JP2006342180A - アンドステロン誘導体を含む慢性喘息の治療剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 気道平滑筋の増殖を阻害し、気道平滑筋の弛緩、気管支拡張作用を有し、さらに気道上皮からの炎症性サイトカインの分泌を阻害する、動物の慢性喘息の治療剤を提供する。
【解決手段】 16α−ブロモアンドロスト−5−エン−17−オン、16α−ブロモ−5−アンドロスタン−17−オン、16α−フルオロアンドロスト−5−エン−17−オン、16α−フルオロ−5−アンドロスタン−17−オン、16β−ブロモアンドロスト−5−エン−17−オン、16β−ブロモ−5−アンドロスタン−17−オン、16β−フルオロアンドロステ−5−エン−17−オン、16β−フルオロ−5−アンドスタン−17−オン等の化合物を有効成分として含有する。
【選択図】 なし
【解決手段】 16α−ブロモアンドロスト−5−エン−17−オン、16α−ブロモ−5−アンドロスタン−17−オン、16α−フルオロアンドロスト−5−エン−17−オン、16α−フルオロ−5−アンドロスタン−17−オン、16β−ブロモアンドロスト−5−エン−17−オン、16β−ブロモ−5−アンドロスタン−17−オン、16β−フルオロアンドロステ−5−エン−17−オン、16β−フルオロ−5−アンドスタン−17−オン等の化合物を有効成分として含有する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、気道平滑筋の増殖を阻害するためのアンドステロン誘導体類の使用に関する。特に、本発明は、気道平滑筋の弛緩と気管支拡張のため、さらにヒト気道上皮からの炎症性サイトカインの分泌を阻害するためのデヒドロエピアンドロステロン(DHEA: dehydroepiandrosterone)と16−フッ素化と臭素化類似物質の使用に関する。
これまで、喘息は、一過性の可逆性気道閉塞と規定されていた。Am. Rev. Respir. Dis.、85、762-768 (1962)に記載のAmerican Thoracic SocietyのNationalTuberculosis Associationの医学部門による「慢性気管支炎、喘息及び肺気腫:非結核性疾患診断基準委員会の声明」を参照のこと。現在では、慢性の重症喘息患者は、不可逆性の気道閉塞を示すと考えられている。例えば、次の文献を参照のこと。Thorax, 39, 131-136,1984に記載のBrown、J.P.、Breville、W.H.、Finucane、K.E.による「喘息及び不可逆性気道閉塞」とAm. Rev. Respir. Dis., 142, 832-836 (1990)に記載のJuniper、E.F.、Kline、P.A.、Vanieleghem、M.A.、Ramsdale、E.H.、O'Byrne、P.M.とHargreave、F.E.による「吸入コルチコステロイド(budesonide)による長期間の治療が非ステロイド依存性喘息患者における気道過敏反応及び臨床的喘息に与える影響」。
この合併症は、他の部分のリモデリングと同様に、気道の構造的なリモデリングから起こり、細胞の過形成と肥大(Am. Rev. Respir. Dis., 148, 720-726 (1993)に記載のEbina, M., Takahasi, T., Chiba, T.とMotomiya, M.による“気管支喘息の原因である気管平滑筋の細胞過形成及び肥大”)からの平滑筋塊の増加となって顕われる(Eur. Respir. J., 7, 337-341(1994)に記載のBramley, A.M., Thomson, R.J., Roberts, C.R.とSchellenberg, R.R.による“喘息における過度の気管支収縮は気道のエラスタンスの減少による”とJ. Appl. Physiol., 74, 2771-2781 (1993)に記載のLambert, R.K., Wiggs, B.R., Kuwano, K., Hogg, J.C.とPare, P.D.による“喘息及び慢性閉塞性肺疾患COPDにおける増加気道平滑筋の機能的意義”)。
気道の平滑筋の肥厚は、ひいては、喘息の特徴である非特異的気管支過敏反応の原因となると考えられる(Am. Rev. Respir .Dis., 138, 136-139(1989)に記載のJames, A.L., Hogg, J.C., Dunn, L.A,及びPare, P.D.による“気道のサイズを比較し、平滑筋の収縮を計算するための内部視野計の使用”、Am. Rev. Respir. Dis., 139, 242-246 (1989)に記載のJames, A.L., Pare, P.D.とHogg, J.C.による“喘息における気道狭窄の力学”とAm. Rev. Respir. Dis., 143, 1189-1193 (1991)に記載のPare, P.D., Wiggs, B.R., Hogg, J.C.とBosken, C.による“喘息及び慢性閉塞性肺疾患における気道の比較力学及び形態学”)。喘息患者における気道のリモデリングは、現在の気管支拡張及び抗炎症治療ではしばしば臨床的に治りにくい(例えば、前述のBrown他の文献(1984)とJuniper他の文献(1990)を参照のこと)。このプロセスが起きるのを妨げるような新しい治療方法が必要とされている。
以前に行われた血管組織における研究によると、移植された心臓でのアテローム性冠状動脈硬化症の亢進は、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)による治療により減少する。Circ., 87, 261-269 (1993)に記載のEich, D.M., Nestler, J.E., Johnson, D.E., Dworkin, G.H., Ko, D., Wechsler, A.S.とHess, M.L.による“心臓移植した異所性ウサギモデルにおいてデヒドロエピアンドロステロンを用いたアテローム性冠状動脈硬化症の亢進の阻害”を参照のこと。
デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)とその表面複合物(DHEAs)は主として副腎皮質から分泌されるステロイド生成物であるが、DHEAの生理学的役割についてはまだ知られていない。Lancet, 343, 1479-1481 (1994)記載のEbeling, P.とKovisto, V.A.による“デヒドロエピアンドロステロンの生理学的重要性”を参照のこと。DEHAとその合成類似物質は、動物の腫瘍モデルと悪性の細胞系では抗増殖的である。例えば、Cancer Res., 48, 4817-4822(1988)に記載のSchwartz, A.G., Lewbart, M.L.とPashko, L.L.による“マウス及びラットにおいて生物活性が増加し副作用が減少した新規デヒドロエピアンドロステロン類似物質類”とAnn. N.Y. Acad. Sci., 774, 180-186 (1995)に記載のSchwartz, A.G.とPashko, L.L.による“DHEAの癌阻害作用のメカニズム:グルコース-6-りん酸脱水素酵素の役割”を参照のこと。
この作用は、グルコース-6-りん酸脱水素酵素の阻害とそれに続くリボヌクレオシドの遮断とデオキシリボヌクレオチドの形成(Life Sci., 38,1451-1457 (1986)に記載のDworkin, C.R., Gorman, S.D., Pashko, L.L., Cristofalo, W.J.とSchwartz, A.G.による“デヒドロエピアンドロステロンによるHeLaとWI-38細胞の成長の阻害とリボ及びデオキシリボヌクレオシドによるその逆の作用”、Carcinogenesis, 9, 931-938 (1988)に記載のGarcea, R., Diano, L., Frassetto, S., Cozzolino, P., Ruggiu, M.E., Vannini, M.G., Pascale, R., Lenzerini, L., Simile, M.M., Puddu, M.とFeo, F.による“実験的発癌性のイニシエーション選択法に付したラットの肝臓における酵素変換病巣のデヒドロエピアンドロステロン誘発による阻害のリボ及びデオキシリボヌクレオシドによる逆転”、Carcinogenesis, 12, 2189-2192 (1991)に記載のPashko, L.L., Lewbart, M.L.とSchwartz, A.G.による“12-O-テトラデカノイルフォルボル-13-酢酸塩により促進されたマウスの皮膚癌形成の16α-フルオロ-5-アンデロステン-17-オンによる阻害及びデオキシリボヌクレオシドによるその逆転”、前述のSchwartz他の文献(1988)と前述のSchwartzとPashkoの文献(1995))、或いは、タンパク質のイソプレニル化の減少、血漿膜へのRasの局部化の阻害及びRaf-キナーゼ-仲介シグナル導入カスケードの妨害を伴うメバロン酸生合成における妨害により説明されている。
Cancer Res., 51, 653-656 (1991)に記載のSchulz, S.とNyce, J.W.による“試験管内のヒト結腸腺癌細胞におけるタンパク質のイソプレニル化及びP21ras膜結合のデヒドロエピアンドロステロンによる阻害”と、Cancer Res., 52, 1372-1376 (1992)に記載のSchulz, S., Klann, R.C., Schonfeld, S.とNyce, J.W.による“ヒト結腸腺癌細胞におけるデヒドロエピアンドロステロンの細胞成長阻害及び細胞サイクル停止のメカニズム:イソプレノイド生合成の役割”を参照のこと。
国際公開第96/25935号パンフレット
本発明の目的は、気道平滑筋の過形成が重症の慢性喘息において、気道閉塞を固定し、気道の過敏反応性を増大する可能性があるので、該気道平滑筋の成長を抑える方法を提供することにある。さらに本発明の目的は、気道平滑筋を弛緩させ、気管支拡張する方法を提供することにある。さらに本発明の目的は、気道の上皮からの炎症性サイトカインの分泌を減らす方法を提供することにある。
本発明は、ヒトにおける喘息患者の気道のリモデリングを治療する方法を提供する。副腎ステロイドのデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)とその類似物質の幾つかは、不朽化した悪性の細胞系の成長を抑えることが発見されている。更に、本発明の化合物であるデヒドロエピアンドロステロンとその強力な類似物質である16α-ブロモエピアンドロステロン(16α-BrEA)の効果により、ウシ胎仔血清(FBS)又は血小板由来成長因子(PDGF)で刺激したラットの気管平滑筋の初代培養において増殖が劇的に減少したことも発見されている。
