JP2006337913A - 電子デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大きく変形できる電子デバイスおよびその製造方法を提供することにある。
【解決手段】本発明による電子デバイスの製造方法は、二次元的に配列された複数の発光部11の配置関係を保持する少なくとも1つの剛性基板40、45を用意する工程Aと、剛性基板40、45をフレキシブル基板10に対向させ、複数の発光部11をフレキシブル基板10に対して固定する工程Bと、剛性基板40、45において複数の発光部を連結している部分の少なくとも一部を除去することにより、フレキシブル基板10の変形を可能する工程Cとを包含する。
【選択図】図4F

Description

本発明は、変形可能な電子デバイスに関しており、特に、フレキシブルな表示装置または照明装置として好適に機能し得る電子デバイスおよびその製造方法に関している。
携帯用ノートパソコンや携帯電話等の携帯用電子機器の進展に伴って、近年低消費電力でかつ薄型の表示装置へのニーズが増えている。これらの携帯用表示装置には、小型、軽量、頑丈等の多くの要望があるが、携帯性を高めるため、表示面を自由に変形することのできるフレキシブルディスプレイへの要望が高まっている。特に紙のように軽く、持ち運びに便利で、何回も書き換えが可能な表示装置(「電子ペーパ」)が電子ブックや電子書籍として実用化されている。
電子ペーパには、例えば米国「Elnk社」で開発された電気泳動方式を利用したディスプレイがある。このディスプレイは、基材上に塗布されたマイクロカプセルの内部が、帯電した酸化チタンの白い粒子とカーボンブラックの黒い粒子とを含み、電圧印加に応じて白および黒の粒子を移動させることにより、文字やグラフィックを表示する。画面表示に必要な電力が、画面切り替えの時にのみ発生するため、消費電力を極端に抑えることができる。
フレキシブルな電子デバイスの他の形態として、フィルム液晶ディスプレイも研究されており、そのバックライトには発光面が変形するフレキシブル照明装置が利用される。フレキシブル照明装置は、透過型液晶ディスプレイのバックライト以外にも用途がある。すなわち、フレキシブル照明装置が実現すると、自由な曲面上に設置可能であり、デザイン性に富む。また、折りたたむことにより、携帯性が向上する。
現在普及しつつある平面ディスプレイの基板がガラスから形成されているため、表示面を変形できないのに対して、フレキシブルディスプレイは、変形可能なフレキシブル基板(例えばポリエチレンテレフタレートなど)を用いて製造される。公知のフレキシブルディスプレイは、表示媒体として、液晶、有機EL(エレクトロルミネッセンス)、EPID(電気泳動表示)を用いている。
このようなフレキシブルディスプレイまたはフレキシブル照明装置は、例えば、特許文献1から特許文献3に記載されている。
特開2003−345267号公報 特開2003−270674号公報 特開2004−47381号公報
しかしながら、従来方法のフレキシブルディスプレイまたはフレキシブル照明装置は、フレキシブル基板上に発光部分を積層した構造を備えているため、フレキシブル基板を変形させるときに、画素などとして機能する個々の発光部分も変形する。このため、正しい発色ができなくなってしまう問題がある。また、フレキシブル基板を大きく変形させると、発光部または発光部を囲む隔壁部分が破損する恐れもある。
例えばフレキシブルディスプレイを表示面に凸になるように曲げると、表示面側に形成された構造物が表示面に広がる方向に伸びるように変形し、これが各発光部に応力を発生させ、正常な発光動作を実現できなくなる。
このように従来のフレキシブルディスプレイまたはフレキシブル照明装置では、フレキシブル基板を用いているにもかかわらず、全体としての変形量は小さく抑えられ、過度の変形を行うと、輝度ムラに起因する画像歪みが生じたり、応力の大きな部分で破損が生じたりするという問題があった。
また、有機EL素子を用いたフレキシブルディスプレイまたはフレキシブル照明装置の場合は、上記の問題に加えて以下の問題も発生する。すなわち、有機材料は、軽量、柔軟、成形性などの長所を有しているが、無機材料に比べて耐熱性や強度で劣る。このため、有機EL素子を用いたフレキシブルディスプレイの場合は、信頼性が低く、寿命が短い。
より詳しく説明すると、有機EL素子は、水分や酸素と反応して発光特性が劣化するという欠点を有している。この欠点を補うため、先行文献3が開示する装置では、外部の水分や酸素を透過しないような工夫がされてはいるが、先行文献3の表1に示されているように、プラスチックフィルム材はガラスに比べて水分や酸素の透過が大きいために、少量の水分と酸素は内部に透過する。また、プラスチックフィルム材は、ガラス基板に比べてガラス転移温度が低く、耐熱性が小さいために、高温で処理することができない。このため、例えば有機EL素子の製造過程で形成されるレジストなどに付着した水分等のガスをあらかじめ十分に蒸発させることができないために、これらの材料から徐々に水分などのガスが発生する。これらの理由から、有機EL素子を用いたフレキシブルディスプレイでは、特許文献3の表2にも示されているように、徐々に酸素や水分が有機EL素子と反応することによって発光特性の劣化が生じる。
一方、液晶や電気泳動を用いるディスプレイでは、信頼性と寿命の面で、有機EL素子よりも優れているが、自発光型の装置でないため、照明装置として使用できない。また、ディスプレイとして使用する場合にも、PDP(プラズマディスプレイパネル)やFED(フィールドエミッションディスプレイ)などの自発光型ディスプレイの方法よりも応答性や輝度の面で劣っている。特に液晶表示装置の場合は、視野角に制限があるため、湾曲を伴うフレキシブルディスプレイには不向きである。
以上の理由から、PDPやFEDなどの高輝度の自発光型ディスプレイの方法を用いてフレキシブルディスプレイを形成することが望ましいが、これらの場合には、発光部を気密に封止した構造が必要である。このため、変形可能な2枚の基板を張り合わせた構造によってPDPやFEDを作製した場合、基板の変形に伴って内部空間の体積が変化してしまう。このことは、内部空間の圧力変化を招くため、輝度が変化し、画像ひずみが発生する。また、変形を繰り返すことにより、封止部分が破損する可能性が高く、耐久性が低いという課題がある。
