JP2013009529A - 超音波モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】簡略な構成で小型化が容易な超音波モータを提供すること。
【解決手段】略直方体形状を呈する振動子40の中心軸に垂直な断面を構成する短辺と長辺との長さの比率が、中心軸方向に伸縮する縦振動と、中心軸を捻れ軸とする捻れ振動との共振周波数を略一致させる比率に設定されており、縦振動と捻れ振動とが同時に励起されることで楕円振動が励起される振動子40を超音波モータに具備させる。振動子40のうち捻れ振動の腹部且つ縦次振動の節部に対応する位置であって、且つ、中心軸に垂直な矩形断面を構成する短辺方向における表面側に捻れ振動励起用活性領域111A1,111A2,111B1,111B2を設ける。振動子40のうち捻れ振動の腹部且つ縦振動の節部に対応する位置であって、且つ、捻れ振動励起用活性領域111A1,111A2,111B1,111B2の配設位置よりも短辺方向における中央部位側に縦振動励起用活性領域111C,111Dを設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば圧電素子等の振動子を用いた超音波モータに関する。
近年、電磁型モータに代わる新しいモータとして、圧電素子等の振動子の振動を利用した超音波モータが注目されている。この超音波モータは、従来の電磁型モータと比較して、ギア無しで低速高推力が得られる点、保持力が高い点、高分解能である点、静粛性に富む点、及び磁気的ノイズを発生させない点等の利点を有している。
具体的には、例えば、超音波振動子から成る振動体を、駆動子を介して、被駆動部材であるロータに押し付けることで、前記駆動子と前記ロータとの間に摩擦力を発生させ、この摩擦力によって前記ロータを駆動する。
詳細には、縦振動と捻れ振動とを超音波振動子に同時に発生させることで、それらの振動が合成された楕円振動を当該超音波振動子の端面に発生させ、該楕円振動を利用して前記ロータを回転させる。このような超音波モータに関連する技術としては、例えば特許文献1に次のような技術が開示されている。
すなわち、特許文献1には、棒状弾性体と、該棒状弾性体の側面において該棒状弾性体に対して一体的に設けられた複数の保持用弾性体と、該複数の保持用弾性体により両端を保持された複数の積層型圧電素子と、これら積層型圧電素子と前記保持用弾性体との間に設けられた複数の振動検出用の圧電素子と、前記棒状弾性体の端面に設けた摩擦子と、該摩擦子に対して押圧手段により押圧された状態で配置されたロータと、前記複数対の積層型圧電素子のうちの各一対に対して、前記振動検出用の圧電素子から出力され信号の位相若しくは振幅に応じた所定の周波数、大きさの交番電圧であり互いに位相差を有する交番電圧を印加する電源手段と、を具備する超音波モータが開示されている。
ここで、前記積層型圧電素子は複数対設けられている。詳細には、前記積層型圧電素子の変位方向と前記棒状弾性体の長手方向とが一定の鋭角を為し、且つ、積層型圧電素子の各対同士が互いに反対方向に傾斜して配置されている。
この特許文献1に開示されている超音波モータでは、前記棒状弾性体に縦振動と捻れ振動とを同時に励起して楕円振動を励起し、前記摩擦子によって前記ロータを回転駆動する。
特開平9−85172号公報
具体的には、特許文献1に開示されている技術では、1対もしくは複数対の積層型圧電素子が、当該積層型圧電素子を挿入可能な凹部を有する保持用弾性体と棒状弾性体との間に保持されている。そして、前記保持用弾性体を前記積層型圧電素子に突き当てて圧縮応力を印加した状態で、前記積層型圧電素子が、棒状弾性体に対してビスで固定される。
従って、この特許文献1に開示されている構造を採用する場合、圧電素子を固定する為の保持用弾性体は必須の構成要件となり、この保持用弾性体及び圧電素子を配置する為の凹部を棒状弾性体に形成しなければならない。このような複雑な構成が、圧電素子の小型化、ひいては超音波モータ自体の小型化を妨げている。
本発明は、前記の事情に鑑みて為されたものであり、簡略な構成で小型化が容易な超音波モータを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の一態様による超音波モータは、
略直方体形状を呈する当該振動子の中心軸に垂直な断面を構成する短辺と長辺との長さの比率が、前記中心軸方向に伸縮する縦振動と、前記中心軸を捻れ軸とする捻れ振動との共振周波数を略一致させる比率に設定されており、前記縦振動と前記捻れ振動とが同時に励起されることで楕円振動が励起される振動子と、
前記振動子のうち楕円振動が励起される楕円振動発生面に当接し、前記楕円振動によって、前記中心軸を回転軸として回転駆動される被駆動体と、
前記振動子を前記被駆動体に対して押圧し、前記振動子の前記楕円振動発生面を前記被駆動体に圧接させる押圧機構部と、
前記振動子のうち捻れ振動の腹部且つ縦次振動の節部に対応する位置であって、且つ、前記中心軸に垂直な矩形断面を構成する短辺方向における表面側に設けられた第1の駆動用活性領域と、
