JP5586253B2 - 超音波モータ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば圧電素子等の振動子の振動を利用する超音波モータに関し、特に、縦振動と捻れ振動とが同時に励起されて生成された楕円振動を利用する超音波モータに関する。
近年、電磁型モータに代わる新しいモータとして、圧電素子等の振動子の振動を利用した超音波モータが注目されている。この超音波モータは、従来の電磁型モータと比較して、ギア無しで低速高推力が得られる点、保持力が高い点、高分解能である点、静粛性に富む点、及び磁気的ノイズを発生させない点等の利点を有している。
具体的には、例えば、超音波振動子から成る振動体を、駆動子を介して、被駆動部材であるロータに押し付けることで、前記駆動子と前記ロータとの間に摩擦力を発生させ、この摩擦力によって前記ロータを駆動する。
詳細には、縦振動と捻れ振動とを超音波振動子に同時に発生させることで、それらの振動が合成された楕円振動を当該超音波振動子の端面に発生させ、該楕円振動を利用して前記ロータを回転させる。このような超音波モータに関連する技術としては、例えば特許文献1に次のような技術が開示されている。
すなわち、特許文献1には、棒状弾性体と、該棒状弾性体の側面において該棒状弾性体に対して一体的に設けられた複数の保持用弾性体と、該複数の保持用弾性体により両端を保持された複数の積層型圧電素子であって、その変位方向と前記棒状弾性体の長手方向とは一定の鋭角を為し且つ該積層型圧電素子の複数対同士が互いに反対方向に傾斜して配置された複数対の積層型圧電素子と、該積層型圧電素子と前記保持用弾性体との間に設けられた複数の振動検出用の圧電素子と、前記棒状弾性体の端面に設けた摩擦子と、該摩擦子に対して押圧手段により押圧された状態で配置されたロータと、前記複数対の積層型圧電素子のうちの各一対に対して、前記振動検出用の圧電素子から出力され信号の位相若しくは振幅に応じた所定の周波数、大きさの交番電圧であり互いに位相差を有する交番電圧を印加する電源手段と、を具備する超音波モータが開示されている。この超音波モータでは、前記棒状弾性体に縦振動と捻れ振動とを同時に励起して前記摩擦子に超音波楕円振動を励起させて前記ロータを回転駆動する。
特開平9−85172号公報
具体的には、特許文献1に開示されている技術では、1対もしくは複数対の積層型圧電素子が、当該積層型圧電素子を挿入可能な凹部を有する保持用弾性体と棒状弾性体との間に保持される。そして、前記保持用弾性体を前記積層型圧電素子に突き当てて圧縮応力を印加した状態で、前記積層型圧電素子が、棒状弾性体に対してビスで固定される。
従って、この特許文献1に開示されている構造を採用する場合、圧電素子を固定する為の保持用弾性体は必須の構成要件となり、この保持用弾性体及び圧電素子を配置する為の凹部を棒状弾性体に形成しなければならない。このように、特許文献1に開示されている技術によれば、振動体の構造を簡略化・小型化することは困難である。
さらには、前記複数対の積層圧電素子と保持用弾性体との間に、複数の振動検出用の圧電素子を設ける構造を採る為、必要とされる配線は、1つの相当たり2本の駆動用配線及び2本の振動検出用配線である。つまり、2相駆動を採用する場合には、計8本もの配線が必要となってしまい、このことは小型化を妨げる一つの要因となっている。
本発明は、前記の事情に鑑みて為されたものであり、配線数を減少させ、振動体の小型化を可能とする超音波モータを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の第1の態様による超音波モータは、
中心軸に垂直な断面が矩形状を呈し、前記中心軸方向に伸縮する縦振動と、前記中心軸を捻れ軸とする捻れ振動と、が同時に励起されることで楕円振動を発生する振動子であって、前記矩形状を構成する短辺と長辺との長さの比率は、前記縦振動の共振周波数と前記捻れ振動の共振周波数とが略一致する値に設定された振動子と、
前記振動子の楕円振動発生面に当接し、前記楕円振動によって、前記中心軸を回転軸として回転駆動される被駆動体と、
前記振動子を前記被駆動体に対して押圧し、前記振動子の前記楕円振動発生面を前記被駆動体に対して圧接させる押圧機構部と、
を具備し、
前記振動子は、前記矩形状の圧電素子である圧電シートが積層されて成り、
前記圧電シートには駆動用電極と振動検出用電極を構成する内部電極パターンが形成され、
前記駆動用電極と前記振動検出用電極は縦振動の節部近傍且つ捻れ振動の腹部近傍に配置され
前記振動子の外面のうち第1の面には、前記駆動用電極と導通する外部電極と、前記振動検出用電極と導通する外部電極のうち一方の極性に対応する外部電極と、が形成され、
前記振動子の外面のうち前記第1の面とは異なる第2の面には、前記振動検出用電極と導通する外部電極のうち他方の極性に対応する外部電極が形成されており、
前記駆動用電極及び前記振動検出用電極はそれぞれ2相設けられており、
前記圧電シートに形成された前記内部電極パターンにおいて、前記2相の振動検出用電極のうち一方の極性を構成する電極同士が短絡されている
ことを特徴とする。
