JP4586495B2 - マイクロ波処理装置、マイクロ波供給・処理システム及びマイクロ波処理方法 - Google Patents

マイクロ波処理装置、マイクロ波供給・処理システム及びマイクロ波処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、外部からチャンバ内にマイクロ波を導入して対象物に所定の処理を施すマイクロ波処理装置、このマイクロ波処理装置へマイクロ波を供給するマイクロ波供給・処理システム及びマイクロ波処理方法に関し、特に、マイクロ波処理装置の内部の電界強度分布がチャンバの軸に対して対称になるようにマイクロ波を供給するマイクロ波処理装置、マイクロ波供給・処理システム及びマイクロ波処理方法に関する。
化学蒸着法(CVD)は、常温では反応の起こらない処理用ガスを用いて、高温雰囲気での気相成長により、処理対象物の表面に反応生成物を膜状に析出させる技術であり、半導体の製造、金属やセラミックの表面改質等に広く採用されている。
最近では、CVDでも低圧プラズマCVDとしてプラスチック容器の表面改質、特に、ガスバリア性の向上にも応用されている。
プラズマCVDは、プラズマを利用して薄膜成長を行うものであり、基本的には、減圧下において処理用ガスを含むガスを高電界の電気的エネルギーで放電させることにより、解離、結合して生成した物質を、気相中又は処理対象物上で化学反応させることによって、処理対象物上に堆積させる方法である。
プラズマ状態は、グロー放電、コロナ放電、アーク放電などによって実現されるものであり、たとえば、グロー放電の方式としては、直流グロー放電を利用する方法、高周波グロー放電を利用する方法(高周波プラズマCVD)、マイクロ波放電を利用する方法(マイクロ波プラズマCVD)などが知られている。
これらの中で、マイクロ波プラズマCVDは、装置の構成を極めて簡略化でき、また、装置内での減圧の程度も、プラスチック容器の内面を処理する場合には、マイクロ波放電がプラスチック容器内のみに発生するようにすればよいので、装置内全体を高真空に維持する必要がなく、操作の簡便さ、及び生産性の点で優れている。
プラスチック容器を対象としたマイクロ波プラズマ処理としては、例えば、ボトルを筒状のマイクロ波処理部に、このマイクロ波処理部の中心軸と同軸に配置して、ボトルの内部とボトルの外部の空間を同時に排気し、かつ、所定の処理時間ボトルの内部に処理ガスを流入させるとともに、マイクロ波をマイクロ波処理部に導入し、そのマイクロ波をTM共振モードとし、ボトル内部にプラズマを点火維持させて、ボトルを処理するという技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
ところが、特許文献1記載の技術においては、チャンバ内にマイクロ波を導入する導入口が一箇所だけであった。このため、チャンバ内の成膜対象物(例えば、ボトルなど)における電界強度分布に偏りが生じていた。
そのチャンバ内の中空における成膜対象物の高さ方向の電界強度分布を図11に示す。
同図に示すように、例えば、マイクロ波処理装置300のチャンバ310の内部であってマイクロ波導入口320に近いところでは、電界強度が強くなっていた。一方、マイクロ波導入口320から遠いところでは、電界強度が弱くなっていた。このように、同じチャンバ内であっても電界強度分布に偏りが生じていた。そうすると、成膜対象物に形成される薄膜の均質性が悪くなり、しかも、マイクロ波導入口320に相対する部分(マイクロ波導入口320に近い部分)に熱変形が生じ易くなっていた。このことから、結果として、成膜対象物の全体でバリヤ性能を向上させることができなかった。
そこで、チャンバ内の中空における成膜対象物の高さ方向の電界強度分布の偏りを減少させる技術が従来から提案されている。
例えば、チャンバの側面にマイクロ波導入口が一箇所形成されており、このマイクロ波導入口の外側に導波管が取り付けられている。一方、そのマイクロ波導入口の形成箇所からチャンバ直径方向反対側に横方向短絡装置が設けられている。横方向短絡装置は、チャンバ半径方向外側に向かって備えられた導波管の一部(一部導波管)と、この一部導波管の軸方向に変位可能な調整プランジャとを備えて構成されている(例えば、特許文献2参照。)。
このような構成により、チャンバ内に導入されたマイクロ波が一部導波管で反射され、さらに、調整プランジャによりその反射量が調整されるため、チャンバ内の電界強度分布の偏りを減少させることができる。
また、チャンバ内の電界強度分布の偏りを減少させるものではないが、次のような技術が開示されている。
例えば、基体を処理又は被覆する装置であって、基体を収納する反応空間と、この反応空間へ反応ガスを供給するガス入口と、波長λhのマイクロ波が励起される反応空間に隣接したウェーブガイドとを備えている。反応空間内では、発生したマイクロ波によって反応ガスがバンド形状プラズマへと励起される。一方、ウェーブガイド内では、互いに直交して分極した波長の二つの定在波が励起され、さらに1/4波長だけ互いに位相がずれる。プラズマとマイクロ波との結合は、ウェーブガイドの端部に作られたスリットで行われる(例えば、特許文献3参照。)。
これにより、大きな領域の基体に対して、経済的かつ短時間に処理又は被覆できる。
