JP2006336663A - クラッチ機構及びこれを具えた移動体 - Google Patents

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Seiji Murakami
誠治 村上
Hiroki Kamei
浩気 亀井
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Abstract

【課題】 誤開放が発生することがなく、然もギアボックスの簡略化を図ることが出来るクラッチ機構を提供する。
【解決手段】 本発明に係るクラッチ機構2は、車軸31の内部を軸方向に貫通するスライド軸22と、該スライド軸22の一方の端部に設けられて該スライド軸22に対して相対回転させる操作が可能なノブ23とを具え、該スライド軸22の他方の端部には、前記車軸31の内周面に向けてキー部材21が突設されている。駆動軸(13)には、キー部材21が駆動軸13に対する軸方向の相対移動が可能であって且つ駆動軸13を中心とする相対回転が不能に係合する係止溝14が凹設されると共に、車軸31の一方の端部の内周面には、スライド軸22の軸方向の往復移動に伴ってキー部材21と係脱可能であって係合状態では車軸31とスライド軸22の相対回転を阻止するキー溝33が凹設され、前記ノブ23と車軸31の他方の端部とは、ねじ機構によって連結されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、クラッチ機構及びこれを具えた電動車両等の移動体に関するものである。
従来、電動車椅子等の電動車両には、駆動モータから駆動輪への動力の伝達を断続させるクラッチ機構が設けられている。
図13乃至図15は、従来の電動車椅子におけるクラッチ機構(5)と駆動ユニット(7)の構成を示している(特許文献1参照)。
図13に示す如く、駆動ユニット(7)は、駆動モータ(71)と動力伝達機構とをギアボックス(72)内に収容して構成され、該動力伝達機構は、駆動モータ(71)の駆動軸に取り付けられたモータピニオン(73)と、該モータピニオン(73)に噛合するカウンタギア(74)と、図14に示す如く該カウンタギア(74)を支持するカウンタシャフト(77)と、該カウンタシャフト(77)上を摺動自在且つカウンタギア(74)に対して係脱可能に設けられたスライドギア(75)と、車軸(図示省略)に一体成型されてスライドギア(75)に噛合する図13に示すファイナルギア(76)とを具えている。
図14に示す如く、カウンタシャフト(77)は、2つのベアリング(79)(79)によって回転可能に支持されており、スライドギア(75)は、該カウンタシャフト(77)に装着されたコイルスプリング(78)によって、カウンタギア(74)に向けて常時付勢されている。
クラッチ機構(5)は、スライドギア(75)とカウンタギア(74)とを係脱させるものであり、クラッチレバー(51)と、該クラッチレバー(51)を支持するクラッチシャフト(52)と、スライドギア(75)をカウンタギア(74)から離脱させる方向に摺動させるシフター(54)と、該クラッチシャフト(52)と一体回転してスライドギア(75)をカウンタギア(74)から離脱させる方向に摺動させるクラッチカム(56)とを具えている。
図14に示す如く、シフター(54)は、クラッチシャフト(52)に軸着されてスライドギア(75)に係合するシフトフォーク(55)と、カウンタギア(74)を挟んでシフトフォーク(55)とは反対側でクラッチシャフト(52)に軸着されると共に、クラッチシャフト(52)の回転時にクラッチカム(56)によってカウンタギア(74)に押圧されるカムフォロワ(53)と、カウンタギア(74)と重なる位置でクラッチシャフト(52)に摺動自在に軸着された摺動筒(57)と具え、該摺動筒(57)の一方の端部にシフトフォーク(55)が溶接されると共に、他方の端部にカムフォロワ(53)が溶接されている。
図14に示す如く、クラッチレバー(51)が図13に示すオン位置に設定された状態で、スライドギア(75)は、コイルスプリング(79)の付勢力によってカウンタギア(74)に向けて押圧され、これによって、スライドギア(75)のドッグ部(75a)とカウンタギア(74)のドッグ部(74a)とが互いに噛合している。これによって、駆動モータ(71)から駆動輪へ動力が伝達されることになる。
