JP2006336095A - 3次元中空容器の薄膜成膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、安定して成膜できる3次元中空容器の薄膜成膜装置を提供する。
【解決手段】円筒型金属製容器内の中心軸上に中空容器を固定する手段と、原料ガスを注入する金属製原料ガス導入管が中心軸上に配置され、前記金属製容器内を真空状態にする排気する手段と、方形導波管を介してマイクロ波エネルギー注入手段を具備し、円筒型金属製容器の内面と金属製原料ガス導入管で形成される半同軸共振器モードで封じ込められたマイクロ波エネルギーによって得られるプラズマを用いてCVD法により薄膜を成膜する装置において、半同軸共振器モードの中心導体である前記金属製原料ガス導入管先端部と円筒型金属製容器の天面部との間に、マイクロ波の伝搬モードである導波管モードから半同軸共振器モードに変換するために円筒型空洞器における最適な導波管モードが存在する空間部を設けたことを特徴とする3次元中空容器の薄膜成膜装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、3次元中空容器、例えばプラスチックボトル、プラスチックカップ、プラスチックトレー、紙容器、紙カップ、紙トレー、その他中空のプラスチック成形品等の表面にプラズマ助成式化学蒸着法(PECVD)により薄膜を形成させる3次元中空容器の薄膜成膜装置に関するものである。
ここ最近、中空容器は食品分野や医薬品分野等の様々な分野において、様々な機能を求められている。その中でプラスチック容器は、軽量、低コストという理由から包装容器として広く使用されている。さて、近年ではバリア性を持たせるために特にプラスチック容器にコーティングする技術が様々開発されており、これらの技術によりバリア薄膜が形成されたプラスチック容器が広く出回っている。(例えば、特許文献1参照。)
バリア薄膜を形成する方法として、一般的には円筒構造の空洞共振器を用いて内部に成膜対象物を配置し、原料ガスを注入、さらにマイクロ波エネルギーを注入、そしてそのエネルギーによりプラズマ化したガスにより成膜が施される。この時、空洞共振器内へ如何に効率良くマイクロ波エネルギーを注入するか、またマイクロ波の電磁界分布を出来るだけ均一にするかがポイントとなる。円筒型空洞共振器における共振周波数や共振モードは通常、共振器の内径および高さ、内部の誘電率等により計算されて決定することが出来るが、成膜対象物挿入時においてプラズマ発生状態では内部物質の電気的物理定数の変化に伴い、設計通りの共振状態が得られるわけではない。
特許文献1における装置構成は円筒構造の空洞共振器側面の中心部から方形導波管を介してマイクロ波を注入する方法である。プラズマ発生部分は金属製空洞共振器内部に設置されたマイクロ波をほぼ透過するチャンバー内であり、さらにこの内部には成膜対象物であるボトルが配置されている。そしてボトル内部に原料ガスを注入し、プラズマをボトル内部で発生させ成膜処理を行っている。この空洞共振器内のマイクロ波モードは中心軸上で電界強度が最大となり、さらに半径方向にピーク点が一つおよび二つと存在する中心軸対照のモードである。さらに金属製空洞共振器の底面部と天面部にはそれぞれの面に平行して金属製環状板が配置され、成膜対象物の形状変更に伴うプラズマ発生状況の変化を補正するための高さ方向での位置調整が行われる。
しかしながら、特許文献1における装置では、成膜対象物内でプラズマは発生するものの対象物がポリエチレンテレフタレート(PET)ボトルのように熱により変形しやすいものであると、導波管から出力されたマイクロ波が直接照射させる部分の変形が著しいといった問題がある。これはマイクロ波エネルギーがボトル内で均一ではなく、偏ってしまったものだと思われる。この装置では空洞共振器内でのマイクロ波モードが半径方向で幾つかのピーク点を持たせるモードとするため、ある程度空洞共振器の直径を大きくしたためプラズマ発生時の内部物質の電気的物理定数の変化に伴い、マイクロ波モードが理想と異なり電界強度ピーク点がずれたものと思われる。
下記に特許文献を示す。
特表2002−543292号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、マイクロ波エネルギーを注
