JP2006339769A - アンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】指向性制御または周波数制御が容易な略平面構造のアンテナを実現すること。
【解決手段】給電素子A11(主のループ配線)はyz平面に平行な基準平面Σ0 上に配置されている。また、無給電素子P11a及びP11bは基準平面Σ0 に平行な平面Σ2 上にそれぞれ配置されている。垂直断面Σ1 はxy平面に平行な面であり、主のループ配線が囲む平面領域に対して垂直に交わる。そして、従のループ配線(無給電素子P11aおよび無給電素子P11b)の中心点Ca ,Cb は何れもこの垂直断面Σ1 上に配置されている。また、給電素子A11上には、垂直断面Σ1 上に給電部F0が配置されており、このループ配線の反対側には可変リアクタンス素子X1が配設されている。その他の各可変リアクタンス素子X2〜X5についても、各ループ配線上の垂直断面Σ1 上にそれぞれ1つずつ配設されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、給電部を備えた1つの主のループ配線と、この主のループ配線と平行または同一平面上に配置された、給電点を備えない少なくとも1つの従のループ配線とを有するアンテナ装置に関する。
本発明のアンテナ装置は、容易かつ的確な指向性制御や周波数制御が望まれる移動体通信などに用いられる略平面構造のアンテナに大いに有用なものである。
アンテナを給電素子と無給電素子から構成し、無給電素子に装荷された可変リアクタンス値を変化させることによって、そのアンテナの指向性を制御することができる。この様な制御に有用な簡易型の指向性制御アンテナとしては、例えば、特許文献1や非特許文献1などに開示されているエスパアンテナ(Electronically steerable passive array radiator antenna; ESPAR antenna)等が公知である。図8に、従来のエスパアンテナの概観図を示す。
このアンテナ装置では、無給電素子を給電素子に対して、導波器または反射器として有効に動作させることによって、指向性の制御が容易になっている。そして、このアンテナ装置の制御方式は、一般のアレーアンテナの制御方式として定式化されているので、この装置を用いれば、到来波の方位や位相などを精度よく推定する高度な適応制御を実行することができる。
また、簡易な平面構造を有する指向性制御アンテナとしては、例えば、ループ配線中に可変リアクタンス素子を装荷したエスパアンテナや、パッチアンテナなどが公知であり、それの従来のアンテナ装置は、例えば下記の非特許文献2や非特許文献3などにも開示されている。
また、給電素子や無給電素子を形成する複数のループ配線を互いにオーバーラップさせて複層構造に配置するアンテナとしては、下記の特許文献2(本願の図9)に記載されているものが公知である。
特開2001−024431 特開2005−110231 T.Ohira et al,"Electronically steerable passive array radiator antennas for low-cost analog adaptive beamforming",2000 IEEE International Conference on Phased Array System & Technology pp. 101-104,Dana point, California, May 21-25,2000. 飯草、山元、澤谷、加藤、太郎丸、大平、"逆直列バラクタのDC制御線を兼ねた周波数制御リングアンテナの提案と基本検討"信学技法,A・P2004-210. R.J.Dinger,"Reactively steered adaptive array using microstrip patch at 4GHz",IEEE Trans.Antennas & Propag,vol.AP 32, no.8, pp.848 856,Aug.1984.