駆動モータ(71)と駆動輪との係合を解除する場合には、クラッチレバー(51)を図13に実線で示すオン位置から2点鎖線で示すオフ位置に回動させる。
図15は、クラッチレバー(51)が前記オフ位置に設定された状態を示しており、カムフォロワ(53)は、クラッチレバー(51)の回動と共に、クラッチカム(56)のカム部(56a)に乗り上がり、車体の外側に向けて側方へ移動する。
カムフォロワ(53)の移動に伴って、摺動筒(57)及びシフトフォーク(55)がクラッチシャフト(52)上を車体の外側に向けて側方へ摺動し、該シフトフォーク(55)の移動と共に、スライドギア(75)が、コイルスプリング(78)の付勢力に抗して、スライドシャフト(77)上を車体の外側に向けて側方へ摺動する。この結果、スライドギア(75)のドッグ部(75a)がカウンタギア(74)のドッグ部(74a)から離脱し、これによって、駆動モータ(71)から駆動輪への動力の伝達が遮断される。
特開平9−296829号公報
ところで、上記従来のクラッチ機構(5)を電動車椅子に用いた場合、クラッチレバー(51)は、操作性を考慮すると車軸から上方に向けて伸びる構成が好ましいが、上記クラッチ機構(5)を電動運搬車に用いた場合には、クラッチレバー(51)は荷台に荷物を載せる作業の妨げにならない位置に配置する必要がある。しかしながら、クラッチレバー(51)を荷台に沿って傾けて配置し、車輪が床マット等を巻き上げてしまった場合には、床マットとクラッチレバー(51)との接触により、クラッチ機構(5)の誤開放が発生する虞があった。
又、上記従来のクラッチ機構(5)は、クラッチレバー(51)の操作により、スライドギア(75)をカウンタギア(74)に係脱させて、駆動モータ(71)から駆動輪への動力の伝達を断続させる構成であるため、市販のギアボックスをそのまま用いることは出来ず、又、駆動モータ(71)と駆動輪との間の動力伝達機構が、スライドギア(75)やカウンタギア(74)等の複数のギアから構成され、その構造が複雑であるため、ギアボックス(72)の大型化を招く問題があった。
更に、クラッチレバー(51)の操作性や、荷台や椅子等の上部構成を配置する都合上、左右クラッチレバーの突出方向は、左右とも車輪前方、若しくは車輪後方に一致していることが望ましい。そのため、左右別々にギアボックスを作る必要があり、部品点数が増えると共にコストの増大に繋がるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、誤開放が発生することがなく、然もギアボックスの簡略化を図ることが出来るクラッチ機構を提供することである。
本発明のクラッチ機構は、前記車軸(31)の内部を軸方向に貫通して軸方向の往復移動と軸回りの回転が可能なスライド軸(22)と、該スライド軸(22)の一方の端部に設けられたノブ(23)とを具え、該スライド軸(22)の他方の端部には、前記駆動軸(13)との対向部に第1キー部が設けられると共に、前記車軸(31)の内周面に向けて第2キー部が突設されている。前記駆動軸(13)には、前記第1キー部が駆動軸(13)に対する軸方向の相対移動が可能であって且つ駆動軸(13)を中心とする相対回転が不能に係合する係止溝(14)が凹設されると共に、前記車軸(31)の一方の端部の内周面には、前記スライド軸(22)の軸方向の往復移動に伴って前記第2キー部と係脱可能であって係合状態では車軸(31)とスライド軸(22)の相対回転を阻止するキー溝(33)が凹設されている。前記ノブ(23)と車軸(31)の他方の端部との間には、ノブ(23)の運動をスライド軸(22)の軸方向の往復移動に変換する変換機構が配備されている。
具体的には、前記ノブ(23)は、前記スライド軸(22)に対して相対回転させる操作が可能であり、前記変換機構はノブ(23)の回転運動をスライド軸(22)の軸方向の往復移動に変換する。
又、前記スライド軸(22)の他方の端部には、該スライド軸(22)の径方向の外側に向けてキー部材(21)が突設され、該キー部材(21)の基端側に前記第1キー部が形成されると共に、キー部材(21)の先端側に前記第2キー部が形成されている。
