JP2006335514A - 容器搬送処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シャーレ等の収容部用のほかに蓋用の搬送手段を必要とすることなく、収容部の上方からの処理操作が可能であり、しかも搬送ピッチの拡大が伴うことのない容器搬送処理装置を提供する。
【解決手段】蓋2bと上部が開口された収容部2aからなるシャーレ2等の容器を積層したマガジン3から蓋2bの上に収容部2aが載置された状態で、一組ずつ蓋2bと収容部2aを取出してコンベヤ1上に供給する供給手段4を備え、コンベヤ1により収容部2aを蓋2bの上に載置した状態で搬送するとともに、その搬送過程において前記収容部2aに対して上方から培地の充填等の所要の処理を施す。
【選択図】図2

Description

本発明は、搬送過程においてシャーレなどの蓋付き容器に対して所要の処理を施す容器搬送処理装置に関する。
この種の容器搬送処理装置では、収容部に対する処理操作のために蓋を開く方式として、搬送過程において蓋を収容部に対して相対的に垂直方向に離間する方式のもの(特許文献1、特許文献2)や、水平方向へずらす方式のもの(特許文献3)、収容部と蓋とを前後方向に並べて搬送する方式のもの(特許文献4)などが知られている。しかしながら、第1の蓋を収容部に対して相対的に垂直方向に離間する方式の場合には、収容部の搬送手段のほかに蓋を相対的に上下するための搬送手段が必要とされるだけでなく、処理の際に収容部の上方に蓋が位置するため、処理操作、例えば培地用の充填ノズルを適用する場合などには、ノズル部を収容部と蓋との間隙を介して側方から出し入れしなければならないといった制約が伴い、延いては多列化の障害になるといった問題もあった。すなわち、この方式の場合には、収容部と蓋のための二つの搬送手段が必要とされるとともに、収容部に対する上方からの処理操作が困難であるという問題があった。また、第2の収容部に対して蓋を水平方向にずらす方式の場合には、収容部の上方からの処理操作が可能であるという利点は有するが、収容部の搬送手段のほかに水平方向にずらした蓋のための搬送手段が必要とされ、その分、装置の設置スペースも大きくなるといった問題があった。さらに、第3の収容部と蓋とを前後方向に並べて搬送する方式の場合には、一つの搬送手段で済むとともに収容部の上方からの処理操作が可能であるという利点は有するが、蓋付き容器の1個分としての搬送ピッチが必然的に拡大され、その分搬送処理能力が低下するといった問題があった。
特許第3042734号公報 特開平7−31460号公報 特開2002−255104号公報 特許第2529150号公報
本発明は、以上のような従来の技術的状況に鑑み、収容部用のほかに蓋用の搬送手段を必要とすることなく、収容部の上方からの処理操作が可能であり、しかも前記第3の従来技術のような搬送ピッチの拡大が必然的に伴うことのない容器搬送処理装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、請求項1の発明では、蓋と上部が開口された収容部からなる容器を、収容部に蓋を被せた状態で積層したマガジンと、容器を搬送するコンベヤとを備え、前記マガジンから供給される容器の搬送過程において前記収容部に対して処理を施す処理部が設けられた容器搬送処理装置において、前記マガジンから最下段に位置する蓋と該蓋に載置された収容部を同時に取出してコンベヤに供給する供給手段と、前記蓋と収容部を取出す際に、その取出される収容部に被せられた蓋の下降を規制するストッパ手段を備え、前記マガジンから一組ずつ蓋と収容部を取出して、コンベヤにより収容部を蓋の上に載置した状態で搬送するとともに、その搬送過程において前記収容部に対して処理を施すという技術手段を採用した。請求項2の発明では、さらに前記処理部の下流側において収容部を蓋の上から移動し、その収容部に対して前記蓋を被せる蓋被装手段を採用した。
本発明によれば、次の効果を得ることができる。
(1)収容部のほかに蓋用の搬送手段を設置する必要がなくなるので、搬送手段の複雑化の解消や設置スペースの縮小化に有効である。
(2)収容部の上方からの処理操作が可能となり、前記第1の従来技術のように側方から処理操作しなければならないという制約を解消でき、その点でも設置スペースの縮小化に有効である。
(3)収容部と蓋とを上下に重ねて搬送するので、搬送ピッチの拡大を伴うことなく両者の搬送が可能となり、前記第3の従来技術のように搬送ピッチの拡大に伴う搬送処理能力の低下は解消できる。
本発明に係る容器搬送処理装置は、細菌の培養などに使用されるシャーレの搬送処理手段として好適であるが、蓋と上部が開口された収容部からなる蓋付きの容器であれば、その搬送処理装置として広く適用することが可能である。収容部の上部に形成される開口部は、収容部の上方から所要の処理操作が可能なものであればよい。また、蓋はその収容部の開口部を閉塞することが可能であって、上部に収容部を載置した状態で搬送が可能なものであればよい。搬送過程で施す処理の種類に関しては、培地や薬剤の注入充填だけでなく、洗浄処理なども広く含まれる。それらの処理は1種類に限らず、複数種類の処理を順次実施する形態も可能である。また、それらの処理は、搬送過程において実施するものであれば、停止中の収容部に対して実施する形態でも、搬送動作中の収容部に対して実施する形態でも可能である。