これらの理由から、FEDやPDPは一般的に変形しにくいガラスなどの材料で内部を気密に封止した構造を備えており、フレキシブルな基板を用いて製造することは実現していない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、変形時の輝度変化や画像歪みを抑制し、耐久性も向上したフレキシブルな電子デバイスおよびその製造方法を提供することにある。
本発明による電子デバイスの製造方法は、二次元的に配列された複数の発光部の配置関係を保持する少なくとも1つの剛性基板を用意する工程Aと、前記剛性基板を前記フレキシブル基板に対向させ、前記複数の発光部を前記フレキシブル基板に対して固定する工程Bと、前記剛性基板において前記複数の発光部を連結している部分の少なくとも一部を除去することにより、前記フレキシブル基板の変形を可能にする工程Cとを包含する。
好ましい実施形態において、前記工程Aは、前記複数の発光部として複数の封止パッケージを前記基板上に形成する工程を含む。
好ましい実施形態において、前記工程Aは、前記複数の発光部を第1の剛性基板上に形成する工程a1と、前記複数の発光部の上面を覆うように第2の剛性基板を第1の剛性基板に対して固定する工程a2とを含む。
好ましい実施形態において、前記工程Aは、前記工程a2を実行した後、前記第1の剛性基板の裏面側をエッチングすることにより、前記第1の剛性基板を薄くする工程を含む。
好ましい実施形態において、前記工程Bは、前記第1の剛性基板を前記フレキシブル基板に固着させる工程を含む。
好ましい実施形態において、前記工程Cは、前記第2の剛性基板を除去する工程を含む。
好ましい実施形態において、前記工程Cは、前記フレキシブル基板に固着された前記第1の剛性基板の一部をエッチングすることにより、前記第1の剛性基板を前記フレキシブル基板に貼り付けられた複数の部分に分離する工程を含む。
好ましい実施形態において、前記封止パッケージの内部を減圧する工程を含む。
好ましい実施形態において、前記工程Aは、前記封止パッケージの内部に放電電極を形成する工程を含む。
好ましい実施形態において、前記工程Aは、前記封止パッケージの内部に電子放出素子を形成する工程を含む。
好ましい実施形態において、前記工程Aは、前記複数の発光部を行および列からなるマトリックス状に前記基板上に形成する工程を含む。
好ましい実施形態において、前記工程Aは、薄膜堆積技術およびエッチング技術により、前記複数の発光部を前記基板上に形成する工程を含む。
好ましい実施形態において、前記複数の発光部を駆動する配線を前記フレキシブル基板上に形成する工程を更に含む。
好ましい実施形態において、前記工程Bは、前記工程Aで用意した複数の前記剛性基板を、前記フレキシブル基板の表面における異なる領域に同時または順次対向させる工程を含む。
好ましい実施形態において、前記複数の発光部の個数は100個以上である。
本発明の電子デバイスは、フレキシブル基板と、前記フレキシブル基板上に二次元的に配列された複数の発光部とを備え、前記複数の発光部の各々が気密封止された空洞を有し、かつ、前記フレキシブル基板の変形が可能になるように隣接する発光部の間に空隙が設けられている。
好ましい実施形態において、前記複数の発光部の各々は、前記空洞内に電子放出素子を有している。
好ましい実施形態において、前記複数の発光部の各々は、前記空洞内に放電電極を有している。
好ましい実施形態において、前記複数の発光部は、画像を表示する。
好ましい実施形態において、前記複数の発光部は、照明光を放射する。
好ましい実施形態において、前記複数の発光部の各々は、前記空洞を形成する封止パッケージ構造を有しており、前記封止パッケージ構造の少なくとも一部は、前記光を透過する無機物から形成されている。
本発明による電子デバイスの製造方法は、フレキシブル基板上に複数の発光部を一括的に配置することができるため、表示装置や照明装置として好適に機能する電子デバイスを安価に歩留まり良く製造することが可能になる。また、本発明の製造方法によれば、個々の発光部の個数が増えても、発光部の配列を大気圧下で実行できるため、大画面化が容易である。
本発明の電子デバイスでは、隣接する発光部間に空隙が存在するため、気密封止された空洞を有する発光部自体の変形を抑制しつつ、フレキシブル基板の変形が可能になる。その結果、フレキシブル基板の変形時にも空洞内部の圧力変化が抑制され、輝度変化や輝度ムラの発生を抑えることが可能になる。更には、フレキシブル基板が大きく変形したときにも、気密部分に生じる応力が小さいため、気密部分の破損が生じにくく、耐久性が向上する。
(実施形態1)
[電子デバイス]
以下、図面を参照しながら、本発明による電子デバイスの第1の実施形態を説明する。本実施形態の電子デバイスは、フィールドエミッションディスプレイである。
まず、図1を参照する。図1(a)は、本実施形態の電子デバイスの斜視図であり、図1(b)は、1つの画素を構成する発光部の構造を示す分解斜視図である。
本実施形態における電子デバイスは、フレキシブル基板10と、フレキシブル基板10の表面に配列された複数の発光部11と、各発光部11を不図示の駆動回路に接続するフレキシブル配線部19とを備えている。
各発光部11は、フレキシブル基板10の表面上に配置されており、個々の発光部11は相互に分離されている。個々の発光部11は、自発光機能を有し、図1(a)に示すよう、青(B)、緑(G)、赤(R)の3種類の発光のいずれかを行なう画素として機能する。
RGBの配列は、(1)ストライプ配列、(2)デルタ配列、(3)ベイヤー配列を含む。ストライプ配列は、同一色の画素を画面の垂直方向に直線的に並べた配置形態を有し、デルタ配列は、同一色の画素を画面斜め方向に直線的に並べた配置形態を有し、ベイヤー配列は、一松模様(チェッカーパターン)を形成するように画素を並べた配置形態を有している。図1(a)の例では、デルタ配列を採用している。
