JP2006340424A - 圧電ステータ素子及びそれを用いたマイクロ超音波モータ - Google Patents

圧電ステータ素子及びそれを用いたマイクロ超音波モータ Download PDF

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Abstract

【課題】高出力及び高トルクが得られ、構造体としての強度を高めることと低い駆動電圧で動作させることが両立出来、更には、生産性の向上が図れ、小型化の追求に好適なマイクロ超音波モータを実現すること。
【解決手段】柱状体を呈し、その柱状体の軸方向に並行して形成された複数の圧電駆動部を有し、その複数の圧電駆動部は、それぞれ交互に積層をされた複数の圧電体層と複数の電極層とが焼成一体化されてなる圧電ステータ素子を、ステータの主構成要素として採用したマイクロ超音波モータの提供による。このマイクロ超音波モータは、圧電ステータ素子の複数の圧電駆動部に位相の異なる交流電圧信号が印加されることにより、複数の圧電駆動部が軸方向に伸長乃至収縮の変位を生じ、柱状体の端面に、周回する進行波が発生し、この回転運動によってロータが回転するモータである。
【選択図】なし

Description

本発明は、複数の圧電体層及び電極層が焼成一体化されてなる圧電駆動部を備えた圧電ステータ素子、及び、その圧電ステータ素子とそれによって付与される回転駆動力で回転する軸状のロータとで構成されるマイクロ超音波モータに関する。
近年、光学、精密機械、医療等をはじめとする様々な分野において、サブミクロンのオーダーで駆動可能なマイクロマシンが所望されるようになってきており、その駆動源としてマイクロモータの開発が進められている。従来、マイクロモータとしては、一般的な電磁型モータを超小型化したものや静電気力を利用した静電型マイクロモータ等が知られているが、構造が簡素で極小型化の追求に向くことから、近時、圧電効果に基づく変位による振動を駆動力とするマイクロ超音波モータに対する期待が大きい。
マイクロ超音波モータとしては、例えば、特許文献1及び非特許文献1の記載によれば、円筒状の金属体(固定子)の外周面に形成した圧電体膜と2組の対向する電極とを有し、その2組の電極に位相を90度ずらした交流電圧を印加することによって円筒状の金属体の端面に設置した回転子を回転させるマイクロ超音波モータが提案されている。又、非特許文献2には、バルク圧電体を円筒状に微細加工して振動子を得て、その内壁面と外壁面に4分割した電極を形成し、それぞれの電極に90度の位相差をもった交流電圧を印加して、撓み振動を生じさせモード回転を起こし回転運動を発生させるマイクロ超音波モータが記載されている。更に、非特許文献3の記載によれば、金属製チューブの外面に圧電体セラミックス板(PZTプレート)を接着した構造のマイクロ超音波モータが開示されている。
特開平7−231684号公報 Sensors and Actuators A50(1995)p.75〜80 2004年度精密工学春季大会学術講演会講演論文集 J07 p.897〜898 IEEE TRANSACTIONS ON ULTRASONICS, FERROELECTRICS, AND FREQUENCY CONTROL, VOL.50, No.7 (2003) p.782〜786
しかしながら、従来のマイクロモータにおいては、それぞれ次のような課題を有していた。先ず、電磁型のものは、構造が複雑であり、加工精度の限界により構成要素を小さくすることが困難であることから、モータとしての小型化に限界があった。静電型のものは、得られるトルクが小さいために、用途の拡大が困難であった。マイクロ超音波モータのうち、円筒状の金属体(固定子)を圧電体膜の変位によって駆動する方式(特許文献1参照)のものは、その駆動力が小さいため出力の向上に限界があった。又、金属体の外面に圧電体膜を形成する手段を採ることから、生産効率の向上が図り難かった。バルク圧電体を円筒状に微細加工した振動子を用いる方式(非特許文献2参照)のものは、電極を形成した内壁と外壁の間に電圧を印加することから、駆動電圧を低減するためには壁厚を薄くすることが望ましいが、一方、構造体の強度を保持するためには壁厚を薄くすることは好ましくないため、駆動電圧の低減に限界があった。加えて、バルク圧電体を円筒状に微細加工してその内壁面と外壁面とに電極を形成する手段を採ることから、生産性を高めることが困難であった。金属チューブの外面に圧電体セラミックス板を接着する方式(非特許文献3参照)の場合には、生産効率の向上が図り難く、更には、圧電体セラミックス板の厚さが薄くなると割れ易く取り扱いが困難になることから、圧電体セラミックス板を薄く出来ず、駆動電圧の低減に限界があった。
本発明は、上記した従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高出力及び高トルクが得られ、構造体としての強度を高めることと低い駆動電圧で動作させることが両立出来、更には、生産性の向上が図れ、小型化の追求に好適なマイクロ超音波モータを実現することである。検討が重ねられた結果、以下に示す手段により、上記目的を達成出来ることが見出された。
