JP2006341559A - 燃料ホース - Google Patents
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Abstract
【課題】 燃料バリヤ性が良好で、高温状態でも引き抜き強度及び破裂圧の低下を抑制できる燃料ホースを提供する。
【解決手段】 燃料ホース1は、内層が融点を250〜270°Cとするエチレン−テトラフルオロエチレン樹脂製であり、外層3がポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールとの共重合体、または、ポリブチレンテレフタレートとポリカプロラクトンとの共重合体、または、ポリブチレンナフタレートとポリテトラメチレングリコールとの共重合体で、150°Cでの曲げ弾性率を40MPa以上とするポリエステル系エラストマー製となっている。
【選択図】 図1
【解決手段】 燃料ホース1は、内層が融点を250〜270°Cとするエチレン−テトラフルオロエチレン樹脂製であり、外層3がポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールとの共重合体、または、ポリブチレンテレフタレートとポリカプロラクトンとの共重合体、または、ポリブチレンナフタレートとポリテトラメチレングリコールとの共重合体で、150°Cでの曲げ弾性率を40MPa以上とするポリエステル系エラストマー製となっている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、エンジン等へ燃料を送給するためのホース、とくに、高温状態でも引き抜き強度及び破裂圧の低下を抑制できるホースに関する。
従来のエチレン−テトラフルオロエチレン樹脂(ETFE樹脂)製ホースは、送給する燃料の透過遮蔽性能、いわゆる、燃料バリヤ性と柔軟性とに優れている一方、高温状態では燃料バリヤ性は低下しないが強度が低下するため、燃料の圧力によって破裂するおそれがあり、また、弾性率も低下するので、クイックコネクタのニップルを圧入した端部がそのニップルから抜けやすくなって、引き抜き強度が急激に低下する難点があり、従って、120°C以上となる車両のエンジンルーム内では事実上使用できないという問題があった。
他方、クイックコネクタのニップルが圧入される燃料ホース端部の引き抜き強度を確保するために、周知であるPA12やPA11のポリアミドナイロン樹脂製スリーブを上記端部の外側に嵌めることも行われたが、長い燃料ホース全体を嵌め込むことは不可能であるため、高温状態における燃料ホースの耐圧強度を改善することができなかった。
なお、ETFE樹脂とPA12樹脂、または、PA11樹脂とを同時押出しにより成形することも試みられたが、両者の溶融温度に大きな差異があるため、同時押出しによる成形は困難であった。
本発明は、燃料バリヤ性が良好で、高温状態でも強度及び弾性の低下を抑制できる燃料ホースを提供しようとするものである。
このため、本発明にかかる燃料ホースは、融点が250〜270°CであるETFE樹脂を内層とし、融点がETFE樹脂と50°C以内の差であるポリエステル系エラストマーを外層として、上記両者を同時押出しによりチューブ状に形成されている。
すなわち、ETFE樹脂とポリエステル系エラストマーとの融点が50°C以内の差であるため、ETFE樹脂を内層とし、ポリエステル系エラストマーを外層とする燃料ホースは、同時押出しにより容易にチューブ状に形成させることができる一方、内層のETFE樹脂によって燃料バリヤ性を全体的に良好とすることができると同時に、外層のポリエステル系エラストマーが、高温状態でも強度及び弾性の低下を抑制しているため、高温状態における燃料ホースの耐圧強度、及び、クイックコネクタのニップルを圧入した燃料ホース端部の引き抜き強度を、従来よりも確実に向上させることができて、車両のエンジンルーム内のように120°C以上に達する比較的高温の状態下でも、とくに支障なく使用することが可能になるという大きな長所がある。
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。
図1に示されているように、燃料ホース1の内層2は、ETFE樹脂製の単層チューブ、もしくは、カーボンブラックを添加した導電性ETFE樹脂製チューブをETFE樹脂製チューブの内側に配置した複層チューブであるが、燃料ホース1の外層3は、ポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールとの共重合体、または、ポリブチレンテレフタレートとポリカプロラクトンとの共重合体、または、ポリブチレンナフタレートとポリテトラメチレングリコールとの共重合体で、150°Cでの曲げ弾性率が40MPa以上であるポリエステル系エラストマー製チューブであって、ETFE樹脂の融点は250〜270°Cであり、上記ポリエステル系エラストマーの融点は210〜280°Cで、かつ、上記ETFE樹脂の融点とは50°C以内の差である。