フレキシブル基板10は、柔軟性を有する材料から形成され、折り曲げたり、巻いたり、自由に屈曲させることができる。フレキシブル基板10は、例えばポリエステル樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンカーボネートなどのプラスチックフィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムなどから形成される。特にポリエチレンナフタレートフィルムは、透明性、寸法安定性、耐衝撃性、強度、剛性、耐熱性に優れ、温度変化による収縮率や膨張係数が極めて小さいため、好適に用いられる。
各発光部11は、図1(b)に示すように、気密封止されたマイクロ真空パッケージ12を有している。マイクロ真空パッケージ12は、内部に空洞(気密空間)を形成しており、この空洞の内部における上面側には、光を透過する透明電極13および蛍光体14の積層体が配置されている。空洞の内部には、蛍光体14を照射する電子ビームを制御するゲート電極15と、電子を放出するエミッタ16と、エミッタ16と電気的に接続されたカソード電極17とが設けられている。エミッタ16およびカソード電極17は、Si基板18に支持されている。
図1(a)および図1(b)に示されるように、発光部11は、フレキシブル基板10上においてフレキシブル配線部19によって接続されているが、フレキシブル基板10以外の剛性を有する部材によっては結合していない。このため、フレキシブル基板10の変形に応じて、隣接する発光部11の間隔が自由に変化し得る。
次に、図2を参照しつつ、発光部11の構成を詳細に説明する。
発光部11は、シリコン基板28と、シリコン基板28に支持された空洞壁部220と、空洞壁部220とともにマイクロ真空パッケージを形成する封止膜部22と、これらの部材に囲まれた内部空間(真空部分)36を備えている。
真空部分36には、先端から電子を放出するエミッタ26、エミッタ26に電子を供給するカソード電極27、エミッタ26から放出された電子を受け取るアノードとして機能する透明電極23、透明電極23とカソード電極27との間を流れる電流を制御するゲート電極25が配置されている。エミッタ26は、シリコン基板28をコーン形状に加工することによって形成される。エミッタ26のコーン先端部分の直径は例えば10nmである。ゲート電極25は、例えばアルミニウムによって形成される。ゲート電極25とエミッタ26との間隔は、例えば1μm以下に設定される。カソード電極27は、シリコン基板28の表面に例えばAs(砒素)などのイオンを高濃度に注入することで形成される。
透明電極23の表面は蛍光体24によって覆われており、蛍光体24は電子ビームの照射を受け、発色する。透明電極23は、例えばITO(インジウム−スズ酸化物)などの透明導電膜から形成される。透明電極23は、後で説明するように、アノード電極として機能する。蛍光体24は、電子線が照射されたときに発光する機能を有する材料から形成される。赤色蛍光体はY23:Eu3+、緑色蛍光体はY2SiO5:Tb3+、青色蛍光体はZnS:Ag、Alなどの材料で形成され得る。
シリコン基板28上には、MOS型トランジスタなどの回路素子が形成されており、これらの回路素子は絶縁膜34によって覆われている。絶縁膜34は、例えばシリコン酸化膜から形成される。ゲート電極25、カソード電極27、および他の回路素子は、Al配線35によって接続されている。
図1および図2には示されていないが、エミッタ26とカソード電極27との間に抵抗層を挿入してもよい。この抵抗層は、エミッタ特性のばらつきや、時間変動による画素間の輝度むら、画像ちらつきなどを緩和するため、安定化抵抗とよばれる。
1つの発光部11の内部には複数のエミッタ26を配置してもよい。エミッタ26のアレイを設けることにより、各エミッタ26から放射される電子ビームの強度の時間的変動を平均化できるため、画像ちらつきを低減する効果が得られる。この場合、1画素内のエミッタの数は、例えば1000個程度に設定され得る。
本実施形態におけるマイクロ真空パッケージは、例えば50μm×50μmの平面サイズを有し、高さは数μm〜数100μmの範囲である。マイクロ真空パッケージは、シリコン酸化膜などの透明な薄膜から形成されていており、マイクロ真空パッケージの内部には、真空に保持された空間である真空部分36がある。
次に、図3を参照しながら、発光部の駆動方法を用いて説明する。図3は、発光部の回路構成例を示している。この例では、エミッタとカソード電極の間に安定化抵抗が挿入されている。
まず、カソード電極に対して正の電圧をゲート電極に印加する。このことにより、ゲート電極からの電気力線がコーン先端に集中して、エミッタから電子が放出する。ゲート電極とエミッタとの間の距離が1μm以下の場合、ゲート電極とカソード電極との間に100V以下の電圧を印加することにより、エミッタから電子を放出させることできる。
アノード電極には、カソード電極に対して正の電圧を印加する。この電圧は、アノード電極とカソード電極との間の距離が数100μm以下の場合、例えば1kV以下の値に設定される。これよりも高い電圧を印加すると、エミッタ以外の部分とアノード電極との間で放電が生じる可能性ある。
エミッタから放出された電子は、アノード電極に印加された電圧によってアノード電極に向かって加速し、蛍光体に衝突する。このことにより、蛍光体が発光する。ゲート電極の電圧を調整することにより、アノード電極からカソード電極に流れる電流の大きさを制御することができ、それによって輝度変調を行なうことができる。複数の発光部から適宜選択された発光部のカソード電極に走査信号を入力して、ゲート電極に輝度変調を行なう輝度信号を入力することにより、画像を表示することができる。
本実施形態における発光部11は、シリコンから形成したスピント型エミッタを有しているが、他のエミッタ構造を採用してもよい。例えば、負の電子親和力をもち、高い効率で電子を放出し得るダイヤモンド薄膜や、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)からエミッタを形成しても良い。電界放出特性向上を高めるため、ナノカーボン材料からエミッタを形成することも好ましい。他に、表面電導素子(Surface Conduction Electron Emitter)、高効率電子放出素子(High Efficiency Electro−Emission Device)、弾道型表面電子放出素子(Ballistic Electron Surface Emitter)、MIM(Metal−Insulator−Metal)素子、PFE(Printable Field Emitter)などを用いて発光部を形成してもよい。例えば弾道型表面電子放出素子を用いると、約10Paの比較的低真空でも動作可能である。