即ち、先ず、本発明によれば、柱状体を呈し、その柱状体の軸方向に並行して形成された複数の圧電駆動部を有し、その複数の圧電駆動部は、それぞれ交互に積層をされた複数の圧電体層と複数の電極層とが焼成一体化されてなり、複数の圧電駆動部に、位相の異なる交流電圧信号が印加されることにより、複数の圧電駆動部が軸方向に伸長乃至収縮の変位を生じ、柱状体の端面に、周回する進行波が発生する圧電ステータ素子が提供される。周回する進行波の発生は回転運動の発生と捉えることが出来、本発明に係る圧電ステータ素子は、この回転運動に基づく回転駆動力によってロータを回転させ得るものであり、マイクロ超音波モータの主な構成要素として機能する素子である。
本発明に係る圧電ステータ素子においては、柱状体が筒形の角柱状体であり、圧電駆動部は4つ備える態様であり、その圧電駆動部を逆位相、位相差等で示される位相のずれに応じて変位させ、柱状体の端面に周回する進行波を発生させることが好ましい。即ち、本発明に係る圧電ステータ素子は、筒形の角柱状体を呈し、その筒形の角柱状体の軸方向に並行して形成された4つの圧電駆動部を有し、4つの圧電駆動部のうち、2組の対向する2つの圧電駆動部に、逆位相の交流電圧信号が印加され、且つ、隣接する圧電駆動部に、90度の位相差の交流電圧信号が印加されることにより(換言すれば、4つの圧電駆動部に90度ずつの位相差の交流電圧信号が印加されることにより)、4つの圧電駆動部が交流電圧信号の位相のずれに応じて変位を生じるとともに、上記2組の対向する2つの圧電駆動部において各組における一方が軸方向に伸長の変位を生じ他方が軸方向に収縮の変位を生じ、筒形の角柱状体の端面に、周回する進行波が発生する圧電ステータ素子であることが好ましい。90度ずつの位相差の交流電圧信号は、公知の手段で供給すればよく、例えば、発信機、増幅器、同調器、変圧器等で構成した手段によって実現出来る。尚、本明細書において、圧電ステータ素子の全体形状を指す柱状体には、中心軸部分が空洞である筒形のものが含まれるものとする。又、乃至の語は、及び/又は、を意味する。
但し、柱状体の形状、圧電駆動部の数、圧電駆動部の変位等は限定されるものではない。例えば、本発明に係る圧電ステータ素子では、柱状体が中実の(空洞のある筒形ではない)角柱状体、筒形又は中実の円柱状体等であってもよい。又、圧電駆動部の数は最小数として2つあればよい。本発明に係る圧電ステータ素子は、中実の角柱状体を呈し、その中実の角柱状体の軸方向に並行して形成された2つの圧電駆動部と2つの非駆動部とを有し、2つの圧電駆動部が隣接して配設され、これらに、90度の位相差の交流電圧信号を印加することにより、2つの圧電駆動部が交流電圧信号の位相のずれ(位相差)に応じて伸長乃至収縮の変位を生じ、柱状体の端面に、周回する進行波を発生させる圧電ステータ素子であってもよい。この態様は、換言すれば、上記の4つの圧電駆動部を有する態様において、柱状体が筒形ではなく中実の角柱状体であり、各組の1つの圧電駆動部を非駆動部に置き換えたものである。非駆動部が存在するため、4つの圧電駆動部を有する態様に比較して、その大きさや発生力は小さいが、各組の1つの圧電駆動部が伸長乃至収縮の変位を生じることにより、柱状体の端面に周回する進行波を発生させることは可能である。
本発明に係る圧電ステータ素子は、圧電駆動部における圧電体層と電極層の積層の方向が柱状体の軸方向と同じ方向であり、圧電駆動部が生じる変位が圧電体層の電界誘起歪みの縦効果に基づく変位であってもよいが、図3及び図4に示されるように、ステータ素子は全体として撓むように変形するため、軸方向に積層された構造を有する場合には、電極層と圧電体層の積層界面が引っ張られる方向に力がはたらくことになるため、耐久性が低下する可能性があることから、圧電駆動部における圧電体層と電極層の積層の方向が柱状体の軸方向に垂直な方向であり、圧電駆動部が生じる変位が圧電体層の電界誘起歪みの横効果に基づく変位であることが、より好ましい。
本発明に係る圧電ステータ素子は、複数の圧電駆動部に位相の異なる交流電圧信号を印加するための信号電極端子及び共通電極端子が備わり、その信号電極端子及び共通電極端子が全て柱状体の対となる2つの側面の何れかに配設されていることが好ましい。尚、交流電圧信号の波形は、限定されず、正弦波、方形波、三角波等であってよい。
又、本発明に係る圧電ステータ素子は、その全体がグリーンシート積層法で作製されるものであり、圧電駆動部を構成する複数の圧電体層と複数の電極層とが、全ての圧電駆動部において同一の方向に積層をされていることが好ましい。即ち、本発明に係る圧電ステータ素子は、のちに圧電体層となる圧電材料を主成分とするグリーンシートに、のちに電極層となる導電材料からなる電極パターンを形成し、そのグリーンシートを積層してグリーン積層体を得て、そのグリーン積層体を焼成して(グリーンシート積層法)得られるものであり、複数の圧電駆動部を含む全体が焼成一体化されており、且つ、複数の圧電駆動部を構成する複数の圧電体層と複数の電極層の前記積層の方向が一方向であることが好ましい。