JP2006307788A - 可変動弁装置に用いられるロッカーアーム - Google Patents

可変動弁装置に用いられるロッカーアーム Download PDF

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Yuji Yoshihara
裕二 吉原
Takahide Koshimizu
孝英 腰水
Fuminori Hosoda
文典 細田
Yoshiaki Miyasato
佳明 宮里
Ken Sugiura
憲 杉浦
Koki Yamaguchi
弘毅 山口
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Abstract

【課題】バルブ特性を変更する機能を有する可変動弁装置に用いられて、カム入力部との干渉を抑制することのできるロッカーアームを提供する。
【解決手段】可変動弁装置は、吸気カムの回転がカム入力部60を通じて伝達されて揺動する入力アーム61と、入力アーム61の気筒配列方向についての両側に揺動可能に配置された一対の出力アーム62,63とを備え、入力アーム61の揺動を両出力アーム62,63に伝達して吸気バルブ21を駆動するとともに、それら入・出力アーム61〜63の揺動方向についての相対位相差を変更することにより、吸気バルブ21のバルブ特性を変更する。各出力アーム62,63の揺動を対応する吸気バルブ21に伝達するロッカーアーム34では、カム入力部60の揺動領域Zと対向する対向箇所Aが、対向しない箇所の少なくとも一部よりも、揺動領域Zから気筒配列方向へ遠ざかるように形成されている。
【選択図】 図10

Description

本発明は、内燃機関の吸気バルブ、排気バルブ等の機関バルブを開閉駆動するとともに、その機関バルブの開閉に関わるバルブ特性を変更するようにした可変動弁装置に用いられるロッカーアームに関するものである。
内燃機関の一般的な動弁装置は、バルブスプリングによって閉弁方向に付勢された機関バルブを、カムシャフトのカムによって直接、又はロッカーアーム等を介して押下げて開弁させる構成を採用している。
これに対し、近年では、カムシャフトのカムの作用角や機関バルブの最大リフト量といったバルブ特性を内燃機関の運転状態に応じて変更する機構を付加した動弁装置(可変動弁装置)が提案されている。この可変動弁装置によれば、例えば内燃機関の低回転低負荷域では、吸気カムの作用角及び吸気バルブの最大リフト量を小さくして吸入空気量を制限することで、スロットルバルブの開度制御によって生ずるポンピングロスを小さくし、燃費の向上を図ることができる。また、内燃機関の高回転高負荷域では上記作用角及び最大リフト量を大きくし、吸気充填効率の向上により出力の増加を確保することができる。
こうした可変動弁装置の一形態として、例えば特許文献1には、気筒毎に、気筒配列方向に一対の機関バルブが設けられた内燃機関を適用対象とするものが記載されている。この可変動弁装置は、図16及び図17に示すように、カム入力部101を有する入力アーム102と、一対の出力アーム105,106と、相対位相差変更機構109とを備える。両出力アーム105,106は、入力アーム102の気筒配列方向(図16では紙面と直交する方向、図17では左右方向)についての両側に配置されており、カム面103が形成されたノーズ104を有する。
上記可変動弁装置111によると、内燃機関の運転に伴いカムシャフト112が回転すると、そのカム113の回転がカム入力部101に伝達されて同カム入力部101が揺動する。この揺動が相対位相差変更機構109を通じて両出力アーム105,106に伝達されて、ノーズ104が揺動する。このノーズ104の揺動がロッカーアーム108を介して機関バルブ107に伝達されて、同機関バルブ107が開弁される。また、相対位相差変更機構109により、入力アーム102及び出力アーム105,106の揺動方向についての相対位相差が機関運転状態に応じて変更され、機関バルブ107のバルブ特性が変更される。
なお、本発明にかかる先行技術文献としては、上記特許文献1のほかに特許文献2が挙げられる。この特許文献2には、一対の対向側壁と、両対向側壁をつなぐ連結板壁とからなるアーム本体を備えたロッカーアームが記載されている。アーム本体の長手方向の中間部分にはカムに当接するローラが取付けられている。また、アーム本体の一端には機関バルブに作用するバルブ作用部が形成され、他端のアジャスト部には、ピボット部品を出入調整可能に取付ける取付孔が貫通して形成されている。同特許文献2には、上記取付孔を、連結板壁の幅方向における中間位置から一方の対向側壁側へずらした態様も記載されている。
特開2001−263015号公報 特開2003−222005号公報
ところで、上述したように、入力アーム102の気筒配列方向についての両側に一対の出力アーム105,106を配置する特許文献1に記載の可変動弁装置111では、それらの入力アーム102及び両出力アーム105,106を、バルブピッチに対応した幅におさまるように各部材の配置がなされる。ここで、バルブピッチは、同一気筒内において、気筒配列方向についての機関バルブ107,107の間隔である。そのため、上記制約を受けた各部材の配置により、ノーズ104及びロッカーアーム108が入力アーム102のカム入力部101に接近する。この接近により、ロッカーアーム108がカム入力部101と接触(干渉)するおそれがある。
こうした不具合は、特に小排気量の内燃機関で起こりやすい。これは、小排気量の内燃機関では、上記バルブピッチが、中・大排気量の内燃機関に比べて小さいことによる。これに伴い、同一気筒について隣合う一対のロッカーアーム108の間隔が小さくなる。一方で、カム入力部101やロッカーアーム108については、強度確保等の観点からある程度の厚みが必要であり、薄くすることで上記不具合に対処するにも限度がある。従って、バルブピッチの小さな小排気量の内燃機関では、ロッカーアーム108がカム入力部101に接近(干渉)しやすくなる。
なお、上記特許文献2に記載されたロッカーアームには、上述したように、取付孔を連結板壁の幅方向における中間位置から一方の対向側壁側へずらした態様もあるが、これはアーム本体における取付孔の位置を変更したに過ぎない。そのため、このロッカーアームを上記可変動弁装置に用いたとしても、上記不具合を解消することはできない。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、バルブ特性を変更する機能を有する可変動弁装置に用いられて、カム入力部との干渉を抑制することのできるロッカーアームを提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1及び請求項7に記載の発明にかかるロッカーアームは、下記の構成を有する可変動弁装置に用いられて、出力アームの揺動を機関バルブに伝達する。この可変動弁装置は、列をなして配置された複数の気筒を有し、各気筒には気筒配列方向に配置された複数の機関バルブを有する内燃機関にあって、前記内燃機関のカムの回転がカム入力部を通じて伝達されて揺動する入力アームと、前記入力アームの前記気筒配列方向についての両側に揺動可能に配置された出力アームとを備え、前記入力アームの揺動を前記両出力アームに伝達して前記機関バルブを駆動するとともに、それら入力アーム及び出力アームの揺動方向についての相対位相差を変更することにより、前記機関バルブの開閉に関わるバルブ特性を変更する。
