JP2006339311A - 半導体レーザ - Google Patents

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Abstract

【課題】 傾斜基板を用いたInAlGaP系半導体レーザにおいて、ステップバンチングによる特性悪化を防止して、良好な静特性を得るとともに、長寿命化を達成する。
【解決手段】 面方位が傾斜している第一導電型GaAs基板21上に、少なくとも第一導電型Inx1(Al1-y1Gay1)1-x1P下部クラッド層(x1はGaAsに格子整合する組成)23とInGaPもしくはInAlGaPからなる量子井戸層25が積層されてなり、多重横モード発振する半導体レーザにおいて、第一導電型GaAs基板21として、面方位が(100)面から(111)A面方向に13度以上55度以下で傾斜している基板を用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明は半導体レーザに関し、特に詳細には、InAlGaP系可視光半導体レーザに関するものである。
半導体レーザは小型、高効率、長寿命などの特徴を持つことから光情報処理、光通信等の分野で広く用いられている。これまでの用途は比較的低出力(mWクラス)での使用が主であったが、近時は半導体レーザの高出力化が進み、高出力を要する分野での応用も考えられている。
半導体レーザの最も基本的な高出力化は、電流を注入するストライプの幅を広げる、いわゆるブロードエリア化することで可能である。特に固体レーザの励起光源として用いられる波長0.8μm帯の半導体レーザは開発が盛んになされており、ストライプ幅が100μmの場合において連続駆動で10W前後の最大出力が報告されている。
このように期待される高出力半導体レーザであるが、630〜680nm帯の可視光半導体レーザは、元々DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)用ピックアップ光源として開発が進められてきたこともあり、ブロードエリア化による高出力化の検討があまりなされていなかった。しかし近頃では医療、印刷、加工、プロジェクターなどの光源としての応用が注目されており、この種の半導体レーザにおいても高出力化の要求が高まってきている。
ここで、DVD用ピックアップ光源等に用いられている従来の出力5mW程度のロスガイド型シングルモード赤色半導体レーザについて、図3を参照して簡単に説明する。この半導体レーザを作製する場合、面方位が(100)面から(111)A方向に5〜15度傾斜したn型GaAs基板1上に、1回目のエピタキシャル成長により、n型GaAsバッファ層2、n型下部InAlGaP下部クラッド層3、ノンドープ下部光ガイド層4、InGaP多重量子井戸層5、ノンドープInAlGaP上部光ガイド層6、p型InAlGaP上部第一クラッド層8、p型InGaPエッチングストップ層9、p型InAlGaP上部第二クラッド層10、p型InGaPヘテロバッファ層11およびp型GaAsキャップ層12がこの順で積層される。p型GaAsキャップ層12、p型InGaPヘテロバッファ層11およびp型InAlGaP上部第二クラッド層10はリッジ状に形成され、2回目のエピタキシャル成長により、n型GaAs電流ブロック層13がリッジを埋め込むようにp型InGaPエッチングストップ層9上に形成される。さらに3回目のエピタキシャル成長により、p型GaAsコンタクト層14がp型GaAsキャップ層12上およびn型GaAs電流ブロック層13上に形成される。そしてp型GaAsコンタクト層14上にp電極15が、また基板裏面にn電極16がそれぞれ形成される。この種の半導体レーザにおいて、一般的に発光領域の幅は5μm以下である。
以上述べたような赤色半導体レーザにおいて発振波長を短波長化する上では、InAlGaP系化合物特有の自然超格子を無秩序化してバンドギャップを拡大する必要があり、そのために、基板面方位が(001)面から(111)A面方向に数度だけ傾斜した傾斜基板が用いられている。傾斜基板の表面は、1原子(または分子)分の段差を持つステップと低指数の面方位を持つテラスにより、階段状になっている。このような構造においては、成長条件によりステップが粗密化する、いわゆるステップバンチングが生じる。このステップバンチングが生じると、結晶の平坦性が悪化して量子井戸層の層厚歪みが生じ、量子効果の低減により素子特性が悪化する。