この一方向とは、圧電ステータ素子全体として圧電体層と電極層の積層の方向が一方向であることを意味し、圧電駆動部が生じる変位が圧電体層の電界誘起歪みの横効果に基づく変位である場合には、圧電ステータ素子全体として積層の方向が柱状体の軸方向に垂直且つ同一の方向であることを意味する。複数の圧電駆動部のそれぞれにおいて圧電体層と電極層の積層の方向が同じである場合には、それら圧電駆動部を組み合わせて圧電ステータ素子を構成すると、圧電ステータ素子全体として積層の方向は一方向にならない場合がある。例えば、圧電ステータ素子が、筒形の角柱状体を呈し、その筒形の角柱状体の軸方向に並行して形成された4つの圧電駆動部を有する場合には、筒形の角柱状体の4つの壁部が4つ(2つずつ2組)の圧電駆動部で構成され、その壁部を構成する圧電駆動部のそれぞれに着目すると、その組毎に、圧電体層(電極層)の積層の方向が異なるものになる。本発明に係る圧電ステータ素子には、そのような態様のものも含まれるが、より好ましい態様は、全体として圧電体層と電極層の積層の方向が一方向の圧電ステータ素子である。
尚、本発明に係る圧電ステータ素子において、圧電駆動部を構成するものとして圧電体層と電極層があり、その形態に基づきそれらを層と称しているが、本発明に係る圧電ステータ素子は焼成一体化されてなるものであるから、グリーンシート積層法で作製された場合であっても、焼成された後のものは、電極パターン(電極層)を挟まない圧電駆動部以外の部分においては、もとのグリーンシート(圧電体層)間の境界面は存在しない。
本発明に係る圧電ステータ素子は、圧電駆動部が伸長乃至収縮の変位を生じ、それにより柱状体の端面に周回する進行波を発生させてロータを回転させ得るものであり、圧電と称しているが、圧電駆動部の生じる変位は、電界によって誘起される歪みに基づく変位の全てを指す。圧電駆動部は、狭義の意味での、印加電界に概ね比例した歪み量を発生する圧電効果を利用するものに限定されるものではなく、印加電界の二乗に概ね比例した歪み量を発生する電歪効果、強誘電体材料全般に見られる分極反転、反強誘電体材料に見られる反強誘電相−強誘電相転移、等の現象を利用するものも含まれる。
次に、本発明によれば、上記した何れかの圧電ステータ素子を主構成要素とするステータと、圧電ステータ素子の柱状体の端面に加圧接触して設けられ(圧電ステータ素子が発生させた)周回する進行波により回転するロータと、を有するマイクロ超音波モータが提供される。
本発明に係るマイクロ超音波モータは、本発明に係る圧電ステータ素子をステータの主構成要素として用い、この圧電ステータ素子の与える、周回する進行波によって、ロータを回転させるモータであり、本発明に係る圧電ステータ素子は、当該周回する進行波を発生させる圧電駆動部は、交互に積層をされた複数の圧電体層と複数の電極層とが焼成一体化されてなるものである。従って、本発明に係るマイクロ超音波モータは、圧電ステータ素子において圧電体層を薄くすることにより圧電体層の1層あたりにかかる電界強度を高めることが出来、静電型モータや従来のマイクロ超音波モータ(特許文献1及び非特許文献1,2,3参照)と比較して、より高い出力とより高いトルクを得ることが可能である。
一般に、マイクロ超音波モータにおいて、出力・トルクはロータとステータの圧着力に応じて増大するため、その圧着力を大きくしても、(変位の連続である)振動が減衰しない、発生力の大きなステータ素子が望ましい。発生力は圧電駆動部の圧電体層と電極層の積層数に応じて増大するため、本発明に係るマイクロ超音波モータは、圧電ステータ素子の圧電駆動部を構成する圧電体層と電極層の積層数を変えることによって、容易に高トルク化、高出力化を図ることが可能である。
本発明に係るマイクロ超音波モータは、本発明に係る圧電ステータ素子の圧電体層の1層あたりの厚さを薄くすることで、変位を一定とすれば、より低い電圧で駆動可能になり、且つ、圧電ステータ素子が積層構造を有するため、圧電体層を薄くしても構造体としての強度を高めることが出来、低い駆動電圧で動作させることと、構造体としての強度を高めることとが、両立可能である。
本発明に係るマイクロ超音波モータは、本発明に係る圧電ステータ素子を主構成要素とするステータに、ロータが加わったものであり、圧電ステータ素子は、圧電体層と電極層とが積層され焼成一体化された圧電駆動部が複数備わるものである。即ち、電磁型モータのように構造的に複雑ではなく、大変簡素であり、多くの精密加工を要さずに製造することが出来るものである。従って、モータとしての小型化の追求が行い易く、数mmオーダーあるいはそれより小さなモータを実現することが容易に可能である。加えて、圧電体層の積層数を多くすることにより、駆動電圧の増大によらずに、より大きな出力及びトルクを得ることが出来る。そのため、本発明に係るマイクロ超音波モータは、マイクロロボットや内視鏡等の駆動機構にかかる駆動源等の幅広い用途に好適である。
本発明に係るマイクロ超音波モータは、ステータの主構成要素である圧電ステータ素子が、その好ましい態様において、全ての信号電極端子及び共通電極端子を柱状体の対となる2つの側面の何れかに配設しているため、実装が容易であり、応用製品にかかる生産性向上に寄与し得るものであり、且つ、短絡等の問題が生じ難く、応用製品にかかる信頼性の向上に貢献し得るものである。
