JP2006090161A - バルブ特性可変装置付き動弁機構 - Google Patents

バルブ特性可変装置付き動弁機構 Download PDF

Info

Publication number
JP2006090161A
JP2006090161A JP2004274041A JP2004274041A JP2006090161A JP 2006090161 A JP2006090161 A JP 2006090161A JP 2004274041 A JP2004274041 A JP 2004274041A JP 2004274041 A JP2004274041 A JP 2004274041A JP 2006090161 A JP2006090161 A JP 2006090161A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slider
valve
pin
bush
control shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004274041A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4312137B2 (ja
Inventor
Yuji Yoshihara
裕二 吉原
Takahide Koshimizu
孝英 腰水
Fuminori Hosoda
文典 細田
Yoshiaki Miyasato
佳明 宮里
Ken Sugiura
憲 杉浦
Masayuki Yamamoto
真之 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Otics Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Otics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Otics Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2004274041A priority Critical patent/JP4312137B2/ja
Publication of JP2006090161A publication Critical patent/JP2006090161A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4312137B2 publication Critical patent/JP4312137B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Abstract

【課題】より簡易な作業でスライダをコントロールシャフトに連結することのできるバルブ特性可変装置付き動弁機構を提供する。
【解決手段】バルブ特性可変装置付き動弁機構は、エンジンの吸気カムの回転をスライダ48によって吸気バルブに伝達して同バルブを開閉駆動する。また、コントロールシャフト36の軸方向への移動を、係合部材(ピン53及びブッシュ54)を介してスライダ48に伝達し、同スライダ48を回転させながら軸方向へ変位させることにより、吸気バルブのバルブ特性を変更する。こうした動弁機構において、スライダ48の内壁には、軸方向についての同スライダ48の一方の端面と周溝49とを繋ぎ、かつ係合部材について支持パイプ35から露出した部分の通過を可能としたガイド溝61を設ける。
【選択図】 図6