上記本発明のクラッチ機構において、前記ノブ(23)は、前記変換機構によって、車軸(31)の他方の端部、即ち車輪(3)の側部に取り付けられており、前記駆動軸(13)から車軸(31)への動力の伝達を遮断する場合、操作者は、ノブ(23)を一方向に回転させる。該ノブ(23)の回転に応じて、前記スライド軸(22)は、キー部材(21)が車軸(31)のキー溝(33)に係合した連結位置から軸方向にスライドし、キー部材(21)が車軸(31)のキー溝(33)から離脱する。これによって、駆動軸(13)から車軸(31)への動力の伝達が遮断される。
一方、駆動軸(13)から車軸(31)へ動力を伝達する場合、操作者は、ノブ(23)を逆転させる。該ノブ(23)の回転に応じて、前記スライド軸(22)は、キー部材(21)が車軸(31)のキー溝(33)から離脱した解除位置から、前記連結位置に向かって移動して、キー部材(21)が車軸(31)のキー溝(33)に係合する。これによって、駆動軸(13)から車軸(31)へ動力が伝達されることになる。
従来のクラッチ機構においては、クラッチレバーによって動力の断続を切り換えていたため、車輪が床マット等を巻き上げてしまった場合には、クラッチレバーと床マットの接触により、クラッチ機構の誤開放が発生する虞があった。
これに対し、本発明のクラッチ機構によれば、スライド軸(22)を車軸(31)に沿って往復移動させることにより、駆動軸(13)から車軸(31)への動力の伝達を断続させることが出来、スライド軸(22)の往復移動は、ノブ(23)を正逆に回転させることによって行なわれる。ノブ(23)は、車体に対して外側の車軸(31)の端部に配備されており、車輪(3)が床マット等を巻き上げたとしても、該床マットにノブ(23)が接触することがないので、クラッチの誤開放が発生することはない。
又、本発明のクラッチ機構によれば、キー部材(21)及びスライド軸(22)が車軸(31)に内装されているので、ギアボックスの小型化が可能となる。これに加え、動力源側に複雑な動力伝達機構を設ける必要がないので、汎用のモータとギアボックスとを組み合わせて動力源を構成することが出来る。
更に、左右両輪にて同一のクラッチ機構を用いたとしても、クラッチ機構の断続を行なう際のノブ(23)の操作方向、即ち回転方向は、車輪(3)の側方から見て左右両輪にて同一方向となるので、ノブ(23)の操作方向に不一致が生じることはない。又、左右両輪にて同一のギアボックスを用いることにより、部品点数を削減することが出来る。
具体的構成において、前記ノブ(23)と車軸(31)の他方の端部とは、ねじ機構により互いに連結され、該ねじ機構によって前記変換機構が構成され、前記スライド軸(22)とノブ(23)の間には、前記第2キー部をキー溝(33)に係合せしめる方向の付勢力を発揮する弾性部材が介在し、スライド軸(22)には、前記弾性部材を弾性復帰させる方向にノブ(23)が移動する過程で該ノブ(23)が当接すべき当接受け部が設けられている。
該具体的構成において、前記駆動軸(13)から車軸(31)への動力の伝達が遮断された状態、即ち前記第2キー部が車軸(31)のキー溝(33)から離脱した解除位置に位置している状態から、駆動軸(13)から車軸(31)へ動力を伝達すべく、操作者がノブ(23)を回転させた場合、ノブ(23)の回転に応じて、前記スライド軸(22)が軸方向にスライドし、第2キー部は、前記解除位置から、車軸(31)のキー溝(33)に向かって移動することになる。このとき、第2キー部と車軸(31)のキー溝(33)との位相が合わない場合には、ノブ(23)のみが変位し、これに伴って、弾性部材が圧縮されることになる。この状態で、操作者が車輪(3)を回転させ、或いは駆動軸(13)が回転を開始すると、第2キー部と車軸(31)のキー溝(33)との位相が合った時点で、該弾性部材の復元力によってスライド軸(22)が移動し、第2キー部が車軸(31)のキー溝(33)に嵌入することになる。
一方、前記第2キー部が車軸(31)のキー溝(33)に係合した状態から、駆動軸(13)から車軸(31)への動力の伝達を遮断すべく、操作者がノブ(23)を逆転させた場合、ノブ(23)は車体の外側に向けて変位し、その過程でノブ(23)がスライド軸(22)の当接受け部に当接し、その後、スライド軸(22)は車体の外側に向けてノブ(23)と一体に移動する。該スライド軸(22)の移動によって前記第2キー部が車軸(31)のキー溝(33)から離脱することとなる。この結果、駆動軸(13)から車軸(31)への動力の伝達が遮断される。
