JP2006334922A - タイヤ成形用金型の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤ金型に微細な空気抜き機構を鋳包み製法で形成する技術を提供すること、および鋳抜き製法では対応困難なスリット形状の空気抜き機構を鋳包み製法で形成する技術を提供すること。
【解決手段】タイヤ成形用金型を肉厚方向に貫通出来る中空構造材2を準備し、その意匠面側の端部には、鋳型内部に埋設させられる長さ寸法を持ち、タイヤ成形用金型の鋳造時に溶損する事が無い金属材料から成るアンカー3を、また反対側端部には、鋳包み時に中空部に溶湯が侵入するのを防止する為の金属材料から成る蓋4をそれぞれ溶接接合する。アンカーを鋳型内部に埋設する事でこの中空構造材組み立て体5鋳型に固定して鋳造を行い、鋳包まれた中空構造材2の意匠面側の封穴状態を、鋳物の表面に突出しているアンカー3を除去して開口し、反対側の封穴状態は、鋳物背面を機械加工する事で開口させ、意匠面側から背面側に空気抜き機構を貫通させる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、鋳造製法で製作されるタイヤ成形用金型の製造方法に関するものであり、更に詳しくは、タイヤ成形用金型に必要とされる空気抜き機構を、該当機能を発揮できる開口形状を持った金属製の中空構造材を鋳包み製法にて付与する事を特徴としたタイヤ成形用金型の製造方法に関するものである。
タイヤ成形用金型の鋳造製法として最も広く採用されている方式は、石膏などの崩壊性鋳型を用い低圧鋳造や重力鋳造でアルミ合金鋳物を得る、『石膏鋳造法』であるが、鋼材等の非崩壊性の鋳型を用いて加圧鋳造してアルミ合金鋳物を得る、『ダイキャスト法』も存在している。またセラミック材で崩壊性鋳型を形成し、鉄系合金鋳物を得る『セラミック鋳造法』も存在する。
このように複数のタイヤ成形用金型の鋳造製法が存在するが、いずれの製法により製造されたタイヤ成形用金型を用いても、タイヤの成形は、未加硫状態のグリーンタイヤをタイヤ金型に押し付け、加熱硬化させると言う方式をとっている。この為、タイヤ金型意匠面とグリーンタイヤの接触で『閉塞空間』が形成されるような部位では、残留空気によりタイヤに『ベア』と称するゴム充填不足欠陥が発生してしまう事になる。この対策として、タイヤ金型には各種の『空気抜き(エアベント)』機能が付与されている。現在採用されている一般的な空気抜き機構としては、次の3つが挙げられる。
第1は図1に示すベントホールタイプである。これは金型本体に直径0.6〜1.2mm程度のベントホールを設置し、空気抜き穴とする方式である。完成形状に近い金型を作成した後に対応できるので、金型製作コストが低く抑えられる利点がある。しかしタイヤにスピューと呼ばれるゴムひげが発生し、外観特性が悪くなる欠点がある。
第2は図2に示すスリットベントタイプである。これは金型の小ピースをアッセンブルする際に形成されるスリット状の隙間を空気抜きに利用する方式であり、スリット間隙を0.08mm以下に制御することでタイヤにスピューが発生することを防止できる利点がある。しかし金型製作コストが高く、金型使用時のクリーニングが困難という欠点がある。
第3は、図3に示す開閉弁タイプである。これは金型に開口したベントホールに開閉弁を付与して空気は逃がすがゴム材は浸入させないという機能を持たせたものである。こちらは、ベントホールタイプとスリットベントタイプの中間的な特徴をもつ。
近年、タイヤの初期性能や外観品質特性向上を狙ってスリットベントタイプや開閉弁タイプと言ったノンスピュータイプが採用される機会が増えつつあるが、金型製作コスト,メンテナンスコストの低さからベントホールタイプが大多数であると言える。(なお、スリットベントタイプのタイヤ金型を製作する場合には、ダイキャスト法等を用いたピース鋳造金型を使用する事が多い。ベントホールタイプや開閉弁タイプの場合は、金型の鋳造製作コストが安価な石膏鋳造法が用いられる事が多い。)
