JP2006336783A - 車両のクラッチアシスト機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】
クラッチペダル踏力及びクラッチの作動状態に応じて最適にアシストすることのできるクラッチアシスト機構を提供する。
【解決手段】
クラッチアシスト機構において、クラッチペダル踏力を検出する踏力検出手段と、クラッチペダル踏力に応じた作動力によりクラッチを作動するクラッチ作動手段と、クラッチの作動状態を検出する作動状態検出手段と、クラッチの作動状態に対応する目標クラッチペダル踏力を予め設定する目標クラッチペダル踏力設定手段と、クラッチの作動状態に対応する目標ペダル踏力となるように、クラッチ作動手段の作動を制御するクラッチ制御手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、手動変速機のクラッチをアシストする車両のクラッチアシスト機構に関する。
エンジンの駆動トルクをクラッチを介して手動変速機に伝達するマニュアルクラッチは、運転者によるクラッチペダル踏力に応じたクラッチアクチュエータへの作動力によりクラッチを作動させるものである。運転者のクラッチペダル踏力のみによるクラッチアクチュエータへの作動力だけでは、エンジンの大型化に伴うクラッチも大型化する。そのため、クラッチペダル踏力のみでクラッチを作動させるには大きな踏力を必要とし、運転者の負担が大きくなる。また、運転者の疲労感が増大する。そのため、クラッチペダル踏力をアシストする機構が望まれる。クラッチペダル踏力をアシストする機構としての先行技術としては、特許文献1〜3がある。
特許文献1には、クラッチペダルに入力が加えられたときは、電動モータを作動して、クラッチペダルにより回転する枢軸をクラッチペダルの踏み込み回転方向へ駆動することによりクラッチペダルによる回転力をアシストすることが記載されている。
特許文献2には、車両速度等の車両のその時の状況に応じてアシスト力を発生させて、クラッチ操作の違和感を無くすことが記載されている。
また、特許文献3には、クラッチレリーズレバーに直結するハイドロリックピストンとパワーピストンを並列に配置し、ハイドロリックピストンをクラッチペダル踏力による作動力により押圧してクラッチレリーズレバーを駆動するとともに、ハイドロリックピストンにクラッチクランプ力による負荷により駆動圧源から圧力供給装置を通して駆動圧をパワーピストンに供給してクラッチレリーズレバーを駆動することにより、アシストすることが記載されている。
特開2000−66754号公報 特開2005−28902号公報 特開2003−49868号公報
しかしながら、特許文献1では、電動モータによるクラッチペダルの踏力に対してアシストしているが、クラッチペダル踏力がクラッチの作動状態に応じた目標クラッチペダル踏力(以下、目標踏力)となるようにアシストできないことから、最適にアシストすることはできない。
特許文献2では、車両速度等の車両のその時の状況に応じてアシスト力を発生させるものであり、クラッチペダル踏力がクラッチの作動状態(後述するクラッチの各ストロークにおけるリリーズ荷重)に応じた目標踏力となるようにアシストできないことから、最適にアシストすることはできない。
特許文献3では、ハイドロリックピストンにクラッチクランプ力による負荷により駆動圧源から圧力供給装置を通して駆動圧をパワーピストンに供給してクラッチレリーズレバーを駆動することにより、アシストするものであり、クラッチペダル踏力がクラッチの作動状態に応じた目標踏力となるようにアシストできないことから、最適にアシストすることはできない。また、特許文献3では、クラッチレリーズレバーに直結するハイドロリックピストンとパワーピストンを並列に配置していることから、クラッチアシスト機構が複雑になるという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、クラッチの作動状態に応じて最適にアシストすることのできる車両のクラッチアシスト機構を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明によると、エンジンと、前記エンジンの駆動力の伝達を制御するクラッチと、前記クラッチを介して前記エンジンの駆動力が伝達される手動変速機とを有する車両のクラッチアシスト機構であって、クラッチペダル踏力を検出する踏力検出手段と、前記クラッチペダル踏力に応じた作動力により前記クラッチを作動するクラッチ作動手段と、前記クラッチの作動状態を検出する作動状態検出手段と、前記クラッチの作動状態に対応する目標クラッチペダル踏力を予め設定する目標クラッチペダル踏力設定手段と、前記クラッチペダル踏力が前記クラッチの作動状態に対応する目標クラッチペダル踏力に等しくなるように、前記クラッチ作動手段の作動を制御するクラッチ制御手段とを備えたことを特徴とするクラッチアシスト機構が提供される。
請求項1記載の車両のクラッチアシスト機構によれば、クラッチの作動状態を検出し、クラッチペダル踏力がクラッチの作動状態に対応する目標踏力に等しくなるようにクラッチ作動手段の作動を制御する。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、前記クラッチ作動手段に作動力を与える電動アクチュエータを具備し、前記クラッチ制御手段は、前記クラッチペダル踏力に応じた作動力と前記電動アクチュエータによる作動力との合力により前記クラッチ作動手段を制御するクラッチアシスト機構が提供される。
請求項2記載の車両のクラッチアシスト機構によれば、クラッチペダル踏力に応じた作動力と電動アクチュエータによる作動力との合力によりクラッチ作動手段を制御することにより電動アクチュエータによりアシストする。
請求項1記載の車両のクラッチアシスト機構によれば、クラッチペダル踏力がクラッチの作動状態に応じた目標踏力になるように、クラッチ作動手段の作動を制御するので、最適にクラッチ操作のアシストを行うことができる。
請求項2記載の車両のクラッチアシスト機構によれば、クラッチペダル踏力による作動力と電動アクチュエータの作動力とによりクラッチ作動手段を作動制御するので、クラッチアシスト機構の容易に実現できるとともに精度良くアシスト制御をすることができる。
図1は本発明の実施形態による車両の概略構成を示す図である。図1に示すように、車両は、エンジン2と、クラッチ4と、クラッチアクチュエータ6と、シフト操作レバー8と、手動変速機(以下、変速機と略す)10と、プロペラシャフト11と、クラッチペダル部12と、マスタピストン・シリンダ機構14と、配管16と、油圧センサ18と、フィルタ19と、ストロークセンサ20と、クラッチアシスト装置22と、バルブ24と、リザーバタンク26を主に有する。
エンジン2は、例えば、4サイクルDOHC型の火花点火式ガソリン内燃機関であり、そのクランク軸はクラッチ4を通して変速機10に接続される。クラッチ4は、機械式摩擦クラッチ(乾燥単板式クラッチ)である。
クラッチ4は、図9に示すように、エンジン2のクランク軸に連結されたフライホイール4aと、クラッチカバー4bと、プレッシャプレート4cと、クラッチディスク4dと、スプリング4eと、レリーズフォーク4fと、レリーズベアリング4gを有する。プレッシャプレート4cは、スプリング4eによるスプリング力によってクラッチディスク4dをフライホイール4aに圧着し、その摩擦力でエンジン2の出力トルクを変速機10に伝達(クラッチ4を締結)する。
また、クラッチアクチュエータ6によりレリーズフォーク4fが押圧されると、レリーズフォーク4fが時計回りに揺動する。この揺動によりレリーズベアリング4gが図9中左に移動され、スプリング4eを左に押してそのバネ力を弱めることにより、プレッシャプレート4cをクラッチディスク4dから離間させて、エンジン2の出力トルクの変速機10への伝達を遮断(クラッチ4を開放)する。レリーズフォーク4fには、油圧式のクラッチアクチュエータ6が接続される。
