JP2006336520A - ローラの支持構造及びそれを用いた可変動弁装置 - Google Patents

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孝英 腰水
Yuji Yoshihara
裕二 吉原
Fuminori Hosoda
文典 細田
Yoshiaki Miyasato
佳明 宮里
Koki Yamaguchi
弘毅 山口
Shizuo Ishikawa
鎮夫 石川
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Abstract

【課題】軸孔の壁面での厚みが一様でないローラ支持部に対しローラ軸を、ローラの回転を妨げることなく強固にかしめ固定する。
【解決手段】可変動弁装置では、入力アームの本体部から突出する一対のローラ支持部66の各軸孔71にローラ軸67の端部を挿通し、その端面67Aにかしめ溝82を打刻することにより、同端部を径方向へ拡張変形させて軸孔71の壁面71Aに圧接させるとともに、カムに摺接するローラ69をローラ軸67上に回転自在に設けている。この可変動弁装置において、円弧状をなすかしめ溝82の両端部間の中間部が、軸孔71の壁面71Aでの厚みが最小となる箇所に位置するようにかしめ溝82を打刻することで、ローラ軸67の両端部について、ローラ支持部66の厚みの大きな箇所に対応する箇所での拡張変形量を、厚みの小さな箇所に対応する箇所での拡張変形量よりも多くする。
【選択図】 図13

Description

本発明は、揺動部材から突出する一対のローラ支持部に、ローラ軸によりローラを支持するローラの支持構造、及びそれを用いた内燃機関の可変動弁装置に関するものである。
内燃機関の動弁装置として、カムシャフトのカムの作用角や機関バルブの最大リフト量といったバルブ特性を機関運転状態に応じて変更する機能を付加したもの(可変動弁装置)が提案されている。
例えば特許文献1には、気筒毎に、気筒配列方向に一対の機関バルブが設けられた内燃機関を適用対象とする可変動弁装置が記載されている。この可変動弁装置は、図16及び図17に示すように、入力アーム101と、一対の出力アーム111と、相対位相差変更機構113とを備える。入力アーム101は、円筒状の本体部102及びカム入力部103を備える。カム入力部103は、本体部102の外周面から突出する一対のローラ支持部104と、両ローラ支持部104の軸孔105に両端部が挿通されてかしめ固定されたローラ軸106と、ローラ軸106上にニードル転動体107(図18参照)を介して設けられたローラ108とを備える。両出力アーム111,111は、入力アーム101の気筒配列方向(図16では紙面と直交する方向、図17では左右方向)についての両側に配置されており、ノーズ112を有する。
上記構成を有する可変動弁装置114によると、内燃機関の運転に伴いカムシャフト115が回転すると、そのカム116の回転がカム入力部103に伝達されて入力アーム101が上下に揺動する。この揺動が相対位相差変更機構113を通じて両出力アーム111に伝達されて、ノーズ112が上下に揺動する。このノーズ112の揺動がロッカーアーム117を介して両機関バルブ118に伝達されて、同機関バルブ118がバルブスプリング119に抗して押下げられて開弁する。また、相対位相差変更機構113により、入力アーム101及び出力アーム111の揺動方向についての相対位相差が機関運転状態に応じて変更され、機関バルブ118のバルブ特性が変更される。
上記可変動弁装置114では、入力アーム101及び両出力アーム111が、バルブピッチPに対応した幅におさまるように配置される。ここで、バルブピッチPは、同一気筒内において、気筒配列方向についての機関バルブ118の間隔である。上記制約を受けた各部材の配置により、ロッカーアーム117とカム入力部103のローラ支持部104とが接近する。そのため、入力アーム101及びロッカーアーム117が揺動する際、両者が接触(干渉)するおそれがある。ローラ支持部104において、ロッカーアーム117との接触の可能性のある箇所は、同ローラ支持部104の先端部であって、揺動方向についての下側部分(以下、箇所Aという)である。
一方、カム入力部103ではカム116による押下げ荷重がローラ108、ニードル転動体107及びローラ軸106を介して両ローラ支持部104に加わる。そのため、上記押下げ荷重に耐え得る強度が各ローラ支持部104の本体部102との接続部分、特に揺動方向についての上側部分(以下、箇所Bという)に必要となる。
そこで、上記両要求を満たすように、ローラ支持部104において、ロッカーアーム117と接触する可能性のある箇所Aについては厚みを小さくし、高い強度が必要な箇所Bについては厚みを大きくすることが考えられる。具体的には、図18に示すように、両ローラ支持部104の各内側面104Aについては、これを本体部102の外周面に直交するように形成する。また、両ローラ支持部104の各外側面104Bについては、それらの間隔が箇所Aで最小となり、箇所Bに近づくにつれて大きくなるように、本体部102の外周面に対し斜めに交差するように形成する。
ところで、ローラ軸106の上記かしめ固定に際しては、一般には、ローラ軸106の端面106Aに円環状のかしめ溝109を打刻することが行われる。この打刻により、ローラ軸106の両端部が径方向外方へ一様に拡張変形し、軸孔105の壁面に圧接してローラ支持部104に係止される。
また、ローラ軸のかしめ固定に関する技術としては、上記以外にも例えば特許文献2に記載されたものが挙げられる。この技術では、端面にテーパ状の座ぐり部を有するローラ軸と、先端にテーパ面を有するパンチとが用いられる。そして、ローラ軸の両端部がローラ支持部の軸孔に挿通され、パンチのテーパ面がローラ軸の座ぐり部端縁に当接させられる。この状態でパンチが押圧又は打圧されると、座ぐり部の端縁が径方向外方へ一様に拡張変形して軸孔の壁面に圧接する。
特開2001−263015号公報 実開平5−79104号公報
ところが、上述した一般的なかしめ固定に関する技術、及び特許文献2に記載されたかしめ固定に関する技術を、上記のようにローラ支持部104の厚みが箇所Aで最小となり、箇所Bに近づくに従い大きくなる可変動弁装置114のカム入力部103に適用すると、次の問題が新たに生ずる。これは、1つには、軸孔105の壁面に応じてローラ支持部104の厚みが異なる(本体部102に近づくに従い厚みが大きくなる)ことによる。また、ローラ軸106のかしめ固定に際し、かしめ溝109の打刻又はパンチの押圧等により、ローラ軸106の両端部が、その全周にわたり径方向外方へ一様に拡張変形することによる。
より詳しくは、ローラ軸106の両端部の拡張変形量、特に軸方向における変形量は、外部から加えられる力に応じて異なる。力が小さい場合には変形量は少ないが、加わる力が大きくなるに従い変形量が多くなる。この変形部分が軸孔105からローラ108側へ突出するとニードル転動体107を径方向外方へ押上げる。その結果、ニードル転動体107の回転が妨げられ、ローラ108がスムーズに回転しなくなる。そのため、かしめ固定に際しては、こうした不具合が生じないように拡張変形量を制限する必要がある。この点、上述したように、軸孔105の壁面を含めて、ローラ支持部104の厚みが箇所Bに近づくほど大きくなる。このことから、軸孔105の壁面について拡張変形部分が最も突出しやすい箇所である、厚みの最も小さい箇所でも突出しないように、同箇所を基準に、ローラ軸106に対し外部から加えられる力を調整することとなる。従って、加えられる力が小さく、それに伴い拡張変形量が少なくなり、ローラ軸106をローラ支持部104に強固にかしめ固定することが難しくなる。