こうした可変動弁装置に用いられる請求項1に記載の発明のロッカーアームでは、前記カム入力部の揺動領域と対向する対向箇所が、対向しない箇所の少なくとも一部よりも、前記揺動領域から気筒配列方向へ遠ざかるように形成されているとする。
また、請求項7に記載の発明のロッカーアームでは、前記出力アーム側の端面について前記カム入力部の揺動領域に対向する対向箇所が、前記入力アームの軸線に対し傾斜した状態で形成されているとする。
上記構成を有する請求項1及び請求項7に記載の発明によれば、可変動弁装置では、内燃機関の運転に伴うカムの回転がカム入力部を通じて入力アームに伝達され、同入力アームが揺動する。この揺動が、入力アームの気筒配列方向についての両側に配置された出力アームに伝達され、同出力アームが揺動する。各出力アームの揺動はロッカーアームにより機関バルブに伝達される。この伝達により機関バルブが開弁する。こうした機関バルブの駆動中に、入力アーム及び出力アームの揺動方向についての相対位相差が変更されると、機関バルブのバルブ特性が変更される。
ところで、上記可変動弁装置では、入力アームの気筒配列方向についての両側に一対の出力アームを配置し、各出力アームの揺動をロッカーアームを介して機関バルブに伝達する構成を採っていることから、同入力アームにおけるカム入力部と両ロッカーアームとが接近する。この配置により、ロッカーアームのカム入力部との接触(干渉)が懸念される。
特に、内燃機関では各気筒の径(ボア径)が小さくなるに従い、気筒配列方向についての機関バルブの間隔(バルブピッチ)が小さくなる。このことから、バルブピッチの小さな小排気量の内燃機関では、上記バルブピッチに合わせてカム入力部とロッカーアームとを接近させる配置が採用されることとなり、上記の干渉が起こりやすくなる。
この点、請求項1に記載の発明では、ロッカーアームについて、カム入力部の揺動領域と対向する対向箇所が、対向しない箇所の少なくとも一部よりも、揺動領域から気筒配列方向へ遠ざかるように形成されている。こうした形成により、対向箇所をカム入力部の揺動領域に入り込ませることなく、ロッカーアームをカム入力部に接近させて配置することが可能となる。その結果、バルブピッチの小さい内燃機関であっても、カム入力部の揺動に伴い、ロッカーアームがカム入力部と干渉しないようにすることができる。
また、請求項7に記載の発明では、ロッカーアームについて、出力アーム側の端面についてカム入力部の揺動領域に対向する対向箇所が、入力アームの軸線に対し傾斜した状態で形成されている。こうした形成により、対向箇所を、揺動領域から気筒配列方向へ遠ざけたり、揺動方向へ遠ざけたりすることが可能となる。この場合にも上記請求項1に記載の発明と同様に、対向箇所をカム入力部の揺動領域に入り込ませることなく、ロッカーアームをカム入力部に接近させて配置することが可能となる。その結果、バルブピッチの小さい内燃機関であっても、カム入力部の揺動に伴い、ロッカーアームがカム入力部と干渉しないようにすることができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、アーム本体と、前記アーム本体に設けられて前記出力アームに接触するアーム接触部とを備え、前記アーム本体における前記アーム接触部の近傍部分は、前記対向箇所として、前記揺動領域に対向しない箇所の少なくとも一部よりも、前記揺動領域から前記気筒配列方向へ遠ざかるように形成されているとする。
アーム本体とアーム接触部とを備え、アーム本体におけるアーム接触部の近傍部分を対向箇所とするロッカーアームにあっては、同対向箇所を上記のように揺動領域から気筒配列方向へ遠ざかるように形成することで、同対向箇所を揺動領域に入り込ませることなくロッカーアームをカム入力部に接近させて配置することが可能となる。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明において、前記アーム接触部は、前記アーム本体のローラ支持部により支持されたローラにより構成され、前記対向箇所は、前記ローラ支持部の少なくとも一部により構成されているとする。
ローラをアーム接触部とし、ローラ支持部の少なくとも一部を対向箇所とするロッカーアームにあっては、同対向箇所を上記のように揺動領域から気筒配列方向へ遠ざかるように形成することで、同対向箇所を揺動領域に入り込ませることなくロッカーアームをカム入力部に接近させて配置することが可能となる。
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、前記アーム本体は、前記気筒配列方向に対し交差する方向へ延びる一対の側壁部を前記ローラ支持部として備え、前記ローラと前記両側壁部のローラ近傍部分とは、前記揺動領域に対向しない箇所の少なくとも一部よりも、前記揺動領域から前記気筒配列方向へ遠ざけられているとする。
ローラと両側壁部のローラ近傍部分とを、上記のように、揺動領域に対向しない箇所の少なくとも一部よりも、揺動領域から気筒配列方向へ遠ざけることで、対向箇所を揺動領域に入り込ませることなくロッカーアームをカム入力部に接近させて配置することが可能となる。また、対向箇所だけでなく、その周辺部分、すなわちローラ、及びローラ支持部のローラ近傍部分を含めてロッカーアームの長さ方向中間部分の全体を揺動領域から遠ざけている。このことから、該当箇所の厚みを薄くする等して対処した場合とは異なり、対向箇所が揺動領域から遠ざけられていないロッカーアームと同程度の強度を確保することが可能となる。
請求項5に記載の発明では、請求項2〜4のいずれか1つに記載の発明において、前記アーム本体について、前記揺動領域に対向しない箇所の少なくとも一部には、前記機関バルブに対応して、前記気筒配列方向について前記対向箇所よりも前記揺動領域側に位置し、かつ同機関バルブに接触するバルブ接触部が設けられているとする。
また、請求項6に記載の発明では、請求項2〜5のいずれか1つに記載の発明において、前記内燃機関には、前記アーム本体を支持するとともにその支持位置を調整するためのアジャスタが設けられており、前記アーム本体について、前記揺動領域に対向しない箇所の少なくとも一部には、前記アジャスタに対応して、前記気筒配列方向について前記対向箇所よりも前記揺動領域側に位置し、かつ同アジャスタに接触するアジャスタ接触部が設けられているとする。
ここで、ロッカーアームのカム入力部との干渉を回避する点では、少なくとも対向箇所を揺動領域から遠ざけることが必要である。ロッカーアームにおいて対向箇所以外の箇所については揺動領域から遠ざけても遠ざけなくても上記の効果に影響を及ぼさない。こうした対向しない箇所としては、例えば上記バルブ接触部やアジャスタ接触部が挙げられる。反面、これらを揺動領域から気筒配列方向へ遠ざけると、それに伴って機関バルブやアジャスタの気筒配列方向における位置を変更する必要が生ずる。
この点、請求項5に記載の発明では、バルブ接触部については、対向箇所とは異なり、揺動領域から気筒配列方向へ遠ざけることをせず、機関バルブに対応する箇所に設けている。そのため、機関バルブの気筒配列方向における位置を変更しなくてもすむ。
また、請求項6に記載の発明では、アジャスタ接触部については、対向箇所とは異なり、揺動領域から気筒配列方向へ遠ざけることをせず、アジャスタに対応する箇所に設けている。そのため、アジャスタの気筒配列方向における位置を変更しなくてもすむ。