クラッチアクチュエータ6はクラッチ4を作動するクラッチ作動手段であり、図9に示すように、スレーブシリンダ6aと、油圧ピストン6bを有する。スレーブシリンダ6aはポートが配管16dに接続されている。油圧ピストン6bはスレーブシリンダ6a内に挿入されている。
スレーブシリンダ6aに配管16dから油圧が供給され、油圧ピストン6bを油圧に比例したストロークで軸方向(図8中右方向)に移動し、ピストン6bがレリーズフォーク4fを押圧し、レリーズフォーク4fが時計回りに揺動する。この揺動により、レリーズベアリング4gが左に移動され、ダイヤフラムスプリング4eのバネ力を弱める。
シフト操作レバー8は変速機10に接続されて、変速機10の変速段の変速を行うためのレバーである。変速機10は、常時噛合式シンクロメッシュ機構付き変速機からなり、その内部にはメインシャフトとカウンタシャフトの間に複数個のギアが配置され、シフトフォークを介していずれかのギアが噛合することにより、前進6段(6速)、後進1段(1速)の任意の変速が確立する。そして、エンジン2よりクラッチ4を介してメインシャフトに伝達された入力トルクに基づいて、カウンタシャフト及びプロペラシャフト11を通して図示しない車輪を駆動する。
クラッチペダル部12は、車両の運転席床面に配置される。図2に示すように、クラッチペダル部12は、クラッチペダル50と、スタートストッパ52aと、ストップストッパ52b、スプリング54と、プッシュロッド56を有する。クラッチペダル50にはスプリング54が接続される。スタートストッパ52aはスプリング54側に配設され、エンドストッパ52bはスプリング54と反対側に配設されている。
スタートストッパ52aはクラッチペダル50が踏み込まれていないときにクラッチペダル50を停止させる車両に固定されたストッパである。エンドストッパ54bはクラッチペダル50が目一杯踏み込まれたとき、クラッチペダル50を停止させるための車両に固定されたストッパである。
スプリング54は、クラッチペダル50が踏み込まれているとき、クラッチペダル50をスタートストッパ52aの方向に引っ張り、クラッチペダル50が踏み込まれていないとき、バネ力によりクラッチペダル50をスタートストッパ52aで停止させる。プッシュロッド56は、マスタピストン・シリンダ機構14に連結され、クラッチペダル50の踏み込み量(ペダルストローク)に応じて、マスタピストン・シリンダ機構14のピストン14bに図2中右方向の押力を与える。
このとき、クラッチペダル50には、スプリング54による引っ張り力、並び後述するバルブ24に設けられたスプリング216によるバネ力及びクラッチ4のスプリング4eのバネ力によるrls荷重から後述するアシスト力を引いた力(以下、これらの力をクラッチペダル踏力と呼ぶ)が与えられる。運転者は、クラッチペダル踏力をクラッチペダル50を踏み込む足に感じる。
マスタピストン・シリンダ機構14は、図2に示すように、マスタシリンダ14aと、ピストン14bを有する。ピストン14bは、プッシュロッド56に連結され、クラッチペダル50のペダルストロークに応じた力が右方向に掛けられ、マスタシリンダ14a内に供給された作動油を押圧する。マスタシリンダ14aには作動油20が供給され、ポート14cは、配管16aに接続されている。配管16aには,作動油が供給されている。配管16aは途中で配管16b,16cに分岐する。配管16bは油圧センサ18に接続されている。配管16cはバルブ24に接続されている。配管16b,16cには、作動油が供給されている。
油圧センサ18は、配管16bに接続され、配管16b内の作動油の油圧に応じた信号を出力する。フィルタ19は、油圧センサ18の出力信号に含まれる高周波ノイズを除去し、ペダル踏力油圧Pfootを出力する。ストロークセンサ20は、クラッチ4の作動状態(例えば、クラッチ4のリリーズベアリング4gのストローク位置)を検出する作動状態検出手段であり、例えば、クラッチアクチュエータ6の付近に配設され、クラッチアクチュエータ6の油圧ピストン6bのストローク位置を示すrls_posを出力する。ストローク位置rls_Posはクラッチアクチュエータ6のストローク進行方向を正とする。
クラッチアシスト装置22は、図3に示すように、ペダル踏力検出手段100と、クラッチ制御モード決定手段102と、目標踏力算出手段104と、アシスト力算出手段106と、アシスト力発生手段108と、動力変換手段110を有する。ペダル踏力検出手段100はクラッチペダル踏力Foot_Forceを検出する手段であり、フィルタ19により出力されるペダル踏力油圧Pfootにピストン14bの受圧面積Aを掛け(A*Pfoot)、クラッチペダル踏力Foot_Forceを算出する。
クラッチ制御モード決定手段102は、クラッチペダル油圧Pfootと、ストローク位置rls_Posと、クラッチペダル踏力Foot_Forceから、クラッチ完全締結制御モード、クラッチ開放制御モード、クラッチ完全開放制御モード及びクラッチ締結制御モードのいずれのモードであるかを決定する。
図4はrlsストロークとクラッチトルクの関係を示す図である。クラッチトルクTq1はクラッチペダル50を踏み込む場合を示し、クラッチトルクTq2はクラッチペダル50を戻す場合を示している。rlsストロークとは、リリーズペアリング4gのクラッチ4の完全締結位置からの移動量であり、クラッチアクチュエータ6のピストン6bのストロークと等価である。
(1) クラッチ完全締結制御モード
クラッチ4の切り始めのポイントをスタートポイントSTPとする。スタートポイントSTPは、運転者がクラッチペダル50を踏み込み、クラッチペダル50の遊び部分を通り越えて、ペダル踏力油圧Pfootが所定圧力Pinitに達したときのrlsストロークをいう。スタートポイントSTPが求まるまで、換言すれば、ペダル踏力油圧Pfootが所定圧力Pinit以下のとき、クラッチ4が完全に締結されたクラッチ完全締結制御モードと定義する。クラッチ完全締結制御モードでは、クラッチ4が完全に締結されており、クラッチトルクが最大である。スタートストロークstart_stではストロークセンサ20のセンサ値が最小となる。
(2) クラッチ完全開放制御モード
一般に、クラッチ完全締結のrlsストロークから所定量init_TPを加算したポイントが、図4に示すように、クラッチトルクが0になるクラッチ4のタッチポイントTP付近と考えられる。従って、タッチポイントTP付近はスタートポイントSTPから所定量init_TPを加算したrlsストロークのポイントをクラッチ開放の推定値として扱う。クラッチ4の完全開放の位置は、タッチポイントTPを通り越しストロークセンサ20の物理範囲の限界End_stの近傍となる。クラッチ4が完全に開放される条件は、例えば、次のように表される。
(ア)TP+α<今回計測したrlsストロークrls_pos<End_stであること、且つ(イ)rlsストローク時間変化率delta_Pos_rls(今回のPos_rls−前回のPos_rls)が略0であること、且つ(ウ)クラッチペダル踏力Foot_Forceが後述する目標踏力trg_Forceを上回る、ΔFt(delta_F=Foot_Force−trg_Force)>0であること、且つ(エ)クラッチペダル踏力油圧Pfoot>所定値δ1であること。尚、rlsストロークPos_rlsはSTPを原点(STPでのPos_rlsを0)として、ストローク位置rls_posを補正(Pos_rls=rls_pos−STP)したものである。