こうした問題は上述した可変動弁装置に限らず、軸孔の壁面での厚みが一様でないローラ支持部にローラを支持するものであれば、同様に起こり得る。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、軸孔の壁面での厚みが一様でないローラ支持部に対しローラ軸を、ローラの回転を妨げることなく強固にかしめ固定することのできるローラの支持構造を提供するとともに、その支持構造を用いた可変動弁装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、揺動部材から突出する一対のローラ支持部の各軸孔にローラ軸を挿通し、同ローラ軸の端面にかしめ溝を打刻することにより、同ローラ軸の両端部を前記軸孔内で径方向外方へ拡張変形させて両軸孔の壁面に圧接させるとともに、カムに摺接するローラを前記ローラ軸上に回転自在に設けたローラの支持構造であって、前記軸孔の壁面での前記ローラ支持部の厚みが大きな箇所では、同厚みの小さな箇所よりも前記ローラ軸の拡張変形量が多くなるように前記かしめ溝が打刻されているとする。
上記構成を有するローラの支持構造では、ローラ軸の端面にかしめ溝が打刻されることにより、ローラ軸の両端部が径方向外方へ拡張変形される。この拡張変形部分が両軸孔の壁面に圧接することにより、ローラがローラ支持部にかしめ固定される。
ここで、拡張変形部分が軸孔からローラ側へ突出すると、ローラのスムーズな回転を妨げる。そのため、拡張変形が軸孔内で行われるようにかしめ溝が打刻される。この際、軸孔の壁面でのローラ支持部の厚みが一様でなく、しかも拡張変形量がローラ軸の外周面のどの箇所でも一様であるとすると、上記厚みの最小となる箇所を基準として、同箇所から拡張変形部分が突出しないように拡張変形量が制限される。こうすると、ローラのスムーズな回転が確保される反面、拡張変形量が少ないことから、ローラ軸のローラ支持部に対するかしめの強度が低くなる。
この点、請求項1に記載の発明では、軸孔の壁面でのローラ支持部の厚みが大きな箇所にあっては、その厚みの小さな箇所よりもローラ軸の端部における拡張変形量が多くなるようにかしめ溝が打刻される。従って、軸孔の壁面でのローラ支持部の厚みが大きな箇所では、上述した拡張変形量がローラ軸の全周にわたって一様である場合よりも拡張変形量が多くなり、その分、ローラ軸のローラ支持部に対するかしめの強度が高くなる。このように、請求項1に記載の発明によれば、軸孔の壁面での厚みが一様でないローラ支持部に対しローラ軸を、ローラの回転を妨げることなく強固にかしめ固定することが可能となる。
なお、軸孔の壁面でのローラ支持部の厚みが一様でない態様としては、例えば、請求項2に記載の発明によるように、ローラ支持部が、少なくとも軸孔の壁面の相対向する箇所で厚みが異なるように形成されている場合が挙げられる。
また、上記のように少なくとも軸孔の壁面の相対向する箇所でローラ支持部の厚みが異なる態様は、例えば、請求項3に記載の発明によるように、ローラ支持部が、揺動部材に近づくに従い厚みが大きくなるように形成されることにより実現される。また、同態様は、請求項4に記載の発明によるように、ローラ支持部が、揺動部材の揺動方向についてカムに近づくに従い厚みが大きくなるように形成されることにより実現される。
ここで、上記ローラの支持構造にあっては、カムによる押下げ荷重が、ローラ、ローラ軸及びローラ支持部を介して揺動部材に伝達される。そのため、この押下げ荷重に耐え得る強度がローラ支持部の揺動部材との接続部分であって、カム側の部分に要求される。
この点、請求項3に記載の発明では、上記のようにローラ支持部が、揺動部材に近づくに従い厚みが大きくなるように形成されている。また、請求項4に記載の発明では、上記のように、ローラ支持部が、揺動部材の揺動方向についてカムに近づくに従い厚みが大きくなるように形成されている。そのため、ローラ支持部の厚みが場所によらず一定である場合に比べ、必要な箇所の強度を、上記カムによる押下げ荷重に耐え得る大きさにすることが可能となる。
併せて、ローラ支持部において、上記カムによる押下げ荷重の作用する箇所から離れた箇所の側方近傍に他部品が配置されている場合には、同箇所でのローラ支持部の厚みが小さいため、同他部品との干渉を抑制することが可能となる。
請求項5に記載の発明では、請求項3又は4に記載の発明において、前記かしめ溝は円弧状をなしており、その両端部間の中間部が、前記軸孔の壁面での前記ローラ支持部の厚みが最小となる箇所に位置するように打刻されているとする。
ここで、円弧状のかしめ溝がローラ軸の端面に打刻された場合には、ローラ軸の端部においてかしめ溝に対応する部分、すなわちかしめ溝の近傍部分が径方向外方へ拡張変形する。ローラ軸の端部おいてかしめ溝の両端部間に対応する部分は拡張変形しない。
この点、請求項5に記載の発明では、円弧状のかしめ溝の両端部間の中間部が、軸孔の壁面でのローラ支持部の厚みが最小となる箇所に位置している。この厚みの最小となる箇所では、ローラ軸の両端部が拡張変形されないことから、拡張変形部分が軸孔から突出してローラのスムーズな回転を妨げるおそれがない。
この場合には、ローラ支持部の端部において、円弧状のかしめ溝に対応する部分が一様に拡張変形するものとすると、かしめ溝の端部に対応する箇所を基準として、同箇所から拡張変形部分が突出しないように拡張変形量が制限される。この基準となる箇所は、上述した軸孔の壁面でのローラ支持部の厚みの最小となる箇所よりも大きな厚みを有する。従って、その厚みの大きい分、拡張変形量を多くでき、ローラ軸のローラ支持部に対するかしめの強度を高めることが可能となる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1つに記載の発明において、前記ローラ軸及び前記ローラ間には、多数のニードル転動体が介在されているとする。
上記のように、ローラ軸及びローラ間にニードル転動体を介在させたローラの支持構造にあっては、請求項1〜5のいずれか1つに記載の発明によるようにかしめ溝を打刻してかしめ固定することにより、ローラ軸の両端部の拡張変形部分が軸孔からローラ側へ突出してニードル転動体の回転を妨げる不具合を抑制することができる。
請求項7に記載の発明は、列をなして配置された複数の気筒を有し、各気筒には気筒配列方向に配置された複数の機関バルブを有する内燃機関にあって、前記内燃機関のカムの回転がカム入力部を通じて伝達されて揺動する入力アームと、前記入力アームの前記気筒配列方向についての両側に揺動可能に配置された出力アームとを備え、前記入力アームの揺動を前記両出力アーム及びロッカーアームに伝達して前記機関バルブを駆動するとともに、それら入力アーム及び出力アームの揺動方向についての相対位相差を変更することにより、前記機関バルブの開閉に関わるバルブ特性を変更する可変動弁装置であり、前記入力アームの本体部から突出する一対のローラ支持部の各軸孔にローラ軸を挿通してかしめ固定し、前記カムに摺接するローラを前記ローラ軸上に設けることにより前記カム入力部を構成し、前記ローラ支持部について、前記本体部との接続部であって前記カム側の部分を含み、かつ前記入力アームの揺動に伴い前記ロッカーアームに対向しない箇所を、対向する箇所よりも厚く形成するとともに、前記本体部を前記揺動部材とし、さらに、請求項1〜6のいずれか1つに記載のローラの支持構造を用いて、前記ローラを前記両ローラ支持部に支持するものであるとする。