このステップバンチングを低減するために特許文献1には、結晶成長時のV/III比(III族原料供給量に対するV族原料供給量のモル比)を通常の150〜500ではなく1000以上に高めることが、また特許文献2には、(11n)B面基板上に55以下のV/III比で結晶成長させることが提案されている。
特開平6−252506号公報 特開平9−260785号公報
しかしながら、特許文献1で提案されているV/III比を必要以上に上げる方法は、結晶成長装置に対する負荷を大きくするという問題がある。また特許文献2で提案されている(11n)B面基板は、p型ドーパントのドーピング効率が低いため取り扱いが難しいという問題がある。また実際には、結晶の平坦性はV/III比だけでなく、結晶の成長速度や成長温度にも左右されることから、V/III比の設定だけでステップバンチングを完全に制御することは難しくなっている。
上記特許文献1および2に示されるように、概して従来技術では、基板の面方位傾斜角度を一定とし、成長条件を変えることでステップバンチングの抑制を行っている。しかしながら成長条件を変えるには限界があり、また成長条件を変える方法は、表面性以外の特性を悪化させる懸念がある。
本発明は上記の事情に鑑みて、ステップバンチングによる特性悪化を防止して、それにより静特性に優れ、かつ長寿命を実現できるInAlGaP系可視光半導体レーザを提供することを目的とする。
本発明は、面方位の傾斜角度が13度以上の基板を用いることでステップバンチングを効果的に抑制できるという新しい知見に基づいて得られたものである。すなわち、本発明による一つの半導体レーザは、面方位が(100)面から(111)A面方向に13度以上55度以下で傾斜している第一導電型GaAs基板上に、少なくとも第一導電型Inx1(Al1-y1Gay1)1-x1P下部クラッド層(x1はGaAsに格子整合する組成)とInGaPもしくはInAlGaPからなる量子井戸層が積層されており、かつ横モードが多モード状態で発振することを特徴とするものである。
また、本発明による別の半導体レーザは、同じく面方位が(100)面から(111)A面方向に13度以上55度以下で傾斜している第一導電型GaAs基板上に、少なくとも第一導電型Inx1(Al1-y1Gay1)1-x1P下部クラッド層(x1はGaAsに格子整合する組成)、Inx1(Al1-y2Gay2)1-x1P下部光ガイド層(y1<y2)、InGaPもしくはInAlGaPからなる量子井戸層、Inx1(Al1-y2Gay2)1-x1P上部光ガイド層、第二導電型Inx1(Al1-y1Gay1)1-x1P上部クラッド層、第二導電型Inx1Ga1-x1P中間層、第二導電型GaAsキャップ層が順次積層されており、かつ横モードが多モード状態で発振することを特徴とするものである。
なお上記の第一導電型、第二導電型は、一方がn型で他方がp型を示す。
また、基板の面方位を(100)面から(111)面方向に傾斜させる場合、(111)A方向と(111)B方向の2通りが考えられるが、Journal of Crystal Growth 124 (1992) 449-456 にて報告されているように(111)B方向へ面方位を傾斜させた基板は、p型ドーパントのドーピング効率が低いという問題がある。そのため面方位の傾斜方向は(100)面から(111)A面方向が望ましく、本発明でもそれを採用している。
厚さが数原子分から10nm程度である量子井戸層のような薄膜を、ステップバンチングが生じている層の上に積層すると、ステップバンチングにより層厚揺らぎが生じて半導体レーザの特性に悪影響を及ぼす。本発明者はこの問題について鋭意検討した結果、発光ストライプ幅が広いブロードエリア構造では、シングルモード構造よりもバンチングによる悪影響が大きいことを突きとめ、面方位が(100)面から(111)A面方向に13度以上傾いた基板上にブロードエリア半導体レーザを形成することで、ステップバンチングによる悪影響を低減できることを見出した。