特表2001−518685号公報 特表2002−509845号公報 特許第2666022号公報
しかしながら、上記特許文献2に記載の技術においては、短絡装置を構成する一部導波管によりマイクロ波を反射させ、さらに調整プランジャによりその反射量を調整可能としているが、チャンバ内を優れた共振系にすることはできず、このため、チャンバ内の中空における成膜対象物の高さ方向での電界強度分布を望ましい分布にすることができなかった。
一方、上記特許文献3に記載の技術においては、プラズマとマイクロ波との結合がウェーブガイドの端部に作られたスリットで行われていた。
このため、基体(成膜対象物)が収納される反応空間(チャンバ)においては、プラズマとマイクロ波の結合が一箇所から導入されることとなり、反応空間(チャンバ)内の基体(成膜対象物)における電界強度分布の偏りを減少させることはできなかった。
このように、特許文献2、3に記載の技術では、チャンバ内における成膜対象物の高さ方向での電界強度分布を望ましい分布とすることができないため、成膜対象物に形成された薄膜の均質性が悪くなり、かつ、マイクロ波導入口に相対する部分で熱変形が生じやすくなっていた。このため、結果として、成膜対象物全体のバリヤ性能の向上を図ることができないという問題があった。
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、チャンバ内の電界強度分布の偏りにより膜質の均質性が悪くなるのを防止するとともに、成膜対象物の熱変形を無くし、かつ、成膜対象物全体のバリヤ性能の向上を可能とするマイクロ波処理装置、マイクロ波供給・処理システム及びマイクロ波処理方法の提供を目的とする。
この目的を達成するため、本発明のマイクロ波処理装置は、チャンバ内にマイクロ波を導入して、チャンバ内の対象物に所定の処理を行うマイクロ波処理装置であって、外部で発生したマイクロ波をチャンバ内に導入するマイクロ波導入口を複数設け、これら複数のマイクロ波導入口は、チャンバの側面に形成されており、かつ、対象物の高さ方向の電界強度分布における節部の生じる高さと同じ高さに設けられた構成としてある。
マイクロ波処理装置をこのような構成とすると、チャンバ内に向けてマイクロ波が複数箇所から導入されるため、一箇所から導入される場合と比較して、チャンバ内の成膜対象物における電界強度分布の偏り(不均衡)を大幅に減少(改善)させることができる。これにより、成膜対象物の膜質の均質性を良くし、かつ、成膜対象物の熱変形を無くすことができる。
したがって、成膜対象物全体のバリヤ性能の向上を図ることができる。
さらに、チャンバ内に導入される複数のマイクロ波が、一部導波管で反射されたものではなく、いずれも外部装置で発生しそのまま伝達されてきたものであるため、チャンバ内の電界強度分布を望ましい分布にすることができる。
なお、本発明と上記特許文献3とは、次の点で相違する。
特許文献3は、ウェーブガイド内で、二つのマイクロ波を結合してアンテナからマイクロ波を出して反応ガスをプラズマ化している。これに対し、本発明は、プラズマ発生チャンバに直接別々の位置から複数のマイクロ波を導入して反応ガスをプラズマ化しており、この点で相違する。
このように、本発明は、特許文献3と異なる構成、すなわちプラズマ発生チャンバに直接導入されるマイクロ波の導入箇所を複数とすることで、成膜対象物(例えば、ボトルなど)の熱変形防止や、マイクロ波導入が一つだとプラズマ発生が軸ずれする場合でも軸対称にすることができ、膜性能の向上を図ることができる。
また、マイクロ波処理装置をこのような構成とすれば、成膜対象物の高さ方向での電界強度分布の胴部の生じる高さと同じ高さにマイクロ波導入口を設けた場合に比べて、チャンバ内の成膜対象物における電界強度分布の偏りを減らすことができる。
また、本発明のマイクロ波処理装置は、複数のマイクロ波導入口が、チャンバの側面に形成されており、かつ、チャンバの中心軸に対して対称となる位置にそれぞれ設けられた構成としてある。
マイクロ波処理装置をこのような構成とすれば、チャンバ内の成膜対象物における電界強度分布の偏りを減らして、その電界強度分布をチャンバ軸対称とすることができる。したがって、膜質の均質性を良くし、かつ、成膜対象物の熱変形を無くすことができ、これにより、成膜対象物全体のバリヤ性能を向上できる。
また、本発明のマイクロ波処理装置は、複数のマイクロ波導入口が、チャンバの側面に形成されており、かつ、それぞれ同じ又は異なる高さに設けられた構成としてある。
マイクロ波処理装置をこのような構成とすると、マイクロ波導入口の形成位置により、チャンバ内の成膜対象物における電界強度分布の偏りを減らすことができる。このため、膜質の均質性を向上させて、成膜対象物全体のバリヤ性能を高めることができる。
また、本発明のマイクロ波処理装置は、複数のマイクロ波導入口が、チャンバの側面に形成されており、それらのうち一又は二以上のマイクロ波導入口が、対象物の高さ方向の電界強度分布における節部の生じる高さと同じ高さであって処理用ガス供給部材の先端部より低い位置に設けられ、他の一又は二以上のマイクロ波導入口が、対象物の高さ方向の電界強度分布における腹部の生じる高さと同じ高さであって処理用ガス供給部材の先端部より高い位置に設けられた構成としてある。