タイヤ金型へのベントホール開口方法には、次の2つの方法が存在している。
1) 機械加工法 (ドリル等の回転工具による切削加工 若しくは 回転電極放電加工 等)
2) 鋳造時の鋳抜き法
図4に示す1)の機械加工法では、一般的に直径1mm未満の小径の穴を直接加工する事は困難と言う問題点が存在している。この場合、加工後のベントホール径が1mm程度以上となる為、このまま使用するとタイヤで発生するスピューが太く、長いものとなると言う問題点が生じる。この問題を克服する為に、外径がおおよそベントホール加工径で内径が1mm未満である中空円筒をMIM等の技術を用いて製作し(ベントピースと呼ばれる)、これをベントホールにカシメ込むと言う方法が用いられる事もあるが、ベントピースを製作しカシメ込み直す分だけコストアップとなる。
図5に示す鋳造時の鋳抜き法は、タイヤ金型用鋳物の肉厚のほぼ全域に渡って耐火材(ピン)を鋳包ませた後、鋳物で引き抜く方法である。しかし、鋳造・鋳包み時の耐火材(ピン)への入熱によりピン材質(鋳物に溶損・融着されない金属材料)が強度低下すること、ピンと鋳物間の摩擦抵抗が大きい為、ピンの引き抜き時に大きな負荷が生じることから、引き抜き時にピンが折れたり、千切れたりすると言う問題が生じ易い為、直径1mm程度未満のベントホールを鋳抜き対応する事は難しい。
これらのこの問題を克服する技術として、特許文献1、2が公開されている。特許文献1である特開平7−223224号公報記載の発明は、ピンの外周を金属パイプで覆い、ピンの引き抜き時の摩擦力を低減させる事を要旨としたものである。また特許文献2である特開平10−34658号公報記載の発明は、ピンの外周を鋳造時に焼失する物質から成る固体潤滑材で覆い、ピンの引き抜き時の摩擦力を低減させる事を要旨としている。
しかしながら、特許文献1ではピンの外径とほぼ同一内径を持つ金属パイプを必ず必要とすると言うコストアップ要因を含んでおり、特許文献2では固体潤滑材を保持している物質の燃焼に起因した燃焼ガスが鋳物にガス欠陥を発生させ易いと言う問題点を持っている。
また従来法では機械加工法、鋳抜き法ともに、タイヤ金型の肉厚(通常30〜200mm程度の厚さ)方法全域にわたって、ほぼ同一径の貫通孔としてベントホールを開口する事となる為、極端に小さな直径(例えば直径0.6mm未満)のベントホールにしてしまうと、空気自体が持つ粘性抵抗の為、充分なエアベント効果が発揮されなくなり易いと言う問題点が存在していた。
しかもタイヤ金型意匠面型(鋳造で製作する型)は図6の模式図に示される様に、バックモールドに保持されて使用されるのが一般的である。従って、タイヤ金型意匠面型の意匠面から背面にかけて『ベントホール』を貫通させただけでは背面側に面接触するバックモールドで穴を塞がれてしまう事となり、このままでは充分な通気性を確保出来ない。この為、通常意匠面金型背面側(外周面)には、ベントホールと直結する空気逃げ溝加工を行う事が一般に行われるのであり、このためのコストも考慮する必要がある。
特開平7−223224号公報 特開平10−34658号公報
本発明はこの様な状況下で考案されたものであり、その第一の目的は、タイヤ金型に微細な空気抜き機構を鋳包み製法で形成させられる技術を提供する事にある。また第二の目的は、鋳抜き製法では対応困難なスリット形状の空気抜き機構を鋳包み製法で形成させられる技術を提供する事にある。