本発明に係るマイクロ超音波モータは、ステータの主構成要素である本発明に係る圧電ステータ素子が、その好ましい態様において、グリーンシート積層法によって、圧電体層の間又は外面に電極層(信号電極と共通電極からなる駆動電極に相当し、製造工程においては導電材料からなるパターンにあたる)を形成しながら製造されたものである。従って、従来のマイクロ超音波モータ(非特許文献2参照)のように、圧電体を円筒状に微細加工してその内壁面と外壁面とに電極を形成する手段を採る必要はなく、柱状体とした後に電極を形成する工程が省略出来るため、生産性が良好であり、性能の均一性等の品質の向上が図り易い。
本発明に係るマイクロ超音波モータは、ステータの主構成要素である本発明に係る圧電ステータ素子が、その好ましい態様において、複数の圧電駆動部を含む全体が焼成一体化されているので、構造体としての強度を格段に高めることが可能であり、圧電体層をより薄くして、より低い駆動電圧で動作させること、又は、より大きな出力及びトルクを得ること、が可能である。
以下、本発明について、適宜、図面を参酌しながら、実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではない。本発明の要旨を損なわない範囲で、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良、置換を加え得るものである。例えば、図面は、好適な本発明の実施の形態を表すものであるが、本発明は図面に表される態様や図面に示される情報により制限されない。本発明を実施し又は検証する上では、本明細書中に記述されたものと同様の手段若しくは均等な手段が適用され得るが、好適な手段は、以下に記述される手段である。
先ず、圧電ステータ素子について説明する。図1は、本発明に係る圧電ステータ素子の一の実施形態を示す斜視図である。図2は、図1に示される圧電ステータ素子1を切断線11で切断したときの断面を拡大して示す図である。図9は、圧電ステータ素子1を構成する圧電体層の一部を電極層のパターンとともに示す圧電ステータ素子1の部分分解図であり、図9の(a)〜(g)において2つの面が示される圧電体層は、図2において(a)〜(g)で示され特定されたものである。これら図2及び図9は、圧電ステータ素子1の内部構造を説明するための図であり、図9の(a)〜(g)のそれぞれにおいて示される2つの面は、その左側が図2において下側から見た面(図1において手前側から見た面)を表し、その右側が図2において上側から見た面(図1において奥側から見た面)を表している。
圧電ステータ素子1は、図1及び図2に示されるように、中心軸部分に空洞12を形成した筒形の角柱状体を呈しており、その筒形の角柱状体の軸方向(図1中の矢印Sで示される方向)に並行して形成された4つの圧電駆動部4a,4b,4c,4dを有する。その4つの圧電駆動部4a,4b,4c,4dは、空洞12を挟んで2組の対向する圧電駆動部4a,4b及び圧電駆動部4c,4dとして構成されている。圧電駆動部4a,4b,4c,4dは、それぞれ交互に積層をされた複数の圧電体層14並びに複数の電極層18a,18b,18c,18d(信号電極)及び電極層19(共通電極)が焼成一体化されてなるものであり(図2参照)、且つ、圧電ステータ素子1は、圧電駆動部4a,4b,4c,4dを含む全体が焼成一体化されているものである。
又、圧電ステータ素子1は、圧電駆動部4a,4b,4c,4dを構成する圧電体層14と電極層18a,18b,18c,18d及び電極層19の積層の方向が、圧電ステータ素子1全体としては一方向である。一方、個々の圧電駆動部に着目すると、圧電駆動部4aと圧電駆動部4bは圧電体層と電極層の積層態様が同じであり、圧電駆動部4cと圧電駆動部4dは圧電体層と電極層の積層態様が同じであるが、圧電駆動部4a,4bと圧電駆動4c,4dでは、圧電体層と電極層の積層態様が異なる。即ち、圧電駆動部4a,4bと圧電駆動4c,4dでは、圧電体層と電極層の積層の方向が柱状体の軸方向に垂直である点で共通するが同一の方向ではなく、図2に明示されるように、圧電駆動部4a,4bは筒形の角柱状体の外面側から空洞12側へ向けて圧電体層14が3層積層されているのに対し、圧電駆動部4c,4dは外面側から空洞12側へ向かう方向に並行して圧電体層14が6層積層されている。尚、本発明に係る圧電ステータ素子は、個々の圧電駆動部が全て圧電体層と電極層の積層態様が同じものであってもよく、圧電ステータ素子全体としての圧電体層と電極層の積層の方向が一方向でなくてもよい。
