JP2006341581A - 成型装置とその製造方法、及び成型方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 意匠面を効率的に冷却できるとともに、意匠面に形成された成型パタンの成型材料への転写時に、意匠面を所望の温度以上に保つことが容易な成型装置を提供する。
【解決手段】 成型装置は、断熱部材と、断熱部材の表面の一部の領域上に配置され、断熱部材の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する材料で形成され、断熱部材側とは反対側を向く表面に、成型用のパタンが形成された意匠面を含む伝熱部材と、伝熱部材の内部側から、伝熱部材の意匠面側の表層を加熱するヒータと、断熱部材と意匠面との間に配置され、伝熱部材との間で熱交換を行う熱媒体を流す流路とを有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、成型装置及びその製造方法に関し、特に、成型用のパタンが形成された意匠面を加熱または冷却することが可能な成型装置及びその製造方法に関する。本発明は、また、成型方法に関し、特に、意匠面を冷却する媒体を流す流路を有する成型装置を用いる成型方法に関する。
溶融した成型材料を金型に充填し、金型の意匠面に形成された成型用のパタンを、成型材料に転写する技術が広く用いられている。
金型に充填された成型材料の温度が低下して流動性が損なわれると、成型材料が成型パタンの凹部に良好に充填されず、転写精度を高められない。金型を加熱して、成型材料の温度低下を防止することにより、転写精度を高めることができる。
成型パタンが成型材料に転写された後は、速やかに成型材料を冷却して固化させることにより、生産性を高めたい。金型を冷却することにより、成型材料の冷却を促進することができる。
金型を加熱及び冷却する機構を備えた成型装置が開示されている。例えば、特許文献1には、以下のような成型装置が開示されている。図7(A)に示すように、この成型装置では、内部に冷却水流路101が形成されたモールドベース102の上に、非導電性断熱材料からなる第1の層103が形成されている。第1の層103の上に、通電することにより発熱する面状ヒータ104が形成されており、面状ヒータ104の上に、非導電性材料からなる第2の層105が形成されている。第2の層105の上に、意匠面を有する表面部材106が形成されている。
また、例えば特許文献2には、以下のような成型装置が開示されている。図7(B)に示すように、この成型装置では、可動型201に、コアブロック202がはめ込まれており、コアブロック202の内部に、高温空気の流路203及び冷却媒体の流路204が形成されている。コアブロック202と可動型201と間に、空気層からなる断熱層205が形成されている。固定型201aに、キャビティブロック202aがはめ込まれており、キャビティブロック202aの内部に、冷却媒体の流路204aが形成されている。キャビティブロック202aと固定型201aとの間に、空気層からなる断熱層205aが形成されている。コアブロック202とキャビティブロック202aとの間に、意匠面が露出するキャビティ206が画定される。
コアブロック202及びキャビティブロック202aは、熱容量を小さくするためアルミ合金から形成される。コアブロック202及びキャビティブロック202aの好適な厚さは、それぞれ20〜40mmである。
図に示すように、コアブロック202とキャビティブロック202aとが完全には閉じず、少し開いた状態において、コアブロック202とキャビティブロック202aとの間に画定される空間に、高温空気の流路203が開口する。この状態で、この空間に、高温空気を流通させることにより、この空間に露出する意匠面が加熱される。意匠面の加熱後に、コアブロック202とキャビティブロック202aとを完全に閉じて、成型材料をキャビティ206に充填し、成型パタンの転写を行う。
特許文献1及び2に開示された成型装置を用いれば、意匠面を加熱及び冷却することが
可能である。
特開2000−823号公報 特開平8−156028号公報
特許文献1の成型装置では、冷却水流路と、意匠面を有する表面部材との間に、断熱部材からなる第1の層が介在している。このため、意匠面を効率的に冷却できない。特許文献2の成型装置を用いれば、冷却媒体流路と意匠面との間に断熱層が介在しないので、意匠面が効率的に冷却される。
ただし、特許文献2の成型装置では、意匠面がキャビティ側から加熱される。キャビティ内に成型材料が充填されているときには、意匠面の加熱を行えない。成型パタンの転写時に、意匠面を所望の温度以上に保つことが容易ではない。
近年、成型パタンが微細化する趨勢があり、微細な成型パタンの転写に適した小さな成型装置を作製することが望まれている。成型装置の小型化に適した意匠面の加熱または冷却機構が望まれている。
成型装置では、成型材料に成型用のパタンを転写するために、意匠面に成型材料が押し付けられる。特許文献1及び2に開示されているような、冷却媒体を流す流路を備えた成型装置では、意匠面に成型材料が押し付けられるとき、冷却媒体を流す流路を変形させるような力が加わりやすい。これにより、流路が損傷する恐れがある。
本発明の一目的は、成型装置の小型化に適した構成を有する成型装置を提供することである。
本発明の他の目的は、意匠面を効率的に冷却できるとともに、意匠面に形成された成型パタンの成型材料への転写時に、意匠面を所望の温度以上に保つことが容易な成型装置を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、意匠面の良好な加熱に適した成型装置を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、上述のような成型装置を製造するのに適した製造方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、冷却媒体を流す流路を備えた成型装置で成型材料を成型する方法に適用可能であり、流路の損傷を抑制できる成型方法を提供することである。
本発明の第1の観点によれば、第1の部材と、前記第1の部材の表面の一部の領域上に配置され、該第1の部材側とは反対側を向く表面に、成型用のパタンが形成された意匠面を含む第2の部材と、前記第1の部材の表面と前記第2の部材の表面とが協同して内壁を画定し、該第2の部材との間で熱交換を行う熱媒体を流す流路とを有する成型装置が提供される。
本発明の第2の観点によれば、第1の部材と、前記第1の部材の表面の一部の領域上に配置され、該第1の部材の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する材料で形成され、該第1の部材側とは反対側を向く表面に、成型用のパタンが形成された意匠面を含む第2の部材と、前記第2の部材の内部側から、該第2の部材の前記意匠面側の表層を加熱するヒータと、前記第1の部材と前記意匠面との間に配置され、前記第2の部材との間で熱交換を行う熱媒体を流す流路とを有する成型装置が提供される。
本発明の第3の観点によれば、成型用のパタンが形成された意匠面を含む第3の部材と、前記第3の部材の内部に配置され、該第3の部材の前記意匠面側の表層を加熱するヒータとを有し、前記ヒータから前記意匠面までの最短の距離が、前記意匠面の有する凹部の最大の深さの5〜10倍である成型装置が提供される。