上記構成を有する可変動弁装置では、カム入力部のローラにカムの押下げ荷重が加わると、その押下げ荷重は、ローラ軸及びローラ支持部を介して入力アームの本体部に伝達される。この伝達により、本体部がローラ支持部等を伴って揺動する。この揺動が、入力アームの気筒配列方向についての両側に配置された出力アームに伝達され、同出力アームが揺動する。各出力アームの揺動はロッカーアームにより機関バルブに伝達される。この伝達により機関バルブが開弁する。こうした機関バルブの駆動中に、入力アーム及び出力アームの揺動方向についての相対位相差が変更されると、機関バルブのバルブ特性が変更される。
ところで、上記可変動弁装置では、入力アームの気筒配列方向についての両側に一対の出力アームを配置し、各出力アームの揺動をロッカーアームを介して機関バルブに伝達する構成を採っていることから、同入力アームにおけるカム入力部と両ロッカーアームとが接近する。この配置により、ロッカーアームのカム入力部との接触(干渉)が懸念される。
特に、内燃機関では各気筒の径(ボア径)が小さくなるに従い、気筒配列方向についての機関バルブの間隔(バルブピッチ)が小さくなる。このことから、バルブピッチの小さな小排気量の内燃機関では、上記バルブピッチに合わせてカム入力部とロッカーアームとを接近させる配置が採用されることとなり、上記の干渉が起こりやすくなる。
一方、カム入力部ではカムによる押下げ荷重がローラ、及びローラ軸を介して両ローラ支持部に伝達される。そのため、こうした押下げ荷重に耐え得る強度が両ローラ支持部の本体部との接続部分であって、カム側の部分に必要となる。
この点、請求項7に記載の発明では、ローラ支持部について、本体部との接続部であってカム側の部分を含み、かつ入力アームの揺動に伴いロッカーアームに対向しない箇所が対向する箇所よりも厚く形成されている。表現を変えると、ローラ支持部について、入力アームの揺動に伴いロッカーアームに対向する箇所(ロッカーアームとの干渉のおそれのある箇所)が薄く、対向しない箇所(干渉のおそれのない箇所)が厚く形成されている。この対向しない箇所には、ローラ支持部の本体部との接続部であって、ローラ側の部分が含まれる。このようにローラ支持部の厚みを部位に応じて異ならせることにより、ロッカーアームとの干渉を回避しつつ十分な強度を確保することができる。
また、上記のように部位に応じて厚みの異なるローラ支持部に、ローラ軸によりローラを支持する可変動弁装置では、ローラの支持構造が上述した請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の発明と同様の作用及び効果を奏する。すなわち、軸孔の壁面でのローラ支持部の厚みが大きな箇所にあっては、その厚みの小さな箇所よりもローラ軸の端部における拡張変形量が多くなるようにかしめ溝を打刻することで、軸孔の壁面での厚みが一様でないローラ支持部に対しローラ軸を、ローラの回転を妨げることなく強固にかしめ固定することが可能となる。
以下、本発明を、ローラの支持構造を用いた可変動弁装置に具体化した一実施形態について、図1〜図15を参照して説明する。
車両には、図1及び図2に示すように、多気筒ガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)11が内燃機関として搭載されている。エンジン11は、列をなして配置された複数の気筒(シリンダ)12を有するシリンダブロック13と、その上に取付けられたシリンダヘッド14とを備えている。各気筒12にはピストン15が往復動可能に収容されている。各ピストン15は、コネクティングロッド(図示略)を介し、出力軸であるクランクシャフト16(図2参照)に連結されている。各ピストン15の往復運動は、コネクティングロッドによって回転運動に変換された後、クランクシャフト16に伝達される。
各気筒12においてピストン15よりも上側の空間は燃焼室17となっている。シリンダヘッド14には、吸気通路の一部をなす吸気ポート18と、排気通路の一部をなす排気ポート19とが、気筒12毎に気筒配列方向(図1では紙面と直交する方向、図2では左右方向)に一対ずつ設けられている。これらの吸・排気ポート18,19は、シリンダヘッド14の下面において燃焼室17に面して開口している。
シリンダヘッド14には、各吸気ポート18を開閉する吸気バルブ21と、各排気ポート19を開閉する排気バルブ22とが、それぞれ機関バルブとして設けられている。吸・排気バルブ21,22の各上端部にはリテーナ24が装着されている。各リテーナ24とシリンダヘッド14との間であって吸・排気バルブ21,22の周りにはバルブスプリング25が配置されている。吸・排気バルブ21,22は、いずれもバルブスプリング25によって、吸・排気ポート18,19を閉鎖する方向(閉弁方向、図1のほぼ上方)へ付勢されている。
シリンダヘッド14には、上記バルブスプリング25等に抗して、吸・排気ポート18,19を開放させる方向(開弁方向、図1のほぼ下方)へ吸・排気バルブ21,22をリフトさせるための動弁装置がそれぞれ設けられている。各動弁装置について説明すると、シリンダヘッド14における吸気バルブ21のほぼ上方には、吸気カム27を有する吸気カムシャフト28が支持壁部29(図2参照)により回転可能に支持されている。同様に、シリンダヘッド14における排気バルブ22のほぼ上方には、排気カム31を有する排気カムシャフト32が回転可能に支持されている。
吸・排気カムシャフト28,32は、タイミングチェーン33、スプロケット(図示略)等によりクランクシャフト16に駆動連結されている。そして、クランクシャフト16の回転がタイミングチェーン33等を介して吸・排気カムシャフト28,32に伝達される。
吸・排気カムシャフト28,32の回転を吸・排気バルブ21,22に伝達するために、吸・排気カム27,31と吸・排気バルブ21,22の各上端部との間にはロッカーアーム34,35が揺動可能に配置されている。ロッカーアーム34,35は基本的には同様の構成を採っている。そのため、ここでは、排気側(排気カム31及び排気バルブ22間)のロッカーアーム35について説明する。
図3(A),(B)に示すように、ロッカーアーム35の骨格をなすアーム本体36は、一対の側壁部37と、連結壁部38とを備えて構成されている。
連結壁部38は、上記両側壁部37の上縁をつないでいる。連結壁部38の長手方向についての中間部分には窓部39が開口している。また、両側壁部37の長手方向における中間部分には支軸42が掛け渡されており、この支軸42によりローラ43がアーム本体36に支持されている。ローラ43の外周部分の一部は、窓部39から上方へ露出している。そして、このローラ43の露出部分に対し、排気カム31が直接接触している。
連結壁部38の長手方向についての一方(図3(A)の左方)の端部下面はバルブ接触部44を構成しており、ロッカーアーム35はバルブ接触部44において排気バルブ22の上端部に接触している。また、連結壁部38の長手方向についての他方(図3(A)の右方)の端部下面にはほぼ半球状の凹部が設けられており、この凹部の壁面がアジャスタ接触部45を構成している。ロッカーアーム35はアジャスタ接触部45においてラッシュアジャスタ46に接触している。ラッシュアジャスタ46は、アーム本体36を支持するとともに、その支持位置を調整するためのものである。ラッシュアジャスタ46は、シリンダヘッド14に固定されたボディ47と、プランジャスプリングの圧縮反力や油圧によってボディ47から突出する方向へ付勢されたプランジャ48とを備える。このプランジャ48がアジャスタ接触部45に接触している。