以下、この点について詳しく説明する。ステップバンチングの評価には原子間力顕微鏡(AFM)を用い、それによって計測した表面粗さをもってステップバンチングを数値化した。図4は、基板上に下部InAlGaPクラッド層までを積層したサンプルにおいて、上述のようにして測定した下部InAlGaPクラッド層表面の面粗さと、傾斜基板の面方位の傾斜角度(以下、単に「傾斜角度」ということもある)との関係を示したものである。傾斜方向は(100)面から(111)A面に向かう方向である。この図から、傾斜角度が2〜13度の範囲にあるときにステップバンチングの影響が大きいことが分かる。
しかしシングルモードレーザとブロードエリアレーザとでは事情が異なり、一般に赤色シングルモードレーザでは傾斜角度10度の基板が用いられることが多い。図5は下部クラッド層の面粗さが異なる発光幅5μmのシングルモードレーザと、多重横モード発振する発光幅50μmのブロードエリアレーザとを作製し、それらの特性を電流閾値密度の変化で比較したものである。この場合、基板には傾斜角度10度の基板を用い、結晶成長に際してV/III比を変えることで下部クラッド層の面粗さxが異なる3枚のウェハを作製した。なお同図において電流閾値密度は、面粗さxが0.4nmのときの値を1として規格化した値を示してある。
この図5に示される通り、面粗さxが大きくなるほど電流閾値密度が増大するが、その増大の傾向は横モードが単一であるシングルモードレーザと比べて、横モードが多モードとなるブロードエリアレーザの方がより急激であり、ステップバンチングの影響がブロードエリアレーザにおいてより顕著であることが分かる。ここから、一般に発光幅が10μmを超えるようなブロードエリアレーザでは、ステップバンチングがより発生し難い傾斜基板を用いることが必要であると考えられる。
そこで本発明者は、横モードが多モードとなる発光幅100μm程度のブロードエリアレーザについて、基板の傾斜角度と電流閾値密度との関係を詳しく調べた。図6はその結果を示すものである。なお同図において電流閾値密度は、基板の傾斜角度yが10度のときの値を1として規格化した値を示してある。ここに示される通り、傾斜角度が大きくなるほど、すなわちクラッド層表面の面粗さが小さくなるほど電流閾値密度が低下していることが分かる。本発明はこの知見に基づいて、電流閾値密度が十分小さくなることを確認している面粗さ0.4度(図5参照)を実現する13度を、傾斜角度の下限値とするものである。
また図4に示される通り、傾斜角度が13度から増大するにつれて基板の面粗さはより小さくなるが、その傾向は傾斜角度が55度辺りで頭打ちとなり、電流閾値密度が低下する傾向も同様に頭打ちになることが容易に推察され、その一方、この傾斜角度が大きくなるに従ってレーザ加工プロセス技術が難しくなる等の別の問題が生じて来るので、本発明では上記の55度を傾斜角度の上限値とする。
以上詳しく説明した通り、本発明によれば、(100)面から(111)A面方向に13度以上55度以下で傾斜させたGaAs基板を用いることにより、ステップバンチングが抑制されて、静特性に優れた多重横モードの半導体レーザが得られるようになる。また、電流閾値密度が低く抑えられるので、長寿命化も達成される。
なお、傾斜基板上にリッジ構造を有するシングルモードの半導体レーザでは、エッチングの方位依存性により、活性層を挟んで構造が非対象型となってしまい、そのため、導波モードがストライプ幅で規制されず近視野像が非対称となるので、横モードが不安定になりやすくキンクが発生しやすいという問題が認められる。しかし本発明の半導体レーザは、もとより多重横モード発振するものであるので、上述のような不都合とは無関係である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態によるInAlGaP系赤色半導体レーザを示す概略立断面図である。図示の通り本実施形態の半導体レーザは、面方位が(100)面から(111)A面方向に20度傾斜したGaAs基板21と、その上に順次積層されたn型GaAsバッファ層(厚さ0.2μm、キャリア濃度2.0×1018cm-3)22、n型In0.49(Al0.7Ga0.3)0.51P下部クラッド層(厚さ1.2μm、キャリア濃度1.0×1018cm-3)23、ノンドープIn0.49(Al0.5Ga0.5)0.51P下部光ガイド層(厚さ0.08nm)24、InGaP(またはInAlGaP)からなる多重量子井戸層25、ノンドープIn0.49(Al0.5Ga0.5)0.51P上部光ガイド層(厚さ0.08nm)26、p型In0.49(Al0.7Ga0.3)0.51P上部クラッド層(厚さ1.2μm、キャリア濃度1.0×1018cm-3)27、p型In0.49Ga0.51Pヘテロバッファ層(0.5μm、キャリア濃度5.0×1018cm-3)28およびp型GaAsコンタクト層(0.2μm、キャリア濃度1.0×1019cm-3)29を有している。