Description

本発明は、内燃機関の吸気バルブ、排気バルブ等の機関バルブを開閉駆動する動弁機構に関し、より詳しくは、機関バルブのバルブ特性を内燃機関の運転状態に応じて変更するバルブ特性可変装置が設けられた動弁機構に関するものである。
内燃機関の一般的な動弁機構は、バルブスプリングによって閉弁方向に付勢された機関バルブを、カムシャフトのカムによって直接、又はロッカーアーム等を介して押下げて開弁させる構成を採用している。
これに対し、近年では、カムの作用角や機関バルブの最大リフト量といったバルブ特性を内燃機関の運転状態に応じて変更するバルブ特性可変装置を動弁機構に設けることが提案されている。この動弁機構によれば、例えば内燃機関の低回転低負荷域では、吸気カムの作用角及び吸気バルブの最大リフト量を小さくして吸入空気量を制御することで、スロットルバルブの開度制御によって生ずるポンピングロスを小さくし、燃費の向上を図ることができる。また、内燃機関の高回転高負荷域では上記作用角及び最大リフト量を大きくし、吸気充填効率の向上により出力の増加を確保することができる。
こうしたバルブ特性可変装置が設けられた動弁機構の一形態として、例えば図13〜図15に示すように、支持パイプ71、コントロールシャフト72、入力アーム73、一対の出力アーム74,75及びスライダ76を備えるものが考えられている(例えば、特許文献1参照)。この動弁機構77では、支持パイプ71はシリンダヘッド89に固定され、コントロールシャフト72は支持パイプ71内に軸方向(図14の左右方向)への移動可能に挿入されている。入力アーム73及び出力アーム74,75は支持パイプ71上にそれぞれ揺動可能に設けられている。スライダ76は略円筒状をなし、支持パイプ71と、入・出力アーム73〜75との間に介在されている。
スライダ76及び入力アーム73はヘリカルスプライン76A,73Aによって相互に噛合されている。また、スライダ76及び各出力アーム74,75はヘリカルスプライン(76B,74B)及び(76C,75C)によって相互に噛合されている。
上記構成の動弁機構77では、カムシャフト78によって入力アーム73が揺動される。この揺動はスライダ76を介して出力アーム74,75に伝達され、同出力アーム74,75が揺動される。そして、出力アーム74,75により機関バルブ81,82がバルブスプリングに抗して押下げられる。このようにして、カムシャフト78の回転が動弁機構77を通じて機関バルブ81,82に伝達されて、同機関バルブ81,82が開閉駆動される。また、コントロールシャフト72が軸方向へ移動されると、その移動に連動してスライダ76が同方向へ変位する。この変位に伴うスライダ76の回転により、入力アーム73及び出力アーム74,75の相対位相差が変更され、それに伴いカムシャフト78におけるカムの作用角及び機関バルブ81,82の最大リフト量が変更される。
ところで、上述した動弁機構77では、支持パイプ71内のコントロールシャフト72の動きを、支持パイプ71の外側のスライダ76に伝達するために、コントロールシャフト72及びスライダ76を動力伝達可能に連結する構造が必要となる。上記図14においては、この連結構造としてスライダ76の内壁に、周方向に延びる周溝83が形成されている。周溝83は、図15に示すように、スライダ76に設けられた貫通孔84によって同スライダ76の外部に連通している。また、支持パイプ71には軸方向へ延びる長孔85が形成されている。これらの周溝83及び長孔85には、上記貫通孔84を通じて挿入されたピン86が配置され、その内端部(図14の下端部)がコントロールシャフト72の係止穴87に圧入されている。また、周溝83内に位置するピン86の外端部(図14の上端部)にはブッシュ88が係止されている。
従って、前述したように支持パイプ71がシリンダヘッド89に固定されているが、コントロールシャフト72の軸方向への移動に伴い、ピン86が長孔85内を移動することで、ブッシュ88を介してスライダ76を軸方向へ変位させることが可能である。さらに、スライダ76自体は、周方向へ延びる周溝83にてブッシュ88に係合されていることから、ピン86及びブッシュ88にて軸方向の位置は決定されるが、軸周りについてはブッシュ88に接触しながら回動可能である。
ところで、上記動弁機構77の組付けに際しては、スライダ76をコントロールシャフト72に連結するために次の作業が必要となる。図15に示すように、ピン孔91を有するブッシュ88がスライダ76の内部空間を通じて周溝83内に配置される。支持パイプ71及びコントロールシャフト72がスライダ76内に挿通され、そのスライダ76の外側からピン86が、貫通孔84、ピン孔91及び長孔85に順に挿入され、係止穴87に圧入される。
特開2001−263015号公報
ところが、上記動弁機構77では、ピン86を周溝83内に配置するとともに、同ピン86をブッシュ88のピン孔91及び長孔85に通してコントロールシャフト72の係止穴87に圧入するという構造を採っている。そのため、ピン86をコントロールシャフト72に向けて挿入するだけで各部材を一度に連結することができる。反面、その挿入の前段階として、スライダ76の貫通孔84、ブッシュ88のピン孔91、支持パイプ71の長孔85、及びコントロールシャフト72の係止穴87が同一線上に位置するように、各部材の軸方向の位置や周方向の位置を合わせなければならない。この際、長孔85、ブッシュ88がスライダ76によって覆われることもあって、位置合わせが容易でない。そのため、スライダ76をコントロールシャフト72に連結する作業が繁雑なものとなり、作業性が低下する。
なお、上記の不具合は、ブッシュ88を用いずにピン86の外端部を周溝49に直接係合させるようにした場合でも同様に起り得る。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、簡易な作業でスライダをコントロールシャフトに連結することのできるバルブ特性可変装置付き動弁機構を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、連通孔を有する支持パイプと、前記支持パイプ内に挿通されるコントロールシャフトと、前記支持パイプに被せられ、かつ周方向に延びる周溝を内壁に有するスライダと、前記連通孔に挿通され、かつ内端部が前記コントロールシャフトの被着部に取付けられるとともに、外端部が前記周溝に係合される係合部材とを備え、前記スライダにより内燃機関のカムシャフトの回転を機関バルブに伝達して同機関バルブを開閉駆動するとともに、前記コントロールシャフトの軸方向への変位を前記係合部材を介して前記スライダに伝達し、同スライダを回転させながら前記軸方向へ変位させることにより前記機関バルブのバルブ特性を変更するようにしたバルブ特性可変装置付き動弁機構において、前記スライダの内壁には、前記軸方向についての同スライダの一方の端面と前記周溝とを繋ぎ、かつ前記係合部材について前記支持パイプから露出した部分の通過を可能としたガイド溝を設けている。
上記構成のバルブ特性可変装置付き動弁機構によれば、内燃機関のカムシャフトの回転がスライダによって機関バルブに伝達されて、同機関バルブが開閉駆動される。ここで、係合部材は支持パイプの連通孔に挿通されていることから、コントロールシャフトの軸方向への移動に伴い連通孔内を移動可能である。また、スライダは、周方向に延びる周溝にて係合部材に係合されていることから、その係合部材にて軸方向の位置は規制されるが、軸周りについては回動可能である。そのため、コントロールシャフトが軸方向へ移動させられると、その移動が係合部材を介してスライダに伝達される。同スライダが回転を伴って軸方向へ変位し、機関バルブのバルブ特性が変更される。
ところで、上記バルブ特性可変装置付き動弁機構ではスライダの内壁にガイド溝が設けられていることから、その動弁機構の組付けに関し、コントロールシャフトにスライダを連結する作業が次のようにして行われる。まず、支持パイプ内にコントロールシャフトが挿通され、被着部及び連通孔が互いに合致するように、コントロールシャフトの軸方向の位置や周方向の位置が合わせられる。この状態で、係合部材の内端部が支持パイプの外部から連通孔を通じてコントロールシャフトの被着部に取付けられる。この状態では、係合部材の外端部は支持パイプよりも外側に露出している。