空洞内部で発生した光を効率よく上面に導くため、空洞壁部に光を反射する構造を設けても良い。この場合、横方向に漏れた光による隣接画素との混色を防止できる。
[製造方法]
本発明による電子デバイスの製造方法では、まず、二次元的に配列された複数の発光部の配置関係を保持する少なくとも1つの剛性基板を用意する工程を行なう。その後、剛性基板をフレキシブル基板に対向させ、複数の発光部をフレキシブル基板に対して固定する工程を行なう。次に、剛性基板において複数の発光部を連結している部分の少なくとも一部を除去することにより、フレキシブル基板の変形を可能にする工程を行なう。
ここで、二次元的に配列された複数の発光部の配置関係を保持する少なくとも1つの剛性基板は、主面上に発光部のアレイが形成された1枚の基板であっても良いし、また、対向する2枚の基板主面の間に発光部のアレイが挟まれた構造を有するものであってもよい。
なお、剛性基板の「剛性」は、フレキシブル基板に比べて相対的に高い剛性を有するものであれば、弾性体であってもよい。また、配置関係が剛性基板によって保持されている状態の発光部は、製造途中においては発光機能を発揮できなくてもよい。最終的に発光部として機能する構造体であれば、製造工程の途中において「発光部」と称することとする。
以下、図4Aから図4Jを参照しながら、本実施形態の製造方法を説明する。
まず、図4Aに示すように、シリコン基板(厚さ:例えば500〜1000μm)からなる第1の剛性基板40を用意し、第1の剛性基板40の上面のうち、エミッタを形成すべき領域に円盤状にパターニングされたシリコン酸化膜41を形成する。その後、図4Bに示すように、第1の剛性基板40上にMOS回路部42を形成する。MOS回路部42は、公知の半導体製造方法によって形成され得る。
この後、図4Cに示すように、第1犠牲層43および第2犠牲層44でゲート電極25を挟んだ積層構造体を第1の剛性基板40上に形成する。第1および第2犠牲層43、44、いずれも、ポリシリコン膜から形成され、ゲート電極25はアルミニウム薄膜をパターニングすることによって形成される。パターニングされたアルミニウム薄膜を第2犠牲層44として機能するポリシリコン膜で覆った後、これらの積層構造体を個々の発光部11を規定するようにパターニングする。パターニングされた積層構造体の形状は、マイクロ真空パッケージの空洞内部の形状を規定する。
次に、不図示の蛍光体および透明電極を第2犠牲層44の上面に堆積した後、図4Dに示すように、これらを覆う空洞壁部220を形成する。空洞壁部220の上部には、例えば個々の直径が0.3μm程度の複数の開口部を形成する。
次に、図4Eに示すように、第2の剛性基板45を用意し、第1の剛性基板40の空洞壁部220が形成されている面に対向させ、空洞壁部220の上面を介して両基板40、45を貼り合わせる。第1の剛性基板40に第2の剛性基板45を貼り合わせる工程は、例えば常温接合などの方法によって行うことができる。常温接合とは、固体清浄表面が持つ活性を利用して行う接合である。第2の剛性基板45は、後の工程で空洞壁部220の上面から剥離される基板であり、例えばシリコン基板(厚さ:500μm〜1mm)などから形成され得る。この第2の剛性基板45の剥離を容易に行うためには、例えば、水素と反応して微粉化する性質を有する材料を予め界面に挿入しておけばよい。分離したい時に水素雰囲気処理を行うことにより、接合部の界面で微粉化を生じさせ、剥離を行うことができる。
次に、第1の剛性基板40を裏面からエッチングすることにより、第1の剛性基板40の厚さを例えば数100μm以下に薄くする。第1の剛性基板40としては、シリコン基板の代わりに、SOI(Silicon On Insulator)基板を用いてもよい。この場合、SOI基板の内部酸化層よりも下方に位置するシリコン部分を選択的にエッチングすると、SOI基板の内部酸化層がエッチストップとして機能するため、第1の剛性基板40の薄板化を再現性良く実行することができる。
この後、図4Fに示すように、フレキシブル基板10を用意し、薄くした第1の剛性基板40の裏面をフレキシブル基板10の表面に貼り付ける。この後、図4Gに示すように、第1の剛性基板40に貼り付けていた第2の剛性基板45を剥離する。
なお、バインダとして熱可塑性樹脂を含有する接着剤(例えば、米国CSPM社製の接着剤)を使用して第2の剛性基板45を第1の剛性基板40に貼り付けてもよい。この場合は、溶剤によって第2の剛性基板45を剥離することが可能である。一般のエポキシ系接着剤を用いると、ガスモイスチャが放出し、弾性係数が高いという性質によって他の部品に応力が発生しやすい。このため、リワーク(溶剤・加熱による剥離)が困難であるが、熱可塑性樹脂をバインダとして含有すれば、このような問題を生じさせず、第2の剛性基板45の剥離を容易に行うことが可能である。
空洞壁部220に形成した開口部を通して、犠牲層43、44のエッチングを行う。XeFなどのガスを用いることにより、図4Hに示すように犠牲層43、44および第1の剛性基板40の一部を除去することができる。
図4Aに示したように、エミッタを形成する位置の第1の剛性基板40表面に円盤状のシリコン酸化膜41が形成されており、このシリコン酸化膜41がマスクとして機能する。このため、シリコン酸化膜41の周辺部から第1の剛性基板40の表面がエッチングされる。このエッチング量を適当に調節することにより、コーン形状のエミッタを第1の剛性基板40の表面に形成することができる。