入する手段として、円筒型金属製容器の最上部で側面方向から方形導波管を介してマイクロ波を入れることにより、成膜対象物に直接マイクロ波が照射されることがなく、よって成膜対象物の熱変形が防止でき、また、如何なる成膜対象物においても円筒型金属製容器の内面と金属製原料ガス導入管で形成される同軸構造体を積極的に利用した半同軸共振器モードによって封じ込められたマイクロ波エネルギーから得られるプラズマを用いることで、常に安定したCVD法による薄膜を成膜することを特徴とする3次元中空容器の薄膜成膜装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するするために、すなわち、
請求項1記載の発明は、マイクロ波エネルギーを封じ込めると共に、内部を真空状態に保つことの出来る円筒型金属製容器内の中心軸上に成膜対象物である中空容器を固定する手段と、前記中空容器内に原料ガスを注入する金属製原料ガス導入管が前記円筒型金属製容器の中心軸上に配置され、前記円筒型金属製容器の底部に金属製容器内を真空状態にするための排気する手段と、前記円筒型金属製容器の最上部側面方向から方形導波管を介してマイクロ波エネルギーを注入する手段を具備し、円筒型金属製容器の内面と金属製原料ガス導入管で形成される半同軸共振器モードで封じ込められたマイクロ波エネルギーによって得られるプラズマを用いてCVD法により薄膜を成膜する装置において、
半同軸共振器モードの中心導体である前記金属製原料ガス導入管先端部と円筒型金属製容器の天面部との間に、マイクロ波の伝搬モードである導波管モード(TEモード)から半同軸共振器モード(TEMモード)に変換するために円筒型空洞器における最適なTMモードが存在する空間部を設けて効率よく結合させることを特徴とする3次元中空容器の薄膜成膜装置である。
請求項2記載の発明は、前記マイクロ波エネルギーを封じ込めると共に、内部を真空状態に保つことの出来る円筒型金属製容器内の中心軸上に固定された成膜対象物である中空容器を収納する非金属製の真空チャンバーを配置したことを特徴とする請求項1記載の3次元中空容器の薄膜成膜装置である。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の3次元中空容器の薄膜成膜装置において、
マイクロ波エネルギーを封じ込める前記円筒型金属製容器の内径が円筒型空洞器における伝搬モードであるTEモードとTMモードそれぞれの基本モードのみが存在できる直径であることを特徴とする3次元中空容器の薄膜成膜装置である。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の3次元中空容器の薄膜成膜装置において、
前記金属製原料ガス導入管が前記円筒型金属製容器の内面部と形成する半同軸共振器モードの中心導体部でもあり、前記金属製容器の底面部に電気的に接続され、ガス管長が該円筒型金属製容器内で半同軸共振器モードとして存在するマイクロ波の波長での1/2波長の整数倍の長さであることを特徴とする3次元中空容器の薄膜成膜装置である。
本発明により、マイクロ波が成膜対象物であるプラスチック製ボトルに直接照射されることがなく、従ってマイクロ波エネルギーによる過剰加熱がなくボトルの熱変形を抑制できる。また、円筒型金属製容器の内径が円筒型空洞器における伝搬モードであるTEモードとTMモードそれぞれの基本モードのみが存在できる直径にしてあるため、多少の成膜対象物の形状変化に対しても円筒型金属製容器内の電磁界分布の変化が少なく、よって常に安定した成膜結果を得ることができる。また、電磁界分布の変化が少ないので、成膜対象物ごとに行う円筒型金属製容器内の高さ方向の調整機構も不要となり装置形態をシンプ
ルにすることができる。
そして、半同軸共振器モードの中心導体である原料ガス導入管先端部と上記円筒型金属製容器の天面部との間に、マイクロ波の伝搬モードである導波管モード(TEモード)から半同軸共振器モード(TEMモード)に変換するために、円筒型金属製容器での円筒型空洞器における最適なTMモードだけが存在する空間部を設けてあるので、マイクロ波の導波管内伝搬モードから、実際に成膜処理が行われる金属製ガス導入管付近での半同軸共振器モードへのモード変換が効率よく、無理なく行われる。
さらに、半同軸共振器モードの中心導体として動作する金属製ガス導入管の長さが円筒型金属製容器内で半同軸共振器モードとして存在するマイクロ波の波長での1/2波長の整数倍の長さであるため、ガス管上の電磁界分布が1/2波長ごとの理想形態に分布し、その結果、これもまた成膜安定性に寄与している。
