JP2006342315A - 有機粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 温度依存性が少なく、大量生産に適する有機粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】 良溶媒に溶解した有機材料溶液と、該溶媒と相溶する前記有機材料の貧溶媒とを混合し、該有機材料を粒子として形成する有機粒子の製造方法であって、前記混合は、添加される有機材料溶液に剪断力がかかる条件下で行う有機粒子の製造方法。また、前記剪断力がかかる条件下での混合を、ディゾルバー撹拌機で行う有機粒子の製造方法。また、前記剪断力がかかる条件下での混合を、回転し得るタービン部と、固定化されたステータ部を備えた撹拌器で行う有機粒子の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は再沈法による有機粒子の製造方法に関する。さらには、再沈法により有機粒子を安定に大量生産する方法に関する。
近年、粒子を小サイズ化する取り組みが進められている。特に、粉砕法などでは製造することが困難なナノメートルサイズ(例えば、10〜100nmの範囲)にまで小サイズ化する研究が進められている。さらには、ナノメートルサイズに小サイズ化した上で、しかも単分散な粒子とすることが試みられている。
このようなナノメートルサイズの微粒子の大きさは、より大きなバルク粒子や、より小さな分子や原子と異なり、その中間に位置する。したがって、従来予想できなかった新たな特性を引き出しうることが指摘されている。しかも、これを単分散にできれば、その特性を安定化することも可能である。このようなナノ粒子のもつ可能性はさまざまな分野で期待され、生化学、新規材料、電子素子、発光表示素子、印刷、医療などの広い分野で研究が盛んになりつつある。
特に、有機化合物からなる有機ナノ粒子は、有機化合物自体が多様性を有するため、機能性材料としてのそのポテンシャルは高い。例えば、ポリイミドは、耐熱性、耐溶剤性、機械的特性など、化学的および機械的に安定な材料であること、電気絶縁性が優れているなどのことから多く分野で利用されている。ポリイミドを微粒子化した材料には、ポリイミドの特性と形状との組み合わせにより、新しい利用が広がっている。例えば、微粒子化したポリイミドの利用の提案技術として、画像形成用の粉末トナーの添加剤とすること(特許文献1)などが提案されている。
また、有機ナノ粒子のなかでも有機顔料についてみると、例えば、塗料、印刷インク、電子写真用トナー、インクジェットインク、カラーフィルター等を用途として挙げることができ、今や、生活上欠くことができない重要な化合物となっている。とりわけ高性能が要求され、実用上特に重要なものとしては、インクジェットインク用顔料およびカラーフィルター用顔料が挙げられる。
インクジェット用インクの色材については、従来、染料が用いられてきたが、耐水性や耐光性の面で問題があり、それを改良するために顔料が用いられるようになってきた。顔料インクにより得られた画像は、染料系のインクによる画像に較べて耐光性、耐水性に優れるという利点を有する。しかしながら、紙表面の空隙に染み込むことが可能なナノメートルサイズで均一に微細化、単分散化することは難しく、紙への密着性に劣るという問題がある。
また、デジタルカメラの高画素化に伴い、CCDセンサーなどの光学素子や表示素子に用いるカラーフィルターの薄層化が望まれている。カラーフィルターには有機顔料が用いられているが、フィルターの厚さは有機顔料の粒子径に大きく依存するため、ナノメートルサイズレベルで、しかも単分散で安定な微粒子の製造が望まれている。
有機粒子の製造に関しては、気相法(不活性ガス雰囲気下で試料を昇華させ、粒子を基板上に回収する方法)、液相法(例えば、良溶媒に溶解した試料を攪拌条件や温度を制御した貧溶媒に注入することにより、微粒子を得る再沈法)、レーザーアブレーション法(溶液中に分散させた試料に、レーザーを照射しアブレーションさせることにより粒子を微細化する方法)などが研究されている。また、これらの方法により、所望のサイズで単分散化を試みた製造例が報告されている。
中でも再沈法は、簡易性および生産性に優れた有機粒子の製造法として注目されている(特許文献2、3など参照)
しかしながら再沈法に関しては、室温でも有機粒子を製造できるものの、粒子サイズの温度依存性が大きいという問題があった。特に有機顔料粒子の安定製造には、貧溶媒を充分冷却することが必要であり、工業的に大量生産するには冷却プラントが必要になるため、大幅なコストアップとなるという問題があった。このため、比較的温度コントロールが容易な、室温付近で安定に有機微粒子を製造する方法がもとめられていた。
一方、工業的な撹拌装置として、各種の乳化・分散用の混合装置が知られている。(例えば非特許文献1)。食品、医薬、化粧品、写真感材などの業界では、製品への機能付与のために、乳化・分散が不可欠な技術となっており、研究、開発が行われている。
液体―液体混合物である乳化物は、性能や安定性の観点から、均一に混合されることが重要である。均一に混合するためには乳化粒子の微粒子化が有効であり、乳化粒子に物理的な剪断力を与え、微細化する試みが行われている。