本発明によれば、配線数を減少させ、振動体の小型化を可能とする超音波モータを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る超音波モータの一構成例を示す正面図。 振動子を構成する圧電シートの一構成例を示す図。 振動子の一構成例を示す図。 振動子の一構成例を示す図。 縦振動及び捻れ振動の共振周波数特性を示す図。 図4に示すX方向から観た振動子(側面)の一構成例を示す図。 図4に示すX方向から観た振動子(側面)の一構成例を示す図。 図4に示すY方向から観た振動子(底面)の一構成例を示す図。 振動子の底面における配線例を示す図。 第2実施形態に係る超音波モータの振動子を構成する圧電シートの一構成例を示す図。 振動子の一構成例を示す図。 図11に示すX方向から観た振動子(側面)の一構成例を示す図。 図11に示すX方向から観た振動子(側面)の一構成例を示す図。 図10に示すY方向から観た振動子(底面)の一構成例を示す図。 第3実施形態に係る超音波モータの振動子40を構成する圧電シートの一構成例を示す図。 振動子の一構成例を示す図。 図11に示すX方向から観た振動子(側面)の一構成例を示す図。 図16に示すY方向から観た振動子(底面)の一構成例を示す図。 変形例に係る超音波モータの振動子を構成する圧電シートの一構成例を示す図。 振動子の一構成例を示す図。 図20に示すX1方向から観た振動子(側面)の一構成例を示す図。 図20に示すX2方向から観た振動子(側面)の一構成例を示す図。 図20に示すX2方向から観た振動子(側面)の一構成例を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る超音波モータの一構成例を示す正面図である。図1に示すように、本第1実施形態に係る超音波モータは、ロータ機構部10と、押圧機構部20と、筐体部30と、振動子40と、を具備する。
前記ロータ機構部10は、回転軸(中心軸)11と、ベアリング12と、ロータ13と、を有する。
前記回転軸11は、ロータ13の中心部に結合された軸部材である。なお、ロータ機構部10における各構成部材は、この回転軸11に対して同心状に配設されている。
前記ベアリング12は、後述する筐体部30が有するフレーム31に固定されており、回転軸11が挿通された軸受け部材である。
前記ロータ13は、中心部に結合された回転軸11を介して、フレーム31に固定されたベアリング12に挿通され、振動子40上面に設けられている駆動子14に当接するように配設されている。このロータ13は、振動子40上面に励起される楕円振動を駆動源として駆動子14により摺動され、回転軸11を中心として回転する。
前記押圧機構部20は、押圧バネ21と、押圧部材22と、バネ規制部材23aが設けられた固定板23と、を有する。
前記押圧バネ21は、後述する振動子40を、ロータ13に対して押圧する為のバネ部材である。具体的には、この押圧バネ21は、例えば板バネやコイルバネ等である。
前記押圧部材22は、振動子40の底面(押圧機構部20に対向する面)の略中央部に設けられており、押圧バネ21の押圧力は、当該押圧部材22を介して振動子40に伝達される。
前記固定板23は、後述するフレーム31に対して固定され、押圧バネ21を位置決めする突起部であるバネ規制部材23aが設けられている。このバネ規制部材23aは、前記押圧バネ21内に挿通され、押圧バネ21を位置決めしている。
前記筐体部30は、フレーム31と、支持部材32と、を有する。
前記フレーム31は、外形が略直方体形状の枠部材であり、押圧機構部20と支持部材32と共に振動子40を保持する。
前記支持部材32は、振動子40をフレーム31の両側面側から挟持するようにフレーム31に設けられた互いに対向する支持部材32aと支持部材32bとから成る。この支持部材32は、振動子40に励起される縦1次振動の節部に対応する位置に設けられている。
前記振動子40は、後述の構成を採り、その上端面(ロータ機構部10との対向面)にはロータ13に当接する駆動子14が設けられている。
図2は、前記振動子40を構成する圧電シートの一構成例を示す図である。振動子40は、第1の圧電シート41と第2の圧電シート42とがその厚み方向に交互に積層されて成り、この積層されて成る積層体の最上位及び中間部位には第3の圧電シート43が配置されている。
これら第1の圧電シート41、第2の圧電シート42、及び第3の圧電シート43は、矩形のシート状の圧電素子である。これら第1の圧電シート41、第2の圧電シート42、及び第3の圧電シート43としては、例えばハード系のチタン酸ジルコン酸鉛の圧電セラミックス素子(PZT)を用いる。詳細は後述するが、第1の圧電シート41及び第2の圧電シート42には、厚み方向に分極されてなる活性化領域を有する内部電極が設けられている。この内部電極としては、例えば厚さ4μmの銀パラジウム合金を挙げることができる。
前記第1の圧電シート41の電極形成面上には、内部電極41aと内部電極41bとが、中心線C(短辺を2等分する線)に対して対称に設けられている。詳細には、これら内部電極41a,41bは、第1の圧電シート41の電極形成面上の下記の位置に設けられている。
図3は、振動子40に励起される縦1次振動の節部及び捻れ2次振動の腹部に対応する圧電シート(第1の圧電シート41、第2の圧電シート42)の電極形成面上の位置を示す図である。
図3に示すように、内部電極41a,41bは、振動子40に励起される縦1次振動の節部且つ捻れ2次振動の腹部に対応する位置に設けられている。また、内部電極41aには、図2に示すように当該第1の圧電シート41の一方短辺の縁部位に向かって延出された露出部41aeが設けられている。内部電極41bには、当該第1の圧電シート41の一方長辺の縁部位に向かって延出された露出部41beが設けられている。
前記第2の圧電シート42の電極形成面上には、積層された際に内部電極41a及び内部電極41bにそれぞれ対応する位置に、内部電極42aと内部電極42bとが設けられている。内部電極42a,42bには、それぞれ内部電極41a,41bの露出部41ae,41beが延出されている辺に対応する辺(積層時に重なる辺)に延出された露出部42ae,42beが設けられている。
