JP2006330284A - 非相反デバイスおよび光電変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 大面積かつ低コストが要求されるデバイスにも適用可能な非相反デバイスおよびこれを用いた光電変換装置を提供する。
【解決手段】 1次元フォトニック結晶部101は、異なる誘電物質の層をおおよそλ/4の膜厚で交互に積み重ねたものであり、垂直に入射する波長λの電磁波を反射する。3次元フォトニック結晶部102は、3次元フォトニック結晶に孔を設けた構造を有する。当該孔は、1次元フォトニック結晶部101の積層方向に垂直な方向に設けられている。1次元フォトニック結晶部101は、垂直に入射する電磁波P10を反射するが、斜めに入射する電磁波P11を透過する。3次元フォトニック結晶部102側から入射する電磁波P20,P21は、垂直に入射する場合であっても斜めに入射する場合であっても、一定の波長λであれば全て反射される。
【選択図】 図1

Description

この発明は、非相反デバイスおよび光電変換装置に関し、特に、電磁波を効率的に閉じ込めるための非相反デバイスおよびこれを用いた光電変換装置に関する。
光を装置内に入射し、その光に対して光−光変換、光電変換等を行なう場合を考える。この場合、装置内に取り込んだ光を外部に逃がすことなく内部に閉じ込めることにより、上記の各変換の効率を高めることができる。一度入射した光が外部に逃げないようにするには、装置内に入射する光の閉じ込めが重要である。特許文献1は、全反射を利用した光の閉じ込めについて開示しており、以下では簡単に説明する。
図10は、従来の光閉じ込め構造1000を概略的に示した斜視図である。
図10を参照して、光閉じ込め構造1000は、シリコン基板503と、ピラミッド511と、V溝513と、反射鏡514とを含む。シリコン基板503は、表面に光の波長以下の微小なピラミッド511が複数配列されている。ピラミッド511の寸法は、入射する光が可視光であった場合、1μm以下となる。ピラミッド511は、エッチング加工、化学気層成長法などによるITO(酸化インジウムスズ)、ZnO2(酸化亜鉛)等の堆積によって形成される。
光の波長以下の微小なピラミッド511を複数配列することにより、光閉じ込め構造1000へ入射する光は、外部からシリコン基板503の表面に向かうにつれて、感じる屈折率が徐々に大きくなる。シリコン基板503の裏面には、繰り返し幅が2μmのV溝513が形成されている。V溝513には、反射鏡514が設けられている。
一般に、光は、高屈折率層から低屈折率層へ入射する場合、入射角が臨界角より大きくなると全反射することが知られている。図10の光閉じ込め構造1000は、この全反射現象を利用している。
シリコン基板503のピラミッド511側から入射する光は、裏面の反射鏡514で反射される。当該反射された光は、シリコン基板503の表面の低屈折率層へ臨界角以上の角度で入射した場合に全反射される。当該全反射された光は、再び裏面の反射鏡514へ進んで反射される。このように、図10の光閉じ込め構造1000は、光の全反射を利用して光を閉じ込めようとしている。
光を閉じ込めるには、全反射以外にも、たとえば光非相反効果を用いる方法がある。特許文献2は、光非相反効果を実現するデバイスについて開示しており、以下では簡単に説明する。
図11は、従来の光非相反デバイス2000の構成を示した側面図である。
図11を参照して、光非相反デバイス2000は、吸収型の第1偏光子521と、偏光面を45度回転するファラデー回転子522と、反射型の第2偏光子523と、磁石524a,524bとを備える。ファラデー回転子522は、磁性ガーネット単結晶により構成されている。反射型の第2偏光子523は、ファラデー回転子522上に形成されたフォトニック結晶によって形成される。
光非相反デバイス2000は、順方向からの入射光PL1に対して、第1偏光子521と、ファラデー回転子522と、第2偏光子523とを、この順に並べて配置している。第1偏光子521と第2偏光子523との透過偏光方向は、互いに45度の角度となるように設定されている。ファラデー回転子522は、磁石524a,524bによって磁界が印加されている。磁石524a,524bは、永久磁石または電磁石である。