請求項8に記載の発明では、請求項7に記載の発明において、ロッカーアームは、アーム本体と、前記アーム本体に設けられて前記出力アームに接触するアーム接触部とを備え、前記アーム本体における前記アーム接触部の近傍部分であって前記出力アーム側の端面は、前記対向箇所として、前記入力アームの軸線に対し傾斜した状態で形成されているとする。
アーム本体とアーム接触部とを備え、アーム本体におけるアーム接触部の近傍部分であって、前記出力アーム側の端面を対向箇所とするロッカーアームにあっては、同対向箇所を上記のように入力アームの軸線に対し傾斜するように形成することで、同対向箇所を揺動領域に対し気筒配列方向又は揺動方向へ遠ざけることができる。そのため、対向箇所を揺動領域に入り込ませることなくロッカーアームをカム入力部に接近させて配置することが可能となる。
請求項9に記載の発明では、請求項8に記載の発明において、前記アーム接触部は、前記アーム本体のローラ支持部により支持されたローラにより構成され、前記対向箇所は、前記ローラ支持部の少なくとも一部であって前記出力アーム側の端面により構成されているとする。
ローラをアーム接触部とし、ローラ支持部の少なくとも一部であって、出力アーム側の端面を対向箇所とするロッカーアームにあっては、同対向箇所を上記のように入力アームの軸線に対し傾斜した状態で形成することで、同対向箇所を揺動領域に対し気筒配列方向又は揺動方向へ遠ざけることができる。そのため、対向箇所を揺動領域に入り込ませることなくロッカーアームをカム入力部に接近させて配置することが可能となる。
請求項10に記載の発明では、請求項9に記載の発明において、前記アーム本体は、前記気筒配列方向に対し交差する方向へ延びる一対の側壁部を前記ローラ支持部として備え、前記ローラと前記両側壁部のローラ近傍部分とは、前記入力アームの軸線に対し傾斜されているとする。
ローラと、両ローラ支持部のローラ近傍部分とを、上記のように、入力アームの軸線に対し傾斜させることで、上記対向箇所を揺動領域に対し気筒配列方向又は揺動方向へ遠ざけることができる。そのため、対向箇所を揺動領域に入り込ませることなくロッカーアームをカム入力部に接近させて配置することが可能となる。また、対向箇所だけでなく、その周辺部分、すなわちローラ、及びローラ支持部のローラ近傍部分を含めてロッカーアームの長さ方向中間部分の全体を、入力アームの軸線に対し傾斜させている。このことから、該当箇所の厚みを薄くする等して対処した場合とは異なり、対向箇所が傾斜されていないロッカーアームと同程度の強度を確保することが可能となる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態について、図1〜図11を参照して説明する。
車両には、図1及び図2に示すように、多気筒ガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)11が内燃機関として搭載されている。エンジン11は、列をなして配置された複数の気筒(シリンダ)12を有するシリンダブロック13と、その上に取付けられたシリンダヘッド14とを備えている。各気筒12にはピストン15が往復動可能に収容されている。各ピストン15は、コネクティングロッド(図示略)を介し、出力軸であるクランクシャフト16(図2参照)に連結されている。各ピストン15の往復運動は、コネクティングロッドによって回転運動に変換された後、クランクシャフト16に伝達される。
各気筒12においてピストン15よりも上側の空間は燃焼室17となっている。シリンダヘッド14には、吸気通路の一部をなす吸気ポート18と、排気通路の一部をなす排気ポート19とが、気筒12毎に気筒配列方向(図1では紙面と直交する方向、図2では左右方向)に一対ずつ設けられている。これらの吸・排気ポート18,19は、シリンダヘッド14の下面において燃焼室17に面して開口している。
シリンダヘッド14には、各吸気ポート18を開閉する吸気バルブ21と、各排気ポート19を開閉する排気バルブ22とが、それぞれ機関バルブとして設けられている。吸・排気バルブ21,22の各上端部にはリテーナ24が装着されている。各リテーナ24とシリンダヘッド14との間であって吸・排気バルブ21,22の周りにはバルブスプリング25が配置されている。吸・排気バルブ21,22は、いずれもバルブスプリング25によって、吸・排気ポート18,19を閉鎖する方向(閉弁方向、図1のほぼ上方)へ付勢されている。
シリンダヘッド14には、上記バルブスプリング25等に抗して、吸・排気ポート18,19を開放させる方向(開弁方向、図1のほぼ下方)へ吸・排気バルブ21,22をリフトさせるための動弁装置がそれぞれ設けられている。各動弁装置について説明すると、シリンダヘッド14における吸気バルブ21のほぼ上方には、吸気カム27を有する吸気カムシャフト28が支持壁部29(図2参照)により回転可能に支持されている。同様に、シリンダヘッド14における排気バルブ22のほぼ上方には、排気カム31を有する排気カムシャフト32が回転可能に支持されている。
吸・排気カムシャフト28,32は、タイミングチェーン33、スプロケット(図示略)等によりクランクシャフト16に駆動連結されている。そして、クランクシャフト16の回転がタイミングチェーン33等を介して吸・排気カムシャフト28,32に伝達される。これらの吸・排気カムシャフト28,32の回転により、吸・排気バルブ21,22がバルブスプリング25に抗して押下げられて、吸・排気ポート18,19が開放される。
吸・排気カムシャフト28,32の回転を吸・排気バルブ21,22に伝達するために、吸・排気カム27,31と吸・排気バルブ21,22の各上端部との間にはロッカーアーム34,35が揺動可能に配置されている。ロッカーアーム34,35は基本的には同様の構成を採っている。そのため、ここでは、排気側(排気カム31及び排気バルブ22間)のロッカーアーム35について説明する。
図3(A),(B)に示すように、ロッカーアーム35の骨格をなすアーム本体36は、ローラ支持部としての一対の側壁部37と、連結壁部38とを備えて構成されている。両側壁部37は、互いに平行に気筒配列方向に交差(ほぼ直交)する方向へ延びている。図3(A)では、紙面と直交する方向が「気筒配列方向」に相当し、図3(B)では上下方向が「気筒配列方向」に相当する。
連結壁部38は、上記両側壁部37の上縁をつないでいる。連結壁部38の長手方向についての中間部分には窓部39が開口している。この窓部39は排気カム31の直下に位置している。また、両側壁部37の長手方向における中間部分には支軸42が掛け渡されており、この支軸42によりローラ43がアーム本体36に支持されている。ローラ43の外周部分の一部は、上述した窓部39から上方へ露出している。そして、このローラ43の露出部分に対し、排気カム31が直接接触している。
連結壁部38の長手方向についての一方(図3(A)の左方)の端部下面はバルブ接触部44を構成しており、ロッカーアーム35はバルブ接触部44において排気バルブ22の上端部に接触している。また、連結壁部38の長手方向についての他方(図3(A)の右方)の端部下面にはほぼ半球状の凹部が設けられており、この凹部の壁面がアジャスタ接触部45を構成している。ロッカーアーム35はアジャスタ接触部45においてラッシュアジャスタ46に接触している。ラッシュアジャスタ46は、アーム本体36を支持するとともに、その支持位置を調整するためのものである。ラッシュアジャスタ46は、シリンダヘッド14に固定されたボディ47と、プランジャスプリングの圧縮反力や油圧によってボディ47から突出する方向へ付勢されたプランジャ48とを備える。このプランジャ48の頭部がアジャスタ接触部45に接触している。