固体−液体混合物である分散物においても、均一混合されることが重要であることから、分散粒子の微粒子化が重要であり、分散粒子に物理的な剪断力を与え、微細化する試みが行われている。しかしながら、これらの撹拌技術は、再沈法とは異なり、単に乳化粒子または分散物におけるバルク粒子を微細化するものである。
特開平11−237760号公報 特開平6−79168号公報 特開2004−91560号公報 高橋幸司著「新素材のための液体混合技術」、アイピーシー、1994年
本発明は、再沈法による有機粒子の製造方法の提供を目的とする。さらに詳しくは、再沈法により有機粒子を工業的規模で安定に生産する方法の提供を目的とする。
本発明者らは、撹拌条件を特定の条件とすることで、有機粒子を従来方法に比較して、温度依存性が少なく、大量生産しうることを見出した。本発明はこの知見に基づきなされたものである。すなわち、本発明は下記の手段を提供するものである。
(1)良溶媒に溶解した有機材料溶液と、該溶媒と相溶する前記有機材料の貧溶媒とを混合し、該有機材料を粒子として形成する有機粒子の製造方法であって、前記混合は、添加される有機材料溶液に剪断力がかかる条件下で行うことを特徴とする、有機粒子の製造方法。
(2)前記剪断力がかかる条件下での混合を、ディゾルバー撹拌機で行うことを特徴とする、(1)項に記載の有機粒子の製造方法。
(3)前記剪断力がかかる条件下での混合を、回転し得るタービン部と、固定化されたステータ部を備えた撹拌器で行うことを特徴とする(1)項に記載の有機粒子の製造方法。
(4)前記有機材料の貧溶媒が、水系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒またはこれらの混合溶媒であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の有機粒子の製造方法。
(5)前記有機材料の良溶媒が、水系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、スルホキシド系溶媒、エステル系溶媒、アミド系溶媒またはこれらの混合溶媒であることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の有機粒子の製造方法。
(6)前記有機材料が、有機顔料であることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の有機粒子の製造方法。
(7)前記有機粒子の数平均粒径が1μm以下であることを特徴とする、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の有機粒子の製造方法。
本発明の有機粒子の製造方法によれば、粒子サイズの室温付近での温度依存性が小さい、工業的規模での生産に適した製造方法を提供することができる。また、カラーフィルター塗布液やインクジェット用インクに適した有機粒子を工業的な規模で生産することが可能である。
本発明の有機粒子の製造方法は、良溶媒に溶解した有機材料溶液と、該溶媒と相溶する前記有機材料の貧溶媒とを混合し、該有機材料を粒子として形成する有機粒子の製造方法であって、前記混合は、添加される有機材料溶液に剪断力がかかる条件下で行うものである。以下、本発明の製造方法ついて詳細に説明する。なお本発明の製造方法で形成される粒子は結晶質粒子でも非晶質粒子でもよく、またはこれらの混合物でもよい。
本発明の有機粒子の製造方法に用いられる有機材料は、再沈法により粒子形成しうるものであれば特に制限はない。有機材料としては、例えば、有機顔料、有機色素、フラーレン、ポリジアセチレン、ポリイミドなどの高分子化合物、芳香族炭化水素もしくは脂肪族炭化水素(例えば、配向性を有する芳香族炭化水素もしくは脂肪族炭化水素、または昇華性を有する芳香族炭化水素もしくは脂肪族炭化水素)などが挙げられるが、有機顔料、有機色素、または高分子化合物が好ましく、有機顔料がより好ましい。また、これらを組み合わせたものでもよい。
本発明の有機粒子の製造方法に用いられる有機顔料は、色相的に限定されるものではなく、例えば、ペリレン、ペリノン、キナクリドン、キナクリドンキノン、アントラキノン、アントアントロン、ベンズイミダゾロン、ジスアゾ縮合、ジスアゾ、アゾ、インダントロン、フタロシアニン、トリアリールカルボニウム、ジオキサジン、アミノアントラキノン、ジケトピロロピロール、チオインジゴ、イソインドリン、イソインドリノン、ピラントロンもしくはイソビオラントロン系顔料、またはそれらの混合物などが挙げられる。
さらに詳しくは、例えば、C.I.ピグメントレッド190(C.I.番号7114