図1は本発明の実施例としてシャーレに対して培地の充填等の所要の処理を施す容器搬送処理装置に適用した場合の要部を示した概略平面図である。図中1は導入コンベヤを示したもので、図示のように本実施例では5列の作業ラインを有する場合を示した。図示のように、この導入コンベヤ1の上流側端部には、内部にシャーレ2を積層した状態で収容したマガジン3が5列分セットされる。これらのマガジン3内に収容されたシャーレ2は、蓋の上に収容部を載置した状態で一組ずつ取出されて導入コンベヤ1上に供給され、その状態のまま搬送されるように構成されている。
図2はシャーレ2の供給手段の要部を例示した概略正面図である。図示のように、本実施例における供給手段4では、マガジン3の下方にエアシリンダ5により昇降する載置台6を配設し、マガジン3からシャーレ2を載置台6に移載して取出し、導入コンベヤ1の搬送プレート7の高さまで下降した上、エアシリンダ8により進退するプッシャ9によって搬送プレート7上へ押出すという構成を採用した。因みに、載置台6は、そのプッシャ9による押出し方向の長さをシャーレ2の外径より大きく設定している。前記マガジン3にはシャーレ2が図3のように収容部2aを下にしてその上に蓋2bを被せた対の状態で順次積層されており、これを供給手段4によって図4のように蓋2bの上に収容部2aを載置した状態で同時に取出して搬送プレート7上に供給することになる。なお、本実施例では、蓋2bの上面外周部に突縁部2cを形成し、この突縁部2cに収容部2aの底部が係合して搬送時等に脱落しないように構成している。
図5は供給手段4の供給動作を示した動作説明図である。図中10〜12はマガジン3の下方に配設されたストッパで、それぞれエアシリンダ13〜15により進退するように構成され、第1ストッパ10はマガジン3の最下部に位置するシャーレ2の収容部2aあるいは蓋2bを保持し、第2ストッパ11は下から2段目の蓋2bを保持し、第3ストッパ12は最下段の蓋2bを保持するように構成されている。しかして、マガジン3を導入コンベヤ1の所定位置へセットした直後には、先ず第1ストッパ10を前進させた状態でマガジン3内のシャーレ2を第1ストッパ10上に落下させる。次に、第3ストッパ11を前進させて最下段の蓋2bの側面に当接させて該蓋2bを保持するとともに、載置台6を上昇させて最下段の収容部2aの底部に近接させた上、第1ストッパを後退させて保持作用を解除し、その最下段の収容部2aを載置台6上に移載する。状態(A)はこの動作状態を示したものである。次に、状態(B)に示したように、載置台6を収容部2aのみを載置した状態で下降させるとともに、第1ストッパ10を前進させて最下段の蓋2bを保持させた上、第3ストッパ11を後退させて保持作用を解除する。これにより、前記蓋2bが第1ストッパ10上に落下して、状態(A)の最下部が収容部2aの状態から蓋2bが最下部の状態に入れ替る。因みに、載置台6の下降によって搬送プレート7の高さまで下降された収容部2aは、前記プッシャ9により搬送プレート7上に移載された後、後述のように仮置き部16へ移送されて待機することになる。次に、状態(C)に示したように、第2ストッパ11を前進させて下から2段目の蓋2bの側面に当接させて該蓋2bを保持するとともに、載置台6を再度上昇させて蓋2bの下部に近接させた上、第1ストッパを後退させて保持作用を解除し、最下段の蓋2bを載置台6上に移載する。この載置台6上への移載に際しては、第2ストッパ11によって下から2段目の蓋2bが保持されていることから、載置台6上には最下段の蓋2bと共に収容部2aがその蓋2bの上方に載置された状態で一緒に移載される。次に、状態(D)に示したように、載置台6を下降して蓋2bの上部に収容部2aを載置したままの状態で前記プッシャ9により搬送プレート7上に移載することにより、一組の蓋2bと収容部2aとからなるシャーレ2の導入コンベヤ1への供給工程が完了することになる。しかる後は、状態(C)と状態(D)で説明した動作を繰返すことにより、蓋2bの上部に収容部2aを載置した状態でシャーレ2を一組ずつ順次導入コンベヤ1へ供給することが可能である。
しかして、前記供給装置4から導入コンベヤ1の搬送プレート7上に移載されたシャーレ2は、図2に示したように導入コンベヤ1のチェーン等からなる無端状走行体17に等間隔に配設した押圧部材18によって横一列分ずつ搬送プレート7上を滑動しながら搬送されることになる。なお、前記供給装置4から導入コンベヤ1へのシャーレ2の供給動作では、上述のように初回は収容部2aのみが供給される。この収容部2aは、導入コンベヤ1上に移載された後、図1に示したロボット19の保持ハンド20により横一列分持上げられ、本実施例では導入コンベヤ1の側方に配置された仮置き部16へ移送されて待機することになる。その後、前記状態(C)及び状態(D)の動作を繰返しながら、導入コンベヤ1上に収容部2aが蓋2bの上部に載置された状態で5列分ずつ移載される。