本発明の方法で用いられる好ましいステロイドとしては、16α-ブロモ-5-アンドロステン-17-オン(16α-ブロモアンドロスト-5-エン-17-オン)、16β-ブロモ-5-アンドロステン-17-オン、16α-フルオロ-5-アンドロステン-17-オン、16β-フルオロ-5-アンドロステン-17-オン、16α-ブロモ-5-アンドロスタン-17-オン、16β-ブロモ-5-アンドロスタン-17-オン、16α-フルオロ-5-アンドロスタン-17-オンと16β-フルオロ-5-アンドロスタン-17-オンが挙げられる。
本発明は、例えば哺乳動物のようなホストに治療上有効な量の本発明のステロイドを投与することからなることを特徴とする、喘息治療方法を提供する。DHEAは、16α-BrEAや他の16-フッ素化又は臭素化類似物質よりも効力において劣っているので、DHEAの有効量がより多く投与することとなる。本発明によると成長阻害は、驚いたことに投与量により決まり、グルコース-6-りん酸脱水素酵素の活性の妨害又は不朽化又は悪性の細胞系のためのコレステロール代謝妨害によるものではないことがわかった。初期反応遺伝子c-fosの発現は、そのまま残るが、DHEAと16α-BrEAは、DNA合成と細胞サイクルの進行を伝達する遺伝子の発現にとって重要な後期反応遺伝子である転写因子活性化タンパク質−1(AP−1)のDNA結合を減少させた。
さらに、DHEAとその類似物質は、グルココルチコイド(glucocorticoid)で報告されているのと同様の方法で、第二次の成長反応遺伝子の活性化を損ない、ヒトにおける喘息患者の気道リモデリングの治療に有用であることがわかった。さらに、DEHAは、KCl又は内因性の迷走神経性弛緩気管支収縮伝達物質であるアセチルコリンによって収縮する気道平滑筋を弛緩することが可能であり、ヒト急性喘息の治療において、直接の気管支拡張薬として又はベータアゴニスト気管支拡張薬を活性化するための佐薬による治療として有用であることが判明した。さらに、DHEAの類似物質は、ヒト気道上皮からの炎症性サイトカインの分泌を阻害し、喘息患者の気道の炎症を減らすのに有用であることも判明した。
次に、本発明の好ましい態様を示した添付の図面を参照して、本発明をさらに詳しく説明する。しかし、本発明がこれらの態様に限定されず、色々な変形や修正により実現されることができる一方、本発明において挙げる態様は、満足のいく完璧なものであるため、同業者に対して本発明の範囲を十分に伝えるものとして提供された。
本発明の方法で用いられる、具体的に好ましいステロイドとしては、16α-ブロモ-5-アンドロステン-17-オン(16α-ブロモアンドロスト-5-エン-17-オン)、16β-ブロモ-5-アンドロステン-17-オン、16α-フルオロ-5-アンドロステン-17-オン、16β-フルオロ-5-アンドロステン-17-オン、16α-ブロモ-5-アンドロスタン-17-オン、16β-ブロモ-5-アンドロスタン-17-オン、16α-フルオロ-5-アンドロスタン-17-オンと16β-フルオロ-5-アンドロスタン-17-オンが挙げられる。
本発明は、哺乳動物等のホストに治療上効果的な量の前記のステロイドを投与することからなる喘息治療の方法を提供する。DHEAは、16-ブロモと16-フルオロ類似物質よりも強力ではないので、DHEAの有効量はこれらより多く用いられる。例えばDHEAの好ましい投与量は、2から10mg/kg/日である。上述の16-ブロモとフルオロ置換類似物質の好ましい投与量は、約0.2から2mg/kg/日であろう。
治療薬は、経口投与可能であり、一方、ステロイドは、医薬担体に含有させてもよい。又、薬物をトリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン等のクロロフルオロカーボン噴射剤とレシチンの混合物に懸濁させた微結晶懸濁液(4ミクロン未満に小さくして)として処方し、各吸入薬が25から250μgの薬効成分を分配するようにした従来の計量投与吸入システムなどの、医薬担体に含有させた吸入薬として投与してもよい。
吸入には、例えばカリフォルニア州サンディエゴのDura Pharmaceuticalsが販売しているSpiros乾燥粉末吸入システム、カリフォルニア州Palo AltoのInspire社が販売しているInspire吸入システムなどの従来から使用されている乾燥粉末吸入システムによって分配される微結晶乾燥粉末として処方することも可能である。
また、薬物は、例えばFidlerの方法(Cancer Res., 40, 4460-4466 (1980)に記載のFidler, I.J., Raz, A., Fogler, W.E., Kirsh, R., Bugelski, P.とPoste, G.による“肺胞マクロファージへのマクロファージ増加剤の分配を改善するためのリポゾームのデザイン”)により多層の陰電荷リポゾームの一成分として処方することも可能である。この方法は、卵フォスファチジルコリン及び脳フォスファチジルセリン(アラバマ州バーミンガムのAvanti Polar Lipids社)のモル比7:3の混合物を用い、Padmanabhanが述べているように(Am. Rev. Respir. Dis. 132, 164-167 (1885)に記載のPadmanabhan, R.V., Gudapata, R., Liener,I.E., Schwartz, B.A.とHoidal, J.R.による“リポゾームカプセル化したスーパーオキシドジスムターゼ或いはカタラーゼを気管内投与することによるラットの肺酸素毒性に対する防御”)薬物含有リポゾームを処方することからなる。リポゾームを含有する薬物は、従来からあるMedicaid Ventstreatm, Pari-LC Jet, Omron UltraAir, Devilbiss Aerosonic or Circulatirなどの噴射エアロゾル噴霧器又は超音波噴霧器装置を用いた吸入により手軽に呼吸器官に投与することが可能である。吸入により直接肺に投与する場合、通常の経口投与量の10分の1しか必要でなく、それを喘息状態の治療には一日一回から三回まで投与する。
本発明で用いられるステロイドは、従来の有機合成法により生成される。例えば、本発明で用いられるステロイドは、公知のステロイドから生成可能であるし又たとえばデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)のようにアルキル化、ハロゲン化、ヒドロキシル化、置換反応などの公知の方法により容易に得られる。本発明で用いられる数多くのステロイドの合成方法の詳細については、次の文献を参照のこと。Cancer Res. 48, 4817-1822 (1988)に記載のSchwartz, A.G., M.L. LewbartとL.L. Pashkoによる“マウス及びラットにおける、生物活性を高め副作用を減らした新規デヒドロエピアンドロステロン類似物質”。
副腎ステロイドやデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)と、その類似物質が不朽化した悪性の細胞系の成長を抑えることを示すために研究を行った。
(材料)
大人の雄のSpraque-DawleyラットをCharles River社(ノースキャロライナ州Raleigh)から購入した。プロテアーゼ阻害剤とグアニジンチオシアネート(guanidine thiocyanate)は、ベーリンガーマンハイム社(インジアナ州インジアナポリス)から購入した。ダルベッコの変性イーグル培地(DMEM : Dulbecco's modified Eagle's medium)、ハンクスのバランス塩溶液(HBSS : Hanks' balancedsalt solution)、N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N'-2-エタンスルフォン酸(HEPES : N-2-hydroxyethylpiperazine-N'-2-ethanesulfonic acid)、抗菌-抗真菌剤(ペニシリン10,000U、ストレプトマイシン10,000Uと25μgのアムフォテリシン(amphotericin) B/ml)とトリプシン-エチレンジアミン四酢酸(EDTA)溶液は、GIBCO(ニューヨーク州、Grand Island)から購入した。
大人の雄のSpraque-DawleyラットをCharles River社(ノースキャロライナ州Raleigh)から購入した。プロテアーゼ阻害剤とグアニジンチオシアネート(guanidine thiocyanate)は、ベーリンガーマンハイム社(インジアナ州インジアナポリス)から購入した。ダルベッコの変性イーグル培地(DMEM : Dulbecco's modified Eagle's medium)、ハンクスのバランス塩溶液(HBSS : Hanks' balancedsalt solution)、N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N'-2-エタンスルフォン酸(HEPES : N-2-hydroxyethylpiperazine-N'-2-ethanesulfonic acid)、抗菌-抗真菌剤(ペニシリン10,000U、ストレプトマイシン10,000Uと25μgのアムフォテリシン(amphotericin) B/ml)とトリプシン-エチレンジアミン四酢酸(EDTA)溶液は、GIBCO(ニューヨーク州、Grand Island)から購入した。
ウシ胎仔血清(FBS)は、Hyclone社(ユタ州、Logan)から購入した。ヒト組換え血小板由来成長因子-AA(PDGF-AA)は、ミネソタ州ミネアポリスのR&Dシステム社から得た。デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、16α-ブロモエピアンドロステロン(16α-BrEA)、ミフェプリストン(RU486)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)とα-平滑筋アクチンの抗体は、シグマ化学社(モンタナ州、セントルイス)から購入した。