ここで、露出部41aeと露出部42aeとは、積層時に互いに重ならないように所定間隔だけずらして設けられている。他方、露出部41beと露出部42beとは、それぞれ延出されている辺が互いに対応しない辺であるので当然ながら積層時に重なることはない。
以上説明したように、第1の圧電シート41と、第2の圧電シート42と、第3の圧電シート43とを積層することで、図4に示す振動子40を得ることができる。なお、図4においては、説明の便宜上、振動子40の内部に存在する駆動電極及び振動検出電極(上述の各内部電極により構成される)を可視化して示し、且つ、各圧電シートについては別個に図示せずに振動子40として一体的に図示している。
図3及び図4に示すように、振動子40のうち、内部電極41aと内部電極42aとが積層されて成る部位は、駆動電極101A,101B(詳細は後述する)を構成している。内部電極41bと内部電極42bとが積層されて成る部位は、振動検出電極103C,103D(詳細は後述する)を構成している。そして、これら駆動電極101A,101B及び振動検出電極103C,103Dが振動子40において占める位置は、振動子40に励起される振動のうち縦1次振動の節部且つ捻れ2次振動の腹部に対応する位置である。
また、駆動電極101Aと駆動電極101Bとは、圧電シートの積層方向における中間部位に配設された第3の圧電シートに対して対称を成すように構成されている。振動検出電極103Cと振動検出電極103Dとは、圧電シートの積層方向における中間部位に配設された第3の圧電シートに対して対称を成すように構成されている。
ここで、図4に示すように振動子40の高さをH、厚さをT、幅をWとする。そして、高さHを一定として、(厚さ(短辺)T/幅(長辺)W)の値を横軸にとり、各振動モードにおける共振周波数の値を縦軸にとると、図5に示す特性を得ることができる。具体的には下記のような特性となる。すなわち、
・ 縦1次振動モードにおける共振周波数の値は、(T/W)の値に依存せず、略一定の値をとる。
・ 捻れ1次振動モード、捻れ2次振動モード、及び捻れ3次振動モードにおける共振周波数の値は、(T/W)の値の増加に従って、増加していく。
・ 捻れ1次振動モードにおける共振周波数は、(T/W)の値がどのような値であっても、縦1次振動モードにおける共振周波数と一致することは無い。
・ 捻れ2次振動モードにおける共振周波数は、(T/W)の値が0.6となる近傍で、縦1次振動モードにおける共振周波数と一致する。
・ 捻れ3次振動モードにおける共振周波数は、(T/W)の値が0.3となる近傍で、縦1次振動モードにおける共振周波数と一致する。
上述したような特性の為、
・ 縦1次振動モードと捻れ3次振動モードとを利用する場合、(T/W)の値が0.25〜0.35となるように、振動子40の厚さT及び幅Wを設定する。
・ 縦1次振動モードと捻れ2次振動モードとを利用する場合、(T/W)の値が0.55〜0.65となるように、振動子40の厚さT及び幅Wを設定する。
本第1実施形態に係る超音波モータにおいては、捻れ振動として捻れ2次振動を利用するので、(T/W)の値が略0.6となるように設計する。これにより、縦1次振動モードにおける共振周波数と、捻れ2次振動モードにおける共振周波数と、を略一致させる。
図6は、それぞれ図4に示すX方向から観た振動子40(左側面)の一構成例を示す図である。
すなわち、図2、図4、及び図6に示すように、振動検出電極(C−相)103C−及び振動検出電極(D−相)103D−を構成する内部電極41bの露出部41be同士を外部電極により短絡する。
図6に示す例では、振動検出電極(C−相)103C−に対応する露出部41be同士を外部電極113C−によって短絡している。同様に、振動検出電極(D−相)103D−に対応する露出部41be同士を外部電極113D−によって短絡している。
図8は、図4に示すY方向から観た振動子40(底面)の一構成例を示す図である。図2、図4、及び図8に示すように、振動子40の底面においては下記のように外部電極を形成する。
・ 駆動電極(A+相)101A+に対応する露出部42ae同士を外部電極111A+によって短絡する。
・ 駆動電極(A−相)101A−に対応する露出部41ae同士を外部電極111A−によって短絡する。
・ 駆動電極(B+相)101B+に対応する露出部42ae同士を外部電極111B+によって短絡する。
・ 駆動電極(B−相)101B−に対応する露出部41ae同士を外部電極111B−によって短絡する。
・ 振動検出電極(C+相)103C+に対応する露出部42be同士を外部電極113C+によって短絡する。
・ 振動検出電極(D+相)103D+に対応する露出部42be同士を外部電極113D+によって短絡する。
以上説明したように、本第1実施形態においては、振動検出電極に対応する外部電極については一方極性の外部電極を、振動子40のうち駆動電極の外部電極が設けられている面に設ける。そして、他方極性の外部電極を、振動子40の別の面(振動子40の側面)に設ける。そして、図6に示す振動子40の側面に設けた振動検出電極に対応する外部電極113C−,113D−はリード線等により短絡する。なお、図6に示す外部電極113C−と外部電極113D−とを、図7に示すように外部電極113CD−によって一体的に短絡してもよい。このように構成することで、図9に示すように駆動回路に対して接続する配線数の減少を実現することができる。