本発明の第4の観点によれば、(a)第1の部材の表面を部分的にエッチングして、溝を形成する工程と、(b)前記第1の部材の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する材料で形成され、表面に成型用のパタンが形成された意匠面を含む第2の部材の、該意匠面側とは反対側の表面と、前記第1の部材の溝が形成された表面とを貼り合わせることにより、前記溝の内面と前記第2の部材の表面とで画定される流路を形成する工程とを有する成型装置の製造方法が提供される。
本発明の第5の観点によれば、(g)電気的絶縁性を有する材料からなる絶縁性支持部材の表面に、成型用のパタンが形成された意匠面を含む転写構造体を積層する工程と、(h)前記絶縁性支持部材の、前記転写構造体が積層される側とは反対側の表面に、導電性材料からなる導電層を形成する工程と、(i)前記導電層をパタニングして、ヒータを形成する工程とを有する成型装置の製造方法が提供される。
本発明の第6の観点によれば、表面に、成型用のパタンが形成された意匠面を含み、内
部に、該意匠面との間で熱交換を行うための熱媒体を流す流路が形成された構造体の、該意匠面に、成型材料を押し付ける工程と、成型材料が前記意匠面に押し付けられるタイミングに同期して、前記熱媒体が前記流路の内壁に加える圧力が高まるように、該流路内の該熱媒体に印加する圧力及び該流路を流れる該熱媒体の流量の少なくとも一方を変化させる工程とを有する成型方法が提供される。
本発明の第1の観点による成型装置では、第1の部材の表面と第2の部材の表面とが協同して流路の内壁を画定する。つまり、第1の部材の表面と第2の部材の表面とを貼り合せることで、流路が形成される。第1の部材または第2の部材の内部に流路を形成しないので、第1の部材または第2の部材が小さくなっても、流路を形成し易い。
本発明の第2の観点による成型装置では、第2の部材との間で熱交換を行う熱媒体を流す流路が、第1の部材と意匠面との間に配置される。このため、意匠面の冷却が効率的に行われる。さらに、ヒータが、第2の部材の内部側から第2の部材の意匠面側の表層を加熱する。これにより、意匠面に形成された成型パタンが、成型材料に転写されるときに、意匠面を所望の温度以上に保つことが容易となる。
本発明の第3の観点による成型装置では、ヒータから意匠面までの最短の距離が、意匠面の有する凹部の最大の深さの5〜10倍に調整されている。これにより、例えば、温度分布のムラを抑制して、意匠面を加熱することが容易になる。
本発明の第4の観点による成型装置の製造方法では、溝を形成した第1の部材の表面と、第2の部材の表面とを貼り合せることにより、流路が形成される。このため、微細な流路を形成し易い。
本発明の第5の観点による成型装置の製造方法では、導電層をパタニングすることにより、ヒータが形成される。このため、例えば、微細なヒータを形成し易い。
本発明の第6の観点による成型方法では、成型材料が意匠面に押し付けられるタイミングに同期して、熱媒体が流路の内壁に加える圧力を高める。これにより、成型材料が意匠面に押し付けられることに起因して、流路の内壁が変形し、流路が損傷することが抑制される。
図1は、本発明の第1の実施例による成型装置を概略的に示す断面図である。固定金型1a及び可動金型1bから金型1が構成される。金型1が閉じられた状態で、固定金型1aと可動金型1bとの間に、ランナー2aとキャビティ2bとを含む空間2が画定される。
シリンダ30の内部に配置されたスクリュー30aを回転させることにより、溶融状態の成型材料がシリンダ30から射出される。成型材料は、例えば、ポリカーボネート等の樹脂である。駆動機構30bが、スクリュー30aを駆動する。シリンダ30から射出された成型材料は、固定金型1aに形成されたノズル3a及びスプルー3bを通って、空間2に注入される。空間2に注入された成型材料は、ランナー2aを通って、キャビティ2bに充填される。
可動金型1bに、成型用のパタンが形成された意匠面4aを有するプランジャ4が組み込まれている。意匠面4aが、キャビティ2bの内壁の一部を画定する。キャビティ2bに成型材料が充填されるのに同期して、駆動機構40が、キャビティ2bが狭くなるように、プランジャ4を移動させる。
スクリュー30aが成型材料をキャビティ2bに注入する圧力により、成型材料が意匠面4aに押し付けられる。さらに、プランジャ4がキャビティ2b側に移動することにより、成型材料が意匠面4aに押し付けられる圧力が高められる。成型材料が意匠面4aに押し付けられることにより、成型用のパタンが成型材料の表面に転写される。成型材料が、所望のタイミングに、所望の圧力で意匠面4aに押し付けられるように、制御装置50が、スクリュー30aの駆動機構30b及びプランジャ4の駆動機構40を制御する。
プランジャ4の内部に、通電により発熱するヒータHが組み込まれており、ヒータHにより、意匠面4aを加熱することができる。電源5aが、リード線5b及び5cを介してヒータHに接続される。制御装置50が、ヒータHの電源5aを制御する。
ヒータHは、キャビティ2bに注入された成型材料が、意匠面4aの成型パタンの凹部の中に良好に充填されるまで、成型材料が充分に溶融した状態を保つように、意匠面4aを加熱する。これにより、成型パタンの凹部に成型材料を良好に充填できるので、転写精度が向上する。
プランジャ4の内部に、さらに、意匠面4aを冷却することができる冷却水が流れる流路Cが組み込まれている。流路Cは、プランジャ4の内部に形成された給水用流路6a及び排水用流路6bに接続される。ポンプ6cが、流路Cに流入する冷却水の圧力を調整する。バルブ6dが、流路Cから流出する冷却水の流量を調整する。制御装置50が、ポンプ6c及びバルブ6dを制御する。
成型パタンが成型材料に転写された後、流路Cに冷却水が流され、意匠面4aが冷却される。これにより、成型材料を迅速に冷却して固化させることができるので、生産性向上が図られる。
なお、プランジャ4は、可動金型1bから取り外すことができ、他の成型用のパタンが形成された意匠面を有する他のプランジャと交換することが可能である。
次に、図2を参照し、プランジャ4についてより詳しく説明する。図2(A)は、プランジャ4の意匠面4a付近の断面図を示す。支持部材20の上に、断熱部材14が取り付けられている。支持部材20は、例えばSUS等の金属からなり、断熱部材14は、例えばパイレックス(登録商標)ガラスからなる。断熱部材14の厚さは、例えば1〜2mmである。断熱部材14の上面に、溝15が形成されている。
断熱部材14の上に、電気的絶縁性を有するシリコンからなるシリコン部材12が取り付けられている。シリコン部材12の厚さは、例えば150μmである。シリコン部材12は、下側シリコン部材12a及び上側シリコン部材12bが、断熱部材14側から順に積層された構造を有する。下側シリコン部材12a及び上側シリコン部材12bの熱伝導率は、断熱部材14の熱伝導率よりも高い。
下側シリコン部材12aが、溝15の開口を塞ぐように(開口に蓋をするように)、断熱部材14の上面上に配置されている。下側シリコン部材12aで開口を塞がれた溝15が、冷却水を流す流路Cを形成する。支持部材20及び断熱部材14を貫く給水用流路6a及び排水用流路6bが、流路Cに接続される。
ヒータHが、下側シリコン部材12aと上側シリコン部材12bとの間に配置され、シリコン部材12の内部に埋め込まれている。ヒータHは、例えばニッケルクロム合金からなり、通電することにより発熱する。ヒータHの両端に、それぞれ、電極13a及び13bが取り付けられている。電極13a及び13bは、下側シリコン部材12aを貫通して、その下面上に達している。
断熱部材14の側面上に、金属からなる電極取出しパッド13c及び13dが形成されている。電極13a及び13bが、それぞれ、電極取出しパッド13c及び13dを介して、リード線5b及び5cに接続される。
