JP2006335088A - 車両の後部車体構造 - Google Patents

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信一朗 溝手
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Abstract

【課題】 車両の後部車体剛性を向上する補強部材を提供する。
【解決手段】 本発明の車両の後部車体構造は、上部にサスペンション5を取り付ける平面4aを備えたストラットタワー4sと、このストラットタワー4sとフロアパネル1とを連結し、ストラットタワー4sの剛性を向上する補強部材9とを備え、車両前後方向で、補強部材9の中心は、ストラットタワー4sのサスペンション5の取り付け平面4aの中心と一致するように配置する。
【選択図】図3

Description

本発明は、路面の起伏等により変位するタイヤの動きに応じて変位するサスペンションを支持する車両の後部車体構造に関するものである。
従来の車両の後部車体構造として、サスペンションからの入力による車体の撓みを抑制するため、サスペンションを構成する緩衝器を取り付けるストラットタワーを補強する構造がある(特許文献1参照)。
この従来技術では、左右のストラットタワー(サス取付け部)を連結するパッケージメンバが車体左右方向に形成され、さらに左右ストラットタワー近傍のパッケージメンバの前面と車体フロア中央部を結合する補強部材(Vブレース)が設置されることで、サスペンションからの入力に対するストラットタワーの剛性を確保している。
特開2003−137140号公報
しかしながら、従来技術の補強部材は、パッケージメンバの前面に固定されているため、サスペンション入力部であるストラットタワー中心と補強部材の固定部とが車両前後方向でオフセットして形成される。このため、補強部材の補強効果が効率的でないという課題がある。
したがって、本発明の目的は、補強部材の補強効率を向上する車両の後部車体構造を提供することである。
本発明の車両の後部車体構造は、上部にサスペンションを取り付ける平面を備えたストラットタワーと、このストラットタワーとフロアパネルとを連結し、ストラットタワーの剛性を向上する補強部材とを備え、車両前後方向で、前記補強部材の中心は、前記ストラットタワーのサスペンションの取り付け平面の中心と一致するように配置される。
本発明では、車両前後方向で、前記ストラットタワーのサスペンションの取り付け平面の中心と一致するように補強部材の中心を配置したので、サスペンションからの入力中心と補強部材の中心とを車両前後方向でほぼ一致させることができ、ストラットタワーの剛性を効率よく向上し、車両の操縦安定性を改善することができる。
図1から図3は、第1の実施形態の補強部材の構成を説明する図である。図1は、車体後部の鳥瞰図であり、図2は、車体側面図であり、図3は、図2のストラットタワーのサスペンション取り付け部中心を上下に通るA−A断面図である。
図を用いて、本実施形態の後部車体構造を説明する。本実施形態では、後部車体構造を構成する部材として、居室及びトランクの床面としてのフロアパネル1、フロアパネル1に連結し、タイヤ3を覆うホイールハウス4、ホイールハウス4から上部に突き出たストラットタワー4sおよび左右のストラットタワー4sを連結するパッケージメンバ8を備える。
フロアパネル1の左右端部には、それぞれ前後方向に伸びるサイドメンバー2が接合される。フロアパネル1の端部外側には、タイヤ3を覆うホイールハウス4が結合される。それぞれのホイールハウス4は、ホイールハウスインナ4iとホイールハウスアウタ4oとに左右に分割して形成され、さらにホイールハウスインナ4iとホイールハウスアウタ4o間には、サスペンションを構成する緩衝器5が取り付くストラットタワー4sがホイールハウス4から上方に突出して塔状に構成される。ストラットタワー4sの上面4aは平面に形成され、上面4aには、緩衝器5の上端が図示しないブラケットを介して取り付けられる。緩衝器5はスプリング11が一体的に組み付けられた状態で、ストラットタワー4sに締結される。一方、図示しない緩衝器5の下端はタイヤ3を支持するアクスル部品に固定される。
ホイールハウスアウタ4oには、車体外板のボディパネル6が接合する。このボディパネル6の内側には、ピラーを形成するピラーパネル7が設置され、その下端はホイールハウスアウタ4oに上部から接合する。ボディパネル6とピラーパネル7との間に空間A(第1空間)が区画され、区画された空間Aは、前後方向に伸びて図示しないトランクと連通する。
左右のストラットタワー4s間を結合するパッケージメンバ8が設置される。パッケージメンバ8は、中空状の四角形断面で形成され、各ストラットタワー4sの上部及びピラーパネル7にその端部が固定される。また、パッケージメンバ8の上面8a内側にはホイールハウスアウタ4oが下部から接合する。これにより、パッケージメンバ8の上面8aとピラーパネル7とホイールハウスアウタ4oで区画された空間B(第2空間)が形成される。この空間Bはホイールハウスアウタ4oに沿って形成される。そして、パッケージメンバ8と空間Bを連通するための孔4bがホイールハウスアウタ4oに形成される。また、空間Aと空間Bとを連通するための孔7aがピラーパネル7に形成される。空間Bは車両前方の図示しないリアドアのストライカー近傍に形成された排出口6aで外部と連通する。ここで、排出口6aと孔7aの開口面積は略同等に形成する。
ストラットタワー4sとフロア1とを結合する補強材9を左右のストラットタワー4sそれぞれに設置する。パッケージメンバ8の下面8bとストラットタワー4sとの結合部に補強部材9の一端9aが固定される。補強部材9の他端9bは、フロアパネル1上に設置されたバッテリケース10の端面に接してフロアパネル1に固定される。ここで、補強部材9の中心は、図4に示すようにストラットタワー4sの上面4aの緩衝器5(サスペンション)の取り付け部中心と車両前後方向で略一致するように固定される。