ここで、後述する目標踏力算出手段104により算出される目標踏力trg_Forceについて説明する。目標踏力trg_Forceは、各rlsストロークに対して、クラッチペダル踏力の目標とする踏力である。即ち、各rlsストロークにおいて、クラッチペダル踏力が目標踏力trg_Forceに一致するように、アシスト力によりアシストされる。
クラッチペダル踏力は、rlsストロークに対して、最大値までは単調増加し、一旦、最大値を乗り越えると、緩やかに下降後、再び少し上昇するのが望ましい。この最大値から下降する段差が大きいと「ペコン感」が増大するので、適度な大きさである必要がある。また、目標踏力trg_Forceを小さく設定し、アシスト力を大きくすることにより小さいクラッチラッチペダル踏力でクラッチ4を開放することができる。そこで、これらの観点より、各rlsストロークに対して、目標踏力trg_Forceを目標踏力設定テーブル120に設定する。
クラッチペダル部12のスプリング54のバネ力やクラッチ4のリリーズ特性に基づいて、目標踏力を設定することも可能である。例えば、クラッチペダル部12のスプリング54の引っ張り力が大きいときは、目標踏力を小さくして、アシスト力が大きくなるようにすることにより、スプリング54等の特性によらずに、クラッチペダル50を踏み込む力を同じにして、クラッチ4を開放することができる。
条件(ア)は上記の理由による。条件(イ)は完全開放付近ではクラッチペダル50の移動量が小さいことによる。条件(ウ)及び(エ)は、上記のように、クラッチ4を切る節度感より、クラッチペダル踏力Foot_Forceが目標踏力trg_Forceよりも大きいこと及びクラッチペダル踏力油圧Pfootが一定以上であることが必要であるからの要請である。
(3) クラッチ開放制御モード
運転者のクラッチペダル踏力Foot_Forceは、クラッチ4を切る節度感より、目標踏力trg_Forceを上回らないとクラッチアクチュエータ6がストロークしないようにアシスト力が設定される。クラッチペダル50を踏み込んでクラッチ4を開放する場合に、クラッチ完全締結からクラッチ完全開放に至るまでをクラッチ開放制御モードと定義する。クラッチ開放制御モードは、次の条件により定義される。(ア)rlsストロークPos_rls>STPであること、且つ(イ)delta_Pos_rls>0であること、且つ(ウ)ΔFt>0であることが条件である。
(4) クラッチ締結制御モード
クラッチ締結制御モードとは、クラッチ完全開放制御モードから運転者がクラッチペダル50を戻し、クラッチ完全締結制御モードに至るまでをいう。運転者が完全開放からクラッチペダル50を戻して、半クラッチに操作し始めると、マスタピストン・シリンダ機構14の圧力である踏力油圧Pfootが所定圧よりも下がる。と同時に、クラッチrls荷重が、アシスト力とクラッチペダル踏力の合力よりも上回り、締結方向に動き始める。その動いた距離が所定値以上、且つ、踏力油圧Pfootが所定圧以下、油圧変化率が所定値以下の場合にクラッチ締結制御モードとする。この検出は、1回行われると、rlsストロークの減少、踏力油圧の減少等が続く限り、締結制御モードを続ける。
クラッチ締結制御モードは、次の条件により定義される。(ア)rlsストロークPos_rlsが所定値(TP+α)以下であること、且つ(イ)delta_Pos_rlが所定値以下であること、且つ(ウ)ΔFt<0であること、且つ(エ)クラッチペダル踏力油圧Pfootが所定値δ1以下であること、且つ(オ)クラッチペダル踏力油圧変化量delta_Pfootが所定値δ2以下であることが条件である。
目標踏力算出手段104は、クラッチ開放制御モード、クラッチ完全開放制御モード及びクラッチ締結制御モードのいずれかのモードにおいて、次のようにして、ストローク位置rls_posにおいて、クラッチペダル50にかかる目標踏力trg_Forceを算出する。図5は図3中の目標踏力設定テーブル120を示す図である。
(1)目標踏力は、例えば、図5に示すように、上述した観点に基づいて、rlsストローク毎に予め目標踏力設定テーブル120に設定する。図5に示すrlsストロークの原点はSTPである。クラッチペダル50を踏み込んでクラッチ4を完全開放してからクラッチペダル50を戻し完全締結するまでの過程においてrls荷重にはヒステリシスがあることから、図5に示すように、ヒステリシス特性に応じて、H1に示す踏み込みの場合とH2に示す戻しの場合で別々に目標踏力を定義する。
(2)rlsストロークrls_pos及びクラッチペダル50の踏み込み又は戻しのいずれかを示すクラッチ締結制御モードCL_MODEに基づいて、目標踏力設定テーブル120から目標踏力特性H1,H2のいずれかを検索し、rlsストローク及びクラッチ締結制御モードCL_MODEに該当する目標踏力trg_Forceを算出する。
アシスト力算出手段106は、クラッチ開放制御モード、クラッチ完全開放制御モード及びクラッチ締結制御モードのいずかのモードにおいて、rlsストロークrls_pos、delta_F、クラッチ締結制御モードCL_MODEに応じて、アシスト力を算出する。図6は図3中のrls荷重設定テーブル122を示す図である。
(1)rls荷重設定テーブル122には、図6に示すように、STPを原点とした各rlsストロークについて、テストにより実測されたrls荷重が設定されている。H3はクラッチペダル50を踏み込む場合のものであり、H4はクラッチペダル50を戻す場合のものである。rls荷重設定テーブル122には、各ストロークにおけるスプリング216のバネ力をrls荷重に加算したものを設定しても良い。尚、以下では、スプリング216のバネ力がrls荷重に比べて小さいものとして、スプリング216のバネ力を無視して、アシスト力について説明する。
(2)rlsストロークPos_rls及びクラッチペダル50の踏み込み又は戻しのいずれかを示すクラッチ締結制御モードCL_MODEに基づいて、rls荷重設定テーブル122のH3,H4のいずれかを検索し、rlsストロークPos_rls及びクラッチ締結制御モードCL_MODEに対応するrls荷重rls_Forceを算出する。
(3)rls荷重rls_Forceと目標踏力trg_Forceの差分(rls_Force−trg_Force)をΔFt≦0の場合にアシストする力(基本アシスト力Mot_Force)として算出する。尚、目標踏力設定テーブル120、rls荷重設定テーブル122にはサンプリング(例えば、一定周期(10ms)毎にサンプリング)されたrlsストロークについて、目標踏力、rls荷重が設定されることから、Pos_rlsに合致するrlsストロークが定義されてない場合は、前後のrlsストロークにおける目標踏力及びrls荷重から補間して、該当のPos_rlsでの基本アシスト力Mot_Forceを算出する。
ここで、基本アシスト力に等しいアシスト力でアシストされた場合について説明する。rlsストロークs1以降のクラッチペダル踏力Foot_Forceが一定(F1)とする。rlsストロークstでのrls荷重をF2(st)、目標踏力をF3(st)、基本アシスト力をF4(st)(=(F2(st)−F3(st)))、合力をF5(st)=F1+F4(st)とする。但し、F1>F3(s1)とする。
s1で基本アシスト力F4(s1)でアシストされ、合力F5(s1)=F4(s1)+F1がクラッチ4に作用する。F5(s1)>F2(s1)であることから、rls荷重がF5(s1)に等しいストロークs2までクラッチ4がストロークする。F1>F3(s2)であれば、F5(s2)>F2(s2)となって、rls荷重がF5(s2)に等しいストロークs3までクラッチ4がストロークする。結局、クラッチペダル踏力F1が目標踏力に等しくなる位置までストロークする。