シリコン酸化膜41をエッチングによって除去した後、図4Iに示すように、空洞壁部220の上面に薄膜(封止膜部)を堆積することにより、空洞壁部220に設けていた開口部を塞ぐ。薄膜は、例えばスパッタ法によって堆積される。減圧雰囲気または真空中で薄膜の堆積を行うため、開口部の閉塞によって気密封止された空洞内部は減圧された状態にあり、その状態が維持される。上記開口部を塞ぐために堆積する薄膜は、空洞内部で生じる光を透過する材料から形成される。本実施形態では、シリコン酸化膜を用いて開口部の閉塞を実行している。
次に、図4Jに示すように、複数の発光部11を結合している剛性部分をエッチングすることにより、隣接する発光部11の間隔がフレキシブル基板10の変形に伴って自由に変化し得るようにする。具体的には、フレキシブル基板10に貼り付けられた第1の剛性基板40のうち、発光部11の間に位置する部分を除去する。このとき、第1の剛性基板40上に設けられたシリコン酸化膜なども除去される。こうして、個々の発光部11がお互いに分離され、フレキシブル基板10のみによって支持されることになる。フレキシブル基板10の柔軟な変形を確保するには、フレキシブル基板10の表面のうち発光部11が接触している領域以外の領域では、フレキシブルな材料からなる部分が可能な限り除去されることが好ましい。少なくとも、単結晶シリコンからなる基板は個々の発光部に対応する部分に完全に分割されることが好ましい。
本実施形態における製造方法では、半導体装置の製造方法あるいはMEMS技術などの微細加工技術により、多数(例えば100個以上)の発光部11を第1の剛性基板40として機能するシリコン基板上に形成することができる。発光部11の作製に必要な工程は、既存の半導体製造装置を用いて実行することができるため、微細な発光部11を歩留まり良く、シリコン基板上に形成することができる。また、本実施形態では、上記の方法で作製した複数の発光部11をフレキシブル基板10へ転写するため、フレキシブル基板10が大面積化しても、複数の剛性基板からの転写工程を同時または逐次的に実行することによって対応することができる。
マイクロ真空パッケージ内部の圧力を低減するために、空洞内部にゲッタ材料を配置してもよい。製造時または電子デバイスの使用時にゲッタ材料を活性化して、真空度を向上することが可能である。
従来、フレキシブル基板上に複数の素子を有する電子デバイスを製造する場合、フレキシブル基板上の所定の位置に素子を個別に固定する方法が用いられている。しかしながら、このような従来方法を表示装置の製造に適用しようとすると、各画素の大きさと画素間の距離が非常に小さいため、位置合わせが難しく、また、画素数が多いと、製造工程に長大な時間を要することになり、実現が困難である。
これに対して本実施形態の方法によれば、多数の発光部11が配列された剛性基板を別途用意し、その剛性基板をフレキシブル基板に張り合わせた後、個々の発光部を分離する。このため、発光部どうしの位置合わせが不要であり、また、一度に多数の発光部を配置できるため、製造が容易になる。
従来の方法によって複数の発光部をフレキシブル基板に固定する工程を行なうとき、複数の発光部の一部が破損する可能性がある。しかし、本実施形態の方法では、発光部のアレイが形成された基板からフレキシブル基板に発光部を移動させた後、個々の発光部の分離を行うため、個々の発光部が破損する可能性は極めて低い。
第1の剛性基板40として用いるシリコン基板の主面に発光部11のアレイを形成した後、シリコン基板を上下反転させ、シリコン基板の主面がフレキシブル基板10の上面に対向するように配置し、張り合わせを行うことも可能である。この場合、図4Eに示すような第2の剛性基板45を用いる必要がなくなる。しかし、シリコン基板の主面上には上下が反転した発光部11を形成する必要があるため、エミッタ電極などの構造を上下反転させた上でシリコン基板上に形成することになり、製造が難しくなる。
本実施形態の製造方法では、発光部11の気密封止後に発光部11の分離を行っているが、フレキシブル基板10上で発光部11を分離した後に、発光部11の気密封止を行ってもよい。このような方法によれば、マイクロ真空パッケージの形成後にパターニング工程を行なう必要がなくなるため、パターニング工程の際に発生する応力などによってマイクロ真空パッケージが破損することを防止できる。この場合、空洞壁部の開口部を閉塞するための膜の一部が、フレキシブル基板10の上面の一部にも堆積されるが、その厚さが充分に薄ければ問題はない。
エミッタ16の形成方法は、上記実施形態で用いた方法に限定されず、任意である。例えば、シリコン基板の表面酸化および酸化膜エッチングを組み合わせた方法を用いることも可能である。
本実施形態における電子デバイスは、フィールドエミッションディスプレイであり、上下左右方向に約160度以上の広視野角を有している。このため、フレキシブル基板が変形したときに任意の方向から見ても、画像を鮮明に表示することが可能である。さらに、各発光部は変形しない材料から形成されているので、フレキシブル基板が変形したときに発光部内の圧力変化や真空パッケージの破損が生じにくい。このため、フレキシブル基板が変形したときにも画像ひずみが発生せず、また耐久性も高い。
さらに、フィールドエミッションディスプレイの特性として、低消費電力であり、使用温度範囲が広く、画像表示がμ秒オーダーと高速である。消費電力については、原理的に発光部のみで電力消費が行なわれるために、例えばバックライト付きTFT−LCDなどの他のディスプレイに比べて低消費電力であるという特徴をもつ。また蛍光体の発光を用いた変形可能な照明装置として使用することも可能である。
本実施形態では、マイクロ真空パッケージの空洞壁部および封止膜をシリコン酸化膜から形成しているが、他の無機物から形成してもよい。マイクロ真空パッケージの材料としては、一般的に半導体チップなどの電子デバイスを水分から守るために使用されるSiNやSiOやSiONなどの材料が適している。これらの材料を使用した場合、外部から水分などが真空部分に浸入して真空度が劣化することを防止可能である。特にSiONは防水性と光透過性がともに高いためマイクロ真空パッケージの材料として非常に適している。
(実施形態2)
以下、本発明による電子デバイスの第2の実施形態を説明する。本実施形態の電子デバイスは、プラズマディスプレイである。