0)、C.I.ピグメントレッド224(C.I.番号71127)、C.I.ピグメントバイオレット29(C.I.番号71129)等のペリレン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ43(C.I.番号71105)、もしくはC.I.ピグメントレッド194(C.I.番号71100)等のペリノン系顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(C.I.番号73900)、C.I.ピグメントバイオレット42、C.I.ピグメントレッド122(C.I.番号73915)、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド202(C.I.番号73907)、C.I.ピグメントレッド207(C.I.番号73900、73906)、もしくはC.I.ピグメントレッド209(C.I.番号73905)のキナクリドン系顔料、C.I.ピグメントレッド206(C.I.番号73900/73920)、C.I.ピグメントオレンジ48(C.I.番号73900/73920)、もしくはC.I.ピグメントオレンジ49(C.I.番号73900/73920)等のキナクリドンキノン系顔料、C.I.ピグメントイエロー147(C.I.番号60645)等のアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド168(C.I.番号59300)等のアントアントロン系顔料、C.I.ピグメントブラウン25(C.I.番号12510)、C.I.ピグメントバイオレット32(C.I.番号12517)、C.I.ピグメントイエロー180(C.I.番号21290)、C.I.ピグメントイエロー181(C.I.番号11777)、C.I.ピグメントオレンジ62(C.I.番号11775)、もしくはC.I.ピグメントレッド185(C.I.番号12516)等のベンズイミダゾロン系顔料、C.I.ピグメントイエロー93(C.I.番号20710)、C.I.ピグメントイエロー94(C.I.番号20038)、C.I.ピグメントイエロー95(C.I.番号20034)、C.I.ピグメントイエロー128(C.I.番号20037)、C.I.ピグメントイエロー166(C.I.番号20035)、C.I.ピグメントオレンジ34(C.I.番号21115)、C.I.ピグメントオレンジ13(C.I.番号21110)、C.I.ピグメントオレンジ31(C.I.番号20050)、C.I.ピグメントレッド144(C.I.番号20735)、C.I.ピグメントレッド166(C.I.番号20730)、C.I.ピグメントレッド220(C.I.番号20055)、C.I.ピグメントレッド221(C.I.番号20065)、C.I.ピグメントレッド242(C.I.番号20067)、C.I.ピグメントレッド248、C.I.ピグメントレッド262、もしくはC.I.ピグメントブラウン23(C.I.番号20060)等のジスアゾ縮合系顔料、C.I.ピグメントイエロー13(C.I.番号21100)、C.I.ピグメントイエロー83(C.I.番号21108)、もしくはC.I.ピグメントイエロー188(C.I.番号21094)等のジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド187(C.I.番号12486)、C.I.ピグメントレッド170(C.I.番号12475)、C.I.ピグメントイエロー74(C.I.番号11714)、C.I.ピグメントイエロー150(C.I.番号48545)、C.I.ピグメントレッド48(C.I.番号15865)、C.I.ピグメントレッド53(C.I.番号15585)、C.I.ピグメントオレンジ64(C.I.番号12760)、もしくはC.I.ピグメントレッド247(C.I.番号15915)等のアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー60(C.I.番号69800)等のインダントロン系顔料、C.I.ピグメントグリーン7(C.I.番号74260)、C.I.ピグメントグリーン36(C.I.番号74265)、ピグメントグリーン37(C.I.番号74255)、ピグメントブルー16(C.I.番号74100)、C.I.ピグメントブルー75(C.I.番号74160:2)、もしくは15(C.I.番号74160)等のフタロシアニン系顔料、C.I.ピグメントブルー56(C.I.番号42800)、もしくはC.I.ピグメントブルー61(C.I.番号42765:1)等のトリアリールカルボニウム系顔料、C.I.ピグメントバイオレット23(C.I.番号51319)、もしくはC.I.ピグメントバイオレット37(C.I.番号51345)等のジオキサジン系顔料、C.I.ピグメントレッド177(C.I.番号65300)等のアミノアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド254(C.I.番号56110)、C.I.ピグメントレッド255(C.I.番号561050)、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド272(C.I.番号561150)、C.I.ピグメントオレンジ71、もしくはC.I.ピグメントオレンジ73等のジケトピロロピロール系顔料、C.I.ピグメントレッド88(C.I.番号73312)等のチオインジゴ系顔料、C.I.ピグメントイエロー139(C.I.番号56298)、C.I.ピグメントオレンジ66(C.I.番号48210)等のイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントイエロー109(C.I.番号56284)、もしくはC.I.ピグメントオレンジ61(C.I.番号11295)等のイソインドリノン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ40(C.I.番号59700)、もしくはC.I.ピグメントレッド216(C.I.番号59710)等のピラントロン系顔料、またはC.I.ピグメントバイオレット31(60010)等のイソビオラントロン系顔料が挙げられる。