マイクロ波処理装置をこのような構成とすると、マイクロ波導入口が、対象物の高さ方向の電界強度分布における節部の生じる高さと同じ高さであって処理用ガス供給部材の先端部より低い位置に設けられる(この位置に設けられたマイクロ波導入口を「下方導入口」というものとする)とともに、対象物の高さ方向の電界強度分布における腹部の生じる高さと同じ高さであって処理用ガス供給部材の先端部より高い位置に設けられる(この位置に設けられたマイクロ波導入口を「上方導入口」というものとする)。
このように、下方導入口だけでなく、上方導入口、すなわちチャンバ上部における電界の強い高さ位置にもマイクロ波導入口が設けられるため、下方導入口のみ設けた場合に比べて、チャンバ内に強い共振状態をつくることができる。したがって、成膜対象物における熱変形が弱くなるとともに、良好な膜の蒸着を行うことができる。
また、本発明のマイクロ波処理装置は、複数のマイクロ波導入口が、チャンバ内の電界強度分布がチャンバの中心軸に対して対称となるように、チャンバの側面に形成された構成としてある。
マイクロ波処理装置をこのような構成とすれば、チャンバ内の電界強度分布の偏りを大幅に減少させることができ、これにより膜質の均質性が悪くなるのを防止し、かつ、成膜対象物の熱変形を無くすことができる。したがって、成膜対象物全体のバリヤ性能の向上を図ることができる。
また、本発明のマイクロ波処理装置は、対象物がボトルを含み、チャンバが、マイクロ波によりプラズマを発生させてボトルの内部に薄膜を施すためのチャンバからなる構成としてある。
マイクロ波処理装置をこのような構成とすると、マイクロ波によりプラズマを発生させて成膜対象物であるボトルに薄膜を施すチャンバにおいて、このチャンバ内の成膜対象物における電界強度分布の偏りを大幅に緩和できる。これにより、成膜対象物全体のバリヤ性能を向上できる。
また、本発明のマイクロ波供給・処理システムは、マイクロ波を出力するマイクロ波発振器と、チャンバ内にマイクロ波を導入して、チャンバ内の対象物に所定の処理を行うマイクロ波処理装置とを備えたマイクロ波供給・処理システムであって、マイクロ波処理装置が、上記のマイクロ波処理装置(請求項1〜請求項6のいずれかに記載のマイクロ波処理装置)からなる構成としてある。
マイクロ波供給・処理システムをこのような構成とすると、マイクロ波がチャンバ内に対して複数箇所から導入されるため、チャンバ内の成膜対象物における電界強度分布の不均衡を大幅に改善できる。しかも、複数のマイクロ波導入口をチャンバ軸対称に配したり、成膜対象物の高さ方向での電界強度分布の節部と同じ高さに設けたりすることで、その不均衡をさらに改善できる。
また、本発明のマイクロ波供給・処理システムは、マイクロ波発振器から出力されたマイクロ波をマイクロ波処理装置へ供給するマイクロ波供給・処理システムであって、一つのマイクロ波発振器から出力されたマイクロ波を分岐する分岐管と、この分岐管で分岐されたマイクロ波をそれぞれ異なる経路でマイクロ波処理装置へ送るマイクロ波伝達路とを備え、マイクロ波処理装置は、チャンバの側面に複数のマイクロ波導入口を有し、これら複数のマイクロ波導入口に接続された各マイクロ波伝達路のそれぞれからマイクロ波を導入する構成としてある。
マイクロ波供給・処理システムをこのような構成とすれば、複数のマイクロ波導入口から供給されるマイクロ波のそれぞれが一のマイクロ波発振器から出力されたものであるため、波長などが同一となり、これにより、チャンバ内の成膜対象物における電界強度分布の偏りを大幅に無くすことができる。
なお、マイクロ波伝達路には、導波管や同軸ケーブルなどが含まれる。
また、本発明のマイクロ波供給・処理システムは、マイクロ波発振器から出力されたマイクロ波をマイクロ波処理装置へ供給するマイクロ波供給・処理システムであって、複数のマイクロ波発振器と、これら複数のマイクロ波発振器からそれぞれ出力されたマイクロ波を異なる経路でマイクロ波処理装置へ送るマイクロ波伝達路とを備え、マイクロ波処理装置は、チャンバの側面に複数のマイクロ波導入口を有し、これら複数のマイクロ波導入口に接続された各マイクロ波伝達路のそれぞれからマイクロ波を導入する構成としてある。
マイクロ波供給・処理システムをこのような構成とすると、各マイクロ波導入口から供給されるマイクロ波のオン時間をそれぞれ異ならせる(ずらす)ようにすることができる。このため、製膜の短時間化を図ることができる。しかも、チャンバにおけるマイクロ波の導入口が複数設けられているため、成膜対象物の熱変形を防止できる。
また、もともと非対称な電界強度分布であっても、それぞれからエネルギーが与えられるので、結果的に対称な分布となる。
また、本発明のマイクロ波供給・処理システムは、複数のマイクロ波発振器から出力された各マイクロ波が、互いのオン時間がオーバーラップしないように調整されて発振された構成としてある。
マイクロ波供給・処理システムをこのような構成とすれば、複数のマイクロ波発振器から出力されるマイクロ波のオン時間がそれぞれ重ならないように発振されるため、製膜の短時間化を図ることができる。しかも、チャンバにおけるマイクロ波の導入口が複数設けられているため、成膜対象物の熱変形を防止できる。