上記p型GaAsコンタクト層29の一部はストライプ状に残され、その両側にはSiO2絶縁膜30が形成されている。そしてp型GaAsコンタクト層29の上にはp電極31が、n型GaAs基板21の裏側にはn電極32がそれぞれ形成されている。
本実施形態の半導体レーザを作製する際には、一例として有機金属気相成長(MOCVD)法により結晶成長を行う。原料ガスとしてTEG(トリエチルガリウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、TMI(トリメチルインジウム)、AsH3(アルシン)、PH3(ホスフィン)、n型ドーパントとしてSiH4(シラン)、p型ドーパントとしてDEZ(ジエチル亜鉛)またはCp2Mg(ビスシクロペンタディエニルマグネシウム)を用いる。次に具体的な半導体レーザの作製方法について説明する。
まずn型GaAs基板21上に、MOCVD法により、成長温度685〜735℃、成長圧力10.3kPaの条件下にてn型GaAsバッファ層22、n型In0.49(Al0.7Ga0.3)0.51P下部クラッド層23、ノンドープIn0.49(Al0.5Ga0.5)0.51P下部光ガイド層24、InGaP多重量子井戸層25、ノンドープIn0.49(Al0.5Ga0.5)0.51P上部光ガイド層26、p型In0.49(Al0.7Ga0.3)0.51P上部クラッド層27、p型In0.49Ga0.51Pヘテロバッファ層28およびp型GaAsコンタクト層29をこの順で積層する。
次にp型GaAsコンタクト層29の上に誘電体マスクとなる図示外のSiO2膜を形成し、通常のフォトリソグラフィーにより、10〜200μm幅程度のストライプ領域以外の部分の該SiO2膜を除去する。次に、上記ストライプ領域に残っているSiO2膜をマスクとして、硫酸系エッチャントにてp型GaAsコンタクト層29を除去する。このとき、エッチングは自動的にp型In0.49Ga0.51Pヘテロバッファ層28にて停止する。上記SiO2膜をフッ酸系エッチャントで除去した後、新たにSiO2膜30を形成し、フォトリソグラフィーにてリッジ頂上部のSiO2膜30をストライプ状に除去する。
その後全体の厚みが100μm程度になるまで基板の研磨を行い、最後にp電極31をp型GaAsコンタクト層29上に、またn電極32をn型GaAs基板21の裏面に、それぞれ蒸着および熱処理により形成する。
この試料から、共振器長0.50〜1.5mm程度のレーザバーを劈開により切り出し、共振器面へ低反射率および高反射率の光学膜をコーティングする。その後劈開によりチップ化して半導体レーザを形成する。この半導体レーザは、ストライプ領域となるp型GaAsコンタクト層29が10〜200μm程度の幅に形成されて、いわゆるブロードエリアタイプのものとなり、横モードが多モード状態で発振するようになる。
本実施形態の半導体レーザは、面方位が(100)面から(111)A面方向に20度(これは前述した13度以上55度以下の範囲に含まれる)傾斜したGaAs基板21を用いて形成されているので、ステップバンチングが抑制されて、優れた静特性を有し、また寿命も長いものとなる。その理由は、先に詳しく説明した通りである。
次に本発明の第2の実施形態について説明する。図2は、本発明の第2実施形態によるInAlGaP系赤色半導体レーザを示す概略立断面図である。図示の通り本実施形態の半導体レーザは、面方位が(100)面から(111)A方向に20度傾斜したn型GaAs基板41と、その上に順次積層されたn型GaAsバッファ層(厚さ0.2μm、キャリア濃度2.0×1018cm-3)42、n型In0.49(Al0.7Ga0.3)0.51P下部クラッド層(厚さ1.2μm、キャリア濃度1.0×1018cm-3)43、ノンドープIn0.49(Al0.5Ga0.5)0.51P下部光ガイド層(厚さ0.08nm)44、InGaP(またはInAlGaP)からなる多重量子井戸層45、ノンドープIn0.49(Al0.5Ga0.5)0.51P上部光ガイド層(厚さ0.08nm)46、p型In0.49(Al0.7Ga0.3)0.51P上部第一クラッド層(厚さ0.2μm厚、キャリア濃度1.0×1018cm-3)47、p型 In0.43Ga0.57Pエッチングストップ層(厚さ10nm、キャリア濃度1.0×1018cm-3)48、p型In0.49(Al0.7Ga0.3)0.51P上部第二クラッド層(厚さ1.0μm、キャリア濃度1.0×1018cm-3)49、p型In0.49Ga0.51Pヘテロバッファ層(厚さ0.5μm、キャリア濃度5.0×1018cm-3)50およびp型GaAsコンタクト層(厚さ0.2μm、キャリア濃度1.0×1019cm-3)51を有している。