上側シリコン部材12bの上に、例えばニッケル等の金属からなる転写構造体11が形成されている。転写構造体11は、薄膜状のシード層11aと、シード層11a上に形成され、シード層11aの厚さ方向に細長い複数の柱状構造体11bとから構成される。シード層11aの厚さは、例えば数十nmであり、柱状構造体11bの高さは、例えば数十
μmである。転写構造体11のキャビティ2bに露出する面が、意匠面4aを構成する。
なお、転写構造体11の熱伝導率は、断熱部材14の熱伝導率よりも高い。シリコン部材12と転写構造体11とが、伝熱部材10を構成する。なお、シリコン部材12に埋め込まれたヒータHの熱伝導率も、断熱部材14の熱伝導率より高い。
図2(B)は、プランジャ4の平面図であり、ヒータH及び流路Cの形状を示す。円盤状の下側シリコン部材12aの表面に、蛇行する形状を有する線状のヒータHが配置されている。ヒータHの線幅は、例えば100μmである。ヒータHの、紙面上で上行する部分と下行する部分とが、例えば中心間隔(ピッチ)200μmで、互いに平行になるように配置されている。ヒータHの両端に、それぞれ、電極13a及び13bが接続され、電極13a及び13bが、それぞれ、電極取出しパッド13c及び13dに接続されている。電極取出しパッド13c及び13dが、それぞれ、リード線5b及び5cに接続されている。
なお、意匠面における温度分布のムラを抑えて加熱するという観点からは、ヒータHの線幅及びピッチを狭くする方が好ましい。例えば、ヒータHの線幅は、5μm〜100μm程度とする。ピッチは、例えば、線幅の2倍の10μm〜200μm程度とする。このように、本実施の形態では、線幅が10μm以下の微細なヒータHを形成することが可能であり、局部的な加熱ができる。
下側シリコン部材12aの直径は、例えば2〜3mmである。断熱部材14及び支持部材20の上方から見た形状も、下側シリコン部材12aのそれと整合する円形である。ただし、断熱部材14には、電極13a、電極取出しパッド13c、電極13b及び電極取出しパッド13dが配置される領域に、切り欠きが形成されている。また、支持部材20の側面には、リード線5b及び5cが配置される領域に、溝が形成されている。
なお、上側シリコン部材12b及びシード層11aの上方から見た形状も、下側シリコン部材12aのそれと整合する円形である。なお、本実施例のプランジャ4は円筒形状であるが、プランジャは、必要に応じて、角柱形状等他の形状としてもよい。
ヒータHの下の、下側シリコン部材12aと断熱部材14との間に、流路Cが形成されている。給水用流路6aから流路Cに、冷却水が流入する。流路Cに流入する流れは1本である。この1本の流れが、7本の流れに分配され、再び1本の流れに集約されて、流路Cから排水用流路6bへ流出する。流路C内の1本の流路の幅は、例えば100μmである。流れが7本となっている部分で、7本の流路は互いに平行に配置されており、互いに隣り合う流路は、例えば中心間隔(ピッチ)200μmで配置されている。
なお、意匠面における温度分布のムラを抑えて冷却するという観点からは、流路Cの幅及びピッチを狭くする方が好ましい。例えば、流路Cの幅は、5μm〜100μm程度とする。ピッチは、例えば、流路の幅の2倍の10μm〜200μm程度とする。このように、本実施の形態では、幅が10μm以下の微細な流路Cを形成することが可能であり、局部的な冷却ができる。
ここで仮に、流路Cの代わりに、流路Cが配置されている領域に、分岐しない1本の流路からなる流路(例えば、蛇行する形状を有する流路)を配置した場合を考える。このような流路における流入口から流出口までの距離と、流路Cにおける流入口から流出口までの最長距離とを比較すると、流路Cの方が短い。このため、流路Cの方が、給水用流路6aの開口から排水用流路6bの開口まで到達する間の、冷却水の圧力損失を少なくできる。
以上説明した成型装置において、ヒータHに通電すると、図2(A)に示す伝熱部材10が加熱される。伝熱部材10の下に断熱部材14が形成されているので、支持部材20への熱の移動が抑制される。また、ヒータHと意匠面4aとの間に断熱部材が介在しない。これにより、意匠面4aを効率的に加熱することができる。
この成型装置を用いれば、伝熱部材10の内部側から、意匠面4aの表層を加熱することができる。これにより、キャビティ2bに成型材料が充填されている期間中に、意匠面4aの温度を所望の温度以上に保つことが容易になる。
断熱部材14と伝熱部材10との間に形成された流路Cを流れる冷却水は、伝熱部材10に接触して、伝熱部材10との間で熱交換を行う。伝熱部材10の下に断熱部材14が形成されているので、支持部材20からの熱の流入が抑制される。また、流路Cと意匠面
4aとの間に断熱部材が介在しない。これにより、意匠面4aを効率的に冷却することができる。
なお、シリコン部材12の内部に流路Cを埋め込んでも、冷却水が伝熱部材10との間で熱交換するようにできる。ただし、シリコン部材12が、例えば200μm程度以下の薄さであるとき、シリコン部材12の内部に、流路Cとなる空間を埋め込む加工は難しい。
上述した成型装置では、流路Cを、断熱部材14とシリコン部材12との間に形成している。流路Cの内壁を、断熱部材14及びシリコン部材12の表面が協同して画定する。断熱部材14とシリコン部材12とを貼り合せれば流路Cを形成できるので、シリコン部材12の内部に流路Cを埋め込む場合に比べて、加工が容易である。これにより、シリコン部材12を薄くし易い。
シリコン部材12が薄くなるほど、伝熱部材10の熱容量を減少させることができるので、伝熱部材10の加熱及び冷却が迅速に行える。つまり、意匠面4aの加熱及び冷却が迅速に行える。
なお、断熱部材14の上面に溝15を形成する代わりに、下側シリコン部材12aの下面に溝を形成し、その開口を断熱部材14の上面で塞ぐようにして、流路を形成することも可能である。断熱部材14の上面及び下側シリコン部材12aの下面の双方に溝を形成して、流路を形成することも可能である。ただし、下側シリコン部材12aの下面に溝を形成すると、シリコン部材12の機械的強度がやや低下する可能性がある。そのため、シリコン部材12を薄く形成したい場合は、下側シリコン部材12aの下面には溝を形成せず、断熱部材14の上面に溝15を形成して流路を作製する方が好ましい。
なお、断熱部材14は、上面に溝15を形成しても充分な機械的強度が得られる程度に厚く形成される。断熱性の観点からは、断熱部材14は厚い方が好ましい。
なお、下側シリコン部材12aの下面に溝を形成しなくても、シリコン部材12を薄くすれば、その機械的強度は低下し、伝熱部材10の機械的強度が低下する。流路Cから意匠面4aまでの最短距離(上述の実施例では、この距離は、下側シリコン部材12aの下面からシード層11aの上面までの厚さに対応する)を考えたとき、この距離には、伝熱部材10の機械的強度を確保し、かつ意匠面4aの冷却を迅速に行うのに適した範囲が存在する。流路Cと意匠面4aとの最短距離は、100μm〜200μmの範囲に設定するのが好ましい。
次に、図3〜図5を参照して、プランジャ4の作製方法について説明する。まず、図3を参照して、図2(A)に示した伝熱部材10、ヒータH、電極13a及び13bが一体となった意匠面側構造体4Aの作製方法について説明する。
図3(A)に示すように、上側シリコン部材12bの下面上に導電膜13を成膜する。導電膜13は、例えばニッケルクロム等からなり、例えばスパッタリング等の物理蒸着法(PVD法)により成膜される。