また、本発明のマイクロ波処理方法は、チャンバ内にマイクロ波を導入する処理と、チャンバ内の対象物に所定の処理を行う処理とを有したマイクロ波処理方法であって、チャンバ内にマイクロ波を導入する処理が、チャンバの側面に形成された複数のマイクロ波導入口のそれぞれから、外部で発生したマイクロ波を導入する処理を有し、所定の処理が、チャンバ内のガスをプラズマ化して対象物の内面に薄膜を施す処理を有し、複数のマイクロ波導入口が、チャンバの側面に形成されており、かつ、対象物の高さ方向の電界強度分布における節部の生じる高さと同じ高さに設けられた方法としてある。
マイクロ波処理方法をこのような方法とすれば、チャンバにおいてマイクロ波が複数箇所から供給されるため、チャンバ内の成膜対象物における電界強度分布の偏りを大幅に減少させることができる。これにより、成膜対象物全体のバリヤ性能の向上が可能となる。
以上のように、本発明によれば、マイクロ波処理装置の有するチャンバの側面にマイクロ波導入口が複数形成されるため、そのチャンバ内に向けてマイクロ波が複数箇所から導入される。このため、チャンバ内の電界強度分布の偏りが大幅に減少し、これにより膜質の均質性が悪くなるのを防止可能とするとともに、マイクロ波導入口に近い部分での熱変形を無くし、したがって、成膜対象物全体のバリヤ性能の向上を図ることができる。
以下、本発明に係るマイクロ波処理装置、マイクロ波供給・処理システム及びマイクロ波処理方法の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
まず、本発明のマイクロ波処理装置及びマイクロ波供給・処理システムの実施形態について、図1、図2を参照して説明する。
図1は、本願発明のマイクロ波供給・処理システムの構成を示すブロック図、図2は、本実施形態のマイクロ波処理装置の構造を示す縦方向断面図である。
図1に示すように、マイクロ波供給・処理システム1aは、マイクロ波発振器10と、マイクロ波伝達路20と、マイクロ波処理装置30とを備えている。
ここで、マイクロ波発振器10は、従来公知のマイクロ波発振器であって、所定波長のマイクロ波(MW)を出力する。
マイクロ波伝達路20は、T字分岐管21と、同軸ケーブル22a、22bと、導波管23a、23bとを備えている。
T字分岐管21は、マイクロ波発振器10から出力されたマイクロ波を分岐する。なお、マイクロ波の分岐数は、同図においては、二つとしてあるが、二つに限るものではなく、三つ以上に分岐することもできる。分岐されたマイクロ波は、複数の経路(同軸ケーブル22a、22bや導波管23a、23bにより形成される複数の経路)のそれぞれによりマイクロ波処理装置30へ伝達される。
マイクロ波伝達路20は、同軸ケーブル22a、22b(以下、総じて「同軸ケーブル22」という。)と、導波管23a、23b(以下、総じて「導波管23」という。)とを備えている。
同軸ケーブル22は、複数本備えられており、T字分岐管21で分岐されたマイクロ波をそれぞれ別個の同軸ケーブルにより導波管23又はマイクロ波処理装置30へ伝える。
導波管23は、複数本備えられており、一方が同軸ケーブル22に、他方がマイクロ波処理装置30のチャンバ32のマイクロ波導入口34(後述)にそれぞれ接続されている。そして、導波管23は、複数本の同軸ケーブル22により伝えられてきたマイクロ波をそれぞれ別個にマイクロ波処理装置30へ送る。
このような構成により、マイクロ波発振器10で発生したマイクロ波は、T字分岐管21で分岐され、複数の同軸ケーブル22及び導波管23をそれぞれ伝わって、チャンバ32の内部へ供給される。つまり、一台のマイクロ波発振器10から出力されたマイクロ波が、チャンバ32内に複数箇所から供給される。
このため、それら複数箇所から供給されるマイクロ波はいずれも同一波長、同一振幅であることから、チャンバ内の成膜対象物における電界強度分布の偏りを減らして、均衡な分布とすることができる。
なお、同軸ケーブル22及び導波管23は、同図においては、それぞれ二つずつ設けられているが、二つに限るものではなく、三つ以上設けることもできる。
また、マイクロ波伝達路20は、本実施形態においては、同軸ケーブルと導波管との双方を有して構成されているが、双方有することに限るものではなく、一方のみ(同軸ケーブルのみ、あるいは、導波管のみ)であってもよい。
マイクロ波処理装置30は、図2に示すように、基台31に載設された中空のチャンバ32と、チャンバ32の側面33に設けられる複数のマイクロ波導入口34a、34bと、成膜対象物Aの内部に処理用ガスを送って充填させる処理用ガス供給部材35とを備えている。
ここで、チャンバ32は、一般に円筒形状に形成されており、中空である内部に成膜対象物Aが収められる。
成膜対象物Aは、例えば、ボトルなどで構成することができる。この実施形態におけるボトルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルから形成された二軸延伸ブロー成形ボトルが挙げられる。
マイクロ波導入口34a、34b(以下、略して「導入口34」という。)は、チャンバ32の内面と外面とを貫く貫通孔であって、外側に導波管23が接続されている。これにより、その導波管23からのマイクロ波をチャンバ32の内部へ送ることができる。
そして、導入口34は、チャンバ32の側面33の異なる箇所に複数形成される。このため、チャンバ32内に対して、複数の導入口34からマイクロ波が供給されるようになる。