図9は、振動子40の底面における配線例を示す図である。すなわち、駆動回路(不図示)に対して接続する配線は、振動子底面に設けられた6個の外部電極111A−,111A+,111B−,111B+,113C+,113D+に対応する6本となる。この接続は、図9に示すようにフレキシブル基板120を利用しても良い。
以下、本第1実施形態に係る超音波モータの駆動方法について説明する。
上述したように(T/W)の値を略0.6に設定することで、縦1次振動モードにおける共振周波数と、捻れ2次振動モードにおける共振周波数と、が略一致する。
例えば、前記共振周波数で、同位相の交流電圧を、駆動電極(A相)101A及び駆動電極(B相)101Bに対して印加する。なお、駆動周波数は、縦1次振動と捻れ2次振動との共振周波数に設定する。このとき、駆動電極(A相)101Aに対応する部位と駆動電極(B相)101Bに対応する部位とが同相で振動する。この結果、振動子40は縦振動する。このとき、振動検出電極(C相)103Cと振動検出電極(D相)103Dとには、同一の電位が発生する。
一方、駆動電極(A相)101Aと駆動電極(B相)101Bとに、逆位相(位相差が180°)の交流電圧を印加すると、駆動電極(A相)101Aに対応する部位と駆動電極(B相)101Bに対応する部位とが逆相で振動する。この結果、振動子40は捻れ振動を行う。このとき、振動検出電極(C相)及び振動検出電極(D相)には、符号の異なる電位が発生する。
そして、上述のような振動特性を有する振動子40の駆動電極(A相)101Aと駆動電極(B相)101Bとに、互いに位相が異なる(例えば位相差が90°の)交流電圧を印加することで、振動子40に縦1次振動と捻れ2次振動とを同時に励起することができる。
縦1次振動と捻れ2次振動とが同時に励起された振動子40においては、その上端面に楕円振動が生じる。ここで、振動子40の上端面に設けられた駆動子14は、押圧機構部20による押圧力でロータ13に対して押圧されており、振動子40の上端面における楕円振動により、ロータ13が回転駆動される。
さらには、駆動電極(A相)101Aに印加する交流電圧と、駆動電極(B相)101Bに印加する交流電圧と、の位相差を反転させることで、振動子40に発生する楕円振動の回転方向を反転させることができ、ロータ13を逆回転で回転駆動することができる。このように、駆動電極(A相)101Aに印加する交流電圧と、駆動電極(B相)101Bに印加する交流電圧と、の位相差を制御することで、ロータ13の回転方向を制御することができる。
ところで、振動検出電極(C相)103C及び振動検出電極(D相)103Dは、縦1次振動モードにおいては、同一の電位を発生する。他方、捻れ2次振動モードにおいては、互いに符号の異なる電位を発生する。
従って、縦1次振動と捻れ2次振動とが振動子40に同時に励起された状態では、振動検出電極(C相)103Cにおいて発生した電位と、振動検出電極(D相)103Dにおいて発生した電位と、の差を演算することで、縦1次振動成分が相殺され、捻れ2次振動に対応する成分のみを検出することができる。
具体的には、外部電極113C−と外部電極113D−とを接続し、外部電極113D+の電位と外部電極113D+の電位との差を検出することで、捻れ2次振動に対応する成分のみを検出することができる。
なお、振動検出電極(C相)101Cまたは振動検出電極(D相)101Dを、図6乃至図8に示す分極方向とは逆に分極することで、縦振動成分のみを検出することも可能である。例えば、振動検出電極(D相)101Dの分極方向を逆にした場合、振動子40の底面には外部電極113C+及び外部電極113D−が配設される。このとき、外部電極113C+と外部電極113D−との間には、振動検出電極(C相)で生じた信号と振動検出電極(D相)で生じた信号とが加算された信号が生じる。すなわち、逆相成分である捻れ振動成分が相殺されて、縦振動成分のみを検出することができる。
以上説明したように、本第1実施形態によれば、駆動回路に対して接続する配線数を減少させ、振動体の小型化を可能とした超音波モータを提供することができる。
なお、超音波モータを構成する振動子の小型化においては、外部電極の小型化が必要であり、この外部電極の小型化においては、製造上の問題(例えば外部電極間の間隔を詰めることについての限界、及び外部電極自体の大きさを縮小させることについての限界も)も考慮しなくてはならない。このことが振動子の小型化の阻害要因となっており、振動子の小型化を困難なものにしている。
そこで、本第1実施形態に係る超音波モータでは、“駆動回路との接続に係る外部電極を配設する特定の一面(上述の例では底面)”に配設する外部電極数自体(及びそれら外部電極から引き出される配線数)を減少させることで、振動子の小型化を実現した。このように、製造上の制約を克服し、配線数を減少させて小型化を実現したことによる利益は当業者にとっては非常に大きい。
具体的には、本第1実施形態に係る超音波モータは下記のような効果を奏する。
・駆動回路に接続する外部電極のみを特定の一面(上述の例では振動子40の底面)に配設することで、当該特定の一面における外部電極数及び引き出す配線数を減少させた。(駆動用として4本の配線、及び振動検出用として2本の配線)。
・ 圧電素子単体で振動子を構成し、振動子の構成を簡略化し、小型化を実現した。
・ 振動検出電極により取得した振動検出信号に基づいた周波数追尾を行うことができるので、更なる安定駆動が可能となる。
なお、上述の例では、駆動回路に接続する外部電極を設ける“特定の一面”を振動子40の“底面”とし、それ以外の外部電極を振動子40の“側面”に設ける構成としているが、この構成に限られず、駆動回路に接続する外部電極を設ける“特定の一面”を振動子40の“側面”とし、それ以外の外部電極を振動子40の“底面”に設ける構成としてしても勿論よい。