次に、図3(B)に示すように、導電膜13をパタニングし、ヒータHを形成する。さらに、上側シリコン部材12bの上面上に、シード層11aを形成する。シード層11aは、例えばニッケル等の金属からなり、例えば物理蒸着法で成膜される。
次に、図3(C)に示すように、ヒータHを覆うように、下側シリコン部材12aを、
上側シリコン部材12bの下面上に積層する。下側シリコン部材12aは、例えば、ポリシリコンを化学気相成長法(CVD法)で成膜することにより形成される。
次いで、下側シリコン部材12aをパタニングし、電極13a及び13bを形成する位置に、それぞれ、底面にヒータHが露出する凹部を形成する。さらに、この凹部を埋め込むように、下側シリコン部材12aの下面上に、金属膜を成膜する。この金属膜は、例えばアルミニウムからなり、例えば物理蒸着法で成膜される。この金属膜をパタニングして、電極13a及び13bが形成される。
次に、図3(D)に示すように、シード層11aの上に、ポリメチルメタクリレート(PMMA)からなるレジスト層11baを形成する。
次に、図3(E)に示すように、X線マスク11bcを介して、図3(D)に示したレジスト層11baをX線で露光する。レジストを現像し、レジストパタン11bbを形成する。レジストパタン11bbの凹部の底面に、シード層11aが露出する。
次に、図3(F)に示すように、図3(E)に示したレジストパタン11bbの凹部に、電解めっきにより例えばニッケルを充填して、柱状構造体11bを形成する。柱状構造体11bの形成後、レジストパタン11bbを除去する。なお、上述のように、X線露光で形成されるレジストパタンを型として、電気めっきにより金属構造体を形成する方法は、LIGA(Lithographie,Galvanoformung,Abformung)と呼ばれる。
次に、図4を参照して、図2(A)に示した断熱部材14及び電極取出しパッド13c及び13dが一体となった支持部材側構造体4Bを作製する方法について説明する。図4(A)に示すように、断熱部材14の上面上に、流路Cに対応する開口パタンを有するレジストパタン15aを形成する。断熱部材14は、例えばガラスからなる。
次に、図4(B)に示すように、レジストパタン15aの開口の底に露出した断熱部材14の表層をエッチングし、溝15を形成する。その後、レジストパタン15aを除去する。
次に、図4(C)に示すように、給水用流路6a及び排水用流路6bを形成する。さらに、電極13a及び電極取出しパッド13cが形成される領域に切り欠き14aを形成し、電極13b及び電極取出しパッド13dが形成される領域に切り欠き14bを形成する。流路6a及び6bと切り欠き14a及び14bは、例えば、CO2レーザやYAGレーザ等を用いたレーザドリルにより形成される。
次に、図4(D)に示すように、切り欠き14a及び14bに金属(例えば、アルミニウム、鉛、スズ等)を充填し、電極取出しパッド13c及び13dが形成される。
次に、図5(A)に示すように、意匠面側構造体4Aと支持部材側構造体4Bとを接合して、プランジャ上部構造体4Cを作製する。断熱部材14がガラスからなるとき、以下に説明するように、意匠面側構造体4Aと支持部材側構造体4Bとを陽極接合により接合できる。
意匠面側構造体4Aと支持部材側構造体4Bとを、意匠面側構造体4Aの電極13a及び13bと、支持部材側構造体4Bの電極取出しパッド13c及び13dとが、互いに適切な位置関係となるように位置合わせし、下側シリコン部材12aの下面と断熱部材14の上面とを密着させる。
意匠面側構造体4A及び支持部材側構造体4Bを、例えば450℃程度に加熱し、それと同時に、下側シリコン部材12aと断熱部材14との界面に、下側シリコン部材12a側がプラスとなるように電圧を印加する。これにより、シリコンからなる下側シリコン部材12aとガラスからなる断熱部材14とが接合される。シリコン部材とガラス部材のこのような接合方法は、陽極接合と呼ばれる。
次に、プランジャ上部構造体4Cを、支持部材20に接合する。図5(B)に示すように、給水用水路6a及び排水用水路6bが形成され、リード線5b及び5cがそれぞれ配置される溝20a及び20bが形成された支持部材20を準備する。給水用水路6a及び排水用水路6bと、溝20a及び20bは、例えば機械的なドリルにより形成することができる。
支持部材20の上面に、水ガラス14cを、例えば刷毛を用いて塗布する。なお、水ガラス14cは、給水用水路6a及び排水用水路6bの開口が塞がれないように塗布する。水ガラス14cの厚さは、例えば1μm程度である。水ガラス14cを接着剤として、断熱部材14の下面と支持部材20の上面とを接合する。
プランジャ上部構造体4Cと支持部材20との位置合わせは、例えば以下のように行われる。断熱部材14の下面に位置合わせ用の凹部または凸部を形成し、支持部材20の上面に、それに対応する凸部または凹部を形成しておく。断熱部材14及び支持部材20に形成された凹部及び凸部を嵌め合わせることにより、両部材の位置合わせを行うことができる。位置合わせで嵌め合わされる凹部及び凸部の位置は、プランジャ上部構造体4Cに形成された給水用流路6a及び排水用流路6bが、それぞれ、支持部材20に形成された給水用流路6a及び排水用流路6bと接続するように定められる。
プランジャ上部構造体4Cと支持部材20とが接合された後、電極取出しパッド13c及び13dに、それぞれ、リード線5b及び5cが接続される。以上説明したようにして、プランジャ4を作製することができる。
成型材料が意匠面4aに押し付けられるとき、流路C内に空隙が存在すると、流路Cの内壁が歪みやすく、流路Cが損傷しやすい。また、空隙が存在しなくとも、流路C内を満たすのは流体であるので、流路Cが押し潰されるように損傷する恐れがある。
次に、図6を参照し、本実施例による成型装置を用いて、流路Cの損傷を抑制する方法について説明する。図6は、成型材料が意匠面4aに印加する圧力P1、図1に示すポンプ6cが冷却水に印加する圧力P2、バルブ6dを通過する冷却水の流量F、及びヒータHに流れる電流Iが、成型加工において、どのように変化するかを示すタイミングチャートである。
意匠面4aへの圧力印加が、時刻t1に開始され、時刻t4に終了する。意匠面4aへの印加圧力は、圧力印加期間の初期である時刻t1〜t2までの期間で最も高い。この期間の圧力をP11とする。その後、時刻t2〜t3までの期間では、圧力P11より低い圧力P12が印加される。さらにその後、時刻t3〜t4までの期間では、圧力P12より低い圧力P13が印加される。時刻t3が、意匠面4a上の成型パタンの凹部への成型材料の充填が完了する時刻を示す。時刻t3〜t4までの期間に意匠面4aに印加される圧力P13は、成型材料に転写された構造が崩れないようにするための保圧である。
時刻t1より少し前の時刻t0に、ヒータHへの通電が開始され、意匠面4aが加熱される。ヒータHへの通電は、時刻t3まで続けられる。
時刻t1より前の期間において、流路Cは、内部に冷却水が満たされ、空隙が存在しない状態にされている。この期間において、ポンプ6cが、冷却水に一定の圧力P20を印加する。また、この期間において、バルブ6dは閉じられており、流路Cから冷却水は流出しない。仮に圧力P20が高過ぎると、冷却水が、図2(A)に示す下側シリコン部材12aを押し上げ、下側シリコン部材12aと断熱部材14との貼り合せ構造が破壊されてしまう。圧力P20は、この貼り合せ構造を破壊しない程度の高さである。
意匠面4aに圧力が印加される時刻t1〜t4までの期間には、ポンプ6cが冷却水に圧力P20より高い圧力を印加して、冷却水が流路Cの内壁に印加する圧力を、時刻t1より前の期間のそれより高める。流路Cが押し潰されないような圧力を、冷却水が流路Cの内壁に印加するように、ポンプ6cにより冷却水に印加される圧力が設定される。