図1に示されているように、燃料ホース1の内層2は、ETFE樹脂製の単層チューブ、もしくは、カーボンブラックを添加した導電性ETFE樹脂製チューブをETFE樹脂製チューブの内側に配置した複層チューブであるが、燃料ホース1の外層3は、ポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールとの共重合体、または、ポリブチレンテレフタレートとポリカプロラクトンとの共重合体、または、ポリブチレンナフタレートとポリテトラメチレングリコールとの共重合体で、150°Cでの曲げ弾性率が40MPa以上であるポリエステル系エラストマー製チューブであって、ETFE樹脂の融点は250〜270°Cであり、上記ポリエステル系エラストマーの融点は210〜280°Cで、かつ、上記ETFE樹脂の融点とは50°C以内の差である。
この場合、燃料ホース1の内層2及び外層3における材質を変化させた場合の実施例1〜実施例4、及び、従来例1〜従来例2について、クイックコネクタのニップルを圧入した燃料ホース端部の引き抜き強度と燃料ホース自体の耐圧強度とが、それぞれ表1及び表2に示されている。
ただし、
実施例1 内層2:ETFE樹脂製単層チューブで、厚みが0.8mm
外層3:ポリブチレンテレフタレートとポリカプロラクトンと
の共重合体であるポリエステル系エラストマー製チュ
ーブで、厚みが0.2mm
内径:6mm
外径:8mm
実施例2 内層2:ETFE樹脂製単層チューブで、厚みが1mm
外層3:ポリブチレンテレフタレートとポリカプロラクトンと の共重合体であるポリエステル系エラストマー製チュ ーブで、厚みが0.2mm
内径:6mm
外径:8.4mm
実施例3 内層2:導電性ETFE樹脂製チューブとETFE樹脂製チ
ューブの複層チューブで、導電性ETFE樹脂の厚
みが0.1mm、ETFE樹脂の厚みが0.9mm
外層3:ポリブチレンナフタレートとポリテトラメチレングリ コールとの共重合体であるポリエステル系エラストマ ー製チューブで、厚みが0.2mm
内径:6mm
外径:8.4mm
実施例4 内層2:導電性ETFE樹脂製チューブとETFE樹脂製チ
ューブの複層チューブで、導電性ETFE樹脂の厚
みが0.1mm、ETFE樹脂の厚みが0.9mm
外層3:ポリブチレンナフタレートとポリテトラメチレングリ
コールとの共重合体であるポリエステル系エラストマ
ー製チューブで、厚みが0.4mm
内径:6mm
外径:8.8mm
従来例1 ETFE樹脂製単層チューブで、厚みが1mm
内径:6mm
外径:8mm
従来例2 導電性ETFE樹脂製チューブとETFE樹脂製チューブの
複層チューブで、導電性ETFE樹脂の厚みが0.1mm、
ETFE樹脂の厚みが0.9mm
内径:6mm
外径:8mm
ただし、
実施例1 内層2:ETFE樹脂製単層チューブで、厚みが0.8mm
外層3:ポリブチレンテレフタレートとポリカプロラクトンと
の共重合体であるポリエステル系エラストマー製チュ
ーブで、厚みが0.2mm
内径:6mm
外径:8mm
実施例2 内層2:ETFE樹脂製単層チューブで、厚みが1mm
外層3:ポリブチレンテレフタレートとポリカプロラクトンと の共重合体であるポリエステル系エラストマー製チュ ーブで、厚みが0.2mm
内径:6mm
外径:8.4mm
実施例3 内層2:導電性ETFE樹脂製チューブとETFE樹脂製チ
ューブの複層チューブで、導電性ETFE樹脂の厚
みが0.1mm、ETFE樹脂の厚みが0.9mm
外層3:ポリブチレンナフタレートとポリテトラメチレングリ コールとの共重合体であるポリエステル系エラストマ ー製チューブで、厚みが0.2mm
内径:6mm
外径:8.4mm
実施例4 内層2:導電性ETFE樹脂製チューブとETFE樹脂製チ
ューブの複層チューブで、導電性ETFE樹脂の厚
みが0.1mm、ETFE樹脂の厚みが0.9mm
外層3:ポリブチレンナフタレートとポリテトラメチレングリ
コールとの共重合体であるポリエステル系エラストマ
ー製チューブで、厚みが0.4mm
内径:6mm
外径:8.8mm
従来例1 ETFE樹脂製単層チューブで、厚みが1mm
内径:6mm
外径:8mm
従来例2 導電性ETFE樹脂製チューブとETFE樹脂製チューブの
複層チューブで、導電性ETFE樹脂の厚みが0.1mm、
ETFE樹脂の厚みが0.9mm
内径:6mm
外径:8mm