[第2実施形態]
以下、本第2実施形態に係る超音波モータについて説明する。なお、説明の重複を避ける為、第1実施形態に係る超音波モータとの相違点について説明する。
本第2実施形態に係る超音波モータにおいては、捻れ振動として捻れ3次振動を利用する。すなわち、前記(T/W)の値が略0.3となるように設計する。これにより、縦1次振動モードにおける共振周波数と、捻れ3次振動モードにおける共振周波数と、を略一致させる。なお、駆動周波数は、縦1次振動と捻れ3次振動との共振周波数に設定する。
図10は、本第2実施形態に係る超音波モータの振動子40を構成する圧電シートの一構成例を示す図である。振動子40は、矩形のシート状の圧電素子である第1の圧電シート41と第2の圧電シート42とがその厚み方向に交互に積層されて成り、この積層されて成る積層体の最上位及び中間部位には第3の圧電シート43が配置されている。
前記第1の圧電シート41の電極形成面上には、内部電極41aと内部電極41bと内部電極41cとが、それぞれ振動子40に励起される捻れ3次振動の腹部に対応する位置に設けられている。詳細には、内部電極41aと内部電極41bとは、中心線C(短辺を2等分する線)に対して対称に設けられている。また、内部電極41bと内部電極41cとは中心線C´(長辺を2等分する線)に対して対称に設けられている。
そして、内部電極41aには、当該第1の圧電シート41の一方短辺の縁部位に向かって延出された露出部41aeが設けられている。内部電極41bには、当該第1の圧電シート41の一方長辺の縁部位に向かって延出された露出部41beが設けられている。内部電極41cは、内部電極41aと電気的に接続されている。
前記第2の圧電シート42の電極形成面上には、積層された際に内部電極41a、内部電極41b、内部電極41cにそれぞれ対応する位置に、内部電極42aと内部電極42bと内部電極42cとが設けられている。内部電極42aには、当該第2の圧電シート42の一方短辺の縁部位に向かって延出された露出部42aeが設けられている。同様に、内部電極42bには、当該第2の圧電シート42の前記一方短辺の縁部位に向かって延出された露出部42beが設けられている。内部電極42cは、内部電極42aと電気的に接続されている。
ここで、露出部41aeと露出部42aeとは、積層時に互いに重ならないように所定間隔だけずらして形成されている。露出部41beと露出部42beとは、それぞれ延出されている辺が互いに対応しない辺であるので当然ながら積層時に重なることはない。また、前記第3の圧電シート43上には、内部電極は設けられていない。
以上説明したように、第1の圧電シート41と、第2の圧電シート42と、第3の圧電シート43とを積層することで、図11に示す振動子40を得ることができる。なお、図11においては、説明の便宜上、振動子40の内部に存在する電極を可視化して示し、且つ、各圧電シートについては別個に図示せずに振動子40として一体的に図示している。
図10及び図11に示すように、振動子40のうち、内部電極41aと内部電極42aとが積層されて成る部位は、駆動電極101A1,101B1(中間部位に配置された第3の圧電シート43を挟んで一方側(図11に示す振動子40の手前側;以下同様)が駆動電極101A1、他方側(図11に示す振動子40の奥側)が駆動電極101B1;以下同様)を構成している。内部電極41cと内部電極42cとが積層されて成る部位は、駆動電極101A2,101B2(中間部位に配置された第3の圧電シート43を挟んで一方側が駆動電極101A2、他方側が駆動電極101B2)を構成している。内部電極41bと内部電極42bとが積層されて成る部位は、振動検出電極103C,103Dを構成している。
そして、駆動電極101A1,101B1,101A2,101B2及び振動検出電極103C,103Dが振動子40において占める位置は、振動子40に励起される振動のうち捻れ3次振動の腹部に対応している。
ところで、駆動電極101A1,101A2はA相の駆動電極として機能し、駆動電極101B1,101B2はB相の駆動電極として機能する。
図12は、図11に示すX方向から観た振動子40(側面)の一構成例を示す図である。
図10、図11、及び図12に示すように、振動検出電極(C−相)103C−及び振動検出電極(D−相)103D−を構成する内部電極41bの露出部41be同士を外部電極により短絡する。
図12に示す例では、振動検出電極(C−相)103C−に対応する露出部41be同士を外部電極113C−によって短絡している。同様に、振動検出電極(D−相)103D−に対応する露出部41be同士を外部電極113D−によって短絡している。
図14は、図10に示すY方向から観た振動子40(底面)の一構成例を示す図である。同図に示すように、振動子40の底面においては下記のように外部電極を形成する。
・ 駆動電極(A1+相)101A1+及び駆動電極(A2+相)101A2+に対応する露出部42ae同士を外部電極111A+によって短絡する。
・ 駆動電極(A1−相)101A1−及び駆動電極(A2−相)101A2−に対応する露出部41ae同士を外部電極111A−によって短絡する。
・ 駆動電極(B1+相)101B1+及び駆動電極(B2+相)101B2+に対応する露出部42ae同士を外部電極111B+によって短絡する。
・ 駆動電極(B1−相)101B1−及び駆動電極(B2−相),101B2−に対応する露出部41ae同士を外部電極111B−によって短絡する。
・ 振動検出電極(C+相)103C+に対応する露出部42be同士を外部電極113C+によって短絡する。