これらの導入コンベヤ1上に移載された収容部2aが蓋2bの上部に載置された状態のシャーレ2は、前記ロボット19の保持ハンド20により横一列分ずつ取上げられて、位置決め部21の各回転台22上にそれぞれ移載される。この場合には、シャーレ2は、図4のように収容部2aが蓋2bの上部に載置された状態で、図6に示したように下方の蓋2bの側面が保持ハンド20の把持部材23,24によって両側から挟持された状態で一緒に持上げられる。因みに、本実施例に係るシャーレ2の収容部2aの場合は内側が2室に仕切られており、前記回転台22上に移載した後、回転させながら外周面に付与したマークを検出して仕切りの方向が揃うように各シャーレ2の位置決めが行われる。なお、回転台22は2列分設置されており、交互に使用される。しかる後、それらの位置決めの終了した各シャーレ2は、再度ロボット19の保持ハンド20によって横一列分ずつ回転台22から取上げられて、隣接する次のメインコンベヤ25上に移載される。
メインコンベヤ25に移載されたシャーレ2は、収容部2aが蓋2bの上部に載置されたままの状態で搬送され、図1に示した処理部26の下方を通過する際に、収容部2aに対して例えば培地の充填等の所要の処理が上方から施されることになる。この処理は、場合に応じて間欠的に停止した状態で実施するようにしてもよいし、移動しながら実施するようにしてもよい。そして、処理部26による所要の処理が済んだシャーレ2に対しては、ロボット27の保持ハンド28により、先ず上方の収容部2aをメインコンベヤ25から横一列分取上げて隣接する排出コンベヤ29に移載し、しかる後に残る横一列分の蓋2bをメインコンベヤ25から取上げて前記収容部2aの上部に被せるという蓋被装動作が実行される。すなわち、ロボット27が収容部2aに蓋2bを被せる蓋被装手段として機能することになる。図7はそのロボット27を用いて収容部2aに蓋2bを被せる被装動作を示した要部説明図である。図示のように、蓋2bを収容部2aに被せる被装動作に際しては、ロボット27の保持ハンド28に備えた把持部材30,31によって挟持したまま蓋2bを傾斜させ、これに対して排出コンベヤ29上を搬送される収容部2aの前方を係合させることにより簡便に被装することができる。
以上のようにして収容部2aに対して蓋2bが被装されると、シャーレ2に対する搬送処理工程が終了し、所要の処理が施された処理済みの収容部2aが蓋2bが被せられた状態で横一列分ずつ順次排出されることになる。そして、前記マガジン3に収容されたシャーレ2が全て供給された場合には、最後に蓋2bだけの供給となる。この場合には、前記仮置き部16に待機させておいた収容部2aをロボット19の保持ハンド20により取出してその最後の蓋2bの上部に載置した状態で前記位置決め部21の回転台22上へ移載し、同様の搬送処理が実施されることになる。
本発明の実施例としてシャーレに対して処理を施す容器搬送処理装置に適用した場合の要部を示した概略平面図である。 シャーレの供給手段の要部を例示した概略正面図である。 マガジンに収容されたシャーレの状態を示した拡大縦断面図である。 供給時及び搬送時のシャーレの状態を示した拡大縦断面図である。 供給手段の供給動作を示した動作説明図である。 ロボットの保持ハンドによるシャーレの保持状態を示した概略平面図である。 ロボットを用いて収容部に蓋を被せる被装動作を示した要部説明図である。
符号の説明
1…導入コンベヤ、2…シャーレ、2a…収容部、2b…蓋、2c…突縁部、3…マガジン、4…供給手段、5…エアシリンダ、6…載置台、7…搬送プレート、8…エアシリンダ、9…プッシャ、10…第1ストッパ、11…第2ストッパ、12…第3ストッパ、13〜15…エアシリンダ、16…仮置き部、17…無端状走行体、18…押圧部材、19…ロボット、20…保持ハンド、21…位置決め部、22…回転台、23,24…把持部材、25…メインコンベヤ、26…処理部、27…ロボット、28…保持ハンド、29…排出コンベヤ、30,31…把持部材


Claims (2)

  1. 蓋と上部が開口された収容部からなる容器を、収容部に蓋を被せた状態で積層したマガジンと、容器を搬送するコンベヤとを備え、前記マガジンから供給される容器の搬送過程において前記収容部に対して処理を施す処理部が設けられた容器搬送処理装置において、前記マガジンから最下段に位置する蓋と該蓋に載置された収容部を同時に取出してコンベヤに供給する供給手段と、前記蓋と収容部を取出す際に、その取出される収容部に被せられた蓋の下降を規制するストッパ手段を備え、前記マガジンから一組ずつ蓋と収容部を取出して、コンベヤにより収容部を蓋の上に載置した状態で搬送するとともに、その搬送過程において前記収容部に対して処理を施すようにしたことを特徴とする容器搬送処理装置。
  2. 前記処理部の下流側において収容部を蓋の上から移動し、その収容部に対して前記蓋を被せる蓋被装手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の容器搬送処理装置。

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