補強部材9は、中空状の四角形断面の部材で形成され、一方の開口端9aは、パッケージメンバ8内に開口する。開口端9a近傍の補強部材9の中心線が、車両前後方向で見たときにホイールハウスアウタ4oに形成した孔4bに向くように補強部材9の形状が規定される。他方の開口端9bはフロアパネル1に接合して閉口され、バッテリケース10の端面に隣接するように補強部材9の形状が規定される。この開口端9b近傍には車両内側に開口する開口部9cが形成され、この開口部9cは、内部にバッテリが設置されたバッテリケース10の開口部10aを介してバッテリケース10内と連通する。
図5にバッテリケース10の形状の一例を示す。バッテリケース10の左右端面10bには、車両中央部に向けて凹状の嵌合部10cが形成され、この嵌合部10cに補強部材9が嵌合する。この嵌合部10cには、補強部材9が接する平面部10dが形成され、この平面部10dに補強部材9の開口部9cに連通する開口部10aが形成される。バッテリケース10の嵌合部10cは、補強部材9に上下方向から嵌合して、バッテリケース10の組み付けを終了する。
パッケージメンバ8の上面8aの車両右側には、パッケージメンバ8内にトランクの空気を導入するための導入口8cが形成される。なお、パッケージメンバ8内は隔壁8dにより左右の隔室8e、8fに区画され、空気の流れが規制される。
次に作用を説明する。
サスペンションからの入力を受けるストラットタワー4の上面4aとフロア1とを結合する補強材9を設置し、かつこの補強材9の中心をストラットタワー4の上面4aの緩衝器5の取り付け部中心と車両前後方向で略一致させるように形成した。
補強部材9は、中空状に形成され、その一端は左右のストラットタワー4sを連結するパッケージメンバ8内に開口し、他端はフロアパネル1に固定される。補強部材9の他端9b近傍には開口部9cが形成され、開口部9cはバッテリケース10内に連通する。したがって、トランク内の空気が、パッケージメンバ8の導入口8cから隔室8fを介して一方の補強部材9内を通じて、バッテリケース10内に導入される。そしてバッテリケース10内を通過した空気は、他方の補強部材9内に入り、補強部材9を通じて、パッケージメンバ8の隔室8e内に排出される。補強部材9の開口端9aは、ホイールハウスアウタ4oに形成した孔4bに向いており、補強部材9から排出される空気は、この孔4bに向けて排出される。なお、図に示すように、補強部材9から排出される空気をこの孔4bにガイドするガイド部材12、13をパッケージメンバ8の上下面に設けてもよい。
孔4bから空間Bに導入された空気は、その一部がリアドアのストライカー近傍から外部に排出され、残りがピラーパネル7に形成した孔7aから空間Aに入り込む。空間Aはトランクに連通しており、空間Aの空気はトランクに戻る。
次に本実施形態の効果について説明する。
サスペンション(緩衝器5及びスプリング11)からの入力は、ストラットタワー4sのサスペンション取り付け部(上面)4aを通じて車体に入力される。この入力により、ストラットタワー4に変位(撓み)が生じ、特に内側に倒れるような撓みが生じる。この撓みは、操舵に対する応答遅れ等の原因となり、操縦安定性が悪化することになる。しかしながら本実施形態では、サスペンションを取り付けるストラットタワー4sとフロアパネル1とを結合する補強部材9を設け、補強部材9の中心が車両前後方向でストラットタワー4sのサスペンション取り付け中心と同一の位置となるように配置した。このため、サスペンション入力に対するストラットタワー4sの倒れ剛性を効率よく増大し、操縦安定性の悪化を抑制することができる。
補強部材9は、中空状の部材で構成され、内部を空気が流通可能である。したがって、例えば左右の補強部材9間に渡ってバッテリケース10を設置し、補強部材9とバッテリケース10とを連通するように構成することで、一方の補強部材9からバッテリケース10内に、例えばトランクの空気を導入して、バッテリケース10内に配置したバッテリを冷却し、他方の補強部材9から加熱した空気を排出することができる。このため、バッテリ冷却用の空気を流通するダクトを補強部材と別置する必要がなく、コストの削減、重量の削減を図ることができる。また、バッテリケース2内のバッテリを所定の温度に維持することができる。
前記補強部材9は、排出する空気の方向を規定するように形状が設定されるため、効率よく下流に空気を流すことができる。
ボディパネルとピラーパネル間に画成され、トランクに連通する空間Aと、ピラーパネルとホイールハウスアウタ(ホイールハウスパネル)との間に画成される空間Bとを設け、補強部材9から排出された空気を空間Aに導入する孔4bと、空間Aと空間Bを連通する孔7aと、空間Aと外部とを連通する排出口6aとを備えたので、補強部材9から排出された空気の一部を車内(トランク)に戻し、残りを車外に排出する。これにより、トランク内の圧力が負圧となることを抑制することができる。
孔7aと排出口6aの開口面積を略同一に形成したので、トランクに戻る空気量と外部に排出される空気量とをほぼ同じにすることができる。
バッテリケース10は、補強部材9に嵌め込むことで組み立てを終了するため、ボルト等を用いる必要がなく、簡単で短時間に作業を終えることができる。
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内でさまざまな変更がなしうることは明白である。
本実施形態に係る車体後部の鳥瞰図である。 同じく車体側面図である。 図2の緩衝器取り付け部中心を上下に通るA−A断面図である。 補強部材とストラットタワーとの位置関係を示す平面図である。 バッテリケースの形状を示す構成図である。
符号の説明
1 フロアパネル
2 サイドメンバ
3 タイヤ
4 ホイールハウス
4a 上面(サスペンション取り付け部)
4b 孔
4i ホイールハウスインナ
4o ホイールハウスアウタ
4s ストラットタワー
5 緩衝器
6 ボディパネル
6a 排出口
7 ピラーパネル
7a 孔
8 パッケージメンバ
8a 上面
8b 下面
8c 孔
8d 隔壁
8e、8f 隔室
9 補強部材
9a、9b 開口端
9c 開口部
10 バッテリケース
11 スプリング
12、13 ガイド部材