図1に示すように、上記排気バルブ22との接触、及びラッシュアジャスタ46との接触により、バルブスプリング25の圧縮反力が排気バルブ22及びバルブ接触部44を通じてロッカーアーム35に伝達されるとともに、ラッシュアジャスタ46の押上げ力がアジャスタ接触部45を通じてロッカーアーム35に伝達される。両伝達によりロッカーアーム35が押上げられ、ローラ43が排気カム31に接触している。そして、排気カムシャフト32が回転すると、プランジャ48を支点としてロッカーアーム35が下方へ揺動する。この揺動により排気バルブ22がバルブスプリング25等に抗して押下げられ、排気ポート19が開放された状態(開弁状態)となる。
吸気通路には、吸気ポート18へ向けて燃料を噴射する燃料噴射弁(図示略)が各気筒12に対応して取付けられている。噴射された燃料は、吸気ポート18を通って燃焼室17内に導入される吸入空気と混ざり合って混合気となる。なお、吸気ポート18を介さずに燃料噴射弁から燃料を燃焼室17に直接噴射するようにしてもよい。
シリンダヘッド14には、点火プラグ51が各気筒12に対応して取付けられている。そして、前記混合気は点火プラグ51の電気火花によって着火され、燃焼する。このときに生じた高温高圧の燃焼ガスによりピストン15が往復動され、クランクシャフト16が回転されて、エンジン11の駆動力(出力トルク)が得られる。燃焼ガスは排気ポート19を通じて排気通路へ排出される。
図1及び図2に示すように、吸気カムシャフト28とそのスプロケットとの間にはバルブタイミング可変装置52が設けられている。同可変装置52は、クランクシャフト16に対する吸気カムシャフト28の相対回転位相を変化させることにより、吸気バルブ21のバルブタイミングをクランク角(クランクシャフト16の回転角)に対して変更するための装置である。吸気バルブ21のバルブタイミングは、例えば、図4に示すように吸気バルブ21の開弁時期IVO及び閉弁時期IVCで表すことができる。バルブタイミングは、吸気バルブ21の開弁期間(開弁時期IVOから閉弁時期IVCまでの期間)が一定に保持された状態で進角又は遅角させられる。なお、図4中のEVO,EVCは排気バルブ22の開弁時期及び閉弁時期である。
また、シリンダヘッド14では、図1に示すように吸気カム27がロッカーアーム34のローラ43に直接接触せず、バルブ特性可変装置53を介して間接的に同ローラ43に接触する。同可変装置53は、機関バルブの作用角及び最大バルブリフト量をバルブ特性として、これらの少なくとも一方を変更するための装置である。本実施形態では、このバルブ特性可変装置53が、吸気バルブ21の作用角及び最大リフト量を変更するために用いられている。ここで、吸気バルブ21の作用角とは、図5に示すように、吸気カム27の回転(図5ではクランク角で表現)について、吸気バルブ21の開弁時期IVOから閉弁時期IVCまでの角度範囲である。また、最大リフト量は、吸気バルブ21が開弁時において可動範囲の最も下方まで移動(リフト)したときの同吸気バルブ21の移動量である。これらの作用角及び最大リフト量は、バルブ特性可変装置53によって互いに同期して変化させられ、例えば、作用角が小さくなるほど最大リフト量も小さくなる。作用角が小さくなるに従い、吸気バルブ21の開弁時期IVOと閉弁時期IVCとが互いに近寄り、開弁期間が短くなって、1気筒当りの吸入空気量が少なくなる。このように、吸気バルブ21の動弁装置はバルブ特性を変更する機能を有する可変動弁装置となっている。これに対し、排気バルブ22の動弁装置については、上述したバルブタイミング可変装置52及びバルブ特性可変装置53は設けられていない。
図2に示すように、バルブ特性可変装置53は、気筒12毎の仲介駆動機構54を備えるほか、すべての仲介駆動機構54にそれぞれ共通の支持パイプ55、コントロールシャフト56及びアクチュエータ57を備える。
支持パイプ55は気筒配列方向へ延び、前述した支持壁部29に固定されている。なお、この気筒配列方向について、区別する必要のある場合には矢印X方向又は矢印Y方向というものとする。矢印X方向は、前述したタイミングチェーン33に近づく方向であり、吸気カム27の作用角を小さくする方向である。また、矢印Y方向はタイミングチェーン33から遠ざかる方向であり、上記作用角を大きくする方向である。前記固定により、支持パイプ55は気筒配列方向への移動が不能であり、しかも回転不能である。コントロールシャフト56は支持パイプ55内に挿通されている。アクチュエータ57は電動モータと、この電動モータの回転を直線運動に変換してコントロールシャフト56に伝達する変換機構とを備えている。そして、この直線運動の伝達により、コントロールシャフト56が気筒配列方向へ往復駆動される。
各仲介駆動機構54は、図6〜図8に示すように、入力アーム61と、その入力アーム61の気筒配列方向についての両側に配置された一対の出力アーム62,63とを備えている。仲介駆動機構54毎の入力アーム61及び両出力アーム62,63は支持壁部29,29間に配置されており、気筒配列方向への変位が両支持壁部29,29によって規制されている(図8参照)。
入力アーム61は、両端が開放されたほぼ円筒状をなす揺動部材としての本体部64と、カム入力部65とを備えている。カム入力部65は、一対のローラ支持部66,66、ローラ軸67、多数本のニードル転動体68(図13参照)、及びローラ69を備えている。両ローラ支持部66,66は、本体部64の外周面から径方向外方へ突出しており、先端部分に軸孔71を有している。ローラ軸67の両端部は、軸孔71に挿通されてかしめ固定されている。ローラ69は、両ローラ支持部66,66間においてローラ軸67上に設けられている。ニードル転動体68は、ローラ軸67及びローラ69間であって、ローラ軸67の周りに配置されている。このようにしてローラ69は、ローラ軸67及びニードル転動体68により両ローラ支持部66,66に回転自在に支持されている。
一方、各出力アーム62,63は、いずれもベース円部72と、そのベース円部72の外周面から突出するノーズ73とを備えている。各ノーズ73は、凹状に湾曲するカム面73Aを有する。
支持パイプ55と、入・出力アーム61〜63との間には、動力伝達用のスライダギヤ74が配置されている。スライダギヤ74は、支持パイプ55上に回動可能かつ気筒配列方向への変位可能に支持されている。支持パイプ55の外側のスライダギヤ74を同支持パイプ55内のコントロールシャフト56に動力伝達可能に連結するために、同スライダギヤ74の内壁には、周方向に延びる周溝75が形成されている。また、支持パイプ55において、隣合う支持壁部29,29によって挟まれた箇所には、気筒配列方向へ延びる長孔76が形成されている。これらの周溝75及び長孔76の交わる箇所には係止ピン77が配置され、その内端部(図8の下端部)がコントロールシャフト56に圧入されている。また、周溝75内に位置する係止ピン77の外端部(図8の上端部)にはブッシュ78が係止されている。
従って、前述したように支持パイプ55がシリンダヘッド14(支持壁部29)に固定されているが、コントロールシャフト56の気筒配列方向への移動に伴い、係止ピン77が支持パイプ55の長孔76内を移動することで、ブッシュ78及び係止ピン77を介してスライダギヤ74を気筒配列方向へ変位させることが可能である。さらに、スライダギヤ74自体は、周方向へ延びる周溝75にて係止ピン77の外端部及びブッシュ78に係合されていることから、それらの係止ピン77及びブッシュ78にて気筒配列方向の位置は決定されるが、軸周りについては回動可能である。
