JP4586495B2 - マイクロ波処理装置、マイクロ波供給・処理システム及びマイクロ波処理方法 - Google Patents
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Description
最近では、CVDでも低圧プラズマCVDとしてプラスチック容器の表面改質、特に、ガスバリア性の向上にも応用されている。
プラズマ状態は、グロー放電、コロナ放電、アーク放電などによって実現されるものであり、たとえば、グロー放電の方式としては、直流グロー放電を利用する方法、高周波グロー放電を利用する方法(高周波プラズマCVD)、マイクロ波放電を利用する方法(マイクロ波プラズマCVD)などが知られている。
そのチャンバ内の中空における成膜対象物の高さ方向の電界強度分布を図11に示す。
同図に示すように、例えば、マイクロ波処理装置300のチャンバ310の内部であってマイクロ波導入口320に近いところでは、電界強度が強くなっていた。一方、マイクロ波導入口320から遠いところでは、電界強度が弱くなっていた。このように、同じチャンバ内であっても電界強度分布に偏りが生じていた。そうすると、成膜対象物に形成される薄膜の均質性が悪くなり、しかも、マイクロ波導入口320に相対する部分(マイクロ波導入口320に近い部分)に熱変形が生じ易くなっていた。このことから、結果として、成膜対象物の全体でバリヤ性能を向上させることができなかった。
例えば、チャンバの側面にマイクロ波導入口が一箇所形成されており、このマイクロ波導入口の外側に導波管が取り付けられている。一方、そのマイクロ波導入口の形成箇所からチャンバ直径方向反対側に横方向短絡装置が設けられている。横方向短絡装置は、チャンバ半径方向外側に向かって備えられた導波管の一部(一部導波管)と、この一部導波管の軸方向に変位可能な調整プランジャとを備えて構成されている(例えば、特許文献2参照。)。
このような構成により、チャンバ内に導入されたマイクロ波が一部導波管で反射され、さらに、調整プランジャによりその反射量が調整されるため、チャンバ内の電界強度分布の偏りを減少させることができる。
例えば、基体を処理又は被覆する装置であって、基体を収納する反応空間と、この反応空間へ反応ガスを供給するガス入口と、波長λhのマイクロ波が励起される反応空間に隣接したウェーブガイドとを備えている。反応空間内では、発生したマイクロ波によって反応ガスがバンド形状プラズマへと励起される。一方、ウェーブガイド内では、互いに直交して分極した波長の二つの定在波が励起され、さらに1/4波長だけ互いに位相がずれる。プラズマとマイクロ波との結合は、ウェーブガイドの端部に作られたスリットで行われる(例えば、特許文献3参照。)。
これにより、大きな領域の基体に対して、経済的かつ短時間に処理又は被覆できる。
このため、基体(成膜対象物)が収納される反応空間(チャンバ)においては、プラズマとマイクロ波の結合が一箇所から導入されることとなり、反応空間(チャンバ)内の基体(成膜対象物)における電界強度分布の偏りを減少させることはできなかった。
したがって、成膜対象物全体のバリヤ性能の向上を図ることができる。
特許文献3は、ウェーブガイド内で、二つのマイクロ波を結合してアンテナからマイクロ波を出して反応ガスをプラズマ化している。これに対し、本発明は、プラズマ発生チャンバに直接別々の位置から複数のマイクロ波を導入して反応ガスをプラズマ化しており、この点で相違する。
このように、本発明は、特許文献3と異なる構成、すなわちプラズマ発生チャンバに直接導入されるマイクロ波の導入箇所を複数とすることで、成膜対象物(例えば、ボトルなど)の熱変形防止や、マイクロ波導入が一つだとプラズマ発生が軸ずれする場合でも軸対称にすることができ、膜性能の向上を図ることができる。