P21rasの抗体(pan-ras、Ab-3、マウスモノクロナール)とc-fos(Ab-2、ウサギポリクロナール)タンパク質、ワサビペルオキシダーゼ標識山羊抗マウスIgGと標準A431細胞可溶物は、Calbiochem社(カリフォルニア州サンディエゴ)から購入した。ポリクロナールワサビペルオキシダーゼ標識抗ウサギIgGは、Transduction Laboratories社(ケンタッキー州レキシントン)、M-MLV逆転写酵素は、Life Technologies社(メリーランド州Gaithersburg)から購入した。その他の材料は、特記しない限りシグマ社から得た。
(気道平滑筋増殖の培養による測定)
過剰量のペントバルビタールでラットを致死させ、気道を除去して、ラットの気道平滑筋を培養した。後部気道膜を単離し、細かくし、0.2%のIV型コラゲナーゼと0.05%のIV型エラスターゼを含有するHBSS中で37℃で30分間二回消化した。各酵素消化物を回収し、500gで5分間室温で遠心した。上清を除去し、得られたペレットを10%のFBS、非必須アミノ酸、ペニシリン(100U/ml)、ストレプトマイシン(100μg/ml)とアンフォテリシン(250ng/ml)を加えたDMEMに再懸濁した。25cm2のフラスコ内の培地にフラスコ1本あたり2×105個の細胞を接種し、5%CO2/95%空気の湿潤雰囲気下、37℃で培養した。コンフルエント(confluent)状態に達した際、細胞を0.25%トリプシン-0.002%EDTA溶液を通過させて分離した。
過剰量のペントバルビタールでラットを致死させ、気道を除去して、ラットの気道平滑筋を培養した。後部気道膜を単離し、細かくし、0.2%のIV型コラゲナーゼと0.05%のIV型エラスターゼを含有するHBSS中で37℃で30分間二回消化した。各酵素消化物を回収し、500gで5分間室温で遠心した。上清を除去し、得られたペレットを10%のFBS、非必須アミノ酸、ペニシリン(100U/ml)、ストレプトマイシン(100μg/ml)とアンフォテリシン(250ng/ml)を加えたDMEMに再懸濁した。25cm2のフラスコ内の培地にフラスコ1本あたり2×105個の細胞を接種し、5%CO2/95%空気の湿潤雰囲気下、37℃で培養した。コンフルエント(confluent)状態に達した際、細胞を0.25%トリプシン-0.002%EDTA溶液を通過させて分離した。
α-平滑筋アクチンのポリクロナール抗体を用いて免疫染色を行い、アビジン-ビオチン免疫ペルオキシダーゼ法を用いて視覚化した。平滑筋培養液は、位相差顕微鏡で典型的な“山と谷”様相を呈し、α-平滑筋アクチンが強く染色されていた。予備研究によると、10%FBSの存在下での細胞培養は120時間まで直線的な成長相を示した。2〜9通過の培養液を次の実験に用いた。
ミトコンドリアのスクシニルデヒドロゲナーゼの作用によって起こる溶解性黄色テトラゾリウム染料、3-[4,5-ジメチルチアゾール]-2イル-2,5-ジフェニルテトラゾリウム臭化物(MTT)のその不溶性紫色ホルマザンへの代謝還元に基づく方法で、既に報告されている比色分析法を修正して用い、培養した気道平滑筋の増殖を定量した。Am. J. Respir. Cell Mol. Biol.,7, 574-581 (1882)に記載のHirst, S.J., Barnes, P.J.とTwort, C.H.C.による“血清及び血小板由来成長因子に反応して起きた、ヒトとウサギの培養した気道平滑筋の増殖の定量化”を参照のこと。この分析は、死んだ細胞と生きている細胞を実験的に区別する。増殖を調べるために、細胞を24穴の非被覆プラスチックプレートにウェル1個当たり15,000-50,000個接種し、DMEMとマイトジェンで培養した。24〜96時間後、培地を100μg/mlのMTTと0.5%FBSを含有するウェルの一穴当たり1mlの新鮮なDMEMと交換し、プレートを更に1時間培養した。MTT含有培地を除去し、1mlのCa2+又はMg2+を含有しない無菌ダルベッコ変性りん酸塩緩衝食塩水(DPBS)で細胞を2回洗浄し、0.5mlのジメチルスルフォキシド(DMSO)を各ウェルに添加して、可溶化した紫のホルマザン染料をシマズUV160U分光光度計を用いて540nmで測定した。4〜6ウェルの合計を各処理条件で調べた。
変換率が直線的で、存在する細胞の数に比例する最適濃度と培養時間を求めるために15分から3時間培養した50〜200μg/mlのMTTを用いて予備研究を行った。3-[4,5-ジメチルチアゾール]-2イル-2,5-ジフェニルテトラゾリウム臭化物(MTT)の還元が細胞数の信頼できる直線的測定であることを確認するために、分離したばかりの気道平滑筋細胞を10%FBSと100μg/mlのMTTを含有するDMEM中で一時間培養した。細胞を10分間1000gで遠心し、Ca2+又はMg2+を含有しない無菌ダルベッコ変性りん酸塩緩衝食塩水(DPBS)で2回洗浄し、0.5mlのジメチルスルフォキシド(DMSO)で抽出し、ホルマザンの濃度を上述のように測定した。
マイトジェン刺激として用いるFBSの最適濃度は、0.25、1.0、5.0又は10.0%のFBSを含有するDMEMで一ウェル当たり15,000個の細胞を培養して求め、MTT還元は、24、48、72又は96時間後に求めた。最後に、マイトジェンが刺激しており、阻害剤が実際の細胞数を減らしていることを確認するために、15000個の細胞を、種々の阻害剤や賦形剤を用いて又は用いずに10%FBSを含有するDMEMで培養した。24時間後、細胞を二回DPBSで洗浄し、固定し2回続けて5分間氷冷メタノールに曝して浸透させ、ライト−ギムザ染色(Giemsa-modified Wright's stain)を3分間行いDPBSで洗浄した。細胞数の測定は、0.01-cm2のオキュラーグリッドを用いて40倍で任意の10区域で行った。
気道平滑筋増殖測定のための細胞培養処理細胞の増殖に対するデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)と16α-ブロモエピアンドロステロン(16α-BrEA)の効果を0.5-10%のFBS又は1-50ng/mlのヒト組換え血小板由来成長因子(PDGF-AA)で刺激した培養液中で調べた。幾つかの実験においては、グルココルチコイドとプロジェステロンアンチホルモンRU486 (progesterone antihormone RU486)をそれぞれ加えるか或いは、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)又は16α-ブロモエピアンドロステロン(16α-BrEA)を等モル量加えて、グルココルチコイドタンパク質受容体にDHEA又は16α-BrEAが結合することにより阻害効果が伝達されたかどうかを調べようとした。例えば、Receptor, 5, 63-69(1995)に記載のLe, Y.Y.とXu, R.B.による“薬理学的投与量のグルココルチコイドの作用の分子メカニズム:低親和性グルココルチコイド受容体について”の方法を参照のこと。また、DHEA又は16α-BrEAの成長阻害効果をグルココルチコイドデキサメタゾン又はメチルプレドニゾロンの阻害効果と比較した研究もある。
DHEAと16α-ブロモエピアンドロステロン(16α-BrEA)がグルコース-6-りん酸脱水素酵素(G6PDH)を阻害することにより細胞の増殖を減少させるかどうか調べるために、80-cm2のコフルエントフラスコをDHEA、16α-BrEA又は50μlのDMSO賦形剤で培養した。1時間後、細胞は溶解し、G6PDH活性を下記のように分析した。他の実験においては、未処理コンフルエント培養液から生成し、5μlのDMSOの反応混合物溶液に加えたDHEA又は16α-BrEAを試験管中で処理した細胞溶解物のG6PDH活性を測定した。
DHEA又は16α-BrEAによる気道平滑筋の成長阻害にリボース糖のヘキソース一りん酸経路生成の遮断がかかわっているかどうか調べるために、細胞の成長を24時間0.5%FBS(24穴のプレートで、ウェル当たり15,000個の細胞)中で同時に行い、次にDHEA又は16α-BrEAと200μMのリボヌクレオシド(アデノシン、グアノシン、サイチジン、及びサイミジン)又はデオキシリボヌクレオシド(デオキシアデノシン、デオキシグアノシン、デオキシサイチジン、及びサイミジン)の存在下又は非存在下でDMEMと10%FBSで培養した。リボヌクレオシド又はデオキシリボヌクレオシドは、0.5mlの1NのHClに溶解し、DMEMに添加した。培地のpHは、1NのNaOHを滴定して7.1に調節し、次に培地を0.2μMのフィルターを通して滅菌した。成長は24、48と96時間後にMTTの還元により測定した。
16α-ブロモエピアンドロステロンがメバロン酸合成を妨害して細胞の増殖を抑えたかどうか調べるために、細胞をFBSで刺激し、16α-BrEAの存在又は非存在下で成長培地に6mMのDL-メバロン酸ラクトンを加えるか加えずに成長させた。36時間後、成長をMTTの還元で測定した。Rasのイソプレニル化と膜局在が損なわれているかどうかを評価するために、75cm2のぺトリ皿のコンフルエント細胞の成長を、24時間0.5%のFBSとDMEM中で16α-BrEA又はDMSO賦形剤を添加するか添加せずに阻止した。ペトリ皿の幾つかを30分間 DMEM中10%FBSで刺激した。細胞を溶解し、膜を分離し、DHEAと16α-BrEAによる処理がp21rasを使い尽くしたかどうか調べるために免疫ブロット法を下記のように行った。
細胞の成長にとって重要な初期反応遺伝子の発現を16α-BrEAが害したかどうか調べるために、0.5%FBSを添加したDMEM中で24時間培養することにより、75-cm2ペトリ皿のコンフルエント状態の気道平滑筋細胞の成長を阻止した。単一層を10μMの16α-BrEA又はDMSO賦形剤を加えて2時間前処理し、10%のFBSを加えたDMEMに暴露して30分刺激した。次に細胞を溶解し、c-fos mRNAを下記のように、逆転写酵素-ポリメラーゼ連鎖反応により測定した。C-fosタンパク質の濃度に影響が出ているかどうか調べるために、0.5%のFBSを添加したDMEM中で、6穴プレート上のコンフルエント状態の単一層の成長を24時間阻止した。次に細胞を16α-BrEA又はDMSO賦形剤で2時間前処理し、10%FBSを加えたDMEM中で、15、30及び60分刺激した。細胞を次に溶解し、c-fosタンパク質を下記のように免疫ブロッティングすることで測定した。
DHEAと16α-BrEAのAP−1の活性化、即ち、細胞成長と増殖において重要な第二次の反応(上述の文献、AngelとKarin(1991))に対する効果を調べるために、75cm2のペトリ皿上の気道平滑筋の単一層の成長を0.5%のFBSとDMEM中で24時間阻止し、DHEA、16α-BrEA又はDMSO賦形剤を加えて2時間前処理した。次に細胞を10%FBSを加えたDMEM中で6時間刺激し、核タンパク質を回収し、下記のように電気泳動モービリティシフト法により、DHEAと16α-BrEAで処理がAP−1のDNA結合を阻害したかどうかについて調べた。