以下、本発明の一実施例としての実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の3次元中空容器の薄膜成膜装置の一例を示す主要部側断面模式図である。また、図2は、本発明の3次元中空容器の薄膜成膜装置の他の例を示す主要部側断面模式図である。
先ず、図1に示すように、主にマイクロ波エネルギーを封じ込める円筒型金属製容器1の内部に成膜対象物である中空容器3が配置され、その中空容器内に原料ガスを注入する金属製原料ガス導入管4が上記円筒型金属製容器1の中心軸上に配置され、その円筒型金属製容器1の底面部での上記ガス導入管周囲には円筒型金属製容器1内を真空状態にするための排気口5が具備され、上記円筒型金属製容器1の天面部には中空容器3を出し入れするための金属製蓋部6がある。そしてプラズマを発生させるためのマイクロ波エネルギーを注入する手段として、上記円筒型金属製容器1の最上部での側面方向から方形導波管7を介して注入する手段であり、その円筒型金属製容器1の内部には、半同軸共振器モードの中心導体である上記金属製原料ガス導入管4先端部と上記円筒型金属製容器1の天面部との間に、マイクロ波の伝搬モードである導波管モード(TEモード)から半同軸共振器モード(TEMモード)に変換するために、円筒型空洞器における最適なTMモードだけが存在する空間部8を設けている。円筒型金属製容器1と方形導波管7との接合部分にはマイクロ波伝搬には損失を与えず真空遮蔽できる真空遮蔽窓部9が配置されている。
そして、上記金属製ガス導入管4は、上記円筒型金属製容器1の底面部で電気的に接続された構造となっている。この接続の意味するところは、その円筒型金属製容器1の内面と上記金属製原料ガス導入管4で形成される半同軸共振器モードにおける電磁界分布をより一層安定させるためであるが、この部位での高周波インピーダンスがショートと等価になる構成、例えばマイクロ波立体回路技術におけるチョーク構造を用いてもよい。
また、上記金属製原料ガス導入管4の先端部は中空容器3内部に侵入し、電磁界分布の安定した半同軸共振器モードが発生するように、上記円筒型金属製容器1の反対側天面部と上記金属製原料ガス導入管4の先端部との間にはモード変換のための最適サイズの空間部8がある。
上記金属製原料ガス導入管4の長さは電磁界分布を安定させるために、上記円筒型金属製容器1内で半同軸共振器モードとして存在するマイクロ波の波長での1/2波長の整数倍の長さであることが望ましい。
さらに、良好な電磁界分布を得るために、上記円筒型金属製容器1の内径が円筒型空洞
器における伝搬モードであるTEモードとTMモードそれぞれの基本モードのみが存在できる直径であることが望ましい。
実際の本発明による装置製作において、使用するマイクロ波周波数を2.45GHzとしたときTEモードの基本モードだけが存在できる上記円筒型金属製容器1の直径を計算すると、72〜118mmの範囲となる。また、同様にTMモードの基本モードだけが存在できる直径も計算したがその結果、94〜148mmの範囲となった。よって実際の装置では両方の基本モードだけが存在できる直径100mmとして製作した。また、この直径100mmは通常の成膜対象物として考えているPETボトルを十分収容可能な大きさである。
方形導波管7の選定としては、上記円筒型金属製容器1の直径より、やや小さいサイズとし、2.45GHzのマイクロ波が伝搬可能な導波管として、方形導波管規格であるWR340(86.36×43.18mm)を使用した。
また、金属製原料ガス導入管4については、実際の成膜対象物であるPETボトルの高さやガスの流れを考慮して、ガス管長を大凡1/2波長の3倍である192mmとした。
そして、この装置構成要素にて、Ansoft社の電磁界シミュレータであるHFSSを用いて解析したところ、上記円筒型金属製容器1の天面部と原料ガス導入管先端部の距離が約130mmのとき、原料ガス導入管部分での電磁界分布が良好となった。ちなみに装置条件を同じにし、容器天面部とガス管先端部の距離を70mmとしたときはガス管付近での電磁界分布はあまり好ましくなかった。
装置断面方向から見たとき、方形導波管内を進行するマイクロ波の伝搬モードは電界成分が縦方向であるTEモードである。しかし、成膜処理が行われる金属製ガス導入管付近では、上記円筒型金属製容器内面部と金属製原料ガス導入管による半同軸共振器モードであるTEMモードであるため、電界方向が横向きとなる。よって、方形導波管部から半同軸共振器部へ電磁界分布を徐々に変化させるための最適な空間部が必要となる。