上記の課題を解決するためになされた本発明は、タイヤ成形用金型の鋳造時に、意匠面から背面に貫通する空気抜き機構を中空構造材の鋳包みにより形成させるタイヤ成形用金型の製造方法であって、タイヤ成形用金型を肉厚方向に貫通出来る長さより長い中空構造材を準備し、該中空構造材の意匠面側の端部には、その開口部を完全に覆い隠す事が出来、かつ、鋳型内部に埋設させられる長さ寸法を持ち、タイヤ成形用金型の鋳造時に溶損する事が無い金属材料から成るアンカーを、また反対側端部には、該中空構造材の鋳包み時に中空部に溶湯が侵入するのを防止する為の金属材料から成る蓋をそれぞれ溶接接合し、アンカーを鋳型内部に埋設する事で中空構造材を鋳型に対して固定して鋳造を行い、鋳包まれた中空構造材の意匠面側の封穴状態を、出来上がった鋳物の表面に突出しているアンカー部を除去する事で開口し、該中空構造材の意匠面とは反対側の封穴状態は、鋳物背面を所定の肉厚形状にまで機械加工する事で開口させ、意匠面側から背面側に空気抜き機構を貫通させることを特徴とするものである。
なお、鋳包まれる中空構造材として、一つの真直材を塑性変形させ、あるいは複数の真直材を接合することにより、屈曲させたものを用いることができる。また、アンカーの長さ寸法をLtとしたとき、鋳型に形成させるアンカー部埋設用の凹形状深さ寸法Lmとして、Lm=Lt+ΔL1+ΔL2(ここでΔL1はアンカー部材の鋳造時の熱膨張量、ΔL2はアンカー部材長さLt分の鋳型材が鋳造時の入熱で寸法変化する量)を採用することにより、鋳包まれた後の中空構造材の意匠面側端部と、タイヤ金型の意匠面の面位置間で段差の発生量を極小化することが好ましい。さらに中空構造材として、一つの金属部材を折り重ね・巻き重ねるか、複数の金属部材を重ね合わせることにより、重ね合わせ面部に出来る隙間を空気抜き機構として活用できる中空構造材を用いることができる。本発明ではタイヤ成形用金型の材質を鉄系合金鋳物とすることができる。
本発明のタイヤ成形用金型の製造方法によれば、鋳造製タイヤ成形金型に比較的簡易に、微細な空気抜き機構を鋳包みにより形成させる事が出来る。また本発明によれば、従来法では対応困難であった鉄系合金鋳造製タイヤ金型に対しても、空気抜き機構を鋳包み形成させることが可能となる。このため本発明は現在想定されるあらゆる鋳造製タイヤ金型に対して、空気抜き機構を鋳包み形成させられる技術を提供するもので、その技術的意義は極めて大きい。
(請求項1)
請求項1の発明は、タイヤ金型に必要な空気抜き機構形状をもった中空構造材をタイヤ金型鋳造時に鋳包む事で、該当形状をタイヤ金型に付与する技術に関するものであり、鋳造時(鋳包み時)に中空構造材の中空部に溶湯を侵入させず、かつ、鋳包み後に中空部を開口させられる技術を提供する事を要旨としているものである。以下に図7とその続きである図8の模式図を用いて説明する。
先ず図7(1)に示すように、タイヤ金型1に空気抜き機構を必要とする部位で、該当部のタイヤ金型肉厚より長い中空構造材2を準備し、その両端部に設置するアンカー3と蓋4も準備する。これらは全て金属製である。次に(3)のように中空構造材2の両端にアンカー3と蓋4を溶接し仮密閉する。少なくともアンカー側は溶接時に外部からの金属材料補充を必要とせず、後で簡単に剥がせる抵抗溶接や摩擦発熱溶接方法が良く、抵抗溶接がベストである。このようにして中空構造材組み立て体5を製作する。次に(4)のように、タイヤ金型鋳造用の鋳型6上で中空構造材組み立て体5のアンカー3の部分を埋設できる溝形状7を付与しておき、ここに中空構造材組み立て体5を設置する。