マイクロ波処理装置をこのような構成とすれば、チャンバ内の成膜対象物における電界強度分布の偏りを減らして、その電界強度分布をチャンバ軸対称とすることができる。したがって、膜質の均質性を良くし、かつ、成膜対象物の熱変形を無くすことができ、これにより、成膜対象物全体のバリヤ性能を向上できる。
マイクロ波処理装置をこのような構成とすると、マイクロ波導入口の形成位置により、チャンバ内の成膜対象物における電界強度分布の偏りを減らすことができる。このため、膜質の均質性を向上させて、成膜対象物全体のバリヤ性能を高めることができる。
このように、下方導入口だけでなく、上方導入口、すなわちチャンバ上部における電界の強い高さ位置にもマイクロ波導入口が設けられるため、下方導入口のみ設けた場合に比べて、チャンバ内に強い共振状態をつくることができる。したがって、成膜対象物における熱変形が弱くなるとともに、良好な膜の蒸着を行うことができる。
マイクロ波処理装置をこのような構成とすれば、チャンバ内の電界強度分布の偏りを大幅に減少させることができ、これにより膜質の均質性が悪くなるのを防止し、かつ、成膜対象物の熱変形を無くすことができる。したがって、成膜対象物全体のバリヤ性能の向上を図ることができる。
マイクロ波処理装置をこのような構成とすると、マイクロ波によりプラズマを発生させて成膜対象物であるボトルに薄膜を施すチャンバにおいて、このチャンバ内の成膜対象物における電界強度分布の偏りを大幅に緩和できる。これにより、成膜対象物全体のバリヤ性能を向上できる。
マイクロ波供給・処理システムをこのような構成とすると、マイクロ波がチャンバ内に対して複数箇所から導入されるため、チャンバ内の成膜対象物における電界強度分布の不均衡を大幅に改善できる。しかも、複数のマイクロ波導入口をチャンバ軸対称に配したり、成膜対象物の高さ方向での電界強度分布の節部と同じ高さに設けたりすることで、その不均衡をさらに改善できる。
なお、マイクロ波伝達路には、導波管や同軸ケーブルなどが含まれる。
マイクロ波供給・処理システムをこのような構成とすると、各マイクロ波導入口から供給されるマイクロ波のオン時間をそれぞれ異ならせる(ずらす)ようにすることができる。このため、製膜の短時間化を図ることができる。しかも、チャンバにおけるマイクロ波の導入口が複数設けられているため、成膜対象物の熱変形を防止できる。
また、もともと非対称な電界強度分布であっても、それぞれからエネルギーが与えられるので、結果的に対称な分布となる。
マイクロ波供給・処理システムをこのような構成とすれば、複数のマイクロ波発振器から出力されるマイクロ波のオン時間がそれぞれ重ならないように発振されるため、製膜の短時間化を図ることができる。しかも、チャンバにおけるマイクロ波の導入口が複数設けられているため、成膜対象物の熱変形を防止できる。
図1は、本願発明のマイクロ波供給・処理システムの構成を示すブロック図、図2は、本実施形態のマイクロ波処理装置の構造を示す縦方向断面図である。
ここで、マイクロ波発振器10は、従来公知のマイクロ波発振器であって、所定波長のマイクロ波(MW)を出力する。
T字分岐管21は、マイクロ波発振器10から出力されたマイクロ波を分岐する。なお、マイクロ波の分岐数は、同図においては、二つとしてあるが、二つに限るものではなく、三つ以上に分岐することもできる。分岐されたマイクロ波は、複数の経路(同軸ケーブル22a、22bや導波管23a、23bにより形成される複数の経路)のそれぞれによりマイクロ波処理装置30へ伝達される。
同軸ケーブル22は、複数本備えられており、T字分岐管21で分岐されたマイクロ波をそれぞれ別個の同軸ケーブルにより導波管23又はマイクロ波処理装置30へ伝える。
導波管23は、複数本備えられており、一方が同軸ケーブル22に、他方がマイクロ波処理装置30のチャンバ32のマイクロ波導入口34(後述)にそれぞれ接続されている。そして、導波管23は、複数本の同軸ケーブル22により伝えられてきたマイクロ波をそれぞれ別個にマイクロ波処理装置30へ送る。