好ましい有機顔料はキナクリドン、ジケトピロロピロール、フタロシアニン、またはアゾの各系の顔料である。
本発明の有機粒子の製造方法において、2種類以上の有機顔料または有機顔料の固溶体を組み合わせて用いることもできる。
また、有機色素としては、例えば、アゾ色素、シアニン色素、メロシアニン色素、クマリン系色素などが挙げられる。さらに、高分子化合物としては、例えば、ポリジアセチレン、ポリイミドなどが挙げられる。
次に、有機粒子を析出、形成する方法について説明する。
有機ナノ粒子を析出させて形成する際に用いられる溶媒は、有機材料の貧溶媒であり、有機材料を溶解する良溶媒と相溶するもしくは均一に混ざるものであれば特に制限はない。有機材料の貧溶媒としては、有機材料の溶解度が0.02質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以下であることがより好ましい。この溶解度は酸またはアルカリの存在下で溶解された場合の溶解度であってもよい。また、良溶媒と貧溶媒との相溶性もしくは均一混合性は、良溶媒の貧溶媒への溶解度が30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
貧溶媒としては、例えば、水系溶媒(例えば、水、または塩酸、水酸化ナトリウム水溶液)、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、二硫化炭素、脂肪族系溶媒、ニトリル系溶媒、ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒、イオン性液体、これらの混合溶媒などが挙げられ、水系溶媒またはアルコール系溶媒が好ましい。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、1-メトキシ-2-プロパノールなどが挙げられる。ケトン系溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが挙げられる。エーテル系溶媒としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。芳香族系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。脂肪族系溶媒としては、例えば、ヘキサンなどが挙げられる。ニトリル系溶媒としては、例えば、アセトニトリルなどが挙げられる。ハロゲン系溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、トリクロロエチレンなどが挙げられる。エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、乳酸エチル、2−(1−メトキシ)プロピルアセテートなどが挙げられる。イオン性液体としては、例えば、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムとPF6 との塩などが挙げられる。
次に、有機材料を溶解する良溶媒について説明する。
良溶媒は用いる有機材料を溶解することが可能で、有機粒子作製時に用いる貧溶媒と相溶するもしくは均一に混ざるものであれば特に制限はない。有機材料の良溶媒への溶解性は有機材料の溶解度が0.2質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。この溶解度は酸またはアルカリの存在下で溶解された場合の溶解度であってもよい。貧溶媒と良溶媒との相溶性もしくは均一混合性の好ましい範囲は前述のとおりである。
良溶媒としては、例えば、水系溶媒(例えば、水、または塩酸、水酸化ナトリウム水溶液)、アルコール系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、二硫化炭素、脂肪族系溶媒、ニトリル系溶媒、スルホキシド系溶媒、ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒、イオン性液体、これらの混合溶媒などが挙げられ、水系溶媒、アルコール系溶媒、エステル系溶媒、スルホキシド系溶媒またはアミド系溶媒が好ましく、水系溶媒または、スルホキシド系溶媒、アミド系溶媒がより好ましく、スルホキシド系溶媒またはアミド系溶媒が特に好ましい。
スルホキシド系溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ヘキサメチレンスルホキシド、スルホランが挙げられる。アミド系溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリジノンおよび1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリジノン、ε−カプロラクタム、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロパンアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどが挙げられる。
また、良溶媒に有機材料を溶解した有機材料溶液の濃度としては、溶解時の条件における有機材料の良溶媒に対する飽和濃度乃至これの1/100程度の範囲が望ましい。