圧電ステータ素子1では、全ての電極層19は共通電極として機能し、圧電体層14を貫通して設けられるビアホール24によって接続され、共通電極端子21に導通している。一方、電極層18a,18b,18c,18dは信号電極として機能するものであり、電極層18aどうしは圧電体層14を貫通して設けられるビアホール23aで接続され信号電極端子22aに導通し、電極層18bどうしは同様にビアホール23bで接続され信号電極端子(22b相当、図示しない)に導通し、電極層18cどうしは同様にビアホール23cで接続され信号電極端子(22c相当、図示しない)に導通し、電極層18dどうしは同様にビアホール23dで接続され信号電極端子22dに導通しており、各圧電駆動部4a,4b,4c,4dを独立して駆動可能なものにしている。圧電ステータ素子1においては、4つの信号電極端子(22a,22d他)及び共通電極端子21が、全て柱状体(圧電ステータ素子)の対となる2つの側面の何れかに配設されており、図1に示されるように、信号電極端子22a,22d及び共通電極端子21が図中の手前の側面に配設され、(図示しないが)電極層18bに導通する信号電極端子(22b相当)と電極層18cに導通する信号電極端子(22c相当)とが反対側(図中の奥側)の側面に配設されている。
圧電ステータ素子1では、圧電体層14の分極方向P(図2参照)が、全ての圧電駆動部4a,4b,4c,4dにおいて、信号電極(電極層18a,18b,18c,18dの何れか)から共通電極(電極層19)へ向けた方向になっており、信号電極〜共通電極間(即ち圧電体層14)に、分極方向Pと同じ方向E(図2参照)に交流電圧信号が印加されると、圧電駆動部4a,4b,4c,4d(圧電体層14)は、それぞれが筒形の角柱状体の軸方向に伸長乃至収縮の変位を生じる。尚、圧電体層14の分極方向Pを、対向する圧電駆動部(圧電駆動部4aと圧電駆動部4b,圧電駆動部4cと圧電駆動部4d)において反転させることも可能であり、例えば、一方の分極方向を信号電極から共通電極へ向けた方向とし、他方の分極方向を共通電極から信号電極へ向けた方向としてもよい(後述する)。
本発明に係る圧電ステータ素子では、電極層を接続し導通させるためのビアホールや、信号電極端子及び共通電極端子等の態様は限定されるものではなく、種々の態様を採ることが可能である。図6は、本発明に係る圧電ステータ素子の他の実施形態を示す斜視図である。又、図7は、図6に示される圧電ステータ素子61を構成する圧電体層の一部を、図6における図中の手前側から電極層のパターンとともに示す圧電ステータ素子61の部分分解図であり、圧電ステータ素子61の内部構造を説明するための図である。圧電ステータ素子61において、圧電体層14と電極層18a(又は18b,18c,18d)で挟まれた圧電駆動部4a(又は4b,4c,4d)部分は上記した圧電ステータ素子1と同態様であるが、ビアホール、信号電極端子及び共通電極端子の態様が圧電ステータ素子1とは異なる。特に、信号電極端子22dを柱状体(圧電ステータ素子)の圧電駆動部4d側の側面に配設して、複数の電極層18dを導通させて点が、圧電ステータ素子1とは異なる。その結果、圧電ステータ素子61では、圧電ステータ素子1で要したビアホール23d(図9参照)が不要となっている。反対側の側面に設けられる(図示しない)信号電極端子(22c相当)も、これに準じた態様になっている。
次に、圧電ステータ素子の作用について説明する。本発明に係る圧電ステータ素子は、柱状体の端面に周回する進行波を発生させ、この進行波(回転運動)による回転駆動力によってロータを回転させ得て、マイクロ超音波モータのステータの主構成要素として機能するものであり、圧電駆動部が伸長乃至収縮の変位を生じることによって、柱状体の端面に周回する進行波が発生する。図1に示される圧電ステータ素子1では、4つの圧電駆動部4a,4b,4c,4dが同じ分極処理を施され分極方向が同じであるので、その筒形の角柱状体(柱状体)の端面に周回する進行波を発生させるには、2組の対向する圧電駆動部4a,4b及び圧電駆動部4c,4dに、逆位相の交流電圧信号を印加するとともに、隣接する圧電駆動部に、90度の位相差の交流電圧信号を印加する。これは4つの圧電駆動部4a,4b,4c,4dに90度ずつの位相差の交流電圧信号を印加することと同義である。
図11は、圧電駆動部に印加される交流電圧信号の一例を示す図であり、90度ずつの位相差の交流電圧信号が、正弦波の波形として示されている図である。そして、図3、図4、及び図10は、図1に示される圧電ステータ素子1において、交流電圧信号が印加され、圧電駆動部4a,4b,4c,4dが伸長乃至収縮の変位を生じ、圧電ステータ素子1として変形している様子を示す図であり、図3は斜視図であり、図4は変位が生じている状態において一部を透視しつつ図3におけるP方向から見た側面図であり、図10も一部を透視した側面図である。図4及び図10において、矢印は変位の方向を表している。
例えば、図11に示される交流電圧信号vaを、圧電ステータ素子1の圧電駆動部4a(におけるそれぞれの信号電極〜共通電極間)に印加し、交流電圧信号vbを圧電駆動部4bに印加し、交流電圧信号vcを圧電駆動部4cに印加し、交流電圧信号vdを圧電駆動部4dに印加すると、圧電駆動部4a,4b,4c,4dがタイミングをずらしながら伸長乃至収縮の変位を生じる結果、圧電ステータ素子1が全体として撓み変形を生じ首振り運動を行い、筒形の角柱状体の(図中において上の)端面に着目すると、周回する進行波が現れる。尚、図3、図4、及び図10では、図中において下の端面を固定した場合を示しており、両方の端面を自由端にすれば、両方の端面に周回する進行波が生じ得る。