(4)ΔFtから、次のようにしてアシスト倍率係数Kを算出する。尚、基本電動アシスト力Mot_Forceにアシスト倍率係数Kを掛け合わせたものを電動アシスト力trg_Mot_Fとする。図7は図3中のアシスト倍率係数マップ124を示す図である。アシスト倍率係数マップ124には、ΔFtについて、アシスト倍率係数Kが定義されている。
目標踏力を上回る踏力ΔFt(>0)が発生した場合には、ΔFtに比例したアシスト倍率係数でアシスト力を発生させる。モータの出力トルクは回転数とトルクの関係で限界が存在する。その限界以上のアシスト力を発生させても期待するストローク速度を達成できない状況になる。又、ストローク速度が出ても、アシスト力が発生しない場合もある。従って、図7に示すように、アシスト倍率係数にモータの回転数とトルクの関係で決まる限界値αを設定する。
ΔFtが0以上で、比較的小さい場合には、アシスト倍率係数を急に立ち上げる。これは、ペダル踏力Foot_Forceが目標踏力trg_Forceを上回らないとクラッチ4がストロークしないので、ペダル踏力が目標踏力を上回る値が小さい、換言すれば、ΔFtが小さい領域では、アシスト力を大きくし、クラッチ4のスムーズなストロークを促す。
ΔFtが大きくなるに従って限界値αに向かい緩やかなアシスト倍率係数のアシスト力を与える。ΔFtが大きいときは、ペダル踏力foot_Forceが目標踏力trg_Forceよりも大きいので、クラッチアクチュエータ6が速くストロークする。従って、アシスト力も比較的小さくて良いことから、図7に示すように、アシスト倍率係数Kも緩やかに変動するように設定する。
また、ペダル踏力Foot_Forceが目標踏力trg_Forceを下回る場合は、ペダル踏力と目標踏力が釣り合うストロークで停止するようにアシスト力を設定する。即ち、その場合は、ΔFt≦0の領域では、大きなアシストの必要はないので、図7に示すように、アシスト倍率係数Kを1として、基本電動アシスト力のみの制御とする。従って、各rlsストロークおいて、ペダル踏力Foot_Forceが目標踏力trg_Forceに一致する場合(ΔFt=0)、アシスト力が基本電動アシスト力となり、目標踏力trg_Footに等しいペダル踏力Foot_Forceでクラッチ4を完全開放できる。
(5)アシスト倍率係数Kを基本電動アシスト力Mot_Forceに乗算し(K*Mot_Force)、目標アシスト力trg_Mot_Fを算出する。
アシスト力発生手段108は、目標アシスト力trg_Mot_Fに対応する目標アシストトルクtrg_Mot_trqを発生する。本実施形態では、目標アシストトルクtrg_Mot_trqをモータにより発生する。
アシスト力発生手段108は、図8に示すように、目標モータトルク算出手段150と、目標モータ電流算出手段152と、補正手段154と、電流制限手段156と、減算器158と、PI制御手段160と、DCモータ162と、シャント抵抗164と、実電流算出手段166を有する。
目標モータトルク算出手段150は、目標アシスト力trg_Mot_Fにクラッチアクチュエータ6の油圧ピストン6bを押すポイントの半径r_Arcを乗算し(trg_Mot_F*r_arc)、目標モータトルクtrg_Mot_trqを算出する。
目標モータ電流算出手段152は、目標モータトルクtrg_Mot_trqから、DCモータ162の出力トルクとコイル電流の関係を定義した電流−トルク変換マップ160を検索し、目標モータトルクtrg_Mot_trqに対応する目標モータ電流trg_Mot_iを算出する。
補正手段154は、DCモータ162のイナーシャ分、ダンパ分及びフリクション分を補正する手段であり、イナーシャ補償量算出手段154aと、ダンパ補償量算出手段154bと、フリクション補償量算出手段154cと、加算器154dを有する。
DCモータ162の出力トルクTmは、以下の運動方程式(1)によって実現される。
Tm=Kt*i−Im*d2θ/dt2−C*dθ/dt±Tf ・・・ (1)
但し、Ktはモータトルク定数、θはDCモータ162の回転角度、iはDCモータ162のコイル電流、Cはダンピング係数、ImはDCモータ162のイナーシャ、TfはDCモータ162自身が持つフリクショントルクである。iは実電流検出手段166の出力より得られる。C,Imは予めテスト実験で求められた定数である。Im*d2θ/dt2をイナーシャ分、C*dθ/dtをダンパ分、Tfをフリクション分と呼ぶ。
一般にDCモータ162の図示しないコイルに印加された電圧(モータ印加電圧)は、次式(2)の方程式に従う。
V=L*di/dt+Rm*i+ks*dθ/dt ・・・ (2)
但し、LはDCモータ162のインダクタンス、Vはモータ印加電圧、RmはDCモータ162の抵抗値、iはモータ電流、ksは誘導起電力定数、dθ/dtはモータ回転速度である。Vは電圧計、若しくはコイルに印加する電源電圧及びディーティにより推定する。Lが十分小さく無視できるものとすると、次式(3),(4),(5)が成り立つ。
V=Rm*i+ks*dθ/dt ・・・ (3)
i=(V−ks*dθ/dt)/Rm ・・・ (4)
dθ/dt=(V−i*Rm)/ks ・・・ (5)
従って、ダンパ補償量算出手段154bは、式(5)より角速度dθ/dtを算出し、モータ162の角速度dθ/dtにCを乗算し(C*(dθ/dt))、ダンパ成分Damp_trqを算出する。
イナーシャ補償量算出手段154aは、モータ162の角加速度d2θ/dt2を、一つ前に計算されたdt/dt(n−1)と今回計算されたdθ/dt(n)の差によって計算し、d2θ/dt2にImを乗算し(Im*d2θ/dt2)、イナーシャ分Inatia_trqを算出する。フリクション補償量算出手段154cは、予めテスト実験より求められたフリクション分Tfを読み出す。
イナーシャ補償量算出手段154aは、イナーシャトルクInatia_trqから、イナーシャトルク−電流マップを検索し、イナーシャトルクInatia_trqに対応するモータ電流Inatia_iを算出する。
ダンパ補償量算出手段154bは、ダンパトルクDamp_trqから、ダンパトルク−電流マップを検索し、ダンパトルクDamp_trqに対応するモータ電流Damp_iを算出する。フリクション補償量算出手段154cは、フリクショントルクTfに対応するモータ電流Tf_iを算出する。
加算器154dは、目標モータ電流trg_Mot_iにイナーシャ分Inatia_i、ダンパ分Damp_i及びフリクション分Tf_iを加算し(trq_Mot_i+Inatia_i+Damp_i+Tf_i)、目標電流trg_iを算出する。
電流制限手段156は、図8に示す電流制限マップ170を検索し、目標電流trg_iに対応する目標電流trg_iを算出する。これは、完全開放位置や半クラ位置で維持された場合に、過度の電流が流れることを防止するためである。例えば、交差点での停車中や運転状況によっては、完全開放状態で数分維持する状況が存在する。DCモータ162等はエンジンルームに設置されるケースが多いため、停車中のDCモータ162雰囲気温度上昇や開放位置の維持中にモータ162のコイル電流によってコイル温度が上昇しコイル抵抗値が増加し、必要なトルクを維持できなくなる状況が考えられる。このような状況を回避するため、電流制限を行い、デューティ出力のON/OFF制御と電流制限に両方の効果によってモータ162の過熱を防止する。
減算器158は、目標電流trg_iとフィルタ166より出力されるDCモータ166の実電流act_iとの差分電流(trg_i−act_i)を求める。PI制御手段160は、差分電流が0となるように、公知のPI制御によって、DCモータ162に印加するPWM信号のデューティ値を制御する。
DCモータ162は、印加されるPWM信号のハイ/ローレベルに応じて図示しないスイッチがON/OFFすることにより、コイルに電流が流れ、電流値に応じたモータトルクを発生する。