光非相反デバイス2000は、入射光PL1と入射光PL2との入射方向の違いから、以下に説明するような光非相反効果を有する。
順方向からの入射光PL1は、吸収型の第1偏光子521によって、ある所定の偏光面のみが通過し、それ以外は吸収される。第1偏光子521を通過した入射光PL1は、ファラデー回転子522によって偏光面が45度回転させられる。ファラデー回転子522を通過した入射光PL1は、第2偏光子523によって、第1偏光子521から45度ずれた角度の偏光面のみが通過する。ファラデー回転子522を通過した入射光PL1は、偏光面が第2偏光子523の偏光面の方向に45度回転しているため、第2偏光子523をそのまま透過する。
逆方向からの入射光PL2は、反射型の第2偏光子523によって、ある所定の偏光面のみが通過し、それ以外は反射される。第2偏光子523を通過した入射光PL2は、ファラデー回転子522によって偏光面が45度回転させられる。ファラデー回転子522を通過した入射光PL2は、第1偏光子521によって、第2偏光子523から45度ずれた角度の偏光面のみが通過する。ファラデー回転子522を通過した入射光PL2は、偏光面が第1偏光子521の偏光面とは逆方向に45度回転しているため、第1偏光子521で吸収される。
特開平6−244444号公報 特開2003−172901号公報
図10の光閉じ込め構造1000は、シリコン基板503側から入射する光が裏面の反射鏡514と表面の低屈折率層との間の反射を数回繰り返すうち、臨界角の条件を満たさなくなる。臨界角の条件を満たさなくなった光は、表面の低屈折率層で全反射せず、ピラミッド511側から外へ逃げてしまう。すなわち、光閉じ込め構造1000は、実質的には光を閉じ込めることができていない。
図11の光非相反デバイス2000は、確かに光非相反効果を実現できており、光の閉じ込めにも利用できるかもしれない。しかしながら、光非相反デバイス2000は、磁性ガーネット単結晶により構成されるファラデー回転子522、およびファラデー回転子522を機能させるための磁石524a,524bが必要となる。
これらファラデー回転子522および磁石524a,524bを備えた光非相反デバイス2000は、重量が重く、厚さも厚くなる。そのため、光非相反デバイス2000は、光電変換装置の一種である太陽電池のような大面積かつ低コストが要求されるデバイスには適用することができない。さらに、光非相反デバイス2000は、入射光の所定の偏光成分のみを利用しているため、太陽電池のようなデバイスに適用しようとすると光の利用効率が低くなってしまう。
それゆえに、この発明の目的は、大面積かつ低コストが要求されるデバイスにも適用可能な非相反デバイスおよびこれを用いた光電変換装置を提供することである。
この発明のある局面による非相反デバイスは、異なる誘電物質の層を交互に積み重ねた第1の1次元フォトニック結晶部と、第1の1次元フォトニック結晶部と隣接して配置され、第1の1次元フォトニック結晶部の積層方向に垂直な方向に孔部が設けられた第1の3次元フォトニック結晶部とを備える。
好ましくは、第1の3次元フォトニック結晶部を挟んで第1の1次元フォトニック結晶部の反対側に配置された第2の1次元フォトニック結晶部をさらに備える。
好ましくは、第1の3次元フォトニック結晶部を挟んで第1の1次元フォトニック結晶部の反対側に配置された第2の3次元フォトニック結晶部をさらに備える。
好ましくは、第1の3次元フォトニック結晶部を挟んで第1の1次元フォトニック結晶部の反対側に配置され、第1の1次元フォトニック結晶部の積層方向に垂直な方向に孔部が設けられた第2の3次元フォトニック結晶部と、第1および第2の3次元フォトニック結晶部を挟んで第1の1次元フォトニック結晶部の反対側に第1の1次元フォトニック結晶部と平行に配置された第2の1次元フォトニック結晶部とをさらに備える。
好ましくは、非相反デバイスに入射した電磁波を内側に反射させる反射部をさらに備える。
好ましくは、反射部は、金属である。
好ましくは、反射部は、3次元フォトニック結晶である。
好ましくは、孔部の直径は、非相反デバイスに入射する電磁波の波長の1/2である。