上記p型In0.49(Al0.7Ga0.3)0.51P上部第二クラッド層49、p型In0.49Ga0.51Pヘテロバッファ層50およびp型GaAsコンタクト層51はリッジ状に形成され、そしてp型GaAsコンタクト層51に密着させてp電極53が、またn型GaAs基板41の裏側にn電極54がそれぞれ形成されている。
次に、この半導体レーザの作製方法について説明する。この場合も結晶成長は、基本的に第1実施形態の半導体レーザを作製する場合と同様になされる。すなわち、まず最初にMOCVD法により、成長温度685〜735℃、成長圧力10.3kPaの条件下にて、n型GaAs基板21上にn型GaAsバッファ層42からp型GaAsコンタクト層51までの層が形成される。
次に通常のフォトリソグラフィーを用いて、10〜200μm程度の幅となるストライプ領域以外のp型GaAsコンタクト層51を除去した後、残ったストライプ状p型GaAsコンタクト層51をエッチングマスクとして、塩酸系エッチャントにてp型In0.49Ga0.51Pヘテロバッファ層50およびp型In0.49(Al0.7Ga0.3)0.51P上部第二クラッド層49をエッチングし、それらをストライプ状リッジに加工するとともに、リッジ脇にp型 In0.43Ga0.57Pエッチングストップ層48を露出させる。そして、形成されている半導体層の上面部分に全面的にSiO2絶縁膜52を形成した後、リソグラフィーにより該SiO2絶縁膜52のリッジ上面部分をストライプ状に除去して、p型GaAsコンタクト層51を露出させる。
その後全体の厚さが100μm程度になるまで基板の研磨を行い、最後にp電極53をp型GaAsコンタクト層51上に、またn電極54をn型GaAs基板41の裏面に、それぞれ蒸着および熱処理により形成する。
この試料から、共振器長0.50〜1.5mm程度のレーザバーを劈開により切り出し、共振器面へ低反射率および高反射率の光学膜をコーティングする。その後劈開によりチップ化して半導体レーザを形成する。この半導体レーザは、ストライプ領域となるリッジ状部分が10〜200μm程度の幅に形成されて、いわゆるブロードエリアタイプのものとなり、横モードが多モード状態で発振するようになる。
本実施形態の半導体レーザも、面方位が(100)面から(111)A面方向に20度(これは前述した13度以上55度以下の範囲に含まれる)傾斜したGaAs基板41を用いて形成されているので、ステップバンチングが抑制されて、優れた特性を有するものとなる。その理由は、先に詳しく説明した通りである。
なお、上記2つの実施形態では面方位の傾斜角度が20度の基板を使用しているが、前述した理由により、この傾斜角度は13〜55度の範囲内で自由に選択可能である。なお傾斜角度55度は、概ね(111)A面基板に相当する。
また上記第1および第2の実施形態において、量子井戸層は無歪み層のほか、圧縮歪みもしくは引っ張り歪みを有する歪量子井戸層としてもよい。多重量子井戸層は活性層としてInGaPまたはInAlGaPを用い、バリア層には光ガイド層と同じ組成のInAlGaPを用いればよい。実施形態において記載したIn0.49Ga0.51PおよびIn0.49(Alz4Ga1-z4)0.51Pの組成比率は、GaAs基板に格子整合することを示したものであり、GaAsに格子整合すればこの数値に限定されるものではない。
また上記実施形態では、レーザ構造を形成する際にウェットエッチングを適用しているが、ドライエッチングを適用しても構わない。基板の面方位の傾斜角度が大きくなる場合にはむしろドライエッチングが望ましい。
