JP2006335834A - 熱硬化性樹脂組成物、樹脂シート、積層体、硬化体及び積層板。 - Google Patents
熱硬化性樹脂組成物、樹脂シート、積層体、硬化体及び積層板。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 高速化、高周波数化された信号に対しても、低い誘電率を維持しつつ十分に低い誘電正接を発現する基板を得ることが可能な熱硬化性樹脂組成物、樹脂シート及び積層体を提供すること。また、高速化、高周波数化された信号に対しても、低い誘電率を維持しつつ十分に低い誘電正接を発現する硬化体及び積層板を提供すること。
【解決手段】 熱硬化性樹脂と、活性エステル基(好ましくは、カルボン酸又はチオカルボン酸と、フェノール、チオフェノール、N−ヒドロキシアミン、複素環ヒドロキシ化合物又はこれらの誘導体とで形成されたエステル基)を有する活性エステル化合物と、カルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物と、を含有する熱硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 熱硬化性樹脂と、活性エステル基(好ましくは、カルボン酸又はチオカルボン酸と、フェノール、チオフェノール、N−ヒドロキシアミン、複素環ヒドロキシ化合物又はこれらの誘導体とで形成されたエステル基)を有する活性エステル化合物と、カルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物と、を含有する熱硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、熱硬化性樹脂組成物、並びにこれを用いた樹脂シート、積層体、硬化体及び積層板に関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化、高機能化に伴って、電子機器に使用されるプリント基板やパッケージ基板におけるビルドアップ化が進んでいる。ビルドアップ化された多層基板は、樹脂つき銅箔(RCC)、樹脂シート、レーザービア対応ガラス基材プリプレグ等を用いて製造される。RCCや樹脂シートにおいては、一般に、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物が用いられる。
一方、熱硬化性樹脂組成物としては、例えば、活性エステル基を有する活性エステル化合物を酸無水物と共にエポキシ樹脂の硬化剤として用いたもの(特許文献1)や、カルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物を他の硬化剤とともにエポキシ樹脂と組み合わせたもの(特許文献2)が知られている。
特開平11−349666号公報
特開2000−34392号公報
近年、各種電子機器における信号の高速化、高周波数化が進んでいる。しかし、信号の高速化、高周波数化に伴って、従来の熱硬化性樹脂組成物の硬化体を用いた基板では、十分に低い誘電率を維持しつつ低い誘電正接を得ることが困難となりつつある。
そこで、本発明は、高速化、高周波数化された信号に対しても、十分に低い誘電率を維持しつつ十分に低い誘電正接を発現する硬化体を得ることが可能な熱硬化性樹脂組成物、樹脂シート及び積層体を提供することを目的とする。また、本発明は、高速化、高周波数化された信号に対しても、低い誘電率を維持しつつ十分に低い誘電正接を発現する硬化体及び積層板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、活性エステル基を有する活性エステル化合物と、カルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物と、を含有する。
この熱硬化性樹脂組成物は、活性エステル化合物及びカルボジイミド化合物を併用したことにより、低い誘電率を維持しつつ十分に低い誘電正接を発現する基板を得ることが可能となった。
活性エステル化合物は、カルボン酸又はチオカルボン酸と、フェノール、チオフェノール、N−ヒドロキシアミン、複素環ヒドロキシ化合物又はこれらの誘導体とで形成された活性エステル基を有する化合物を含むことが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、カルボジイミド化合物を、熱硬化性樹脂100重量部に対して1〜100重量部含有することが好ましく、活性エステル化合物を、熱硬化性樹脂1当量に対して0.7〜1.5当量含有することが好ましい。
本発明の樹脂シートは、上記本発明の熱硬化性樹脂組成物をBステージ化したBステージ樹脂を含むものであり、本発明の積層体は、この樹脂シートの少なくとも一方面上に金属層を備えるものである。
これら樹脂シート及び積層体によれば、上記本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いていることにより、高速化、高周波数化された信号に対しても、低い誘電率を維持しつつ十分に低い誘電正接を発現する積層板を得ることが可能である。
また、本発明の硬化体は、上記本発明の熱硬化性樹脂組成物を硬化したものであり、本発明の積層板は、板状に形成された上記硬化体の少なくとも一方面上に金属層を備えるものである。
これら硬化体及び積層板は、高速化、高周波数化された信号に対しても、低い誘電率を維持しつつ十分に低い誘電正接を発現するものであり、電子機器に使用されるプリント基板やパッケージ基板等において好適に用いられる。