又、具体的構成において、前記車軸(31)の一方の端部には、挿入孔(34)が開設されると共に、該挿入孔(34)に、前記駆動軸(13)の先端部が挿入されており、前記係止溝(14)は、駆動軸(13)の直径方向に深さを有すると共に、該係止溝(14)に対向する前記挿入孔(34)の内周面の少なくとも1箇所に、前記キー溝(33)が凹設され、前記キー部材(21)は、キー溝(33)と係止溝(14)との相対位置が車軸(31)の径方向に合致して形成される空間内に嵌入可能な形状を有している。
該具体的構成において、例えば、前記挿入孔(34)の内周面に合計4つのキー溝(33)を互いに90度の位相差で凹設した場合、車輪(3)或いは駆動軸(13)を少なくとも90度回転させることにより、前記キー部材(21)と車軸(31)のキー溝(33)との位相が合うことになる。従って、第2キー部と車軸(31)のキー溝(33)との位相が合わない場合でも、操作者が車輪(3)を僅かに回転させることにより、或いは駆動軸(13)の僅かな回転によって、第2キー部と車軸(31)のキー溝(33)との位相が合うことになる。この時点で、前記弾性部材の復元力によってスライド軸(22)が移動し、第2キー部が車軸(31)のキー溝(33)に嵌入し、駆動軸(13)の動力が車軸(31)へ伝達されることになる。
本発明のクラッチ機構によれば、誤開放が発生することがなく、然も、簡易な構成のギアボックスを用いることが出来るので、ギアボックスの小型化及び軽量化を図ることが出来る。
以下、本発明を電動運搬車に実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
図1に示す如く、本発明の電動運搬車(4)は、荷台(42)を具え、該荷台(42)の裏面には、一対の車輪(3)(3)が電動運搬車(4)の進行方向の前部に配備されると共に、一対の補助輪(44)(44)が電動運搬車(4)の後部に配備されている。両車輪(3)(3)には、両車輪(3)(3)をそれぞれ個別に駆動するための駆動機構(1)(1)が接続されている。荷台(42)の後端部には、操作者が把持して操作力を加えるべきハンドル(41)と、ハンドル(41)に加えられた操作力を検出するための力検出装置(43)とが配備されており、操作者がハンドル(41)に対して力を加えると、力検出装置(43)が操作力を検知し、該検知結果に基づいて両駆動機構(1)(1)を制御することにより、パワーアシスト機能を実現している。
又、駆動機構(1)から車輪(3)へ至る動力伝達経路には、後述するクラッチ機構(2)が介在し、該クラッチ機構(2)によって、駆動機構(1)から車輪(3)への動力の伝達を断続させることが出来る様になっている。
図2に示す如く、車輪(3)を駆動する駆動機構(1)は、駆動モータ(11)と、ギアボックス(12)とから構成され、ギアボックス(12)から突出した駆動軸(13)と、車輪(3)の車軸(31)とが同軸上に配備されると共に、該駆動軸(13)の先端部が、車体に対して内側の車軸(31)の端部に挿入されている。
図2及び図3に示す如く、クラッチ機構(2)は、車軸(31)の内部を軸方向に貫通して軸方向の往復移動と軸回りの回転が可能なスライド軸(22)と、車体に対して外側のスライド軸(22)の端部に設けられて該スライド軸(22)に対して相対回転可能なノブ(23)とを具えている。車体に対して内側のスライド軸(22)の端部には、該スライド軸(22)の径方向の外側に向けてキー部材(21)が突設されている。
ノブ(23)は、操作者が把持して操作力を加えるべき円板状の操作部(23a)と、該操作部(23a)の背面に車体の内側に向けて突設された取付部(23b)とを有し、該取付部(23b)の外周面には、外ねじ(23c)が形成されている。図2に示す車体に対して外側の車軸(31)の端部の内周面(32)には、該外ねじ(23c)が螺合する内ねじ(図示省略)が設けられている。
又、ノブ(23)には、スライド軸(22)が軸方向に貫通する貫通孔(23d)が開設されており、該貫通孔(23d)を貫通したスライド軸(22)の先端部には、抜け止め部(22b)が形成されている。
スライド軸(22)の長手方向の途中位置には、径方向の外側に向けてフランジ部(22a)が突設され、該フランジ部(22a)とノブ(23)の取付部(23b)の端面との間には、コイルスプリング(25)が介在している。コイルスプリング(25)の弾性力によって、スライド軸(22)は、車体内側に向けて常時付勢されており、これにより、スライド軸(22)の抜け止め部(22b)がノブ(23)の操作部(23a)の端面に当接している。