有機材料溶液の調製条件は、常圧における沸点の温度亜臨界、超臨界条件を採用することができる。還流条件下でも良いに特に制約はなく、常圧から亜臨界、超臨界条件の範囲を選択できる。常圧での温度は−10〜150℃が好ましく、−5〜130℃がより好ましく、0〜100℃が特に好ましい。
上記の良溶媒と貧溶媒の組み合わせは、用いる有機材料に応じて、適宜、選択して用いることができる。
本発明において、良溶媒に溶解した有機材料溶液と、該溶媒と相溶する前記有機材料の貧溶媒との混合は攪拌槽で行うことが好ましい。有機粒子調製時の撹拌槽の温度は0〜100℃が好ましく、5℃〜80℃が特に好ましい。
有機材料溶液の貧溶媒への添加方法は、添加された有機材料溶液に剪断力がかかる条件下で行えば、特に制約はなく、ポンプ等を用いることもできるし、用いなくてもよい。また、液中添加でも液外添加でもよいが、液中添加がより好ましい。
撹拌槽の撹拌速度は100〜10000rpmが好ましく200〜8000rpmがより好ましく、300〜6000rpmが特に好ましい。
添加する有機材料溶液と貧溶媒の比(有機材料溶液/貧溶媒)は、体積比で1/50〜2/3が好ましく、1/40〜1/2がより好ましく、1/20〜3/8が特に好ましい。
有機粒子調製後の有機粒子液の濃度は特に制約されないが、分散溶媒1000mlに対して粒子が10〜140000mgの範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜730000mgの範囲であり、特に好ましくは50〜25000mgの範囲である。
本発明の有機粒子の製造方法には、分散剤を使用してもよい。例えば、アニオン性分散剤、カチオン性分散剤、両イオン性分散剤、ノニオン性分散剤を添加することも可能である。添加方法は、顔料溶液に添加しても、貧溶媒に添加しても、また両方に添加してもよい。有機粒子を製造した後に添加してもよい。
粒子の粒径に関しては、計測法により数値化して集団の平均の大きさを表現する方法があるが、よく使用されるものとして、分布の最大値を示すモード径、積分分布曲線の中央値に相当するメジアン径、各種の平均径(数平均、長さ平均、面積平均、重量平均、体積平均等)などがあり、本発明においては、特に断りのない限り、粒径とは数平均径をいう。本発明の有機粒子の製造方法によって製造される有機粒子分散液に含まれる有機粒子(一次粒子)の粒径は、500μm以下であるが、100μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましい。さらにナノメートルサイズのナノ粒子を製造する場合は、該粒径は1nm〜1μmであることが好ましく、1〜200nmであることがより好ましく、2〜100nmであることがさらに好ましく、5〜80nmであることが特に好ましい。
また、粒子サイズの均一性(粒子が単分散でサイズが揃っている)ことを表す指標として、本発明においては、特に断りのない限り、体積平均粒径(Mv)と数平均粒径(Mn)の比(Mv/Mn)を用いる。本発明の有機粒子の製造方法によって製造される有機粒子分散液に含まれる有機粒子(一次粒子)の単分散性(本発明において、単分散性とは粒径が揃っている度合いをいう。)、つまりMv/Mnは、1.0〜2.0であることが好ましく、1.0〜1.8であることがより好ましく、1.0〜1.5であることが特に好ましい。
有機粒子の粒径の測定方法としては、例えば、顕微鏡法、重量法、光散乱法、光遮断法、電気抵抗法、音響法、動的光散乱法が挙げられ、顕微鏡法、動的光散乱法が特に好ましい。顕微鏡法に用いられる顕微鏡としては、例えば、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡などが挙げられる。動的光散乱法による粒子測定装置として、例えば、日機装社製ナノトラックUPA−EX150、大塚電子社製ダイナミック光散乱光度計DLS−7000シリーズなどが挙げられる。
本発明でいう剪断力とは撹拌羽根が、有機材料溶液が貧溶媒に混入後に生成する液滴(ドロップレット)に及ぼすズリ力のことであり、剪断力がかかるとは、液滴内の任意の平行面に関して、それぞれの面に反対方向に力が作用している状態である。剪断力がかかることによって、液滴が変形する形式としては、例えば、球体の液体が扁長回転楕円体となり、さらに長い円筒状の糸または平らな板となり、破壊されて小さな粒子となる形式、球体の液体が扁長回転楕円体となり、その中心にくびれができ、くびれ部分が分裂して小さな粒子となる形式などが挙げられる。
本発明では、有機材料溶液に剪断力がかかるために、撹拌部を用いることが好ましく、その形状は、目的とする剪断力を施し得る形状であれば特に限定されないが、一般にパドル羽根、タービン羽根、スクリュー羽根、ファウドラー羽根、ディゾルバー羽根、回転し得るタービン部と固定化されたステータ部を備えた撹拌器等が挙げられ、好ましくはディゾルバー羽根、回転し得るタービン部とその周囲にわずかな間隙を置いて位置する固定化されたステータ部から構成されている撹拌器が好ましい。
ディゾルバー羽根は、剪断力を施し得る機能を持った特殊な撹拌羽根である。ディゾルバー羽根の形状は、剪断力を施し得る形状であれば、特に限定されないが、ノッチのついた円盤部の円周部に、円盤部との間になす角が10°〜170°の間となるように、複数の羽根が円盤上部と下部に交互に形成されているかたちが好ましい。羽根の形状は特に限定されないが、長方形、台形、三角形が挙げられ、空隙が空いていてもよい。