時刻t1〜t2までの期間には、意匠面4aへの印加圧力P11に応じた圧力P21が、時刻t2〜t3までの期間には、意匠面4aへの印加圧力P12に応じた圧力P22が、ポンプ6cにより冷却水に印加される。圧力P11が圧力P12より高いことに対応して、圧力P21は圧力P22より高い。時刻t1〜t3までの期間は、バルブ6dが閉じられた状態が保たれる。
時刻t3以後も、ポンプ6cが冷却水に印加する圧力がP22に保たれる。時刻t3に、バルブ6dが開かれる。時刻t3以後、流路Cを冷却水が流れ、意匠面4aが冷却される。なお、時刻t3以後にポンプ6cが冷却水に印加する圧力が、時刻t2〜t3までの期間の印加圧力P22と異なっていても構わない。
以上説明したように、本実施例による成型装置を用いれば、意匠面4aに成型材料が押し付けられることに伴う流路Cの損傷を抑制することができる。
上述の説明では、時刻t1〜t3までの期間において、バルブ6dを閉じ、冷却水が流路Cを流れない状態にした。バルブ6dを閉じた状態で、ポンプ6cが冷却水に加える圧力を高めると、バルブ6dを開いた状態で、ポンプ6cが冷却水に加える圧力を高める場合より、冷却水が流路Cの内壁に加える圧力を高くしやすい利点がある。
なお、流路Cの損傷を充分に抑制できるのであれば、時刻t1〜t3までの期間に、冷却水がある程度流路Cを流れる状態であっても構わない。ただし、冷却水の流量は、ヒータHによる加熱が充分に行われる程度に抑える。
なお、バルブ6dで流量を調整することにより、冷却水が流路Cの内壁に加える圧力を高めることも可能である。
なお、流路Cに流入する冷却水の流量を調整するバルブを設け、そのバルブによる流量調整により、冷却水が流路Cの内壁に加える圧力を高めることも可能である。
なお、冷却水が流れる流路Cの近傍に、ヒータHが配置されているが、冷却水に適当な圧力が印加されることにより、冷却水の沸点が上昇して、沸騰が防止される。
なお、上述の実施例では、流路C内に流す熱媒体として水を用いたが、熱媒体としてその他、フロリナート(住友スリーエム株式会社の製品)等を用いることもできる。
次に、第2の実施例による成型装置について説明する。図8(A)は、第2の実施例による成型装置(電動射出成型機)を示す概略図である。射出成型機340が、射出装置350及び型締装置370を含んで構成される。
射出装置350は、加熱シリンダ351を備え、加熱シリンダ351に、樹脂を供給するホッパ352が配設される。また、加熱シリンダ351内に、スクリュー353が進退自在かつ回転自在に配設される。スクリュー353の後端は、支持部材354によって回転自在に支持される。支持部材354に、サーボモータ等の計量モータ355が駆動部として取り付けられ、計量モータ355の回転が、計量モータ355の出力軸361に取り付けられたタイミングベルト356を介して、被駆動部のスクリュー353に伝達されるようになっている。計量モータ355の出力軸361の後端に、検出器362が直結している。検出器362は、計量モータ355の回転数または回転量を検出する。検出器362により検出された回転数または回転量に基づいて、スクリュー353の回転速度が求められる。
射出装置350はさらに、スクリュー353と平行なねじ軸357を回転自在に備える。ねじ軸357の後端は、サーボモータ等の射出モータ359の出力軸363に取り付けられたタイミングベルト358を介して、射出モータ359に連結されている。従って、射出モータ359によってねじ軸357を回転させることができる。ねじ軸357の前端は支持部材354に固定されたナット360と螺合させられる。駆動部である射出モータ359を駆動し、タイミングベルト358を介して駆動伝達部であるねじ軸357を回転させると、支持部材354は前後進する。
支持部材354に、荷重の検出器であるロードセル365が取り付けられている。支持部材354の前後進運動が、ロードセル365を介してスクリュー353に伝えられることにより、スクリュー353が前後進する。ロードセル365により検出された力に対応するデータが、制御装置310に送出される。射出モータ359の出力軸363の後端に、検出器364が直結している。検出器364は、射出モータ359の回転数または回転量を検出する。検出器364により検出された回転数及び回転量に基づいて、スクリュー353の前後進方向の移動速度または前後進方向の位置が求められる。
型締装置370は、可動側の金型371が取り付けられた可動プラテン372と、固定側の金型373が取り付けられた固定プラテン374とを含む。可動プラテン372と固定プラテン374とは、タイバー375によって連結される。可動プラテン372はタイバー375に沿って摺動可能である。また、型締装置370は、トグル機構377を含む。トグル機構377は、一端が可動プラテン372と連結し、他端がトグルサポート376と連結する。トグルサポート376の中央において、ボールねじ軸379が回転自在に支持されている。トグル機構377に設けられたクロスヘッド380に固定されたナット381が、ボールねじ軸379に螺合させられている。また、ボールねじ軸379の後端にプーリー382が配設され、サーボモータ等の型締モータ378の出力軸83とプーリー382との間に、タイミングベルト384が架け渡されている。
型締装置370において、駆動部である型締モータ378を駆動すると、型締モータ378の回転が、タイミングベルト384を介して、駆動伝達部であるボールねじ軸379に伝達される。そして、ボールねじ軸379及びナット381によって、運動方向が回転運動から直線運動に変換され、トグル機構377が作動させられる。トグル機構377の作動により、可動プラテン372がタイバー375に沿って摺動し、型閉じ、型締め及び型開きが行われる。
型締モータ378の出力軸383の後端に、検出器385が直結している。検出器385は、型締モータ378の回転数または回転量を検出する。検出器385により検出された回転数または回転量に基づいて、ボールねじ軸379の回転に伴って進退するクロスヘッド380の位置、または、トグル機構377によってクロスヘッド380に連結された被駆動部である可動プラテン372の位置が求められる。制御装置310が、計量モータ355、射出モータ359、型締モータ378を制御する。
可動側の金型371と固定側の金型373との間に、キャビティcavが形成される。キャビティcavと加熱シリンダ351の内部とが連通している。可動金型371のキャビティcavに面する領域に、図5(A)に示したプランジャ上部構造体4Cと同様な構造体300が配置されている。キャビティcavに面して意匠面が配置される。なお、構造体300の意匠面の大きさは、図2(B)を参照して例示した大きさである2〜3mmより大きくて構わない。
図8(B)に示すように、構造体300はヒータH、及び冷却水を流す流路Cを有する。ヒータHが、リード線301a及び301bを介して電源301cに接続される。流路Cが、給水用流路302a及び排水用流路302bに接続される。ポンプ302cが、流路Cに流入する冷却水の圧力を調整する。制御装置310が、ポンプ302cを制御する。
次に、第2の実施例の成型装置を用いた成型方法について説明する。まず、計量モータ355でスクリュー353を回転させることにより、ホッパ352からスクリュー353の後部に落ちた樹脂を溶融させながら、加熱シリンダ352の先端部に送り込む。加熱シリンダ352の先端に樹脂が溜まるにつれ、スクリュー353が後退する。