本実施形態の全体構成は、図1(a)に示す構成と同様である。このため、以下においては、図5を参照しながら、各発光部の構成を詳細に説明する。図5は、フレキシブル基板50に固定された3つの発光部の断面構成を示している。現実のプラズマディプレスでは、多数の発光部がフレキシブル基板50上に配列されている。
本実施形態における各発光部は、基板58と、基板58上に形成された空洞壁部56と、空洞壁部56に支持される封止膜部52を備えている。発光部の空洞内部には、画素毎に異なる蛍光体54R、54G、54Bが配置される。蛍光体54R、54G、54Bは紫外線が照射されたときに発光する機能をもち、例えば赤色蛍光体は(Y、Gd)BO3:EuやY23:Eu、緑色蛍光体はBaAl1219:MnやZn2SiO4:Mn、青色蛍光体はBaMgAl1423:Euなどの材料で形成される。
空洞内部の上部には、透明電極53と、透明電極53を覆う保護膜59が配置されている。透明電極53は、例えばITO(インジウム−スズ酸化物)などの透明導電膜によって形成される。保護膜59は例えばMgO等の誘電体膜によって形成される。
空洞内部は放電のための混合ガス56が充填されている。混合ガス56は、例えばHeやNeを混合したXe等が使用され、プラズマ放電を低電圧で発生できる。
基板58は、例えばシリコン基板やガラス基板などで構成される。マイクロ真空パッケージの平面サイズは、50μm×50μmから1mm×1mmの範囲の大きさであり、高さは例えば数μm〜数100μmの範囲である。
マイクロ真空パッケージは、混合ガス56を封止するための内部空間を形成し、この空間内でプラズマ放電が行われる。混合ガスを含んだ内部空間の圧力は数Torr〜数10Torrである。マイクロ真空パッケージは空洞壁部56および封止膜部52によって規定され、これらは、例えばシリコン酸化膜などの透明な薄膜から形成されている。
なお、図5では図示されていないが、一般的なプラズマディスプレイと同様に、発光画素を選択するためのバス電極とアドレス電極が各画素に配置されており、各電極はフレキシブル配線を通じて接続されている。
次に、発光部が発光する動作について説明する。
まず、一対の透明電極53の間にAC電圧を印可すると、透明電極管の内部空間内にプラズマ放電が生じる。発生したプラズマからは紫外線が発生し、この紫外線によって蛍光体54R、54G、54Bが励起し、発光する。こにより、各発光部は決められた色の光を発生する。
本実施形態では、分離された発光部がフレキシブル基板分50上に二次元的に配置されているため、フレキシブル基板50が変形しても、発光部内の気密性が保持される。
本実施形態では、実施形態1と同様に、各発光部(画素)は自発光型の構造を有しており、広い視野角をもつ。そのため、変形時に任意の方向から見た場合にも鮮明な画像を表示可能であるという特徴を有している。
本実施形態のマイクロ真空パッケージの封止工程は、Xeなどを含む混合ガス雰囲気中で薄膜堆積することによって実現できる。本発明の電子デバイスをプラズマディスプレイに応用する場合、発光用に放電プラズマを形成するため、発光部の空洞内の圧力は数Torr〜数10Torrであり、比較的低い真空度でもよい。このため、実施形態1のフィールドエミッションディスプレイに応用する場合に比べ、真空封止の工程を容易に実行することができる。なお、本実施形態では、マイクロ真空パッケージ内部のガスが混合ガスであるが、マイクロ真空パッケージ内部のガスは、Xeなどの単体ガスでもよい。
本実施形態のプラズマディスプレイでは、AC動作を行っているが、本発明は、DC動作を行うタイプのプラズマディスプレイにも適用可能である。この場合は、蛍光体と基板の間にDC用電極を設け、透明電極とDC用電極との間でプラズマ放電を行う。
本実施形態の電子デバイスは、基本的に実施形態1における製造方法と同様の製造方法によって製造され得る。例えば、シリコン基板上に蛍光体と犠牲層と保護膜と透明電極と空洞壁部を形成した後、シリコン基板上部を他の基板に張り合わせた状態でシリコン基板の裏面をエッチングする。次に、シリコン基板の裏面とフレキシブル基板を張り合わせて上部の別の基板を除去した後、犠牲層をエッチングすることによって空洞壁部の内部に空間を形成する。その後、空洞壁部の上部に封止膜部をスパッタなどの方法で製膜することにより、内部空間を封止し、画素間のシリコン基板をエッチングする。この際、封止膜部をスパッタするときの雰囲気ガスはXe混合ガスを用いる。
(実施形態3)
以下、本発明による電子デバイスの第3の実施形態を説明する。本実施形態の電子デバイスは、白熱電球がアレイ状に配置された照明装置である。
まず、図6を参照する。本実施形態の電子デバイスは、フレキシブル基板72と、フレキシブル配線部73と、フレキシブル基板72の表面上にアレイ状に配置された白熱電球部72とを備えている。白熱電球部72は、マイクロ真空パッケージ711と、フィラメント部712と、シリコン基板713とから構成されている。
図6は、1個の白熱電球部71を記載しているが、実際の電子デバイスでは、複数の白熱電球部がフレキシブル基板上に配列されている。
マイクロ真空パッケージ711は、例えばシリコン酸化膜などの透明な材料で形成されており、内部空間は真空に保持されているかアルゴンやクリプトンなどの希ガスなどのガスが封止されている。フィラメント部712は、タングステンなどの金属などで形成される。フィラメント部712に電流を流すと、ジュール熱が発生し、2000〜3000℃の高温になるため、白色光を発する。タングステンは高温に強く、フィラメント材料として適している。
本実施形態におけるマイクロ真空パッケージは、実施形態1におけるマイクロ真空パッケージと同様に、まず、犠牲層エッチの技術を用いて空洞部を形成して、薄膜を堆積することによって空洞部を封止することによって形成可能である。マイクロ真空パッケージ内部に希ガスなどのガスを封止する場合、例えば希ガス雰囲気中で薄膜堆積を行なうことでガスの封止が可能である。
本実施形態の電子デバイスは、白熱電球をアレイ状にフレキシブル基板上に配置しているので、変形可能な照明装置として利用できる。この照明装置は携帯性が高く、任意曲面上に配置して使用できるという特徴をもつ。