図10の(a)は、図11においてωt=0のときの圧電駆動部の変位(圧電ステータ素子1の変形)の様子を示しており、va=vb=0、vd=Vm(最大電圧)、vc=−Vmであるから、圧電駆動部4dが伸長し、圧電駆動部4cが収縮し、圧電駆動部4a,4bは変位を生じていない。この状態から、圧電駆動部4c,4dの変位は徐々に小さくなり、圧電駆動部4a,4bは徐々に変位を起こし始める。図10の(b)は、図11においてωt=π/2のときの圧電駆動部の変位(圧電ステータ素子1の変形)の様子を示しており、vc=vd=0、vb=Vm(最大電圧)、va=−Vmであるから、圧電駆動部4bが伸長し、圧電駆動部4aが収縮し、圧電駆動部4c,4dは変位を生じていない。図3は、この状態を示す斜視図であり、図4は、この状態において図10の(b)とは異なる方向から見た側面図に該当する。この状態から、圧電駆動部4a,4bの変位は徐々に小さくなり、圧電駆動部4c,4dは徐々に変位を起こし始める。
同様に、図10の(c)は、図11においてωt=πのときの圧電駆動部の変位(圧電ステータ素子1の変形)の様子を示しており、va=vb=0、vc=Vm(最大電圧)、vd=−Vmであるから、圧電駆動部4cが伸長し、圧電駆動部4dが収縮し、圧電駆動部4a,4bは変位を生じていない。図10の(d)は、図11においてωt=3π/2のときの圧電駆動部の変位(圧電ステータ素子1の変形)の様子を示しており、vc=vd=0、va=Vm(最大電圧)、vb=−Vmであるから、圧電駆動部4aが伸長し、圧電駆動部4bが収縮し、圧電駆動部4c,4dは変位を生じていない。
尚、先に示したように、本発明に係る圧電ステータ素子においては、圧電体層の分極方向を、対向する圧電駆動部において反転させ、一方の分極方向を信号電極から共通電極へ向けた方向とし、他方の分極方向を共通電極から信号電極へ向けた方向とすることが出来る。例えば、対向する圧電駆動部のうち、一方において共通電極がマイナス信号電極がプラスの電圧を印加して分極処理し、他方において共通電極側がプラス信号電極側がマイナスとなるように分極処理する。この場合には、対向する圧電駆動部に同じ(位相の)交流電圧信号を印加すれば一方が伸縮し他方が収縮するので、対向する圧電駆動部の信号電極を接続し導通させることが出来、信号電極端子を1つ削除可能である。その上、交流電圧信号は90度の位相差のある2つの交流電圧信号を供給すればよい。
次に、本発明に係るマイクロ超音波モータについて説明する。図5は、本発明に係るマイクロ超音波モータの一の実施形態を示す断面図である。図5に示されるマイクロ超音波モータ51は、上記した圧電ステータ素子1を筐体55に収容してなるモータである。マイクロ超音波モータ51は、圧電ステータ素子1の筒形の角柱状体(柱状体)の端面に、回転運動伝達部材54を介して、ロータ52が弾力部材53によって加圧接触して設けられてなるものであり、圧電ステータ素子1が筒形の角柱状体の端面に発生させた周回する進行波により、ロータ52が回転し、モータとして機能する。ロータ52は、その圧電ステータ素子1側の先端が円錐形になっており(独楽のような形状になっており)、回転運動伝達部材54を介して圧電ステータ素子1の筒形の角柱状体の端面に密着し、上記周回する進行波(回転運動)によって効率よく回転可能なものになっている。回転運動伝達部材54は省略可能であるが、回転運動(回転駆動力)の伝達効率が、より向上出来るので、採用することが好ましい。4本のリード線56は、4つの信号電極端子へ交流電圧信号を供給するための配線であり、別のリード線57によって、共通電極端子21は接地される。
次に、本発明に係るマイクロ超音波モータの製造方法について説明する。本発明に係るマイクロ超音波モータは、好ましくはグリーンシート積層法を用いて本発明に係る圧電ステータ素子を製造し、得られた圧電ステータ素子並びに、ロータ、弾力部材、及び回転運動伝達部材を筐体に組み込むことによって作製することが出来る。ロータは、市販の金属製シャフト等を採用出来るが所望の材料に機械加工等を施して得てもよい。弾力部材は、市販の金属製バネ等を採用出来、回転運動伝達部材は、金属製のワッシャー等を採用することが可能である。筐体は、所望の材料に機械加工等を施して得ればよい。
本発明に係る圧電ステータ素子の製造方法、及び使用する材料は、以下の通りである。以下、作製対象を図1、図2、及び図9に示される圧電ステータ素子1とし、これを2つ製造する場合を例にして説明することとし、製造工程の一部を図8に示す他、適宜、製造後の構造が分解して示される図9(圧電ステータ素子1の部分分解図)を参照して説明する。
圧電ステータ素子1を製造するにあたっては、主にグリーンシート積層法を用い、付帯的手段として打抜加工を利用することが好ましい。先ず、圧電材料を主成分とする12枚のセラミックグリーンシートを用意する。このセラミックグリーンシートは、のちに圧電体層を構成するものである。セラミックグリーンシート(以下、単にシートともいう)は、従来知られたセラミック製造方法により作製出来る。例えば、圧電材料の粉末を用意し、これにバインダ、溶剤、分散剤、可塑剤等を望む組成に調合してスラリーを作製し、これを脱泡処理後、ドクターブレード法、リバースロールコーター法、リバースドクターロールコーター法等のシート成形法によって、シートを作製することが可能である。