すなわち、燃料ホース1の内層2がETFE樹脂製の単層チューブ、もしくは、導電性ETFE樹脂製チューブをETFE樹脂製チューブの内側に配置した複層チューブであるため、燃料ホース1は雰囲気温度の高低に関係なく常に良好な燃料バリヤ性を維持することができると共に、燃料ホース1の外層3が、ポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールとの共重合体、または、ポリブチレンテレフタレートとポリカプロラクトンとの共重合体、または、ポリブチレンナフタレートとポリテトラメチレングリコールとの共重合体で、150°Cでの曲げ弾性率が40MPa以上であって、高温状態であっても十分な弾性率及び耐圧強度を保有しているため、クイックコネクタのニップルを圧入した燃料ホース1の端部は上記ニップルから引き抜きにくくなっており、かつ、燃料ホース1が送給する燃料の圧力によって燃料ホース1が破裂するおそれを確実に低減させることができる結果、燃料ホース1は車両のエンジンルーム内でも支障なく容易に使用できて、実用性に大層優れている。
また、燃料ホース1の内層2であるETFE樹脂と、外層3であるポリエステル系エラストマーとは融点の差が50°C以内であるため、両者を同時押出しによりチューブ状に形成することが容易であって、任意の長さ、及び、任意内外径の燃料ホース1を簡単に製造できる大きな利点がある。
1 燃料ホース
2 内層
3 外層
2 内層
3 外層
Claims (3)
- 融点が250〜270°Cであるエチレン−テトラフルオロエチレン樹脂を内層とし、融点が上記エチレン−テトラフルオロエチレン樹脂と50°C以内の差であるポリエステル系エラストマーを外層として、上記両者を同時押出しによりチューブ状に形成された燃料ホース。
- 請求項1において、上記ポリエステル系エラストマーは、ポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールとの共重合体、または、ポリブチレンテレフタレートとポリカプロラクトンとの共重合体、または、ポリブチレンナフタレートとポリテトラメチレングリコールとの共重合体であって、150°Cでの曲げ弾性率が40MPa以上である燃料ホース。
- 請求項1または請求項2において、上記外層の厚さが0.1〜1.0mmである燃料ホース。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005171192A JP2006341559A (ja) | 2005-06-10 | 2005-06-10 | 燃料ホース |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005171192A JP2006341559A (ja) | 2005-06-10 | 2005-06-10 | 燃料ホース |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006341559A true JP2006341559A (ja) | 2006-12-21 |
Family
ID=37638876
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005171192A Pending JP2006341559A (ja) | 2005-06-10 | 2005-06-10 | 燃料ホース |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006341559A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019097820A1 (ja) * | 2017-11-20 | 2019-05-23 | 住友電工ファインポリマー株式会社 | 耐熱性2層熱収縮チューブ及び被覆対象物の被覆方法 |
CN112074681A (zh) * | 2019-03-19 | 2020-12-11 | 住友理工株式会社 | 多层管 |
-
2005
- 2005-06-10 JP JP2005171192A patent/JP2006341559A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2019097820A1 (ja) * | 2017-11-20 | 2019-11-21 | 住友電工ファインポリマー株式会社 | 耐熱性2層熱収縮チューブ及び被覆対象物の被覆方法 |
CN112074681A (zh) * | 2019-03-19 | 2020-12-11 | 住友理工株式会社 | 多层管 |
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