このため、それら複数箇所から供給されるマイクロ波はいずれも同一波長、同一振幅であることから、チャンバ内の成膜対象物における電界強度分布の偏りを減らして、均衡な分布とすることができる。
なお、同軸ケーブル22及び導波管23は、同図においては、それぞれ二つずつ設けられているが、二つに限るものではなく、三つ以上設けることもできる。
また、マイクロ波伝達路20は、本実施形態においては、同軸ケーブルと導波管との双方を有して構成されているが、双方有することに限るものではなく、一方のみ(同軸ケーブルのみ、あるいは、導波管のみ)であってもよい。
ここで、チャンバ32は、一般に円筒形状に形成されており、中空である内部に成膜対象物Aが収められる。
成膜対象物Aは、例えば、ボトルなどで構成することができる。この実施形態におけるボトルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルから形成された二軸延伸ブロー成形ボトルが挙げられる。
そして、導入口34は、チャンバ32の側面33の異なる箇所に複数形成される。このため、チャンバ32内に対して、複数の導入口34からマイクロ波が供給されるようになる。
同図に示すように、成膜対象物Aの高さ方向での電界強度分布は、チャンバ32の中心軸Bに対して対称となっている。しかも、図11に示した電界強度分布と比較して、明らかにその分布の偏りがなくなり、均衡が図られていることがわかる。
すなわち、チャンバ32に導入口34が複数形成された構造とすれば、マイクロ波が複数箇所からチャンバ32の内部へ供給されるため、チャンバ32の側面33の一箇所からマイクロ波が供給される場合に比べて、そのチャンバ32内の電界強度分布の偏りを緩和できる。
なお、導入口34は、同図においては、二つ設けられているが、二つに限るものではなく、導波管23や同軸ケーブル22の数とともに、三つ以上設けることができる。
導入口34は、チャンバ32の側面33の複数箇所に形成されるが、その形成箇所を次のようにすることにより、チャンバ32内の成膜対象物Aの高さ方向での電界強度分布をさらに均衡なものにすることができる。
(1)複数の導入口34の形成箇所を、チャンバ32の中心軸Bに対して対称となるように配置する。
(2)複数の導入口34の形成箇所を、チャンバ32の底面36(あるいは基台31)から同じ高さとする。
(3)複数の導入口34の形成箇所を、成膜対象物の高さ方向での電界強度分布の節部の生じる高さと同じ高さとする。
(4)複数の導入口34の形成箇所を、チャンバ32の底面36(あるいは基台31)からそれぞれ異なる高さとする。
(5)複数の導入口34の形成箇所を、成膜対象物Aの高さに応じて定める。
これら形成箇所について、以下順次説明する。
図4(a),(b),(c)に示すように、複数の導入口34の形成箇所を、それぞれチャンバ32の中心軸Bに対して対称となるように配置することができる。
具体的には、例えば、図4(a)に示すように、二つの導入口34を、チャンバ軸対称に配置することができる。この場合、成膜対象物Aにおける電界強度の強くなる箇所Cは、それぞれ導入口34に近い二箇所となる。
さらに、同図(c)に示すように、四つの導入口34を、チャンバ軸対称に配置することができる。この場合、成膜対象物Aにおける電界強度の強くなる箇所Cは、それぞれ導入口34に近い四箇所となる。
なお、成膜対象物Aの形状などにより、チャンバ32の中心軸Bに対して対称とならないように配置することもできる。
図2に示すように、複数の導入口34の形成位置を、チャンバ32の底面36(あるいは基台31の上面)からの高さが同じとなるようにすることができる。
このようにすれば、チャンバ32内の成膜対象物Aの高さ方向での電界強度分布の偏りを減少させることができる。
図5aに示すように、複数の導入口34の形成位置を、チャンバ32内に収められた成膜対象物Aの高さ方向での電界強度分布EDの節部Jの生じる高さと同じ高さとすることができる。このようにすることで、その電界強度分布EDの腹部Sの生じる高さと同じ高さとした場合に比べて、チャンバ32内の成膜対象物Aの高さ方向での電界強度分布の偏りを減少させることができる。