(細胞毒性とアポトーシスの測定)
細胞毒性を測定するために、あらかじめDMEMと10%FBSでコンフルエント状態に成長させた気道平滑筋細胞のウェルにDHEA又は16α-BrEAを加えた。24時間後、培地を5分間マイクルフュージし、上清の乳酸デヒドロゲナーゼ活性を、市販の分析薬(シグマ社のDG-1340K)を用いて測定した。細胞をDPBSで2回洗浄し、トリパンブルー染料に曝した(ハンクスの塩平衡溶液中に0.04%)。染料を蓄積した壊れた或いは死んだ細胞の平均数を測るために、0.01cm2のオキュラーグリッドを用いて任意の5セクションの細胞数を測定した。
細胞毒性を測定するために、あらかじめDMEMと10%FBSでコンフルエント状態に成長させた気道平滑筋細胞のウェルにDHEA又は16α-BrEAを加えた。24時間後、培地を5分間マイクルフュージし、上清の乳酸デヒドロゲナーゼ活性を、市販の分析薬(シグマ社のDG-1340K)を用いて測定した。細胞をDPBSで2回洗浄し、トリパンブルー染料に曝した(ハンクスの塩平衡溶液中に0.04%)。染料を蓄積した壊れた或いは死んだ細胞の平均数を測るために、0.01cm2のオキュラーグリッドを用いて任意の5セクションの細胞数を測定した。
DHEA又はその類似物質がプログラムされた細胞死を引き起こしているかどうか調べるために6個のプラスチックのウェルに入れたコンフルエント培養液を50又は250μMのDHEA、10又は50μMの16α-BrEA又は賦形剤(25μlのDMSO)で処理した。2時間後細胞をDPBSで2回洗浄して氷上で剥がしミクロフュージ管内に入れて、4℃で5分間250gで遠心した。細胞のペレットを静かに30μlのDPBSに再懸濁し、30μlの溶菌緩衝液(80mMのEDTA、1.6%[重量/容量]のラウリルサルコシン酸ナトリウムと5mg/mlのタンパク分解酵素Kを加えた200mMのトリス塩酸塩緩衝液、pH 8.0)を加えて溶解した。可溶物を50℃で1.5時間培養した。RNAse A(0.2mg/ml)を添加して、可溶物を更に30分間37℃で培養した。DNAバンドを60Vで一時間、1%アガロースゲル上でDNAラダースタンダードと共に分離し、エチジウムブロマイドを挿入し、紫外光の下で視覚化して撮影した。
(グルコース-6-りん酸脱水素酵素活性の測定)
氷上で、冷DPBSを用いて培養液を3回洗浄し、氷冷緩衝液(50mMのトリスと10mMのMgCl2の混合液、pH 8.0)に剥がしていれ、氷上で超音波処理した。次にG6PDH活性をJonesとAndrewsの方法(J. Reproduc. Fertility, 54, 357-362 (1987)に記載のJones, J.T.とAndrews, S.G.による“マウス睾丸の体性細胞及び胚細胞におけるグルコース-6-りん酸脱水素酵素の活性”)を用いて、50から200μlの細胞可溶物、10mMのβ-ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドりん酸塩(NADP)を20μlと、10mMのD-グルコ−ス-6-りん酸塩(G6P)を20μlを合計1mlの緩衝液(10mMのMgCl2含有する50mMのトリス溶液、pH 8.0)に加えた反応混合物中で測定した。反応はG6Pを加えて開始した。340nmにおける吸収度の直線的な増加を25℃で300秒間観察した。活性は1mgのタンパク質当たりの単位で示されたが、1.0単位は、NADPの存在下で1.0μモルのG6Pを1分間で6-ホスホ-D-グルコン酸塩に酵素酸化する量を示す。タンパク質はBCAタンパク質分析法(イリノイ州、ロックフォード)を用いて測定した。
氷上で、冷DPBSを用いて培養液を3回洗浄し、氷冷緩衝液(50mMのトリスと10mMのMgCl2の混合液、pH 8.0)に剥がしていれ、氷上で超音波処理した。次にG6PDH活性をJonesとAndrewsの方法(J. Reproduc. Fertility, 54, 357-362 (1987)に記載のJones, J.T.とAndrews, S.G.による“マウス睾丸の体性細胞及び胚細胞におけるグルコース-6-りん酸脱水素酵素の活性”)を用いて、50から200μlの細胞可溶物、10mMのβ-ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドりん酸塩(NADP)を20μlと、10mMのD-グルコ−ス-6-りん酸塩(G6P)を20μlを合計1mlの緩衝液(10mMのMgCl2含有する50mMのトリス溶液、pH 8.0)に加えた反応混合物中で測定した。反応はG6Pを加えて開始した。340nmにおける吸収度の直線的な増加を25℃で300秒間観察した。活性は1mgのタンパク質当たりの単位で示されたが、1.0単位は、NADPの存在下で1.0μモルのG6Pを1分間で6-ホスホ-D-グルコン酸塩に酵素酸化する量を示す。タンパク質はBCAタンパク質分析法(イリノイ州、ロックフォード)を用いて測定した。
(免疫ブロット法によるP21rasとc-fosタンパク質の分析)
P21rasを測定するために、細胞を冷DPBSで2回洗浄し、500μlの冷溶菌緩衝液(10mMのHEPES、1mMのMgCl2、1mMのEDTA、1μMのペプスタチン、2μg/mlのアプロチニン及び1mMのフッ化フェニルメチルスルフォニル)を用いて15分間氷上で膨潤させた。前述のShulzとNyce(1991)の文献を参照のこと。次に細胞を剥がして1.5mlのポリプロピレン管に入れ、ホモジナイズし、4℃で1分間3,000gで遠心して透明にした。ポスト核上清を4℃で30分間100,000gで遠心した。上清を回収し、ペレット化した膜を洗浄緩衝液(1%のトリプトンX-100、1%のデオキシコール酸ナトリウム、0.1%のSDS、150mMのNaCl、1μMのペプスタチン、2μg/mlのアプロチニンと1mMのフッ化フェニルメチルスルフォニルを含有する25mMのトリス溶液、pH 7.4)に再懸濁した。上清と膜部分を除去してBCAタンパク質分析によりタンパク質を測定した。ブロモフェノールブルーとβ-メルカプトエタノールを残査に添加して最終濃度をそれぞれ0.002%(重量/容量)と5%(重量/容量)にした。可溶物を次に100℃で5分間ボイルして免疫ブロットが行われるまで-80℃で保存した。
P21rasを測定するために、細胞を冷DPBSで2回洗浄し、500μlの冷溶菌緩衝液(10mMのHEPES、1mMのMgCl2、1mMのEDTA、1μMのペプスタチン、2μg/mlのアプロチニン及び1mMのフッ化フェニルメチルスルフォニル)を用いて15分間氷上で膨潤させた。前述のShulzとNyce(1991)の文献を参照のこと。次に細胞を剥がして1.5mlのポリプロピレン管に入れ、ホモジナイズし、4℃で1分間3,000gで遠心して透明にした。ポスト核上清を4℃で30分間100,000gで遠心した。上清を回収し、ペレット化した膜を洗浄緩衝液(1%のトリプトンX-100、1%のデオキシコール酸ナトリウム、0.1%のSDS、150mMのNaCl、1μMのペプスタチン、2μg/mlのアプロチニンと1mMのフッ化フェニルメチルスルフォニルを含有する25mMのトリス溶液、pH 7.4)に再懸濁した。上清と膜部分を除去してBCAタンパク質分析によりタンパク質を測定した。ブロモフェノールブルーとβ-メルカプトエタノールを残査に添加して最終濃度をそれぞれ0.002%(重量/容量)と5%(重量/容量)にした。可溶物を次に100℃で5分間ボイルして免疫ブロットが行われるまで-80℃で保存した。
c-fosタンパク質の測定の場合は、単一層を氷上に置いて、冷DPBSで2回洗浄し、0.5mlの沸騰緩衝液(10%[容量/容量]のグリセロールと2%[重量/容量]のドデシル硫酸ナトリウム[SDS]含有の83mMのトリス溶液、pH6.8)中に剥がしいれ、超音波処理した。タンパク質測定のために一定量を除去し、ブロモフェノールブルーとβ-メルカプトエタノールを残査に添加し、可溶物を沸騰させ、前述の様に保存した。
解凍したサンプルのタンパク質をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分離したが、この際、c-fosは10%のポリアクリルアミドゲルで、P21ras(レーン当たり15μgのタンパク質)は、15%のゲルでO'Farrell-Laemmli緩衝液(0.025Mのトリス、0.192Mのグリシン及び0.1%[重量/容量]のSDS、pH 8.3)を用いて分離を行った。Biochem. J., 300, 445-449 (1994)に記載のBuckeley, B.J.とWhorton, A.R.による“血管内皮からのCa2+非依存アラキドン酸の遊離はデノボタンパク質合成を必要とする”の方法を参照のこと。二つのゲルを、クマシーブルー(シグマ社のクマシーブルー染料R-250を40%メタノールと7%酢酸に加えた)で染色し、各レーンにロードされたタンパク質の相対量を評価した。移動緩衝液(0.025Mのトリス、0.192Mのグリシン、2.6mMのSDSと20%[容量/容量]のメタノール、pH 8.8)中、ウェットトランスブロット法を用いてこれらタンパク質をニトロセルロースに移した。100mMのNaCl、0.01%(容量/容量)のツイーン20と5%無脂肪ドライミルクを含有する10mMのトリス(pH 7.5)中、室温で1時間ブロットをブロックした。2.5μg/mlのpan-ras又はc-fos抗体をブロック用緩衝液に加えて室温で1時間培養した。
リンス用緩衝液(100mMのNaCl及び0.01%[容量/容量]のツイーン20を含有する10mMのトリス[pH 7.5])で5分間にわたり5回リンスした後、酵素標識抗マウス免疫グロブリンG(IgG)−ワサビペルオキシダーゼ(HRP、pan-ras Mab)又は抗ウサギIgG/HRP (c-fos Pab)を第二抗体としてブロック用緩衝液で2000倍に希釈して、ブロットを室温で一時間培養した。免疫ブロットはリンス用緩衝液で5分間にわたり、5回リンスし、改良された化学ルミネッセンス法(イギリス、バッキンガムシャー州、アマーシャム生命科学社のECLウエスタンブロット検出法)により免疫検出を行った。分子量の評価は、前もって染色した分子量マーカー(カリフォルニア州、Hercules、Bio-rad研究所)をニトロセルロースに移したものとの比較に基づいて行った。オートラジオグラフィー用フィルム(ニューヨーク州、ロチェスター、イーストマンコダック社のX-OMAT AR)を10、15又は60秒免疫ブロットに曝した。