続いて、上記支持パイプ上のスライダが軸方向のうち係合部材に近づく側へ変位させられる。スライダでは、その軸方向についての一方の端面においてガイド溝が開口している。そのため、このガイド溝の開口部分が上記係合部材の露出部分に合致するように、スライダの周方向の位置が合わせられる。そして、上記位置合わせがなされた状態でスライダがさらに軸方向へ変位させられると、係合部材がガイド溝によってスライダの周溝側へ導かれ、係合部材、連通孔及び被着部がスライダによって覆われる。係合部材が周溝に係合されることで、スライダがコントロールシャフトに連結される。
このように、請求項1に記載の発明では、係合部材が支持パイプの連通孔を通じてコントロールシャフトに取付けられる作業と、係合部材の露出部分がスライダの周溝に係合される作業が別々に行われる。前者の作業では被着部の位置と連通孔の位置とを合わせる作業が必要となる。しかし、この作業は、連通孔及び被着部がスライダによって覆われる前の段階で行われる。従って、被着部と連通孔との位置合わせは、それらの連通孔及び被着部がスライダによって覆われた状態で行われる場合よりも容易となる。
また、後者の作業では、係合部材の露出部分の位置とガイド溝の開口部分の位置とを合わせる作業が必要となる。しかし、この作業は、係合部材の露出部分がスライダによって覆われる前の段階で行われる。従って、係合部材の露出部分とガイド溝の開口部分との位置合わせを簡単に行うことができる。そのため、連通孔、被着部等がスライダによって覆われた状態で各部材の位置を合わせ、その後にスライダの外方から係合部材を一度に挿入する背景技術とは異なり、スライダをコントロールシャフトにより簡単な作業で連結することが可能となり、連結のための作業性が向上する。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記係合部材は、内端部が前記コントロールシャフトの前記被着部に取付けられるピンと、前記ピンの外端部に設けられて前記周溝に係合されるブッシュとを備えるとする。
上記の構成によれば、スライダは周溝において、ピンの外端部に設けられたブッシュに係合されることから、こうしたブッシュが用いられずピンの外端部がブッシュに直接係合される場合に比べ、係合部材の周溝との接触面積が大きくなる。そのため、係合部材と周溝との接触部分について、単位面積当りに作用する圧力が小さくなる。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明において、前記ブッシュにはピン孔が設けられており、前記ピンが同ピン孔に挿入されることにより、前記ピンに前記ブッシュが係止されているとする。
上記の構成によれば、ブッシュは、支持パイプ上のスライダが軸線に沿って変位させられるよりも前の段階でピンに係止される。例えば、ピンの内端部が支持パイプの外部から連通孔を通じてコントロールシャフトの被着部に取付けられた後に、そのピンの外端部がブッシュのピン孔に挿入されてもよい。また、これに代えて、ピンの内端部がコントロールシャフトの被着部に取付けられる前に、そのピンがブッシュのピン孔に挿入されてもよい。いずれの段階でブッシュがピンに係止される場合であっても、ブッシュの位置とピンの位置とを合わせる作業が必要となるが、それらの作業はスライダの周溝内では行われず、係合部材の露出部分がスライダによって覆われる前の段階で行われる。従って、上述した請求項1に記載の発明の効果を損うことなくピンにブッシュを係止することができる。
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明において、前記係合部材が前記ガイド溝により前記周溝に導かれた状態でさらに前記スライダが回転させられることにより、前記周溝は、前記ガイド溝との接続部分とは異なる箇所で前記係合部材に係合されるとする。
ここで仮に、バルブ特性の変更に際し、周溝がガイド溝との接続部分で係合部材に係合すると、係合部材が周溝から抜け出てガイド溝内へ入り込むおそれがある。この点、請求項4に記載の発明では、コントロールシャフトに対するスライダの連結作業に際し、係合部材がガイド溝によって周溝に導かれた後に、さらにスライダが回転させられる。この回転により、周溝は、ガイド溝との接続部分とは異なる箇所で係合部材に係合される。従って、上記バルブ特性の変更に際し係合部材が周溝から抜け出る不具合が起りにくくなる。
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の発明において、前記スライダの回転は、前記バルブ特性の変更に際し前記スライダが採り得る最大回転角度よりも大きな角度で行われるとする。
上記の構成によれば、コントロールシャフトに対するスライダの連結作業に際し、スライダはバルブ特性の変更時に採り得る最大回転角度よりも大きな角度で回転させられる。そのため、周溝がガイド溝との接続部分で係合部材に係合している状態から、バルブ特性の変更に際しスライダが如何に大きく回転されても、周溝のガイド溝との接続部分が係合部材と係合することがない。従って、係合部材が周溝から抜け出る不具合を確実に抑制することができる。
請求項6に記載の発明では、請求項1〜5のいずれか1つに記載の発明において、前記スライダの外周には、前記カムシャフトにより駆動される入力アームがヘリカルスプラインにて噛合されるとともに、前記機関バルブを駆動するための出力アームがヘリカルスプラインにて噛合され、前記スライダが回転を伴いながら軸方向へ変位させられることにより、前記入力アーム及び前記出力アームの相対位相差が変更されて、前記機関バルブのバルブ特性が変更されるとする。
上記の構成によれば、スライダの外周に入力アーム及び出力アームがそれぞれヘリカルスプラインにて噛合されていることから、カムシャフトによって入力アームが揺動されると、その揺動がスライダを介して出力アームに伝達される。この伝達により出力アームが揺動し、機関バルブが開閉駆動される。こうした基本動作に加え、コントロールシャフトが軸方向へ移動されると、その動きが係合部材を通じてスライダに伝達される。この伝達により、スライダが回転しながら軸方向へ変位すると、入力アーム及び出力アームがねじられて、それらの相対位相差が変更され、機関バルブのバルブ特性、例えばカムシャフトにおけるカムの作用角や機関バルブの最大リフト量が変更される。
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図1〜図12を参照して説明する。
車両には、図1及び図2に示すように、多気筒ガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)11が内燃機関として搭載されている。エンジン11は、複数の気筒(シリンダ)12を有するシリンダブロック13と、その上に取付けられたシリンダヘッド14とを備えている。各気筒12にはピストン15が往復動可能に収容されている。各ピストン15は、コネクティングロッド(図示略)を介し、出力軸であるクランクシャフト16(図2参照)に連結されている。各ピストン15の往復運動は、コネクティングロッドによって回転運動に変換された後、クランクシャフト16に伝達される。
各気筒12においてピストン15よりも上側の空間は燃焼室17となっている。シリンダヘッド14には、吸気通路の一部をなす吸気ポート18と、排気通路の一部をなす排気ポート19とが、気筒12毎に設けられている。これらの吸・排気ポート18,19は、シリンダヘッド14の下面において開口し、燃焼室17に連通している。
シリンダヘッド14には、吸気ポート18を開閉する吸気バルブ21と、排気ポート19を開閉する排気バルブ22とが機関バルブとして設けられている。これらの吸・排気バルブ21,22は、バルブスプリング23により常に閉弁方向(図1の略上方)へ付勢されている。
エンジン11には、上記吸・排気バルブ21,22を開閉駆動する動弁機構が設けられている。すなわち、シリンダヘッド14における吸気バルブ21の略上方には、吸気カム24を有する吸気カムシャフト25が支持壁部26(図2参照)により回転可能に支持されている。同様に、シリンダヘッド14における排気バルブ22の略上方には、排気カム27を有する排気カムシャフト28が回転可能に支持されている。吸・排気カムシャフト25,28は、タイミングチェーン29、スプロケット(図示略)等によりクランクシャフト16に駆動連結されている。そして、クランクシャフト16の回転がタイミングチェーン29等を介して吸・排気カムシャフト25,28に伝達される。同吸・排気カムシャフト25,28の回転により、吸・排気バルブ21,22がバルブスプリング23に抗して押下げられて(リフトして)、吸・排気ポート18,19を開放する。