ここで、チャンバ軸対称となる二箇所に導入口34が形成されたチャンバ32における成膜対象物Aの高さ方向での電界強度分布を図3に示す。
同図に示すように、成膜対象物Aの高さ方向での電界強度分布は、チャンバ32の中心軸Bに対して対称となっている。しかも、図11に示した電界強度分布と比較して、明らかにその分布の偏りがなくなり、均衡が図られていることがわかる。
すなわち、チャンバ32に導入口34が複数形成された構造とすれば、マイクロ波が複数箇所からチャンバ32の内部へ供給されるため、チャンバ32の側面33の一箇所からマイクロ波が供給される場合に比べて、そのチャンバ32内の電界強度分布の偏りを緩和できる。
なお、導入口34は、同図においては、二つ設けられているが、二つに限るものではなく、導波管23や同軸ケーブル22の数とともに、三つ以上設けることができる。
次に、導入口34の形成箇所について、図2、図4、図5、図6を参照して説明する。
導入口34は、チャンバ32の側面33の複数箇所に形成されるが、その形成箇所を次のようにすることにより、チャンバ32内の成膜対象物Aの高さ方向での電界強度分布をさらに均衡なものにすることができる。
(1)複数の導入口34の形成箇所を、チャンバ32の中心軸Bに対して対称となるように配置する。
(2)複数の導入口34の形成箇所を、チャンバ32の底面36(あるいは基台31)から同じ高さとする。
(3)複数の導入口34の形成箇所を、成膜対象物の高さ方向での電界強度分布の節部の生じる高さと同じ高さとする。
(4)複数の導入口34の形成箇所を、チャンバ32の底面36(あるいは基台31)からそれぞれ異なる高さとする。
(5)複数の導入口34の形成箇所を、成膜対象物Aの高さに応じて定める。
これら形成箇所について、以下順次説明する。
[チャンバの中心軸に対して対称とする]
図4(a),(b),(c)に示すように、複数の導入口34の形成箇所を、それぞれチャンバ32の中心軸Bに対して対称となるように配置することができる。
具体的には、例えば、図4(a)に示すように、二つの導入口34を、チャンバ軸対称に配置することができる。この場合、成膜対象物Aにおける電界強度の強くなる箇所Cは、それぞれ導入口34に近い二箇所となる。
また、同図(b)に示すように、三つの導入口34を、チャンバ軸対称に配置することができできる。この場合、成膜対象物Aにおける電界強度の強くなる箇所Cは、それぞれ導入口34に近い三箇所となる。
さらに、同図(c)に示すように、四つの導入口34を、チャンバ軸対称に配置することができる。この場合、成膜対象物Aにおける電界強度の強くなる箇所Cは、それぞれ導入口34に近い四箇所となる。
これらのように、複数の導入口34をチャンバ32の中心軸Bに対して対称となる位置にそれぞれ配置することにより、チャンバ内の成膜対象物Aの高さ方向での電界強度分布の偏りを大幅に減少させることができる。しかも、導入口34の数を増やすことにより、その電界強度分布をより均衡にすることができる。
なお、成膜対象物Aの形状などにより、チャンバ32の中心軸Bに対して対称とならないように配置することもできる。
[チャンバの底面から同じ高さにする]
図2に示すように、複数の導入口34の形成位置を、チャンバ32の底面36(あるいは基台31の上面)からの高さが同じとなるようにすることができる。
このようにすれば、チャンバ32内の成膜対象物Aの高さ方向での電界強度分布の偏りを減少させることができる。
[電界強度分布の節部が生じる高さと同じ高さにする]
図5aに示すように、複数の導入口34の形成位置を、チャンバ32内に収められた成膜対象物Aの高さ方向での電界強度分布EDの節部Jの生じる高さと同じ高さとすることができる。このようにすることで、その電界強度分布EDの腹部Sの生じる高さと同じ高さとした場合に比べて、チャンバ32内の成膜対象物Aの高さ方向での電界強度分布の偏りを減少させることができる。
なお、電界強度分布EDの節部Jは、通常複数箇所に発生する。このため、例えば、図5aに示すように、そのうち一つの節部Jを選んで、その節部Jと同じ高さに導入口34を設けることもできる。また、図5bに示すように、複数ある節部Jのそれぞれに対応した位置に導入口34を設けることもできる。
また、複数の節部Jのそれぞれに対応した位置に導入口34を設ける場合、各導入口34は、チャンバ32上方から見た時に重なり合う位置に設けることもでき、また、異なった位置に設けることもできる。
ただし、必ずしも、節部Jの高さに合わせる必要はなく、腹部Sその他の高さに合わせることもできる。
[チャンバの底面からそれぞれ異なる高さにする]
複数の導入口34の形成位置を、チャンバ32の底面36(あるいは基台31)からの高さがそれぞれ異なるようにすることができる。
具体的には、例えば、図6に示すように、チャンバ32の側面33における上方と下方それぞれ一箇所ずつ(あるいは複数箇所)に導入口34を設ける。これらのうち、下方のもの(下方導入口34b)は、成膜対象物Aの高さ方向の電界強度分布における節部Jの生じる高さと同じ高さ位置であって、処理用ガス供給部材35の先端部35−1の高さ位置よりも低い位置とする。一方、上方のもの(上方導入口34e)は、成膜対象物Aの高さ方向の電界強度分布における腹部Sの生じる高さと同じ高さ位置であって、処理用ガス供給部材35の先端部35−1の高さ位置よりも高い位置とする。