逆転写酵素-ポリメラーゼ連鎖反応(RTR-PCR)
単一層をDPBSで2回洗浄して細胞を4Mのグアニジンチオシアネート、50mMのクエン酸ナトリウム、0.05%のサルコシルと0.01Mのジチオトレイトールで溶解した。細胞を剥がした後、可溶物をゲージ22の針を4回通過させ削りとった。RNAを5.7Mの塩化セシウムと0.1MのEDTAを用いて超遠心しペレット化した。Am. J. Respir. Cell Mol. Biol., 820-27 (1993)に記載のBecker, S., Koren, H.S.とHenke,D.C.による“正常な鼻の内皮におけるインターロイキン−8の発現、RSウィルスの感染によるそのモジュレーション及びサイトカイン、腫瘍壊死因子、インターロイキン−1とインターロイキン−6”の方法を参照のこと。
単一層をDPBSで2回洗浄して細胞を4Mのグアニジンチオシアネート、50mMのクエン酸ナトリウム、0.05%のサルコシルと0.01Mのジチオトレイトールで溶解した。細胞を剥がした後、可溶物をゲージ22の針を4回通過させ削りとった。RNAを5.7Mの塩化セシウムと0.1MのEDTAを用いて超遠心しペレット化した。Am. J. Respir. Cell Mol. Biol., 820-27 (1993)に記載のBecker, S., Koren, H.S.とHenke,D.C.による“正常な鼻の内皮におけるインターロイキン−8の発現、RSウィルスの感染によるそのモジュレーション及びサイトカイン、腫瘍壊死因子、インターロイキン−1とインターロイキン−6”の方法を参照のこと。
RNA(100ng)をM-MLV逆転写酵素を用いて逆転写した。得られたcDNAを、GenBankで測定され次の文献:J. Pharmacol. Exper. Ther.(1988)に記載のDashtaki, R., Whorton, A.R., Murphy, T.M., Reed, W.とKennedy, T.P.による“デヒドロエピアンドロステロンとその類似物質はAP−1のDNA結合と気道平滑筋の増殖を阻害する”で公開された配列に基づいたラット遺伝子特異的センスプライマー及びアンチセンスプライマ―を用いてβ-アクチンの場合は、29サイクルc-fosの場合は36サイクルにそれぞれPCR増幅した。PCR増幅DNAは2%変性アガロースゲルで分離し、臭化エチジウムを挿入し、視覚化して紫外光の下で撮影した。得られたポラロイドのネガをバイオイメージアナライザー(ミネソタ州AnnArborのBioImage社)を用いて定量化した。各サンプルのβ-アクチンcDNAバンド(FBSの刺激に影響されないハウスキーピング遺伝子)の強度をサンプル間の差異を標準化するために用いた。
電気泳動モービリティシフト分析法(EMSA)単一層を冷DPBSで2回洗浄し氷上で0.7mlの冷細胞質抽出緩衝液(CEB:10mMのトリス、pH7.9、60mMのKCl、1mMのEDTA、1mMのジチオトレイトール)をプロテアーゼ阻害剤(PI:1mMのPefabloc、50μg/mlのアンチパイン、1μg/mlのロイペプチン、1μg/mlのペプスタチン、40μg/mlのベスタチン、3μg/mlのE-64及び100μg/mlのキモスタチン)と共に用いて10分間平衡化した。洗浄剤NonidetP-40(NP-40)を最終濃度が0.1%となるように添加し、細胞を細胞スクレーパーで剥離させた。
核を遠心によりペレット化し、CEB/PIで洗浄した。次に核を、PIを加えた核抽出緩衝液(NEB:20mMのトリス、pH8.0、400mMのNaCl、1.5mMのMgCl2、1.5mMのEDTA、1mMのジチオトレイトール及び25%のグリセロール)中、氷上で10分間培養して、短時間回転させて破片を取り除き、電気泳動モービリティシフト分析を行うまで−80℃で保存した。EMSAsでは、AP−1(前述の文献、Lee他(1987))として親株(5'-TTCCGGCTGACTCATCAAGCG 3' と3' AAGGCCGACTGAGTAGTTCGC 5')共通配列を、[γ32P]−ATPとT4ポリヌクレオチドキナーゼでリン酸化することにより末端標識して用いた。
DNA-タンパク質結合反応は、2μgの核タンパク質(ブラッドフォードの染料結合法により測定)と、10mMのトリス、pH7.9、50mMのNaCl、2.5mMのEDTA、1mMのジチオトレイトール、5μgの牛血清アルブミン、0.1μgのポリdI-dCと4%のFicoll中、室温で10分間培養した0.3ngの32P末端標識二本鎖DNAプローブを用いて行った。競合試験は10Xの未標識親株オリゴヌクレオチド配列を用いて行った。サンプルはトリス−グリシン−EDTA(TGE、120mMのグリシンと1mMのEDTAを含有する25mMのトリス溶液、pH8.5)中、5%の非変性オリアクリルアミドゲル上で電気泳動した。ゲルを乾燥し、phosphorimagingスクリーン(カリフォルニア州Sunnyvale, Molecular Dynamics社)に暴露して分析した。
試験管内の気道平滑筋収縮への効果試験管内の気道平滑筋へのDHEAの効果を調べるために、雄のハートレーモルモット(マサチューセッツ州、Wilmington,チャールスリバー社)をペントバルビタールナトリウム(アボット社製ペントバルビタールナトリウム)(200mg/kg腹腔内投与)で麻酔した。気管支と肺を迅速に除去し、95%O2と5%CO2を通気した、115mMのNaCl、25mMのNaHCO3、1.38 mMのNaH2PO4、2.5mMのKCl、2.46mMのMgSO4、1.9mMのCaCl2と5.56mMのデキストロースを含有する酸素化したクレブス−ヘンゼライト溶液(K−H)に浸した。
ステレオ顕微鏡(オリンパスSZH10)の下で、弛緩した結合組織から主気管支を切り離し、気管支のリングを取り出し、37℃でK−Hを充填したダブルジャケット付organ bathに載せて、95%のO2と5%のCO2混合物で継続的に通気した。それにより、pH7.4になった。紙ポリグラフ(Gould RS3800)上に等尺性張力を継続的に記録するため、気管支のリングを力転位トランスデューサー(Grass FTO3)に接続して、90分間平衡化した。平衡化時間を終えた後、1mMのアセチルコリンを投与し、反応をチェックした。アセチルコリンに反応しなかったものを除去し、気管支リングを新たなK-Hでリンスして実験を継続した。
3×10-2MのKCl、又は10-5Mのアセチルコリン(Ach)で気管支のリングを部分的に収縮させ、ログの間隔毎にDHEAの濃度を10-8から10-4Mに徐々に増やして活性張力に表われる変化を測定することによってDHEAの効果を調べた。予備試験に基づいて、KClの濃度を3×10-2Mとし、KCl(10-2から10-1M)に対する濃度反応曲線から最大反応の50%を引き出すKClの濃度を(KCL-EC50)とした。KClに対する最大反応は濃度6.2×10-2M(幾何学的平均、GSEM=1.21)で得られ、KCl-EC50は2.8x10-2M(幾何学的平均、GSEM=1.28)であった。同様に、10-5Mのアセチルコリン(ACh)を最大反応の50%を引き出すAChの濃度として選択した。
3×10-2MのKClの投与により収縮反応が起きたが、この反応は4時間後、即ち(DHEAに対する濃度−効果曲線の完成に必要な時間)わずかに弱まって、最初の活性張力よりも22.12±6.07%(n=3)低かった。10-5Mアセチルコリンを投与した後には全く収縮反応の減少は観察されなかった。
ジメチルスルフォキシド(DMSO)にDHEAを溶解してから、4つの追加のリングを3×10-2MのKCl(n=5)又は10-5Mのアセチルコリンで収縮させてこの賦形剤が活性張力に変化をもたらしたかどうか調べた。DHEAの実験に用いたのと同量のDMSOを投与したところ、4時間後、3×10-2MのKClに対しての活性張力は31.13±7.21%減少した。これは、前に述べた時間の影響によって主に説明される。10-5Mのアセチルコリンに反応して得られた活性張力に対しては全くDMSOの影響は観察されなかった。Organ bathにおけるDMSOの最大最終濃度は0.15%であった。
DHEAを調べるために用いた3枚のストリップを実験の最後に新たなK−Hでリンスし1mMのアセチルコリンで処理し、反応をチェックした。結果から、平滑筋の機能性はDHEAにより変化しなかったことがわかった。第二の実験では、10-5MのAChを単体で投与するか又は、AChに対する濃度−反応曲線を10-4MのDHEA(AChの15分前に投与)の存在又は非存在下で行った。AChの単体投与は張力の増加率を測定するために用いられ、濃度−h反応調査はAChに対する感受性にDHEAが影響を与えるかどうか評価するために用いられた。
試験管内におけるヒト気道上皮からのサイトカイン分泌に対する効果培養したヒト上皮からのサイトカイン分泌に対する16α−BrEAの効果をBEAS−2B細胞、BEAS−2B細胞、ヒト気道上皮がどのようにウィルス及び空気中の汚染物質に反応して炎症性サイトカインを分泌するかのモデルとして以前に調べた不朽化したヒト呼吸器上皮細胞株SV−40(J. Clin. Invest. 967:549-557(1995))に記載のSubasuste, M.C., Jacoby, D.B., Richards, S.M.とProud, D.,“ヒト呼吸器上皮細胞株のリノウィルスへの感染、サイトカイン遊離の誘導及びサイトカイン暴露による感染に対する感受性の調整”、Am. J. Physiol. 265: L472-L478(1993)に記載のNoah, T.L.とBecker, Sによる“ヒト気道上皮細胞株によるRSウィルス誘導サイトカイン生成”、Am. J. Physiol. 266 (Lung Cell. Mol. Physiol. 10):L612-L619 (1994)に記載のDevlin, R.B., McKinnon, K.P., Noah,T, Becker, S.とKoren, H.S.による“肺胞マクロファージ及び気道上皮細胞からのサイトカイン及びフィブロネクチンのオゾン誘導遊離”で調べた。