今回製作した装置構成では、この最適な空間部(上記円筒型金属製容器1の天面部と原料ガス導入管先端部の距離)を約130mmとしたが、使用周波数・導波管サイズ・装置構成要素によって最適寸法が違うことは明らかである。
次に、図2に示すように、本発明における別の一実施例を示した側断面図である。基本的には図1と同様であるが、真空状態にする体積を減らし真空装置(図示せず)への負担を減らす目的で、成膜対象物である中空容器3の周囲のみを真空状態を保つために、図2に示すように中空容器3を覆い被せるように非金属製真空チャンバー2を配置し、この真空チャンバー内でプラズマを発生させ成膜を行う方式である。非金属製真空チャンバー2はマイクロ波エネルギーを損失なく透過させるために石英ガラスや樹脂などが用いられる。また、この場合は図1での真空遮蔽窓9は不要になる。なお、図2での他の構成は図1と同様であるので説明を省略するが、非金属製真空チャンバー2の大きさ等は特に限定されるものではなく、成膜対象物3が収納されるものであれば問題ない。
ここで、マイクロ波の発生から円筒型金属製容器1内部までのマイクロ波エネルギー供給について図1を用いて説明する。マイクロ波はマイクロ波発振器11によって作り出されるが、その発振源は一般的には発振周波数2.45GHzのマグネトロンが用いられるが別の周波数でも問題ない。また、最近ではマグネトロンのような真空管素子を用いずに、半導体素子を使用した発振部と増幅部により構成されたソリッドステート型マイクロ波電源部(発振器)を用いる方法も考えられる。発振されたマイクロ波は方形導波管7を用いて、整合器10を介して負荷側(成膜装置側)へと導かれる。
そして、既に説明したように、成膜装置内で直接的にマイクロ波エネルギーを利用してプラズマを発生させ、成膜対象物への成膜処理を行うが、その部分は上記円筒型金属製容器内面部と金属製原料ガス導入管によって形成される半同軸共振器部分である。尚、導波管内のマイクロ波伝搬モードとこの半同軸共振器モードとをスムーズに変換することが重要でもある。
また、円筒型金属製容器と方形導波管との接続部分においては、円筒型金属製容器側を見たインピーダンスは方形導波管7の特性インピーダンスとは異なり、マイクロ波発振器11と方形導波管7と円筒型金属製容器1とをダイレクトに接続したとすると、インピーダンスの不整合により、反射波が発生してしまう。この反射波の発生を抑圧するために整合器10が用いられる。
整合器10は方形導波管7での整合器配置位置から、円筒型金属製容器1側をみたインピーダンスと、マイクロ波発振器11側をみたインピーダンスとがマッチングして、マイクロ波発振器側への反射波が生じないように、インピーダンス整合を取るように調整するものである。この反射波が大きいと成膜装置内へ十分なマイクロ波エネルギーが注入できずプラズマが発生しないと同時に、反射波によって発振源であるマグネトロンへのダメージを与えてしまう恐れもある。また、一般的にこの整合器10はスリースタブチューナーやE−Hチューナーが用いられる。なお、図2におけるマイクロ波供給方法も同様であるため説明を省略する。
以下、図2に示す薄膜成膜装置を用いて、3次元中空容器に成膜する具体的実施例について説明する。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)で延伸成形した容器500ml、口内径25mm、平均肉厚0.5mmのPETボトル中空容器3をプラズマ助成式CVD法によって、プロセスガスの化学反応により容器内面の表面に薄膜を形成させた。このとき使用できる原料ガスについては、主ガスとしてヘキサ・メチル・ジ・シロキサン(以下HMDSOと称する)の他、トリ・メチル・シロキサンなどを用いることが可能で、また、サブガスとしては、酸素の他、窒素、などを用いることが可能である。成膜された層はいわゆるセラミック層SiOxCy(x=1〜2.2/y=0.3〜3)を主成分とする。
ここで用いられるボトルの基材としてはPET以外に、PE、PP、PIなどを選ぶことも可能であり、ブロー成形・射出成形・押出成形等により容器の形状に成形される。また、これらの材料の積層体を用いた容器もありうる。
そして、装置構成としては、円筒型金属製容器1の天面部付近の側面方向からマイクロ波エネルギーを加える方式であり、マイクロ波発振器11によって得られるマイクロ波エネルギーが方形導波管7を伝搬し、整合器10によって円筒型金属製容器側インピーダンスとマイクロ波発振器側インピーダンスとの整合が行われる。
