JP2006341676A - 船外機の遠隔操作装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】リモコンボックスの船体への取り付け性を向上させるようにした船外機の遠隔操作装置を提供する。
【解決手段】操船者によって操作自在なレバー(シフト・スロットルレバー100)と、レバーの操作位置に応じた信号を出力するレバー位置センサ(ポテンショメータ104,106,108)と、船外機から離間して船体の操縦席に取り付けられ、少なくともレバーとレバー位置センサを含む構成部品を収容するリモコンボックス22とを備え、レバー位置センサの出力に基づいて船外機に搭載された内燃機関のスロットルバルブおよび船外機のシフト機構の内の少なくともいずれかを動作させるようにした船外機の遠隔操作装置において、前記した構成部品を、船体の操縦席の壁面(具体的には、壁面を構成するコントロールパネル20)の外方に位置させつつ、リモコンボックス22の内部22bに収容する。
【選択図】図4

Description

この発明は、船外機の遠隔操作装置に関する。
従来より、船外機から離間して船体の操縦席に配置されたリモートコントロールボックス(筐体。以下「リモコンボックス」という)のレバーを操作することにより、船外機に搭載されたエンジンのスロットルバルブやシフト機構を動作させるようにした船外機の遠隔操作装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭57−153311号公報(段落0016、図1など)
この種の装置にあっては、リモコンボックスにレバーの操作位置に応じた信号を出力するレバー位置センサを設け、かかるレバー位置センサの出力に基づいて内燃機関のスロットルバルブやシフト機構を動作させるように構成している。
ところで、遠隔操作装置のリモコンボックスは、船体の操縦席の横の壁面を構成するコントロールパネルに取り付けられる。その際、リモコンボックスの構成部品(例えば、レバー位置センサなど)の一部は、コントロールパネルの内方、即ち、船体の内部に位置させられつつ、リモコンボックスの内部に収容される。従って、リモコンボックスの下部は船体に埋設される、具体的には、コントロールパネルにリモコンボックスの下部と同形の取り付け孔を穿設し、その取り付け孔にリモコンボックスの下部が埋設されていた。
しかしながら、リモコンボックスは凹凸のある複雑な形状であるため、それに即した取り付け孔をコントロールパネルに穿設するには、多種の工具が必要になると共に、穿設作業にも時間がかかるため、取り付けの作業性が良くないという不都合が生じていた。
従って、この発明の目的は上記した課題を解決し、リモコンボックスの船体への取り付け性を向上させるようにした船外機の遠隔操作装置を提供することにある。
上記の目的を解決するために、請求項1にあっては、操船者によって操作自在なレバーと、前記レバーの操作位置に応じた信号を出力するレバー位置センサと、船外機から離間して船体の操縦席に取り付けられ、少なくとも前記レバーと前記レバー位置センサを含む構成部品を収容する筐体とを備え、前記レバー位置センサの出力に基づいて前記船外機に搭載された内燃機関のスロットルバルブおよび前記船外機のシフト機構の内の少なくともいずれかを動作させるようにした船外機の遠隔操作装置において、前記構成部品を、前記船体の操縦席の壁面の外方に位置させつつ、前記筐体の内部に収容するように構成した。
また、請求項2にあっては、さらに、前記レバー位置センサに接続される信号線と、前記筐体を前記船体に固定する固定部材とを備えると共に、前記信号線と前記固定部材のみを、前記筐体の内部から外部に向けて突出させて配置するように構成した。
請求項1に係る船外機の遠隔操作装置にあっては、少なくともレバーとレバー位置センサを含む構成部品を、船体の操縦席の壁面(具体的には、壁面を構成するコントロールパネル)の外方に位置させつつ、換言すれば、コントロールパネルの内方、即ち、船体の内部に位置しないようにさせつつ、筐体(リモコンボックス)の内部に収容するように構成したので、従来技術の如く、コントロールパネルに複雑な形状の取り付け孔を穿設する必要がないため、工具の種類および工数が減少し、よってリモコンボックスの船体への取り付け性を向上させることができる。
また、請求項2に係る船外機の遠隔操作装置にあっては、さらに、レバー位置センサに接続される信号線と、リモコンボックスを船体に固定する固定部材とを備えると共に、信号線と固定部材のみを、リモコンボックスの内部から外部に向けて突出させて配置、即ち、リモコンボックスから突出するのは、信号線と固定部材のみとなるように構成したので、上記した効果に加え、信号線と固定部材を挿通させるための挿通孔をコントロールパネルに穿設するだけで、リモコンボックスをコントロールパネルに取り付けることが可能となり、よってリモコンボックスの船体への取り付け性をより一層向上させることができる。