図1は、本発明に用いることができるディゾルバー羽根の1例を概略的に示す正面図であり、円盤部1上に台形状の羽根2が間隔を開けて、円盤上部および下部に交互に配置され、円盤部1の中央にシャフト3が設けられている。羽根の半径は、特に制限されないが、例えば、円筒状容器中で撹拌を行う場合は、容器の半径の1/5〜4/5が好ましく、1/4〜1/2.8がより好ましい。図2では、上述したような本発明の有機粒子の製造方法に用いることができるディゾルバー羽根の1例を図面代用写真により示している。
本発明においては、剪断条件下での混合を、ディゾルバー撹拌機、又は、回転し得るタービン部とその周囲にわずかな間隙を置いて位置する固定化されたステータ部から構成されている撹拌器を備えた撹拌機、乳化機、もしくは分散機で行うことも好ましい。
図3は、回転し得るタービン部とその周囲にわずかな間隙を置いて位置する固定化されたステータ部から構成されている撹拌部を概略的に示す断面図であり、回転し得るタービン部4と固定化されたステータ部5からなる。タービン部4とステータ部5の間隙の大きさは特に限定されないが、0.1mm〜10mmが好ましく、0.3mm〜5mmが特に好ましい。回転し得るタービン部とその周囲にわずかな間隙を置いて位置する固定化されたステータ部から構成されている撹拌器を備えた撹拌、乳化、分散機としては、例えば、マイクロテック・ニチオン社製ヒスコトロン、特殊機化工業社製T.Kホモミクサー、IKA社製ULTRA-TURRAXを用いることができる。
本発明の有機粒子の製造方法においては、これらの撹拌手段を用いることにより、乳化物(液体−液体混合物)における乳化粒子の微細化、または分散物(固体-液体混合物)におけるバルク粒子の微細化とは異なり、再沈法(液体−液体混合物から固体−液体混合物への変化を伴う)において優れた有機粒子の製造を可能とするものである。
本発明の効果が発現し得る撹拌速度は、貧溶媒の粘度、温度、界面活性剤の種類や添加量によって異なった値をとるが、100〜10000rpmが好ましく150〜8000rpmがより好ましく、200〜6000rpmが特に好ましい。この範囲未満の回転数であれば本発明の効果は充分発揮されず、逆にこの範囲を超えると、貧溶媒中に気泡を巻き込み、好ましくない。
本発明によって製造された有機粒子液を、濃縮することによって、カラーフィルター塗布液やインクジェット用インクに適した分散有機粒子液を工業的な規模で生産することが可能である。
以下に、有機粒子液を濃縮する方法について説明する。濃縮方法に関しては、有機粒子液を濃縮できれば特に制約されないが、例えば、有機粒子液に、抽出溶媒を添加混合し、有機粒子を該抽出溶媒相に濃縮抽出して、その濃縮抽出液をフィルターなどによりろ過して濃縮粒子液とする方法、遠心分離によって有機粒子を沈降させて濃縮する方法、加熱ないし減圧による溶媒を乾燥させて濃縮する方法またはこれらの組合せなどが好ましく用いられる。濃縮後の有機粒子濃度は、1〜100質量%が好ましく、5〜100重量%がより好ましく、10〜100重量%が特に好ましい。
以下に、濃縮抽出する方法について説明する。この濃縮抽出に用いられる抽出溶媒は特に制約されないが、有機粒子分散液の分散溶媒(例えば、水系溶媒)と実質的に混じり合わず(本発明において、実質的に混じり合わずとは、相溶性が低いことをいい、溶解量50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい)、混合後、静置すると界面を形成する溶媒であることが好ましい。また、この抽出溶媒は、有機粒子が抽出溶媒中で再分散しうる弱い凝集(ミリングまたは高速攪拌などの高いせん断力を加えなくても再分散が可能である)を生ずる溶媒であることが好ましい。このような状態であれば、粒子サイズを変化させる強固な凝集を起こさず、目的の有機粒子を抽出溶媒で湿潤させる一方、フィルターろ過などにより容易に水などの分散溶媒を除去することができる点で好ましい。抽出溶媒としてはエステル系溶媒、アルコール系溶媒、芳香族系溶媒、脂肪族系溶媒が好ましく、エステル系溶媒、芳香族系溶媒または脂肪族系溶媒がより好ましく、エステル系溶媒が特に好ましい。エステル系溶媒としては、例えば、2−(1−メトキシ)プロピルアセテート、酢酸エチル、乳酸エチルなどが挙げられる。アルコール系溶媒としては、例えば、n−ブタノール、イソブタノールなどが挙げられる。芳香族系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。脂肪族系溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどが挙げられる。また、抽出溶媒は上記の好ましい溶媒からなる純溶媒であっても、複数の溶媒からなる混合溶媒であってもよい。
抽出溶媒の量は有機粒子を抽出できれば特に制約されないが、濃縮して抽出することを考慮して有機粒子液より少量であることが好ましい。これを体積比で示すと、有機粒子液を100としたとき、添加される抽出溶媒は1〜100の範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜90の範囲であり、20〜80の範囲が特に好ましい。多すぎると濃縮化に多大な時間を要し、少なすぎると抽出が不十分で分散溶媒中に粒子が残存する。