図1に示すように、上記排気バルブ22との接触、及びラッシュアジャスタ46との接触により、バルブスプリング25の圧縮反力が排気バルブ22及びバルブ接触部44を通じてロッカーアーム35に伝達されるとともに、ラッシュアジャスタ46の押上げ力がアジャスタ接触部45を通じてロッカーアーム35に伝達される。両伝達によりロッカーアーム35が押上げられ、ローラ43が排気カム31に接触している。そして、排気カムシャフト32が回転すると、プランジャ48の頭部を支点としてロッカーアーム35が下方へ揺動する。この揺動により排気バルブ22がバルブスプリング25等に抗して押下げられ、排気ポート19が開放された状態(開弁状態)となる。
吸気通路には、吸気ポート18へ向けて燃料を噴射する燃料噴射弁(図示略)が各気筒12に対応して取付けられている。噴射された燃料は、吸気ポート18を通って燃焼室17内に導入される吸入空気と混ざり合って混合気となる。なお、吸気ポート18を介さずに燃料噴射弁から燃料を燃焼室17に直接噴射するようにしてもよい。
シリンダヘッド14には、点火プラグ51が各気筒12に対応して取付けられている。そして、前記混合気は点火プラグ51の電気火花によって着火され、爆発・燃焼する。このときに生じた高温高圧の燃焼ガスによりピストン15が往復動され、クランクシャフト16が回転されて、エンジン11の駆動力(出力トルク)が得られる。燃焼ガスは排気ポート19を通じて排気通路へ排出される。
図1及び図2に示すように、吸気カムシャフト28とそのスプロケットとの間にはバルブタイミング可変装置52が設けられている。同可変装置52は、クランクシャフト16に対する吸気カムシャフト28の相対回転位相を変化させることにより、吸気バルブ21のバルブタイミングをクランク角(クランクシャフト16の回転角)に対して変更するための装置である。吸気バルブ21のバルブタイミングは、例えば、図4に示すように吸気バルブ21の開弁時期IVO及び閉弁時期IVCで表すことができる。バルブタイミングは、吸気バルブ21の開弁期間(開弁時期IVOから閉弁時期IVCまでの期間)が一定に保持された状態で進角又は遅角させられる。なお、図4中のEVO,EVCは排気バルブ22の開弁時期及び閉弁時期である。
また、シリンダヘッド14では、図1に示すように吸気カム27がロッカーアーム34のローラ43に直接接触せず、バルブ特性可変装置53を介して間接的に同ローラ43に接触する。同可変装置53は、機関バルブの作用角及び最大バルブリフト量をバルブ特性として、これらの少なくとも一方を変更するための装置である。本実施形態では、このバルブ特性可変装置53が、吸気バルブ21の作用角及び最大リフト量を変更するために用いられている。ここで、吸気バルブ21の作用角とは、図5に示すように、吸気カム27の回転(図5ではクランク角で表現)について、吸気バルブ21の開弁時期IVOから閉弁時期IVCまでの角度範囲である。また、最大リフト量は、吸気バルブ21が開弁時において可動範囲の最も下方まで移動(リフト)したときの同吸気バルブ21の移動量である。これらの作用角及び最大リフト量は、バルブ特性可変装置53によって互いに同期して変化させられ、例えば、作用角が小さくなるほど最大リフト量も小さくなる。作用角が小さくなるに従い、吸気バルブ21の開弁時期IVOと閉弁時期IVCとが互いに近寄り、開弁期間が短くなって、1気筒当りの吸入空気量が少なくなる。このように、吸気バルブ21の動弁装置はバルブ特性を変更する機能を有する可変動弁装置となっている。これに対し、排気バルブ22の動弁装置については、上述したバルブタイミング可変装置52及びバルブ特性可変装置53は設けられていない。
図2に示すように、バルブ特性可変装置53は、気筒12毎の仲介駆動機構54を備えるほか、すべての仲介駆動機構54にそれぞれ共通の支持パイプ55、コントロールシャフト56及びアクチュエータ57を備える。
支持パイプ55は気筒配列方向(図2の左右方向)へ延び、前述した支持壁部29に固定されている。なお、この気筒配列方向について、区別する必要のある場合には矢印X方向又は矢印Y方向というものとする。矢印X方向は、前述したタイミングチェーン33に近づく方向であり、吸気カム27の作用角を小さくする方向である。また、矢印Y方向はタイミングチェーン33から遠ざかる方向であり、上記作用角を大きくする方向である。前記固定により、支持パイプ55は気筒配列方向への移動が不能であり、しかも回転不能である。コントロールシャフト56は支持パイプ55内に挿通されている。アクチュエータ57は電動モータと、この電動モータの回転を直線運動に変換してコントロールシャフト56に伝達する変換機構とを備えている。そして、この直線運動の伝達により、コントロールシャフト56が気筒配列方向へ往復駆動される。
各仲介駆動機構54は、図6〜図8に示すように、入力アーム61と、その入力アーム61の気筒配列方向についての両側に配置された一対の出力アーム62,63とを備えている。入力アーム61及び各出力アーム62,63は、それらの相対向する端部において嵌合により連結されている。仲介駆動機構54毎の入力アーム61及び両出力アーム62,63は支持壁部29,29間に配置されており、気筒配列方向への変位が両支持壁部29,29によって規制されている(図8参照)。
入力アーム61の外周面には、一対の支持片64,64が突設されている。両支持片64,64にはローラ66が軸支されている。これらの支持片64、ローラ66等によってカム入力部60が構成されている。一方、各出力アーム62,63は、いずれもベース円部67と、そのベース円部67の外周面から突出するノーズ68とを備えている。各ノーズ68は、凹状に湾曲するカム面68Aを有する。
支持パイプ55と、入・出力アーム61〜63との間には、動力伝達用のスライダギヤ69が配置されている。スライダギヤ69は、支持パイプ55上に回動可能かつ気筒配列方向への変位可能に支持されている。支持パイプ55の外側のスライダギヤ69を同支持パイプ55内のコントロールシャフト56に動力伝達可能に連結するために、同スライダギヤ69の内壁には、周方向に延びる周溝71が形成されている。また、支持パイプ55において、隣合う支持壁部29,29によって挟まれた箇所には、気筒配列方向へ延びる長孔73が形成されている。これらの周溝71及び長孔73の交わる箇所には係止ピン74が配置され、その内端部(図8の下端部)がコントロールシャフト56に圧入されている。また、周溝71内に位置する係止ピン74の外端部(図8の上端部)にはブッシュ75が係止されている。
従って、前述したように支持パイプ55がシリンダヘッド14(支持壁部29)に固定されているが、コントロールシャフト56の気筒配列方向への移動に伴い、係止ピン74が支持パイプ55の長孔73内を移動することで、ブッシュ75及び係止ピン74を介してスライダギヤ69を気筒配列方向へ変位させることが可能である。さらに、スライダギヤ69自体は、周方向へ延びる周溝71にて係止ピン74の外端部及びブッシュ75に係合されていることから、それらの係止ピン74及びブッシュ75にて気筒配列方向の位置は決定されるが、軸周りについては回動可能である。