以下、添付図面に即してこの発明に係る船外機の遠隔操作装置を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、この発明の第1実施例に係る船外機の遠隔操作装置を船体も含めて全体的に示す概略図である。
図1において符号10は、船外機を示す。船外機10は、図示の如く、船体12の後尾に装着される。
船体12には操船者が着座すべき操縦席14が設けられ、操縦席14の前方にはステアリングホイール16が配置される。ステアリングホイール16のシャフト(図示せず)には操舵角センサ18が取り付けられ、操船者によって入力されたステアリングホイール16の操舵角に応じた信号を出力する。
また、船外機10から離間した位置、具体的には、船体12の操縦席14の横には、壁面を構成する、あるいは画成するコントロールパネル20が形成され、そのコントロールパネル20には、船外機10を遠隔操作するリモコンボックス(筐体)22が取り付けられる。リモコンボックス22は、操船者の操作自在に配置されたシフト・スロットルレバーやスイッチを備えると共に、操船者によるそれらの操作に応じた信号を出力する。これらコントロールパネル20およびリモコンボックス22については、後に詳説する。
船外機10は、電子制御ユニット(Electronic Control Unit。以下「ECU」という)24を備える。ECU24はマイクロコンピュータからなり、操舵角センサ18やリモコンボックス22の出力が入力される。
図2は、船外機10の概略図である。
図2に示すように、船外機10の上部にはエンジン26が搭載される。エンジン26は火花点火式のガソリンエンジンである。エンジン26は水面上に位置し、エンジンカバー28で覆われる。エンジンカバー28の内部においてエンジン26の付近には、前記したECU24が配置される。
一方、船外機10の下部にはプロペラ30が配置される。プロペラ30は、エンジン26の出力が伝達されて回転し、推進力を生じて船体12を前進あるいは後進させる。
また、船外機10は、船外機10を左右に転舵させる転舵用電動モータ(アクチュエータ)34と、エンジン26のスロットルバルブ(図2で図示せず)を駆動してエンジン回転数の調節を行うスロットル用電動モータ(アクチュエータ)36と、シフト機構(図2で図示せず)を駆動してシフトポジションの切り替えを行うシフト用電動モータ(アクチュエータ)38と、船外機10のチルト角およびトリム角の調節を行うパワーチルトトリムユニット(アクチュエータ)40とを備える。
ECU24は、転舵用電動モータ34、スロットル用電動モータ36、シフト用電動モータ38およびパワーチルトトリムユニット40が接続され、それらの動作を操舵角センサ18やリモコンボックス22の出力に基づいて制御する。
ここで図3を参照し、船外機10の構造について説明する。図3は、船外機10の部分断面図である。
図3に示すように、船外機10はスターンブラケット44を備える。スターンブラケット44は、船体12の後尾に固定される。尚、スターンブラケット44は、対向して配置された左右一組の部材から構成されるが、図3では進行方向に向かって左側の部材のみ示す。スターンブラケット44には、チルティングシャフト46を介してスイベルケース50が接続される。チルティングシャフト46は、その軸方向が左右方向(進行方向に対する左右方向)と平行に配置される。即ち、スイベルケース50は、スターンブラケット44に対し、チルティングシャフト46を回転軸として左右軸回りに回転自在とされる。
スイベルケース50には、スイベルシャフト52が鉛直軸回りに回転自在に収容される。スイベルシャフト52は、その上端がマウントフレーム54に固定される一方、下端がロアマウントセンターハウジング56に固定される。マウントフレーム54とロアマウントセンターハウジング56は、船外機10の本体を構成するフレームに固定される。
スイベルケース50の上部には、前記した転舵用電動モータ34が配置される。転舵用電動モータ34の出力軸は、減速ギヤ機構60を介してマウントフレーム54に接続される。即ち、転舵用電動モータ34を駆動することにより、その回転出力が減速ギヤ機構60を介してマウントフレーム54に伝達され、よって船外機10がスイベルシャフト52を回転軸として左右に(鉛直軸回りに)転舵される。