前記振動子のうち捻れ振動の腹部且つ縦振動の節部に対応する位置であって、且つ、前記第1の駆動用活性領域の配設位置よりも前記短辺方向における中央部位側に設けられた第2の駆動用活性領域と、
ことを特徴とする。
本発明によれば、簡略な構成で小型化が容易な超音波モータを提供することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る超音波モータの一構成例を示す正面図である。 図2は、振動子の一構成例を示す図である。 図3は、振動子における捻れ2次振動の様子を示す図である。 図4は、振動子における縦1次振動の腹部と、捻れ2次振動の腹部及び節部とを示す図である。 図5は、振動子の内部に存在する駆動電極及び振動検出電極を可視化して示した振動子の斜視図である。 図6は、振動子の高さをH、厚さをT、幅をWとし、高さHを一定として、(厚さ(短辺)T/幅(長辺)W)の値を横軸にとり、各振動モードにおける共振周波数の値を縦軸にとった場合の特性を示す図である。 図7は、振動子の高さ方向における略中央位置を、当該振動子の長手方向における上下端面に平行に切断した切断面を示す図である。 図8は、図5において矢印Rで示す方向から観た振動子(右側面)の一構成例を示す図である。 図9は、図5において矢印Lで示す方向から観た振動子(右側面)の一構成例を示す図である。 図10は、振動子の変形を模式的に示す振動子の右側面図である。 図11は、振動子の変形を模式的に示す振動子の左側面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る超音波モータの一構成例を示す正面図である。図1に示すように、本第1実施形態に係る超音波モータは、ロータ機構部10と、押圧機構部20と、筐体部30と、振動子40と、を具備する。
前記ロータ機構部10は、回転軸11と、ベアリング12と、ロータ13と、を有する。
前記回転軸11は、略円板形状を呈するロータ13の中心部位に結合された軸部材である。なお、ロータ機構部10における各構成部材は、この回転軸11に対して同心状に配設されている。
前記ベアリング12は、後述する筐体部30のフレーム31に保持されており、回転軸11が挿通された軸受け部材である。
前記ロータ13は、略円板形状の被駆動部材であって、その中心部位に結合された回転軸11がベアリング12に挿通されている。このロータ13のうち回転軸11が設けられている面とは逆側の面には、振動子40上面に設けられている摩擦接触部材14が当接(圧接)している。そして、このロータ13は、振動子40上面に励起される楕円振動を駆動源として摩擦接触部材14により摺動され、回転軸11を中心として回転する。
前記押圧機構部20は、押圧バネ21と、押圧部材22と、バネ規制シャフト23aが設けられたバネ押さえリング23と、を有する。
前記押圧バネ21は、振動子40をロータ13に対して押圧する為のバネ部材である。この押圧バネ21は、押圧部材22とバネ押さえリング23とによって挟持され、付勢力を有する状態で保持されている。具体的には、この押圧バネ21は、例えば板バネやコイルバネ等である。
前記押圧部材22は、振動子40の底面(押圧機構部20に対向する面)の中央部位近傍に設けられた板状部材であり、当該押圧部材22を介して前記押圧バネ21の押圧力が振動子40に伝達される。
前記バネ押さえリング23は、フレーム31のうち振動子40の下端面に対向する面上で回転可能に設けられた環状部材であり、押圧バネ21を位置決めする棒状部材であるバネ規制シャフト23aが螺合されている(バネ押さえリング23の内径面とバネ規制シャフトの外周面とには、互いに螺合する螺子溝が形成されている)。
前記バネ規制シャフト23aは、前記押圧バネ21の中空部位内に挿通され、その一方端は押圧部材22に対して固定され、他方端はバネ押さえリング23及びフレーム31の底面に形成された貫通孔(不図示)に挿通されている。つまり、バネ規制シャフト23aは、押圧バネ21を位置決めしている。
なお、フレーム31の底面に形成された貫通孔、及びバネ押さえリング23の貫通孔(螺子孔)は、振動子40の回転中心に対応する位置(上述の回転軸11と同軸となる位置)に形成されている。
ところで、バネ押さえリング23を回転させてバネ規制シャフト23aをその軸方向に移動させることで、押圧バネ21による押圧力量を調節することができる。換言すれば、バネ押さえリング23の回転操作のみで、ロータ13への摩擦接触部材14の押圧力量を調節することができる。
前記筐体部30は、フレーム31と、支持部材32と、を有する。
前記フレーム31は、外形が略直方体形状の枠状部材であり、押圧機構部20と支持部材32と共に振動子40を保持する。
前記支持部材32は、フレーム31から延出され、振動子40を囲むように設けられた振動子40の保持部材であり、捻れ2次振動の節部に対応する位置で振動子40を挟持している。この支持部材32が、フレーム31と共に振動子40を保持している。
前記振動子40は、その中心軸(回転軸)に垂直な断面が矩形状(短辺と長辺とが所定の長さ比率を有する矩形状)である略直方体形状の圧電素子である。詳細には後述の積層構造を採り、その上端面(ロータ機構部10との対向面)にはロータ13に当接する摩擦接触部材14が設けられており、下端面(押圧機構部20との対向面)には押圧部材22が設けられている。以下、この振動子40の構成を詳細に説明する。
図2は、振動子40の一構成例を示す図である。振動子40は、3種類の圧電シート(第1の圧電シート41、第2の圧電シート42、及び第3の圧電シート43;各圧電シートの詳細な構成は後述する)が下記のように積層されて成る。
《第1積層部位L1》
第1の圧電シート41と第2の圧電シート42とがその厚み方向に交互に複数枚積層されて成る。
《第2積層部位L2》
前記第1積層部位L1上に形成された積層部位であり、第3の圧電シート43が少なくとも1枚以上積層されて成る。
《第3積層部位L3》
前記第2積層部位L2上に形成された積層部位であり、第1の圧電シート41と第2の圧電シート42とがその厚み方向に交互に複数枚積層されて成る。
《第4積層部位L4》
前記第3積層部位L3上に形成された積層部位であり、第3の圧電シート43が少なくとも1枚以上積層されて成る。この第4積層部位L4は、当該振動子40の回転中心軸を含む部位である。
《第5積層部位L5》
前記第4積層部位L4上に形成された積層部位であり、第1の圧電シート41と第2の圧電シート42とがその厚み方向に交互に複数枚積層されて成る。
《第6積層部位L6》
前記第5積層部位L5上に形成された積層部位であり、第3の圧電シート43が少なくとも1枚以上積層されて成る。
《第7積層部位L7》
前記第6積層部位L6上に形成された積層部位であり、第1の圧電シート41と第2の圧電シート42とがその厚み方向に交互に複数枚積層されて成る。
《第8積層部位L8》
前記第7積層部位L7上に形成された積層部位であり、第3の圧電シート43が少なくとも1枚以上積層されて成る。
以下、上述の各圧電シートの構成について説明する。
上述の第1の圧電シート41、第2の圧電シート42、及び第3の圧電シート43は、矩形のシート状の圧電素子であり、例えばハード系のチタン酸ジルコン酸鉛の圧電セラミックス素子(PZT)から成る。第1の圧電シート41及び第2の圧電シート42には、厚み方向に分極されてなる活性領域を有する内部電極が設けられている。それら内部電極は、例えば厚さ4μmの銀パラジウム合金等から成る。
図2に示すように、前記第1の圧電シート41の電極形成面上には、内部電極41aと内部電極41cとが、中心線C(短辺を2等分する線)に対して対称を成すように設けられている。
この内部電極41aには、図2に示すように当該第1の圧電シート41の一方長辺の縁部位に向かって延出された露出部41aeが設けられている。内部電極41cには、当該第1の圧電シート41の他方長辺の縁部位に向かって延出された露出部41ceが設けられている。
前記第2の圧電シート42の電極形成面上には、積層された際に内部電極41aに対応する位置に内部電極42aが設けられ、内部電極41cに対応する位置に内部電極42cが設けられている。これら内部電極42a,42cには、それぞれ内部電極41a,41cの露出部41ae,41ceが延出されている辺に対応する辺(積層時に重なる辺)に延出された露出部42ae,42ceが設けられている。
ここで、露出部41aeと露出部42aeとは、積層時に互いに重ならないように所定間隔だけずらして設けられている。同様に、露出部41ceと露出部42ceとについても、積層時に互いに重ならないように所定間隔だけずらして設けられている。
ところで、振動子40の各積層部位において、少なくとも内部電極41aと内部電極42aとが互いに対向する部分、及び、内部電極41cと内部電極42cとが互いに対向する部分は圧電的に活性化されている。詳細には、内部電極41aと内部電極42aとの間、及び、内部電極41cと内部電極42cとの間には高電圧が印加され、各電極間が積層方向に分極されている。
ところで、振動子40を構成する各圧電シート41,42の電極形成面のうち、上述した各内部電極41a,41c,42a,42cが形成されている位置は、縦1次振動の節部且つ捻れ2次振動の腹部に対応する位置(振動子40の長手方向における略中央部近傍)である(詳細は図面を参照して後述する)。
前記第3の圧電シート43は、内部電極が設けられていない圧電シートである。すなわち、この第3の圧電シート43は、電気的に絶縁する為の圧電シートである。
図3は、振動子40における捻れ2次振動の様子を示す図である。図4は、振動子40における縦1次振動の節部、並びに捻れ2次振動の節部及び腹部を示す図である。図3において符号P2が付されている部位は、振動子40の捻れ2次振動の腹部である。
図4に示すように、振動子40の縦1次振動においては、高さ方向の中心位置(近傍)に振動の節部が存在する。また、振動子40の捻れ2次振動においては、高さ方向の2つの位置(上述した支持部材32による支持位置(接触))に振動の節部が存在する。
図3及び図4に示すように、振動子40の捻れ2次振動においては、高さ方向の中心位置(近傍)及び両端(近傍)に振動の腹部が3つ存在する(図3におけるP2)。
そして、振動子40を構成する各圧電シートの電極形成面のうち、上述した各内部電極が形成される位置は、図3及び図4に示す縦1次振動の節部且つ捻れ2次振動の腹部に対応する位置(振動子40の長手方向における略中央部近傍)である。
なお、第3積層部位L3及び第5積層部位L5において用いられる第1の圧電シート41上の2つの内部電極41a,41cのうち何れか一方の内部電極と、その内部電極に対応する第2の圧電シート42上の内部電極とについては、必ずしも捻れ2次振動の腹部を含む位置に設けなくても良く、少なくとも縦1次振動の節部を含む位置に設ければ良い。
これは、第3積層部位L3及び第5積層部位L5において用いられる第1の圧電シート41上の2つの内部電極41a,41cのうち何れか一方の内部電極と、その内部電極に対応する第2の圧電シート42上の内部電極は、振動子40に縦1次振動のみを励起させる為に用いられる為、捻れ2次振動の腹部近傍に設ける必要性がないからである。
以下、振動子40の各領域における電極構成について説明する。
図5は、振動子40の斜視図である。図5においては、説明の便宜上、振動子40の内部に存在する駆動用活性領域及び振動検出用活性領域(上述の各内部電極により構成される活性領域)を可視化して示し、且つ、各圧電シートについては別個に図示せずに振動子40として一体的に図示している。
図5は、振動子40の内部に存在する駆動電極及び振動検出電極を可視化して示した振動子40の斜視図である。図6は、振動子40の中心軸方向に沿った高さをc、厚さをa、幅をbとし、高さcを一定として、(厚さ(短辺)a/幅(長辺)b)の値を横軸にとり、各振動モードにおける共振周波数の値を縦軸にとった場合の特性を示す図である。ここで、各辺の長さの関係は、a<b<cである。
なお、図5においては、説明の便宜上、振動子40の内部に存在する駆動電極及び振動検出電極(上述の各内部電極により構成される)を可視化して示し、且つ、各圧電シートについては別個に図示せずに振動子40として一体的に図示している。
図2及び図5に示すように、振動子40のうち、第1積層部位L1において内部電極41aと内部電極42aとが積層されて成る部位は、捻れ振動励起用活性領域111B1を構成している。振動子40のうち、第1積層部位L1において内部電極41cと内部電極42cとが積層されて成る部位は、捻れ振動励起用活性領域111A2を構成している。
振動子40のうち、第3積層部位L3において内部電極41aと内部電極42aとが積層されて成る部位は、縦振動励起用活性領域111Dを構成している。振動子40のうち、第3積層部位L3において内部電極41cと内部電極42cとが積層されて成る部位は、振動検出用活性領域111Fを構成している。
振動子40のうち、第5積層部位L5において内部電極41aと内部電極42aとが積層されて成る部位は、縦振動励起用活性領域111Cを構成している。振動子40のうち、第3積層部位L3において内部電極41cと内部電極42cとが積層されて成る部位は、振動検出用活性領域111Eを構成している。
振動子40のうち、第7積層部位L7において内部電極41aと内部電極42aとが積層されて成る部位は、捻れ振動励起用活性領域111A1を構成している。振動子40のうち、第7積層部位L7において内部電極41cと内部電極42cとが積層されて成る部位は、捻れ振動励起用活性領域111B2を構成している。
なお、各活性領域111A1,111A2,111B1,111B2,111C,111D,111E,111Fの詳細については後述する。
ところで、図5に示すように振動子40の高さをc、厚さをa、幅をbとする。そして、高さcを一定として、(厚さ(短辺)a/幅(長辺)b)の値を横軸にとり、各振動モードにおける共振周波数の値を縦軸にとると、図6に示す特性を得ることができる。具体的には下記のような特性となる。すなわち、
・縦1次振動モードにおける共振周波数の値は、(a/b)の値に依存せず、高さcに応じた略一定の値をとる。
・捻れ1次振動モード、捻れ2次振動モード、及び捻れ3次振動モードにおける共振周波数の値は、(a/b)の値の増加に従って、増加していく。
・捻れ1次振動モードにおける共振周波数は、(a/b)の値がどのような値であっても、縦1次振動モードにおける共振周波数と一致することは無い。
・捻れ2次振動モードにおける共振周波数は、(a/b)の値が0.6となる近傍で、縦1次振動モードにおける共振周波数と一致する。
・捻れ3次振動モードにおける共振周波数は、(a/b)の値が0.3となる近傍で、縦1次振動モードにおける共振周波数と一致する。
本第1実施形態に係る超音波モータでは、縦1次振動モードと捻れ2次振動モードとを利用する。従って、(a/b)の値が略0.6となるように、振動子40の厚さa及び幅bを設定する。このように設計することで、縦1次振動モードにおける共振周波数と、捻れ2次振動モードにおける共振周波数と、を略一致させることができる。
図7は、振動子40の高さ方向(振動の回転中心軸方向)における略中央位置を、当該振動子40の上下端面に平行に切断した切断面を示す断面図である。以下、上述した各活性領域の具体的な配設位置について説明する。
図5及び図7に示すように、振動子40の積層方向中央面C1について対称な位置に、捻れ振動励起用の駆動相(A1相とB1相、及びA2相とB2相)の活性領域(電極)が形成されている。
すなわち、振動子40のうち捻れ2次振動の腹部且つ縦1次振動の節部に対応する位置であって、且つ、略直方体形状を呈する当該振動子40の中心軸に垂直な断面を構成する短辺方向の表面側(表層側)に、捻れ振動励起用活性領域111A1,111A2,111B1,111B2が、積層方向中央面C1に対して対称に形成されている。
詳細には、図5及び図7に示すように、捻れ振動励起用活性領域111A1と捻れ振動励起用活性領域111B1とが積層方向中央面C1に対して対称に位置し、且つ、捻れ振動励起用活性領域111A2と捻れ振動励起用活性領域111B2とが積層方向中央面C1に対して対称に位置している。
他方、振動子40において上述の捻れ振動励起用活性領域の配設位置よりも積層方向中央面C1側(積層方向中央面C1寄りの位置)には、図5及び図7に示すように、縦振動励起用の駆動相(C相、D相)並びに振動検出用の振動検出相(E相、F相)の活性領域(電極)が形成されている。
すなわち、振動子40のうち捻れ2次振動の腹部且つ縦1次振動の節部に対応する位置であって、且つ、略直方体形状を呈する当該振動子40の積層方向中央面C1側に、縦振動励起用活性領域111C,111D及び振動検出用活性領域111E,111Fが、積層方向中央面C1に対して対称に形成されている。
詳細には、図5及び図7に示すように、縦振動励起用活性領域111Cと縦振動励起用活性領域111Dとが積層方向中央面C1に対して対称に位置し、且つ、振動検出用活性領域111Eと振動検出用活性領域111Fとが積層方向中央面C1に対して対称に位置している。
ところで、振動子40の側面には外部電極が設けられている。外部電極は、同一相且つ同一極性の活性領域を成す内部電極の露出部同士を短絡するように形成されている。外部電極は例えば振動子側面の捻れ2次振動の節部近傍に設けることが好ましい。以下、図8及び図9を参照して、振動子40の側面に設けられた外部電極の構成例について説明する。
図8は、図5において矢印Rで示す方向から観た振動子40(右側面)の一構成例を示す図である。図9は、図5において矢印Lで示す方向から観た振動子40(左側面)の一構成例を示す図である。上述の各内部電極は、それぞれ外部電極によって下記のように短絡されている。
図8は、図5及び図6に示すR方向から観た振動子40(右側面)の外部電極構成例を示す図である。図9は、図5及び図6に示すL方向から観た振動子40(左側面)の外部電極構成例を示す図である。
振動子40の右側面においては、図2、図5、図7及び図8に示すように、捻れ振動励起用活性領域(B1+相)111B1+を構成する内部電極41aの露出部41ae同士を外部電極101B1+により短絡する。捻れ振動励起用活性領域(B1−相)111B1−を構成する内部電極42aの露出部42ae同士を外部電極101B1−により短絡する。
縦振動励起用活性領域(D+相)111D+を構成する内部電極41aの露出部41ae同士を外部電極101D+により短絡する。縦振動励起用活性領域(D−相)111D−を構成する内部電極42aの露出部42ae同士を外部電極101D−により短絡する。
縦振動励起用活性領域(C+相)111C+を構成する内部電極41aの露出部41ae同士を外部電極101C+により短絡する。縦振動励起用活性領域(C−相)111C−を構成する内部電極42aの露出部42ae同士を外部電極101C−により短絡する。
捻れ振動励起用活性領域(A1+相)111A1+を構成する内部電極41aの露出部41ae同士を外部電極101A1+により短絡する。捻れ振動励起用活性領域(A1−相)101A1−を構成する内部電極42aの露出部42ae同士を外部電極101A1−により短絡する。
振動子40の左側面においては、図2、図5、図7及び図9に示すように、捻れ振動励起用活性領域(A2+相)111A2+を構成する内部電極41cの露出部41ce同士を外部電極101A2+により短絡する。捻れ振動励起用活性領域(A2−相)111A2−を構成する内部電極42cの露出部42ce同士を外部電極101A2−により短絡する。
振動検出用活性領域(E+相)111E+を構成する内部電極41cの露出部41ce同士を外部電極101E+により短絡する。振動検出用活性領域(E−相)111E−を構成する内部電極42cの露出部42ce同士を外部電極101E−により短絡する。
振動検出用活性領域(F+相)111F+を構成する内部電極41cの露出部41ce同士を外部電極101F+により短絡する。振動検出用活性領域(F−相)111F−を構成する内部電極42cの露出部42ce同士を外部電極101F−により短絡する。
捻れ振動励起用活性領域(B2+相)111B2+を構成する内部電極41cの露出部41ce同士を外部電極101B2+により短絡する。捻れ振動励起用活性領域(B2−相)101B2−を構成する内部電極42cの露出部42ce同士を外部電極101B2−により短絡する。
図10は、振動子40の一変形例を模式的に示す振動子40の右側面図である。図11は、振動子40の一変形例を模式的に示す振動子40の左側面図である。なお、図10及び図11は模式図であり、外部電極等の部材は適宜不図示とされている。
以下、本一実施形態に係る超音波モータの駆動方法について説明する。
《捻れ2次振動の励起》
外部電極(A1+相)101A1+と外部電極(A1−相)101A1−との間、及び外部電極(A2+相)101A2+と外部電極(A2−相)101A2−との間に、縦1次振動または捻れ2次振動の共振周波数に対応する周波数の交番電圧を印加する。
他方、外部電極(B1+相)101B1+と外部電極(B1−相)101B1−との間、及び外部電極(B2+相)101B2+と外部電極(B2−相)101B2−との間には、上述のA1相・A2相の外部電極に印加する交番電圧に対して180度の位相差を有する(反転した)交番電圧であって、縦1次振動または捻れ2次振動の共振周波数に対応する周波数の交番電圧を印加する。
このとき、振動子40は次のように動作する。A1相・B1相の捻れ振動励起用活性領域111A1,111B1は、振動子40の長手方向に伸縮する。ここで、A1相の捻れ振動励起用活性領域111A1に印加する交番電圧と、B1相の捻れ振動励起用活性領域111B1に印加する交番電圧とは、位相が互いに180度異なる。従って、A1相の捻れ振動励起用活性領域111A1が伸びているときにはB1相の捻れ振動励起用活性領域111B1は縮み、A1相の捻れ振動励起用活性領域111A1が縮んでいるときにはB1相の捻れ振動励起用活性領域111B1は伸びる。このような変形の結果、振動子40の表側と裏側とで(図7に示す積層方向Lの両端側で)、互いに逆方向に伸縮する。このような伸縮運動により、振動子40には、長手方向に曲げ変形が引き起こされる。
ところで、A2相、B2相の捻れ振動励起用活性領域111A2,111B2は、A1相及びB1相の捻れ振動励起用活性領域111A1,111B1と同様に動作し、振動子40の長手方向の曲げ変形を引き起こす。ここで、A1相の捻れ振動励起用活性領域111A1は振動子40の表側(図7に示す積層方向Lにおける手前側)にあり、A2相の捻れ振動励起用活性領域111A2は振動子40の裏側(図7に示す積層方向Lにおける奥側)にあり、B1相の捻れ振動励起用活性領域111B1は振動子40の裏側(図7に示す積層方向Lにおける奥側)にあり、B2相の捻れ振動励起用活性領域111B2は振動子40の表側(図7に示す積層方向Lにおける手前側)にある。
従って、図7に示すように、A1相の捻れ振動励起用活性領域111A1とB1相の捻れ振動励起用活性領域111B1との表裏関係(積層方向Lにおける位置関係)は、A2相の捻れ振動励起用活性領域111A2とB2相の捻れ振動励起用活性領域111B2との表裏関係とは逆の関係となっている。
つまり、A1相の捻れ振動励起用活性領域111A1及びB1相の捻れ振動励起用活性領域111B1により引き起こされる曲げ変形と、A2相の捻れ振動励起用活性領域111A2及びB2相の捻れ振動励起用活性領域111B2により引き起こされる曲げ変形とは、その曲げ方向が互いに逆方向となる。
結果として、振動子40の中心軸を挟んだ両側で互いに異なる方向の曲げ変形が引き起こされ(図10及び図11参照)、その結果として振動子40には中心軸を中心とした捻れ2次振動が励起される。
ここで、A1相、A2相、及びB1相、B2相の捻れ振動励起用活性領域は、捻れ2次振動の腹部を含む領域であって、且つ、当該振動子40に捻れ2次振動が生じた際に最も大きく変形する領域(振動子40の表面側(表層側))に形成されている。このように構成することで、捻れ2次振動を効率良く励起することが可能となる。
換言すれば、振動子40に捻れ2次振動が発生した際に変形量が小さい領域すなわち捻れ2次振動発生への寄与度の小さい領域(振動子40の積層方向中央面C1近傍には、捻れ2次振動を励起する為の活性領域を設けない。
《縦1次振動の励起》
外部電極(C+相)101C+と外部電極(C−相)101C−との間、及び外部電極(D+相)101D+と外部電極(D−相)101D−との間に、縦1次振動または捻れ2次振動の共振周波数に対応する周波数の交番電圧を印加する。このとき、C相の縦振動励起用活性領域111CとD相の縦振動励起用活性領域111Dとが同時に伸縮し、振動子40には縦1次振動が励起される。
《捻れ2次振動と縦1次振動との合成》
A1相、A2相、B1相、B2相、C相、及びD相の各振動励起用活性領域に、上述したように交番電圧を同時に印加した場合、振動子40には捻れ2次振動と縦1次振動とが同時に励起され、それら振動が合成される。このとき、A1相、A2相(B1相、B2相)に印加する交番電圧と、C相、D相に印加する交番電圧との位相差を所定の値とすることで、振動子40の上端面の摩擦接触部材14が設けられている位置において、ロータ13を回転させるような向きに、時計回り/反時計回りの楕円振動が励起される。そして、この楕円振動する摩擦接触部材14に対して圧接しているロータ13は、その楕円振動の回転の向きに応じた方向に回転する(時計方向または反時計方向の向きに回転動作を行う)。尚、A1相、A2相(B1相、B2相)に印加する交番電圧と、C相、D相に印加する交番電圧との位相差を反転させると、前述した楕円振動の回転方向が反転する。このような性質を利用して、ロータ13の回転方向を制御することができる。
《振動検出》
外部電極(E+相)101E+と外部電極(E−相)101E−との間、及び外部電極(F+相)101F+と外部電極(F−相)101F−との間に発生する電圧を測定することで、各振動を検出する。
ここで、E相の振動検出用活性領域111E及びF相の振動検出用活性領域111Fは、縦1次振動の節部且つ捻れ2次振動の腹部を含む位置であって、且つ、積層方向中央面C1について対称な位置に形成されている。
振動子40に縦1次振動のみが励起されている場合には、E相及びF相の振動検出用活性領域111E,111Fには、同一振幅で同位相の電位が発生する。一方、振動子40に捻れ2次振動のみが励起されている場合には、E相の振動検出用活性領域111EとF相の振動検出用活性領域111Fとには、同一振幅で互いに逆位相の電位が発生する。
このような特性を利用して、縦1次振動と捻れ2次振動とが同時に振動子40に励起された状態では、E相の振動検出用活性領域111Eにおいて発生した電位と、F相の振動検出用活性領域111Fにおいて発生した電位との差を演算することで、同相成分である縦1次振動成分が相殺されるので、捻れ2次振動成分のみを検出することができる。
例えば、外部電極(E−相)101E−と外部電極(F−相)101F−とを電気的に接続し、外部電極(E+相)101E+と外部電極(F+相)101F+との間の電位差を取り出すことで、振動子40に発生している捻れ2次振動の振幅と位相に比例する信号を検出することができる。
また、E相の振動検出用活性領域111Eにおいて発生した電位と、F相の振動検出用活性領域111Fにおいて発生した電位との和を演算すると、E相の振動検出用活性領域111EとF相の振動検出用活性領域111Fとに発生している信号のうち、互いに逆相の信号である“捻れ2次振動成分”が相殺され、“縦1次振動成分”のみを検出するようにすることができる。
例えば、外部電極(E−相)101E−と外部電極(F+相)101F+とを接続し、外部電極(E+相)101E+と外部電極(F−相)101F−との間の電位差を取り出すことで、振動子40に発生している縦1次振動の振幅と位相に比例した信号を検出することができる。
そして、外部電極(E相)101Eと外部電極(F相)101Fとの信号取り出しの結線を適宜変えることで、捻れ2次振動と縦1次振動とにそれぞれ対応する振動検出信号を、互いに独立して検出することができる。
ところで、振動検出用活性領域111E,111Fから取得した振動検出信号と、駆動相である振動励起用活性領域111A1,111A2,111B1,111B2に印加する交番電圧信号との位相差は、捻れ2次共振振動時には所定の位相差となることが知られている。
この位相差を所定の値に保つように駆動周波数を制御することで、共振周波数近傍の周波数で当該超音波モータを駆動することができる。この技術は周波数追尾と称されており、効率の良い安定した駆動の為に利用されている。本一実施形態に係る超音波モータは、上述したように振動検出相である振動検出用活性領域111E,111Fを有している為、周波数追尾による駆動制御を実行することができる。
なお、振動検出信号に基づいた周波数追尾に係る技術自体は本願発明の特徴部ではないので、周波数追尾に係る技術については詳細な説明は省略する。
以上説明したように、本一実施形態によれば、簡略な構成で小型化が容易な超音波モータを提供することができる。具体的には、本一実施形態に係る超音波モータは、例えば下記の効果を奏する。
・超音波振動子に用いる振動体を、圧電素子単体で構成できる。これにより、振動体の構成の簡略化及び超音波モータの構成の簡略化が実現する。具体的には、単一の部材からなり、構造が単純であり、溝部の形成が不要な振動体(振動子40)を用いる為、当該超音波モータの部品点数を減少させることができ、製造が容易となる。従って、コストを低減することができる。
・振動子のうち駆動に直接的に寄与する捻れ振動(当該超音波モータの推力方向振動)を励起する為の捻れ振動励起用活性領域111A1,111A2,111B1,111B2を、捻れ2次振動を励起するのに効率的な位置(振動子40のうち捻れ2次振動の腹部且つ縦1次振動の節部に対応する位置であって、且つ、略直方体形状を呈する当該振動子40の中心軸に垂直な断面を構成する短辺方向の表面側(表層側))に設けた上に、さらに振動検出用活性領域111E,111Fをも設けることができる。従って、当該超音波モータの出力を向上させつつ、振動検出信号に基づいた周波数追尾を行うことができる、更なる安定駆動が可能となる。
・内部電極の形状そのものを簡略化できる。さらに各圧電シート41,42の内部電極41a,42a,41c,42cが単純な形状であって、且つ、圧電シート41,42に対して比較的大きな面積を持つ為、各圧電シート41,42,43を積層する際に高い位置精度を必要とせず、振動子を小型化する際に有利である。
・縦振動励起用活性領域111C,111D及び振動検出用活性領域111E,111Fを、振動子40のうち積層方向中央面C1側(寄り)に設けることで、当該超音波モータの推力方向の力に寄与する捻れ2次振動を発生させる為の電極にとって最も効率的な領域を、捻れ2次振動励起用活性領域111A1,111A2,111B1,111B2の為に最大限確保することができる。これにより、超音波モータの出力の増大が実現する。
・縦1次振動と捻れ2次振動とを、それぞれ別個の活性領域(電極)を用いて振動子40に発生させるので、それぞれの電極(活性領域)に印加する駆動信号の電圧や位相を別個に変更することができ、縦1次振動及び捻れ2次振動の振幅・位相をそれぞれ独立して制御することができる。これにより、振動子40に発生させる振動の制御が容易になり、当該超音波モータの制御の自由度も向上する。
なお、上述した一実施形態においては、捻れ振動を振動子40に発生させる為に4つの駆動相(A1相、A2相、B1相、B2相)の捻れ振動励起用活性領域111A1,111A2,111B1,111B2を利用しているが、A1相とB1相との2相、A1相とB2相との2相、A2相とB1相との2相、またはA2相とB2相との2相だけでも、捻れ2次振動を発生させることができる。つまり、捻れ振動を振動子40に発生させる為に4つの駆動相の活性領域を設けることは必須ではない。
また、縦振動を振動子40に発生させる為の駆動相としては、振動子40の積層方向中央面C1について対称な2つの領域(C相、D相の縦振動励起用活性領域111C,111D)が設けられている。しかしながら、縦振動励起用活性領域は、少なくとも縦振動の節部を含んだ1つの領域に設けられていればよい。
さらに、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示した複数の構成要件の適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示す全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
C1…積層方向中央面、 10…ロータ機構部、 11…回転軸、 12…ベアリング、 13…ロータ、 14…摩擦接触部材、 20…押圧機構部、 21…押圧バネ、 22…押圧部材、 23a…バネ規制シャフト、 23…バネ押さえリング、 30…筐体部、 31…フレーム、 32…支持部材、 40…振動子、 41a,41c,42a,42c…内部電極、 41ae,41ce,42ae,42ce…露出部、 41…第1の圧電シート、 42…第2の圧電シート、 43…第3の圧電シート、 101A1,101A2,101B1,101B2,101C,101D,101E,101F…外部電極、 111E,111F…振動検出用活性領域、 111C,111D…縦振動励起用活性領域、 111A1,111A2,111B1,111B2…捻れ振動励起用活性領域。

Claims (5)

  1. 略直方体形状を呈する当該振動子の中心軸に垂直な断面を構成する短辺と長辺との長さの比率が、前記中心軸方向に伸縮する縦振動と、前記中心軸を捻れ軸とする捻れ振動との共振周波数を略一致させる比率に設定されており、前記縦振動と前記捻れ振動とが同時に励起されることで楕円振動が励起される振動子と、
    前記振動子のうち楕円振動が励起される楕円振動発生面に当接し、前記楕円振動によって、前記中心軸を回転軸として回転駆動される被駆動体と、
    前記振動子を前記被駆動体に対して押圧し、前記振動子の前記楕円振動発生面を前記被駆動体に圧接させる押圧機構部と、
    前記振動子のうち捻れ振動の腹部且つ縦次振動の節部に対応する位置であって、且つ、前記中心軸に垂直な矩形断面を構成する短辺方向における表面側に設けられた第1の駆動用活性領域と、
    前記振動子のうち捻れ振動の腹部且つ縦振動の節部に対応する位置であって、且つ、前記第1の駆動用活性領域の配設位置よりも前記短辺方向における中央部位側に設けられた第2の駆動用活性領域と、
    を具備することを特徴とする超音波モータ。
  2. 前記振動子は、複数の圧電シートが積層されて成り、
    前記振動子の短辺方向は、前記圧電シートの積層方向である
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波モータ。
  3. 前記第1の駆動用活性領域及び前記第2の駆動用活性領域は、前記積層方向に分極されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の超音波モータ。
  4. 前記第1の駆動用活性領域は、前記振動子に捻れ振動を励起する為の活性領域であり、
    前記第2の駆動用活性領域は、前記振動子に縦振動を励起する為の活性領域である
    ことを特徴とする請求項3に記載の超音波モータ。
  5. 前記振動子のうち捻れ振動の腹部且つ縦振動の節部に対応する位置であって、且つ、前記第1の駆動用活性領域の配設位置よりも前記短辺方向における中央部位側には、前記積層方向に分極された振動検出用の活性領域が設けられている
    ことを特徴とする請求項2に記載の超音波モータ。
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