入力アーム61及びスライダギヤ69間で動力を伝達するために、入力アーム61の内周面には、出力アーム62側ほど時計回り方向へねじれたヘリカルスプライン61Aが形成されている。これに対応して図7に示すように、スライダギヤ69の外周面の気筒配列方向における中間部分には、同方向へねじれたヘリカルスプライン69Aが形成され、これが前述したヘリカルスプライン61Aに噛合されている。
また、各出力アーム62,63及びスライダギヤ69間で動力を伝達するために、各出力アーム62,63の内周面には、前記入力アーム61のヘリカルスプライン61Aとは逆方向、すなわち入力アーム61から出力アーム62側へ離れるほど反時計回り方向へねじれたヘリカルスプライン62B,63Cが形成されている。これに対応して、スライダギヤ69の外周面の気筒配列方向における両端部には同方向へねじれたヘリカルスプライン69B,69Cが形成され、これらが前記ヘリカルスプライン62B,63Cに噛合されている。
このように、ヘリカルスプライン61A,69Aと、ヘリカルスプライン62B,63C,69B,69Cとは逆方向へねじれている。そのため、コントロールシャフト56の気筒配列方向の移動に連動してスライダギヤ69が同方向へ変位しながら回転することにより、入力アーム61と各出力アーム62,63とに対し互いに逆方向のねじり力が付与され、入力アーム61及び出力アーム62,63の相対位相差が変化する。また、前記ヘリカルスプライン(61A,62B,63C),(69A,69B,69C)のねじれ方向の設定により、入・出力アーム61〜63の相対位相差は、スライダギヤ69が矢印X方向(作用角を小さくする方向)へ変位するに従い小さくなる。
図9(A)に示すように、各仲介駆動機構54のローラ66は吸気カム27に接触しており、吸気カムシャフト28の回転に伴い吸気カム27によるほぼ下向きの力がローラ66(カム入力部60)に加えられる。
一方、上述したロッカーアーム34のローラ43は、出力アーム62,63のベース円部67の下方に位置している。そして、ロッカーアーム34は、そのバルブ接触部44において吸気バルブ21の上端部に接触し、アジャスタ接触部45においてラッシュアジャスタ46のプランジャ48に接触している。これらの接触により、バルブスプリング25の圧縮反力が吸気バルブ21を介してバルブ接触部44に伝達されるとともに、ラッシュアジャスタ46の押上げ力がアジャスタ接触部45に伝達される。両伝達によりロッカーアーム34が押上げられ、ローラ43が出力アーム62,63のベース円部67又はノーズ68に接触している。すなわち、ロッカーアーム34では、ローラ43が出力アーム62,63に接触するアーム接触部として機能する。
なお、図9(A)中の76は、入力アーム61の外周面において、上記支持片64とは異なる箇所に設けられた突片である。また、同図中の77は、上記突片76を通じて、吸気カム27の押下げによる入力アーム61の揺動方向とは逆方向(図9(A)の反時計回り方向)へ同入力アーム61を付勢するロストモーションスプリングである。ロストモーションスプリング77は、ローラ43がベース円部67に接触して、バルブスプリング25の圧縮反力等による回転付勢力(支持片64を図9(A)の反時計回り方向へ回転させようとする力)が非常に小さくなった場合にも、ローラ66を吸気カム27に確実に押付けて、ローラ66が吸気カム27から離れる不具合を抑制する。
従って、上記の構成を有するエンジン11では、排気カムシャフト32が回転すると、その回転が対応するロッカーアーム35を介して排気バルブ22に伝達される。この伝達により、排気バルブ22がバルブスプリング25に抗して押下げられて開弁する。
また、吸気カムシャフト28が回転すると、その回転がバルブ特性可変装置53を通じて吸気バルブ21に伝達される。この際、バルブ特性可変装置53では、アクチュエータ57によってコントロールシャフト56が駆動されなければ、吸気カムシャフト28の吸気カム27の回転に伴い入力アーム61が、コントロールシャフト56を支点として揺動する。この揺動はスライダギヤ69を介して出力アーム62,63に伝達され、同出力アーム62,63が揺動する。これらの揺動する出力アーム62,63によって、対応するロッカーアーム34が揺動させられ、吸気バルブ21がバルブスプリング25に抗して押下げられて開弁する。
例えば、図9(A),(B)は、アクチュエータ57によってコントロールシャフト56を図2の矢印Y方向へ最大量移動させたときの仲介駆動機構54の状態を示している。スライダギヤ69が可動範囲における矢印Y方向の端に位置している。このときには、入力アーム61と各出力アーム62,63との相対位相差が最大となり、吸気カム27の作用角が最大となっている。
特に、図9(A)は、吸気カム27がそのベース円部27Aにおいて、仲介駆動機構54のローラ66に接触した状態を示している。この状態では、両出力アーム62,63のベース円部67においてノーズ68に近い部分がロッカーアーム34のローラ43に接触している。このため、吸気バルブ21は閉弁状態(リフト量が「0」)となる。
吸気カムシャフト28が矢印で示す方向へ回転すると、仲介駆動機構54では、吸気カム27のノーズ27Bによってローラ66が押下げられて、入力アーム61が下方へ揺動する。この揺動がスライダギヤ69を介して各出力アーム62,63に伝達されて、同出力アーム62,63が下方へ揺動する。これらの揺動により、ノーズ68のカム面68Aが直ちにロッカーアーム34のローラ43に接触して、図9(B)に示すように、カム面68Aのほぼ全範囲を使用してローラ43を押下げる。この押下げにより、ロッカーアーム34がプランジャ48の頭部を支点として下方へ揺動し、バルブ接触部44が吸気バルブ21を大きく押下げ、同吸気バルブ21を大きく開弁させる。最大リフト量が最も大きくなり、吸気ポート18から燃焼室17に流入する空気の量が最大となる。
バルブ特性の変更に際し、アクチュエータ57によってコントロールシャフト56を図2の矢印X方向へ移動させると、その動きが支持パイプ55の外のスライダギヤ69に伝達されて、同スライダギヤ69が回転しながら同方向へ変位する。スライダギヤ69の回転により入力アーム61及び各出力アーム62,63に対し互いに逆方向のねじり力が付与され、図9(A),(B)において二点鎖線で示すように、入力アーム61及び各出力アーム62,63の相対位相差が変化する。この相対位相差は、スライダギヤ69の矢印X方向への変位量が大きくなるほど小さくなる。
吸気カム27のベース円部27Aが、仲介駆動機構54のローラ66に接触するときに、出力アーム62,63のベース円部67についてロッカーアーム34のローラ43との接触箇所がノーズ68から遠ざかる。このため、出力アーム62,63が揺動しても、しばらくはロッカーアーム34のローラ43はノーズ68のカム面68Aに接触することなくベース円部67に接触し続ける。
その後、カム面68Aがローラ43を押下げて、プランジャ48の頭部を支点としてロッカーアーム34を下方へ揺動させるが、ローラ43が当初、ノーズ68から離れている分、カム面68Aの使用範囲が少なくなる。その結果、ロッカーアーム34の揺動角度が小さくなり、作用角が小さくなる。こうして、吸気バルブ21は最大時よりも小さな作用角にて吸気ポート18を開放状態にする。吸気バルブ21の開弁に伴い吸気ポート18から燃焼室17に流入する空気量は、スライダギヤ69の矢印X方向への変位量に応じて少なくなる。
このように、アクチュエータ57によってコントロールシャフト56を通じてスライダギヤ69の位置を調整することにより、上述した図5に示すように、吸気カム27の作用角及び吸気バルブ21の最大リフト量を連続的に調整することが可能である。