次に図8(6)に示すように中空構造材組み立て体5をセットした鋳型6を用いてタイヤ金型1を鋳造し、中空構造材2を鋳物内部に鋳包ませる。このときアンカー3と蓋4が両端を封止しているので、中空構造部に溶湯が侵入する事は無い。なお図8では押し湯部等は省略してある。次に(7)に示すように溶湯凝固後、型バラシを行ない、鋳物から鋳型材を除去する。次に(8)に示すように中空構造材組み立て体5のアンカー3の部分に外力を与え、剥ぎ取る。ここで『剥がし易く』剥がした後『溶接痕跡』が残りづらくする為に、前記した溶接法が好ましい。最後に、(9)に示すように鋳物6を所定の形状に外周加工する事で、中空構造材組み立て体5のタイヤ金型背面側も開口し、空気抜き機構として貫通させる。
なお、中空構造材組み立て体5を構成する金属材質としては、鋳造時に溶湯により溶損する事の無い金属材質を用いる。また、金属材質と制限を加えてあるのは、本発明が『溶接』が出来る事を前提としている為である。鋳包み時の入熱でも接合力を失う事無く、中空構造内部を塞いでしまうことが無く、後から簡易に剥がし取る事が出来る接合方法は、現時点では溶接法しか存在せず、この中でも抵抗溶接や摩擦発熱溶接は溶接時に外部から別途金属材料を補充する必要が無く、溶接痕跡も極小で済み、かつ溶接入熱も極小に制御しやすい事から、請求項1のとおり限定した。
以上に説明した請求項1の発明は特許文献1の発明とは異なり、中空構造材内部にそれと同径のピンを準備し差し込むと言う手間を必要とせず、また 該当出願の様に細いピンのみに頼って中空構造材を鋳型に固定する必要性が無い事から、より安全確実に、より微細な中空構造材を鋳物内部に鋳包む事が出来ると言う利点を持っている。また特許文献2の発明は異なり、基本的に中空構造材を『鋳包む』事から、鋳包む中空構造材が鋳造時に溶損しなければ、いくらでも微細な空気抜き機構形状の対応が可能となると言う利点を持っている。
(請求項2)
先の請求項1の説明では、中空構造材2を『真直材』として説明したが、図9の模式図の様に一つの中空構造材を曲げたり、複数の中空構造材を接合したりして、『屈曲させた』ものを用いても良い。これが請求項2の発明の要旨であり、特許文献1、2の手法では対応不可能な、タイヤ金型内部で複雑に屈曲した空気抜き機構を付与する事が出来る。これにより、空気抜き機構をタイヤ金型背面の所定の部位に貫通させる事が出来、少ない空気抜き用補助溝に集約させる事が出来ると言う利点が生じる。
(請求項3)
請求項1、2の様にタイヤ金型1の内部に中空構造材2を鋳包ませる場合、出来上がった鋳物6で中空構造材2のアンカー3との接合面側で、タイヤ金型意匠面より深い位置に中空構造材2が鋳包まれてしまい、タイヤ金型1の意匠面上で中空構造材鋳包み部に『凹』状のくぼみが形成されてしまう場合が存在する。この不具合発現機構は次の様なものである。
すなわち図10(1)のように中空構造材2のアンカー3との接合面が鋳型6の面位置にくる様に鋳型に埋設した場合、(2)のように鋳造(注湯)直後で、中空構造材2や鋳型6が温度上昇していない場合には、それぞれの位置状態に変化は無い。しかしその後、(3)のようにより熱伝導率の高い中空構造材2に先に熱が伝わり昇温し、熱膨張する。この際、アンカー熱膨張分ΔL1だけ中空構造材2が鋳物内部に沈み込んだ形となる。続いて(4)のように鋳型側にも溶湯からの熱が伝わって昇温して行く。この昇温で、鋳型材が熱膨張したり変態膨張・変態収縮したりすると、その分ΔL2だけ、さらに中空構造材が鋳型内部に沈み込んだ形となる。(図は鋳型材が変態収縮する場合のもの。)その後、(5)のように鋳物が冷却されて行くと同時に中空構造材組み立て体5も冷却収縮してゆく。その結果、(6)に示すように出来上がった鋳物で中空構造材2とアンカー3の接合面は、ΔL1+ΔL2にほぼ等しい値分だけ、鋳物意匠面からズレた形で鋳包まれてしまう。