また、スターンブラケット44とスイベルケース50の付近には、前記したパワーチルトトリムユニット40が配置される。パワーチルトトリムユニット40は、1本のチルト角調整用の油圧シリンダ(以下「チルト用油圧シリンダ」という)62と、2本の(図では1本のみ表れる)トリム角調整用の油圧シリンダ(以下「トリム用油圧シリンダ」という)64とを一体的に備える。
チルト用油圧シリンダ62は、そのシリンダボトムがスターンブラケット44に接続されると共に、ロッドヘッドがスイベルケース50に接続させられる。また、トリム用油圧シリンダ64は、そのシリンダボトムがスターンブラケット44に接続されると共に、ロッドヘッドがスイベルケース50に当接される。従って、チルト用油圧シリンダ62あるいはトリム用油圧シリンダ64を伸縮させることで、スイベルケース50がチルティングシャフト46を回転軸として回転され、よって船外機10がチルトアップ・ダウンあるいはトリムアップ・ダウンさせられる。
一方、エンジン26の吸気管70には、スロットルボディ72が接続される。スロットルボディ72に形成された吸気路には、スロットルバルブ74が配置される。スロットルバルブ74は、スロットルシャフト76を介してスロットルボディ72に回転自在に支持される。また、スロットルボディ72には、前記したスロットル用電動モータ36とその出力を減速する減速ギヤ機構(図示せず)が一体的に取り付けられる。スロットルシャフト76は、減速ギヤ機構を介してスロットル用電動モータ36の出力軸に接続される。即ち、スロットル用電動モータ36を駆動することで、その回転出力がスロットルシャフト76に伝達されてスロットルバルブ74が開閉し、よってエンジン26の吸気が調量されてエンジン回転数が調節される。
また、船外機10は、鉛直軸と平行に配置されたドライブシャフト(バーチカルシャフト)80を備える。ドライブシャフト80の上端には、エンジン26のクランクシャフト(図示せず)が接続される。また、ドライブシャフト80の下端には、ピニオンギヤ82が設けられる。
プロペラ30は、水平軸回りに回転自在なプロペラシャフト84に取り付けられる。プロペラシャフト84の外周には、上記したピニオンギヤ82と噛合して相反する方向に回転する前進ベベルギヤ86および後進ベベルギヤ88が回転自在に支持される。
前進ベベルギヤ86と後進ベベルギヤ88の間には、クラッチ90が配置される。クラッチ90は、プロペラシャフト84に取り付けられる。また、クラッチ90は、シフトロッド92を回転させてシフトスライダ94を変位させることにより、前進ベベルギヤ86と後進ベベルギヤ88のいずれかに係合自在とされる。船外機10のシフト機構は、これらクラッチ90、シフトロッド92およびシフトスライダ94から構成される。
シフトロッド92の上部には、前記したシフト用電動モータ38が配置される。シフト用電動モータ38の出力軸は、減速ギヤ機構96を介してシフトロッド92に接続される。従って、シフト用電動モータ38を駆動することにより、シフトロッド92を回転させてシフトスライダ94を変位させ、よってクラッチ90を前進ベベルギヤ86と後進ベベルギヤ88のいずれかに係合させることができる。
ドライブシャフト80の回転は、ピニオンギヤ82と各ベベルギヤ86,88によって水平軸回りの回転に変換されつつ、各ベベルギヤ86,88のいずれかに係合されたクラッチ90を介してプロペラシャフト84に伝達され、よってプロペラ30が船体12を前進させる方向あるいは後進させる方向のいずれかに回転させられる。
また、シフト用電動モータ38を駆動してシフトスライダ94を適宜な位置に変位させることにより、クラッチ90と各ベベルギヤ86,88の係合を解除することができる。即ち、シフト用電動モータ38を駆動してシフト機構のクラッチ90を動作させることにより、シフトポジションをフォワード、リバースおよびニュートラルの間で切り替えることができる。
次いで、この発明の特徴部であるコントロールパネル20とリモコンボックス22について詳説する。
図4は、コントロールパネル20とリモコンボックス22の拡大断面図であり、図5は、図4のV−V線断面図である。
図4および図5に示すように、リモコンボックス22はシフト・スロットルレバー(以下単に「レバー」という)100を備える。レバー100は、リモコンボックス22のケーシング22aの内部22bに回転自在に支持された回転軸102に取り付けられることにより、操船者によって揺動操作自在とされる。
また、リモコンボックス22は、複数個、具体的には3個のポテンショメータ(レバー位置センサ)104,106,108を備える。ポテンショメータ104,106,108は、回転軸102の回転角、即ち、レバー100の操作位置(操作角)に応じた信号を出力する。尚、ポテンショメータ104,106,108はそれぞれ扇型のギヤ104a,106a,108aを備え、それらが回転軸102に取り付けられたギヤ110に噛合されることによって回転軸102の回転が伝達される。