抽出溶媒を添加した後、有機粒子液と十分に接触するように攪拌混合することが好ましい。攪拌混合は常用の方法を用いることができる。抽出溶媒を添加し混合するときの温度に特に制約はないが、1〜100℃であることが好ましく、5〜60℃であることがより好ましい。抽出溶媒の添加、混合はそれぞれの工程を好ましく実施できるものであればどのような装置を用いてもよいが、例えば、分液ロート型の装置を用いて実施できる。
有機粒子液の分散溶媒と濃縮抽出液を分離するため、フィルターろ過することが好ましい。フィルターろ過の装置は、例えば、加圧ろ過のような装置を用いることができる。好ましいフィルターとしては、ナノフィルター、ウルトラフィルターなどが挙げられる。フィルターろ過により、残された分散溶媒の除去を行い、濃縮抽出液中の有機粒子をさらに濃縮して濃縮粒子液とすることが好ましい。
この濃縮方法(濃縮抽出およびフィルターろ過)によれば、有機粒子液から効率よく有機粒子を濃縮することができる。濃縮倍率に関しては、例えば、有機粒子液における濃度を好ましくは100〜1000倍程度、より好ましくは500〜1000倍程度まで濃縮することもできる。さらに、有機粒子の抽出後に残された分散溶媒に有機粒子がほとんど残留せず、高い抽出率とすることができる。
以下に遠心分離について説明する。遠心分離による有機粒子の濃縮に用いられる遠心分離機は有機粒子液(または濃縮有機粒子液)中の有機粒子を沈降させることができればどのような装置を用いてもよい。遠心分離機としては、例えば、汎用の装置の他にもスキミング機能(回転中に上澄み層を吸引し、系外に排出する機能)付きのものや、連続的に固形物を排出する連続遠心分離機などが挙げられる。
遠心分離条件は、遠心力(重力加速度の何倍の遠心加速度がかかるかを表す値)で50〜10000が好ましく、100〜8000がより好ましく、150〜6000が特に好ましい。遠心分離時の温度は、分散液の溶剤種によるが、−10〜80℃が好ましく、−5〜70℃がより好ましく、0〜60℃が特に好ましい。
以下に乾燥について説明する。減圧乾燥による有機粒子の濃縮に用いられる装置は有機粒子液(または濃縮有機粒子液)の溶媒を蒸発させることができれば特に制限はない。例えば、汎用の真空乾燥器およびロータリーポンプや、液を撹拌しながら加熱減圧乾燥できる装置、液を加熱減圧した管中に通すことによって連続的に乾燥ができる装置等が挙げられる。
加熱減圧乾燥温度は30〜230℃が好ましく、35〜200℃がより好ましく、40〜180℃が特に好ましい。減圧時の圧力は、100〜100000Paが好ましく、300〜90000Paがより好ましく、500〜80000Paが特に好ましい。
以下に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
顔料(ピグメントレッド254)を、1−メチル−2−ピロリドンと1mol/L-水酸化ナトリウム水溶液を6:1で混合した溶液に、15mmol/L溶解した顔料溶液を調製した。これとは別に、貧溶媒として水を準備した。
撹拌槽の温度を1℃、15℃、25℃、35℃にコントロールし、ビーカー中でディゾルバー撹拌羽根(羽根の半径3cm)で700rpmで攪拌した貧溶媒の水1000mlに、顔料溶液を、ろうとを用いて重量落下により100ml添加することにより有機顔料粒子分散液を調製し、試料顔料液(1)〜(4)とした。
(実施例2)
実施例1と同様にして調製した顔料溶液と、貧溶媒として水を準備した。
撹拌槽の温度を1℃、15℃、25℃、35℃にコントロールし、ビーカー中でマイクロテック・ニチオン社製ヒスコトロンで700rpmで攪拌した貧溶媒の水1000mlに、顔料溶液を、ろうとを用いて重量落下により100ml添加することにより有機顔料粒子分散液を調製し、試料顔料液(5)〜(8)とした。
(実施例3)
顔料(ピグメントレッド254)を、ジメチルスルホキシドと8mol/L-水酸化ナトリウム水溶液を6:1で混合した溶液に、150mmol/L溶解した顔料溶液を調製した。これとは別に、貧溶媒として水を準備した。
撹拌槽の温度を1℃、15℃、25℃、35℃にコントロールし、ビーカー中でディゾルバー撹拌羽根(羽根の半径3cm)で700rpmで攪拌した貧溶媒の水1000mlに、顔料溶液を、ろうとを用いて重量落下により100ml添加することにより有機顔料粒子分散液を調製し、試料顔料液(9)〜(12)とした。
(実施例4)
実施例3と同様にして調製した顔料溶液と、貧溶媒として水を準備した。
撹拌槽の温度を1℃、15℃、25℃、35℃にコントロールし、ビーカー中でマイクロテック・ニチオン社製ヒスコトロンで700rpmで攪拌した貧溶媒の水1000mlに、顔料溶液を、ろうとを用いて重量落下により100ml添加することにより有機顔料粒子分散液を調製し、試料顔料液(13)〜(16)とした。
(比較例1)
実施例1と同様にして調製した顔料溶液と、貧溶媒として水を準備した。
温度を1℃、15℃、25℃、35℃にコントロールし、ビーカー中で撹拌子によって1000rpmで攪拌した貧溶媒の水10mlに、顔料溶液を1mlを一気に注入することにより、有機顔料粒子分散液を調製し、試料顔料液(17)〜(20)とした。
(比較例2)