この発明の他の局面による光電変換装置は、異なる誘電物質の層を交互に積み重ねた第1の1次元フォトニック結晶部と、第1の1次元フォトニック結晶部と隣接して配置され、第1の1次元フォトニック結晶部の積層方向に垂直な方向に孔部が設けられた第1の3次元フォトニック結晶部と、孔部の出射口から出射される光を電気に変換する光電変換素子とを備える。
この発明のさらに他の局面による光電変換装置は、異なる誘電物質の層を交互に積み重ねた第1の1次元フォトニック結晶部と、第1の1次元フォトニック結晶部と隣接して配置され、第1の1次元フォトニック結晶部の積層方向に垂直な方向に孔部が設けられた第1の3次元フォトニック結晶部と、第1の3次元フォトニック結晶部を挟んで第1の1次元フォトニック結晶部の反対側に配置され、光を電気に変換する光電変換素子とを備える。
好ましくは、第1の3次元フォトニック結晶部および光電変換素子を挟んで第1の1次元フォトニック結晶部の反対側に配置された第2の1次元フォトニック結晶部をさらに備える。
好ましくは、第1の3次元フォトニック結晶部および光電変換素子を挟んで第1の1次元フォトニック結晶部の反対側に配置された第2の3次元フォトニック結晶部をさらに備える。
好ましくは、第1の3次元フォトニック結晶部および光電変換素子を挟んで第1の1次元フォトニック結晶部の反対側に配置され、第1の1次元フォトニック結晶部の積層方向に垂直な方向に孔部が設けられた第2の3次元フォトニック結晶部と、第1および第2の3次元フォトニック結晶部ならびに光電変換素子を挟んで第1の1次元フォトニック結晶部の反対側に第1の1次元フォトニック結晶部と平行に配置された第2の1次元フォトニック結晶部とをさらに備える。
好ましくは、光電変換装置に入射した電磁波を内側に反射させる反射部をさらに備える。
好ましくは、反射部は、金属である。
好ましくは、反射部は、3次元フォトニック結晶である。
好ましくは、孔部の直径は、光電変換装置に入射する光の波長の1/2である。
好ましくは、光電変換素子は、太陽電池である。
この発明による非相反デバイスおよび光電変換装置は、大面積かつ低コストが要求されるデバイスにも適用できる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による非相反デバイス100の構造を示した断面図である。
図1を参照して、実施の形態1の非相反デバイス100は、1次元フォトニック結晶部101と、3次元フォトニック結晶部102とを備える。非相反デバイス100は、波長λの電磁波(光)P10,P11,P20,P21を受ける。
1次元フォトニック結晶部101は、異なる誘電物質の層をおおよそλ/4の膜厚で交互に積み重ねたものであり、垂直に入射する波長λの電磁波を反射する。このため、1次元フォトニック結晶部101は、誘電体ミラーとも呼ばれている。3次元フォトニック結晶部102は、3次元フォトニック結晶に孔を設けた構造を有する。当該孔は、1次元フォトニック結晶部101の積層方向に垂直な方向に設けられている。当該孔の出射口に光電変換素子(たとえば、太陽電池)を配置することにより、当該孔から出射される電磁波(光)P11を効率よく電気エネルギーに変換することができる。
図2は、図1の非相反デバイス100における1次元フォトニック結晶部101の構造を示した断面図である。
図1に示すように、1次元フォトニック結晶部101は、垂直に入射する電磁波P10を反射するが、斜めに入射する電磁波P11を透過する。これは、電磁波P11から見ると1次元フォトニック結晶部101の誘電体層の膜厚が厚く見えるからである。電磁波P11は、1次元フォトニック結晶部101を透過していき、3次元フォトニック結晶102の孔部を通って反対側から出射される。
垂直入射において反射させる電磁波の波長λは、1次元フォトニック結晶部101の誘電体層の膜厚を変化させることにより設計することができる。1次元フォトニック結晶部101は、誘電物質の繰り返し積層数を増すほど、電磁波P10の反射率が高くなるとともに、反射帯域(バンドギャップ)も広くなる。このとき、徐々に膜厚の異なる誘電体層の繰り返し構造とすることにより、反射帯域をさらに広げることができる。
図3は、図1の非相反デバイス100における3次元フォトニック結晶部102の構造を示した断面図である。