入力アーム61及びスライダギヤ74間で動力を伝達するために、入力アーム61の内周面には、出力アーム62側ほど時計回り方向へねじれたヘリカルスプライン61Aが形成されている。これに対応して図7に示すように、スライダギヤ74の外周面の気筒配列方向における中間部分には、同方向へねじれたヘリカルスプライン74Aが形成され、これが前述したヘリカルスプライン61Aに噛合されている。
また、各出力アーム62,63及びスライダギヤ74間で動力を伝達するために、各出力アーム62,63の内周面には、前記入力アーム61のヘリカルスプライン61Aとは逆方向、すなわち入力アーム61から出力アーム62側へ離れるほど反時計回り方向へねじれたヘリカルスプライン62B,63Cが形成されている。これに対応して、スライダギヤ74の外周面の気筒配列方向における両端部には同方向へねじれたヘリカルスプライン74B,74Cが形成され、これらが前記ヘリカルスプライン62B,63Cに噛合されている。
このように、ヘリカルスプライン61A,74Aと、ヘリカルスプライン62B,63C,74B,74Cとは逆方向へねじれている。そのため、コントロールシャフト56の気筒配列方向の移動に連動してスライダギヤ74が同方向へ変位しながら回転することにより、入力アーム61と各出力アーム62,63とに対し互いに逆方向のねじり力が付与され、入力アーム61及び出力アーム62,63の相対位相差が変化する。また、前記ヘリカルスプライン(61A,62B,63C),(74A,74B,74C)のねじれ方向の設定により、入・出力アーム61〜63の相対位相差は、スライダギヤ74が矢印X方向(作用角を小さくする方向)へ変位するに従い小さくなる。
図9(A)に示すように、各仲介駆動機構54のローラ69は吸気カム27に接触しており、吸気カムシャフト28の回転に伴い吸気カム27によるほぼ下向きの力(押下げ荷重)がカム入力部65のローラ69に加えられる。
一方、上述したロッカーアーム34のローラ43は、出力アーム62,63のベース円部72の下方に位置している。そして、ロッカーアーム34は、そのバルブ接触部44において吸気バルブ21の上端部に接触し、アジャスタ接触部45においてラッシュアジャスタ46のプランジャ48に接触している。これらの接触により、バルブスプリング25の圧縮反力が吸気バルブ21を介してバルブ接触部44に伝達されるとともに、ラッシュアジャスタ46の押上げ力がアジャスタ接触部45に伝達される。両伝達によりロッカーアーム34が押上げられ、ローラ43が出力アーム62,63のベース円部72又はノーズ73に接触している。
なお、図9(A)中の79は、入力アーム61の外周面に設けられた突片である。また、同図中の81は、上記突片79を通じて、吸気カム27の押下げによる入力アーム61の揺動方向とは逆方向(図9(A)の反時計回り方向)へ同入力アーム61を付勢するロストモーションスプリングである。ロストモーションスプリング81は、ローラ43がベース円部72に接触して、バルブスプリング25の圧縮反力等による回転付勢力(ローラ支持部66を図9(A)の反時計回り方向へ回転させようとする力)が非常に小さくなった場合にも、ローラ69を吸気カム27に確実に押付けて、ローラ69が吸気カム27から離れる不具合を抑制する。
従って、上記の構成を有するエンジン11では、排気カムシャフト32が回転すると、その回転が対応するロッカーアーム35を介して排気バルブ22に伝達される。この伝達により、排気バルブ22がバルブスプリング25に抗して押下げられて開弁する。
また、吸気カムシャフト28が回転すると、その回転がバルブ特性可変装置53を通じて吸気バルブ21に伝達される。この際、バルブ特性可変装置53では、アクチュエータ57によってコントロールシャフト56が駆動されなければ、吸気カムシャフト28の吸気カム27の回転に伴い入力アーム61が、コントロールシャフト56を支点として揺動する。この揺動はスライダギヤ74を介して出力アーム62,63に伝達され、同出力アーム62,63が揺動する。これらの揺動する出力アーム62,63によって、対応するロッカーアーム34が揺動させられ、吸気バルブ21がバルブスプリング25に抗して押下げられて開弁する。
例えば、図9(A),(B)は、アクチュエータ57によってコントロールシャフト56を図2の矢印Y方向へ最大量移動させたときの仲介駆動機構54の状態を示している。スライダギヤ74が可動範囲における矢印Y方向の端に位置している。このときには、入力アーム61と各出力アーム62,63との相対位相差が最大となり、吸気カム27の作用角が最大となっている。
特に、図9(A)は、吸気カム27がそのベース円部27Aにおいて、仲介駆動機構54のローラ69に接触した状態を示している。この状態では、両出力アーム62,63のベース円部72においてノーズ73に近い部分がロッカーアーム34のローラ43に接触している。このため、吸気バルブ21は閉弁状態(リフト量が「0」)となる。
吸気カムシャフト28が矢印で示す方向へ回転すると、仲介駆動機構54では、吸気カム27のノーズ27Bによってローラ69が押下げられて、入力アーム61が下方へ揺動する。この揺動がスライダギヤ74を介して各出力アーム62,63に伝達されて、同出力アーム62,63が下方へ揺動する。これらの揺動により、ノーズ73のカム面73Aが直ちにロッカーアーム34のローラ43に接触して、図9(B)に示すように、カム面73Aのほぼ全範囲を使用してローラ43を押下げる。この押下げにより、ロッカーアーム34がプランジャ48を支点として下方へ揺動し、バルブ接触部44が吸気バルブ21を大きく押下げ、同吸気バルブ21を大きく開弁させる。最大リフト量が最も大きくなり、吸気ポート18から燃焼室17に流入する空気の量が最大となる。
バルブ特性の変更に際し、アクチュエータ57によってコントロールシャフト56を図2の矢印X方向へ移動させると、その動きが支持パイプ55の外のスライダギヤ74に伝達されて、同スライダギヤ74が回転しながら同方向へ変位する。スライダギヤ74の回転により入力アーム61及び各出力アーム62,63に対し互いに逆方向のねじり力が付与され、図9(A),(B)において二点鎖線で示すように、入力アーム61及び各出力アーム62,63の相対位相差が変化する。この相対位相差は、スライダギヤ74の矢印X方向への変位量が大きくなるほど小さくなる。
吸気カム27のベース円部27Aが、仲介駆動機構54のローラ69に接触するときに、出力アーム62,63のベース円部72についてロッカーアーム34のローラ43との接触箇所がノーズ73から遠ざかる。このため、出力アーム62,63が揺動しても、しばらくはロッカーアーム34のローラ43はノーズ73のカム面73Aに接触することなくベース円部72に接触し続ける。
その後、カム面73Aがローラ43を押下げて、プランジャ48を支点としてロッカーアーム34を下方へ揺動させるが、ローラ43が当初、ノーズ73から離れている分、カム面73Aの使用範囲が少なくなる。その結果、ロッカーアーム34の揺動角度が小さくなり、作用角が小さくなる。こうして、吸気バルブ21は最大時よりも小さな作用角にて吸気ポート18を開放状態にする。吸気バルブ21の開弁に伴い吸気ポート18から燃焼室17に流入する空気量は、スライダギヤ74の矢印X方向への変位量に応じて少なくなる。
このように、アクチュエータ57によってコントロールシャフト56を通じてスライダギヤ74の位置を調整することにより、上述した図5に示すように、吸気カム27の作用角及び吸気バルブ21の最大リフト量を連続的に調整することが可能である。