次に、射出モータ359によりスクリュー353を前進させて、樹脂をキャビティcav内に充填する。キャビティcav内に充填された後、スクリュー353により、樹脂に保圧が印加される。保圧は、樹脂の冷却に伴う収縮に起因して、転写精度を低下させないために印加される。このようにして、樹脂が意匠面に押し付けられ、意匠面の形状が樹脂に転写される。次いで、キャビティcav内の樹脂が充分に冷却された後、金型を開き、成型品を取り出す。
キャビティcav内への樹脂の充填が開始されてから、保圧の印加が開始されるまでの期間を、充填期間と呼ぶこととする。保圧の印加開始から終了までの期間を、保圧期間と呼ぶこととする。充填期間及び保圧期間において、流路Cの損傷を抑制するため、ポンプ302cにより、流路Cに流す熱媒体への印加圧力を高める。
次に、図9を参照し、充填期間及び保圧期間において、スクリュー353により樹脂に加えられた圧力(これを転写印加圧力と呼ぶこととする)の時間変化について説明する。転写印加圧力は、図8(A)に示したロードセル365が検出した力に基づいて求められる。図9の最上段のグラフが、転写印加圧力の時間変化を示す。充填期間の開始時刻及び終了時刻が、それぞれ時刻t10及び時刻t14である。保圧期間の開始時刻及び終了時刻が、それぞれ時刻t14及び時刻t15である。
充填期間が開始すると、転写印加圧力が上昇し、時刻t12で最大となる。転写印加圧力は、時刻t12で最大となった後低下し、充填期間の終了時刻t14に保圧の設定値Pkに達する。保圧期間である時刻t14から時刻t15まで、転写印加圧力は設定値Pkに維持される。保圧印加終了に伴い、時刻t15以後、転写印加圧力は設定値Pkから低下していく。
次に、転写印加圧力を上述のように変化させるための、射出モータ359の制御方法について説明する。なお、射出モータ359のこのような制御方法は、特開2001―277322号公報に開示されている。射出モータ359は、充填期間においては速度制御モードで制御され、保圧期間においては圧力制御モードで制御される。図9の上から2段目のグラフが、速度制御モードにおけるスクリュー353の目標速度を示す。図9の上から3段目のグラフが、圧力制御モードにおいて、スクリュー353が樹脂に印加する目標圧力を示す。
まず、速度制御モードについて説明する。充填期間が開始した後、スクリュー353を第1の設定位置まで前進させる。スクリュー353が第1の設定位置に到達する時刻が時刻t13である。充填期間が開始してから、スクリュー353が第1の設定位置に到達するまでの期間(時刻t10〜時刻t13)は、スクリュー353の速度が目標速度V1となるように、射出モータ359が制御される。
スクリュー353が第1の設定位置に到達したら、スクリュー353を第2の設定位置まで後退させる。スクリュー353が第2の設定位置に到達する時刻が時刻t14である。スクリュー353が第1の設定位置を出発してから、第2の設定位置に到達するまでの期間(時刻t13〜時刻t14)は、スクリュー353の速度が目標速度V2となるように、射出モータ359が制御される。
スクリュー353の前進に伴い、転写印加圧力が高まり、スクリュー353が前進している期間中に、転写印加圧力が最大値に達する。スクリュー353を第1の設定位置まで前進させた後、第2の設定位置まで後退させることにより、転写印加圧力を速やかに保圧の設定値Pkまで低下させることができる。
次に、圧力制御モードについて説明する。保圧期間の開始時刻t14に、転写印加圧力が保圧の設定値Pkまで低下している。保圧期間である時刻t14から時刻t15まで、転写印加圧力が、保圧の設定値Pkに維持されるように、射出モータ359が制御される。
次に、引き続き図9を参照し、充填期間及び保圧期間において、ポンプ302cが流路Cに流す熱媒体に印加する圧力(これを流路印加圧力と呼ぶこととする)の時間変化について説明する。図9の最下段のグラフが、流路印加圧力の時間変化を示す。転写印加圧力のグラフに示すように、転写印加圧力について閾値Pcが設定されている。閾値Pcは、保圧の設定値Pkより低い。
充填期間の開始前に、一定の流路印加圧力P30が印加されている。充填期間が開始すると、転写印加圧力が上昇して、時刻t11に閾値Pcに達する。転写印加圧力が閾値Pcとなったら、流路印加圧力をP30から上昇させる。転写印加圧力が上昇している期間は、流路印加圧力も上昇させる。転写印加圧力が時刻t12に最大値となるのに対応して、時刻t2に流路印加圧力を最大値P31とする。転写印加圧力は、最大値に到達した後に低下し、一定値Pkとなる。流路印加圧力も、最大値に到達した後に、保圧の設定値Pkに対応した値P32まで低下させる。保圧期間が終了すると、転写印加圧力がPkから低下して、時刻t16に閾値Pcに達する。転写印加圧力が閾値Pcとなったら、流路印加圧力をP30まで低下させる。
上述のように流路印加圧力が変化するように、制御装置310が、転写印加圧力に基づいて、ポンプ302cを制御する。なお、バルブで流量を調整することにより、流路印加圧力を制御するような構成としてもよい。
なお、ロードセル365が検出する力と転写印加圧力とは対応する。このため、ロードセル365に検出される力に関して、転写印加圧力の閾値Pcに対応する閾値を設定しておき、ロードセル365が検出した力の時間変化に基づいて、流路印加圧力を制御してもよい。
第2の実施例の成型装置においては、このように、スクリュー353により成型材料が意匠面に押し付けられるタイミングに基づいて(同期して)、熱媒体が流路Cの内壁に加える圧力を高めることにより、流路Cの損傷が抑制される。
なお、意匠面からヒータまでの距離について、良好な加熱に適した範囲が存在する。意匠面からヒータまでの距離が遠すぎると、意匠面を充分に加熱できない。一方、意匠面からヒータまでの距離が近すぎると、意匠面を均一に加熱することが困難になる。意匠面を充分にかつ温度分布のムラを抑えて加熱するという観点から、意匠面からヒータまでの最短距離を、意匠面が有する凹部の最大の深さの5〜10倍とすることが好ましい。
線状の発熱部分が、その長さ方向と交差する方向に、一定のピッチで並ぶような構造を含むヒータ(例えば図2(B)に示したヒータH)について考える。このような構造のヒータにおいて、線状部分が並ぶピッチ(相互に最隣接する2つの線状部分の中心間隔)を、意匠面からヒータまでの最短距離の1/5〜1/4倍とすると、意匠面上の加熱ムラを抑えることが特に容易になる。
再び図2(A)及び図2(B)を参照して、良好な加熱に特に適したヒータHの配置位置及びサイズの例について説明する。まず1番目の例について説明する。転写構造体11において、シード層11aの厚さが数十nmであり、柱状構造体11bの高さが20μmである。この例では、柱状構造体11bの高さ20μmが、意匠面4aが有する凹部の最大の深さとなる。シード層11aの上面からヒータHの上面までの深さが、120μmである。この例では、シード層11aの上面からヒータHの上面までの深さ120μmが、意匠面4aからヒータHまでの最短距離となる。
シード層11aの上面から流路Cの上面までの深さ(意匠面4aから流路Cまでの最短距離)が、150μmである。シリコン部材12の厚さが、約150μm(150μmからシード層11aの厚さを引いた厚さ)である。ヒータHの線幅が15μmであり、ヒータHの線状部分が並ぶピッチ(蛇行する形状のヒータHの、上行する部分と下行する部分の中心間隔)が30μmである。