BEAS−2B細胞を12穴プラスチックプレートにコンフルエント状態に成長させ、記載濃度の16α−ブロモエピアンドロステロン(BrEA)又はジメチルスルフォキシド賦形剤(5μl)に加えたもので1時間前処理した。次に細胞を腫瘍壊死因子α(TNFα、40ng/ml)又は膜フォスファターゼを阻害することによりサイトカイン分泌を刺激することが知られている空気汚染粒子である残油フライアッシュ(ROFA、50μlg/ml)で刺激した(Am. J. Physiol. 272 (Lung Cell. Mol. Physiol.16): L426-L432 (1997)に記載のSamet, J.M., Stonehuerner, J., Reed, W., Devlin, R.B., Dailey, L.A., Kennedy, T.P., Bromberg, P.A及びGhio, A.J.による“残油フライアッシュに曝したヒト気道上皮細胞におけるタンパク質チロシンりん酸塩ホメオスタシスの崩壊”)。24時間(TNF刺激細胞の場合)又は6時間後(ROFA刺激細胞の場合)、培地を回収して遠心し、破片を除去した。インターロイキン-8(IL-8)の濃度を市販のELISA(R&Dシステム社)により分析した。
統計的分析別に規定した場合を除いては、データを平均値±標準誤差(SEM)で表す。別に示していない場合は、気道平滑筋増殖研究の測定における複製の最小数は4であった。特記しない限り処置群あたり4から6回の同じ実験を行って調べた。複数の群の差異は、繰返し行った測定の相違(variance)をone-way分析を用いて比較した。用いた多重比較検定はNewman-Keuls多種比較検定であった。二つの群の差異は、両末端標識(two-tailed)のスチューデントの t検定を用いて測定した。有意差はp<0.05とした。
DMSO賦形剤処理対照群に対する16α-ブロモエピアンドロステロン(16α-BrEA)又はデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)による阻害率%で活性を表す。分析条件において、DMSOのみではG6PDH活性になんら減少をもたらさなかった。各々少なくとも3回の実験の平均を示している。方法は本文中で述べた。ヒト赤血球グルコース-6-りん酸脱水素酵素(G6PDH)の分析はヒト赤血球(シグマ社)からのXXVI タイプG6PDHを0.01U/mlを用いてそれに阻害剤を加えて行った。気道平滑筋細胞可溶物中のG6PDHの分析は阻害剤を加えた100μlの細胞可溶物を用いて行った。そのままの気道平滑筋単一層については、細胞を集め、100μlの細胞可溶物を用いてG6PDHの分析を行う1時間前に阻害剤で前処理した。これらの分析はすべて3回づつ行った。
BEAS-2B細胞、SV-40不朽化ヒト呼吸器上皮細胞株を12穴プラスチックプレートでコンフルエント状態に成長させ、前記の濃度の16α-ブロモエピアンドロステロン(16α-BrEA)又はジメチルスルフォキシド賦形剤(5μl)で1時間、前処理した。次に細胞を腫瘍壊死因子α(TNFα、40ng/ml)又は膜フォスファターゼを阻害することによりサイトカイン分泌を刺激することが知られている空気汚染粒子である残油フライアッシュ(ROFA、50μg/ml)で刺激した。24時間後(TNF刺激細胞の場合)又は6時間後(ROFA刺激細胞の場合)、培地を回収し遠心して、破片を取り除いた。インターロイキン-8(IL-8)の濃度は市販のELISA(R&Dシステム社)により測定した。結果は処理群あたり4から6回の実験の平均±標準誤差である。酸化防止剤としてのDMSO賦形剤はIL-8の分泌(既知の効果)を減らすが、BrEAはそれ以上にかなり阻害する。
(結果)
気道平滑筋増殖への効果:図1に示したように、MTTの還元を用いた細胞数の計算は血球計を用いてカウントした実際の細胞数と密接にかかわっている。培養した気道平滑筋の増殖は、ミトコンドリアのスクシニルデヒドロゲナーゼの作用によって可溶性黄色テトラゾリウム染料3-[4,5-ジメチルチアゾール]-2イル-2,5-ジフェニルテトラゾリウム臭化物(MTT)がその不溶性紫色ホルマザンへ代謝還元することを利用して定量化された。前述のHirst他(1992)の文献を参照のこと。はがしたばかりの気道平滑筋細胞を100μg/mlのMTT及び10%のFBSを含有するDMEMで1時間培養した。得られた細胞を1,000gで10分間遠心し、Ca2+又はMg2+を含有しない無菌ダルベッコ変性りん酸塩緩衝食塩水(DPBS)で2回洗浄し、0.5mlのジメチルスルフォキシド(DMSO)で抽出して可溶化した紫のホルマザン染料の吸収度を540nmで測定した。各細胞濃度につき6回実験を行った。MTTホルマザン還元生成物の吸収度(A540)は血球計によりカウントされた細胞数とR2=0.9851で相関していた。
気道平滑筋増殖への効果:図1に示したように、MTTの還元を用いた細胞数の計算は血球計を用いてカウントした実際の細胞数と密接にかかわっている。培養した気道平滑筋の増殖は、ミトコンドリアのスクシニルデヒドロゲナーゼの作用によって可溶性黄色テトラゾリウム染料3-[4,5-ジメチルチアゾール]-2イル-2,5-ジフェニルテトラゾリウム臭化物(MTT)がその不溶性紫色ホルマザンへ代謝還元することを利用して定量化された。前述のHirst他(1992)の文献を参照のこと。はがしたばかりの気道平滑筋細胞を100μg/mlのMTT及び10%のFBSを含有するDMEMで1時間培養した。得られた細胞を1,000gで10分間遠心し、Ca2+又はMg2+を含有しない無菌ダルベッコ変性りん酸塩緩衝食塩水(DPBS)で2回洗浄し、0.5mlのジメチルスルフォキシド(DMSO)で抽出して可溶化した紫のホルマザン染料の吸収度を540nmで測定した。各細胞濃度につき6回実験を行った。MTTホルマザン還元生成物の吸収度(A540)は血球計によりカウントされた細胞数とR2=0.9851で相関していた。
増殖を調べるために、細胞を24穴の非被覆プラスチックプレートに接種し、DMEM及びマイトジェンで培養した。24〜96時間後、培地を100μg/mlのMTT及び0.5%FBSを含有する新鮮な1ml/ウェルのDMEMと交換し、プレートを更に1時間培養した。MTT含有培地を除去し、1mlのDPBSで細胞を2回洗浄し、0.5mlのDMSOを各ウェルに添加して、540nmで測定した可溶化した紫のホルマザン染料の吸収度により細胞数を求めた。FBSは投与量に依存して気道平滑筋の細胞成長を促進し10%のFBSにより最大の刺激が与えられた。
図2は、ウシ胎仔血清(FBS)が24〜96時間、投与量依存成長を促進したことを示す図である。各ウェルの細胞数は15,000で6回の実験の平均を示したものである。図3に示したように、ヒト組換え血小板由来成長因子-AA(50ng/mlのPDGF)も細胞成長を刺激したがFBSほどではなかった。各ウェルの細胞数は50,000で6回の実験の平均を示したものである。
次の実験では、DHEA及びその類似物質はマイトジェン刺激による気道平滑筋増殖を阻害した。細胞を培養し、細胞数を前述のように又図2のように定量化した。特記しない限り、細胞を10%FBSか50ng/mlのPDGF, 10%FBSか50ng/mlのPDGF+5μlのDMSO賦形剤、及び10%FBS又は50ng/mlのPDGF+阻害剤を加えたDMSOのいずれかを各ウェルに添加して培養した。図4は92時間培養後の、DHEA及びDHEA-硫酸塩が10%FBS刺激成長にもたらした効果を示したものである。各棒グラフは92時間培養した15,000個/ウェルの細胞の、9から12回の実験の平均MTTホルマザン吸収度を示したものである。72時間の実験でも同様の結果であった。高濃度においてはDHEAはDHEA硫酸塩よりも強い活性を示した。
図5に示したように、DHEAはPDGFにより刺激された細胞増殖をも阻害した。各棒グラフは72時間培養した50,000個/ウェルの細胞で4回実験した結果の平均を示したものである。図6に示したように、16α-ブロモエピアンドロステロン(16α-BrEA)はDHEAよりもFBS-誘発細胞増殖の阻害剤としてはより強力であった。各棒グラフは96時間培養した15,000個/ウェルの細胞で4回実験した結果の平均を示したものである。0.5%のFBSで培養した陰性対照群も比較のために示した。48時間での実験でも結果は同様であった。
図7に示したように、16α-BrEAは特に高濃度の場合、グルココルチコイドデキサメタゾン(50%阻害濃度 = 16α-BrEAの場合7.5μM対デキサメタゾンの場合10μM)よりもより強力である。各棒グラフは10%FBS中で48時間培養した50,000個/ウェルの細胞で6回〜18回実験した結果の平均を示したものである。メチルプレドニゾロンを用いた実験でも同様の結果が観察された。
図8に示したように、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)及び16α-ブロモエピアンドロステロン(16α-BrEA)による成長阻害細胞は細胞数によって確認された。細胞を培養し、細胞数を上述のように、又図2で示したように定量化した。各棒グラフは24時間培養した15,000個/ウェルの細胞を用いた6回の実験での直接目視染色細胞数の平均を示したものである。
図9は、24時間では16α-ブロモエピアンドロステロン(16α-BrEA)が上清中のLDH活性を増加させないことを示したものである。この例では、気道平滑筋細胞をコンフルエント状態に成長させ、上清のLDH活性測定の前に5μl/ウェルDMSO賦形剤又は16α-BrEAを加えた賦形剤で24時間培養した。ここで、1.0単位は37℃、pH7.5で1分あたり1.0μモルのピルビン酸塩をL-乳酸塩に還元することを示す。各棒グラフは、6回の実験の平均を示す。阻害剤を加えて2時間培養した場合も同様の結果が観察された。16α-BrEAで処理した細胞とDMSO賦形剤のみで処理した細胞の間に有意差は見られなかった。
表1に示したように、DHEA及び16α-BrEAはヒト赤血球からの精製G6PDHの活性及び気道平滑筋細胞の可溶物に直接添加した場合のG6PDHの活性を阻害した。細胞の増殖を阻害するようなDHEA又は16α-BrEAの濃度で単一層を前処理した場合、細胞可溶物のG6PDH活性はさほど減少しなかった(表1)。
悪性の不朽化した細胞株における知見と比較して、リボヌクレオシド及びデオキシリボヌクレオシドを培地に添加した場合、DHEA又は16α-BrEAからの成長阻害を逆転させることはできなかった(図10から図13)。これらのデータはつまり、DHEA又は16α-BrEAは、RNA及びDNA合成に必要なリボース及びデオキシリボース糖のヘキソース一りん酸経路依存形成を破壊することによって気道平滑筋細胞の増殖を損なっているのではない事を示している。この例では、細胞を培養し、前述のように定量化した。各棒グラフは24時間(図10及び図12)又は48時間(図11及び図13)、DHEA又は16α-BrEAと200μMのリボヌクレオシド(R、アデノシン、グアノシン、サイチジン、及びウリジン)又はデオキシリボヌクレオシド(D、デオキシアデノシン、デオキシグアノシン、デオキシサイチジン、及びサイミジン)の存在下又は非存在下でDMEM及び10%FBS混合物中で培養した50,000細胞/ウェルで行った4回の実験のMTTホルマザン吸収度の平均を示している。