吸気通路には、吸気ポート18へ向けて燃料を噴射する燃料噴射弁(図示略)が各気筒12に対応して取付けられている。噴射された燃料は、吸気ポート18を通って燃焼室17内に導入される吸入空気と混ざり合って混合気となる。なお、吸気ポート18を介さずに燃料噴射弁から燃料を燃焼室17に直接噴射するようにしてもよい。
シリンダヘッド14には、点火プラグ31が各気筒12に対応して取付けられている。そして、前記混合気は点火プラグ31の電気火花によって着火され、爆発・燃焼する。このときに生じた高温高圧の燃焼ガスによりピストン15が往復動され、クランクシャフト16が回転されて、エンジン11の駆動力(出力トルク)が得られる。燃焼ガスは排気ポート19を通じて排気通路へ排出される。
上記吸気バルブ21の動弁機構には、同吸気バルブ21のバルブ特性を可変とするバルブ特性可変装置が設けられている。同装置は、バルブタイミング可変機構32及び作用角可変機構33を備えている。
バルブタイミング可変機構32は、クランクシャフト16に対する吸気カムシャフト25の相対回転位相を変化させることにより、吸気バルブ21のバルブタイミングをクランク角(クランクシャフト16の回転角)に対して連続的に変更するための機構であり、例えば油圧により駆動される。
作用角可変機構33は、吸気カム24の作用角を連続的に変更するための機構である。ここで、図3に示すように、作用角は吸気カム24の回転(図3ではクランク角で表現)について、吸気バルブ21の開弁時期IVOから閉弁時期IVCまでの角度範囲である。本実施形態では、作用角可変機構33により吸気バルブ21の最大リフト量も連続的に変更される。最大リフト量は、吸気バルブ21が開弁時において最も下方まで移動(リフト)したときの同吸気バルブ21の移動量である。これらの作用角及び最大リフト量は、作用角可変機構33によって互いに同期して変化させられ、例えば、作用角が小さくなるほど最大リフト量も小さくなる。作用角が小さくなるに従い、吸気バルブ21の開弁時期IVOと閉弁時期IVCとが互いに近寄り、開弁期間が短くなって、気筒12当りの吸入空気量が少なくなる。なお、本実施形態では、排気バルブ22の動弁機構については、こうしたバルブ特性可変装置は設けられていない。
図2に示すように、作用角可変機構33は、気筒12毎の仲介駆動機構34を備えるほか、全部の仲介駆動機構34に共通する1本の支持パイプ35、1本のコントロールシャフト36及び1つのアクチュエータ37を備えている。
支持パイプ35は気筒12の配列方向(図2の左右方向)へ延び、前述した支持壁部26に固定されている。なお、この方向について、特に区別する必要のない場合には、単に「軸方向」といい、区別する必要のある場合には矢印X方向又は矢印Y方向というものとする。矢印X方向は、前述したタイミングチェーン29に近づく方向であり、吸気カム24の作用角を小さくする方向である。また、矢印Y方向はタイミングチェーン29から遠ざかる方向であり、上記作用角を大きくする方向である。前記固定により、支持パイプ35は軸方向への移動が不能であり、しかも回転不能である。コントロールシャフト36は支持パイプ35内に挿通されており、電動モータ等からなるアクチュエータ37により軸方向へ往復駆動される。
各仲介駆動機構34は、吸気カムシャフト25と吸気バルブ21との間に配置されている(図1参照)。各仲介駆動機構34は、図4〜図6に示すように、入力アーム41と、その軸方向についての両側に配置された一対の出力アーム42,43とを備えている。入力アーム41及び各出力アーム42,43は、それらの相対向する端部において嵌合により連結されている。仲介駆動機構34毎の入力アーム41及び両出力アーム42,43は支持壁部26,26間に配置されており、軸方向への変位が両支持壁部26,26によって規制されている(図6参照)。
入力アーム41は一対の支持片44,44を備えており、両支持片44,44間にローラ45が軸支されている。また、各出力アーム42,43は、ベース円部46と、凹状に湾曲するカム面47Aを有するノーズ47とをそれぞれ備えている。
支持パイプ35と、入力アーム41及び両出力アーム42,43との間には、動力伝達用のスライダ48が配置されている。スライダ48は、支持パイプ35上に回動可能かつ軸方向への移動可能に支持されている。支持パイプ71内のコントロールシャフト36の動きを支持パイプ71の外側のスライダ48に伝達するために、同スライダ48の内周面には、周方向に延びる周溝49が形成されている。ここでは、周溝49はスライダ48の内壁の全周にわたって形成されている(図10参照)。
また、支持パイプ35の管壁において、隣合う支持壁部26,26間には、軸方向へ延びる長孔52が連通孔として形成されている。これらの周溝49と長孔52とが接する(交差する)箇所には、略円柱状のピン53が配置されている。ピン53の内端部(図6の下端部)は、コントロールシャフト36の外周面において開口された被着部としての係止穴38に圧入されている。
上記ピン53の外端部(図6の上端部)は長孔52から露出しており、この露出部分にブッシュ54が設けられている。ブッシュ54は略四角板状をなしている。より詳しくは、ブッシュ54は、周溝49の周方向については、同周溝49の内壁面の形状に合わせて外側へ膨らむように湾曲形成されている。また、ブッシュ54は軸方向については、周溝49の幅と同程度の長さを有している。ブッシュ54にはその厚み方向に貫通するピン孔51があけられており、上記ピン53の外端部がピン孔51に挿入されることで、同ブッシュ54がピン53に係止されている。上記ブッシュ54は、周溝49内に周方向への移動可能に配置されている。ブッシュ54において軸方向に相対向する一対の端面は、同じく周溝49の軸方向に相対向する一対の壁面に接触する接触面となる。この接触面は、ブッシュ54を用いずにピン53の外端部の外周面を上記周溝49の壁面との接触面とする場合よりも広い。そして、上記ピン53及びブッシュ54によって係合部材が構成されている。
従って、前述したように支持パイプ35がシリンダヘッド14(支持壁部26)に固定されているが、コントロールシャフト36の軸方向への移動に伴い、ピン53が支持パイプ35の長孔52内を移動することで、ブッシュ54及びピン53を介してスライダ48を軸方向へ変位させることが可能である。さらに、スライダ48自体は、周方向へ延びる周溝49にてピン53の外端部及びブッシュ54に係合されていることから、それらのピン53及びブッシュ54にて軸方向の位置は決定されるが、軸周りについては回動可能である。
入力アーム41及びスライダ48間で動力を伝達するために、入力アーム41の内周面には、出力アーム42側ほど時計回り方向へねじれたヘリカルスプライン41Aが形成されている。これに対応して図5に示すように、スライダ48の外周面の軸方向における中間部分には、同方向へねじれたヘリカルスプライン48Aが形成され、これが前述したヘリカルスプライン41Aに噛合されている。
また、各出力アーム42,43及びスライダ48間で動力を伝達するために、各出力アーム42,43の内周面には、前記入力アーム41のヘリカルスプライン41Aとは逆方向、すなわち入力アーム41から出力アーム42側へ離れるほど反時計回り方向へねじれたヘリカルスプライン42B,43Cが形成されている。これに対応して、スライダ48の外周面の軸方向における両端部には同方向へねじれたヘリカルスプライン48B,48Cが形成され、これらが前記ヘリカルスプライン42B,43Cに噛合されている。このように、ヘリカルスプライン41A,48Aと、ヘリカルスプライン42B,43C,48B,48Cとは逆方向へねじれている。そのため、コントロールシャフト36の軸方向の移動に連動してスライダ48が同方向へ変位しながら回転することにより、入力アーム41と各出力アーム42,43とに対し互いに逆方向のねじり力が付与され、入力アーム41及び出力アーム42,43の相対位相差が変化する。また、前記ヘリカルスプライン41A,42B,43C,48A,48B,48Cのねじれ方向の設定により、入・出力アーム41〜43の相対位相差はスライダ48が矢印X方向(作用角を小さくする方向)へ変位するに従い小さくなる。