なお、電界強度分布EDの節部Jは、通常複数箇所に発生する。このため、例えば、図5aに示すように、そのうち一つの節部Jを選んで、その節部Jと同じ高さに導入口34を設けることもできる。また、図5bに示すように、複数ある節部Jのそれぞれに対応した位置に導入口34を設けることもできる。
ただし、必ずしも、節部Jの高さに合わせる必要はなく、腹部Sその他の高さに合わせることもできる。
複数の導入口34の形成位置を、チャンバ32の底面36(あるいは基台31)からの高さがそれぞれ異なるようにすることができる。
具体的には、例えば、図6に示すように、チャンバ32の側面33における上方と下方それぞれ一箇所ずつ(あるいは複数箇所)に導入口34を設ける。これらのうち、下方のもの(下方導入口34b)は、成膜対象物Aの高さ方向の電界強度分布における節部Jの生じる高さと同じ高さ位置であって、処理用ガス供給部材35の先端部35−1の高さ位置よりも低い位置とする。一方、上方のもの(上方導入口34e)は、成膜対象物Aの高さ方向の電界強度分布における腹部Sの生じる高さと同じ高さ位置であって、処理用ガス供給部材35の先端部35−1の高さ位置よりも高い位置とする。
また、エネルギーの偏りが小さくなり、成膜対象物Aの底側と胴部とにエネルギーが分散するので、成膜対象物A全体の膜質が良くなる。
さらに、ONパルスをずらして導入した場合には、より効果がある。
また、成膜対象物Aの形状やその載置位置などによって、複数の導入口34の高さ位置をそれぞれ異なる位置とすることもできる。
比較的背丈の低い成膜対象物(例えば、500[ml]のボトルなど)を取り扱う場合には、例えば、複数の節部Jのうち下方で発生する節部Jと同じ高さに導入口34を設けることができる。
一方、比較的背丈の高い成膜対象物(例えば、2[l]のボトルなど)を取り扱う場合には、例えば、複数の節部Jのうち中程や上方で発生した節部Jと同じ高さに導入口34を設けることができる。
なお、成膜対象物の背丈よりもさらに高い位置に導入口34を設けることもできる。
上述のマイクロ波供給・処理システム1aは、一のマイクロ波発振器10から出力されたマイクロ波をT字分岐管21で分岐し、この分岐したマイクロ波をチャンバ32へ供給する構成とした。
ここで、マイクロ波発振器10は、一つに限るものではなく複数備えることも可能である。このように複数備えた場合においても、複数の導入口34からチャンバ32内へマイクロ波を導入することができる。しかも、この場合は、T字分岐管21が不要となり、さらに、マイクロ波のオン時間を互いにずらすように調整できる。
同図に示すように、マイクロ波供給・処理システム1bは、複数のマイクロ波発振器10a,10bと、各マイクロ波発振器10a,10bから出力されたマイクロ波をそれぞれ別の経路でマイクロ波処理装置30へ送るマイクロ波伝達路20a,20bと、マイクロ波処理装置30とを備えている。
マイクロ波発振器10a,10bは、従来公知の任意好適なマイクロ波発振器を用いることができる。これらマイクロ波発振器10a,10bから出力されるマイクロ波は、図8に示すように、互いのオン時間がオーバーラップしないようにその周期が調整されている。このような調整を行うことにより、製膜の短時間化を図ることができる。しかも、マイクロ波処理装置30のチャンバ32においては、マイクロ波が複数箇所から導入されるため、成膜対象物Aの熱変形を防止できる。
また、同図においては、(T字)分岐管21を用いない構成としてある。ただし、例えば、マイクロ波発振器10aから出力されたマイクロ波は、分岐せずに、同軸ケーブル22や導波管23によりチャンバ32へ送るようにし、一方、マイクロ波発振器10bから出力されたマイクロ波は、(T字)分岐管21で分岐した後、チャンバ32へ供給するような構成とすることもできる。
