理およびフッ化物イオンを含む酸性水溶液中に浸漬処理されることによって、シリコンの酸化物を含む第2相粒子が表面に存在しないように処理されていることを特徴とするアクチュエータアーム。
  2. シリコンを含有するアルミニウム系合金からなるハードディスクドライブ用のアクチュエータアームの表面を、80〜110℃に調整したリン酸および硝酸を含む混合水溶液で化学研磨処理した後、フッ化物イオンを含む酸性水溶液中に5〜300sec浸漬処理することを特徴とするアクチュエータアームの表面処理方法。
  3. 前記混合水溶液は、リン酸を5mol/L以上および硝酸を0.1〜0.8mol/L含む混合水溶液であり、また前記酸性水溶液中のフッ化物イオンの濃度が、0.05〜0.50mol/Lであることを特徴とする請求項2に記載のアクチュエータアームの表面処理方法。
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