図1に示すように、各仲介駆動機構34のローラ45は、吸気カムシャフト25の吸気カム24に接触しており、同吸気カムシャフト25の回転に伴い吸気カム24による略下向きの力がローラ45に加えられる。また、支持片44及びシリンダヘッド14間にはスプリング55が圧縮状態で配置されており、このスプリング55によりローラ45が常に吸気カム24に押付けられている。そして、吸気カム24のカムプロフィールに応じて変化する略下向きの力と、スプリング55による上向きの力とがつり合うように、入力アーム41がコントロールシャフト36を支点として上下に揺動する。
一方、吸気バルブ21及び出力アーム42,43間にはロッカーアーム56が配置され、同ロッカーアーム56を介して出力アーム42,43の揺動が吸気バルブ21に伝達される。すなわち、各ロッカーアーム56は、その基端部(図1の左端部)56Aにおいてアジャスタ57にて揺動可能に支持され、先端部(図1の右端部)56Bにおいて吸気バルブ21に接触している。そして、バルブスプリング23の付勢力が吸気バルブ21を通じてロッカーアーム56の先端部56Bに加わり、同ロッカーアーム56のローラ58が両出力アーム42,43のベース円部46又はノーズ47に接触している。
従って、吸気カムシャフト25が回転すると、仲介駆動機構34では、吸気カム24によって入力アーム41がコントロールシャフト36を支点として上下に揺動する。この揺動はスライダ48を介して各出力アーム42,43に伝達され、同出力アーム42,43が上下に揺動する。これらの揺動する出力アーム42,43によって、対応する吸気バルブ21が駆動されて開弁する。この開弁に伴い吸気ポート18から燃焼室17へ空気が吸入される。
また、アクチュエータ37によってコントロールシャフト36が軸方向へ移動されることで、入・出力アーム41〜43の揺動方向について、入力アーム41と各出力アーム42,43との相対位相差が変更される。この変更に伴い各吸気カム24の作用角が連続的に変化する。スライダ48が矢印X方向へ最大量変位して相対位相差が小さいときには作用角が小さく、気筒12当りの吸入空気量が少ない。そして、スライダ48の矢印Y方向への移動に伴って相対位相差が増大すると、作用角が大きくなって吸入空気量が多くなる。
ところで、図7(A)及び図7(B)は、アクチュエータ37によってコントロールシャフト36を図2の矢印Y方向へ最大量移動させたときの仲介駆動機構34の状態を示している。スライダ48が可動範囲における矢印Y方向の端に位置している。このときには、入力アーム41と各出力アーム42,43との相対位相差が最大となっている。
特に、図7(A)は、吸気カム24がそのベース円部24Aにおいて、仲介駆動機構34のローラ45に接触している状態を示している。この状態では、両出力アーム42,43のベース円部46においてノーズ47に近い部分がロッカーアーム56のローラ58に接触している。このため、吸気バルブ21は閉弁状態(リフト量が「0」)となる。
吸気カムシャフト25が回転すると、吸気カム24のノーズ24Bによってローラ45が押下げられて、入力アーム41が下方へ揺動する。この揺動がスライダ48を介して各出力アーム42,43に伝達されて、同出力アーム42,43が下方へ揺動する。これらの揺動により、ノーズ47のカム面47Aが直ちにロッカーアーム56のローラ58に接触して、図7(B)に示すように、カム面47Aの略全範囲を使用してローラ58を押下げる。この押下げにより、ロッカーアーム56が基端部56Aを支点として下方へ揺動し、ロッカーアーム56の先端部56Bが吸気バルブ21を大きく押下げ、吸気ポート18を大きく開放(開弁)させる。作用角が最大となり、吸気ポート18から燃焼室17に流入する空気の量が最大となる。
前記の状態から、アクチュエータ37によってコントロールシャフト36を図2の矢印X方向へ移動させると、それに連動してスライダ48が回転しながら同方向へ変位する。スライダ48の回転により入力アーム41及び各出力アーム42,43に対し互いに逆方向のねじり力が付与され、これら入・出力アーム41〜43の相対位相差が変化する。この相対位相差は、スライダ48の変位量が大きくなるほど小さくなる。
吸気カム24のベース円部24Aが、仲介駆動機構34のローラ45に接触するときに、出力アーム42,43のベース円部46についてロッカーアーム56のローラ58との接触箇所がノーズ47から遠ざかる。このため、出力アーム42,43が揺動しても、しばらくはロッカーアーム56のローラ58はノーズ47のカム面47Aに接触することなくベース円部46に接触し続ける。
その後、カム面47Aがローラ58を押下げて、基端部56Aを支点としてロッカーアーム56を下方へ揺動させるが、ローラ58が当初、ノーズ47から離れている分、カム面47Aの使用範囲が少なくなる。その結果、ロッカーアーム56の揺動角度が小さくなり、作用角が小さくなる。こうして、吸気バルブ21は最大時よりも小さな作用角にて吸気ポート18を開放状態にする。吸気バルブ21の開弁に伴い各吸気ポート18から燃焼室17に流入する空気の量は、スライダ48の矢印X方向への変位量に応じて少なくなる。
このように、アクチュエータ37によってコントロールシャフト36を通じてスライダ48の位置を調整することにより、上記図3に示すリフト量パターンの間で、吸気カム24の作用角及び吸気バルブ21の最大リフト量を連続的に調整することが可能である。
さらに、本実施形態では、支持パイプ35の外側のスライダ48を、同支持パイプ35内のコントロールシャフト36に連結する際の作業性向上を意図して、図6に示すように、上記スライダ48の内壁にガイド溝61が設けられている。ガイド溝61はコントロールシャフト36に平行に延び、軸方向についての同スライダ48の一方(図6の左方)の端面と周溝49とを繋いでいる。このガイド溝61は、スライダ48がコントロールシャフト36に動力伝達可能に連結された状態では、コントロールシャフト36を挟んでピン53及びブッシュ54とは略反対側(図6の下側)に位置している。この位置は、作用角の変更に際しスライダ48が採り得る最大角度回転したとしても、ガイド溝61が長孔52に合致しない位置である。また、ガイド溝61は、ブッシュ54の厚みよりも若干深い深さを有するとともに、同ブッシュ54の周方向の長さよりも若干広い幅を有しており、同ブッシュ54の軸方向への通過が可能となっている。
ところで、上述したバルブ特性可変装置付き動弁機構では、その組付けに関し、コントロールシャフト36にスライダ48を連結する作業が次のようにして行われる。
まず、図8(A)に示すように、長孔52がスライダ48によって覆われていない状態で、支持パイプ35内にコントロールシャフト36を挿通する。係止穴38が長孔52のいずれかの箇所に合致するように、支持パイプ35及びコントロールシャフト36について軸方向の位置や周方向の位置を合わせる。この状態でピン53の内端部を、支持パイプ35の外部から長孔52を通じて係止穴38に圧入する。ピン53が係止穴38の所定の深さまで圧入されると、例えば同係止穴38の内底部に当るまで圧入されると、同ピン53の外端部が支持パイプ35よりも外側に露出する。続いて、ブッシュ54のピン孔51がピン53と同軸上に位置するように同ブッシュ54の位置を合わせる。図8(B)に示すように、ピン53の外端部をピン孔51内に挿入することで、ブッシュ54をピン53の外端部に係止する。
なお、上記とは異なる段階でブッシュ54をピン53に係止してもよい。すなわち、ブッシュ54を予めピン53に係止して両者54,53を一体化しておき、この状態で、ピン53の内端部を、支持パイプ35の外部から長孔52を通じて係止穴38に圧入してもよい。このようにピン53及びブッシュ54が取付けられた状態では、同ピン53の外端部及びブッシュ54が支持パイプ35よりも外側へ露出する。
上記いずれの段階でブッシュ54がピン53に係止される場合であっても、ブッシュ54とピン53との位置合わせ作業が必要となるが、その作業はスライダ48の周溝49内では行われず、スライダ48によって長孔52が覆われる前の段階で行われる。