このようにすれば、下方導入口34bだけでなく、さらに、チャンバ32の上方における電界の強い高さ位置に上方導入口34eが設けられるため、下方導入口34bのみ設けた場合に比べて、チャンバ32内に強い共振状態をつくることができる。このため、チャンバ32内の成膜対象物Aの高さ方向での電界強度分布の偏りを減少させることができるとともに、成膜対象物Aにおける熱変形が弱くなり、しかも、良好な膜の蒸着を行うことができる。
また、エネルギーの偏りが小さくなり、成膜対象物Aの底側と胴部とにエネルギーが分散するので、成膜対象物A全体の膜質が良くなる。
さらに、ONパルスをずらして導入した場合には、より効果がある。
なお、導入口34が三つ以上形成される場合は、例えば、二つ(あるいはそれ以上)を同じ高さ位置とし、それら以外を異なる高さ位置とすることもできる。すなわち、同じ高さ位置の導入口34が二つ以上とさらに異なる高さ位置の導入口34とを組み合わせることができる。
また、成膜対象物Aの形状やその載置位置などによって、複数の導入口34の高さ位置をそれぞれ異なる位置とすることもできる。
[成膜対象物の高さに応じて定める]
比較的背丈の低い成膜対象物(例えば、500[ml]のボトルなど)を取り扱う場合には、例えば、複数の節部Jのうち下方で発生する節部Jと同じ高さに導入口34を設けることができる。
一方、比較的背丈の高い成膜対象物(例えば、2[l]のボトルなど)を取り扱う場合には、例えば、複数の節部Jのうち中程や上方で発生した節部Jと同じ高さに導入口34を設けることができる。
なお、成膜対象物の背丈よりもさらに高い位置に導入口34を設けることもできる。
次に、本実施形態のマイクロ波供給・処理システムの他の構成について説明する。
上述のマイクロ波供給・処理システム1aは、一のマイクロ波発振器10から出力されたマイクロ波をT字分岐管21で分岐し、この分岐したマイクロ波をチャンバ32へ供給する構成とした。
ここで、マイクロ波発振器10は、一つに限るものではなく複数備えることも可能である。このように複数備えた場合においても、複数の導入口34からチャンバ32内へマイクロ波を導入することができる。しかも、この場合は、T字分岐管21が不要となり、さらに、マイクロ波のオン時間を互いにずらすように調整できる。
そこで、マイクロ波供給・処理システムの他の構成を図7に示す。
同図に示すように、マイクロ波供給・処理システム1bは、複数のマイクロ波発振器10a,10bと、各マイクロ波発振器10a,10bから出力されたマイクロ波をそれぞれ別の経路でマイクロ波処理装置30へ送るマイクロ波伝達路20a,20bと、マイクロ波処理装置30とを備えている。
マイクロ波発振器10a,10bは、従来公知の任意好適なマイクロ波発振器を用いることができる。これらマイクロ波発振器10a,10bから出力されるマイクロ波は、図8に示すように、互いのオン時間がオーバーラップしないようにその周期が調整されている。このような調整を行うことにより、製膜の短時間化を図ることができる。しかも、マイクロ波処理装置30のチャンバ32においては、マイクロ波が複数箇所から導入されるため、成膜対象物Aの熱変形を防止できる。
なお、図7においては、マイクロ波発振器10を二つ備えた構成を示しているが、マイクロ波発振器10は二つに限るものではなく、三つ以上備えることもできる。この場合、マイクロ波伝達路20についても、マイクロ波発振器10の数に応じた数だけ用意する。
また、同図においては、(T字)分岐管21を用いない構成としてある。ただし、例えば、マイクロ波発振器10aから出力されたマイクロ波は、分岐せずに、同軸ケーブル22や導波管23によりチャンバ32へ送るようにし、一方、マイクロ波発振器10bから出力されたマイクロ波は、(T字)分岐管21で分岐した後、チャンバ32へ供給するような構成とすることもできる。
[マイクロ波処理方法]
次に、本実施形態のマイクロ波処理装置及びマイクロ波供給・処理システムを用いてマイクロ波を供給する方法(マイクロ波処理方法)について説明する。
まず、複数の導入口34が形成されたチャンバ32を有するマイクロ波処理装置30が用意される。各導入口34には、それぞれ導波管23が接続されており、さらに、同軸ケーブル22,T字分岐管21を介してマイクロ波発振器10と接続されている。
そのチャンバ32の内部に、成膜対象物(ボトル)Aが定置される。そして、チャンバ32の内部及びボトルAの内部が真空状態にされる。
続いて、ボトルAの内部にプロセスガスが導入され、複数の導入口34のそれぞれからチャンバ32内にマイクロ波が導入される(マイクロ波導入処理)。そのマイクロ波は、マイクロ波発振器10から出力され、T字分岐管21,同軸ケーブル22,そして導波管23を伝達してきたものである。
そして、プロセスガスがプラズマ化されて、ボトルAの表面に蒸着膜が形成される。
次に、本実施形態のマイクロ波処理装置及びマイクロ波供給・処理システムを用いた成膜処理の実施例について、図9を参照して説明する。
[実施例1]
本実施形態のマイクロ波供給・処理システムを用いて、成膜対象物(ボトル)に成膜を行い、このときの発光強度[V]と水分透過量[g/m2/day]とを測定した。
マイクロ波処理装置は、チャンバ側面に導入口が一箇所のみ設けられているものと、二箇所に設けられているものとの二機を用意した。