本発明によれば、高速化、高周波数化された信号に対しても、低い誘電率を維持しつつ十分に低い誘電正接を発現する硬化体を得ることが可能な熱硬化性樹脂組成物、シート及び積層体が提供される。また、本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化体は、耐熱性が良好であるとともに、吸水率が低い。
以下、本発明の好適な実施形態について、場合により図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、図面において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
熱硬化性樹脂としては、活性エステル化合物と反応して硬化体を形成し得るものであれば、特に制限なく用いることができるが、特に、エポキシ基を有するエポキシ化合物からなるエポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂等が好適に用いられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で又は複数組み合わせて用いられる。
活性エステル化合物は、活性エステル基を有する化合物である。活性エステル基は、カルボン酸と第1級アルコール(例えばメタノール)とで形成されたエステル基と比較したときに、エポキシ基、アミノ基等の求核性の官能基との反応性が相対的に高められたエステル基のことをいう。活性エステル化合物は、活性エステル基を2個以上有することが好ましい。更に、硬化体の耐熱性をより高めるためには、活性エステル基を3個以上有することがより好ましい。なお、熱硬化性樹脂組成物は、活性エステル化合物として、単独又は複数種の化合物を含有する。
活性エステル基の好適な具体例としては、カルボン酸又はチオカルボン酸と、フェノール、チオフェノール、N−ヒドロキシアミン、複素環ヒドロキシ化合物又はこれらの誘導体とで形成されたエステル基が挙げられる。これらの中でも、下記式(1)で表される、カルボン酸とフェノール又はその誘導体とで形成された活性エステル基が特に好ましい。式(1)中、Ar1は置換基を有していてもよいフェニル基を示す。
活性エステル基を形成するカルボン酸は、芳香族カルボン酸であってもよいし、脂肪族カルボン酸であってもよい。カルボン酸の好適な具体例としては、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、酢酸、クロロ酢酸、フルオロ酢酸、プロピオン酸が挙げられる。
活性エステル基を形成するフェノール誘導体としては、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ニトロ基、メチル基、メトキシ基等で置換されたフェノールの他、フェノール性水酸基を複数有する化合物が挙げられる。フェノール性水酸基を複数有する化合物としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有ノボラックフェノール樹脂、ナフトール骨格含有ノボラックフェノール樹脂、ナフタレンジオール骨格含有ノボラックフェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型ノボラックフェノール樹脂等が好ましい。
活性エステル化合物の好適な具体例としては、下記一般式(2)で表される部分構造を有する化合物が挙げられる。
式(2)中、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2は炭素数1〜4のアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、nは1〜30の整数を示す。ただし、同一分子中の複数のR1及びR2は同一でも異なっていてもよい。式(2)で表される部分構造を有する活性エステル化合物は、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック樹脂のフェノール性水酸基の少なくとも一部を、カルボン酸との反応によりエステル化することにより、得られる。
活性エステル化合物の市販品としては、サンノプコ社製の「SN5X0636」(商品名)等が入手可能である。
カルボジイミド化合物は、カルボジイミド基を1又は2以上有する化合物である。カルボジイミド化合物は、エポキシ樹脂と硬化剤との反応により生成する水酸基と反応して、硬化体の架橋構造に取り込まれると考えられている。下記式(3)で表されるカルボジイミド基は、例えば、下記反応式(C1)でエポキシ基が反応して生成した水酸基と、下記反応式(C2)のように反応して、架橋構造中に取り込まれる。そのため、カルボジイミド化合物は、エポキシ樹脂と反応して水酸基を生成する硬化剤(ポリアミン、ポリフェノール等)と併用したときに、耐熱性向上等の効果が得られることが期待される。
一方、活性エステル化合物は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂との反応により、水酸基を生成しないことを一つの特徴とするものである。例えば、エポキシ樹脂と活性エステル化合物は、下記反応式(C3)のように反応する。
すなわち、活性エステル化合物を用いた場合には、カルボジイミド化合物を組み合わせたとしても、硬化体の耐熱性向上のような効果を得ることは困難と考えられていた。ところが、本発明者らの検討の結果、活性エステル化合物にカルボジイミド化合物を組み合わせることにより、硬化体の誘電特性が著しく改善されることが明らかとなった。