・ 振動検出電極(D+相)103D+に対応する露出部42be同士を外部電極113D+によって短絡する。
以上説明したように、振動検出電極に対応する外部電極については、一方極性の外部電極を振動子40のうち駆動電極の外部電極が設けられている面に設け、他方極性の外部電極を別の面(振動子40の側面)に設ける。そして、図12に示す振動子40の側面に設けた振動検出電極に対応する外部電極113C−,113D−はリード線等により短絡する。なお、図12に示す外部電極113C−と外部電極113D−とを、図13に示すように外部電極113CD−によって一体的に短絡してもよい。このように構成することで、図14に示すように駆動回路に対して接続する配線数の減少を実現することができる。
すなわち、駆動回路(不図示)に対して接続する配線は、振動子底面に設けられた6個の外部電極111A−,111A+,111B−,111B+,113C+,113D+に対応する6本となる。この接続は、フレキシブル基板(不図示)を利用しても良い。
以上説明したように、本第2実施形態によれば、第1実施形態に係る超音波モータと同様の効果を奏する上に、駆動用電極数を2倍に増やすことができるので駆動力が更に高まった超音波モータを提供することができる。
[第3実施形態]
以下、本第3実施形態に係る超音波モータについて説明する。なお、説明の重複を避ける為、第1実施形態に係る超音波モータとの相違点について説明する。
図15は、本第3実施形態に係る超音波モータの振動子40を構成する圧電シートの一構成例を示す図である。すなわち、矩形のシート状の圧電素子である第1の圧電シート41と第2の圧電シート42とがその厚み方向に交互に積層されて所定の厚みを成し、その上に第3の圧電シート43が配置され、更に第4の圧電シート44と第5の圧電シート45とがその厚み方向に交互に積層されて所定の厚みを成し、最上位には、第3の圧電シート43が配置される。
前記第1の圧電シート41の電極形成面上には、内部電極41aと内部電極41bとが、中心線C(短辺を2等分する線)に対して対称に設けられている。詳細には、内部電極41a及び内部電極41bは、振動子40における縦1次振動の節部且つ捻れ2次振動の腹部に対応する位置に設けられている。
内部電極41bには、当該第1の圧電シート41の一方長辺の縁部位に向かって延出された露出部41beが設けられている。ここで、内部電極41aと内部電極41bとは電気的に接続されている。
前記第2の圧電シート42の電極形成面上には、積層された際に内部電極41a、内部電極41bにそれぞれ対応する位置に、内部電極42aと内部電極42bとが設けられている。
内部電極42aには、当該第2の圧電シート42の一方短辺の縁部位に向かって延出された露出部42aeが設けられている。同様に、内部電極42bには、当該第2の圧電シート42の前記一方短辺の縁部位に向かって延出された露出部42beが設けられている。ここで、露出部42aeと露出部42beとは、重ならないように所定間隔ずらして設けられている。
前記第3の圧電シート43上には、内部電極は設けられていない。
前記第4の圧電シート44の電極形成面上には、積層された際に内部電極41a,42a及び内部電極41b,42bにそれぞれ対応する位置に、内部電極44aと内部電極44bとが設けられている。内部電極44aには、当該第4の圧電シート44の一方短辺の縁部位に向かって延出された露出部44aeが設けられている。同様に、内部電極44bには、当該第4の圧電シート44の前記一方短辺の縁部位に向かって延出された露出部44beが設けられている。ここで、露出部44aeと露出部44beとは、互いに重ならないように所定間隔ずらして設けられている。
前記第5の圧電シート45の電極形成面上には、積層された際に内部電極44a、内部電極44bにそれぞれ対応する位置に、内部電極45aと内部電極45bとが設けられている。
内部電極45aには、当該第5の圧電シート45の一方短辺の縁部位に向かって延出された露出部45aeが設けられている。同様に、内部電極45bには、当該第5の圧電シート45の前記一方短辺の縁部位に向かって延出された露出部45beが設けられている。ここで、露出部45aeと露出部45beとは、重ならないように所定間隔ずらして設けられている。
なお、露出部44aeと露出部45aeとは、積層時に互いに重ならないように所定間隔だけずらして設けられている。同様に、露出部44beと露出部45beとは、積層時に互いに重ならないように所定間隔だけずらして設けられている。
以上説明したように、第1の圧電シート41と、第2の圧電シート42と、第3の圧電シート43と、第4の圧電シート44と、第5の圧電シート45とを積層することで、図16に示す振動子40を得ることができる。なお、図16においては、説明の便宜上、振動子40の内部に存在する電極を可視化して示し、且つ、各圧電シートについては別個に図示せずに振動子40として一体的に図示している。
図16に示すように、振動子40のうち、内部電極44aと内部電極45aとが積層されて成る部位は駆動電極101Aを構成している。内部電極44bと内部電極45bとが積層されて成る部位は駆動電極101Bを構成している。内部電極41aと内部電極42aとが積層されて成る部位は振動検出電極103Cを構成している。内部電極41bと内部電極42bとが積層されて成る部位は振動検出電極103Dを構成している。
そして、駆動電極101A,101B及び振動検出電極103C,103Dが振動子40において占める位置は、振動子40に励起される振動のうち縦1次振動の節部且つ捻れ2次振動の腹部に対応している。