その測定結果を、図9に示す。
同図に示すように、導入口が一箇所のみ設けられているチャンバ(一方向導入)を用いて成膜を行った場合は、発光強度が3[V]を超過した付近から、成膜対象物に熱変形が見られた。これは、成膜対象物において導入口に近い部分が、他の部分に比べて電界強度が強くなっているために生じたものと考えられる。
これに対し、導入口が二箇所に設けられているチャンバ(二方向導入)を用いて成膜を行った場合は、発光強度が3.5[V]を超えるまでは、成膜対象物に熱変形が見られなかった。これは、チャンバ内で電界強度がチャンバ軸対称となり、成膜対象物における電界強度の偏りが減少したためと考えられる。
このように、マイクロ波を複数箇所から供給してチャンバ内の電界強度をチャンバ軸対称に分布することにより、発光強度を従来よりも高くして成膜することができる。これにより、膜質を向上させることができ、しかも、成膜時間の短縮を図ることができる。
[実施例2]
本実施形態のマイクロ波供給・処理システムを用いて、成膜対象物(ボトル)に成膜を行い、このときの薄膜に含有されているSiOH/SiOの量を、成膜対象物の高さごとに測定した。
なお、SiOH/SiOの量は、その値が小さいほど、膜質が良いことを示す。
ここで、マイクロ波処理装置は、チャンバ側面に導入口が一箇所のみ設けられているものと、二箇所に設けられているものとの二機を用意した。
その測定結果を、図10(a)、(b)、(c)に示す。
同図(a)の「一方向」及び同図(b)に示すように、マイクロ波(MW)が一方向から供給されるチャンバを用いて成膜を行った場合は、成膜対象物の高さによってSiOH/SiOの量に大きな変化が見られた。しかも、導入口に近い方(0°)では膜質は良好であるものの、遠い方(180°)では膜質が悪くなっていた。すなわち、一つの成膜対象物において、膜質の偏りが見られた。これは、チャンバ内の電界強度分布がチャンバ軸に対して不均衡であるために生じたものと考えられる。
これに対し、マイクロ波が二方向から供給されるチャンバを用いて成膜を行った場合は、ボトルのどの高さにおいてもSiOH/SiOの量が望ましい値を示していた。また、導入口に近い方(0°)と遠い方(180°)とでは、SiOH/SiOの量に大きな差異は見られなかった。すなわち、一つの成膜対象物において、膜質の均質化が図られていた。これは、チャンバ内で電界強度分布がチャンバ軸対称となったためと考えられる。
このように、マイクロ波を複数箇所から供給してチャンバ内の電界強度をチャンバ軸対称に分布することで、成膜対象物のどの高さどの面においても膜質を良好にできることが確認された。
以上、本発明のマイクロ波処理装置、マイクロ波供給・処理システム及びマイクロ波処理方法の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係るマイクロ波処理装置、マイクロ波供給・処理システム及びマイクロ波処理方法は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、成膜対象物の例としてボトルを挙げたが、成膜対象物はボトルに限るものではなく、例えば、各種容器、カップ、パウチ、包袋シートなどであってもよい。
また、上述した実施形態では、チャンバ32の底面36あるいは基台31の上面を基準として導入口34の高さ位置を説明している箇所があるが、その基準はチャンバ32の底面36あるいは基台31の上面に限るものではなく、これらに準ずる部位(例えば、処理用ガス供給部材35の下端部、成膜対象物Aの載置部材など)であってもよい。すなわち、導入口34が形成される高さ位置は、チャンバ34の中心軸Bに垂直に交わる面を基準に示すことができる。
本発明は、チャンバ内の電界強度分布の均衡を図るための発明であるため、内部で発生する電界が所定の処理に影響を及ぼす装置や機器等に利用可能である。
本発明のマイクロ波供給・処理システムの構成を示す概略図である。 本発明のマイクロ波処理装置の構造を示す縦方向断面図である。 本発明のマイクロ波処理装置の内部に発生した電界強度分布を示す分布図である。 複数のマイクロ波導入口が設けられたチャンバの構造を示す上方断面概略図であって、(a)は、マイクロ波導入口が二つ設けられた場合、(b)は、マイクロ波導入口が三つ設けられた場合、(c)は、マイクロ波導入口が四つ設けられた場合をそれぞれ示す。 マイクロ波導入口の形成位置の例を示す縦方向断面図である。 マイクロ波導入口の形成位置の他の例を示す縦方向断面図である。 マイクロ波導入口の形成位置のさらに他の例を示す縦方向断面図である。 本発明のマイクロ波供給・処理システムの他の構成を示す概略図である。 複数のマイクロ波発振器10a,10bからそれぞれ出力されたマイクロ波の波形を示す波形図である。 実施例1の測定結果を示すグラフである。 実施例2の測定結果を示す図表であって、(a)は、測定結果である数値を示す表、(b)は、マイクロ波が一方向から導入されるチャンバにより形成された膜のSiOH/SiOの量を示す折れ線グラフ、(c)は、マイクロ波が二方向から導入されるチャンバにより形成された膜のSiOH/SiOの量を示す折れ線グラフである。 従来のマイクロ波処理装置の内部に発生した電界強度分布を示す分布図である。
符号の説明
1 マイクロ波供給・処理システム