実施例1と同様にして調製した顔料溶液と、貧溶媒として水を準備した。
温度を1℃、15℃、25℃、35℃、50℃にコントロールし、ビーカー中で藤沢薬品工業社製GK−0222−10型ラモンドスターラーにより700rpmで攪拌した貧溶媒の水1000mlに、顔料溶液を、日本精密化学社製NP−KX−500型大容量無脈流ポンプを用いて流速50ml/minで100ml注入することにより、有機顔料粒子分散液を調製し、試料顔料液(21)〜(24)とした。
試料顔料液(1)〜(24)を粒径を日機装社製ナノトラックUPA-EX150を用いて測定し、粒径、単分散度を評価した。粒径は数平均粒径Mnで評価した。単分散度は体積平均粒径MvをMnで除した値(Mv/Mn)で評価した。結果を表1に示す。
試料顔料液(1)〜(24)を日立工機(株)製高速遠心冷却機HIMAC SCR20Bで、3500rpm(2000g)、1時間の条件で遠心分離し、上澄みを捨てて沈降した顔料ナノ粒子濃縮ペーストを回収した。得られたペーストに水を添加し、顔料含率を15%に調整した後、これをHONDA社製超音波洗浄器W−103Tにより再分散させ、を日機装社製ナノトラックUPA-EX150を用いて粒径を測定した。顔料含率はアジレント(Agilent)社製8453型分光光度計を用いて測定した。結果を表1に示す。
Figure 2006342315
なお、用いた試薬の詳細は下記のとおりである。
試薬 製造元
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ピグメントレッド254(イルガフォアレッド) チバ・スペシャルティ・
ケミカルズ社製
1−メチル−2−ピロリドン 和光純薬社製
ジメチルスルホキシド 和光純薬社製
1mol/l 水酸化ナトリウム水溶液 和光純薬社製
8mol/l 水酸化ナトリウム水溶液 和光純薬社製
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
以上の結果から、本発明の有機粒子の製造方法および装置によれば、より単分散な有機粒子が1℃〜35℃という広い温度範囲で安定に製造できることがわかった。従来の方法である、良溶媒に溶解した試料を攪拌条件や温度を制御した貧溶媒に注入する再沈法に関しては、室温でも有機ナノ粒子を製造できるものの、粒子サイズの温度依存性が大きいという問題があった。特に有機顔料粒子の安定製造には、貧溶媒を充分冷却することが必要であり、工業的に大量生産するには冷却プラントが必要になるため、大幅なコストアップとなるという問題があった。本発明の有機粒子の製造方法及び装置によれば、1℃〜35℃という広い温度範囲で安定に製造でき、冷却プラントが不要であるため、有機粒子の大量生産に非常に適していることがわかった。また、粒径と単分散度を変化させること無く濃縮することが可能であり、カラーフィルター塗布液やインクジェット用インクに適した有機粒子分散液を工業的な規模で生産することが可能であることがわかった。
本発明に用いられるディゾルバー撹拌羽根の1例を概略的に示す正面図である。 本発明に用いられるディゾルバー撹拌羽根の1例を示す図面代用写真である。 本発明に用いられる回転し得るタービン部とその周囲にわずかな間隙を置いて位置する固定化されたステータ部から構成されている撹拌部の1例を概略的に示す断面図である。
符号の説明
1 円盤部
2 羽根
3 シャフト
4 回転し得るタービン部
5 固定化されたステータ部

Claims (7)

  1. 良溶媒に溶解した有機材料溶液と、該溶媒と相溶する前記有機材料の貧溶媒とを混合し、該有機材料を粒子として形成する有機粒子の製造方法であって、前記混合は、添加される有機材料溶液に剪断力がかかる条件下で行うことを特徴とする、有機粒子の製造方法。
  2. 前記剪断力がかかる条件下での混合を、ディゾルバー撹拌機で行うことを特徴とする、請求項1に記載の有機粒子の製造方法。
  3. 前記剪断力がかかる条件下での混合を、回転し得るタービン部と、固定化されたステータ部を備えた撹拌器で行うことを特徴とする請求項1に記載の有機粒子の製造方法。
  4. 前記有機材料の貧溶媒が、水系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒またはこれらの混合溶媒であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の有機粒子の製造方法。
  5. 前記有機材料の良溶媒が、水系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、スルホキシド系溶媒、エステル系溶媒、アミド系溶媒またはこれらの混合溶媒であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機粒子の製造方法。
  6. 前記有機材料が、有機顔料であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機粒子の製造方法。
  7. 前記有機材料粒子の数平均粒径が1μm以下であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機粒子の製造方法。
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