ところで、駆動電極101AはA相の駆動電極として機能し、駆動電極101B1はB相の駆動電極として機能する。振動検出電極103C,103Dは、それぞれ振動子40の振動を検出する為の電極(C相、D相)として機能する。
図17は、図11に示すX方向から観た振動子40(側面)の一構成例を示す図である。上述したように内部電極41aと内部電極41bとは短絡されている為、振動検出電極(D−相)103D−を構成する内部電極41bの露出部41be同士を外部電極113CD−により短絡することで、実質的に振動検出電極(C相)と振動検出電極(D相)とを短絡したことになる。これにより、配線を更に減少させることができる。
図18は、図16に示すY方向から観た振動子40(底面)の一構成例を示す図である。同図に示すように、振動子40の底面においては下記のように外部電極を形成する。
・ 駆動電極(A+相)101A+に対応する露出部45ae同士を外部電極111A+によって短絡する。
・ 駆動電極(A−相)101A−に対応する露出部44ae同士を外部電極111A−によって短絡する。
・ 駆動電極(B+相)101B+に対応する露出部45be同士を外部電極111B+によって短絡する。
・ 駆動電極(B−相)101B−に対応する露出部44be同士を外部電極111B−によって短絡する。
・ 振動検出電極(C+相)103C+に対応する露出部42ae同士を外部電極113C+によって短絡する。
・ 振動検出電極(D+相)103D+に対応する露出部42be同士を外部電極113D+によって短絡する。
以上説明したように、振動検出電極に対応する外部電極については、一方極性の外部電極を振動子40のうち駆動電極の外部電極が設けられている面に設け、他方極性の外部電極を別の面(振動子40の側面)に設けることで、配線数の減少を実現することができる。
以上説明したように、本第3実施形態によれば、第1実施形態に係る超音波モータと同様の効果を奏する上に、振動検出用電極間を内部電極形成面において短絡することで更に配線数を減少させることができる超音波モータを提供することができる。
以上、第1実施形態乃至第3実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、種々の変形及び応用が可能なことは勿論である。
[変形例]
以下、上述の第1実施形態乃至第3実施形態の全てに適用可能な変形例に係る超音波モータについて説明する。なお、説明の重複を避ける為、第1実施形態に係る超音波モータとの相違点について説明する。本変形例においては、駆動回路に接続する外部電極を配設する特定の一面を、振動子40の側面とする。
図19は、本変形例に係る超音波モータの振動子40を構成する圧電シートの一構成例を示す図である。同図に示すように、矩形のシート状の圧電素子である第1の圧電シート41と第2の圧電シート42とがその厚み方向に交互に積層されて成り、この積層されて成る積層体の最上位及び中間部位には第3の圧電シート43が配置されている。
前記第1の圧電シート41の電極形成面上には、内部電極41aと内部電極41bとが、中心線C(短辺を2等分する線)に対して対称に設けられている。詳細には、内部電極41a及び内部電極41bは、振動子40に励起される縦1次振動の節部且つ捻れ2次振動の腹部に対応する位置に設けられている。内部電極41aには、当該第1の圧電シート41の一方長辺の縁部位に向かって延出された露出部41aeが設けられている。内部電極41bには、当該第1の圧電シート41の他方長辺の縁部位に向かって延出された露出部41beが設けられている。
前記第2の圧電シート42の電極形成面上には、積層された際に内部電極41a及び内部電極41bにそれぞれ対応する位置に、内部電極42aと内部電極42bとが設けられている。内部電極42aには、当該第2の圧電シート42の一方長辺(露出部41aeが延出されている長辺に対応する長辺、以下同様)の縁部位に向かって延出された露出部42aeが設けられている。同様に、内部電極42bには、当該第2の圧電シート42の前記一方長辺の縁部位に向かって延出された露出部42beが設けられている。
ここで、露出部41aeと露出部42aeとは、積層時に互いに重ならないように所定間隔だけずらして設けられている。露出部41beと露出部42beとは、それぞれ延出されている辺が互いに対応しない辺であるので当然ながら積層時に重なることはない。また、前記第3の圧電シート43上には、内部電極は設けられていない。
以上説明したように、第1の圧電シート41と、第2の圧電シート42と、第3の圧電シート43とを積層することで、図20に示す振動子40を得ることができる。なお、図20においては、説明の便宜上、振動子40の内部に存在する電極を可視化して示し、且つ、各圧電シートについては別個に図示せずに振動子40として一体的に図示している。
前記第3の圧電シート43上には、内部電極は設けられていない。
図20に示すように、振動子40のうち、内部電極41aと内部電極42aとが積層されて成る部位は、駆動電極101A,101Bを構成している。内部電極41bと内部電極42bとが積層されて成る部位は、振動検出電極103C,103Dを構成している。そして、これら駆動電極101A,101B及び振動検出電極103C,103Dが振動子40において占める位置は、振動子40に励起される振動のうち縦1次振動の節部且つ捻れ2次振動の腹部に対応する位置である。
詳細には、振動子40の厚み方向における略中央位置に配設されている第3の圧電シート43によって、駆動電極101は駆動電極(A相)101Aと駆動電極(B相)101Bとに分割されている。同様に、振動検出電極103は、振動検出電極(C相)103Cと振動検出電極(D相)103Dとに分割されている。