続いて、上記支持パイプ35上のスライダ48を軸方向のうち長孔52に近づく側(図8(B)の左側)へ変位させる。スライダ48では、その軸方向についての一方(図8(B)の左方)の端面においてガイド溝61が開口している。そのため、ガイド溝61の開口部分が、上記ピン53の外端部及びブッシュ54と同一直線上に位置するように、スライダ48の周方向の位置を合わせる。そして、上記位置合わせがなされた状態でスライダ48をさらに長孔52側へ変位させると、図9及び図10に示すように、ピン53及びブッシュ54がガイド溝61によってスライダ48の周溝49に導かれる。
この段階では、ピン53及びブッシュ54は周溝49内に位置するが、その位置はガイド溝61の延長線上である。すなわち、周溝49のうちガイド溝61との接続部分である。この状態で、スライダ48に対し、仮に図9中右方へ向う力が作用すると、ピン53の外端部及びブッシュ54が周溝49から抜け出てガイド溝61内へ移り、スライダ48のコントロールシャフト36に対する連結が解除されるおそれがある。
そこで、上記図9及び図10の状態から、さらに図11及び図12に示すように、スライダ48をコントロールシャフト36を中心として回転させる。上記スライダ48の回転により、ピン53の外端部及びブッシュ54は、周溝49においてガイド溝61との接続部分とは異なる箇所(コントロールシャフト36を挟んで長孔52とは反対側)に移動し、スライダ48がピン53及びブッシュ54によってコントロールシャフト36に連結される。
なお、スライダ48の上記回転に際しては、作用角の変更時にスライダ48が採り得る最大回転角度よりも大きな角度で回転させることが重要である。こうすることで、作用角の変更に際しスライダ48が如何に大きく回転したとしても、周溝49がガイド溝61との接続部分でブッシュ54に係合することがない。従って、ブッシュ54等が周溝49から抜け出てガイド溝61内へ移ることがない。
このように本実施形態では、ピン53の内端部を支持パイプ35の長孔52に挿入してコントロールシャフト36の係止穴38に圧入する作業と、ピン53の外端部及びブッシュ54をスライダ48の周溝49に係合する作業とが別々に行われる。前者の作業では係止穴38の位置と長孔52の位置とを合わせる作業が必要となる。しかし、この位置合わせは、長孔52や係止穴38がスライダ48によって覆われる前の段階で行われる。従って、長孔52と係止穴38との位置合わせは、長孔85及び係止穴87がスライダ76によって覆われた状態で行われる場合(背景技術に相当)よりも容易となる。
また、後者の作業では、ピン53の外端部及びブッシュ54の位置と、ガイド溝61の開口部分の位置とを合わせる作業が必要となる。しかし、この位置合わせは、上記前者の作業の場合と同様に、ピン53の外端部及びブッシュ54がスライダ48によって覆われる前の段階で行われる。従って、この場合の位置合わせについても簡単な作業で行われる。
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)スライダ48の内壁に、軸方向についての同スライダ48の一方の端面と周溝49とを繋ぎ、かつブッシュ54の通過を可能としたガイド溝61を設けている。また、ブッシュ54にピン孔51を設け、ピン53をピン孔51に挿入することで、同ブッシュ54をピン53に係止するようにしている。
そのため、長孔52を通じてピン53の内端部をコントロールシャフト36の係止穴38に圧入するとともに、ピン53の外端部にブッシュ54を係止し、これらのピン53の外端部及びブッシュ54をガイド溝61によって周溝49に導くことで、スライダ48をコントロールシャフト36に連結することができる。長孔85、係止穴87等がスライダ76によって覆われた状態で各部材の位置を合わせ、その後にスライダ76の外方からピン86を一度に挿入する背景技術とは異なり、スライダ48をコントロールシャフト36に対し、より簡単な作業で連結することが可能となり、連結のための作業性が向上する。
(2)ピン53を、その外端部に係止したブッシュ54にて周溝49に係合させている。そのため、こうしたブッシュ54を用いずピン53の外端部を周溝49に直接係合させる場合に比べ、同周溝49との接触面積を大きくし、その接触に伴いピン53に対し部分的に高い圧力が加わるのを抑制することができ、摩耗等の点で有利となる。
(3)ピン53の外端部及びブッシュ54を、ガイド溝61により周溝49に導いた状態でさらにスライダ48を回転させている。この回転により、ピン53の外端部及びブッシュ54を、周溝49においてガイド溝61との接続部分とは異なる箇所で係合させている。そのため、作用角の変更に際し、ピン53の外端部及びブッシュ54が、周溝49のガイド溝61との接続部分に係合して同周溝49から抜け出るのを抑制することができる。
(4)上記(3)におけるスライダ48の回転を、作用角の変更に際しスライダ48が採り得る最大回転角度よりも大きな角度で行うようにしている。そのため、作用角の変更に際しスライダ48が如何に大きく回転されても、周溝49のガイド溝61との接続部分がピン53の外端部及びブッシュ54と係合することがない。従って、これらのピン53及びブッシュ54が周溝49から抜け出る不具合を確実に抑制することができる。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・ガイド溝61はコントロールシャフト36に対し必ずしも平行でなくてもよい。
・ピン53を円柱状以外の形状に変更してもよい。例えば、矩形断面を有する棒材をピン53として用いもよい。
・本発明は、ブッシュ54を省略し、ピン53のみによって係合部材を構成した場合にも適用可能である。
・ピン53の外端部にブッシュ54に相当する部分を一体形成して係合部材としてもよい。
・バルブ特性可変装置は、少なくとも作用角可変機構33を備えるものであればよく、従って、バルブタイミング可変機構32を省略してもよい。
・ピン53の内端部を前記実施形態とは異なる態様でコントロールシャフト36の被着部に取付けてもよい。例えば、ピン53を係止穴38にねじ込んでもよい。
・ピン53の外端部及びブッシュ54がガイド溝61によって周溝49に導かれた状態でスライダ48が回転させられることについては既述した。この際の回転は、作用角の変更に際しスライダ48が採り得る最大回転角度よりも大きな角度で行われればよく、この条件が満たされる範囲内で回転の角度を適宜変更可能である。
・本発明は、同一種類の機関バルブ(吸気バルブ又は排気バルブ)を1気筒当りに1本又は3本以上有するエンジンにも適用することができる。この場合、出力アームの数を機関バルブの本数に合わせる変更を行う。
・本発明を、排気バルブを開閉駆動する動弁機構に適用してもよい。この場合には、排気カムシャフトと排気バルブとの間に作用角可変機構が配置される。
エンジン上部の動弁機構を示す部分断面図。 シリンダヘッド上部を示す平面図。 作用角可変機構による作用角及び最大リフト量の変化態様を示す特性図。 仲介駆動機構を示す斜視図。 仲介駆動機構におけるスライダ等を示す側面図。 仲介駆動機構の内部構造を示す断面図。 (A),(B)は仲介駆動機構の作用を示す部分断面図。 (A),(B)はスライダをコントロールシャフトに連結する手順を示す部分断面図。 同じくスライダをコントロールシャフトに連結する手順を示す部分断面図。 図9の10−10線における断面図。 スライダをコントロールシャフトに連結する手順を示す部分断面図。 図11の12−12線における断面図。 背景技術におけるバルブ特性可変装置付き動弁機構を示す斜視図。 バルブ特性可変装置付き動弁機構の内部構造を説明する断面図。 スライダをコントロールシャフトに連結する手順を示す部分断面図。
符号の説明
11…エンジン(内燃機関)、21…吸気バルブ(機関バルブ)、22…排気バルブ(機関バルブ)、24…吸気カム、25…吸気カムシャフト、27…排気カム、28…排気カムシャフト、32…バルブタイミング可変機構(バルブ特性可変装置)、33…作用角可変機構(バルブ特性可変装置)、35…支持パイプ、36…コントロールシャフト、38…係止穴(被着部)、41…入力アーム、41A,42B,43C,48A,48B,48C…ヘリカルスプライン、42,43…出力アーム、48…スライダ、49…周溝、51…ピン孔、52…長孔(連通孔)、53…ピン(係合部材)、54…ブッシュ(係合部材)、61…ガイド溝。