例えば車載用のアンテナを構成する場合などには、その搭載位置や意匠などの観点より、アンテナの物理的な構造は平面構造であることが望ましい。
しかしながら、ダイポール素子から構成される従来の平面構造のエスパアンテナでは、無給電素子の数を3本以上にすると、給電素子と無給電素子と間における結合が急激に弱まってしまうため、自由度の高い指向性を得ることは困難となる。また、これらの従来の平面構造のエスパアンテナでは、無給電素子の数を2本以下にすると、指向性制御の自由度が小さくなってしまうと言う問題が生じる。
即ち、無給電素子が2本以内の場合には、開口長を確保するためにそれらの素子間隔を広げなければならなくなるが、それらの素子間隔を広げ過ぎると素子間の結合が弱まってしまうので、アンテナの放射パターンを所望の向きに適切に制御することが困難となり、アンテナの放射パターンの形成能力が劣化する。また、無給電素子が2本以内の場合に、逆に素子間隔を狭めると、素子間の強い結合は得られるものの、開口長が狭くなってしまうために、ビーム幅を絞ることができなくなる。
また、特許文献2に記載されている上記のアンテナ(本願の図9)においては、ループ配線から成る各無給電素子が各々1つずつしか可変リアクタンス素子を備えていないなどの理由から、良好な指向性制御を実現するための制御理論の定式化が容易ではなく、このため、周知のアレーアンテナの制御理論をこのアンテナに流用したり応用したりすることが困難であると言う問題があった。即ち、特許文献2に記載されている従来のアンテナ(本願の図9)では、大きな自由度をもたらす指向性を得ることは容易ではない。
そのほか、パッチアンテナで構成される平面構造のエスパアンテナの場合には、平面上に無給電素子を多数配置することができるが、しかしながら、給電素子と無給電素子との結合が弱くなってしまうと言う問題がある。
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、指向性制御または周波数制御が容易な、略平面構造のアンテナを実現することである。
また、本発明の他の目的は、アレーアンテナの分解能を高めることである。
上記の課題を解決するためには、以下の手段が有効である。
即ち、本発明の第1の手段は、2点1組の給電点から成る給電部を備えて1つの基準平面上に配置された1つの主のループ配線と、この主のループ配線と平行または同一平面上に配置された、給電点を備えない少なくとも1つの従のループ配線とを有するアンテナ装置において、各ループ配線にはそれぞれ互いに交点及び接点を設けず、従のループ配線に囲まれた平面領域の中心点を、上記の主のループ配線に囲まれた平面領域の中心点を通る、上記の基準平面に垂直な1つの垂直断面上に配置し、任意の1つのループ配線によって囲まれる平面領域を、上記の基準平面の法線方向から見たときに、隣り合う他のループ配線によって囲まれる他の平面領域と部分的に重なる様に配置し、上記の従のループ配線には、垂直断面上の2箇所にそれぞれ可変リアクタンス素子を設け、主のループ配線には、垂直断面上の1箇所に可変リアクタンス素子を設け、かつ、垂直断面上の他の1箇所に給電部を設けることである。
ただし、上記のループ配線を同一平面上に配置する場合には、それらの間に交点や接点が形成されない様にブリッジを設けるものとする。また、各ループ配線を配置する面は、必ずしも完全な平面である必要はなく、若干の曲率を有していても何ら差し支えない。また、個々のループ配線を配置する面を互いに平行に設定する際には、必ずしもそれらを完全に平行にする必要はない。この制約は、専ら略平面構造のアンテナを得るためのものであって、本発明のアンテナの動作原理にはむしろ、上記の様にして部分的に重なった共通領域を貫く磁束の量の大小が直接かつ本質的に係わる。
また、ループ配線を備えたこれらの配置面は、3層以上の多層構造にしても良い。
また、上記の各ループ配線のループ形状は任意でよく、例えば円形、楕円形、正方形、長方形、正多角形、または適当な多角形などの、閉じた任意のループ形状を用いることができる。ただし、上記の給電部においては若干ループが開いていなくてはならないことは言うまでもない。
また、これらのループ形状は、互いに合同でなくても、また互いに相似でなくても良く、大きさや形状を任意に組み合わせることができる。ただし、制御の容易性の観点からすれば、各ループ配線の物理的なループ長はそれぞれ互いに一致していることが望ましい。主のループ配線の実効長が取り扱う電磁波の波長となる。また、これらのループ配線は、少なくとも上記の垂直断面の極近傍においては、上記の垂直断面に対して略直交していることが望ましい。
また、あるループを貫く磁束が、その他の2つまたは3つ以上のループをも同時に貫く様に、各ループ配線を配置しても良い。