Claims (5)

  1. 上部にサスペンションを取り付ける平面を備えたストラットタワーと、
    このストラットタワーとフロアパネルとを連結し、ストラットタワーの剛性を向上する補強部材とを備え、
    車両前後方向で、前記補強部材の中心は、前記ストラットタワーの前記平面の中心と一致するように配置されることを特徴とする車両の後部車体構造。
  2. 前記補強部材は、中空部材で形成され、その上端は開口し、下端は前記フロアパネルにより閉口するとともに、下端近傍に車両中央側に開口する開口部を備え、前記補強部材内を空気が流通可能としたことを特徴とする請求項1に記載の車両の後部車体構造。
  3. 前記ストラットタワー間にバッテリを内装したバッテリケースを設置し、
    前記補強部材の開口部が前記バッテリケース内と連通し、前記補強部材を介して前記バッテリケース内の空気が出入りすることを特徴とする請求項2に記載の車両の後部車体構造。
  4. 前記補強部材の開口部が連通する前記バッテリケースの連通部は前記バッテリケース端面に凹状に形成され、この連通部に前記補強部材が嵌合することを特徴とする請求項3に記載の車両の後部車体構造。
  5. 車体の外板を形成するボディパネルと、
    その内側に配置されて車体のピラーを形成するピラーパネルと、
    ホイールハウスを形成するホイールハウスパネルとを備え、
    前記ボディパネルと前記ピラーパネル間に形成する第1空間は、車両のトランクに連通し、前記ホイールハウスパネルと前記ピラーパネルとの間に形成する第2空間は、外部に連通し、
    前記第1空間と前記第2空間は連通し、前記補強部材から排出された空気が前記第2空間に導入されることを特徴とする請求項2または3に記載の車両の後部車体構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015209116A (ja) * 2014-04-25 2015-11-24 本田技研工業株式会社 電気デバイスの冷却構造

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