なお、図10(4)の変態収縮は、アルミ合金鋳造で用いられる石膏鋳型材では、鋳造時の入熱で300℃程度を超えた領域で0.4〜1.0%ほどの『変態収縮』挙動を示すことが判っている。また図10(6)のズレ量は、厳密には{ΔL1+ΔL2}×(1−ρ);ρは溶湯凝固完了温度から室温までの間の鋳物の冷却収縮率;であるが、通常ΔL1+ΔL2の絶対値は小さいものとなることから、ズレ量≒ΔL1+ΔL2としてある。鋳型材に石膏を用い、アンカーの埋設長さ寸法Ltを5〜10mmとして、アルミ合金を鋳込んだ場合、ΔL1+ΔL2は0.15〜0.25mm程度となる事が経験的に判っている。
請求項3の発明はこの問題を解決する為のもので、具体的には、中空構造材に接合するアンカー長さをLtとした時に、鋳型に設けておくアンカー埋設用溝深さLmを図11に示すようにLt+ΔL1+ΔL2としておく事で、中空構造材2とアンカー3の接合面部が鋳物面位置になることを狙ったものである。
(請求項4)
先の解説では使用する中空構造材2の形状は、図12の(1)を基本としたものを前提としているが、それ以外にも(2)〜(5)の様な構造のものを用いても当然良い。(2)は金属板を巻いたもの、(3)は金属板を折ったものの周りに金属板を巻いたもの、(4)は曲げ板を2枚重ねたもの、(5)は曲げ板を3枚重ねたものである。請求項1〜3の手法を用いれば、特許文献1の様に中空部にピンを差し込む事無く、中空構造材をタイヤ金型に鋳包む事が可能な為、特許文献1の発明では対処が困難な(2)〜(5)の様な、中空部の形状がいびつであったり、スリット形状(重ね合わせ面部の隙間)のものを用いることが可能となる。
なお、本発明では図13のように中空構造材組み立て体のアンカー部を鋳型に埋設するための溝部を製作する必要があるが、以下のいずれかの方法で形状製作すれば良い。すなわち、図14に示すように原型上で予め彫りこんでおいてゴム型反転→鋳型反転する事で製作する方法、図15に示すように鋳型に後加工で彫りこむ方法、図16に示すようにゴム型に鋳型に付与したい溝形状の反転形状のゴム材を後から貼り付け、鋳型反転する方法などである。上記の様にして鋳型に形成しておく溝形状を『雌ネジ』形状とし、中空構造材に接合するアンカー部外周を『雄ネジ』形状としておくと、中空構造材組み立て体を鋳型に対してねじ込み固定する事が出来、作業性が良好になる。
以上に説明したように、本発明は出来上がった鋳物から鋳包ませたもの(ピン)を引き抜く必要が無いという点において、特許文献1、2の発明よりも優れている。このことにより、両者より微細な空気抜き形状をタイヤ金型に付与できることになる。また特許文献1、2の発明は、基本的にアルミ合金鋳物に対してしか用いる事が出来ない技術であるのに対し、本出願はより鋳込み温度の高い鉄系合金鋳物に対しても対応できる所に最大の利点がある。
すなわち、鉄系合金鋳物に対して特許文献1の発明を用いた場合、チューブやピンが溶損・融着したり、融着まで至らなくとも、チューブ内部にピンがカシメこまれてしまうと同時に鋳造入熱が極めて大きい事によるピン強度の大幅低下により、鋳物からピンを引き抜く事が出来なくなったりする可能性が極めて高くなり、実際には空気抜き穴を鋳抜きできないと言うことになる。また特許文献2の場合は、さらにこの危険性が高まるという事になる。本出願を用いても、中空構造材の肉厚を外周部は溶損する可能性は皆無ではないが、中空構造材の肉厚に適度な厚みのものを採用すれば、中空構造内部までの溶損は防げる上、鋳物内部から後から引き抜くものが存在しない為、鋳造入熱による材料強度の大幅低下と言う現象が、空気抜き穴形状付与の障害に直結しないと言う所で、先の2つの出願より優れている。
以下に本発明の実施例を示す。
外周形状は図17の通りであり、タイヤサイズ 205/60R13 用、2Pモールドタイプタイヤ金型である。基本ピッチ種類は S,M,Lの3種類で、ピッチ数はSピッチ 11個,Mピッチ 10個,Lピッチ9個である。サイプブレード鋳包みは無しで、1ピッチ単位でのピース鋳造方式で製作した。