また、上記の従のループ配線の数は、2ループまたは3ループ以上であることが望ましいが、しかし、従のループ配線を1ループだけ形成した場合においても、後述の本発明の作用・効果を得ることができる。
また、上記の各可変リアクタンス素子は、何れも上記の垂直断面上に正確に配置されることが望ましいが、厳密には必ずしも正確にこの垂直断面上に配置しなくても良く、若干上記の垂直断面から外れていても特段差し支えない。
また、1方向に整列された複数のループ配線の内、どのループ配線を主のループ配線にしても良い。この時は、その他のループ配線を従のループ配線とする。また、主のループ配線上に設ける上記の給電部は、上記の垂直断面上の2箇所の内のどちらに設けても良い。したがって、任意の1つの可変リアクタンス素子の位置と給電部の位置とは可換であり、よって、本発明のアンテナ装置では、任意の1つの可変リアクタンス素子と給電部の各位置を入れ換えても、その置換操作によって、別の構成を有する本発明のアンテナ装置を得ることができる。
また、例えば、ループ配線上にリアクタンス値が可変の集中定数素子を挿入することによって、上記のリアクタンス素子のリアクタンス値を可変制御すれば、各ループ配線のループの実効長も同時に自在に可変制御できるので、各ループ配線の物理的なループ長は、必ずしもそれぞれ互いに一致させる必要はない。
以下、本発明のより望ましい実施要件について説明する。
本発明の第2の手段は、上記の第1の手段において、上記の主のループ配線の線路長および従のループ配線の線路長を、取り扱う電磁波の波長に一致させることである。ただし、これらの線路長は、取り扱う電磁波の波長に対して厳密に一致させる必要はなく、それらは実質的に略一致していれば十分である。また、上記の各線路長はそのループの実効長で計るものとする。
また、本発明の第3の手段は、上記の第1又は第2の手段において、上記の可変リアクタンス素子を集中定数素子で構成することである。
また、本発明の第4の手段は、上記の第1乃至第3の何れか1つの手段において、上記の主のループ配線及び従のループ配線をそれぞれプリント基板上に形成することである。勿論、このプリント基板は、その表裏両面を任意に用いて良い。また、多層構造にしても良い。
また、本発明の第5の手段は、上記の第1乃至第4の何れか1つの手段において、上記の主のループ配線及び従のループ配線をそれぞれ透明フィルム上に形成することである。勿論、この透明フィルムは、その表裏両面を任意に用いて良い。また、多層構造にしても良い。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
以上の本発明の手段によって得られる効果は以下の通りである。
即ち、本発明の第1の手段によれば、ループ配線によって囲まれた面積を貫く磁束を共有することによって、隣り合う各ループ配線の間に高い結合(カップリング)を生成する事ができるので、本発明の第1の手段によれば、平面構造でありながら、パターン形成能力や制御能力の高い指向性アンテナ装置を実現することができる。
これは、上記の第1の手段を採用すると、上記の法線方向からみて一直線上に並ぶ各可変リアクタンス素子を、同一方向の偏波面を有する放射源が1列に整列しているものと見なすことができるためであり、したがって、この構成によれば、偏波面を固定した指向性制御が可能となる。
言い換えれば、本発明の第1の手段によると、上記の各ループ配線の数の2倍の本数の互いに平行なダイポールアンテナを備えたアンテナと略等価な略平面構造のアンテナ装置を構成することができるため、本発明の第1の手段を用いれば、制御や解析の容易な指向性アンテナ装置を実現することができる。
また、本発明の第1の手段によれば、ループ配線上において電流密度の高い点(極大点)が各可変リアクタンス素子の設置点となるため、可変リアクタンス素子の可変制御によって、上記の各設置点における上記の各電流に対する位相制御の効果を大きく確保することができる。このため、本発明の第1の手段によれば、所望の指向性制御を効果的に実施することができる。
また、本発明の第1の手段によれば、放射源が並ぶ上記の1列の方向に長い長方形の領域内にアンテナ装置を配設することができるので、例えば車両のフロントガラスなどの様なアンテナの配設に関する制約が非常に強い場所にも、アンテナを人の視界の邪魔にならない範囲内に良好に配置することができる。
また、本発明の第2の手段によれば、各ループ配線上において上記の垂直断面の極近傍にだけ、対となる同方向の強い電流分布があらわれ、かつ、これら(即ち、上記の極大点)は何れもそれぞれ近似的に放射源とみなすことができる。したがって、本発明の第2の手段によれば、制御や解析の容易な指向性アンテナ装置を実現することができる。
また、本発明の第3の手段によれば、安価なループ配線とチップ素子を用いてアンテナを構成することができるので、さらに低コストに所望のアンテナ装置を実現することが可能となる。