さらに、上記実施形態では1つの発光領域からなる単一エミッタ構造となっているが、これをモノリシックに1次元アレイ化したバーレーザや、さらにバーレーザを積層した2次元アレイレーザに本発明を適用することも可能である。また上記各実施形態ではGaAs基板をn型の導電性のもので記述しているが、p型の導電性の基板を用いてもよく、この場合は上記すべての導電性を反対にすればよい。
また、本発明の半導体レーザは光通信における信号光光源等として好適に用いることができるが、このような用途に限らず、その他例えば、高速な情報・画像処理や、通信、計測、医療、印刷等の分野での光源としても勿論適用可能である。
本発明の第1の実施形態による半導体レーザを示す概略側断面図 本発明の第2の実施形態による半導体レーザを示す概略側断面図 従来の半導体レーザの一例を示す概略側断面図 半導体レーザの基板の面方位傾斜角度と、基板上に形成された層の面粗さとの関係を示すグラフ 半導体レーザの基板上に形成された層の面粗さと、電流閾値密度との関係を示すグラフ 半導体レーザの基板の面方位傾斜角度と、電流閾値密度との関係を示すグラフ
符号の説明
1 n型GaAs基板
2 n型GaAsバッファ層
3 n型In0.49(Al0.7Ga0.3)0.51P下部クラッド層
4 ノンドープIn0.49(Al0.5Ga0.5)0.51P下部光ガイド層
5 InGaP多重量子井戸層
6 ノンドープIn0.49(Al0.5Ga0.5)0.51P上部光ガイド層
8 p型In0.49(Al0.7Ga0.3)0.51P上部クラッド層
9 p型InGaPエッチングストップ層
10 p型In0.49(Al0.7Ga0.3)0.51P上部第二クラッド層
11 p型In0.49Ga0.51Pヘテロバッファ層
12 p型GaAsキャップ層
13 n側GaAs電流ブロック層
14 p型GaAsコンタクト層
15 p電極
16 n電極
21 n型GaAs基板
22 n型GaAsバッファ層
23 n型In0.49(Al0.7Ga0.3)0.51P下部クラッド層
24 ノンドープIn0.49(Al0.5Ga0.5)0.51P下部光ガイド層
25 InGaP多重量子井戸層
26 ノンドープIn0.49(Al0.5Ga0.5)0.51P上部光ガイド層
27 p型In0.49(Al0.7Ga0.3)0.51P上部クラッド層
28 p型In0.49Ga0.51Pヘテロバッファ層
29 p型GaAsコンタクト層
30 SiO2絶縁膜
31 p電極
32 n電極
41 n型GaAs基板
42 n型GaAsバッファ層
43 n型In0.49(Al0.7Ga0.3)0.51P下部クラッド層
44 ノンドープIn0.49(Al0.5Ga0.5)0.51P下部光ガイド層
45 InGaP多重量子井戸層
46 ノンドープIn0.49(Al0.5Ga0.5)0.51P上部光ガイド層
47 p型In0.49(Al0.7Ga0.3)0.51P上部第一クラッド層
48 p型 In0.43Ga0.57Pエッチングストップ層
49 p型In0.49(Al0.7Ga0.3)0.51P上部第二クラッド層
50 p型In0.49Ga0.51Pヘテロバッファ層
51 p型GaAsコンタクト層
52 SiO2絶縁膜
53 p電極
54 n電極

Claims (2)

  1. 面方位が(100)面から(111)A面方向に13度以上55度以下で傾斜している第一導電型GaAs基板上に、少なくとも第一導電型Inx1(Al1-y1Gay1)1-x1P下部クラッド層(x1はGaAsに格子整合する組成)とInGaPもしくはInAlGaPからなる量子井戸層が積層されており、かつ横モードが多モード状態で発振することを特徴とする半導体レーザ。
  2. 面方位が(100)面から(111)A面方向に13度以上55度以下で傾斜している第一導電型GaAs基板上に、少なくとも第一導電型Inx1(Al1-y1Gay1)1-x1P下部クラッド層(x1はGaAsに格子整合する組成)、Inx1(Al1-y2Gay2)1-x1P下部光ガイド層(y1<y2)、InGaPもしくはInAlGaPからなる量子井戸層、Inx1(Al1-y2Gay2)1-x1P上部光ガイド層、第二導電型Inx1(Al1-y1Gay1)1-x1P上部クラッド層、第二導電型Inx1Ga1-x1P中間層、第二導電型GaAsキャップ層が順次積層されており、かつ横モードが多モード状態で発振することを特徴とする半導体レーザ。
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