次に2番目の例について説明する。転写構造体11において、シード層11aの厚さが数十nmであり、柱状構造体11bの高さが80μmである。この例では、柱状構造体11bの高さ80μmが、意匠面4aが有する凹部の最大の深さとなる。シード層11aの上面からヒータHの上面までの深さが、400μmである。この例では、シード層11aの上面からヒータHの上面までの深さ400μmが、意匠面4aからヒータHまでの最短距離となる。
シード層11aの上面から流路Cの上面までの深さ(意匠面4aから流路Cまでの最短距離)が、500μmである。シリコン部材12の厚さが、約500μm(500μmからシード層11aの厚さを引いた厚さ)である。ヒータHの線幅が45μmであり、ヒータHの線状部分が並ぶピッチ(蛇行する形状のヒータHの、上行する部分と下行する部分の中心間隔)が90μmである。
なお、シード層11aの上面からヒータHの上面までの厚さを薄く形成することが容易であること(つまり、意匠面からヒータまでの最短距離を短くすることが容易であること)も、実施例による成型装置の1つの特徴である。意匠面からヒータまでの最短距離は、1mm以下である。意匠面からヒータまでの距離が短い方が、迅速な加熱が容易となる。
なお、ヒータHの厚さは、例えば0.1μm〜1μmの範囲である。成型サイクルや成型品に対応して加熱に要する熱量が決定される。ヒータHの厚さは、成型サイクルや成型品に対応して定めることができる。
なお、流路とヒータの平面視上の形状は、図2(B)に例示した形状以外のものであっても構わない。例えば、図10に示すように、流路Cv及びヒータHvを、渦巻き状とすることができる。なお、図において流路Cvにハッチングを入れている。渦巻き状の流路Cvの相互に隣り合う部分の間に、ヒータHvが配置される(または、渦巻き状のヒータHvの相互に隣り合う部分の間に、流路Cvが配置される。)。流路Cv及びヒータHvの渦の中心部分は共通である。このような流路Cv及びヒータHvは、平面視上互いに交差しない。流路Cvの一端に給水用流路が接続され、他端に排水用流路が接続される。
成型技術において一般に、意匠面側から成型品を押して、意匠面から成型品を取り外す突き出し機構が用いられる。平面視上において意匠面の中心近傍に、転写すべき構造が形成されていないとする。例えばこの場合、意匠面の中心近傍の、転写すべき構造が形成されていない領域に、突き出し用の部材を配置することができる。
図10に示したような形状の流路Cv及びヒータHvを採用すると、渦の中心近傍(意匠面の中心近傍に対応する)に、流路Cv及びヒータHvが形成されていない領域400を配置し易い。このような領域400を設ければ、領域400内に、断熱部材側から意匠面側に貫通する貫通孔401を設け、貫通孔401内に突き出し用の部材402を配置することが容易となる。
さらに、図10に示したような渦巻き状の冷却流路を、長さ方向に関して複数の流路に分割して、それぞれの冷却流路に給水用流路と排水用流路とを接続するようにしてもよい。この場合、それぞれの冷却流路において、給水用流路から排水用流路までに到達する間の、冷却水の圧力損失を抑えることができる。このため、流路内の圧力制御の応答性を向上させることができ、成型サイクルの短縮化が図られる。
なお、第2の実施例では、可動側の金型371と固定側の金型373とによりキャビティcavが形成された後に、スクリュー353の前進により樹脂が意匠面に押し付けられる例を示した。しかしながら、可動側の金型371と固定側の金型373とがわずかに離れた状態、つまり、キャビティcavが完全に形成される前に、樹脂を所定量だけ充填してもよい。その場合、充填された後に、型締モータ378の駆動力による可動側の金型371の前進動作により、樹脂が意匠面に押し付けられる。その結果、射出装置350を構成する射出モータ359、ねじ軸357等に掛かる負荷が低減し、部品寿命を向上させることができるので、成型品の生産性も向上させることができる。
なお、上述の実施例では、転写構造体(意匠面を定める構造体)をLIGAによりシリコン部材上に形成した。予め作製された、意匠面を定める構造体を、シリコン部材上に取り付けることも可能である。
なお、上述の実施例では、シリコン部材中にヒータを埋め込んだが、ヒータを埋め込む部材の材料は、シリコンに限定されない。電気的に絶縁性であり、かつ伝熱性に優れた他の材料、例えば窒化アルミニウム、ダイヤモンドライクカーボン等も、ヒータを埋め込む部材の材料として用いることができるであろう。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
本発明の第1の実施例による成型装置を概略的に示す断面図である。 図2(A)は、プランジャ4の断面図であり、図2(B)は、プランジャ4の平面図である。 図3(A)〜図3(F)は、プランジャ4の一部分である意匠面側構造体4Aの作製方法を説明するための断面図である。 図4(A)〜図4(D)は、プランジャ4の一部分である支持部材側構造体4Bの作製方法を説明するための断面図である。 図5(A)は、意匠面側構造体4Aと支持部材側構造体4Bとを接合する方法を説明するための断面図であり、図5(B)は、プランジャ4の一部分である支持部材20の断面図である。 成型材料が意匠面4aに印加する圧力、ポンプ6cが冷却水に印加する圧力、バルブ6dを通過する冷却水の流量、及びヒータHに流れる電流が、成型加工において、どのように変化するかを示すタイミングチャートである。 図7(A)及び図7(B)は、従来技術による成型装置を概略的に示す断面図である。 図8(A)及び図8(B)は、本発明の第2の実施例による成型装置を示す概略図である。 図9は、第2の実施例による成型装置を用いた成型方法を説明するためのグラフである。 流路及びヒータの形状の例を説明するための平面図である。
符号の説明
1 金型
1a 固定金型
1b 可動金型
2 (固定金型と可動金型との間に画定される)空間
2a ランナー
2b キャビティ
3a ノズル
3b スプルー
4 プランジャ
4a 意匠面
H ヒータ
C 流路
5a 電源
5b、5c リード線
6a 給水用流路
6b 排水用流路
6c ポンプ
6d バルブ
50 制御装置
30 シリンダ
30a スクリュー
30b (スクリューの)駆動機構
40 (プランジャの)駆動機構
10 伝熱部材
11 転写構造体
11a シード層
11b 柱状構造体
12 シリコン部材
12a 下側シリコン部材
12b 上側シリコン部材
13a、13b 電極
13c、13d 電極取出しパッド
14 断熱部材
20 支持部材

Claims (25)

  1. 第1の部材と、
    前記第1の部材の表面の一部の領域上に配置され、該第1の部材側とは反対側を向く表面に、成型用のパタンが形成された意匠面を含む第2の部材と、
    前記第1の部材の表面と前記第2の部材の表面とが協同して内壁を画定し、該第2の部材との間で熱交換を行う熱媒体を流す流路と
    を有する成型装置。
  2. 前記第1の部材が断熱部材であり、前記第2の部材が、該第1の部材の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する材料で形成された請求項1に記載の成型装置。
  3. 前記流路から前記意匠面までの最短の距離が、100μm〜200μmである請求項1または2に記載の成型装置。
  4. さらに、
    成型材料を前記意匠面に押し付ける押圧機構と、
    外部から入力される制御信号に基づいて、前記流路内の前記熱媒体に印加する圧力、及び該流路を流れる該熱媒体の流量の少なくとも一方を変化させる調整機構と、
    前記押圧機構により成型材料が前記意匠面に押し付けられるタイミングに基づいて、前記熱媒体が前記流路の内壁に加える圧力が高まるように、前記調整機構を制御する制御装置と