圧電材料は、電界誘起歪みを起こす材料であれば、問われるものではない。結晶質でも非晶質でもよく、又、半導体セラミック材料や強誘電体セラミック材料、あるいは反強誘電体セラミック材料を用いることも可能である。用途に応じて適宜選択し採用すればよい。又、分極処理が必要な材料であっても必要がない材料であってもよい。
具体的には、好ましい材料として、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、ニッケルタンタル酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、マンガンタングステン酸鉛、コバルトニオブ酸鉛、マグネシウムタングステン酸鉛、マグネシウムタンタル酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸ナトリウムビスマス、チタン酸ビスマスネオジウム(BNT)、ニオブ酸カリウムナトリウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス、銅タングステンバリウム、鉄酸ビスマス、あるいはこれらのうちの2種以上からなる複合酸化物を挙げることが出来る。又、これらの材料には、ランタン、カルシウム、ストロンチウム、モリブデン、タングステン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン、セリウム、カドミウム、クロム、コバルト、アンチモン、鉄、イットリウム、タンタル、リチウム、ビスマス、スズ、銅等の酸化物が固溶されていてもよい。更に、上記材料等に、ビスマス酸リチウム、ゲルマン酸鉛等を添加した材料、例えば、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、及びマグネシウムニオブ酸鉛の複合酸化物に、ビスマス酸リチウム乃至ゲルマン酸鉛を添加した材料は、圧電体層の低温焼成を実現しつつ高い材料特性を発現出来るので好ましい。
12枚のセラミックグリーンシート601を作製したら、そのうち6枚のセラミックグリーンシート601に、打抜加工等によって、のちに空洞12(図1及び図2参照)となる窓部86を開ける(図8の(a)参照)。加えて、のちにビアホール23a,23b,23c,23d,24(図9参照)となる貫通孔を開ける。次いで、導電材料を用いて、12枚のシート601の表面に、所定のパターンの導体膜を形成する。この導体膜は、のちに電極層になる膜であり、そのパターンは、図9において電極層、信号電極端子、共通電極端子等として示されるパターンである(図8の(a)では、導体膜及び貫通孔は省略されている)。尚、図9では7つの圧電体層及びそれに形成された電極層等のパターンしか示されていないが、圧電ステータ素子1は対向する圧電駆動部が空洞を挟んで対称構造を有しており(図2参照)、圧電ステータ素子1の残りの5つの圧電体層(図2において上側から5つ)には、図2において下側から5つの圧電体層(図9の(a)〜(g))に準じた電極層等(導体膜)のパターンが形成されている。又、上記したように、6枚のシート601に窓部86を開けるが、これは導体膜を形成した後に行ってもよい。
導体膜の形成手段は、スクリーン印刷法が好適に用いられるが、フォトリソグラフィ等の手段で行ってもよい。使用する導電材料としては、室温で固体である金属が採用される。例えば、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、銀、スズ、タンタル、タングステン、イリジウム、白金、金、又は鉛等の金属単体又はこれら2種類以上からなる合金、例えば、銀−白金、白金−パラジウム、銀−パラジウム等を1種単独で又は2種類以上を組み合わせたものを用いることが好ましい。又、これらの材料と、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化セリウム、ガラス、又は圧電材料等との混合物、サーメットであってもよい。これらの材料の選定にあたっては、圧電材料の種類に応じて選択することが好ましい。
次に、窓部86及び貫通孔を開け且つ導体膜を形成した12枚のシート601を、窓部86を形成したシートが中央部分になるようにして積層し(図8の(a)参照)、圧着して所定の厚さを有するセラミックグリーン積層体81を得る(図8の(b)参照)。このとき、シートの積層状態・一体性を向上させる目的で、接合補助層をグリーンシートに形成しておくことが好ましい。次いで、セラミックグリーン積層体81を焼成一体化して焼成積層体82を得て、これを切断線87に沿って切断して(図8の(c)参照)、不要部分を削除するとともに2つに分離し、その後、それぞれに必要に応じて分極処理を行うことにより、2つの圧電ステータ素子1を得ることが出来る(図8の(d)参照)。