次に、本実施形態のマイクロ波処理装置及びマイクロ波供給・処理システムを用いてマイクロ波を供給する方法(マイクロ波処理方法)について説明する。
まず、複数の導入口34が形成されたチャンバ32を有するマイクロ波処理装置30が用意される。各導入口34には、それぞれ導波管23が接続されており、さらに、同軸ケーブル22,T字分岐管21を介してマイクロ波発振器10と接続されている。
続いて、ボトルAの内部にプロセスガスが導入され、複数の導入口34のそれぞれからチャンバ32内にマイクロ波が導入される(マイクロ波導入処理)。そのマイクロ波は、マイクロ波発振器10から出力され、T字分岐管21,同軸ケーブル22,そして導波管23を伝達してきたものである。
そして、プロセスガスがプラズマ化されて、ボトルAの表面に蒸着膜が形成される。
[実施例1]
本実施形態のマイクロ波供給・処理システムを用いて、成膜対象物(ボトル)に成膜を行い、このときの発光強度[V]と水分透過量[g/m2/day]とを測定した。
マイクロ波処理装置は、チャンバ側面に導入口が一箇所のみ設けられているものと、二箇所に設けられているものとの二機を用意した。
同図に示すように、導入口が一箇所のみ設けられているチャンバ(一方向導入)を用いて成膜を行った場合は、発光強度が3[V]を超過した付近から、成膜対象物に熱変形が見られた。これは、成膜対象物において導入口に近い部分が、他の部分に比べて電界強度が強くなっているために生じたものと考えられる。
このように、マイクロ波を複数箇所から供給してチャンバ内の電界強度をチャンバ軸対称に分布することにより、発光強度を従来よりも高くして成膜することができる。これにより、膜質を向上させることができ、しかも、成膜時間の短縮を図ることができる。
本実施形態のマイクロ波供給・処理システムを用いて、成膜対象物(ボトル)に成膜を行い、このときの薄膜に含有されているSiOH/SiOの量を、成膜対象物の高さごとに測定した。
なお、SiOH/SiOの量は、その値が小さいほど、膜質が良いことを示す。
その測定結果を、図10(a)、(b)、(c)に示す。
同図(a)の「一方向」及び同図(b)に示すように、マイクロ波(MW)が一方向から供給されるチャンバを用いて成膜を行った場合は、成膜対象物の高さによってSiOH/SiOの量に大きな変化が見られた。しかも、導入口に近い方(0°)では膜質は良好であるものの、遠い方(180°)では膜質が悪くなっていた。すなわち、一つの成膜対象物において、膜質の偏りが見られた。これは、チャンバ内の電界強度分布がチャンバ軸に対して不均衡であるために生じたものと考えられる。
このように、マイクロ波を複数箇所から供給してチャンバ内の電界強度をチャンバ軸対称に分布することで、成膜対象物のどの高さどの面においても膜質を良好にできることが確認された。
例えば、上述した実施形態では、成膜対象物の例としてボトルを挙げたが、成膜対象物はボトルに限るものではなく、例えば、各種容器、カップ、パウチ、包袋シートなどであってもよい。
10 マイクロ波発振器
20 マイクロ波伝達路
21 T字分岐管
22a,22b,22c,22d 同軸ケーブル
23a,23b,23c,23d 導波管
30 マイクロ波処理装置
31 基台
32 チャンバ
33 チャンバ側面
34a,34b,34c,34d マイクロ波導入口
35 処理用ガス供給部材
35−1 先端部
36 チャンバ底面
A 成膜対象物(ボトル)
B チャンバ中心軸
C 電界強度が強くなる箇所
ED 電界強度分布
J 節部
S 腹部
Claims (11)
- チャンバ内にマイクロ波を導入して、前記チャンバ内の対象物に所定の処理を行うマイクロ波処理装置であって、
外部で発生した前記マイクロ波を前記チャンバ内に導入するマイクロ波導入口を複数設け、
これら複数のマイクロ波導入口は、前記チャンバの側面に形成されており、かつ、前記対象物の高さ方向の電界強度分布における節部の生じる高さと同じ高さに設けられた