ポテンショメータ104,106,108には、ハーネス(信号線)104b,106b,108bがそれぞれ接続される。従って、ポテンショメータ104,106,108は、ハーネス104b,106b,108bを介してECU24に接続される。
また、ケーシング22aの内部22bには、2個のストッパ112,114が取り付けられる。ストッパ112,114は、ギヤ110を挟んで対向配置される。前記したギヤ110には凸部110aが突設され、かかる凸部110aがストッパ112あるいはストッパ114に当接することにより、レバー100の最大操作角が決定される。
尚、ECU24は、ポテンショメータ104,106,108の出力に基づいてレバー100の操作位置(操作角)が初期位置(図に示す位置)から紙面左右方向にそれぞれ25°の範囲にあるとされるときは、操船者のシフト指示がニュートラルであると判断する。一方、レバー100が紙面左方向に25°を超えて操作されると、シフト指示がフォワードと判断すると共に、レバー100がフォワード方向と相反する方向、即ち、紙面右方向に25°を超えて操作されると、シフト指示がリバースと判断する。また、レバー100のフォワード方向への最大操作角(図4で「Fmax」と示す)は初期位置から100°に設定されると共に、リバース方向への最大操作角(図4で「Rmax」と示す)は70°に設定される。
ケーシング20aの内部22bにはさらに、回転軸102の回転にフリクションを与えてレバー100に適度な操作荷重を付加する機構や、操船者がレバー100の操作位置を認識し易いようにレバー100の操作フィーリングにクリック感を加える機構(いずれも図示せず)などが設けられる。
またレバー100は、図5に示すように、逆Γ字形状に形成され、回転軸102に接続された柱部100aと、操船者に把持されるべき把持部100bとを備える。柱部100aは、長手方向が回転軸102の軸方向と直交するように配置され、下端が回転軸102に接続される。また、柱部100aの上端には把持部100bが延設される。把持部100bは、長手方向が回転軸102の軸方向と略平行になるように形成される。
把持部100bの端部側面には、パワーチルトトリムスイッチ116が設けられる。パワーチルトトリムスイッチ116はシーソースイッチからなり、操船者に操作されたとき船外機10のチルトアップ・ダウンまたはトリムアップ・ダウンの指示を示す信号を出力する。
またパワーチルトトリムスイッチ116には、ハーネス(信号線)116aが接続される。従って、パワーチルトトリムスイッチ116は、ハーネス116aを介してECU24に接続される。
上記したポテンショメータ104,106,108やパワーチルトトリムスイッチ116の出力は、ハーネス104b,106b,108b,116aを介してECU24に入力される。それによりECU24は、ポテンショメータ104,106,108の出力に基づき、シフト用電動モータ38の動作を制御してシフトポジションの切り替えを行うと共に、スロットル用電動モータ36の動作を制御してエンジン回転数の調節を行う。尚、ポテンショメータを複数個(3個)設けたのは、信頼性を向上させるためである。
また、ECU24は、パワーチルトトリムスイッチ116の出力に基づいてパワーチルトトリムユニット40の動作を制御し、船外機10のチルトアップ・ダウンまたはトリムアップ・ダウンを行う。尚、ECU24はさらに、前述した操舵角センサ18の出力に基づいて転舵用電動モータ34の動作を制御し、船外機10を転舵させる。
リモコンボックス22が取り付けられるべきコントロールパネル20には、前記したハーネス104b,106b,108b,116aが挿通可能な直径d1を有する丸孔(以下「ハーネス用挿通孔」という)20aが1個穿設される。また、コントロールパネル20の適宜位置には、後述する固定部材、具体的には、ボルト118が挿通可能な直径d2を有する丸孔(以下「ボルト用挿通孔」という)20bが複数個、より具体的には4個(図4で2個のみ示す)穿設される。
次いで、上記の如く構成されたリモコンボックス22とコントロールパネル20との組み付けについて説明する。