本実施形態の発光部は、白熱電球として機能するが、蛍光ランプ、HIDランプ(High Intensity Discharge Lamp)などの気密部分を有する他の発光部であってもよい。
本実施形態では、画像を形成する必要が無いため、発光部の配置形態は、行および列からなるマトリクスアレイ状である必要は無い。発光部は、任意位置に配置することが可能である。
フレキシブルディスプレイ装置またはフレキシブル照明装置と他の素子を組み合わせて配置した構造も形成可能であり、例えば従来方法のフレキシブルディスプレイ装置と赤外線センサを組み合わせた構造も形成可能であり、この構造により人が近づいたときにそれに反応して点灯する変形可能なディスプレイ装置などの装置も形成可能である。
上記の各実施形態では、フレキシブルディスプレイ装置またはフレキシブル照明装置を実現する例について示したが、例えば互いに分離されたLED素子などの無機物からなる発光部をフレキシブル基板上に多数配置することによってフレキシブルディスプレイ装置またはフレキシブル照明装置を形成することも可能である。一般的に無機物は高強度という特徴をもつので、上記の構造においては、従来方法とは異なり、これらのフレキシブルディスプレイ装置またはフレキシブル照明装置を変形しても、各画素の変形量は小さく発光部に大きな応力が加わることがないので、破損する可能性が少ない。また発光部が変形することによる輝度変化やそれによる画像ひずみの発生を防止することができる。さらに、無機物は一般的に水分や酸素と反応して劣化することが少ないので、上記の構造の場合には、従来の有機EL素子によるフレキシブルディスプレイ装置などと比較して信頼性を向上できる。無機物からなる発光部としては、例えばGaNやSiなどの半導体からなるLEDなどが考えられる。またこれらの発光部を、無機物の保護膜で被覆してさらに信頼性を向上することも可能である。保護膜としては、一般的に半導体チップなどの電子デバイスを水分から守るために使用されるSiNやSiOやSiONなどの材料が適している。特にSiONは防水性と光透過性がともに高いため特に適している。
また、無機物で周囲を封止された有機物からなる発光部によって本発明のフレキシブルディスプレイ装置またはフレキシブル照明装置を形成することも可能である。無機物は水分や酸素を透過しにくい性質をもつために、上記構造の場合、従来の有機EL素子によるフレキシブルディスプレイ装置などと比較して信頼性を向上できる。無機物で周囲を封止された構造をもつ有機物からなる発光部の構造としては、例えばガラスなどからなる封止板で有機EL素子を封止した構造が考えられる。この構造によって水分や酸素の透過を防いで有機EL素子の信頼性を向上して長寿命化することが可能である。また、封止前に素子を加熱して内部の水分などを除去して、素子内部から発生する水分を少なくすることにより信頼性をさらに増すことができる。発光部を封止するための無機物としては一般的に半導体チップなどの電子デバイスを水分から守るために使用されるSiNやSiOやSiONなどの材料が適している。特にSiONは防水性と光透過性がともに高いため特に適している。また、一般的に無機物は高強度という特徴をもつので、上記の構造においては、従来方法とは異なり、これらのフレキシブルディスプレイ装置またはフレキシブル照明装置を変形しても、各画素の変形量は小さく発光部に大きな応力が加わることがないので、破損する可能性が少ない。また発光部が変形することによる輝度変化やそれによる画像ひずみの発生を防止することができる。
上記実施形態では、フレキシブル基板としてPETなどのプラスチックフィルムを用いているが、フレキシブル基板は、これに限定されない。プラスチックフィルムと無機薄膜を組み合わせたものでもよい。例えば、プラスチックフィルム上に互いに分離された発光部分を形成した後、これらを保護するために、シリコン窒化物(SiN)などに絶縁膜を堆積してもよい。
気密封止のために、スパッタ法によって製膜を堆積しているが、他の方法で気密封止を行っても良い。例えば、空洞構造が形成された基板を他の基板に対して陽極接合や常温接合等の方法で接合することによっても気密封止を行うことができる。この場合、接合した空洞構造をフレキシブル基板上に固定した後、各発光部を互いに分離することになる。
常温接合とは、固体清浄表面が持つ活性を利用することで接合を達成させるものである。製膜によって封止を行う場合、気密封止構造の高さを小さくすることができる。このため、発光面側を凹形状に変形した時にも画素間が接触しにくいので、より自由に変形可能なフレキシブルディスプレイ装置またはフレキシブル照明装置を形成することが出来る。
2枚の基板を張り合わせることによって封止を行う場合、各発光部を同時に封止するためには、基板表面を平坦化することによって封止部分の高さを均一化する必要がある。これに対し、製膜によって封止を行う場合は、封止部分の高さにバラツキがあってもよい。
全ての発光部を互いに分離することは必ずしも必要ない。複数の発光部が分離されず、1組の発光部から単位構造を形成し、各単位構造が相互に分離される構成を採用することも可能である。例えば、3×3個の発光部が相互に連結し、小さな単位構造を形成する場合、単位構造間が互いに分離されていれば、フレキシブル基板の変形に対応可能である。
本発明による電子デバイスの製造方法は、表示装置や照明装置として好適に機能する電子デバイスを安価に歩留まり良く製造することに用いられ得る。
本発明の電子デバイスでは、フレキシブル基板の変形時に空洞内部の圧力変化が抑制されるため、輝度変化、輝度ムラの発生が抑制され、また耐久性も向上する。