ことを特徴とするマイクロ波処理装置。 - 前記複数のマイクロ波導入口は、前記チャンバの側面に形成されており、かつ、前記チャンバの中心軸に対して対称となる位置にそれぞれ設けられた
ことを特徴とする請求項1記載のマイクロ波処理装置。 - 前記複数のマイクロ波導入口は、前記チャンバの側面に形成されており、かつ、それぞれ同じ又は異なる高さに設けられた
ことを特徴とする請求項1又は2記載のマイクロ波処理装置。 - 前記複数のマイクロ波導入口は、前記チャンバの側面に形成されており、
それらのうち一又は二以上のマイクロ波導入口は、前記対象物の高さ方向の電界強度分布における節部の生じる高さと同じ高さであって処理用ガス供給部材の先端部より低い位置に設けられ、
他の一又は二以上のマイクロ波導入口は、前記対象物の高さ方向の電界強度分布における腹部の生じる高さと同じ高さであって処理用ガス供給部材の先端部より高い位置に設けられた
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロ波処理装置。 - 前記複数のマイクロ波導入口は、前記チャンバ内の電界強度分布が前記チャンバの中心軸に対して対称となるように、前記チャンバの側面に形成された
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロ波処理装置。 - 前記対象物がボトルを含み、
前記チャンバが、前記マイクロ波によりプラズマを発生させて前記ボトルの内部に薄膜を施すためのチャンバからなる
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のマイクロ波処理装置。 - マイクロ波を出力するマイクロ波発振器と、チャンバ内に前記マイクロ波を導入して、前記チャンバ内の対象物に所定の処理を行うマイクロ波処理装置とを備えたマイクロ波供給・処理システムであって、
前記マイクロ波処理装置が、請求項1〜請求項6のいずれかに記載のマイクロ波処理装置からなる
ことを特徴とするマイクロ波供給・処理システム。 - 一つの前記マイクロ波発振器から出力された前記マイクロ波を分岐する分岐管と、
この分岐管で分岐されたマイクロ波をそれぞれ異なる経路で前記マイクロ波処理装置へ送るマイクロ波伝達路とを備え、
前記マイクロ波処理装置は、チャンバの側面に複数のマイクロ波導入口を有し、これら複数のマイクロ波導入口に接続された各前記マイクロ波伝達路のそれぞれから前記マイクロ波を導入する
ことを特徴とする請求項7記載のマイクロ波供給・処理システム。 - 複数の前記マイクロ波発振器と、
これら複数のマイクロ波発振器からそれぞれ出力されたマイクロ波を異なる経路で前記マイクロ波処理装置へ送るマイクロ波伝達路とを備え、
前記マイクロ波処理装置は、チャンバの側面に複数のマイクロ波導入口を有し、これら複数のマイクロ波導入口に接続された各前記マイクロ波伝達路のそれぞれから前記マイクロ波を導入する
ことを特徴とする請求項7記載のマイクロ波供給・処理システム。 - 前記複数のマイクロ波発振器から出力された各マイクロ波が、互いのオン時間がオーバーラップしないように調整されて発振された
ことを特徴とする請求項9記載のマイクロ波供給・処理システム。 - チャンバ内にマイクロ波を導入する処理と、前記チャンバ内の対象物に所定の処理を行う処理とを有したマイクロ波処理方法であって、
前記チャンバ内にマイクロ波を導入する処理が、前記チャンバの側面に形成された複数のマイクロ波導入口のそれぞれから、外部で発生した前記マイクロ波を導入する処理を有し、
前記所定の処理が、前記チャンバ内のガスをプラズマ化して前記対象物の内面に薄膜を施す処理を有し、
前記複数のマイクロ波導入口が、前記チャンバの側面に形成されており、かつ、前記対象物の高さ方向の電界強度分布における節部の生じる高さと同じ高さに設けられた
ことを特徴とするマイクロ波処理方法。
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