ところで、入力アーム61の気筒配列方向についての両側に一対の出力アーム62,63を配置する上記仲介駆動機構54では、それらの入力アーム61及び両出力アーム62,63が、同一気筒12内の吸気バルブ21,21の間隔であるバルブピッチに対応した幅におさまるように配置される。そのため、上記制約を受けた各部材の配置により、吸気バルブ21の可変動弁装置では出力アーム62,63のノーズ68及びロッカーアーム34が入力アーム61におけるカム入力部60、特に気筒配列方向についての両側に位置する支持片64に接近する。このため、カム入力部60が揺動する際に各支持片64とロッカーアームとが互いに接触(干渉)するおそれがある。
そこで、本実施形態では、図10及び図11に示すように、ロッカーアーム34についてカム入力部60の揺動領域Zと対向する箇所(対向箇所A)を、その揺動領域Zから遠ざかるように形成することで、上記の不具合を解消するようにしている。上記対向箇所Aを、ロッカーアーム34の幅方向、高さ方向、長さ方向のそれぞれから特定すると、幅方向については、カム入力部60寄りの箇所、より詳細には、アーム本体36のうちカム入力部60側の側壁部37である。高さ方向については、アーム本体36の上部である。長さ方向については、アーム本体36の長さ方向中間部分、ここではバルブ接触部44寄りの部分である。
そして、対向箇所Aは、揺動領域Zと対向しない箇所の少なくとも一部よりもアーム本体36の幅方向へずらした箇所に形成されることにより、揺動領域Zから気筒配列方向へ遠ざけられている。ここでは、ロッカーアーム34(アーム本体36)の長さ方向両端部(バルブ接触部44及びアジャスタ接触部45を含む)については、排気側のロッカーアーム35の同部分と同じ箇所に位置している。ロッカーアーム34の長さ方向中間部分、より正確には、両側壁部37において窓部39に対応する箇所、ローラ43及び支軸42については、排気側のロッカーアーム35の同部分よりもアーム本体36の幅方向へずらした箇所に形成されている。出力アーム62に対応するロッカーアーム34については矢印X方向へずらした箇所であり、出力アーム63に対応するロッカーアーム34については矢印Y方向へずらした箇所である。こうした形成により、ロッカーアーム34において、揺動領域Zに対向する側面の長さ方向中間部分は両端部分よりも凹み、同揺動領域Zに対向しない側面の長さ方向中間部分は両端部分よりも突出している。
なお、ロッカーアーム34において位置をずらした箇所の厚み、形状、大きさ等は排気側のロッカーアーム35の対応する箇所と同様である。また、ロッカーアーム34における各部の上端面は、排気側のロッカーアーム35における各部の上端面と同様、入力アーム61の軸線Lに平行に形成されている。これに伴い、ロッカーアーム34の支軸42は上記軸線Lに平行となっている。また、アーム本体36における各側壁部37の側面(内側面、外側面)は上記軸線Lに直交している。
上記のように構成されたロッカーアーム34が吸気バルブ21の可変動弁装置に組み込まれると、バルブ接触部44が吸気バルブ21の上端部に接触し、アジャスタ接触部45がラッシュアジャスタ46のプランジャ48に接触する。また、ローラ43がノーズ68のカム面68Aに接触する。そのため、吸気カム27の回転に伴う入力アーム61の揺動がスライダギヤ69を介して出力アーム62,63に伝達されて、同出力アーム62,63のノーズ68が揺動すると、その揺動が上述したようにローラ43及び支軸42を介してロッカーアーム34に伝達される。この伝達により、プランジャ48の頭部を支点として、ロッカーアーム34が下方へ揺動させられ、吸気バルブ21がバルブスプリング25等に抗して押下げられる。この押下げにより、吸気ポート18が開放された状態(開弁状態)となる。また、バルブ特性の変更に際し、コントロールシャフト56が気筒配列方向へ移動させられると、入力アーム61及び各出力アーム62,63の相対位相差が変化する。これに伴いロッカーアーム34の揺動角度が変化し、バルブ特性(作用角、最大リフト量)が変化する。
上記バルブ特性の変更時を含めて入力アーム61のカム入力部60が揺動する際には、そのカム入力部60は一対のロッカーアーム34,34によって挟まれた空間を通過する。この際、ロッカーアーム34,34にあっては、カム入力部60の揺動領域Zに対向する箇所(対向箇所A)を含む長さ方向中間部分が幅方向へずらされていて、同揺動領域Zから気筒配列方向へ遠ざけられている。そのため、対向箇所Aは揺動領域Zに入り込まず、ロッカーアーム34,34がカム入力部60と干渉するおそれがない。
以上詳述した第1実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)カム入力部60側の側壁部37についてローラ43の近傍部分を揺動領域Zとの対向箇所Aとし、この対向箇所Aを、対向しない箇所の少なくとも一部(ここではアーム本体36の長さ方向両端部)よりも、揺動領域Zから気筒配列方向へ遠ざかるように形成している。
そのため、このロッカーアーム34を吸気バルブ21の可変動弁装置に用いることで、対向箇所Aをカム入力部60の揺動領域Zに入り込ませることなく、ロッカーアーム34をカム入力部60に接近させて配置することが可能となる。背景技術におけるロッカーアームを用いた場合にはカム入力部60と干渉するような場合であっても、第1実施形態ではこうした干渉を回避することができるようになる。
また、こうした効果は、ロッカーアーム34の対向箇所Aについて揺動領域Zから気筒配列方向へ遠ざける程度を変更することで、バルブピッチの小さい小排気量のエンジンでも同様に得ることができる。
(2)対向箇所Aだけでなく、その周辺部分、すなわち、ローラ43、及び両側壁部37のローラ近傍部分を含めてロッカーアーム34の長さ方向中間部分の全体を揺動領域Zから気筒方向へ遠ざけている。そのため、該当箇所の厚みを薄くする等して対処した場合とは異なり、対向箇所Aを揺動領域Zから気筒配列方向へ遠ざけていない排気側のロッカーアーム35と同程度の強度を確保することができる。
(3)ロッカーアーム34のカム入力部60との干渉を回避する点では、少なくとも対向箇所Aを揺動領域Zから遠ざけることが必要である。ロッカーアーム34において対向箇所A以外の箇所については揺動領域Zから遠ざけても遠ざけなくても上記の効果に影響を及ぼさない。こうした対向しない箇所としては、例えばバルブ接触部44やアジャスタ接触部45が挙げられる。反面、これらを揺動領域Zから気筒配列方向へ遠ざけると、それに伴って吸気バルブ21やラッシュアジャスタ46の気筒配列方向における位置を変更する必要が出てくる。
この点、バルブ接触部44及びアジャスタ接触部45については、対向箇所Aとは異なり、揺動領域Zから気筒配列方向へ遠ざけることをせず、もともとの吸気バルブ21及びラッシュアジャスタ46に対応する箇所に設けている。そのため、吸気バルブ21やラッシュアジャスタ46の気筒配列方向における位置を変更しなくてもすむ。