図21は、図20に示すX1方向から観た振動子40(右側面)の一構成例を示す図である。同図に示すように、駆動電極(A−相)101A−を構成する内部電極41aの露出部41ae同士を外部電極111A−により短絡する。駆動電極(A+相)101A+を構成する内部電極42aの露出部42ae同士を外部電極111A+により短絡する。駆動電極(B−相)101B−を構成する内部電極41aの露出部41ae同士を外部電極111B−により短絡する。駆動電極(B+相)101B+を構成する内部電極42aの露出部42ae同士を外部電極111B+により短絡する。振動検出電極(C+相)103C+を構成する内部電極42bの露出部42be同士を外部電極113C+により短絡する。振動検出電極(D+相)103D+を構成する内部電極42bの露出部42be同士を外部電極113D+により短絡する。
図22及び図23は、図20に示すX2方向から観た振動子40(左側面)の一構成例を示す図である。
図22に示すように、振動検出電極(C相)103C−を構成する内部電極41bの露出部41be同士を外部電極113C−により短絡する。振動検出電極(D−相)103D−を構成する内部電極41bの露出部41be同士を外部電極113D−により短絡する。
図23に示す例では、振動検出電極(C−相)103C−に対応する露出部41beと、振動検出電極(D−相)103D−に対応する露出部41beと、を外部電極113CD−によって一体的に短絡している。このように構成することで、図22に示す例を採用する場合よりも、更に配線数を減少させることができる。
以上のように、駆動回路に接続する外部電極を配設する一面を、振動子40の側面としてもよい。
さらに、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示した複数の構成要件の適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示す全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
10…ロータ機構部、 11…回転軸、 12…ベアリング、 13…ロータ、 14…駆動子、 20…押圧機構部、 21…押圧バネ、 22…押圧部材、 23a…バネ規制部材、 23…固定板、 30…筐体部、 31…フレーム、 32…支持部材、 32a1…支持部材、 32a2…支持部材、 40…振動子、 53…駆動子、 41…第1の圧電シート、 41a,41b,41c,42a,42b,42c,44a,44b,45a,45b…内部電極、 41ae…露出部、 41be…露出部、 42…第2の圧電シート、 42ae…露出部、 42be…露出部、 43…第3の圧電シート、 44…第4の圧電シート、 44ae…露出部、 44be…露出部、 45…第5の圧電シート、 45ae…露出部、 45be…露出部、 101A,101B,101A1,101B1,101A2,101B2…駆動電極、 111A,111B,113C,113D,113CD…外部電極、 120…フレキシブル基板。

Claims (4)

  1. 中心軸に垂直な断面が矩形状を呈し、前記中心軸方向に伸縮する縦振動と、前記中心軸を捻れ軸とする捻れ振動と、が同時に励起されることで楕円振動を発生する振動子であって、前記矩形状を構成する短辺と長辺との長さの比率は、前記縦振動の共振周波数と前記捻れ振動の共振周波数とが略一致する値に設定された振動子と、
    前記振動子の楕円振動発生面に当接し、前記楕円振動によって、前記中心軸を回転軸として回転駆動される被駆動体と、
    前記振動子を前記被駆動体に対して押圧し、前記振動子の前記楕円振動発生面を前記被駆動体に対して圧接させる押圧機構部と、
    を具備し、
    前記振動子は、前記矩形状の圧電素子である圧電シートが積層されて成り、
    前記圧電シートには駆動用電極と振動検出用電極を構成する内部電極パターンが形成され、
    前記駆動用電極と前記振動検出用電極は縦振動の節部近傍且つ捻れ振動の腹部近傍に配置され
    前記振動子の外面のうち第1の面には、前記駆動用電極と導通する外部電極と、前記振動検出用電極と導通する外部電極のうち一方の極性に対応する外部電極と、が形成され、
    前記振動子の外面のうち前記第1の面とは異なる第2の面には、前記振動検出用電極と導通する外部電極のうち他方の極性に対応する外部電極が形成されており、
    前記駆動用電極及び前記振動検出用電極はそれぞれ2相設けられており、
    前記圧電シートに形成された前記内部電極パターンにおいて、前記2相の振動検出用電極のうち一方の極性を構成する電極同士が短絡されている
    ことを特徴とする超音波モータ。
  2. 記縦振動は、縦1次振動であり、
    前記捻れ振動は、捻れ2次振動または捻れ3次振動である
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波モータ。
  3. 前記短辺の長さをTとし、前記長辺の長さをWとすると、
    前記捻れ振動が捻れ2次振動である場合は、T/Wの値が略0.6であり、
    前記捻れ振動が捻れ3次振動である場合はT/Wの値が略0.3である
    ことを特徴とする請求項2に記載の超音波モータ。
  4. 記第2の面において、前記2相の振動検出用電極のうち一方の極性同士が外部電極により短絡されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の超音波モータ。
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