Claims (6)

  1. 連通孔を有する支持パイプと、
    前記支持パイプ内に挿通されるコントロールシャフトと、
    前記支持パイプに被せられ、かつ周方向に延びる周溝を内壁に有するスライダと、
    前記連通孔に挿通され、かつ内端部が前記コントロールシャフトの被着部に取付けられるとともに、外端部が前記周溝に係合される係合部材と
    を備え、前記スライダにより内燃機関のカムシャフトの回転を機関バルブに伝達して同機関バルブを開閉駆動するとともに、前記コントロールシャフトの軸方向への変位を前記係合部材を介して前記スライダに伝達し、同スライダを回転させながら前記軸方向へ変位させることにより前記機関バルブのバルブ特性を変更するようにしたバルブ特性可変装置付き動弁機構において、
    前記スライダの内壁には、前記軸方向についての同スライダの一方の端面と前記周溝とを繋ぎ、かつ前記係合部材について前記支持パイプから露出した部分の通過を可能としたガイド溝を設けることを特徴とするバルブ特性可変装置付き動弁機構。
  2. 前記係合部材は、内端部が前記コントロールシャフトの前記被着部に取付けられるピンと、前記ピンの外端部に設けられて前記周溝に係合されるブッシュとを備える請求項1に記載のバルブ特性可変装置付き動弁機構。
  3. 前記ブッシュにはピン孔が設けられており、前記ピンが同ピン孔に挿入されることにより、前記ピンに前記ブッシュが係止されている請求項2に記載のバルブ特性可変装置付き動弁機構。
  4. 前記係合部材が前記ガイド溝により前記周溝に導かれた状態でさらに前記スライダが回転させられることにより、前記周溝は、前記ガイド溝との接続部分とは異なる箇所で前記係合部材に係合される請求項1〜3のいずれか1つに記載のバルブ特性可変装置付き動弁機構。
  5. 前記スライダの回転は、前記バルブ特性の変更に際し前記スライダが採り得る最大回転角度よりも大きな角度で行われる請求項4に記載のバルブ特性可変装置付き動弁機構。
  6. 前記スライダの外周には、前記カムシャフトにより駆動される入力アームがヘリカルスプラインにて噛合されるとともに、前記機関バルブを駆動するための出力アームがヘリカルスプラインにて噛合され、前記スライダが回転を伴いながら軸方向へ変位させられることにより、前記入力アーム及び前記出力アームの相対位相差が変更されて、前記機関バルブのバルブ特性が変更される請求項1〜5のいずれか1つに記載のバルブ特性可変装置付き動弁機構。
JP2004274041A 2004-09-21 2004-09-21 バルブ特性可変装置付き動弁機構 Expired - Fee Related JP4312137B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004274041A JP4312137B2 (ja) 2004-09-21 2004-09-21 バルブ特性可変装置付き動弁機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004274041A JP4312137B2 (ja) 2004-09-21 2004-09-21 バルブ特性可変装置付き動弁機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006090161A true JP2006090161A (ja) 2006-04-06
JP4312137B2 JP4312137B2 (ja) 2009-08-12