シャント抵抗164は、DCモータ162のコイルに流れる実電流を検出するための抵抗である。シャント抵抗164の代わりに、半導体電流計等の電流計でもよい。実電流検出手段166は、フィルタと、A/D変換部と実電流算出部を有する。フィルタはDCモータ162のコンミテータとブラシの不連続点で発生するリップルノイズを除去する。A/D変換部はフィルタの出力信号をディジタル信号にA/D変換する。実電流算出部はA/D変換された電圧から実電流act_iを求める。
図1中の動力変換手段110はDCモータ162の出力トルクを油圧に変換する手段であり、図9に示すように、第1のギア200と、第2のギア202と、ピストンロッド204を有する。第1のギア200及び第2のギア202は、DCモータ162の回転を減速するためのものである。第1のギア200はDCモータ162のシャフト162aに連結され、DCモータ162の回転が伝達される。
第2のギア202は、第1のギア200に連結され、第1のギア200の回転を低速に変換する。ピストンロッド204は第2のギア202のトルクを右方向の直線運動に変換する。動力変換手段110及びDCモータ162はクラッチアクチュエータ6を作動させる電動アクチュエータである。
図10は動力変換手段110及びバルブ24の構成例を示す図である。図10(a)に示すように、第1のギア200及び第2のギア202をウォーム及びフーム・ホイール、若しくは、ホイールギアで構成するとともに、第1のギア200のシャフトをDCモータ162のシャフト162aに連結する。
あるいは、図10(b)に示すように、第1のギア200及び第2のギア202をピニオンギアで構成するとともに、第1のギア200をDCモータ162のシャフト162aに連結する。ピニオンギアにより動力変換手段110を構成した場合は、クラッチアシスト装置22が故障し、アシスト力が0となったとき(システムフェール)、スプリング216のバネ力により図10(a)中左方向にピストンロッド204に力が加えられると、ピリオンギヤ200,202が回転して、ピストンロッド204がクラッチ完全締結された状態の位置に戻るので、クラッチペダル50単独でクラッチ操作を行うことができる。
ピストンロッド204は、第2のギア202の回転駆動力を右方向の直線運動に変換して油圧を発生するためのものであり、一方の先端部が第2のギア202に連結され、第2のギア202のトルクにより、右方向に押圧する。ピストンロッド204の他方の先端部がバルブ24に設けられた第1のピストン210に一体的に連結され、第2のギア202の回転により第1のピストン210を右方向に押圧する。
バルブ24は、図10(a)及び図10(b)に示すように、シリンダ210の一端が閉塞され、他端が開放されている。シリンダ210の開放端より第2のピストン214及び第1のピストン212が挿入されている。バルブ24はピストンロッド204と分離可能に連結されている。
ピストンロッド204をバルブ24から分離可能としたのは、クラッチアシスト装置22が故障し、ピストンロッド204がスプリング216のバネ力によってもとの位置に戻らなくなってロックしてしまった場合に、ピストンロッド204をバルブ24から取り外すことにより、クラッチペダル50のみによるクラッチ操作を可能とするためである。
第1のピストン212はピストンロッド204に分離可能に連結されている。第2のピストン214のシリンダ210の閉塞側はスプリング216の一端が固定され、第2のピストン214はスプリング216により付勢される。スプリング216の他端はシリンダ210の閉塞端に固定されている。
ポート218は、配管16cに接続されている。ポート218は、シリンダ210の内壁及び第2のピストン214の外壁により画成される第1の加圧室220に通じる。第1の加圧室220には作動油が供給されている。クラッチペダル50が踏まれると、配管16c内に油圧が発生し、ポート218より第1の加圧室220内に伝達され、第2のピストン214を押圧する。
第2のピストン212が押圧されると、シリンダ210の内壁及び閉塞端壁及び第2のピストン214で画成される第2の加圧室220内の作動油を押圧して油圧を発生させる。この油圧は、ポート224及び配管16dの作動油を通して、クラッチアクチュエータ6に伝達される。クラッチアクチュエータ6が油圧によりストロークし、レリーズフォーク4fを押圧する。
クラッチアクチュエータ6がストロークし、第1及び第2のピストン212,214が右方向にストロークする。第1のピストン212が移動すると、第1の加圧室220の体積が増加し、配管16cからポート218を通して、作動油が供給され、油圧ピストン14bが右方向に移動する。
一方、第1のピストン212はピストンロッド204からアシスト力により右方向に押される。アシスト力により第1のピストン212が押されると、上記と同様に、クラッチアクチュエータ6がストロークし、第1のピストン212が右方向に移動する。その結果、第1の加圧室220の体積が増大し、ポート218より作動油が供給され、油圧ピストン14bが右方向に移動する。即ち、クラッチペダル踏力が一定でも、アシスト力により、クラッチ4がストロークし、クラッチペダル50がストロークする。
また、第2のピストン214は、第1の加圧室220に伝達されたクラッチペダル50の踏力及びアシスト力により押されることから、その合力がクラッチアクチュエータ6に伝達される。一方、クラッチ4が完全締結状態となりバルブ24の内の油圧が0になっても、ピストン212,214はスプリング216によって常に左側へ寄せられるようになっている。
第1の加圧室220の左側のシリンダ210の側壁は、開放端側の方が狭くなった段付き形状である。狭くなった段部にはシールリング212aが装着されている。シールリング212aは、第1の加圧室220の作動油(油圧)の洩れを防止するOリング等である。開放端の近くにポート226が配設されている。
ポート226はリザーバタンク26に接続される。ポート226には作動油の洩れを防止するためのOリング226aが装着されている。シールリング212aを洩れた作動油がポート226を通してリザーバタンク26に回収される。また、ポート226から第1の加圧室220に作動油が減少した分を補うために供給される。
シールリング212aの更に開放端側の第1のピストン212には、Dリング等のシール部212bが装着され、洩れた作動油が、動力変換手段110にかからない構造となっている。
第1の加圧室220の右側は、通常のマスタシリンダ構造であり、シールリング214a、更に右側にシール部材214bが装着されている。シールリング214a及びシール部材214bは、第1の加圧室220からの油圧の洩れを防止する。第2のシリンダ214の第2の加圧室222の左境界に対向する部分には、シール部214cが装着されている。シール部214cは第2の加圧室222の油圧の洩れを防止する。
ポート228はリザーバタンク26に接続される。ポート228には作動油の洩れを防止するためのOリング228bが装着されている。シール部材214cを洩れた作動油がポート228を通してリザーバタンク26に回収される。また、ポート228から第2の加圧室222に作動油が減少分を補うために供給される。
閉塞端近くに配設されたポート224は配管16dを通してクラッチアクチュエータ6に接続されている。ポート224には、シール部224a及び抜け止め224bが形成されている。シール部224a及び抜け止め224bは第2の加圧室222の油圧の洩れを防止する。