ところで、図10及び図11に示すように、入力アーム61の気筒配列方向についての両側に一対の出力アーム62,63を配置する仲介駆動機構54では、入力アーム61及び両出力アーム62,63が、同一気筒12内の吸気バルブ21,21の間隔であるバルブピッチPに対応した幅におさまるように配置される。そのため、上記制約を受けた各部材の配置により、吸気バルブ21の可変動弁装置では、ロッカーアーム34の側壁部37がカム入力部65のローラ支持部66に接近する。このため、カム入力部65及びロッカーアーム34が揺動する際に、ローラ支持部66と側壁部37とが互いに接触(干渉)する懸念がある。ローラ支持部66について、この干渉の可能性のある部分(以下、箇所Aという)は、入力アーム61の揺動に伴いロッカーアーム34に対向する箇所である。より具体的には図12に示すように、ローラ支持部66の本体部64からの突出方向については、その中間部分から先端部にかけての箇所である。また、ローラ支持部66の揺動方向については、その中間部分から下端部にかけての箇所である。
上記干渉の問題に対しては、図13に示すように、各ローラ支持部66の内側面66Aの位置を変えずに、同ローラ支持部66の厚みを小さくすること、すなわち、外側面66Bを二点鎖線で示すように内側面66Aに近づけることで対処可能である。外側面66Bが内側面66Aに近づく分、各ローラ支持部66と側壁部37との間隔D1(図10参照)が大きくなり干渉が抑制される。
一方、図12に示すように、カム入力部65では吸気カム27による押下げ荷重がローラ69、ローラ軸67及び両ローラ支持部66,66を介して本体部64に伝わる。そのため、この荷重に耐え得る強度が、各ローラ支持部66について本体部64との接続部であって吸気カム27側の部分(図12の上側部分、以下、箇所Bという)に必要となる。
この点、上記のように、側壁部37との干渉を回避するために、ローラ支持部66,66の厚みを一律に薄くすると、上記の強度を確保することが難しい。
ここで、各ローラ支持部66において、ロッカーアーム34との干渉の可能性のある箇所Aと、高い強度が要求される箇所Bとは重複していない。すなわち、箇所Aでは、ロッカーアーム34との干渉のおそれがあるが、箇所Bほど高い強度が要求されない。また、箇所Bは高い強度が要求されるが、入力アーム61の揺動に伴いロッカーアーム34に対向しないことから、同ロッカーアーム34との干渉のおそれがない。さらに、各ローラ支持部66において両箇所A,Bは比較的大きく離間している。そこで、ロッカーアーム34との干渉を回避しつつ必要な強度を確保するために、箇所Aの厚みを小さくし箇所Bの厚みを大きくすることが考えられる。
この条件を満たすよう、各ローラ支持部66は、先端部の下側部分(箇所A)において厚みが最小となり、本体部64との接続部の上側部分(箇所B)において厚みが最大となるように形成されている。それ以外の箇所については、箇所Aから箇所Bに向けて厚みが徐々に大きくなるように各ローラ支持部66が形成されている。これを実現するために、本実施形態では、図13に示すように、各ローラ支持部66の内側面66Aは本体部64の外周面に直交した状態で形成されている。従って、両内側面66A,66A間の間隔D2は、各ローラ支持部66の突出方向のどの箇所でも同一である。これに対し、各ローラ支持部66の外側面66Bは、本体部64に近づくに従い両外側面66B,66B間の間隔D3が大きくなるように、本体部64の外周面に対し斜めに交差した状態で形成されている。
これに伴い、軸孔71の壁面71Aでのローラ支持部66の厚みは、その壁面71Aの位置に応じて異なる。この厚みは、箇所Aに近い部分で小さく、箇所Bに近づくに従い大きくなる。
また、ローラ軸67の両端部が軸孔71に挿通されてかしめ固定されていることについては先述した通りであるが、本実施形態では、このかしめ固定が、ローラ軸67の端面67Aにかしめ溝82を打刻することにより形成されている。このかしめ溝82の打刻は、図14(A),(B)に示すかしめパンチ83を用いて行われる。かしめパンチ83は、その端部に、円弧状(C形状)の打刻部84を有している。
上記かしめパンチ83を用いたかしめ溝82の打刻に際しては、かしめパンチ83の端面において打刻部84の両端部84B,84B間の中間部83Aが、壁面71Aでのローラ支持部66の厚みの最も小さな箇所に位置するように位置合わせされる。また、打刻部84の中心がローラ軸67の軸線に合致、又はほぼ合致させられる。この状態で打刻部84がローラ軸67の端面67Aに押付けられ、軸方向へ圧入される。
この圧入により、ローラ軸67の端面67Aにおいて上記打刻部84の圧入部分に対応する箇所が窪み、打刻部84に対応する形状、すなわち、円弧状(C形状)を有するかしめ溝82が同端面67Aに形成(打刻)される。この形成に伴い、ローラ軸67の端部においてかしめ溝82の周りの部分が径方向外方へ拡張変形する。
ここで、図15(A),(B)は、軸孔71の開口部、及びローラ軸67の端面67Aについて、打刻部84の圧入前後の状態を示している。圧入前には、図15(A)に示すように、軸孔71の開口部、及びローラ軸67の端面67Aはともに円形であり、両者の間には円環状の間隙が生じている。これに対し、圧入後には、図15(B)に示すように、ローラ軸67の両端部においてかしめ溝82の周りの部分が、径方向外方へ一様に拡張変形する。これに対し、かしめ溝82の両端部82B,82B間に対応する部分は拡張変形しない。この拡張変形しない箇所はローラ軸67の両端部のうち箇所A側の部分であり、この部分では壁面71Aでのローラ支持部66の厚みが小さい。さらに、かしめ溝82の両端部82B,82B間の中間部82Aは、軸孔71の壁面71Aでのローラ支持部66の厚みが最小となる箇所に位置している。
ローラ軸67の両端部の拡張変形した部分(拡張変形部分85)は壁面71Aに圧接し、その反力により、拡張変形していない部分が、壁面71Aの対応する部分(図15(B)のほぼ下側部分)に圧接する。これらの圧接により、ローラ軸67が軸孔71の壁面71Aに対し軸方向への移動不能に係止される。
また、壁面71Aにおいて拡張変形部分85が圧接した部分も変形する。壁面71Aにおいて、拡張変形部分85が圧接しない箇所、すなわち、かしめ溝82の両端部82B,82B間に対応する箇所はほとんど変形しない。従って、これらの変形の程度の相違により、ローラ軸67の両端部及び軸孔71の断面形状が非円形となり、ローラ軸67が軸孔71の壁面71Aに対し周方向に移動不能(回転不能)に係止される(図15(B)参照)。
ところで、ローラ軸67の両端部のかしめ固定に際し、仮にかしめ溝82の打刻による拡張変形部分85が適正な大きさよりも大きく、軸孔71からローラ69側へ突出してニードル転動体68に達すると、その拡張変形部分85がニードル転動体68を径方向外方へ押上げる。ニードル転動体68をローラ69の内周面に押付けて、それらニードル転動体68やローラ69のスムーズな回転を妨げるおそれがある。こうした不具合が起こらないようにするためには、拡張変形部分85が上記内側面66Aから突出しないようにする必要がある。ただし、拡張変形量が少なくなると、それに伴ってかしめ(係止)の強度も低下する。そのため、ニードル転動体68やローラ69の回転を妨げることなく、ローラ軸67をローラ支持部66に強固に係止する観点からは、拡張変形部分85が軸孔71から突出しない範囲でできるだけ大きくなることが望ましい。