図14に示したように、メバロン酸を培地に補充した場合、16α-BrEAによる気道平滑筋単一層の成長阻害に打ち勝つことができなかった。この例では、細胞を培養し前述のように定量した。各棒グラフは、6mMのメバロン酸塩のDMEM溶液の存在下又は非存在下で0.5%のFBS、10%のFBS、10%のFBS+5μlのDMSO賦形剤及び10%のFBS+阻害剤含有のDMSOのいずれかを各ウェルに添加して36時間培養した50,000個/ウェルの細胞を用いて6回実験を行いその平均MTTホルマザン吸収度を示したものである。DHEAを用いた場合も同様の結果が得られた。
図15は16α-BrEAで処理しても培養した気道平滑筋細胞の膜中のP21rasは枯渇しない事を示している。示したゲルは、21kdのRasタンパク質の代表的な免疫ブロットであり、0.5%FBS(レーン1)、10%FBS(レーン3)、10%FBS+DNS賦形剤(レーン5)及び10%FBS+10μMの16α-BrEA (レーン7)で24時間処理したコンフルエント状態のそれぞれの単一層からの膜タンパク質分画と等量である。レーン2、4、6、8は対応する上清画分の免疫ブロットである。レーン9はA431細胞可溶物の免疫ブロットを示す。
最後に、Ras/Raf-媒介シグナル導入の妨害は、c-fosのような初期反応遺伝子の発現を損なうと考えられていたが、16α-BrEAは、10%FBSに正常に反応しているように見えるc-fosタンパク質(図16)又はmRNA(図17と図18)に対する刺激を阻害しなかった。これらの結果からDHEA及びその類似物質は気道平滑筋において増殖反応に重要な初期シグナル導入を阻害しないことがわかる。図16は、0.5%FBS(レーン2)で処理した対照単一層、10%FBSで刺激した後15分(レーン3から6)、30分(レーン6から8)及び60分(レーン9-11)経過後のc-fosタンパク質の免疫ブロットである。レーン4、7、10の細胞は刺激2時間前にDMSO賦形剤で前処理した。
レーン5、8及び11の細胞は10μlMの16α-BrEAで前処理した。レーン1はA431細胞可溶物の免疫ブロットである。図17では、実験したPCRゲルは次のとおりである。レーン1から3は0.5%FBS対照群、レーン4から6は10%FBSの対照群、レーン7から9は10μMの16α-BrEA で前処理した10%FBS、レーン10から12はDMSO賦形剤で前処理した10%FBSである。図18は、図17で示した実験の概要である。C-fos mRNAの発現はハウスキーピング遺伝子γ-アクチンに標準化される。図18において、C-fos mRNAの発現はハウスキーピング遺伝子β-アクチンに標準化される。
図19は10%FBSで刺激する前に2時間DHEA又は16α-BrEAで前処理した気道平滑筋細胞の核タンパク質の電気泳動モービリティシフト分析を示したものである。核タンパク質は6時間後に単離され電気泳動モービリティシフト分析(EMSAs)を行った。図19のA欄から図19のB欄は、各阻害剤で少なくとも3回行った実験の代表的なゲルを示す。図19のA欄は細胞のEMSAはDHEAで前処理して行ったレーン1は0.5%のFBS、レーン2は10%のFBS、レーン3は10%のFBS+50μMのDHEA、レーン4は10%のFBS+DMSO賦形剤である。図19のB欄では、細胞のEMSAは16α-BrEAで前処理して行ったレーン1は0.5%のFBS、レーン2は10%のFBS、レーン3は10%のFBS+DMSO賦形剤、レーン4は10%のFBS+2μMの16α-BrEA、レーン5は10%のFBS+10μMの16α-BrEA(図19のC欄)である。細胞のEMSAは10%FBSで刺激して行った。レーン2における結合反応は、AP−1に対する10X未標識親株オリゴヌクレオチド配列との競合の存在下で行った以外は、配列レーン1の核タンパク質と同量で行われた。その結果、DHEA(図19のA欄)と16α-BrEA(図19のB欄)はAP−1のDNA結合を阻害していることがわかった。
(試験管内気管支平滑筋収縮への影響)
図20は、3×10-2MのKClで部分的に収縮させた単離モルモットの主気管支にDHEAの濃度が与える影響を示したものである。賦形剤の場合と比較して、統計的に異なっていた(P<0.01)。DHEAが最大濃度の場合、KCl誘発収縮の76.28±6.96%が弛緩した(時間−賦形剤による力の減少を差し引いた後の値)。KCl誘発収縮の50%の弛緩を引き起こすDHEAの濃度は2.16±10-5M(GSEM=1.11)であった。図20の白丸は、DHEAを用いた実験を示し、白抜きの四角はDMSO賦形剤のみを示したものである。各値は平均±SEMである。DHEAはn=6でDMSO賦形剤はn=5である。
図20は、3×10-2MのKClで部分的に収縮させた単離モルモットの主気管支にDHEAの濃度が与える影響を示したものである。賦形剤の場合と比較して、統計的に異なっていた(P<0.01)。DHEAが最大濃度の場合、KCl誘発収縮の76.28±6.96%が弛緩した(時間−賦形剤による力の減少を差し引いた後の値)。KCl誘発収縮の50%の弛緩を引き起こすDHEAの濃度は2.16±10-5M(GSEM=1.11)であった。図20の白丸は、DHEAを用いた実験を示し、白抜きの四角はDMSO賦形剤のみを示したものである。各値は平均±SEMである。DHEAはn=6でDMSO賦形剤はn=5である。
図21は10-5MのAChで部分的に収縮させた気管支へのDHEAの効果を示したものである。10-4MのDHEAはACh-誘発収縮の37.98±4.76%の弛緩を引き起こした(賦形剤の場合と比較してP<0.01)。図21の白丸はDHEAを用いた実験を示し、白抜きの四角はDMSO賦形剤のみを示したものである。各値は平均±SEMで、n=5である。
AChに対する濃度反応曲線は10-4MのDHEAの存在により右に移動した(図22)。ACh-EC50は、10-4MのDHEAの存在下及び非存在下でそれぞれ1.4×10-5M(幾何学的平均GSEM=1.2)と8.4×10-6M(幾何学的平均GSEM=1.3)であった。図22の白丸は10-4MのDHEAの存在下、白抜きの四角は10-4MのDHEAの非存在下での実験の結果である。各値は平均±SEMで、n=5である。最後に、10-4MのDHEAは10-5AChに反応した張力の伸び率を2.27±0.82から1.85±0.85まで減少させた(paired t 検定によりP<0.05)。
試験管内ヒト気道上皮からのインターロイキン-8分泌への影響:表2で示したように、16α-BrEAは、喘息などの多くの急性の肺疾患に存在する強力な炎症性サイトカインであるTNFまたは空気汚染粒子によるBEAS細胞の刺激に反応して起きるインターロイキン-8の分泌を投与量依存的に阻害した。酸化防止剤としてのDMSO賦形剤もIL-8の分泌を減少させるが(既知の効果)BrEAはそれ以上に分泌を阻害する。
ラットの気道平滑筋細胞の増殖は、DHEA及び16α-ブロモエピアンドロステロンを薬学的濃度で用いて処理することにより実質的に抑えられることが分かった(図4〜図7)。この阻害は、細胞数に関する代謝分析及び直接目視により測定した細胞数の減少両方により明らかになった(図8)。
さらに、DHEA及び16α-BrEAは、精製した酵素又は細胞可溶物を含有する反応混合物に直接添加した場合G6PD活性を阻害した(表1)。しかし、DHEA及び16α-BrEAは酵素回収前に細胞の単一層自体を処理した場合、G6PD活性を阻害しなかった(表1)。又、細胞可溶物におけるG6PD活性の阻害剤としては、DHEAは16α-BrEAよりも強力であったが、気道平滑筋増殖の阻害剤としては、全く逆であった(図4〜図7)。さらに、G6PD活性の阻害は、RNA及びDNA合成に必要なリボース及びデオキシリボース糖の生成を妨害することで細胞の成長を損なっていると考えられるが、成長培地にリボ-及びデオキシリボヌクレオシドを添加することでこれら因子を外から提供してもDHEA及び16α-BrEAによる細胞成長の阻害に打ち勝つことはできなかった。このように、気道平滑筋増殖のDHEA及び16α-BrEAによる阻害のメカニズムがG6PD活性を妨害しているのではなさそうだ。
培地にメバロン酸塩を添加しても16α-BrEAの成長阻害効果を弱めることはできなかった(図14)し、細胞を16α-BrEAで処理しても細胞膜からRasタンパク質を枯渇させることはできなかった(図15)。又、16α-BrEAの成長阻害濃度で単一層を処理した場合、初期反応遺伝子c-fosの正常な発現はそのままであった(図19)し、さらに、DHEA及びその類似物質はRas媒介伝達シグナル導入という重要な反応を損なったり、MAP−キナーゼ経路の機能を破壊したりしないということもわかった。これらのデータにより、DHEA及びその類似物質はコレステロールの生合成、第二に、細胞膜へのRas付着及び成長に必要なRas媒介シグナル導入を妨害することによって気道平滑筋成長を阻害するのではないことが明らかである。
DHEA及び16α-BrEAは、処理細胞の核タンパク質を用いて行われた電気泳動モービリティシフト分析において転写因子AP−1のDNA結合を減少させる(図20)。活性化タンパク質-1(AP−1)による第二次の反応遺伝子の相互活動は、複数の経路―それを通して多くの成長因子が細胞増殖を刺激するーの重要な集合点である(Biochim. Biophys. Acta,1072:129-157(1991)に記載のAngel,P及びKarin,Mによる“細胞増殖及び形質転換におけるJun、Fos及びAP−1複合体の役割”)。AP−1の相互抑制はグルココルチコイドの反増殖的作用を説明するために示されている(EMBO J. 17:4087-4095 (1994)に記載のHeck, S., Kullmann, M., Gast, Al, Ponta, H., Rahmsdorf, H.J., Herrlich, Pl. 及びCata, A.C.B.による“転写因子AP−1の活性抑制におけるグルココルチコイド受容体モノマーの明確な調節領域”)。