クラッチ4はクラッチディスク4dをフライホイール4aに圧着し、その摩擦力でエンジン2の出力軸と自動変速機10の入力軸を接続するものであることから、クラッチディスク4dの表面が磨耗する。この結果、スプリング4eのレリーズベアリング4g側先端が図9中右にずれ、スプリング4eのバネ力が大きくなる。バネ力が大きくなった分、クラッチ4のrls荷重が増加する。そこで、スプリング4eの先端部のずれ分に相当するシリンダ6bの体積分の作動油をリザーバタンク26よりポート226,228より供給する。作動油の供給はクラッチ完全締結されているときに行う。
図11は本発明の実施形態によるクラッチアシスト方法を示す処理の流れを示す図である。図12〜図17はフローチャートである。図12はメインフローチャートであり、一定周期、例えば、10msec毎に実行される。
(1) クラッチ締結開放する場合
クラッチ締結開放する場合は、運転者がスタートストッパ52aに位置にあるクラッチペダル50を踏み込んでいく。この場合、まず、次のようにして、クラッチ完全締結制御モード、クラッチ締結開放制御モード、クラッチ完全開放制御モード及びクラッチ締結制御モードのいずれであるか判断される。図12中のステップS2でフィルタ19によりフィルタ処理されたペダル踏力油圧Pfoot及びストロー-クセンサ20より検出されたrlsストロークrls_posを読み込む。
ステップS4でクラッチペダル踏力Pfoot≧所定圧力Pinitであるか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップS6に進む。否定判定ならば、ステップS70に進む。ステップS70でクラッチ完全締結制御モードであることからCL_MODEに0を代入する。クラッチペダル50を踏み込み始める時点では、Pfoot≦Pinitであることから、クラッチ完全締結制御モードと判断されて、ステップS70でクラッチ完全締結制御モードCL_MODE=0に設定されて、ステップS2,S4の処理が繰り返される。
運転者がクラッチペダル50の踏み込みを開始し、ペダル踏力油圧Pfootが所定圧力Pinit以上となると、ステップS4でPfoot≧Pinitであると判断されて、ステップS6に進む。
ステップS6でクラッチ完全締結制御モード(CL_MODE=0)であるか否かを判断する。肯定判定ならば、ステップS8に進み。否定判定ならば、ステップS20に進む。ここでは、クラッチ完全締結からクラッチ締結開放を行うので、CL_MODE=0となっていることから、ステップS8に進む。
ステップS8で次の処理をする。ペダル踏力油圧Pfootが所定圧力Pinitに達した時点のrlsストロークrls_posをスタートポイントSTPに代入する。STPでのrlsストロークを原点とするためにPos_rlsに0代入し、ステップS30に進む。
ステップS30で次の処理をする。目標踏力設定テーブル120,rls荷重設定テーブル122のデータを全てメモリに読み込む。
ここでは、クラッチ4を開放させるので、目標踏力テーブル120及びRls荷重テーブル122のH1,H3から目標踏力trg_Force及びRls荷重rls_Forceを算出する。
rls荷重rls_Forceから目標踏力trg_Forceを減算し(rls_Force−trg_Force)、基本アシスト力Mot_Forceに代入する。STPに所定量init_TPを加算し(STP+init_TP)、タッチポイントTPに代入する。
ステップS32で、次の処理を行う。今回のペダル踏力Pfootから前回のペダル踏力油圧PfootNを減算し(Pfoot−PfootN)、ペダル踏力油圧変動分delta_Pfootに代入する。今回のペダル踏力Pfootを前回のペダル踏力油圧PfootNに代入する。ペダル踏力油圧Pfootにマスタシリンダ14aの受圧面積Aを乗算し(Pfoot*A)、ペダル踏力Foot_Forceに代入する。
Pos_rls及びCL_MODEから、メモリに読み込まれた目標踏力設定テーブル120,rls荷重設定テーブル122を検索し、Pos_rls及びCL_MODEに該当する目標踏力trg_Force,rls_Forceを取得する。rls荷重rls_Forceから目標踏力trg_Forceを減算し(Rls_Force−trg_Force)し、Mot_Forceに代入する。
ペダル踏力Foot_Forceから目標踏力trg_Forceを減算し(Foot_Force−trg_Force)、delta_Fに代入する。現在のPos_rlsから前回のPos_rlsNを減算し(Pos_rls−Pos_rlsN)、Pos_rls変動分delta_Pos_rlsに代入する。現在のPos_rlsを前回のPos_rlsNに代入する。
ステップS34で(delta_F>0)且つ(delta_Pos_rls>所定値γ1)であるか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップS60に進む。否定判定ならば、ステップS36に進む。ここでは、運転者がクラッチペダル50を踏み込み、ステップS34で肯定判定され、ステップS60に進んだとする。
ステップS60でクラッチ締結制御モードCL_MODEに1を代入し、クラッチ開放制御モードとする。ステップS62で図13に示すようにクラッチ開放制御モードでのクラッチアシスト力を発生する。
図13中のステップS100でクラッチ締結制御モードCL_MODE=1であるか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップS102に進む。否定判定ならば、処理を終了する。ここでは、クラッチ締結制御モードであることからステップS102に進む。ステップS102で(delta_F>0)且つ(delta_Pos_rls>γ1)であるか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップS104に進む。否定判定ならば、処理を終了する。ステップS104で図16に示す目標トルクの算出をする。
図16中のステップS250でdelta_Fよりアシスト倍数係数マップ124を検索し、倍率係数Kを算出する。ステップS252で基本アシスト力Mot_Forceを補間し、Mot_Force(Pos_rls)に代入する。今回のPos_rlsに合致する目標踏力trg_Force,rls荷重rls_Forceが設定されていない場合は、前後のrlsストロークについての目標踏力及びrls荷重から算出した基本アシスト力を補間して、Pos_rlsに対応する基本アシスト力Mot_Forceを算出する。ステップS254で基本アシスト力Mot_Forceに倍率係数Kを乗算し(Mot_Force*K)、目標アシスト力trg_Mot_Fに代入する。
ステップS256で目標アシスト力trg_Mot_Fにクラッチアクチュエータ6の油圧ピストン6bを押すポイントの半径r_Actを乗算し(trg_Mot_F*r_Act)、目標モータトルクtrg_Mot_trqに代入する。これにより、delta_F及びrlsストロークPos_rlsに応じた目標モータトルクtrg_Mot_trqが算出される。
ステップS258で目標モータトルクtrg_Mot_trqより電流−トルクマップ160を検索し、目標モータトルクtrg_Mot_trqに対応する電流trg_Mot_iを算出する。
図13中のステップS106に戻る。ステップS106で図17に示すイナーシャ分、ダンパ分、フリクション分のロストルクを算出して、ロストルクに対応する電流Inatia_i,Damp_i,Tf_iを算出する。
図17中のステップS300でDCモータ162のモータ電流Mot_i及びモータ(コイル)電圧Mot_Vを読み込む。ステップS302で、次の処理をする。モータ電圧Mot_Vからモータ電流Mot_iにモータ162の抵抗値Rmを乗算した結果(Mot_i*Rm)を減算する(Mot_V−Mot_i*Rm)。その結果を誘導起電力定数ksで乗算し((Mot_V−Mot_i*Rm)/ks)、モータ角速度Theta_Mに代入する。