セラミック鋳造法による鉄系精密鋳造鋳物製作方法は下記のとおりである。
原型 : 人工木材(ケミウッド材)
ゴム型 : 縮合型シリコーンゴム(東芝シリコーンTSE350)
鋳型材 :バインダー : エチルシリケート40
骨材 : アルミナ,ムライト,ジルコニアセラミックパウダーの混合粉
硬化促進剤 : 炭酸アンモニウム
バインダー1リットルに対して、骨材約5.0kg、硬化促進剤10cc〜20ccの比率で混練攪拌した混合材(スラリー状のものをゴム型に注型して硬化、脱型)。
鋳造材 : SK-3材 (C:1.0〜1.1重量%,Si:0.35重量%以下,Mn:0.50重量%以下,残:Fe )
製法詳細は、下記のとおりである。
原型 : NC加工機による機械加工製作
ゴム型 : 原型からの注型反転製作(ゴム層厚み約10mm,金属製裏打ち材付)
鋳型 : ゴム型への鋳型材注型反転製作、脱型後、プロパンガスバーナーで5分ほど一次焼成実施。 その後、電気炉内で900℃×6hr焼成(その後空冷)。
鋳造 : 高周波炉で合金溶解。 鋳込み温度約1500℃。
(請求項1、2の実施例)
中空構造材の材質 SUS631 , 外径φ3.0,内径φ0.6鋼管
アンカー材の材質 SUS304 , 外径φ3.0,長さ5丸棒材
蓋材の材質 SUS304 , 外径φ3.0,長さ2丸棒材
中空構造材組み立て体の接合方法
パーカッション溶接(抵抗溶接)
溶接電力 30W・sec/1ショット
1接合面3ショット溶接
1ピース鋳物当たり中空構造材組み立て体Aタイプ2ヶ,Bタイプ2ヶ計4ヶ鋳包み。
本実施例では図18に示すように、中空構造材(鋼管)組み立て体の鋳型への埋設・設置は、鋼管とアンカーの接合面が鋳型意匠面とほぼ面位置となる様な位置関係で、鋳型一次焼成完了後に作業を実施した。
30ピースのタイヤ金型用ピース鋳物を図18の様に、内径φ0.6mmの鋼管を鋳包む事で空気抜き機構を形成する事を狙い、SK-3材にて鋳造製作した。出来上がった鋳物からサンドブラストにより鋳型材を除去した後、アンカー部を外力で剥ぎ取り、鋳物背面を所定の形状に機械加工した所、中空構造材を鋳包ませた部位に、φ0.6の空気抜き機構が目詰まりする事無く形成されていた。(歩留まり100%)
ただし、鋼管・アンカー接合界面部は鋳物意匠面から0.15mm程鋳物内部側に沈み込んだ形となっていた(鋼管鋳包み部が0.15mm程の凹状となってしまった)。
(請求項3の実施例)
実施例1において、中空構造材組み立て体のアンカー部の長さは5mmのままで、鋳型に付与するアンカー部埋設用の溝深さLmを
Lm=5+0.02×5(アンカーの鋳造時熱膨張量)+0.008×5(アンカー部の鋳造時鋳型寸法変化量)=5.14mm
として、鋳型意匠面に対して中空構造材組み立て体を0.14〜0.15mm程深く埋設し、それ以外は実施例1と同様にして30ピースの鋳物を鋳造製作した。その結果、φ0.6mmの空気抜き機構が目詰まり無く形成されていたと同時に、鋼管・アンカー接合面部も、鋳物意匠面とほぼ面位置で、凹凸の無い綺麗なものが得られた。
(請求項4の実施例)
実施例2において、A部に使用する中空構造材として、図19の様なSUS631 0.4mm厚材のへの字曲げ品3つを組み立て溶接したものを用い、アンカーや蓋は、実施例2と同じくφ3の丸棒材を用いて中空構造材組み立て体を形成し、それ以外は実施例2と同様にして、ピース鋳物30ヶを製作した。この結果、A部にφ0.3mm程度相当の、微細な空気抜き穴形状を目詰まり無く形成させる事が出来た。
タイヤ金型の空気抜き機構の一種であるベントホールを示す説明図である。 タイヤ金型の空気抜き機構の一種であるスリットベントを示す説明図である。 タイヤ金型の空気抜き機構の一種である開閉弁付きベントホールを示す説明図である。 ベントピースのカシメ込み方式の工程説明図である。 耐火ピンの鋳抜き法の工程説明図である。 ベントホールの金型裏面への逃がし方を示す断面図である。 請求項1の発明の実施形態を示す工程図(前半)である。 請求項1の発明の実施形態を示す工程図(後半)である。 請求項2の発明の実施形態を示す工程図である。 請求項3の発明の前提となる問題点の説明図である。 請求項3の発明の実施形態を示す工程図である。 請求項4の発明の実施形態を示す斜視図である。 アンカー部埋設用溝の説明図である。 アンカー部埋設用溝の製作方法を示す工程図である。 アンカー部埋設用溝の他の製作方法を示す工程図である。 アンカー部埋設用溝の他の製作方法を示す工程図である。 全実施例で製作する金型の断面図である。 請求項1、2の実施例における金型断面図である。 請求項4の実施例における中空構造材の説明図である。
符号の説明
1 タイヤ金型
2 中空構造材
3 アンカー
4 蓋
5 中空構造材組み立て体
6 鋳型
7 溝形状

Claims (5)

  1. タイヤ成形用金型の鋳造時に、意匠面から背面に貫通する空気抜き機構を中空構造材の鋳包みにより形成させるタイヤ成形用金型の製造方法であって、タイヤ成形用金型を肉厚方向に貫通出来る長さより長い中空構造材を準備し、該中空構造材の意匠面側の端部には、その開口部を完全に覆い隠す事が出来、かつ、鋳型内部に埋設させられる長さ寸法を持ち、タイヤ成形用金型の鋳造時に溶損する事が無い金属材料から成るアンカーを、また反対側端部には、該中空構造材の鋳包み時に中空部に溶湯が侵入するのを防止する為の金属材料から成る蓋をそれぞれ溶接接合し、アンカーを鋳型内部に埋設する事で中空構造材を鋳型に対して固定して鋳造を行い、鋳包まれた中空構造材の意匠面側の封穴状態を、出来上がった鋳物の表面に突出しているアンカー部を除去する事で開口し、該中空構造材の意匠面とは反対側の封穴状態は、鋳物背面を所定の肉厚形状にまで機械加工する事で開口させ、意匠面側から背面側に空気抜き機構を貫通させることを特徴とするタイヤ成形用金型の製造方法。
  2. 請求項1記載のタイヤ成形用金型の製造方法において、鋳包まれる中空構造材として、一つの真直材を塑性変形させ、あるいは複数の真直材を接合することにより、屈曲させたものを用いることを特徴とするタイヤ成形用金型の製造方法。
  3. 請求項1または2記載のタイヤ成形用金型の製造方法において、アンカーの長さ寸法をLtとしたとき、鋳型に形成させるアンカー部埋設用の凹形状深さ寸法Lmとして、Lm=Lt+ΔL1+ΔL2(ここでΔL1はアンカー部材の鋳造時の熱膨張量、ΔL2はアンカー部材長さLt分の鋳型材が鋳造時の入熱で寸法変化する量)を採用することにより、鋳包まれた後の中空構造材の意匠面側端部と、タイヤ金型の意匠面の面位置間で段差の発生量を極小化することを特徴とするタイヤ成形用金型の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ成形用金型の製造方法において、中空構造材として、一つの金属部材を折り重ね・巻き重ねるか、複数の金属部材を重ね合わせることにより、重ね合わせ面部に出来る隙間を空気抜き機構として活用できる中空構造材を用いることを特徴とするタイヤ成形用金型の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ成形用金型の製造方法において、タイヤ成形用金型の材質を鉄系合金鋳物としたことを特徴とするタイヤ成形用金型の製造方法。
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