カルボジイミド化合物は、硬化体の耐熱性向上の点から、カルボジイミド基を2個以上有することが好ましい。カルボジイミド化合物は、例えば、イソシアネート基を有する化合物同士の反応により、得られる(例えば、特開昭51−61599号公報参照。)。誘電特性や耐熱性の観点からは、特に、芳香族イソシアネートを含む複数種のイソシアネート同士の反応によりカルボジイミド化したカルボジイミド化合物が好ましい。カルボジイミド化合物としては、より具体的には、例えば、下記一般式(4)で表される部分構造を有するものが好適である。式(4)において、Ar2は芳香族環を有する2価の基を示し、pは正の整数を示し、同一分子中の複数のAr2は同一でも異なっていてもよい。
カルボジイミド化合物の分子量は特に制限されるものではない。また、熱硬化性樹脂組成物を硬化するときの溶融粘度等が適切な範囲内となるように、常温で液状または固形のカルボジイミド化合物を適宜使い分けることができる。
カルボジイミド化合物の市販品としては、日清紡社製の「10M−SP」(商品名)、日清紡社製の「V−07」(商品名)、東洋化成工業社製のN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド等が入手可能である。
熱硬化性樹脂組成物において、熱硬化性樹脂、活性エステル化合物及びカルボジイミド化合物の比率は、反応性官能基の等量、反応性等に応じて、十分に硬化が進行するように適宜決定される。具体的には、例えば、活性エステル化合物の量は、熱硬化性樹脂1当量(例えば、エポキシ樹脂であればエポキシ基1当量)対して、0.7〜1.5当量(活性エステル基が0.7〜1.5当量)であることが好ましく、カルボジイミド化合物の量は熱硬化性樹脂100重量部に対して1〜10重量部であることが好ましい。
熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と活性エステル化合物との反応を促進する硬化促進剤を更に含有していてもよい。硬化促進剤としては、エポキシ樹脂の硬化促進剤として通常用いられるものを特に制限なく用いることができるが、特に、イミダゾール化合物、有機ホスフィン化合物、有機ホスファイト化合物、アミン化合物等が好適に用いられる。
熱硬化性樹脂組成物は、更に、フィラーを含有していてもよい。フィラーとしては、シリカ、ガラス、アルミナ、金属水和物等の無機充填剤が好ましい。フィラーの形状、粒径、添加量等については特に制限は無く、所望の特性に応じて適宜調整される。
なお、熱硬化性樹脂組成物は、後述する樹脂シート、積層体等の作製に用いる際には、粘度調整等のため、MEK等の溶剤に溶解又は分散した状態で用いてもよい。
図1は、本発明による樹脂シートの一実施形態を示す断面図である。図1に示す樹脂シート1は、上記熱硬化性樹脂組成物を中間段階まで硬化したB−ステージ樹脂からなる。ここで、樹脂シート1を形成しているB−ステージ樹脂においては、樹脂を加熱すると軟化し、溶剤に対して膨潤するが、加熱により完全に溶融したり、溶解したりすることはない程度に硬化反応が進行している。
樹脂シート1は、例えば、上記熱硬化性樹脂組成物を溶媒に溶解又は分散したワニスを金属箔、樹脂フィルム等に塗布して乾燥することにより、得られる。樹脂シート1を単独又は複数枚重ねた状態で加熱してB−ステージ樹脂を硬化することにより、後述する積層板を得ることができる。
図2は、本発明による積層体の一実施形態を示す断面図である。図2に示す積層体2は、樹脂シート1と、これの両面に積層された金属層11,12とを備える。金属層11,12としては、銅箔等の金属箔が好適に用いられる。積層体2は、例えば、上記熱硬化性樹脂組成物を溶媒に溶解又は分散したワニスを金属層11に塗布して乾燥することにより金属層11上に樹脂シート1を形成した後、樹脂シート1の金属層11と反対側の面上に金属層12を積層する方法で、作製できる。積層体2を加熱及び加圧して樹脂シート1を硬化することにより、後述する積層板を得ることができる。なお、本発明に係る積層体は、必ずしも両面に金属層を備えている必要は無く、例えば、片面にのみ金属層を積層した構成を有していてもよい。
図3は、本発明による板状に形成された硬化体の一実施形態を示す断面図である。図3に示す硬化体3は、上記熱硬化性樹脂組成物を板状になるように硬化させたものであり、電子機器用の基板等として好適に用いられる。
図4は、本発明による積層板の一実施形態を示す断面図である。図4の積層板4は、硬化体3と、これの両面に積層された金属層11,12とを備える。積層板4は、硬化体3上にプリント配線が形成されたプリント配線板の製造等に好適に用いられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜2、比較例1〜6)
エポキシ樹脂である「NC7000」(商品名、日本化薬社製)、活性エステル化合物である「SN5X0636」(商品名、サンノプコ社製)、フェノール系硬化剤である「TD−2090」(商品名、DIC社製)、カルボジイミド化合物である「10M−SP」(商品名、日清紡社製)又は「V−07」(商品名、日清紡社製)、表1に示す比率(固形分の比率、重量部)で混合し、更に、硬化促進剤である1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)又は2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)と、フィラー(球状シリカ)を表1に示す比率で添加して、熱硬化性樹脂組成物のMEK溶液(固形分濃度:70質量%)を調製した。なお、表1において、硬化促進剤の量は、エポキシ樹脂と、活性エステル化合物又はフェノール系硬化剤と、カルボジイミド化合物との合計量を100質量%としたときの比率(質量%)で示し、フィラーの量はエポキシ樹脂と、活性エステル化合物又はフェノール系硬化剤と、カルボジイミド化合物と、フィラーとの合計量を100体積%としたときの比率(体積%)で示した。