そこで、本実施形態では、壁面71Aにおいて拡張変形部分85が圧接する部分のうち、ローラ支持部66の厚みが最小となる箇所、すなわち、かしめ溝82の端部82Bに対応する箇所が基準とされている。そして、その基準箇所でのローラ軸67の拡張変形部分85がローラ支持部66の内側面66Aから突出せず、かつその内側面66Aの近傍に位置するようにかしめ溝82が打刻されている。
上記のように構成された可変動弁装置では、図12に示すように、吸気カム27によるほぼ下向きの力(押下げ荷重)が、カム入力部65のローラ69、ニードル転動体68、ローラ軸67及び各ローラ支持部66を介して本体部64に伝達されて、カム入力部65を含む入力アーム61が下方へ揺動される。ここで、両ローラ支持部66,66の外側面66Bは、両外側面66B,66B間の間隔D3が本体部64に近づくに従い大きくなるように、本体部64の外周面に対し斜めに交差していて、各ローラ支持部66の箇所Bが他の箇所よりも大きな厚みを有している。こうした厚肉化により箇所Bの強度が高くなっている。そのため、ローラ支持部66は上記吸気カム27による押下げ荷重に十分耐える。
また、上記可変動弁装置では、入力アーム61及びロッカーアーム34が揺動する際に、ローラ支持部66における箇所Aとロッカーアーム34の側壁部37とが対向する。ここで、上述したように外側面66Bが斜めに形成されることで、箇所Aでは、各ローラ支持部66と側壁部37との間隔D1が大きくなっている。このため、両者が互いに接触して干渉することが抑制される。
また、可変動弁装置では、上記押下げ荷重の伝達に際し、吸気カム27に摺接するローラ69及びニードル転動体68がローラ軸67を中心として回転する。ここで、カム入力部65において、拡張変形部分85が軸孔71からローラ69側へ突出すると、ニードル転動体68及びローラ69のスムーズな回転を妨げる。そのため、拡張変形が軸孔71内で行われるようにかしめ溝82が打刻される。
この点、本実施形態では、かしめ溝82を円弧状(C形状)とされ、このかしめ溝82の両端部82B,82B間の中間部83Aが、壁面71Aでのローラ支持部66の厚みの最も小さい箇所に位置している。ローラ軸67の端部において、両端部82B,82B間に対応する箇所では拡張変形が生じていない。そのため、この箇所については、拡張変形部分85が軸孔71から突出することはない。
また、本実施形態では、ローラ軸67においてかしめ溝82の端部82Bに対応する箇所が基準とされ、拡張変形部分85が軸孔71の対応する箇所から突出しない範囲でできるだけ大きくなるようにかしめ溝82が打刻されている。この対応する箇所は、軸孔71の壁面71Aにおいてローラ軸67の拡張変形部分85が圧接する箇所のうち、ローラ支持部66の厚みが最も小さくなる箇所である。そのため、ローラ軸67の端部において、円弧状のかしめ溝82に対応する部分が一様に拡張変形するものとすると、この厚みの小さな箇所で拡張変形部分85が軸孔71から突出しなければ、壁面71Aにおいてローラ軸67の拡張変形部分85が圧接する箇所のうち他の箇所では拡張変形部分85が軸孔71から突出することがない。
このように、ローラ軸67の端部において、かしめ溝82の両端部82B,82B間に対応する箇所でも、かしめ溝82に対応する箇所でも拡張変形部分85が軸孔71から突出しない。そのため、拡張変形部分85が軸孔71から突出することによる不具合、すなわち、ニードル転動体68を径方向外方へ押上げ、ニードル転動体68、ひいてはローラ69の回転を妨げることがない。
また、壁面71Aにおいて上記基準となる箇所は、同壁面71Aでのローラ支持部66の厚みの最小となる箇所、すなわち、上記中間部82Aに対応する箇所よりも大きな厚みを有する。従って、その厚みの大きい分、拡張変形量を多くすることができ、この場合にはローラ軸67のローラ支持部66に対するかしめの強度が高められる。
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)各ローラ支持部66を、本体部64との接続部の上側部分(箇所B)において厚みが最大となり、先端部の下側部分(箇所A)において厚みが最小となり、それ以外の箇所については、箇所Aから箇所Bに向けて徐々に厚みが大きくなるように形成している。
上記のように各ローラ支持部66の箇所Aの厚みを小さくすることで、各ローラ支持部66と側壁部37との間隔D1を大きくし、ロッカーアーム34の側壁部37との干渉を回避することができる。また、各ローラ支持部66の箇所Bの厚みを大きくすることで十分な強度を確保し、吸気カム27による荷重に耐え得るようにすることができる。このように、ローラ支持部66,66の厚みを部位に応じて異ならせることにより、ロッカーアーム34との干渉回避と、強度確保との両立を図ることができる。
(2)また、間隔D1の上記拡大により、ロッカーアーム34をローラ支持部66に接近させて配置することが可能となり、バルブピッチPの小さな小排気量のエンジンにも本実施形態の可変動弁装置を適用することが可能となる。
(3)上記(1)に付随して、ローラ支持部66の形状を変更するのみでロッカーアーム34との干渉を抑制できるため、ロッカーアーム34の形状等に関しては特に変更をしなくてもすむ。
(4)かしめ溝82を円弧状(C形状)としている。このため、ローラ軸67の両端部の断面形状、及び軸孔71の壁面71Aの形状を非円形とすることでき、ローラ軸67の両端部を壁面71Aに回転不能に、かつ軸方向への移動不能に強固にかしめ固定することができる。
(5)C形状をなすかしめ溝82を、その両端部82B,82B間の中間部83Aが、壁面71Aでのローラ支持部66の厚みの最も小さい箇所に位置するように打刻している。そのため、ローラ軸67の端部において、かしめ溝82の両端部82B,82B間に対応する箇所、すなわち、壁面71Aでのローラ支持部66の厚みがほぼ最小となる箇所では、拡張変形部分85が軸孔71からローラ69側へ突出するのを確実に抑制することができる。
(6)かしめ溝82の端部82Bに対応する箇所での拡張変形部分85が軸孔71から突出しないようにかしめ溝82を打刻している。そのため、かしめ溝82について両端部はもちろんのこと、それ以外の箇所に対応する拡張変形部分85が軸孔71から突出するのを確実に抑制することができる。
(7)上記(5),(6)で説明したように、かしめ溝82に対応する箇所でも、対応しない箇所(かしめ溝82の両端部82B,82B間に対応する箇所)でも、拡張変形部分85が軸孔71からローラ69側へ突出しないようにすることで、ニードル転動体68及びローラ69のスムーズな回転を確保することができる。
(8)上記(6)に関連するが、軸孔71の壁面71Aにおいてかしめ溝82の端部82Bに対応する箇所を基準とし、この基準箇所における拡張変形部分85が軸孔71から突出しない範囲でできるだけ大きくなるように、かしめ溝82を打刻している。
従って、ローラ軸67の端部をその全周にわたって一様に拡張変形させた場合には、壁面71Aでのローラ支持部66の厚みの最小となる箇所を基準として拡張変形量を小さくせざるを得ないが、本実施形態では、これよりも拡張変形量を多くすることができる。これに伴い、ローラ軸67の端部をローラ支持部66に対し、より強い力でかしめ固定することができる。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・本発明のローラの支持構造は、少なくとも軸孔71の壁面71Aでの厚みが一様でないローラ支持部66に対し、ローラ軸67によりローラ69を支持する構造を有するものであれば、上記可変動弁装置に限らず広く適用することができる。