    を有する請求項1〜3のいずれかに記載の成型装置。
  5. 前記調整機構が、前記流路内の前記熱媒体に印加する圧力を変化させるポンプ、及び該熱媒体が該流路を流れる状態と流れない状態とを切り替えるバルブを有し、
    前記制御装置は、前記熱媒体が前記流路を流れない状態となるように前記バルブを制御し、かつ前記流路内の前記熱媒体に印加される圧力が高められるように前記ポンプを制御する請求項4に記載の成型装置。
  6. 前記押圧機構は、成型材料を前記意匠面に押し付ける押圧部材を含み、
    さらに、前記押圧部材が成型材料を押す力を検出できる検出器を有し、
    前記制御装置は、前記検出器に検出された力が閾値以上となるタイミングに基づいて、前記流路の内壁に前記熱媒体が加える圧力を高めるように、前記調整機構を制御する請求項4または5に記載の成型装置。
  7. 第1の部材と、
    前記第1の部材の表面の一部の領域上に配置され、該第1の部材の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する材料で形成され、該第1の部材側とは反対側を向く表面に、成型用のパタンが形成された意匠面を含む第2の部材と、
    前記第2の部材の内部側から、該第2の部材の前記意匠面側の表層を加熱するヒータと、
    前記第1の部材と前記意匠面との間に配置され、前記第2の部材との間で熱交換を行う熱媒体を流す流路と
    を有する成型装置。
  8. 前記流路が、前記第1の部材と前記第2の部材との間に配置される請求項7に記載の成型装置。
  9. 前記流路の内壁を、前記第1の部材の表面と前記第2の部材の表面とが協同して画定する請求項7または8に記載の成型装置。
  10. 前記流路から前記意匠面までの最短の距離が、100μm〜200μmである請求項7〜9のいずれかに記載の成型装置。
  11. 前記第2の部材は、電気的絶縁性を有する材料からなる絶縁性部材を含み、前記ヒータは、該絶縁性部材に埋め込まれた導電性部材を含む請求項7〜10のいずれかに記載の成
    型装置。
  12. さらに、
    成型材料を前記意匠面に押し付ける押圧機構と、
    外部から入力される制御信号に基づいて、前記流路内の前記熱媒体に印加する圧力、及び該流路を流れる該熱媒体の流量の少なくとも一方を変化させる調整機構と、
    前記押圧機構により成型材料が前記意匠面に押し付けられるタイミングに基づいて、前記熱媒体が前記流路の内壁に加える圧力が高まるように、前記調整機構を制御する制御装置と
    を有する請求項7〜11のいずれかに記載の成型装置。
  13. 前記調整機構が、前記流路内の前記熱媒体に印加する圧力を変化させるポンプ、及び該熱媒体が該流路を流れる状態と流れない状態とを切り替えるバルブを有し、
    前記制御装置は、前記熱媒体が前記流路を流れない状態となるように前記バルブを制御し、かつ前記流路内の前記熱媒体に印加される圧力が高められるように前記ポンプを制御する請求項12に記載の成型装置。
  14. 前記押圧機構は、成型材料を前記意匠面に押し付ける押圧部材を含み、
    さらに、前記押圧部材が成型材料を押す力を検出できる検出器を有し、
    前記制御装置は、前記検出器に検出された力が閾値以上となるタイミングに基づいて、前記流路の内壁に前記熱媒体が加える圧力を高めるように、前記調整機構を制御する請求項12または13に記載の成型装置。
  15. 成型用のパタンが形成された意匠面を含む第3の部材と、
    前記第3の部材に配置され、該第3の部材の前記意匠面側の表層を加熱するヒータと
    を有し、前記ヒータから前記意匠面までの最短の距離が、前記意匠面の有する凹部の最大の深さの5〜10倍である成型装置。
  16. 前記ヒータは、線状の発熱部分が、その長さ方向と交差する方向に、一定のピッチで並ぶ等ピッチ部を含み、該ピッチは、前記ヒータから前記意匠面までの最短距離の1/5〜1/4倍である請求項15に記載の成型装置。
  17. 前記第3の部材は、電気的絶縁性を有する材料からなる絶縁性部材を含み、前記ヒータは、該絶縁性部材に埋め込まれた導電性部材を含む請求項15または16に記載の成型装置。
  18. さらに、第4の部材を有し、前記第3の部材は、該第4の部材の表面上に配置され、該第4の部材の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する材料で形成され、該第4の部材側とは反対側を向く表面に前記意匠面を含む請求項15〜17のいずれかに記載の成型装置。
  19. 前記ヒータから前記意匠面までの最短の距離が1mm以下である請求項15〜18のいずれかに記載の成型装置。
  20. (a)第1の部材の表面を部分的にエッチングして、溝を形成する工程と、
    (b)前記第1の部材の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する材料で形成され、表面に成型用のパタンが形成された意匠面を含む第2の部材の、該意匠面側とは反対側の表面と、前記第1の部材の溝が形成された表面とを貼り合わせることにより、前記溝の内面と前記第2の部材の表面とで画定される流路を形成する工程と
    を有する成型装置の製造方法。
  21. さらに、
    (c)電気的絶縁性を有する材料からなる絶縁性支持部材の表面に、導電性材料からなる導電層を形成する工程と、
    (d)前記導電層をパタニングすることにより、ヒータを形成する工程と、
    (e)前記ヒータを、電気的絶縁性を有する材料で被覆することにより、絶縁性部材を形成する工程と
    (f)前記絶縁性部材の上に、前記意匠面を含む転写構造体を積層することにより、前記第2の部材を形成する工程と
    を有する請求項20に記載の成型装置の製造方法。
  22. (g)電気的絶縁性を有する材料からなる絶縁性支持部材の表面に、成型用のパタンが形成された意匠面を含む転写構造体を積層する工程と、
    (h)前記絶縁性支持部材の、前記転写構造体が積層される側とは反対側の表面に、導電性材料からなる導電層を形成する工程と、
    (i)前記導電層をパタニングして、ヒータを形成する工程と
    を有する成型装置の製造方法。
  23. 前記絶縁性支持部材の上に前記転写構造体をLIGAにより形成する請求項21または22に記載の成型装置の製造方法。
  24. (j)表面に、成型用のパタンが形成された意匠面を含み、内部に、該意匠面との間で熱交換を行うための熱媒体を流す流路が形成された構造体の、該意匠面に、成型材料を押し付ける工程と、
    (k)成型材料が前記意匠面に押し付けられるタイミングに基づいて、前記熱媒体が前記流路の内壁に加える圧力が高まるように、該流路内の該熱媒体に印加する圧力及び該流路を流れる該熱媒体の流量の少なくとも一方を変化させる工程と
    を有する成型方法。
  25. 前記工程(j)において、押圧部材が、前記意匠面に成型材料を押し付け、
    さらに、(l)前記押圧部材が前記意匠面に成型材料を押し付ける力を検出する工程を有し、
    前記工程(k)において、前記工程(l)で検出された力が閾値以上となるタイミングに基づいて、前記熱媒体が前記流路の内壁に加える圧力が高まるように、該流路内の該熱媒体に印加する圧力及び該流路を流れる該熱媒体の流量の少なくとも一方を変化させる請求項24に記載の成型方法。
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