モータ角速度Theta_Mから前回の角速度Theta_MNを減算し(Theta_M−Theta_MN)、モータ角速度変動値d_Theta_Mに代入する。現在のモータ角速度Theta_Mを前回のモータ角速度Theta_MNを代入する。
ステップS304で次の処理をする。モータ角速度Theta_Mにダンピング係数Cを乗算し(C*Theta_M)し、ダンパトルクDamp_trqに代入する。モータ角速度変動値d_Theta_Mにモータ162のイナーシャImを乗算し(Im*d_Thata_M)、イナーシャトルクInatia_trqに代入する。
ステップS306で次の処理をする。ダンパトルクDamp_trqから、ダンパトルク−モータ電流マップを検索し、ダンパトルクDamp_iに対応するダンパ電流Damp_iを算出する。イナーシャトルクInatia_trqから、イナーシャトルク−モータ電流マップを検索し、イナーシャトルクInatia_trqに対応するイナーシャモータ電流inatia_iを算出する。
図13中のステップS108で目標モータ電流trg_Mot_iにイナーシャ電流Inatia_i,ダンパ電流Damp_i,フリクション電流Tf_iを加算し(trg_Mot_i+Inatia_i+Damp_i+Tf_i)、目標電流trg_iに代入する。目標電流trg_iがイナーシャ補償、ダンパ補償及びフリクション補償されたものとなる。
ステップS110で目標電流trg_iから電流制限マップ170を検索し、目標電流trg_iに対応する電流を算出し、これを目標電流trg_iに代入する。ステップS112で実電流検出手段166より出力されるモータ実電流act_iが目標電流trg_iに等しくなるようにDCモータ162に印加するPWM駆動信号のデューティ値をPI制御する。
DCモータ162は、PWM駆動信号により目標電流trg_iがコイルに流れて、目標トルクtrg_trqを発生する。目標トルクtrg_trqは動力変換手段110により直線運動に変換されてアシスト力が発生する。アシスト力によりバルブ24の第2の加圧室222に油圧が発生する。
一方、クラッチペダル50のペダル踏力Pfootに応じた油圧がマスタピストン・シリンダ機構14で発生し、バルブ24の第1の加圧室220に油圧が伝達される。これらの油圧が合成され、合成力でクラッチアクチュエータ6を押圧する。クラッチ4が合成力に等しいrls荷重となるようにストロークが開始される。このように、クラッチペダル50を踏み込み、クラッチ締結制御モードになると、ペダル踏力が一定でも、アシスト力によりクラッチ4がストロークし、それに伴いクラッチペダル50もストロークする。
運転者はクラッチ4を開放するためにクラッチペダル50を更に踏み込む。上述したと同様に、図12中のステップS2〜S6が実行される。ステップS6でクラッチ締結制御モードCL_MODE=1であることから否定判定されて、ステップS20に進む。ステップS20でrls_posからSTPを減算し(rls_pos−STP)、rlsストロークPos_rlsに代入して、ステップS30に進む。上述したと同様にステップS30〜S34まで実行され、クラッチ開放制御モードである場合は、クラッチアシスト力にアシストされて、クラッチ4がストロークし、それに伴いクラッチペダル50もストロークする。
運転者はクラッチペダル50をエンドストッパ52b付近まで踏み込むと、踏み込み速度を落とす。この結果、ストローク変位量delta_Posが所定値γ1以下となったとする。図12中のステップS34でクラッチ開放制御モードが維持されている((delta_F>0)且つ(delta_Pos>γ1))か否かを判定する。ここでは、否定判定され、ステップS36に進むとする。ステップS36でクラッチ締結制御モードCL_MODEが3(クラッチ締結制御モード)であるか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップS44に進む。否定判定ならば、ステップS38に進む。ここでは、CL_MODE=1であることから、ステップS38に進む。
ステップS38でTP+α<Pos_rls<End_st−STP(rlsストロークがTP+所定値α以上でストロークセンサ20の端(End_st)の間にある)であるか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップS50に進む。否定判定ならば、ステップS40に進む。ここでは、肯定判定され、ステップS50に進む。
ステップS50で(delta_F>0)且つ(γ2≦delta_Pos_rls≦γ1)且つ(Pfoot>所定値δ1)(rlsストローク時間変化率がほぼゼロ、delta_Fが正、踏力油圧Pfootが所定値δ1以上)であるか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップS52に進む。否定判定ならば、ステップS34に戻る。ここでは、肯定判定されたものとして、ステップS52に進む。
ステップS52でクラッチ締結制御モードCL_MODE=2を代入し、クラッチ完全開放制御モードとし、ステップS54に進む。ステップS54で図14に示すようにクラッチ完全開放制御モードでのクラッチアシスト力を発生する。
図14中のステップS150でクラッチ締結制御モードCL_MODEがクラッチ完全開放制御モード(CL_MODE=2)であるか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップS152に進む。否定判定ならば、処理を終了する。ここでは、クラッチ完全開放制御モードであることからステップS152に進む。
ステップS152で(タッチポイントTP+所定値β<Pos_rls<端側の座標Ent_st−STP)であるか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップS154に進む。否定判定ならば、処理を終了する。ステップS154で(delta_F>0)且つ(γ2≦delta_Pos_rls≦γ1)(但し、γ1は比較的小さな正値、γ2は光的小さな負値:クラッチペダル50がほぼ停止していること)であるか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップS156に進み。否定判定ならば、図12中のステップS2に戻る。
ステップS156で上述したと同様に目標モータ電流trg_Mot_iを算出する。ステップS158で上述したと同様に目標モータ電流トルクtrg_Mot_iをイナーシャトルク補償量、ダンパ補償量、及びフリクション補償量のモータ電流inatia_i,Damp_i,Tf_iを算出する。
ステップS160で目標モータ電流trg_Mot_iにモータ電流Inatia_i,Damp_i,Tf_iを加算し(trg_Mot_i+Inatia_i+Damp_i+Tf_i)、目標電流trg_iに代入する。
ステップS162で上述したと同様に電流制限マップ170を検索して対応する目標電流trg_iに代入する。ステップS164でDCモータ162のコイルに流れる電流act_iが目標電流trg_iに等しくなるようにPI制御する。このように、クラッチ完全開放制御モードにおいても、アシストトルクによりアシストされ、クラッチ4がストロークし、クラッチ4が完全開放される。
以上のように、クラッチ4を開放する場合には、rlsストロークに応じたアシスト力により、ペダル踏力がアシストされて、ペダル踏力Foot_Forceが小さくても、クラッチペダル50がエンドストッパ52bまでストロークしてゆき、クラッチ4がスムーズに切れる。また、ペダル踏力Foot_Forceが一定の場合には、アシスト力とペダル踏力Pfootの合成力がrls荷重と釣り合う位置までrlsストロークが停止して、半クラッチ状態が維持される。このrlsストロークでの目標踏力trg_Forceはペダル踏力Foot_Forceに等しい。