Family

ID=36231390

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004274041A Expired - Fee Related JP4312137B2 (ja) 2004-09-21 2004-09-21 バルブ特性可変装置付き動弁機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4312137B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180125781A (ko) * 2017-05-16 2018-11-26 현대자동차주식회사 다단 가변 밸브 리프트 장치

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180125781A (ko) * 2017-05-16 2018-11-26 현대자동차주식회사 다단 가변 밸브 리프트 장치
KR102335326B1 (ko) * 2017-05-16 2021-12-03 현대자동차 주식회사 다단 가변 밸브 리프트 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP4312137B2 (ja) 2009-08-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106194449B (zh) 停缸发动机
CN103270256A (zh) 防转动滚子式气门挺杆
JP4697011B2 (ja) 可変動弁機構
WO2007013460A1 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP4312137B2 (ja) バルブ特性可変装置付き動弁機構
JP4289193B2 (ja) エンジンの可変動弁装置
JP2006220121A (ja) 内燃機関のシリンダヘッド
JP4507997B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP2009197597A (ja) 4サイクル内燃機関
JP2007205299A (ja) 内燃機関のシリンダヘッド
JP4591300B2 (ja) 4サイクル火花点火式エンジン
JP4327696B2 (ja) バルブ特性可変装置付き動弁機構
JP2008025441A (ja) 可変動弁機構
JP2005090492A (ja) 内燃機関の可変動弁機構
JP2007239496A (ja) 内燃機関のシリンダヘッド
JP2007332886A (ja) 可変動弁機構
JP4325525B2 (ja) 可変動弁機構
JP4661647B2 (ja) 可変動弁機構の制御装置
JP2005002835A (ja) 内燃機関の可変動弁機構
JP4090339B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JP4293078B2 (ja) バルブ特性可変装置を備えた内燃機関
JP2007192044A (ja) 内燃機関の可変動弁機構
JP2008255851A (ja) 可変動弁機構を備えた内燃機関
JP2007205329A (ja) 内燃機関の可変動弁機構
JP2006307788A (ja) 可変動弁装置に用いられるロッカーアーム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080829

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080902

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081031

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090414

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090512

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120522

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4312137

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120522

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130522

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140522

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees