JP2006335606A - 有機性廃棄物の堆肥化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 効率的に、低温状態にある有機廃棄物の堆肥化を行う方法を提供する。
【解決手段】 有機性廃棄物に、10℃以下の低温環境下で増殖可能なシュードモナス属細菌と中温発熱発酵微生物及び/又は好温発熱発酵微生物を添加する。
【選択図】 なし
【解決手段】 有機性廃棄物に、10℃以下の低温環境下で増殖可能なシュードモナス属細菌と中温発熱発酵微生物及び/又は好温発熱発酵微生物を添加する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、低温状態にある有機性廃棄物を堆肥化する方法に関する。詳しくは、10℃以下の畜産廃棄物を含む有機性廃棄物について、低温発熱発酵微生物を用いて発酵を促進し、堆肥化する方法に関する。
近年の環境保護への関心の高まりから、畜産廃棄物や農産廃棄物などの有機性廃棄物を、土壌微生物等を用いて発酵処理し、堆肥化する試みが多くなされている。
一般的に畜産廃棄物などの水分含量が多い有機性廃棄物は腐敗が起こりやすく悪臭が発生するため、迅速な処理が要求される。しかしながら、冬季や寒冷地などの10℃以下の低温環境下では廃棄物の温度を一定にまで上昇させることが困難であり、発酵・昇温が進まず、堆肥化が極めて遅いという問題があった。
低温状態にある有機性廃棄物の堆肥化を行うために、10℃以下の低温環境下で増殖可能な微生物を用いて、有機性廃棄物の温度を一定温度以上に上昇させる技術が研究されているが、このような技術としては、10℃以下(5℃)の低温環境から温度を約15℃まで上昇させる糸状菌類の一種であるゲオトリクム・カンディダム KWO−D(Geotricum
candidum KWO-D)FERM P−18664をスターター微生物として廃棄物に接種する方法が知られている(特許文献1)。有機性廃棄物の中でも特に畜産廃棄物から得られる堆肥は、窒素、リン、カリウムのバランスがよいため有用である。しかしながら、従来から用いられているゲオトリクム属細菌などは、家畜の糞尿などの廃棄物中では増殖する能力が不十分であり、短い処理時間で一定の優れた品質を持つ堆肥を得ることは困難であった。
また、10℃以下の低温環境下で増殖可能なシュードモナス属細菌は知られていなかった。
一般的に畜産廃棄物などの水分含量が多い有機性廃棄物は腐敗が起こりやすく悪臭が発生するため、迅速な処理が要求される。しかしながら、冬季や寒冷地などの10℃以下の低温環境下では廃棄物の温度を一定にまで上昇させることが困難であり、発酵・昇温が進まず、堆肥化が極めて遅いという問題があった。
低温状態にある有機性廃棄物の堆肥化を行うために、10℃以下の低温環境下で増殖可能な微生物を用いて、有機性廃棄物の温度を一定温度以上に上昇させる技術が研究されているが、このような技術としては、10℃以下(5℃)の低温環境から温度を約15℃まで上昇させる糸状菌類の一種であるゲオトリクム・カンディダム KWO−D(Geotricum
candidum KWO-D)FERM P−18664をスターター微生物として廃棄物に接種する方法が知られている(特許文献1)。有機性廃棄物の中でも特に畜産廃棄物から得られる堆肥は、窒素、リン、カリウムのバランスがよいため有用である。しかしながら、従来から用いられているゲオトリクム属細菌などは、家畜の糞尿などの廃棄物中では増殖する能力が不十分であり、短い処理時間で一定の優れた品質を持つ堆肥を得ることは困難であった。
また、10℃以下の低温環境下で増殖可能なシュードモナス属細菌は知られていなかった。
本発明は、効率的に、低温状態にある有機性廃棄物の堆肥化を行う方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、10℃以下の低温環境下で増殖可能なシュードモナス属細菌を発見し、この細菌を用いて、低温状態にある有機性廃棄物の発酵・昇温を促進し、さらに中温発熱発酵微生物及び/又は好温発熱発酵微生物を組み合わせて発酵・昇温することにより、有機性廃棄物の堆肥化が十分に起こりうることを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)10℃以下の低温環境下で増殖可能なシュードモナス属細菌並びに中温発熱発酵微生物及び/又は好温発熱発酵微生物を添加して、低温状態にある有機性廃棄物の堆肥化を行うことを特徴とする、有機性廃棄物の堆肥化方法。
(2)前記シュードモナス属細菌がシュードモナス・エスピー LTA10(Pseudomonas
sp. LTA10)FERM P−20141及びこの変異株からなる群から選ばれる一種又は二種以上である、(1)に記載の方法。
(3)有機性廃棄物が畜産廃棄物である、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)さらに微生物の増殖を促進するための栄養源を有機性廃棄物に添加することを特徴
とする、(1)〜(3)の何れか一に記載の方法。
(5)前記栄養源が農畜産副産物、食品工業副産物の何れか一方若しくは両方である、(4)に記載の方法。
(6)前記栄養源がフスマ、オカラ、コメヌカ、ナタネ粕、コメ、大麦、小麦、ビール酵母、チーズホエー及び魚カスからなる群から選ばれる一種又は二種以上である、(4)に記載の方法。
(7)有機性廃棄物の表面を保温した状態で堆肥化を行うことを特徴とする、(1)〜(6)の何れか一に記載の方法。
(8)前記保温を有機性廃棄物を通気性シートで覆うことにより行う、(7)に記載の方法。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)10℃以下の低温環境下で増殖可能なシュードモナス属細菌並びに中温発熱発酵微生物及び/又は好温発熱発酵微生物を添加して、低温状態にある有機性廃棄物の堆肥化を行うことを特徴とする、有機性廃棄物の堆肥化方法。
(2)前記シュードモナス属細菌がシュードモナス・エスピー LTA10(Pseudomonas
sp. LTA10)FERM P−20141及びこの変異株からなる群から選ばれる一種又は二種以上である、(1)に記載の方法。
(3)有機性廃棄物が畜産廃棄物である、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)さらに微生物の増殖を促進するための栄養源を有機性廃棄物に添加することを特徴
とする、(1)〜(3)の何れか一に記載の方法。
(5)前記栄養源が農畜産副産物、食品工業副産物の何れか一方若しくは両方である、(4)に記載の方法。
(6)前記栄養源がフスマ、オカラ、コメヌカ、ナタネ粕、コメ、大麦、小麦、ビール酵母、チーズホエー及び魚カスからなる群から選ばれる一種又は二種以上である、(4)に記載の方法。
(7)有機性廃棄物の表面を保温した状態で堆肥化を行うことを特徴とする、(1)〜(6)の何れか一に記載の方法。
(8)前記保温を有機性廃棄物を通気性シートで覆うことにより行う、(7)に記載の方法。
本発明の方法を用いることにより、有機性廃棄物に微生物を添加するという簡単な処理で、冬季や寒冷地などの低温環境下でも有機性廃棄物の発酵・昇温が促進され、有機化合物の分解や水分の蒸散が起こり、堆肥化が十分に促進される。特に、本発明の方法は、家畜の糞尿などの畜産廃棄物の堆肥化を促進する効果に優れる。
本発明の方法は、10℃以下の低温環境下で増殖可能なシュードモナス属細菌並びに中温発熱発酵微生物及び/又は好温発熱発酵微生物を添加して、低温状態にある有機性廃棄物の堆肥化を行うことを特徴とする。
本明細書において「低温状態にある有機性廃棄物」とは、有機性廃棄物の内部の少なくとも一部分の温度が10℃以下、例えば0℃〜10℃、好ましくは5℃以下になる環境にある有機性廃棄物をいう。ただし、有機性廃棄物の温度が常に10℃以下であることは要求されず、例えば1日のうち16時間以上、好ましくは20時間以上10℃以下になる環境にあるものでもよい。
本発明の方法は、10℃以下の低温環境下で増殖可能なシュードモナス属細菌を添加することを特徴とする。
本明細書において「10℃以下の低温環境下で増殖可能な」とは、10℃以下、例えば0℃〜10℃の培養環境で増殖可能であることをいう。ただし、10℃以下の培養環境で増殖可能である限り、10℃以上の培養環境で増殖可能であってもよい。
本発明の方法に用いるシュードモナス属細菌は、微生物の分野の当業者に周知の分類によって「シュードモナス属(Pseudomonas)」に分類される細菌であり、かつ10℃以下の低温環境下で増殖可能な細菌であれば特に制限されない。通常は、低温状態にある有機性廃棄物の発酵が十分に促進され、有機性廃棄物の温度を10℃以上に上昇させる能力を有するものを用いるのが好ましい。例えば、細菌を、有機性廃棄物の乾燥物1gに対して菌体濃度が7.2×104CFU/g(コロニー形成単位)となるように、低温状態にある有機性廃棄物に添加し72時間発酵させた場合に、有機性廃棄物の表面から10cm深さの温度が、上記細菌を添加しなかった場合に比して、5℃以上、好ましくは10℃以上高くなるようなものを用いることができる。
本明細書において「10℃以下の低温環境下で増殖可能な」とは、10℃以下、例えば0℃〜10℃の培養環境で増殖可能であることをいう。ただし、10℃以下の培養環境で増殖可能である限り、10℃以上の培養環境で増殖可能であってもよい。
本発明の方法に用いるシュードモナス属細菌は、微生物の分野の当業者に周知の分類によって「シュードモナス属(Pseudomonas)」に分類される細菌であり、かつ10℃以下の低温環境下で増殖可能な細菌であれば特に制限されない。通常は、低温状態にある有機性廃棄物の発酵が十分に促進され、有機性廃棄物の温度を10℃以上に上昇させる能力を有するものを用いるのが好ましい。例えば、細菌を、有機性廃棄物の乾燥物1gに対して菌体濃度が7.2×104CFU/g(コロニー形成単位)となるように、低温状態にある有機性廃棄物に添加し72時間発酵させた場合に、有機性廃棄物の表面から10cm深さの温度が、上記細菌を添加しなかった場合に比して、5℃以上、好ましくは10℃以上高くなるようなものを用いることができる。
また、シュードモナス属細菌は、窒素化合物や油脂を多量に含む有機性廃棄物中でも増殖可能なものが好ましい。このような細菌を用いることにより、家畜の糞尿を含む畜産廃棄物などのタンパク質、油脂類、アンモニア、尿素などを多量に含む有機性廃棄物においても優れた増殖能力を発揮し、堆肥化を促進することができる。
また、シュードモナス属細菌はさらに微好気的条件下においても増殖可能なものが好ましい。「微好気的条件」とは、含水率が高い有機性廃棄物内の酸素濃度以下の条件を意味
し、実験室的には酸化還元電位が通常+800mv以下、好ましくは+350mv以下である条件をいう。このような能力を有する細菌を用いることにより、水分含量が高く、内部の酸素濃度が小さい有機性廃棄物においても優れた増殖能力を発揮し、堆肥化を促進することができる。
し、実験室的には酸化還元電位が通常+800mv以下、好ましくは+350mv以下である条件をいう。このような能力を有する細菌を用いることにより、水分含量が高く、内部の酸素濃度が小さい有機性廃棄物においても優れた増殖能力を発揮し、堆肥化を促進することができる。
シュードモナス属細菌の菌種は、上記性質を有するものであれば特に制限されず、例えば、シュードモナス・アエルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナス・グラディオリ(Pseudomonas gladioli)が挙げられるが、シュードモナス・エスピー(Pseudomonas sp.)を用いてもよい。また、シュードモナス・エスピーの菌株としては、シュードモナス・エスピー LTA10(Pseudomonas sp. LTA10)FERM P−20141又はこの変異株を用いるのが好ましい。
シュードモナス・エスピー LTA10(Pseudomonas sp. LTA10)は、平成16年7月28日より、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に受託番号FERM P−20141で寄託されている。
LTA10は、本発明者らが4℃の穀物貯蔵庫の床の塵から見出した菌株であって、1℃〜33℃で増殖する能力を有する。すなわち、10℃以下の温度でも増殖し、一定量以上の発酵熱を発生する。
MicroSeqを用いた解析の結果、LTA10の16S rDNA部分塩基配列は、相同率99.81%でシュードモナス・フルオレッセンス Cの16S rDNAに対し最も高い相同性を示すことが分かっている。分子系統樹でもLTA10の16S rDNAはシュードモナス・フルオレッセンス Cは近縁であることが示されている。
BLASTを用いたGenBank/DDBJ/EMBLに対する相同性検索の結果、LTA10の16S rDNAは、相同率99.8%でシュードモナス・エスピー Accession No.AB013843の16S rDNAに対し最も高い相同性を示すことが分かっている。また、検索の結果相同性の高い上位20株は、シュードモナス属細菌が大半を占める。
BLASTを用いたGenBank/DDBJ/EMBLに対する相同性検索の結果、LTA10の16S rDNAは、相同率99.8%でシュードモナス・エスピー Accession No.AB013843の16S rDNAに対し最も高い相同性を示すことが分かっている。また、検索の結果相同性の高い上位20株は、シュードモナス属細菌が大半を占める。
LTA10の変異株は、LTA10が自然変異することにより得られた菌株や、LTA10を化学的変異剤や紫外線等で変異処理することにより得られた菌株から、LTA10と同様の菌学的性質を有し、10℃以下の温度で増殖可能であり、一定量以上の発酵熱を発生する菌株を選択して得ることができる。
なお、以下の明細書の記載における「LTA10」は、「LTA10又はこの変異株」の意味で用いる場合がある。
なお、以下の明細書の記載における「LTA10」は、「LTA10又はこの変異株」の意味で用いる場合がある。
添加するシュードモナス属細菌の菌体濃度は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、堆肥化する有機性廃棄物の種類や温度、栄養源の種類、気温、湿度などに応じて最適な濃度を決定することができる。通常は、有機性廃棄物に対して、1.0×103〜1.0×109CFU/gが好ましく、1.0×104〜1.0×107CFU/gがさらに好ましい。また、上記濃度の菌体を数回に分けて添加してもよい。
10℃以下の低温環境下で増殖可能なシュードモナス属細菌により発酵・昇温した有機性廃棄物に、中温発熱発酵微生物及び/又は好温発熱発酵微生物を添加することにより、さらに発酵・昇温を促進し、有機化合物の分解や水分の蒸散を促進することができる。
すなわち、本発明の方法は、10℃以下の低温環境下で増殖可能なシュードモナス属細菌に加えて、中温発熱発酵微生物及び/又は好温発熱発酵微生物を添加することを特徴と
する。
する。
本発明の方法に用いられる中温発熱発酵微生物は、例えば、10℃〜37℃の中温環境下で増殖可能な微生物であればよい。通常は、10℃以上の有機性廃棄物中で増殖し、有機性廃棄物の温度を37℃以上に上昇させる能力を有するものを用いるのが好ましい。
本発明の方法に用いられる好温発熱発酵微生物は、例えば、37℃〜80℃の高温環境下で増殖可能な微生物であればよい。通常は、37℃以上の有機性廃棄物中で増殖し、有機性廃棄物の温度を50℃以上に上昇させる能力を有するものを用いるのが好ましい。
本発明の方法に用いられる好温発熱発酵微生物は、例えば、37℃〜80℃の高温環境下で増殖可能な微生物であればよい。通常は、37℃以上の有機性廃棄物中で増殖し、有機性廃棄物の温度を50℃以上に上昇させる能力を有するものを用いるのが好ましい。
中温発熱発酵微生物及び好温発熱発酵微生物の種類やその数は、上記性質を有するものであれば特に制限されず、細菌類、放線菌類、菌類、カビ、酵母などから、堆肥化する有機性廃棄物の種類や温度、栄養源の種類、気温、湿度などに応じて最適なものを選択して用いることができるが、通常は細菌類、放線菌類及び糸状菌類から一種又は二種以上を選択して用いるのが好ましい。また、好気的条件下でのみ増殖し、好温特性を有する放線菌やペニシリウム属(Penicillium)、アスペルギルス属(Aspergillus)等の糸状菌を用いることもできるが、嫌気的条件下でも増殖能力を有するバチルス属(Bacillus)、クロストリディウム属(Clostridium)、酵母菌、ラクトバチルス属(Lactobacillus)等の乳酸菌を用いるのがより好ましい。
また、中温発熱発酵微生物及び好温発熱発酵微生物は、家畜の糞尿を含む畜産廃棄物中でも増殖する能力を有することが好ましい。
また、中温発熱発酵微生物及び好温発熱発酵微生物は、家畜の糞尿を含む畜産廃棄物中でも増殖する能力を有することが好ましい。
シュードモナス属細菌及び中温発熱発酵微生物のみで十分に有機性廃棄物の温度が上昇する場合には、中温発熱発酵微生物のみを添加してもよいし、シュードモナス属細菌及び土着菌などの増殖によって十分に有機性廃棄物の温度が上昇し、好温発熱発酵微生物が増殖できる環境となっている場合には、好温発熱発酵微生物のみを添加してもよい。
通常は、中温発熱発酵微生物と好温発熱発酵微生物の両方を添加することにより、有機性廃棄物が効率的に発酵し短時間で有機性廃棄物の温度が上昇するため、これらを組み合わせて用いるのが好ましい。
中温発熱発酵微生物及び好温発熱発酵微生物は、シュードモナス属細菌により有機性廃棄物の温度が上昇した後に添加してもよいし、シュードモナス属細菌と同時に添加してもよい。
通常は、中温発熱発酵微生物と好温発熱発酵微生物の両方を添加することにより、有機性廃棄物が効率的に発酵し短時間で有機性廃棄物の温度が上昇するため、これらを組み合わせて用いるのが好ましい。
中温発熱発酵微生物及び好温発熱発酵微生物は、シュードモナス属細菌により有機性廃棄物の温度が上昇した後に添加してもよいし、シュードモナス属細菌と同時に添加してもよい。
中温発熱発酵微生物及び好温発熱発酵微生物の添加量は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、堆肥化する有機性廃棄物の種類や温度、栄養源の種類、気温、湿度などに応じて最適な含有濃度を決定することができる。
本発明の方法においては、シュードモナス属細菌、中温発熱発酵微生物及び好温発熱発酵微生物を培養することにより得られる菌体などを有機性廃棄物に添加することができる。微生物の培養方法は特に制限されず、各微生物の性質に応じた適当な条件下で定法により行うことができる。例えば、往復動式振とう培養、ジャーファーメンター培養などによる液体培養法や固体培養法を用いることができる。培養で得られた菌体は、そのまま有機性廃棄物に添加することもできるが、得られた菌体を培地と共に粉砕又は細断して用いてもよい。また、培地から菌体をかき取って用いてもよいし、この培地を遠心分離することにより菌体を分離して用いてもよい。
このようにして得られたシュードモナス属細菌及び各微生物の菌体は、そのまま用いることもできるが、生菌製剤に加工して用いるのが好ましい。生菌製剤に加工して用いる場合は、一種の微生物を単独で生菌製剤に加工してもよいし、二種以上の微生物を混合して生菌製剤に加工してもよい。
生菌製剤として加工する場合のシュードモナス属細菌、中温発熱発酵微生物及び好温発
熱発酵微生物の濃度は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、有機性廃棄物の種類や温度、栄養源の種類、気温や湿度などに応じて最適な濃度を決定することができる。
シュードモナス属細菌の含有量は、通常、生菌製剤に対して1.0×104〜1.0×1012CFU/gが好ましく、1.0×105〜1.0×1011CFU/gがさらに好ましい。
生菌製剤として加工する場合のシュードモナス属細菌、中温発熱発酵微生物及び好温発
熱発酵微生物の濃度は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、有機性廃棄物の種類や温度、栄養源の種類、気温や湿度などに応じて最適な濃度を決定することができる。
シュードモナス属細菌の含有量は、通常、生菌製剤に対して1.0×104〜1.0×1012CFU/gが好ましく、1.0×105〜1.0×1011CFU/gがさらに好ましい。
また、生菌製剤の製品保存性の観点から、加工過程においてある程度乾燥させることが好ましい。乾燥方法は、特に制限されるものではなく、例えば、自然乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥などにより行うことができるが、この中でも凍結乾燥法が好ましく用いられる。凍結乾燥する際には、保護剤を添加することが好ましい。保護剤の種類は、特に制限されないが、スキムミルク、グルタミン酸ナトリウム及び糖類から一種又は二種以上を選択して用いるのが好ましい。また、糖類を用いる場合にその種類は特に制限されないが、グルコースやトレハロースを用いるのが好ましい。
また、上記生菌製剤は、本発明の効果を損なわない限り、微生物の培養に用いられる培地等、任意の物質を含んでいてもよい。
さらに、乾燥後は、得られた乾燥物に、脱酸素剤、脱水剤を加えて、ガスバリアー性のアルミ袋に入れて密封し、低温で貯蔵することが好ましい。これにより、微生物を長期間生きたままで保存することが可能となる。
また、上記生菌製剤は、本発明の効果を損なわない限り、微生物の培養に用いられる培地等、任意の物質を含んでいてもよい。
さらに、乾燥後は、得られた乾燥物に、脱酸素剤、脱水剤を加えて、ガスバリアー性のアルミ袋に入れて密封し、低温で貯蔵することが好ましい。これにより、微生物を長期間生きたままで保存することが可能となる。
本発明の方法において、微生物の添加方法は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、堆肥化する有機性廃棄物の種類や温度、栄養源の種類、気温、湿度などに応じて最適な方法を用いることができ、例えば、有機性廃棄物の上から散布する方法、サンドイッチ上に散布する方法、混和する方法などが挙げられる。
本発明の方法は、微生物を添加することにより、有機性廃棄物が栄養源となり微生物が増殖し、その結果、発酵熱によって有機性廃棄物の温度が上昇するものであるが、これらの微生物の増殖を促進するための栄養源をさらに添加することが好ましい。栄養源をさらに添加することにより、上記微生物や有機性廃棄物中に常在する土着菌等の微生物がより迅速に増殖し、多くの発酵熱が発生し、有機性廃棄物の分解や水分の蒸散が促進される。
栄養源の種類は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、堆肥化する有機性廃棄物の種類や温度、気温、湿度などに応じて、発酵・昇温の促進に最適なものを選択することができる。
本発明の方法に用いることのできる栄養源として、例えば、フスマ、オカラ、コメヌカ、ナタネ粕、ビール酵母、チーズホエー等の農畜産業副産物、大麦、小麦、ダイズ等の穀物、及び魚カス、魚の煮汁等の水産業副産物等の食品工業副産物が挙げられるが、フスマ、オカラ、コメヌカ、ナタネ粕、コメ、大麦、小麦、ビール酵母、チーズホエー、魚カスを用いるのが好ましい。
栄養源の添加量は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、有機性廃棄物の種類や温度、気温、湿度などに応じて、発酵・昇温の促進に最適な条件を決定することができる。
本発明の方法に用いることのできる栄養源として、例えば、フスマ、オカラ、コメヌカ、ナタネ粕、ビール酵母、チーズホエー等の農畜産業副産物、大麦、小麦、ダイズ等の穀物、及び魚カス、魚の煮汁等の水産業副産物等の食品工業副産物が挙げられるが、フスマ、オカラ、コメヌカ、ナタネ粕、コメ、大麦、小麦、ビール酵母、チーズホエー、魚カスを用いるのが好ましい。
栄養源の添加量は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、有機性廃棄物の種類や温度、気温、湿度などに応じて、発酵・昇温の促進に最適な条件を決定することができる。
栄養源の添加方法は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、堆肥化する有機性廃棄物の種類や温度、気温、湿度などに応じて、発酵・昇温の促進に最適な条件を決定することができる。例えば、有機性廃棄物の上から散布する方法、サンドイッチ上に散布する方法、混和する方法などが挙げられる。また、栄養源の有機性廃棄物への添加は、微生物の添加と同時に行ってもよいし、別々に行ってもよい。すなわち、栄養源と微生物を混合してから添加してもよく、混合せずに同時に添加してもよく、栄養源の添加に先立って微生物を添加してもよく、微生物の添加に先立って栄養源を添加してもよい。生菌製剤
を形成する際に、これらの栄養源のうち一種又は二種以上を含有させてもよい。
を形成する際に、これらの栄養源のうち一種又は二種以上を含有させてもよい。
また、本発明の方法は、微生物を添加することのみで、有機性廃棄物の温度を一定温度にまで上昇させることができるものであるが、有機性廃棄物の発酵・昇温をより促進し、十分な堆肥化を行うため、有機性廃棄物の表面を保温することが好ましい。
これにより、微生物の増殖により生じる発酵熱が、外気等に奪われるのを抑制し、より優れた発酵・昇温の促進効果を得ることができる。
保温方法は、有機性廃棄物の熱が失われることを抑制できる方法であれば特に制限されるものではなく、例えば、シートで有機性廃棄物の表面を覆うなどの方法が挙げられる。ここでシートとしては、通気性シートが好ましく挙げられる。通気性シートは、例えば、発酵促進シートとして市販されたものを用いることができる。
これにより、微生物の増殖により生じる発酵熱が、外気等に奪われるのを抑制し、より優れた発酵・昇温の促進効果を得ることができる。
保温方法は、有機性廃棄物の熱が失われることを抑制できる方法であれば特に制限されるものではなく、例えば、シートで有機性廃棄物の表面を覆うなどの方法が挙げられる。ここでシートとしては、通気性シートが好ましく挙げられる。通気性シートは、例えば、発酵促進シートとして市販されたものを用いることができる。
また、本発明の方法は、有機性廃棄物内の酸素濃度が低い場合でも有機性廃棄物を一定温度まで上昇させることができるものであるが、微生物を有機性廃棄物に添加した後に、有機性廃棄物を切り返したり、有機性廃棄物内に酸素を供給したりするなどしてもよい。これにより有機性廃棄物内の酸素濃度が高くなり、より優れた発酵・昇温の促進効果を得ることができる。
[実施例1〜12、比較例1、2]
シュードモナス・エスピー LTA10(FERM P−20141)の培養
表1に示す種々の農産物又はその副産物に水を加え、固体培地とした。得られた各固体培地を500mlの広口三角フラスコに100gずつ入れ、シリコン栓で密栓した後、無殺菌のまま4℃の低温室に6時間保管した。
同様に、各固体培地を500mlの広口試験管に100gずつ入れ、シリコン栓で密栓し、オートクレーブで121℃、30分間殺菌し氷水で冷却した後、4℃の低温室に6時間保管した。
シュードモナス・エスピー LTA10(FERM P−20141)の培養
表1に示す種々の農産物又はその副産物に水を加え、固体培地とした。得られた各固体培地を500mlの広口三角フラスコに100gずつ入れ、シリコン栓で密栓した後、無殺菌のまま4℃の低温室に6時間保管した。
同様に、各固体培地を500mlの広口試験管に100gずつ入れ、シリコン栓で密栓し、オートクレーブで121℃、30分間殺菌し氷水で冷却した後、4℃の低温室に6時間保管した。
500mlの三角フラスコに50mlのブイヨン培地を加え、シリコン栓で密栓し、オートクレーブで121℃、15分間殺菌し冷却した後、LTA10を一白金耳接種し、28℃、毎分120回転で24時間培養した。
24時間後の菌濃度は2.3×109CFU/gであった。
この培養液を上記広口三角フラスコ内及び広口試験管内の固体培地にそれぞれ1mlずつ添加して、内容物を十分に攪拌し、実施例1〜12とした。栄養源としてオカラを用いた実施例1〜4は、4℃、7℃及び10℃の低温庫に静置して培養し、その他の成分を用いた実施例5〜12は、4℃の低温庫に静置して培養した。また、栄養源としてオカラを用い、LTA10の培養液を添加しなかった固体培地も同様に4℃の低温庫に静置し、比較例1及び2とした。
培養開始から10日後に広口三角フラスコ内及び広口試験管内の固体培地を取り出し、普通寒天培地を用いて段階希釈法により菌数を測定し、乾燥固体培地1g当たりのLTA10の菌数を求めた。
表1に結果を示す。
24時間後の菌濃度は2.3×109CFU/gであった。
この培養液を上記広口三角フラスコ内及び広口試験管内の固体培地にそれぞれ1mlずつ添加して、内容物を十分に攪拌し、実施例1〜12とした。栄養源としてオカラを用いた実施例1〜4は、4℃、7℃及び10℃の低温庫に静置して培養し、その他の成分を用いた実施例5〜12は、4℃の低温庫に静置して培養した。また、栄養源としてオカラを用い、LTA10の培養液を添加しなかった固体培地も同様に4℃の低温庫に静置し、比較例1及び2とした。
培養開始から10日後に広口三角フラスコ内及び広口試験管内の固体培地を取り出し、普通寒天培地を用いて段階希釈法により菌数を測定し、乾燥固体培地1g当たりのLTA10の菌数を求めた。
表1に結果を示す。
実施例1〜12は、固体培地の殺菌、無殺菌に関わらずLTA10の菌数が増加した。特に、栄養源としてフスマを用いた実施例5、6では菌数が非常に大きく増加し、オカラを用いた実施例1〜4でも菌数が大きく増加した。また、実施例1〜4では、培養温度に関わらず菌数が増加した。
[実施例13〜18、比較例3〜8]
豆腐を製造した直後に集めたオカラ30kgを5kgずつ殺菌袋に入れ、オートクレーブで121℃、30分間殺菌した。殺菌後、1つの殺菌袋を2℃の低温室内に設置した20L容の発泡スチロール製コンテナに入れ、殺菌袋の外に氷を詰めて4時間冷却した。また、比較のために予め5kgの無殺菌オカラを詰めておいた1つの無殺菌袋も同様に冷却した。
冷却後、殺菌袋又は無殺菌袋からオカラ各1kgを速やかに取り出し、あらかじめオートクレーブで殺菌しておいたステンレス製20×20×12.5センチの蓋付き容器に小分けした。
次いでこのステンレス容器を40×40×30センチの蓋付き発泡スチロール容器に入れ、連続記録式の温度センサーを組み込んだ。これら一連の操作は2℃の低温室内で行なった。次いでこのオカラの入った容器に、予めソーヤペプトン培地を用いて液体培養した、LTA10の培養液(1.4×105CFU/g)を各容器に1mlずつ加え、殺菌した大型スパチュラーで混合し、実施例13、14とした。また、LTA10及び中温発熱発酵微生物としてサーモタリスバム・アグレステ IFO15805の培養液(1.1×105CFU/g)を1ml添加し混合したものを実施例15、16とし、LTA10、IFO15805及び好温発熱発酵微生物としてバチルス・スミシー IFO15311の培養液(2.3×105CFU/g)を1ml添加し混合したものを実施例17、18とした。一方、LTA10を添加しないで、IFO15805を添加したものを比較例3,4とし、IFO15311を添加したものを比較例5、6とし、IFO15805及びIFO15311を添加したものを比較例7、8とした。
72時間後のそれぞれの培養物の温度を測定した。
表2に結果を示す。
豆腐を製造した直後に集めたオカラ30kgを5kgずつ殺菌袋に入れ、オートクレーブで121℃、30分間殺菌した。殺菌後、1つの殺菌袋を2℃の低温室内に設置した20L容の発泡スチロール製コンテナに入れ、殺菌袋の外に氷を詰めて4時間冷却した。また、比較のために予め5kgの無殺菌オカラを詰めておいた1つの無殺菌袋も同様に冷却した。
冷却後、殺菌袋又は無殺菌袋からオカラ各1kgを速やかに取り出し、あらかじめオートクレーブで殺菌しておいたステンレス製20×20×12.5センチの蓋付き容器に小分けした。
次いでこのステンレス容器を40×40×30センチの蓋付き発泡スチロール容器に入れ、連続記録式の温度センサーを組み込んだ。これら一連の操作は2℃の低温室内で行なった。次いでこのオカラの入った容器に、予めソーヤペプトン培地を用いて液体培養した、LTA10の培養液(1.4×105CFU/g)を各容器に1mlずつ加え、殺菌した大型スパチュラーで混合し、実施例13、14とした。また、LTA10及び中温発熱発酵微生物としてサーモタリスバム・アグレステ IFO15805の培養液(1.1×105CFU/g)を1ml添加し混合したものを実施例15、16とし、LTA10、IFO15805及び好温発熱発酵微生物としてバチルス・スミシー IFO15311の培養液(2.3×105CFU/g)を1ml添加し混合したものを実施例17、18とした。一方、LTA10を添加しないで、IFO15805を添加したものを比較例3,4とし、IFO15311を添加したものを比較例5、6とし、IFO15805及びIFO15311を添加したものを比較例7、8とした。
72時間後のそれぞれの培養物の温度を測定した。
表2に結果を示す。
LTA10を添加した実施例13、14は殺菌、無殺菌のオカラのいずれにおいても増殖し、35℃以上に上昇した。LTA10及びIFO15805を添加した実施例15、16は45℃以上にまで上昇した。また、LTA10、IFO15805及びIFO15311を添加した実施例17、18は60℃以上にまで上昇した。一方、LTA10を添加しなかった比較例は何れも温度が上昇しなかった。
[実施例19〜30、比較例9〜14]
実施例13〜18におけるオカラの代わりにフスマ(水分12.4%)、コメヌカ(水分10.4%)に水道水を加えて、それぞれ水分62%、48%となるように攪拌した栄養源5kgずつを殺菌袋に入れ、オートクレーブで121℃、30分間殺菌した。殺菌後、1つの殺菌袋を2℃の低温室内に設置した20L容の発泡スチロール製コンテナに入れ、袋の外に氷を詰めて6時間冷却した。また、比較のために予め5kgの無殺菌栄養源を詰めておいた1つの無殺菌袋も同様に冷却した。
冷却後、殺菌袋又は無殺菌袋からオカラ各1kgを速やかに取り出し、あらかじめオートクレーブで殺菌しておいたステンレス製20×20×12.5センチの蓋付き容器に小分けした。
次いでこのステンレス容器を40×40×30センチの蓋付き発泡スチロール容器に入れ、連続記録式の温度センサーを組み込んだ。これら一連の操作は2℃の低温室内で行なった。次いでこのオカラの入った容器に、予めソーヤペプトン培地を用いて液体培養した
、LTA10の培養液(2.7×105CFU/g)を各容器に1mlずつ加え、殺菌した大型スパチュラーで混合し、それぞれ実施例19〜22とした。また、LTA10及び中温発熱発酵微生物としてバチルス・エスピー IFO15315の培養液(5.3×105CFU/g)を1ml添加し混合したものを実施例23〜26とし、LTA10、IFO15315及び好温発熱発酵微生物としてアノキシバチルス・フラビサーマス IFO15317の培養液(1.4×105CFU/g)を1ml添加し混合したものを実施例27〜30とした。一方、微生物を添加しないものを比較例9、10とし、LTA10を添加しないで、IFO15315を添加したものを比較例11、12とし、IFO15315及びIFO15317を添加したものを比較例13、14とした。
94時間後のそれぞれの培養物の温度を測定した。また、普通寒天培地を用いて段階希釈法により菌数を測定し、乾燥固体培地1g当たりのLTA10の菌数を求めた。
表3に結果を示す。
なお、IFO15805、IFO15311、IFO15315及びIFO15317は、財団法人発酵研究所(Institute for fermentation, Osaka; IFO)に登録された株であるが、現在はその移管先である独立行政法人製品評価技術基盤機構の生物遺伝資源部門(NBRC)(〒292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)より入手可能である。
実施例13〜18におけるオカラの代わりにフスマ(水分12.4%)、コメヌカ(水分10.4%)に水道水を加えて、それぞれ水分62%、48%となるように攪拌した栄養源5kgずつを殺菌袋に入れ、オートクレーブで121℃、30分間殺菌した。殺菌後、1つの殺菌袋を2℃の低温室内に設置した20L容の発泡スチロール製コンテナに入れ、袋の外に氷を詰めて6時間冷却した。また、比較のために予め5kgの無殺菌栄養源を詰めておいた1つの無殺菌袋も同様に冷却した。
冷却後、殺菌袋又は無殺菌袋からオカラ各1kgを速やかに取り出し、あらかじめオートクレーブで殺菌しておいたステンレス製20×20×12.5センチの蓋付き容器に小分けした。
次いでこのステンレス容器を40×40×30センチの蓋付き発泡スチロール容器に入れ、連続記録式の温度センサーを組み込んだ。これら一連の操作は2℃の低温室内で行なった。次いでこのオカラの入った容器に、予めソーヤペプトン培地を用いて液体培養した
、LTA10の培養液(2.7×105CFU/g)を各容器に1mlずつ加え、殺菌した大型スパチュラーで混合し、それぞれ実施例19〜22とした。また、LTA10及び中温発熱発酵微生物としてバチルス・エスピー IFO15315の培養液(5.3×105CFU/g)を1ml添加し混合したものを実施例23〜26とし、LTA10、IFO15315及び好温発熱発酵微生物としてアノキシバチルス・フラビサーマス IFO15317の培養液(1.4×105CFU/g)を1ml添加し混合したものを実施例27〜30とした。一方、微生物を添加しないものを比較例9、10とし、LTA10を添加しないで、IFO15315を添加したものを比較例11、12とし、IFO15315及びIFO15317を添加したものを比較例13、14とした。
94時間後のそれぞれの培養物の温度を測定した。また、普通寒天培地を用いて段階希釈法により菌数を測定し、乾燥固体培地1g当たりのLTA10の菌数を求めた。
表3に結果を示す。
なお、IFO15805、IFO15311、IFO15315及びIFO15317は、財団法人発酵研究所(Institute for fermentation, Osaka; IFO)に登録された株であるが、現在はその移管先である独立行政法人製品評価技術基盤機構の生物遺伝資源部門(NBRC)(〒292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)より入手可能である。
LTA10を添加した実施例19〜22は、温度が15℃以上に上昇した。特にフスマを栄養源として用いた場合には40℃以上にまで上昇した。LTA10及びIFO15315を添加した実施例23〜26は温度が20℃以上に上昇した。特にフスマを栄養源として用いた場合には50℃以上にまで上昇した。また、LTA10、IFO15315及びIFO15317を添加した実施例27〜30は温度が35℃以上に上昇した。特にフスマを栄養源として用いた場合には60℃以上にまで上昇した。一方、LTA10を添加しなかった比較例9〜14は何れも温度が上昇しなかった。
LTA10の菌数は、特にフスマを栄養源とした場合に多かった。
LTA10の菌数は、特にフスマを栄養源とした場合に多かった。
Claims (8)
- 10℃以下の低温環境下で増殖可能なシュードモナス属細菌並びに中温発熱発酵微生物及び/又は好温発熱発酵微生物を添加して、低温状態にある有機性廃棄物の堆肥化を行うことを特徴とする、有機性廃棄物の堆肥化方法。
- 前記シュードモナス属細菌がシュードモナス・エスピー LTA10(Pseudomonas sp. LTA10)FERM P−20141及びこの変異株からなる群から選ばれる一種又は二種以上である、請求項1に記載の方法。
- 有機性廃棄物が畜産廃棄物である、請求項1又は2に記載の方法。
- さらに微生物の増殖を促進するための栄養源を有機性廃棄物に添加することを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の方法。
- 前記栄養源が農畜産副産物、食品工業副産物の何れか一方若しくは両方である、請求項4に記載の方法。
- 前記栄養源がフスマ、オカラ、コメヌカ、ナタネ粕、コメ、大麦、小麦、ビール酵母、チーズホエー及び魚カスからなる群から選ばれる一種又は二種以上である、請求項4に記載の方法。
- 有機性廃棄物の表面を保温した状態で堆肥化を行うことを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の方法。
- 前記保温を有機性廃棄物を通気性シートで覆うことにより行う、請求項7に記載の方法。
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- 2005-06-02 JP JP2005162519A patent/JP2006335606A/ja active Pending
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