本発明の圧電ステータ素子及びそれを用いたマイクロ超音波モータは、高級玩具として又は所定の仕事を担うものとしてのマイクロロボットに備わる駆動機構の駆動源として、好適に用いられる。又、各種工業製品の内部検査等に用いられる工業用内視鏡(ファイバースコープ等)や人体検査のための医療用内視鏡(胃カメラ・大腸内視鏡等)やカメラ等の光学機器、あるいは電話やGPS等の機能を選択的に備えた各種の携帯電子機器、更には音響映像機器、等に備わる駆動機構の駆動源として、好適に用いられる。
本発明に係る圧電ステータ素子の一の実施形態を示す斜視図である。 図1に示される圧電ステータ素子を切断線で切断したときの断面を拡大して示す図であり、圧電ステータ素子の内部構造を説明するための図である。 本発明に係る圧電ステータ素子において圧電駆動部が伸長乃至収縮の変位を生じている様子を示す斜視図である。 一部を透視しつつ図3におけるP方向から見た圧電ステータ素子の側面図である。 本発明に係るマイクロ超音波モータの一の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る圧電ステータ素子の他の実施形態を示す斜視図である。 図6に示される圧電ステータ素子を構成する圧電体層の一部を電極層のパターンとともに示す部分分解図であり、圧電ステータ素子の内部構造を説明するための図である。 (a)〜(d)は、本発明に係る圧電ステータ素子の製造方法の工程の一部を示す説明図である。 (a)〜(g)は、図1に示される圧電ステータ素子を構成する圧電体層の一部を電極層のパターンとともに示す部分分解図であり、圧電ステータ素子の内部構造を説明するための図である。 (a)〜(d)は、本発明に係る圧電ステータ素子が、圧電駆動部が軸方向に伸長乃至収縮の変位を生じ、その柱状体の端面に周回する進行波を発生させる様子を示す図であり、一部を透視した側面図である。 圧電駆動部に印加される交流電圧信号の一例を示す図であり、4つの交流電圧信号の波形及び位相差を表す図である。
符号の説明
1,61 圧電ステータ素子
4a,4b,4c,4d 圧電駆動部
14 圧電体層
18a,18b,18c,18d 電極層(信号電極)
19 電極層(共通電極)
21 共通電極端子
22a,22d 信号電極端子
23a,23b,23c,23d ビアホール(信号電極接続用)
24 ビアホール(共通電極接続用)
51 マイクロ超音波モータ
52 ロータ
53 弾力部材
54 回転運動伝達部材
55 筐体
81 セラミックグリーン積層体
82 焼成積層体
86 窓部
601 セラミックグリーンシート

Claims (6)

  1. 柱状体を呈し、その柱状体の軸方向に並行して形成された複数の圧電駆動部を有し、その複数の圧電駆動部は、それぞれ交互に積層をされた複数の圧電体層と複数の電極層とが焼成一体化されてなり、
    前記複数の圧電駆動部に、位相の異なる交流電圧信号が印加されることにより、前記複数の圧電駆動部が前記軸方向に伸長乃至収縮の変位を生じ、前記柱状体の端面に、周回する進行波が発生する圧電ステータ素子。
  2. 前記柱状体が筒形の角柱状体であり、その柱状体の軸方向に並行して形成された4つの圧電駆動部を有し、
    前記4つの圧電駆動部のうち、2組の対向する2つの圧電駆動部に、逆位相の交流電圧信号が印加され、且つ、隣接する圧電駆動部に、90度の位相差の交流電圧信号が印加されることにより、前記4つの圧電駆動部が交流電圧信号の位相のずれに応じて変位を生じるとともに、前記2組の対向する2つの圧電駆動部において各組における一方が前記軸方向に伸長の変位を生じ他方が前記軸方向に収縮の変位を生じ、前記柱状体の端面に、周回する進行波が発生する請求項1に記載の圧電ステータ素子。
  3. 前記圧電駆動部における圧電体層と電極層の前記積層の方向が前記柱状体の軸方向に垂直な方向であり、圧電駆動部が生じる前記変位が圧電体層の電界誘起歪みの横効果に基づく変位である請求項1又は2に記載の圧電ステータ素子。
  4. 前記複数の圧電駆動部に位相の異なる交流電圧信号を印加するための信号電極端子及び共通電極端子が備わり、その信号電極端子及び共通電極端子が全て前記柱状体の対となる2つの側面の何れかに配設されている請求項1〜3の何れか一項に記載の圧電ステータ素子。
  5. のちに前記圧電体層となる、圧電材料を主成分とするグリーンシートに、
    のちに前記電極層となる、導電材料からなる電極パターンを形成し、
    そのグリーンシートを積層してグリーン積層体を得て、そのグリーン積層体を焼成して得られるものであり、
    前記複数の圧電駆動部を含む全体が焼成一体化されており、且つ、前記複数の圧電駆動部を構成する複数の圧電体層と複数の電極層の前記積層の方向が一方向である請求項1〜4の何れか一項に記載の圧電ステータ素子。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の圧電ステータ素子を主構成要素とするステータと、前記圧電ステータ素子の前記柱状体の端面に加圧接触して設けられ前記周回する進行波により回転するロータと、を有するマイクロ超音波モータ。
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