エポキシ樹脂である「NC7000」(商品名、日本化薬社製)、活性エステル化合物である「SN5X0636」(商品名、サンノプコ社製)、フェノール系硬化剤である「TD−2090」(商品名、DIC社製)、カルボジイミド化合物である「10M−SP」(商品名、日清紡社製)又は「V−07」(商品名、日清紡社製)、表1に示す比率(固形分の比率、重量部)で混合し、更に、硬化促進剤である1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)又は2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)と、フィラー(球状シリカ)を表1に示す比率で添加して、熱硬化性樹脂組成物のMEK溶液(固形分濃度:70質量%)を調製した。なお、表1において、硬化促進剤の量は、エポキシ樹脂と、活性エステル化合物又はフェノール系硬化剤と、カルボジイミド化合物との合計量を100質量%としたときの比率(質量%)で示し、フィラーの量はエポキシ樹脂と、活性エステル化合物又はフェノール系硬化剤と、カルボジイミド化合物と、フィラーとの合計量を100体積%としたときの比率(体積%)で示した。
調製したMEK溶液をPETフィルム上に塗工し、乾燥して、約50μmの厚さの樹脂シートを得た。この樹脂シートを約20枚重ねたものの上下に銅箔を配置した積層体を、真空加熱プレスを用いて180℃、2時間、3MPaで全体をプレスして、熱硬化性樹脂組成物の板状の硬化体からなる基板の両面に銅箔を備える銅張積層板を得た。
得られた銅張積層板について、エッチングにより銅を除去して空洞共振法(2GHz)によって基板の誘電率及び誘電正接を測定し、樹脂シートを上記条件で硬化した基板について、DMA法によるガラス転移温度と、23℃の純水中で24時間放置したときの吸水率を測定した。また、熱硬化性樹脂組成物について、液体粘弾性測定器を用いて、昇温速度2℃/min.で昇温したときの粘度変化を測定し、そのときの粘度の最小値を最低溶融粘度とした。結果をまとめて表1に示す。
表1に示すように、活性エステル化合物及びカルボジイミド化合物を併用した実施例1、2は、低い誘電率示すとともに十分に低い誘電正接を示した。これに対して、比較例1〜6は、少なくとも誘電正接の点で十分でなかった。すなわち、本発明によれば、高速化、高周波数化された信号に対しても、低い誘電率を維持しつつ十分に低い誘電正接を発現する基板が得られることが、確認された。
更に、実施例1について、上記と同様の積層体を150℃、2MPa、2時間の条件でプレスしたときの厚みの変化(プレス後の厚みのプレス前の厚みに対する比率)をプレス時のフロー(%)として測定したところ、2%と十分に低く、板厚精度の高い基板を作製可能であることが確認された。これに対して、カルボジイミド化合物を用いていない点で実施例1と異なる比較例2についても同様にフローを測定したところ100%と大きく、比較例2は板厚精度の高い基板の作製が困難なものであった。
1…樹脂シート、2…積層体、3…硬化体、4…積層板、11,12…金属層。
Claims (8)
- 熱硬化性樹脂と、活性エステル基を有する活性エステル化合物と、カルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物と、を含有する熱硬化性樹脂組成物。
- 前記活性エステル化合物が、
カルボン酸又はチオカルボン酸と、フェノール、チオフェノール、N−ヒドロキシアミン、複素環ヒドロキシ化合物又はこれらの誘導体とで形成された活性エステル基を有する化合物を含む、請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。 - 前記カルボジイミド化合物を、前記熱硬化性樹脂100重量部に対して1〜100重量部含有する、請求項1又は2記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記活性エステル化合物を、前記熱硬化性樹脂1当量に対して0.7〜1.5当量含有する、請求項3記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜4の何れか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物をBステージ化したBステージ樹脂を含む樹脂シート。
- 請求項5記載の樹脂シートの少なくとも一方面上に金属層を備える積層体。
- 請求項1〜4の何れか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を硬化した硬化体。
- 板状に形成された請求項7記載の硬化体の少なくとも一方面上に金属層を備える積層板。
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A761 | Written withdrawal of application |
Effective date: 20090622 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 |