DHEAはグルココルチコイドではないが、細胞質のステロイド受容体と相互に作用することが報告されている(J. Steroid Biochem. Molec. Biol. 42:293-304(1992)に記載のMeikel, A.W., Dorchuck, R.W., Araneo, B.A., Stringham, J.D., Evans, T.G., Spruance, S.L.及びDaynes, R.A.による“ネズミのT細胞におけるデヒドロエピアンドロステロン特異的受容体結合複合体の存在”)。このように、DHEA及びその類似物質はAP−1のDNA結合を妨害しそれによって、AP−1媒介のシグナル導入工程を妨害し、PDGF及びウシ胎仔血清のマイトジェン等各種のマイトジェンへの増殖反応を阻害しているものと思われる。AP−1反応の妨害は、ゆえに、どのようにDHEA及び類似物質が平滑筋増殖を損なうかの最もよい説明となっている。
気道平滑筋の増殖及びリモデリングを阻害するために、DHEA及びその類似物質は喘息において、他にも強力な医薬的利点を有していると思われる。第一に、DHEA及びその類似物質はグルココルチコイドの代わりとして有用であろう。獲得したグルココルチコイド耐性は、活性化したグルココルチコイド受容体複合体を結合し相互抑制するAP−1複合体の発現過剰が、一部サイトカインにより誘導されて起きると仮定されている(Adcock、Lane、他による前述の文献)。DHEA又は類似物質と受容体の複合体は、活性化したグルココルチコイド受容体をGREsに結合するために開放し、代わりに犠牲的にAP−1と結合し、炎症状態の相対的グルココルチコイド耐性に打ち勝つ。
第二に、DHEA及びその類似物質は本来抗炎症活性を有している。多くの免疫調節遺伝子はAP−1プロモーター部位を含有しており、AP−1の阻害は炎症性サイトカインの発現に否定的な衝撃を与えるであろう。又、DHEAは転写因子核因子кB(NF-кB)の活性化を抑えると報告されている(AIDS Res. Hum. Retroviruses, 9, 747-754(1993)に記載のYang, Y.U., Schwartz, A.及びHenderson, E.Eによる“デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)及びその類似物質によるHIV-1潜伏期再活性化の阻害”)。さらに16α-BrEAは、腫瘍壊死因子及び空気汚染粒子により刺激されたインターロイキン-8の培養されたヒト呼吸器上皮からの分泌を減らすことがわかっている(表2)。炎症性サイトカインの分泌の減少が、喘息患者の気道内でのすべての炎症性反応を減らすことを期待されている。
第三に、DHEAはCa2+活性化K+チャネル(Kca)オープナー(Am. Rev. Respir.Crit. Care Med., 155, A790(1997, Abstract)に記載のPeng, W., Hoidal, J.R.及び Farrukh, I.S.による“デヒドロエピアンドロステロン、新規Ca2+活性化K+チャネルオープナー”)として機能し、各種アゴニストにより収縮した全身の血管(Hypertension, 26, 1065-1069 (1995)に記載のBarbagallo, M., Shan, J.,Pang, P.K.T.,及びResnick, L.M.による“細胞のカルシウム反応性及び血管の収縮性に対するデヒドロエピアンドロステロン硫酸塩の影響”)および肺動脈(Am. J. Respir. Crit. Care Med., 153, A586(1996, Abstract)に記載のFarrukh,I.S., Peng, W., Orlinska, U.及びHoidal, J.R.による“低酸素状態のフェレットの肺の、デヒドロエピアンドロステロン介在による肺血管拡張”)血管を弛緩することができ、モルモットの気道平滑筋のKCl-誘発収縮を逆転させる。
このように、DHEAは気道平滑筋において直接気管支拡張活性を有する。又、DHEA及びその類似物質は、気道平滑筋を弛緩する点においてベータアドレナリン作動性気管支拡張薬と相乗効果を有する場合もある。Kcaチャネルはベータ-2-アドレナリン受容体アゴニスト誘発弛緩のための重要な標的タンパク質として示されている(Nature, 341, 152(1989)に記載のKume, H., Takail, A., Tokuno, H.及びTomita,T.による“気管の筋細胞におけるCa2+依存K+チャネル活性のりん酸化による調整”、J. Pharmacol. Exp. Ther., 255, 697(1990)に記載のJones, T.R., Charette, L. Garcia, M.L.及びKaczorowski, G.J.による“charybdotoxinによるモルモット気管の弛緩の選択的阻害、強力なCa2+活性化K+チャネル阻害剤”、Am. Rev. Respir. Dis. 146:132(1992)に記載のMiura, M., Belvisi, M.G., Stretton, C.D., Yacoub, M.H.及びBarnes, P.J.による“ヒト気道の気管支拡張反応におけるカリウムチャネルの役割”;Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.A., 89, 110551(1992)に記載のKume, H., Grazizno, M.P.及びKotlikoff, M.I.による“グアニンヌクレオチド結合タンパク質によるカルシウム活性化カリウムチャネルの刺激的及び阻害的調整”)。これらのチャネルはヒト気道平滑筋の細胞膜に高密度に分布している(Br. J. Pharmacol., 115, 1117(1995)に記載のSnetkov,V.A., Hirst, S.J., Twort, C.H.C.及びWard,.J.P.T.による“ヒトの単離したばかりの気管支平滑筋細胞におけるカリウム流”)。
細胞内cAMPを増加させてタンパク質キナーゼAを活性化しひいてはKcaをりん酸化することにより(Nature, 341, 152(1989)に記載のKume, H., Takail, A., Tokuno, H.及びTomita,T.による“気管の筋細胞のCa2+依存K+チャネル活性のりん酸化による調整”)ベータアゴニストはKcaチャネルをオープンするか又は、ベータアゴニストはGタンパク質依存性、タンパク質キナーゼA非依存性メカニズムによりKca活性を刺激する(Science, 238, 1288(1987)に記載のYatani, A., Codina, J., Imoto, Y., Reeves, J.P., Birnbaumer, L.及びBrown, A.M.による“Gタンパク質は哺乳類の心臓のカルシウムチャネルを直接調整する”;J. Biol. Chem., 263, 9987(1988)に記載のYatanni, A., Imoto, Y., Codina, J., Hamilton,S.L., Brown, A.M.及びBirnbaumer, L.による“アデニリルシクローゼの刺激性Gタンパク質Gsはデヒドロピリジン-感受性Ca2+チャネルも刺激する。ジヒドロピリジンアゴニストによる刺激又はcAMP依存性タンパク質キナーゼによるりん酸化からは独立した直接調整の証拠”)。
喘息患者の炎症を起こした気道の共通課題であるベータ受容体脱感作等の現象による阻害に対して、これらのベータアゴニスト依存性メカニズムは両方とも、感受性がある。DEHAは、ベータアゴニスト受容体の相互作用を経る必要なしに、Kcaチャネルを直接活性化する方向にむけて“バイパス”的アプローチを提供するであろう。この事は、ベータアゴニストによる気管支の弛緩に対してすでに比較的鈍感である急性の喘息では特に有用である。
喘息において迷走神経的に誘発された気道の反応過敏性は、迷走神経に対するニューロンのM2ムスカリン様受容体の機能不全からきたものである。これらの受容体は正常に機能して迷走神経からのアセチルコリンの遊離を阻害し、それによって迷走神経の誘発する気管支収縮を制限する。ニューロンのM2ムスカリン様受容体は喘息では機能しておらず(Chest, 96, 1285-1291(1989)に記載のAyala, L.E.及びAhmed, T.による“喘息においては保護的ムスカリン様受容体のロスはあるか?”;J. Appl. Physiol., 64,2532-2537(1998)に記載のMinette, P.及びBarnes, P.J.による“ヒト及びモルモットの気道におけるコリン作用性神経末端の予備連結的阻害性ムスカリン様受容体”)、刺激性の迷走神経反射を引き起こし、喘息の患者にひどい気管支収縮をもたらす。アセチルコリン誘発気管支収縮を阻止することによって、DHEA及びその類似物質は喘息の兆候に全般に関わっている喘息の全般的な迷走神経介在気道反応過敏を抑えることができるであろう。
最後に、試験管内でのDHEA処理により、DHEA又はその類似物質が喘息の気道リンパ球のTH2からTH1の状態への逆転を促進する可能性が高まり、インターロイキン-2のT-リンパ球生成が増大する(前述のMeikle他(1992))。N. Engl. J. Med., 326, 298-304(1992)に記載のRobinson, D.S., Hamid, Q., Ying, S., Tsicopoulos, A.及び Barkans, J., Bentley, A.M., Corrigan, C., Durham, S.R.及びKay, A.B.による“アトピー性の喘息における主なTH2-様気管支肺胞のT-リンパ球群”参照のこと。
反増殖作用に基づき、DHEA及びその類似物質はヒトにおける気道平滑筋リモデリングの治療薬として有用性を提供することがわかった。グルココルチコイドにまさるこれらの物質の利点は、これらの効果のわずかなタンパク質同化及び反グルココルチコイドスペクトラムにある。Ann. N.Y. Acad. Sci., 719, 564-575 (1994)に記載のRegelson, W.及びKalimi, M.による“デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)−多機能性ステロイド。II:CNS、細胞増殖、代謝、血管への影響、臨床上の効果等。作用のメカニズムは?”参照のこと。このように、DHEA又はその類似物質は、血圧やグルコース及び骨の代謝に長期間のコルチコステロイドの使用がもたらす望ましくない影響なしに、気道の疾病の治療に新しいアプローチを提供するものであろう。
本発明の多くの修正や他の態様は、本発明の関わる分野の同業者にとってはこれまでの説明及び関連図面に示された説から明らかなものであろう。しかるに、本発明は開示された特定の態様のみに限定されるのではなく、修正や他の態様は添付のクレームの範囲に含まれる様意図したものである。本文中に特定の条件が含まれているが、それらは限定する目的ではなく包括的かつ叙述的な意味でもちいられている。
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