(2) クラッチ完全締結する場合
クラッチ4を完全締結する場合には、運転者は踏み込んでいるペダル踏力を弱くしてクラッチペダル50をスタートストッパ52aまで戻す。この場合、クラッチ完全開放制御モードCL_MODE=2又はクラッチ開放制御モードCL_MODE=3である。図12中のステップS2〜S32までは、上述したと同様である。ステップS34で(delta_F>0)且つ(delta_Pos_rls>γ1)であるか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップS36に進む。否定判定ならば、ステップS38に進む。ここでは、クラッチペダル50がスタートストッパ52aの方向に戻されており、rlsストロークが負の方向に進んでいるので、否定判定されてステップS38に進む。
ステップS38で(TP+α<Pos_rls<End_st−STP)であるか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップ50に進む。否定判定ならば、ステップS40に進む。ここでは、クラッチペダル50がスタートストッパ52aの方向に戻されているので、否定判定され、ステップS40に進んだとする。
ステップS40で(Pfoot≦δ1)且つ(delta_Pfoot≦δ2)(踏力油圧Pfootが所定値δ1以下でその時間変化率がδ2(負値))であるか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップS42に進む。否定判定ならば、ステップS34に戻る。ここでは、肯定判定され、ステップS44に進んだものとする。
ステップS42でクラッチ締結制御モード(CL_MODE=3)にする。ステップS44で図15に示すクラッチ締結制御モードでのクラッチアシストを行う。図15中のステップS200でクラッチ締結制御モード(CL_MODE=3)であるか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップS202に進む。否定判定ならば終了する。ここでは、肯定判定され、ステップS202に進む。
ステップS202で(delta_F≦0)且つ(delta_Pos_rls≦γ1)(クラッチペダル踏力Foot_Forceが目標踏力trg_Forceよりも小さく、rlsストロークPos_rlsの変動率が所定値γ1(負値))であるか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップS204に進む。否定判定ならば、終了する。ここでは、肯定判定され、ステップS204に進むものとする。
ステップS204で上述したと同様に目標モータ電流trg_Mot_iを算出する。尚、この場合は、クラッチ4を締結させるので、目標踏力テーブル120及びrls荷重テーブル122のH2,H4から目標踏力trg_Force及びrls荷重rls_Forceを算出する。
ステップS206で上述したと同様に目標モータ電流トルクtrg_Mot_iをイナーシャトルク補償量、ダンパトルク補償量、及びフリクショントルク補償量のモータ電流inatia_i,Damp_i,Tf_iを算出する。
ステップS208で目標モータ電流trg_Mot_iにモータ電流Inatia_i,Damp_i,Tf_iを加算し(trg_Mot_i+Inatia_i+Damp_i+Tf_i)、目標電流trg_iに代入する。
ステップS210で上述したと同様に電流制限マップ170を検索して対応する目標電流trg_iに代入する。ステップS212でDCモータ162のコイルに流れる電流Act_iが目標電流trg_iに等しくなるようにPI制御する。
このように、クラッチ完全開放制御モードにおいても、アシスト力によりアシストされ、クラッチ4がストロークするとともにクラッチペダル50がペダル踏力一定でもストロークし、クラッチ4が完全開放される。そして、図12中のステップS2に戻る。
クラッチ4を完全締結する場合にも、rlsストロークに応じたアシスト力により、ペダル踏力がアシストされることから、クラッチ4がスムーズに締結される。従って、運転者がクラッチペダル50を急速に引き戻す操作をした場合でも、今度はアシスト力によりクラッチ4が徐々に締結されていくので変速ショックを抑制することができる。
以上説明した本実施形態によれば、クラッチアシスト装置22とバルブ24を設け、マスタ・シリンダ機構14を配管16cを通してバルブ24に接続することにより、容易にクラッチアシスト機構を実現することができる。ペダル踏力が目標踏力に等しくなるようにストロークが進み、目標踏力を最適なものと設定することにより、最適な感覚でクラッチペダル50を操作することができる。
目標踏力をクラッチ4のリリーズ特性に応じて設定ことができるので、リリーズ特性に依存することなく良好な感覚でクラッチペダル50を操作することができる。また、クラッチペダル部12のスプリング54の引っ張り力に応じて、目標踏力を設定することができるので、スプリング54のセッティングによる踏力特性合わせ込み工数の削減が可能となる。また、クラッチ4の操作性が向上するので、安全運転ができる。
本発明の実施形態による車両の概略構成図である。 図1中のクラッチペダル部及びマスタピストン・シリンダ機構の構成図である。 図1中のクラッチアシスト装置の構成図である。 rlsストロークとクラッチトルクの関係を示す図である。 図3中の目標踏力特性テーブルを示す図である。 図3中のRls荷重テーブルを示す図である。 図3中のアシスト倍率係数テーブルを示す図である。 図3中のアシスト力発生手段を示す図である。 図1中のクラッチ4の構成例を示す図である。 図1中の動力変換手段及びバルブの構成例を示す図である。 クラッチアシスト方法の処理の流れを示す図である。 クラッチアシスト方法を示すフローチャートである。 クラッチアシスト方法を示すフローチャートである。 クラッチアシスト方法を示すフローチャートである。 クラッチアシスト方法を示すフローチャートである。 クラッチアシスト方法を示すフローチャートである。 クラッチアシスト方法を示すフローチャートである。
符号の説明
2 エンジン
4 クラッチ
6 クラッチアクチュエータ
10 変速機
12 クラッチペダル部
14 マスタピストン・シリンダ機構
22 クラッチアシスト装置
24 バルブ

Claims (2)

  1. エンジンと、前記エンジンの駆動力の伝達を制御するクラッチと、前記クラッチを介して前記エンジンの駆動力が伝達される手動変速機とを有する車両のクラッチアシスト機構であって、
    クラッチペダル踏力を検出する踏力検出手段と、
    前記クラッチペダル踏力に応じた作動力により前記クラッチを作動するクラッチ作動手段と、
    前記クラッチの作動状態を検出する作動状態検出手段と、
    前記クラッチの作動状態に対応する目標クラッチペダル踏力を予め設定する目標クラッチペダル踏力設定手段と、
    前記クラッチペダル踏力が前記クラッチの作動状態に対応する目標クラッチペダル踏力に等しくなるように、前記クラッチ作動手段の作動を制御するクラッチ制御手段と、
    を備えたことを特徴とする車両のクラッチアシスト機構。
  2. 前記クラッチ作動手段に作動力を与える電動アクチュエータを具備し、前記クラッチ制御手段は、前記クラッチペダル踏力に応じた作動力と前記電動アクチュエータによる作動力との合力により前記クラッチ作動手段の作動を制御する請求項1記載の車両のクラッチアシスト機構。
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