図4に示す如く、駆動軸(13)の先端部には、キー部材(21)が係合可能な係止溝(14)が凹設されている。車体に対して内側の車軸(31)の端部には、駆動軸(13)の先端部が挿入されるべき挿入孔(34)が開設されると共に、該挿入孔(34)の内周面には、図9に示す如く、キー部材(21)が係合すべき4つのキー溝(33)が、互いに90度の位相差で凹設されている。キー部材(21)は、キー溝(33)と係止溝(14)との相対位置が車軸(31)の径方向に合致して形成される空間内に嵌入可能な形状を有している。
図2は、ノブ(23)が車軸(31)にねじ込まれた状態を示しており、この状態で、キー部材(21)は、図6に示す如く、キー溝(33)と係止溝(14)との相対位置が車軸(31)の径方向に合致して形成される空間内に嵌入されている。この状態で、駆動軸(13)からの動力は、キー部材(21)を介して車軸(31)に伝達され、これによって図2に示す車輪(3)が回転することになる。
駆動軸(13)から車軸(31)への動力の伝達を遮断せんとする場合、操作者は、ねじ戻し方向にノブ(23)を回転させる。該回転操作に応じて、ノブ(23)は車体の外側方向へ変位し、これに伴って、ノブ(23)の操作部(23a)の端面がスライド軸(22)の抜け止め部(22b)に当接し、該抜け止め部(22b)を押圧する。これにより、スライド軸(22)は、車体の外側に向けて車軸(31)内をスライドする。
更にノブ(23)を回転させることによって、ノブ(23)が図2中の2点鎖線で示す位置まで移動すると、図5に示す如く、キー部材(21)が車軸(31)のキー溝(33)から離脱する。この結果、駆動軸(13)から車軸(31)への動力の伝達が遮断されることになる。
一方、駆動軸(13)の動力を車軸(31)へ伝達せんとする場合には、操作者は、ノブ(23)が図2中の実線で示す位置に至るまで、ノブ(23)をねじ込み方向に回転させる。ノブ(23)の回転に応じて、スライド軸(22)は、車体の内側に向けて車軸(31)内をスライドする。
ここで、キー部材(21)と車軸(31)のキー溝(33)との位相が合わない場合には、ノブ(23)のみが車体の内側に向けて移動し、コイルスプリング(25)が圧縮されることになる。この状態で、操作者が車輪(3)を回転させ、或いは駆動軸(13)が回転を開始すると、キー部材(21)と車軸(31)のキー溝(33)との位相が合った時点で、該コイルスプリング(25)の復元力によってスライド軸(22)が移動し、キー部材(21)は、車軸(31)のキー溝(33)に嵌入することになる。
図7は、ノブ(23)をねじ戻し方向に回転させることによってノブ(23)が図2中の2点鎖線で示す位置まで変位した状態、即ちクラッチ機構(2)の解除状態における車軸(31)のキー溝(33)及び駆動軸(13)の係止溝(14)に対するキー部材(21)の相対位置関係を示しており、図8及び図9は、図7のA−A線及びB−B線に沿う断面を示している。この状態において、キー部材(21)は、図7に示す如く、キー溝(33)が形成された車軸(31)の端部から離間しており、図8に示す如く、駆動軸(13)の係止溝(14)に係合する一方、図9に示す如く、キー溝(33)から離脱している。
この状態で、図2に示す駆動モータ(11)が駆動された場合、キー部材(21)と駆動軸(13)の係止溝(14)との係合によって、スライド軸(22)は、駆動モータ(11)と共に回転することになるが、キー部材(21)が車軸(31)のキー溝(33)から離脱しているので、駆動軸(13)から車軸(31)に動力が伝達されることはない。従って、操作者は、負荷の低い状態で電動運搬車を手押しすることが出来る。
一方、図10は、ノブ(23)をねじ込み方向に回転させることによってノブ(23)が図2中の実線で示す位置まで変位した状態、即ちクラッチ機構(2)の連結状態における車軸(31)のキー溝(33)及び駆動軸(13)の係止溝(14)に対するキー部材(21)の相対位置関係を示しており、図11及び図12は、図10のC−C線及びD−D線に沿う断面を示している。この状態において、キー部材(21)は、図10に示す如く、キー溝(33)が形成された車軸(31)の端部に位置しており、図12に示す如く、キー溝(33)と係止溝(14)との相対位置が車軸(31)の径方向に合致して形成される空間内に嵌入している。