リモコンボックス22は、4組のボルト118とナット120からなる固定部材(図4および図5で2組のみ示す)によってコントロールパネル20に締結固定される。具体的に説明すると、少なくともレバー100とポテンショメータ104,106,108を含む構成部品(正確には、レバー100と、ポテンショメータ104,106,108と、パワーチルトトリムスイッチ116と、ストッパ112,114と、レバー100に適度な操作荷重を付加する機構と、およびレバー100の操作フィーリングにクリック感を加える機構などを含む構成部品)を、コントロールパネル20の外方(図4においてコントロールパネル20の上方)に位置させつつ、換言すれば、コントロールパネル20の内方(図4においてコントロールパネル20の下方)、即ち、船体12の内部に位置しないようさせつつ、リモコンボックス22の内部22bに収容する。即ち、上記した構成部品を収容するリモコンボックス22は、その底面22cがコントロールパネル20に接触するようにして配置される。
次いで、リモコンボックス22から延びるハーネス104b,106b,108b,116a(図4においてハーネス116aは見えず)をハーネス用挿通孔20aに挿通させる。次いで、4個のボルト118をそれぞれボルト用挿通孔20bに挿通させた後、ナット120で締結することで、リモコンボックス22がコントロールパネル20に固定される。即ち、リモコンボックス22は、ハーネス104b,106b,108b,116aおよび固定部材(ボルト118とナット120)のみが、内部22bから外部(具体的には、船体12の内部)に向けて突出するように配置された状態でコントロールパネル20に取り付けられる。
このように、この発明の第1実施例に係る船外機の遠隔操作装置にあっては、少なくともレバー100とポテンショメータ104,106,108を含む構成部品を、船体12の操縦席の壁面(具体的には、壁面を構成するコントロールパネル20)の外方に位置させつつ、換言すれば、コントロールパネル20の内方、即ち、船体12の内部に位置しないようにさせつつ、リモコンボックス22の内部22bに収容するように構成したので、従来技術の如く、コントロールパネル20に複雑な形状の取り付け孔を穿設する必要がないため、工具の種類および工数が減少し、よってリモコンボックス22の船体12への取り付け性を向上させることができる。
また、さらに、ポテンショメータ104,106,108に接続されるハーネス104a,106a,108aと、リモコンボックス22を船体12に固定する固定部材、具体的には、ボルト118およびナット120とを備えると共に、ハーネス104a,106a,108aと固定部材のみを、リモコンボックス22の内部22bから外部(具体的には、船体12の内部)に向けて突出させて配置、即ち、リモコンボックス22から突出するのは、ハーネス104a,106a,108aと固定部材のみとなるように構成したので、ハーネス104a,106a,108aと固定部材を挿通させるための挿通孔、具体的には、ハーネス用挿通孔20aとボルト用挿通孔20bをコントロールパネル20に穿設するだけで、リモコンボックス22をコントロールパネル20に取り付けることが可能となり、よってリモコンボックス22の船体12への取り付け性をより一層向上させることができる。
また、コントロールパネル20の内方、即ち、船体12の内部には、ハーネス104a,106a,108aと固定部材のみが配置されるため、コントロールパネル20の内方(船体12の内部)において他の部品との干渉が従来技術に比して少なくなり、リモコンボックス22の取り付け自由度を向上させることができる。
また、現在使用しているリモコンボックスに故障などが発生し、第1実施に係るリモコンボックス22と交換する場合は、コントロールパネル20にボルト用挿通孔20bを穿設すると共に、従来のリモコンボックスが埋設されていた取り付け孔にハーネス104a,106a,108aを挿通させた後、リモコンボックス22をコントロールパネル20に固定部材で締結固定するだけで良いため、その交換作業を簡易化することができる。
また、第1実施に係るリモコンボックス22をコントロールパネル20から取り外して、他のリモコンボックスに交換する場合であっても、コントロールパネル20に穿設されたハーネス用挿通孔20aやボルト用挿通孔20bは比較的小さいので、修繕など容易に行うことができる。
図6は、この発明の第2実施例に係る船外機の遠隔操作装置のリモコンボックス222とコントロールパネル20を示す、図4と同様な断面図である。
以下、図6を参照し、この発明の第2実施例に係る船外機の遠隔操作装置のリモコンボックス222とコントロールパネル20について、第1実施例との相違点に焦点をおいて説明する。
図6に示すように、第2実施例にあっては、ハーネス104b,106b,108b,116aを、リモコンボックス222の側面に形成された挿通孔222dから突出させて配置する(図6でハーネス116aは見えず)と共に、ハーネス用挿通孔20aをコントロールパネル20から除去するようにした。尚、残余の構成は第1実施例と同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