(4)ロッカーアーム34の形状を変更するのみでロッカーアーム34のカム入力部60との干渉を抑制できるため、出力アーム62,63の形状等に関しては特に変更をしなくてもすむ。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態について図12を参照して説明する。第2実施形態は、ロッカーアーム34の揺動領域Zとの対向箇所Aがカム入力部60の揺動方向へ遠ざかるように形成されている点で、気筒配列方向へ遠ざかるように形成されている第1実施形態と異なっている。第2実施形態では、アーム本体36の出力アーム62,63側の端面(上端面36A)についてカム入力部60の揺動領域Zに対向する箇所が、対向箇所Aとして、入力アーム61の軸線Lに対し傾斜した状態で形成されることにより、同対向箇所Aがカム入力部60の揺動方向(下方)へ遠ざけられている。
より詳しくは、ロッカーアーム34(アーム本体36)の長さ方向両端部(バルブ接触部44及びアジャスタ接触部45を含む)についての出力アーム62,63側の端面(上端面36A)は、排気側のロッカーアーム35の同部分と同様、入力アーム61の軸線Lに平行に形成されている。これに伴い、アーム本体36の長さ方向両端部における各側壁部37の側面は上記軸線Lに直交している。
これに対し、ロッカーアーム34の長さ方向中間部分、より正確には、両側壁部37において窓部39に対応する箇所については、同側壁部37の上端面36Aが、揺動領域Zに近づくほど低くなるように傾斜した状態で形成されている。これに伴い、ローラ43及び支軸42もまた揺動領域Zに近づくほど低くなるように傾斜している。これに対応して、ノーズ68のカム面68Aは、カム入力部60に近づくほどベース円部67からの距離が大きくなるように傾斜した状態で形成されている。この形成により、カム入力部60の揺動をローラ43に確実に伝達されるようにしている。
なお、上記ロッカーアーム34の各部は、幅方向(気筒配列方向)については排気側のロッカーアーム35の同部分と同じ箇所に位置している。また、ロッカーアーム34において傾斜の対象となった箇所の厚み、形状、大きさ等はロッカーアーム35の対応する箇所と同様である。
上記のように構成されたロッカーアーム34が吸気バルブ21の可変動弁装置に組み込まれると、バルブ接触部44が吸気バルブ21の上端部に接触し、アジャスタ接触部45がラッシュアジャスタ46のプランジャ48に接触する。また、ローラ43がノーズ68の気筒配列方向に傾斜したカム面68Aに接触する。そのため、吸気カム27の回転に伴う入力アーム61の揺動がスライダギヤ69を介して出力アーム62,63に伝達され、同出力アーム62,63のノーズ68が揺動すると、その揺動が上述したようにローラ43及び支軸42を介してロッカーアーム34に伝達される。この伝達により、プランジャ48の頭部を支点として、ロッカーアーム34が下方へ揺動させられ、吸気バルブ21がバルブスプリング25等に抗して押下げられる。この押下げにより、吸気ポート18が開放された状態(開弁状態)となる。また、バルブ特性の変更に際し、コントロールシャフト56が気筒配列方向へ移動させられると、入力アーム61及び各出力アーム62,63の相対位相差が変化する。これに伴いロッカーアーム34の揺動角度が変化し、バルブ特性(作用角、最大リフト量)が変化する。
上記バルブ特性の変更時を含めて入力アーム61のカム入力部60が揺動する際には、そのカム入力部60は一対のロッカーアーム34,34によって挟まれた空間を通過する。この際、ロッカーアーム34,34にあっては、カム入力部60の揺動領域Zに対向する箇所(対向箇所A)を含む長さ方向中間部分が、揺動領域Zに近づくほど低くなるように傾斜していて、同揺動領域Zからカム入力部60の揺動方向へ遠ざけられている。そのため、対向箇所Aが揺動領域Zに入り込まず、カム入力部60とロッカーアーム34,34とが干渉するおそれがない。
従って、第2実施形態によれば、第1実施形態における上記(1),(2)と同様の下記効果が得られる。
(5)アーム本体36の出力アーム62,63側の端面である上端面36Aについて揺動領域Zに対向する箇所(対向箇所A)を、入力アーム61の軸線Lに対し傾斜するように形成することで、同対向箇所Aをカム入力部60の揺動方向下方へ遠ざけている。
そのため、このロッカーアーム34を吸気バルブ21の可変動弁装置に用いることで、対向箇所Aをカム入力部60の揺動領域Zに入り込ませることなく、ロッカーアーム34をカム入力部60に接近させて配置することができる。
また、こうした効果は、ロッカーアーム34の対向箇所Aについて揺動領域Zから揺動方向下方へ遠ざける程度を変更することで、バルブピッチの小さい小排気量のエンジンでも同様に得ることができる。
(6)対向箇所Aだけでなく、その周辺部分、すなわち、ローラ43、及び両側壁部37のローラ近傍部分を含めてロッカーアーム34の長さ方向中間部分の全体を、入力アーム61の軸線Lに対し傾斜させている。そのため、該当箇所の厚みを薄くする等して対処した場合とは異なり、対向箇所Aを揺動領域Zから揺動方向下方へ遠ざけていない排気側のロッカーアーム35と同程度の強度を確保することができる。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・上記(3)で説明したように、ロッカーアーム34のカム入力部60との干渉を回避する点では、少なくとも対向箇所Aを揺動領域Zから気筒配列方向へ遠ざけることが必要である。ロッカーアーム34において対向箇所A以外の箇所については揺動領域Zから遠ざけても遠ざけなくても上記の効果に影響を及ぼさない。ただし、各気筒12のボア径がまると、それに応じて吸気バルブ21の位置も決まることから、吸気バルブ21の位置を変更することは実質上困難である。従って、ロッカーアーム34において、バルブ接触部44を揺動領域Zから気筒配列方向へ遠ざかるように形成することは難しい。これに対し、シリンダヘッド14におけるラッシュアジャスタ46の位置についての制約はさほどなく、上記吸気バルブ21の位置を変更する場合に比べれば支障が少ない。
これらのことから、アジャスタ接触部45及びその周辺部分を揺動領域Zから気筒配列方向へ遠ざかるように形成してもよい。その一例を図13及び図14に示す。図13は、アジャスタ接触部45を、気筒配列方向について、揺動領域Zからロッカーアーム34の中間部分と同様の位置まで遠ざけた態様を示している。また、図14は、アジャスタ接触部45及びその周辺部分を、気筒配列方向について、ロッカーアーム34の中間部分よりもさらに揺動領域Zから遠ざけた態様を示している。
・上記第2実施形態とは逆に、図15に示すように、ロッカーアーム34の長さ方向中間部分、より正確には、両側壁部37において窓部39に対応する箇所を、同側壁部37の上端面36Aが揺動領域Zに近づくほど高くなるように傾斜させるとともに、ローラ43及び支軸42を揺動領域Zに近づくほど高くなるように傾斜させてもよい。この場合には、ノーズ68のカム面68Aを、カム入力部60に近づくほどベース円部67からの距離が小さくなるように傾斜した状態で形成する。こうした傾斜により、ロッカーアーム34の対向箇所Aを揺動領域Zから気筒配列方向へ遠ざけることができ、第1実施形態と同様の効果が期待できる。
・本発明は、アーム接触部としてローラ43を用いないタイプ、すなわち出力アーム62,63のノーズ68に滑り接触するタイプのロッカーアームにも適用することができる。