これには、上記実施形態のように壁面71Aでのローラ支持部66の厚みが位置に応じて徐々に変化(増加・減少)するものに限らず、急激に変化するものも含まれる。この場合にも、軸孔71の壁面71Aでのローラ支持部66の厚みが大きな箇所にあっては、その厚みの小さな箇所よりもローラ軸67の端部における拡張変形量が多くなるようにかしめ溝82を打刻する。
・ローラ支持部66では、(a)ロッカーアーム34との干渉のおそれがある箇所Aについては薄く、(b)高い強度が要求される箇所Bについては厚く形成することが重要である。箇所Aは、ローラ支持部66の先端部の下側部分であり、箇所Bは、ローラ支持部66の本体部64との接続部の上側部分である。
従って、少なくとも軸孔71の壁面71Aでのローラ支持部66の厚みが一様でないことを前提とし、上記(a),(b)の条件を満たす範囲でローラ支持部66の形状を変更してもよい。
例えば、ローラ支持部66の先端部では厚みを最小とし、本体部64に近づくに従い厚みが大きくなるような形状としてもよい。ただし、ローラ支持部66の揺動方向については厚みを一定とする。この場合には、壁面71Aでのローラ支持部66の厚みは、本体部64に近づくに従い大きくなる。
また、ローラ支持部66の揺動方向についての反吸気カム27側の端部(下端部)の厚みを最小とし、吸気カム27側の端部(上端部)に近づくに従い厚みが大きくなるような形状としてもよい。ただし、ローラ支持部66の突出方向については厚みを一定とする。この場合には、壁面71Aでのローラ支持部66の厚みは、揺動方向についての吸気カム27側ほど大きくなる。
このようにローラ支持部66の形状を変更しても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
・軸孔71の壁面71Aでのローラ支持部66の厚みが大きな箇所では、その厚みの小さな箇所よりも拡張変形量が多くなることを条件に、かしめ溝82の形状を、上述したC形状とは異なる形状に変更してもよい。例えば、上記実施形態のかしめ溝82を複数に分断してもよい。
また、上記厚みの大きな箇所では小さな箇所よりもかしめ溝82の断面積が大きくなるように、かしめ溝82の深さや幅を、位置に応じて異ならせてもよい。
・前記実施形態とは異なり、壁面71Aでのローラ支持部66の厚みが最小となる箇所でローラ軸67を拡張変形させてもよい。この場合には、厚みの最小とならない箇所でのローラ軸67の変形量が、上記厚みの最小箇所での拡張変形量よりも多くなるようにかしめ溝82を打刻する。
・本発明は、バルブタイミング可変装置52を有しないエンジン11にも適用可能である。
・本発明は、同一種類の機関バルブ(吸気バルブ又は排気バルブ)を1気筒当りに3本以上有するエンジンにも適用することができる。この場合、出力アームの数を機関バルブの本数に合わせる変更を行う。
・本発明の可変動弁装置を、排気バルブを開閉駆動する動弁装置に適用してもよい。この場合には、排気カムシャフト32と排気バルブ22との間にバルブ特性可変装置53の仲介駆動機構54を配置する。
本発明を具体化した一実施形態において、エンジン上部の動弁装置を示す部分断面図。 シリンダヘッド上部を示す平面図。 (A)は排気側のロッカーアームにおけるアーム本体の縦断面図、(B)は同ロッカーアームの平面図。 バルブタイミング可変装置によるバルブタイミングの変化態様を示す特性図。 バルブ特性可変装置による作用角及び最大リフト量の変化態様を示す特性図。 仲介駆動機構を示す斜視図。 仲介駆動機構におけるスライダギヤ等を示す側面図。 仲介駆動機構の内部構造を示す断面図。 (A),(B)は仲介駆動機構の作用を示す部分断面図。 気筒毎の入・出力アームとロッカーアームとの位置関係を説明する概略側面図。 気筒毎のロッカーアームの平面図。 仲介駆動機構の部分拡大断面図。 図12のX−X線拡大断面図。 (A)はかしめパンチ等の部分断面図、(B)はかしめパンチの正面図。 (A)はローラ軸をローラ支持部にかしめ固定する前の状態を示す部分正面図、(B)はかしめ固定した後の状態を示す部分正面図。 背景技術における可変動弁装置の部分断面図。 背景技術における入・出力アームとロッカーアームとの位置関係を説明する概略側面図。 図16のY−Y線拡大断面図。
符号の説明
11…ガソリンエンジン(内燃機関)、12…気筒、21…吸気バルブ(機関バルブ)、22…排気バルブ(機関バルブ)、27…吸気カム、34,35…ロッカーアーム、61…入力アーム、62,63…出力アーム、64…本体部(揺動部材)、65…カム入力部、66…ローラ支持部、67…ローラ軸、67A…端面、68…ニードル転動体、69…ローラ、71…軸孔、71A…壁面、82…かしめ溝、82B…端部、83A…中間部。

Claims (7)

  1. 揺動部材から突出する一対のローラ支持部の各軸孔にローラ軸を挿通し、同ローラ軸の端面にかしめ溝を打刻することにより、同ローラ軸の両端部を前記軸孔内で径方向外方へ拡張変形させて両軸孔の壁面に圧接させるとともに、カムに摺接するローラを前記ローラ軸上に回転自在に設けたローラの支持構造であって、
    前記軸孔の壁面での前記ローラ支持部の厚みが大きな箇所では、同厚みの小さな箇所よりも前記ローラ軸の拡張変形量が多くなるように前記かしめ溝が打刻されていることを特徴とするローラの支持構造。
  2. 前記ローラ支持部は、少なくとも前記軸孔の壁面の相対向する箇所で厚みが異なるように形成されている請求項1に記載のローラの支持構造。
  3. 前記ローラ支持部は、前記揺動部材に近づくに従い厚みが大きくなるように形成されている請求項2に記載のローラの支持構造。
  4. 前記ローラ支持部は、前記揺動部材の揺動方向について前記カムに近づくに従い厚みが大きくなるように形成されている請求項2又は3に記載のローラの支持構造。
  5. 前記かしめ溝は円弧状をなしており、その両端部間の中間部が、前記軸孔の壁面での前記ローラ支持部の厚みが最小となる箇所に位置するように打刻されている請求項3又は4に記載のローラの支持構造。
  6. 前記ローラ軸及び前記ローラ間には、多数のニードル転動体が介在されている請求項1〜5のいずれか1つに記載のローラの支持構造。
  7. 列をなして配置された複数の気筒を有し、各気筒には気筒配列方向に配置された複数の機関バルブを有する内燃機関にあって、前記内燃機関のカムの回転がカム入力部を通じて伝達されて揺動する入力アームと、前記入力アームの前記気筒配列方向についての両側に揺動可能に配置された出力アームとを備え、前記入力アームの揺動を前記両出力アーム及びロッカーアームに伝達して前記機関バルブを駆動するとともに、それら入力アーム及び出力アームの揺動方向についての相対位相差を変更することにより、前記機関バルブの開閉に関わるバルブ特性を変更する可変動弁装置であり、
    前記入力アームの本体部から突出する一対のローラ支持部の各軸孔にローラ軸を挿通してかしめ固定し、前記カムに摺接するローラを前記ローラ軸上に設けることにより前記カム入力部を構成し、前記ローラ支持部について、前記本体部との接続部であって前記カム側の部分を含み、かつ前記入力アームの揺動に伴い前記ロッカーアームに対向しない箇所を、対向する箇所よりも厚く形成するとともに、前記本体部を前記揺動部材とし、さらに、請求項1〜6のいずれか1つに記載のローラの支持構造を用いて、前記ローラを前記両ローラ支持部に支持することを特徴とする可変動弁装置。
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