そして、上記円筒型金属製容器の天面部下方の、電磁界モードを方形導波管モードから半同軸共振器モードへ電磁界分布を徐々に変化させるための最適な空間部を介して、成膜対象物である中空容器3を収納する非金属製の真空チャンバー2内へ供給される。
そして、真空チャンバー2内を図示しない真空ポンプによって、排気口5を介して減圧し、中空容器3の内部を0.01torrまで真空吸引して中空容器3の内部を一定減圧状態に保った。
さらに、円筒型金属製容器1と半同軸共振器構造を形成する金属製原料ガス導入菅4により中空容器3内部へと原料ガスを注入する。バリア性のコートを行うため金属製原料ガス導入管より原料ガスHMDSOの流量を10ml/min、酸素の流量を50ml/min注入することで0.1torrの真空圧力に調整してからプラズマを発生させる。そしてこのマイクロ波エネルギーによって、中空容器3の内側でプラズマが発生する。2.45GHzのマイクロ波で5sec間、プラズマを発生させて成膜した。印加電力は200Wだった。
上記の方法にて作成したセラミック薄膜コートPETボトルの評価方法としては、
アクリル板とエポキシ系接着剤を用い、成膜された中空容器の簡易蓋材として使用し、密封された中空容器の酸素バリア性をMOCON社のOXTRANで酸素透過量(fmol/pkg/s/pa)として測定し、成膜効果の評価方法(酸素バリア性)とした。
成膜処理を行わないPETボトルの酸素バリア性は、(0.07fmol/pkg/s/pa)であったのに対して、本発明における装置形態によって成膜したPETボトルの酸素バリア性は、(0.0035fmol/pkg/s/pa)であり、約20倍の酸素バリア性向上が確認できた。
本発明の3次元中空容器の薄膜成膜装置の一例を示す主要部側断面模式図である。 本発明の3次元中空容器の薄膜成膜装置の他の例を示す主要部側断面模式図である。
符号の説明
1…円筒型金属製容器
2…非金属製真空チャンバー
3…中空容器(成膜対象物)
4…金属製原料ガス導入管
5…排気口
6…金属製蓋部
7…方形導波管
8…空間部
9…真空遮蔽部
10…整合器
11…マイクロ波発振器

Claims (4)

  1. マイクロ波エネルギーを封じ込めると共に、内部を真空状態に保つことの出来る円筒型金属製容器内の中心軸上に成膜対象物である中空容器を固定する手段と、前記中空容器内に原料ガスを注入する金属製原料ガス導入管が前記円筒型金属製容器の中心軸上に配置され、前記円筒型金属製容器の底部に金属製容器内を真空状態にするための排気する手段と、前記円筒型金属製容器の最上部側面方向から方形導波管を介してマイクロ波エネルギーを注入する手段を具備し、円筒型金属製容器の内面と金属製原料ガス導入管で形成される半同軸共振器モードで封じ込められたマイクロ波エネルギーによって得られるプラズマを用いてCVD法により薄膜を成膜する装置において、
    半同軸共振器モードの中心導体である前記金属製原料ガス導入管先端部と円筒型金属製容器の天面部との間に、マイクロ波の伝搬モードである導波管モード(TEモード)から半同軸共振器モード(TEMモード)に変換するために円筒型空洞器における最適なTMモードが存在する空間部を設けて効率よく結合させることを特徴とする3次元中空容器の薄膜成膜装置。
  2. 前記マイクロ波エネルギーを封じ込めると共に、内部を真空状態に保つことの出来る円筒型金属製容器内の中心軸上に固定された成膜対象物である中空容器を収納する非金属製の真空チャンバーを配置したことを特徴とする請求項1記載の3次元中空容器の薄膜成膜装置。
  3. 請求項1又は2記載の3次元中空容器の薄膜成膜装置において、
    マイクロ波エネルギーを封じ込める前記円筒型金属製容器の内径が円筒型空洞器における伝搬モードであるTEモードとTMモードそれぞれの基本モードのみが存在できる直径であることを特徴とする3次元中空容器の薄膜成膜装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の3次元中空容器の薄膜成膜装置において、
    前記金属製原料ガス導入管が前記円筒型金属製容器の内面部と形成する半同軸共振器モードの中心導体部でもあり、前記金属製容器の底面部に電気的に接続され、ガス管長が該円筒型金属製容器内で半同軸共振器モードとして存在するマイクロ波の波長での1/2波長の整数倍の長さであることを特徴とする3次元中空容器の薄膜成膜装置。
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