このように、この発明の第2実施例に係る船外機の遠隔操作装置にあっては、ハーネス104b,106b,108bをリモコンボックス222の側面から突出するように構成したので、コントロールパネル20にハーネス用挿通孔20aを穿設する作業が不要となるため、工数が減少し、よってリモコンボックス222の船体12への取り付け性をより一層向上させることができる。
以上の如く、この発明の第1および第2実施例にあっては、操船者によって操作自在なレバー(シフト・スロットルレバー100)と、前記レバーの操作位置に応じた信号を出力するレバー位置センサ(ポテンショメータ104,106,108)と、船外機(10)から離間して船体(12)の操縦席(14)に取り付けられ、少なくとも前記レバーと前記レバー位置センサを含む構成部品を収容する筐体(リモコンボックス22,222)とを備え、前記レバー位置センサの出力に基づいて前記船外機に搭載された内燃機関(エンジン26)のスロットルバルブ(74)および前記船外機のシフト機構(クラッチ90、シフトロッド92、シフトスライダ94)の内の少なくともいずれかを動作させるようにした船外機の遠隔操作装置において、前記構成部品を、前記船体の操縦席の壁面(具体的には、壁面を構成するコントロールパネル20)の外方に位置させつつ、前記筐体の内部(22b)に収容するように構成した。
また、さらに、前記レバー位置センサに接続される信号線(ハーネス104b,106b,108b)と、前記筐体(22)を前記船体(12)に固定する固定部材(ボルト118、ナット120)とを備えると共に、前記信号線と前記固定部材のみを、前記筐体の内部(22b)から外部に向けて突出させて配置するように構成した。
尚、上記において、1基の船外機10を遠隔操作するリモコンボックス22について説明したが、それに限定されるものではなく、船体に複数基、例えば2基の船外機が装着された2基掛けタイプ用のリモコンボックスについても本願の構成は適用可能である。
また、スロットルバルブやシフト機構などを駆動するアクチュエータを電動モータとしたが、電磁ソレノイドや油圧シリンダなど、他のアクチュエータを使用しても良い。
この発明の第1実施例に係る船外機の遠隔操作装置を船体も含めて全体的に示す概略図である。 図1に示す船外機の概略図である。 図1に示す船外機の部分断面図である。 図1に示すコントロールパネルとリモコンボックスの拡大断面図である。 図4のV−V線断面図である。 この発明の第2実施例に係る船外機の遠隔操作装置のリモコンボックスとコントロールパネルを示す、図4と同様な拡大断面図である。
符号の説明
10 船外機、12 船体、14 操縦席、20 コントロールパネル、22,222 リモコンボックス(筐体)、22b (筐体の)内部、26 エンジン(内燃機関)、74 スロットルバルブ、90 クラッチ(シフト機構)、92 シフトロッド(シフト機構)、94 シフトスライダ(シフト機構)、100 シフト・スロットルレバー(レバー)、104 ポテンショメータ(レバー位置センサ)、104b ハーネス(信号線)、106 ポテンショメータ(レバー位置センサ)、106b ハーネス(信号線)、108 ポテンショメータ(レバー位置センサ)、108b ハーネス(信号線)、118 ボルト(固定部材)、120 ナット(固定部材)

Claims (2)

  1. 操船者によって操作自在なレバーと、前記レバーの操作位置に応じた信号を出力するレバー位置センサと、船外機から離間して船体の操縦席に取り付けられ、少なくとも前記レバーと前記レバー位置センサを含む構成部品を収容する筐体とを備え、前記レバー位置センサの出力に基づいて前記船外機に搭載された内燃機関のスロットルバルブおよび前記船外機のシフト機構の内の少なくともいずれかを動作させるようにした船外機の遠隔操作装置において、前記構成部品を、前記船体の操縦席の壁面の外方に位置させつつ、前記筐体の内部に収容したことを特徴とする船外機の遠隔操作装置。
  2. さらに、前記レバー位置センサに接続される信号線と、前記筐体を前記船体に固定する固定部材とを備えると共に、前記信号線と前記固定部材のみを、前記筐体の内部から外部に向けて突出するように配置したことを特徴とする請求項1記載の船外機の遠隔操作装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115140291A (zh) * 2022-04-22 2022-10-04 应急管理部天津消防研究所 一种舷外机遥控装置及其操控方法

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