この状態で、図2に示す駆動モータ(11)が駆動された場合、キー部材(21)は駆動軸(13)の係止溝(14)及び車軸(31)のキー溝(33)と係合しているので、駆動軸(13)からの動力は、キー部材(21)を介して車軸(31)に伝達され、これによって車輪(3)が回転することになる。
図13に示す如く、従来のクラッチ機構(5)においては、クラッチレバー(51)によって動力の断続を切り換えていたため、車輪が床マット等を巻き上げてしまった場合には、クラッチレバー(51)と床マットの接触により、クラッチ機構(5)の誤開放が発生する虞があった。
これに対し、本発明のクラッチ機構(2)によれば、車軸(31)の内部を軸方向に貫通するスライド軸(22)を車軸(31)に沿って往復移動させることにより、駆動軸(13)から車軸(31)への動力の伝達を断続させることが出来、該スライド軸(22)の往復移動は、ノブ(23)の回転に応じて行なわれる。ノブ(23)は、ねじ機構によって車輪(3)の側部に連結されており、車輪(3)が床マット等を巻き上げたとしても、床マット等にノブ(23)が接触することがないので、クラッチの誤開放が発生することはない。
又、本発明のクラッチ機構(2)によれば、キー部材(21)及びスライド軸(22)が車軸(31)に内装されているので、ギアボックスの小型化を図ることが出来る。これに加えて、駆動機構(1)側に複雑な動力伝達機構を設ける必要がないので、汎用のモータとギアボックスとを組み合わせて駆動機構(1)を構成することが出来る。汎用のギアボックスの駆動軸(13)には、一般的に、ピニオンギア等の取り付けのための係止溝(14)が形成されているので、該係止溝(14)を前記キー部材(21)との係合部として利用することも可能である。
更に、左右両輪にて同一構造のクラッチ機構(2)を用いたとしても、クラッチ機構(2)の断続を行なう際のノブ(23)の回転操作方向は、車輪(3)の側面に向かって左右両輪にて同一方向となるので、ノブ(23)の操作方向に不一致が生じることはない。
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、本実施例において、図2に示す如く、ノブ(23)と車輪(3)の側部とをねじ機構を介して連結し、該ねじ機構によって、ノブ(23)の回転運動をスライド軸(22)の軸方向の往復移動に変換することによりクラッチ機構(2)の断続を実現したが、これに限らず、ノブ(23)の回転運動を車軸(31)に沿うスライド軸(22)の軸方向の往復移動に変換することが可能な他の周知の変換機構によって、クラッチ機構(2)の断続を実現することも可能である。
又、ノブ(23)の動きは回転運動に限らず他の動きであってもよい。例えば、ノブ(23)を直進運動させ、この直進運動を車軸(31)に沿うスライド軸(22)の軸方向の往復移動に変換することが可能な変換機構によって、クラッチ機構(2)の断続を実現することも可能である。
本発明に係る電動運搬車の側面図である。 該電動運搬車のクラッチ機構及びその周辺部の構成を示す一部破断側面図である。 スライド軸及びノブの構成を示す一部破断側面図である。 該クラッチ機構及びその周辺部の構成を示す一部破断斜視図である。 該クラッチ機構のキー部材と車軸のキー溝との係合が解除された状態を示す一部破断斜視図である。 該クラッチ機構のキー部材と車軸のキー溝とが係合した状態を示す一部破断斜視図である。 該クラッチ機構のキー部材と車軸のキー溝との係合が解除された状態を示す断面図である。 図7のA−A線に沿う断面図である。 図7のB−B線に沿う断面図である。 該クラッチ機構のキー部材と車軸のキー溝とが係合した状態を示す断面図である。 図10のC−C線に沿う断面図である。 図10のD−D線に沿う断面図である。 従来のクラッチ機構の構成を示す側面図である。 従来のクラッチ機構の動力伝達状態を示す断面図である。 従来のクラッチ機構の動力遮断状態を示す断面図である。
符号の説明
(1) 駆動機構
(11) 駆動モータ
(12) ギアボックス
(13) 駆動軸
(14) 係止溝
(2) クラッチ機構
(21) キー部材
(22) スライド軸
(23) ノブ
(25) コイルスプリング
(3) 車輪
(31) 車軸
(33) キー溝
(34) 挿入孔
(4) 電動運搬車

Claims (6)

  1. 動力源と該動力源によって駆動される車輪(3)とを具えた車両に用いられ、動力源の駆動軸(13)から車輪(3)の車軸(31)へ至る動力伝達経路に介在するクラッチ機構において、
    前記車軸(31)の内部を軸方向に貫通して軸方向の往復移動と軸回りの回転が可能なスライド軸(22)と、該スライド軸(22)の一方の端部に設けられたノブ(23)とを具え、該スライド軸(22)の他方の端部には、前記駆動軸(13)との対向部に第1キー部が設けられると共に、前記車軸(31)の内周面に向けて第2キー部が突設され、前記駆動軸(13)には、前記第1キー部が駆動軸(13)に対する軸方向の相対移動が可能であって且つ駆動軸(13)を中心とする相対回転が不能に係合する係止溝(14)が凹設されると共に、前記車軸(31)の一方の端部の内周面には、前記スライド軸(22)の軸方向の往復移動に伴って前記第2キー部と係脱可能であって係合状態では車軸(31)とスライド軸(22)の相対回転を阻止するキー溝(33)が凹設され、前記ノブ(23)と車軸(31)の他方の端部との間には、ノブ(23)の運動をスライド軸(22)の軸方向の往復移動に変換する変換機構が配備されていることを特徴とするクラッチ機構。
  2. 前記ノブ(23)は、前記スライド軸(22)に対して相対回転させる操作が可能であり、前記変換機構はノブ(23)の回転運動をスライド軸(22)の軸方向の往復移動に変換する請求項1に記載のクラッチ機構。
  3. 前記スライド軸(22)の他方の端部には、該スライド軸(22)の径方向の外側に向けてキー部材(21)が突設され、該キー部材(21)の基端側に前記第1キー部が形成されると共に、キー部材(21)の先端側に前記第2キー部が形成されている請求項1又は請求項2に記載のクラッチ機構。
  4. 前記ノブ(23)と車軸(31)の他方の端部とは、ねじ機構により互いに連結され、該ねじ機構によって前記変換機構が構成され、前記スライド軸(22)とノブ(23)の間には、前記第2キー部をキー溝(33)に係合せしめる方向の付勢力を発揮する弾性部材が介在し、スライド軸(22)には、前記弾性部材を弾性復帰させる方向にノブ(23)が移動する過程で該ノブ(23)が当接すべき当接受け部が設けられている請求項1乃至請求項3の何れかに記載のクラッチ機構。
  5. 前記車軸(31)の一方の端部には、挿入孔(34)が開設されると共に、該挿入孔(34)に、前記駆動軸(13)の先端部が挿入されており、前記係止溝(14)は、駆動軸(13)の直径方向に深さを有すると共に、前記挿入孔(34)の内周面の少なくとも1箇所に、前記キー溝(33)が凹設され、前記キー部材(21)は、キー溝(33)と係止溝(14)との相対位置が車軸(31)の径方向に合致して形成される空間内に嵌入可能な形状を有している請求項3に記載のクラッチ機構。
  6. 動力源と、該動力源によって駆動される車輪(3)と、該動力源の駆動軸(13)から車輪(3)の車軸(31)へ至る動力伝達経路に介在するクラッチ機構(2)とを具えた移動体において、
    前記クラッチ機構(2)は、前記車軸(31)の内部を軸方向に貫通して軸方向の往復移動と軸回りの回転が可能なスライド軸(22)と、該スライド軸(22)の一方の端部に設けられて該スライド軸(22)に対して相対回転させる操作が可能なノブ(23)とを具え、該スライド軸(22)の他方の端部には、前記駆動軸(13)との対向部に第1キー部が設けられると共に、前記車軸(31)の内周面に向けて第2キー部が突設され、前記駆動軸(13)には、前記第1キー部が駆動軸(13)に対する軸方向の相対移動が可能であって且つ駆動軸(13)を中心とする相対回転が不能に係合する係止溝(14)が凹設されると共に、前記車軸(31)の一方の端部の内周面には、前記スライド軸(22)の軸方向の往復移動に伴って前記第2キー部と係脱可能であって係合状態では車軸(31)とスライド軸(22)の相対回転を阻止するキー溝(33)が凹設され、前記ノブ(23)と車軸(31)の他方の端部との間には、ノブ(23)の回転運動をスライド軸(22)の軸方向の往復移動に変換する変換機構が配備されていることを特徴とする移動体。
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