10 マイクロ波発振器
20 マイクロ波伝達路
21 T字分岐管
22a,22b,22c,22d 同軸ケーブル
23a,23b,23c,23d 導波管
30 マイクロ波処理装置
31 基台
32 チャンバ
33 チャンバ側面
34a,34b,34c,34d マイクロ波導入口
35 処理用ガス供給部材
35−1 先端部
36 チャンバ底面
A 成膜対象物(ボトル)
B チャンバ中心軸
C 電界強度が強くなる箇所
ED 電界強度分布
J 節部
S 腹部

Claims (11)

  1. チャンバ内にマイクロ波を導入して、前記チャンバ内の対象物に所定の処理を行うマイクロ波処理装置であって、
    外部で発生した前記マイクロ波を前記チャンバ内に導入するマイクロ波導入口を複数設け
    これら複数のマイクロ波導入口は、前記チャンバの側面に形成されており、かつ、前記対象物の高さ方向の電界強度分布における節部の生じる高さと同じ高さに設けられた
    ことを特徴とするマイクロ波処理装置。
  2. 前記複数のマイクロ波導入口は、前記チャンバの側面に形成されており、かつ、前記チャンバの中心軸に対して対称となる位置にそれぞれ設けられた
    ことを特徴とする請求項1記載のマイクロ波処理装置。
  3. 前記複数のマイクロ波導入口は、前記チャンバの側面に形成されており、かつ、それぞれ同じ又は異なる高さに設けられた
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のマイクロ波処理装置。
  4. 前記複数のマイクロ波導入口は、前記チャンバの側面に形成されており、
    それらのうち一又は二以上のマイクロ波導入口は、前記対象物の高さ方向の電界強度分布における節部の生じる高さと同じ高さであって処理用ガス供給部材の先端部より低い位置に設けられ、
    他の一又は二以上のマイクロ波導入口は、前記対象物の高さ方向の電界強度分布における腹部の生じる高さと同じ高さであって処理用ガス供給部材の先端部より高い位置に設けられた
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロ波処理装置。
  5. 前記複数のマイクロ波導入口は、前記チャンバ内の電界強度分布が前記チャンバの中心軸に対して対称となるように、前記チャンバの側面に形成された
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロ波処理装置。
  6. 前記対象物がボトルを含み、
    前記チャンバが、前記マイクロ波によりプラズマを発生させて前記ボトルの内部に薄膜を施すためのチャンバからなる
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のマイクロ波処理装置。
  7. マイクロ波を出力するマイクロ波発振器と、チャンバ内に前記マイクロ波を導入して、前記チャンバ内の対象物に所定の処理を行うマイクロ波処理装置とを備えたマイクロ波供給・処理システムであって、
    前記マイクロ波処理装置が、請求項1〜請求項6のいずれかに記載のマイクロ波処理装置からなる
    ことを特徴とするマイクロ波供給・処理システム。
  8. 一つの前記マイクロ波発振器から出力された前記マイクロ波を分岐する分岐管と、
    この分岐管で分岐されたマイクロ波をそれぞれ異なる経路で前記マイクロ波処理装置へ送るマイクロ波伝達路とを備え、
    前記マイクロ波処理装置は、チャンバの側面に複数のマイクロ波導入口を有し、これら複数のマイクロ波導入口に接続された各前記マイクロ波伝達路のそれぞれから前記マイクロ波を導入する
    ことを特徴とする請求項7記載のマイクロ波供給・処理システム。
  9. 複数の前記マイクロ波発振器と、
    これら複数のマイクロ波発振器からそれぞれ出力されたマイクロ波を異なる経路で前記マイクロ波処理装置へ送るマイクロ波伝達路とを備え、
    前記マイクロ波処理装置は、チャンバの側面に複数のマイクロ波導入口を有し、これら複数のマイクロ波導入口に接続された各前記マイクロ波伝達路のそれぞれから前記マイクロ波を導入する
    ことを特徴とする請求項7記載のマイクロ波供給・処理システム。
  10. 前記複数のマイクロ波発振器から出力された各マイクロ波が、互いのオン時間がオーバーラップしないように調整されて発振された
    ことを特徴とする請求項9記載のマイクロ波供給・処理システム。
  11. チャンバ内にマイクロ波を導入する処理と、前記チャンバ内の対象物に所定の処理を行う処理とを有したマイクロ波処理方法であって、
    前記チャンバ内にマイクロ波を導入する処理が、前記チャンバの側面に形成された複数のマイクロ波導入口のそれぞれから、外部で発生した前記マイクロ波を導入する処理を有し、
    前記所定の処理が、前記チャンバ内のガスをプラズマ化して前記対象物の内面に薄膜を施す処理を有し、
    前記複数のマイクロ波導入口が、前記チャンバの側面に形成されており、かつ、前記対象物の高さ方向の電界強度分布における節部の生じる高さと同じ高さに設けられた
    ことを特徴とするマイクロ波処理方法。
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