本発明の第1の実施形態の構成例を示す図である。 本発明の第1の実施形態の発光部の構成例を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態の発光部の回路図である。 本発明の第1の実施形態の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の第1の実施形態の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の第1の実施形態の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の第1の実施形態の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の第1の実施形態の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の第1の実施形態の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の第1の実施形態の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の第1の実施形態の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の第1の実施形態の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の第1の実施形態の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の第2の実施形態の構成を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態の構成を示す断面図である。
符号の説明
10 フレキシブル基板
11 発光部
12 マイクロ真空パッケージ
13 透明電極
14 蛍光体
15 ゲート電極
16 エミッタ
17 カソード電極
18 Si基板
19 フレキシブル配線部
22 封止膜部
23 透明電極
24 蛍光体
28 シリコン
36 内部空間(真空部分)
40 第1の剛性基板
45 第2の剛性基板
220 空洞壁部

Claims (21)

  1. 二次元的に配列された複数の発光部の配置関係を保持する少なくとも1つの剛性基板を用意する工程Aと、
    前記剛性基板を前記フレキシブル基板に対向させ、前記複数の発光部を前記フレキシブル基板に対して固定する工程Bと、
    前記剛性基板において前記複数の発光部を連結している部分の少なくとも一部を除去することにより、前記フレキシブル基板の変形を可能にする工程Cと、
    を包含する電子デバイスの製造方法。
  2. 前記工程Aは、前記複数の発光部として複数の封止パッケージを前記基板上に形成する工程を含む、請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
  3. 前記工程Aは、
    前記複数の発光部を第1の剛性基板上に形成する工程a1と、
    前記複数の発光部の上面を覆うように第2の剛性基板を第1の剛性基板に対して固定する工程a2と、
    を含む、請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
  4. 前記工程Aは、前記工程a2を実行した後、前記第1の剛性基板の裏面側をエッチングすることにより、前記第1の剛性基板を薄くする工程を含む、請求項3に記載の電子デバイスの製造方法。
  5. 前記工程Bは、前記第1の剛性基板を前記フレキシブル基板に固着させる工程を含む、請求項3または4に記載の電子デバイスの製造方法。
  6. 前記工程Cは、前記第2の剛性基板を除去する工程を含む請求項5に記載の電子デバイスの製造方法。
  7. 前記工程Cは、前記フレキシブル基板に固着された前記第1の剛性基板の一部をエッチングすることにより、前記第1の剛性基板を前記フレキシブル基板に貼り付けられた複数の部分に分離する工程を含む、請求項5に記載の電子デバイスの製造方法。
  8. 前記封止パッケージの内部を減圧する工程を含む、請求項2に記載の電子デバイスの製造方法。
  9. 前記工程Aは、前記封止パッケージの内部に放電電極を形成する工程を含む、請求項8に記載の電子デバイスの製造方法。
  10. 前記工程Aは、前記封止パッケージの内部に電子放出素子を形成する工程を含む、請求項8に記載の電子デバイスの製造方法。
  11. 前記工程Aは、前記複数の発光部を行および列からなるマトリックス状に前記基板上に形成する工程を含む、請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
  12. 前記工程Aは、薄膜堆積技術およびエッチング技術により、前記複数の発光部を前記基板上に形成する工程を含む、請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
  13. 前記複数の発光部を駆動する配線を前記フレキシブル基板上に形成する工程を更に含む、請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
  14. 前記工程Bは、前記工程Aで用意した複数の前記剛性基板を、前記フレキシブル基板の表面における異なる領域に同時または順次対向させる工程を含む、請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
  15. 前記複数の発光部の個数は100個以上である、請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
  16. フレキシブル基板と、
    前記フレキシブル基板上に二次元的に配列された複数の発光部と、
    を備え、
    前記複数の発光部の各々が気密封止された空洞を有し、かつ、前記フレキシブル基板の変形が可能になるように隣接する発光部の間に空隙が設けられている電子デバイス。
  17. 前記複数の発光部の各々は、前記空洞内に電子放出素子を有している請求項16に記載の電子デバイス。
  18. 前記複数の発光部の各々は、前記空洞内に放電電極を有している請求項16に記載の電子デバイス。
  19. 前記複数の発光部は、画像を表示する請求項16に記載の電子デバイス。
  20. 前記複数の発光部は、照明光を放射する請求項16に記載の電子デバイス。
  21. 前記複数の発光部の各々は、前記空洞を形成する封止パッケージ構造を有しており、前記封止パッケージ構造の少なくとも一部は、前記光を透過する無機物から形成されている請求項11に記載の電子デバイス。
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