・アジャスタは、アーム本体36を支持するとともにその支持位置を調整するものである。この機能を備えることを条件に、アジャスタとして上記ラッシュアジャスタ46とは異なるものを用いてもよい。例えば、上記特許文献2に記載されているものと同様に、ピボット部品及びピボット受け部材を構成部品とするものをアジャスタとしてもよい。このピボット部品は、雄ねじ部とその先端に形成された球状のピボット部とを有する。この場合には、アジャスタ接触部にねじ孔をあけ、ピボット部品を雄ねじ部にてねじ孔に螺合する。そして、ピボット部品を、ピボット部にてピボット受け部材に揺動自在に支持する。このピボット部の揺動中心、すなわち球心が、ロッカーアームの揺動中心となる。
・本発明は、バルブタイミング可変装置52を有しないエンジン11にも適用可能である。
・本発明は、同一種類の機関バルブ(吸気バルブ又は排気バルブ)を1気筒当りに3本以上有するエンジンにも適用することができる。この場合、出力アームの数を機関バルブの本数に合わせる変更を行う。
・本発明を、排気バルブを開閉駆動する動弁装置に適用してもよい。この場合には、排気カムシャフト32と排気バルブ22との間にバルブ特性可変装置53の仲介駆動機構54が配置される。
本発明を具体化した第1実施形態において、エンジン上部の動弁装置を示す部分断面図。 シリンダヘッド上部を示す平面図。 (A)は排気側のロッカーアームにおけるアーム本体の縦断面図、(B)は同ロッカーアームの平面図。 バルブタイミング可変装置によるバルブタイミングの変化態様を示す特性図。 バルブ特性可変装置による作用角及び最大リフト量の変化態様を示す特性図。 仲介駆動機構を示す斜視図。 仲介駆動機構におけるスライダギヤ等を示す側面図。 仲介駆動機構の内部構造を示す断面図。 (A),(B)は仲介駆動機構の作用を示す部分断面図。 気筒毎の入・出力アームとロッカーアームとの位置関係を説明する概略側面図。 気筒毎のロッカーアームの平面図。 本発明を具体化した第2実施形態において、気筒毎の入・出力アームとロッカーアームとの位置関係を説明する概略側面図。 気筒毎のロッカーアームの別の実施形態を示す平面図。 気筒毎のロッカーアームの別の実施形態を示す平面図。 気筒毎の入・出力アームとロッカーアームとの位置関係の別の実施形態を説明する概略側面図。 背景技術における可変動弁装置の部分断面図。 背景技術における入・出力アームとロッカーアームとの位置関係を説明する概略側面図。
符号の説明
11…ガソリンエンジン(内燃機関)、12…気筒、21…吸気バルブ(機関バルブ)、22…排気バルブ(機関バルブ)、27…吸気カム、31…排気カム、34,35…ロッカーアーム、36…アーム本体、36A…端面、37…側壁部(ローラ支持部)、43…ローラ(アーム接触部)、44…バルブ接触部、45…アジャスタ接触部、46…ラッシュアジャスタ、60…カム入力部、61…入力アーム、62,63…出力アーム、A…対向箇所、L…軸線、Z…揺動領域。

Claims (10)

  1. 列をなして配置された複数の気筒を有し、各気筒には気筒配列方向に配置された複数の機関バルブを有する内燃機関にあって、
    前記内燃機関のカムの回転がカム入力部を通じて伝達されて揺動する入力アームと、前記入力アームの前記気筒配列方向についての両側に揺動可能に配置された出力アームとを備え、前記入力アームの揺動を前記両出力アームに伝達して前記機関バルブを駆動するとともに、それら入力アーム及び出力アームの揺動方向についての相対位相差を変更することにより、前記機関バルブの開閉に関わるバルブ特性を変更するようにした可変動弁装置に用いられて、前記出力アームの揺動を前記機関バルブに伝達するロッカーアームであって、
    前記カム入力部の揺動領域と対向する対向箇所が、対向しない箇所の少なくとも一部よりも、前記揺動領域から気筒配列方向へ遠ざかるように形成されていることを特徴とする可変動弁装置に用いられるロッカーアーム。
  2. アーム本体と、
    前記アーム本体に設けられて前記出力アームに接触するアーム接触部と
    を備え、前記アーム本体における前記アーム接触部の近傍部分は、前記対向箇所として、前記揺動領域に対向しない箇所の少なくとも一部よりも、前記揺動領域から前記気筒配列方向へ遠ざかるように形成されている請求項1に記載の可変動弁装置に用いられるロッカーアーム。
  3. 前記アーム接触部は、前記アーム本体のローラ支持部により支持されたローラにより構成され、前記対向箇所は、前記ローラ支持部の少なくとも一部により構成されている請求項2に記載の可変動弁装置に用いられるロッカーアーム。
  4. 前記アーム本体は、前記気筒配列方向に対し交差する方向へ延びる一対の側壁部を前記ローラ支持部として備え、前記ローラと前記両側壁部のローラ近傍部分とは、前記揺動領域に対向しない箇所の少なくとも一部よりも、前記揺動領域から前記気筒配列方向へ遠ざけられている請求項3に記載の可変動弁装置に用いられるロッカーアーム。
  5. 前記アーム本体について、前記揺動領域に対向しない箇所の少なくとも一部には、前記機関バルブに対応して、前記気筒配列方向について前記対向箇所よりも前記揺動領域側に位置し、かつ同機関バルブに接触するバルブ接触部が設けられている請求項2〜4のいずれか1つに記載の可変動弁装置に用いられるロッカーアーム。
  6. 前記内燃機関には、前記アーム本体を支持するとともにその支持位置を調整するためのアジャスタが設けられており、
    前記アーム本体について、前記揺動領域に対向しない箇所の少なくとも一部には、前記アジャスタに対応して、前記気筒配列方向について前記対向箇所よりも前記揺動領域側に位置し、かつ同アジャスタに接触するアジャスタ接触部が設けられている請求項2〜5のいずれか1つに記載の可変動弁装置に用いられるロッカーアーム。
  7. 列をなして配置された複数の気筒を有し、各気筒には気筒配列方向に配置された複数の機関バルブを有する内燃機関にあって、
    前記内燃機関のカムの回転がカム入力部を通じて伝達されて揺動する入力アームと、前記入力アームの前記気筒配列方向についての両側に揺動可能に配置された出力アームとを備え、前記入力アームの揺動を前記両出力アームに伝達して前記機関バルブを駆動するとともに、それら入力アーム及び出力アームの揺動方向についての相対位相差を変更することにより、前記機関バルブの開閉に関わるバルブ特性を変更するようにした可変動弁装置に用いられて、前記出力アームの揺動を前記機関バルブに伝達するロッカーアームであって、
    前記出力アーム側の端面について前記カム入力部の揺動領域に対向する対向箇所が、前記入力アームの軸線に対し傾斜した状態で形成されていることを特徴とする可変動弁装置に用いられるロッカーアーム。
  8. アーム本体と、
    前記アーム本体に設けられて前記出力アームに接触するアーム接触部と
    を備え、前記アーム本体における前記アーム接触部の近傍部分であって前記出力アーム側の端面は、前記対向箇所として、前記入力アームの軸線に対し傾斜した状態で形成されている請求項7に記載の可変動弁装置に用いられるロッカーアーム。
  9. 前記アーム接触部は、前記アーム本体のローラ支持部により支持されたローラにより構成され、前記対向箇所は、前記ローラ支持部の少なくとも一部であって前記出力アーム側の端面により構成されている請求項8に記載の可変動弁装置に用いられるロッカーアーム。
  10. 前記アーム本体は、前記気筒配列方向に対し交差する方向へ延びる一対の側壁部を前記ローラ支持部として備え、前記ローラと前記両側壁部のローラ近傍部分とは、前記入力アームの軸線に対し傾斜されている請求項9に記載の可変動弁装置に用いられるロッカーアーム。
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