また、本発明の第4の手段によれば、安価なプリント基板上に本発明の指向性アンテナ装置を構成することができる。即ち、本発明の第4の手段によれば、ループ配線を導体パターンで具現した、数GHz帯で指向性制御が可能なアレーアンテナをも小型に構成することができる。
また、本発明の第5の手段によれば、透明フィルム上に本発明のアンテナ装置を構成することができるので、車載時に視野を妨げることなく、例えば車両のフロントガラス上などに所望の指向性アンテナ装置を構成することができる。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
ただし、本発明の実施形態は、以下に示す個々の実施例に限定されるものではない。
図1に本実施例1のアンテナ100の平面図を示す。この図1に示すように、アンテナ100が備える給電素子A11、無給電素子P11aおよび無給電素子P11bの各ループ配線の平面形状はそれぞれ円形になっている。この給電素子A11が本発明の主のループ配線に相当している。また、無給電素子P11aおよび無給電素子P11bが、本発明の従のループ配線に相当する。
本発明の主のループ配線である上記の給電素子A11は、本図1のyz平面に平行な基準平面Σ0 上に配置されている。また、本発明の従のループ配線に相当する上記の無給電素子P11a及び無給電素子P11bは、この基準平面Σ0 に平行な平面Σ2 上にそれぞれ配置されている。ここで符号d2は、これらの基準平面Σ0 と平面Σ2 との距離を示している。
また、図1の平面Σ1 は、主のループ配線(給電素子A11)の中心点C0 を通る、平面Σ0 に垂直な平面であり、以下この平面のことを垂直断面Σ1 と言う。即ち、この垂直断面Σ1 は、xy平面に平行な面であり、主のループ配線が囲む平面領域に対して垂直に交わる。そして、従のループ配線(無給電素子P11aおよび無給電素子P11b)の中心点Ca ,Cb は何れもこの垂直断面Σ1 上に配置されている。
図1の符号d1aは、無給電素子P11aの中心点Ca から主のループ配線の中心点C0 までの距離を示している。また同様に、符号d1bは、無給電素子P11bの中心点Cb の中心点C0 までの距離を示している。より詳しく言えば、給電素子A11に対して、それぞれの従のループ配線(無給電素子P11aおよび無給電素子P11b)は、所定の基準となる1波長λに対して、y軸方向においてはd1a=d1b=λ/4となる様に配置されており、かつ、z軸方向においてはd2=0.0064λとなる様に基準平面Σ0 から離して設置されている。
また、給電素子A11上には、垂直断面Σ1 上に給電部F0が配置されており、このループ配線の反対側には可変リアクタンス素子X1が配設されている。その他の各可変リアクタンス素子X2〜X5についても、各ループ配線上の垂直断面Σ1 上にそれぞれ1つずつ配設されている。
これらの構成により、各ループ配線における各リアクタンスの作用をも加味した各ループの実効長は、各リアクタンス素子X1〜X5の各リアクタンス値の可変制御に基づいて、何れも本アンテナ100が取り扱う目的の電磁波の1波長に一致する様に可変制御することができる。
なお、可変リアクタンス素子X1〜X5はバリキャップダイオード、チップコンデンサ、チップインダクタ、チップ抵抗などのチップ部品から構成されており、バリキャップダイオードに直流電圧を加えることでリアクタンス値を変化させる。また、本実施例1では、可変リアクタンス素子X1〜X5の可変範囲をそれぞれ、−100Ωから+100Ωとした。
また、以上の実施形態においては給電素子A11、無給電素子P11a、P11bを多層構造としたが、それぞれの素子が交点を持たなければよく、同一平面で構成し、例えばブリッジをつかって交点を持たないように構成してもよい。
以下、本実施例1のアンテナ100の制御理論と動作特性について説明する。
線路長が1波長λであるループアンテナA11は、近似的に給電部F0および可変リアクタンス素子X1を設置している位置に微小ダイポールアンテナが存在するとみなすことができる。同様に、無給電素子P11aおよびP11bにおいても、可変リアクタンス素子X2及至X5を設置している位置を微小ダイポールアンテナが存在するとみなすことができる。このためアンテナ100は6素子微小ダイポールアレイとして、従来のエスパアンテナの理論を適用することができる。
表1に上記のアンテナ100の給電部F0と可変リアクタンス素子X1〜X5の結合量を示す。ただし、アンテナ100′の欄には、上記のアンテナ100において距離d2=0.2λとした際の各リアクタンス素子間の結合量を示した。
また、比較のため各線路長がそれぞれ半波長(:λ/2)のダイポールを用いて、従来の平面構造のエスパアンテナ(図2のアンテナ200、図3のアンテナ300、及び図4のアンテナ400)を構成した。そして、それらの各リアクタンス素子間の結合量も同時にこの表1に示した。
例えば、上記の図2のアンテナ200では、各ダイポール素子を上記のアンテナ100における各リアクタンス素子の各位置と略同等の位置に、同一平面上に配置した。
また、図3のアンテナ300では、上記のアンテナ100と開口長、即ちy軸方向の全長を同じ長さ(約1波長)にして、長さ半波長の5本のダイポールを等間隔で、同一平面上に配置した。また、このとき、該アンテナ300の給電部は中央のダイポールの中央に設けた。更に、図4のアンテナ400では、上記のアンテナ300の構成に対して、各リアクタンス素子を等間隔にしたまま、開口長をλ/5に短縮した。
また、表1の各結合量は、簡単のため、アンテナを周知のNポートシステムとしてみたときの、対象とする素子Xn(n=1、2、・・・5)と給電部F0の相互アドミタンスと、給電部F0の自己アドミタンスとの比で示した。更に、図2及至図4におけるNn(n=1、2、・・・6)をポート番号とし、また、本実施例1の計算例では、受信目的の電磁波の周波数を2.4GHzとした。
これらのシミュレーション結果より、隣り合う各ループ配線の中心間のy軸方向における距離d1a,d1bを適切に設定することで、ダイポールを平面状に並べたときに比べて強い結合を維持したまま更に制御素子を増設可能なことが確認できる。
(給電素子と無給電素子の結合量)
Figure 2006339769
また、上記のアンテナ100の水平面(即ち、xy平面)における遠方放射電界パターンを図5−A,−Bにそれぞれ例示する。それぞれの放射パターンをシミュレートするために用いた個々のパラメータ(即ち、各リアクタンス素子のリアクタンス値)を表2に示す。これらのシミュレーションの結果から、各リアクタンス素子のリアクタンス値を適切に設定することによりアンテナの指向性(放射パターン)を自在に制御可能なことが確認できる。
(放射パターン計算に用いたリアクタンス値)
Figure 2006339769
また、この発明では前述した様に給電部F0、可変リアクタンス素子X1〜X5を近似的に微小ダイポールとみなすことによって、指向性をアレーファクタと等価ウェイトベクトルの積で表現し、定式化することができる。そして、例えばこの様な定式化により、従来のエスパアンテナにおけるリアクタンスドメインアルゴリズムを容易に応用することができるので、本発明のアンテナ装置を用いれば、到来波の方位や位相などを精度よく推定する高度な適応制御を実行することができる。
図6に、アンテナ100に到来する到来波の推定結果を例示する。このグラフは、電波が相異なる5つの方向から到来する場合の、MUSIC(Multiple Signal Classification)法に基づく、到来波推定シミュレーションの結果を示すものである。これらのシミュレーション結果から、可変リアクタンス素子の数が制御の自由度となり、自由度分の到来波を推定できること確認することができる。
〔その他の変形例〕
本発明の実施形態は、上記の形態に限定されるものではなく、その他にも以下に例示される様な変形を行っても良い。この様な変形や応用によっても、本発明の作用に基づいて本発明の効果を得ることができる。
(変形例1)
例えば、上記の実施例1では、図1の垂直断面Σ1 によって切断されるA−A′断面の断面図に示す様に、従のループ配線の前方即ちx軸座標が大きくなる方に、主のループ配線をオーバーラップさせて重ねる配置としたが、各配置面(Σ0 とΣ2 )の前後関係は任意で良い。
また、ループ配線を備えたこれらの配置面は、より一般には3層以上の多層構造にしても良い。
(変形例2)
また、図1の各長さd1a,d1b,rの大小関係は任意に変更してもよい。したがって、上記の実施例1ではr(=λ/2π)<d1a=d1bとなる様に設定したが、例えばd1a<r<d1b(非対称)としたり、或いはd1a≦d1b<rなどとしたりしても良い。例えば、この後者の配置に従えば、基準平面Σ0 の法線方向から各ループ配線を見た時に、3つのループ配線が重なる領域が形成されるので、各ループ配線A11,P11a,P11bの何れをも同時に貫く磁束を生成することができる。そして、この場合には、各ループ配線を互いに強く結合させることができる。
(変形例3)
また、上記の各ループ配線のループ形状は任意でよく、例えば円形、楕円形、正方形、長方形、正多角形、または多角形などの、閉じた任意のループ形状を用いることができる。また、これらのループ形状は、互いに合同でなくても、また互いに相似でなくても良く、大きさや形状を任意に組み合わせることができる。
各ループ配線の線路長(ループ長)は、その実効長が問題であり、それらの実効長は個々の可変リアクタンス素子が有するリアクタンス値を各々適当に制御することによって各ループ配線毎に個別に最適化(可変制御)することができる。
したがって、図1の各ループ配線P11a,P11b,A11の各半径は、それぞれ個別に任意に変更することができる。また、それらの大小関係も任意に変更することができる。ただし、制御の容易性の観点からすれば、各ループ配線の物理的なループ長はそれぞれ互いに一致していることが望ましい。主のループ配線の実効長が取り扱う電磁波の波長となる。
図7に、本発明の変形例を例示するアンテナ500の平面図を示す。このアンテナ500では、給電素子A21が本発明の主のループ配線に相当し、無給電素子P21aと無給電素子P21bが従のループ配線に相当している。即ち、このアンテナ500は、各ループ配線の形状以外の点では、図1のアンテナ100と略同様に構成されている。
このアンテナ500の各ループ配線は何れも長方形になっているが、ループ長は所定の基準となる1波長λに統一されている。例えば、この様に、各ループ配線の形状は、合同でなくても良く、また必ずしも相似である必要もない。そして、この様な構成によっても、本発明の手段に基づいて、本発明の作用・効果を得ることができる。
本発明のアンテナ装置は、容易かつ的確な指向性制御や周波数制御が望まれる移動体通信などに用いられる略平面構造のアンテナに大いに有用なものであり、例えば車両のフロントガラスやリヤガラスなどに配設して利用するのに好適なものである。
ただし、その他の部位やその他の移動体に用いても良いし、移動体と交信する固定局などに用いても良い。
実施例1のアンテナ100の平面図。 アンテナ100に対する比較例であるアンテナ200の平面図。 アンテナ100に対する比較例であるアンテナ300の平面図。 アンテナ100に対する比較例であるアンテナ400の平面図。 アンテナ100のxy平面上での指向性を例示するグラフ。 アンテナ100のxy平面上での指向性を例示するグラフ。 アンテナ100に到来する到来波の推定結果を例示するグラフ。 本発明の変形例を例示するアンテナ500の平面図。 従来のエスパアンテナを例示する概観図。 従来の指向性制御アンテナを例示する平面図。
符号の説明
100 : アンテナ
A11 : 給電部を有するループ配線(主のループ配線)
P11a、P11b : 無給電のループ配線(従のループ配線)
F0 : 給電部
Xn : 可変リアクタンス素子(nは整数)
Σ0 : 主のループ配線が配置された基準平面
Σ1 : 主のループ配線の中心を通る垂直断面
Σ2 : 従のループ配線が配置された平面
d1a,d1b: 近接するループ配線の中心のy軸方向における間隔
d2 : 基準平面Σ0 と平面Σ2 との距離
Nn : 各アンテナのポート番号(nは整数)
λ : 取り扱う電磁波の波長

Claims (5)

  1. 2点1組の給電点から成る給電部を備えて1つの基準平面上に配置された1つの主のループ配線と、前記主のループ配線と平行または同一平面上に配置された、給電点を備えない少なくとも1つの従のループ配線とを有するアンテナ装置であって、
    各前記ループ配線は、
    それぞれ互いに交点及び接点を持たず、
    前記従のループ配線に囲まれた平面領域の中心点は、
    前記主のループ配線に囲まれた平面領域の中心点を通る、前記基準平面に垂直な1つの垂直断面上に位置しており、
    任意の1つの前記ループ配線によって囲まれる平面領域は、
    前記基準平面の法線方向から見たときに、隣り合う他の前記ループ配線によって囲まれる他の平面領域と部分的に重なって見え、
    前記従のループ配線は、
    前記垂直断面上の2箇所にそれぞれ可変リアクタンス素子を有し、
    前記主のループ配線は、
    前記垂直断面上の1箇所に可変リアクタンス素子を有し、
    前記垂直断面上の他の1箇所に前記給電部を有する
    ことを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記主のループ配線の線路長および前記従のループ配線の線路長は、
    取り扱う電磁波の波長に一致している
    ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記可変リアクタンス素子は、
    集中定数素子で構成されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記主のループ配線及び前記従のループ配線は、
    それぞれプリント基板上に形成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のアンテナ装置。
  5. 前記主のループ配線及び前記従のループ配線は、
    それぞれ透明フィルム上に形成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のアンテナ装置。
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