図3に示すように、3次元フォトニック結晶部102は、3次元フォトニック結晶102aの所々に孔部102bが設けられた構造を有する。図1,3に示すように、3次元フォトニック結晶102aに入射する電磁波は、1次元フォトニック結晶部101と異なり、垂直に入射する場合(電磁波P20)であっても斜めに入射する場合(電磁波P210)であっても、一定の波長λであれば全て反射される。
これに対し、孔部102bに入射する電磁波P21,P211は、孔部102bに沿って進行していく。図1に示すように、電磁波P21は、孔部102bに沿って進行していき、1次元フォトニック結晶部101で反射される。当該反射された電磁波P21は、孔部102bを通って再び出射される。
図4は、図3の3次元フォトニック結晶102aの構造の一例を示した立体図である。
図4に示すように、3次元フォトニック結晶102aは、あらゆる方向から入射する波長λの電磁波P210x,P210y,P210zをすべて反射する。3次元フォトニック結晶102aの構造としては、面心立方格子構造、六方最密構造、ダイヤモンド格子構造などが考えられる。このうち、少なくとも面心立方格子構造および六方最密構造は、化学合成法により、半導体、ポリマー微粒子等を用いて大面積かつ低コストで容易に作製できる。
実施の形態1の非相反デバイス100は、1次元フォトニック結晶部101への垂直入射で反射する電磁波の波長λの帯域と、3次元フォトニック結晶部102で反射する電磁波の波長λの帯域とが同じとなるように、誘電物質の誘電率と膜厚(大きさ)とが設計されている。これにより、非相反デバイス100は、1次元フォトニック結晶部101側から斜め入射する波長λの電磁波のみを透過し、3次元フォトニック結晶部102側から入射する電磁波は反射するという非相反効果を得る。
以上のように、実施の形態1の非相反デバイスは、1次元フォトニック結晶と3次元フォトニック結晶とを組み合わせることにより、1次元フォトニック結晶側から斜め入射する所定の波長の電磁波のみを透過し、3次元フォトニック結晶部102側から入射する電磁波は反射するという非相反効果を得ることができる。
[実施の形態2]
図5は、この発明の実施の形態2による非相反デバイス200の構造を示した断面図である。
図5を参照して、実施の形態2の非相反デバイス200は、1次元フォトニック結晶部101,103と、3次元フォトニック結晶部102と、反射板105a,105bと、誘電物質106とを備える。非相反デバイス200は、波長λの電磁波(光)P31を受ける。
1次元フォトニック結晶部101,103は、実施の形態1で説明したように、異なる誘電物質の層をおおよそλ/4の膜厚で交互に積み重ねたものであり、垂直に入射する波長λの電磁波を反射する。3次元フォトニック結晶部102は、実施の形態1で説明したように、3次元フォトニック結晶に孔を設けた構造を有する。当該孔は、1次元フォトニック結晶部101,103の積層方向に垂直な方向に設けられている。
反射板105a,105bは、非相反デバイス200に入射する電磁波が外に漏れないように電磁波を内側に反射させる。反射板105a,105bは、たとえばアルミ、銀等の反射率の高い金属である。誘電物質106は、所定の誘電率を有し、1次元フォトニック結晶部101と1次元フォトニック結晶部103との間(3次元フォトニック結晶部102の孔部を含む)に充填されている。
図5を参照して、1次元フォトニック結晶部101に斜め入射する波長λの電磁波P31は、1次元フォトニック結晶部101を透過していき、3次元フォトニック結晶部102の孔部を通って1次元フォトニック結晶部103に向かう。1次元フォトニック結晶部103は、3次元フォトニック結晶部102の孔部から出てほぼ垂直に入射する電磁波P31を反射する。
当該反射された電磁波P31は、3次元フォトニック結晶部102で再度反射されるか、または3次元フォトニック結晶部102の孔部を通って1次元フォトニック結晶部101で反射され、このような往復反射が繰り返される。
1次元フォトニック結晶部101,103に対して垂直よりわずかにずれた電磁波P31は、往復反射を繰り返すうちに1次元フォトニック結晶部101,103で挟まれた空間から外れることになる。このような外れた電磁波P31は、反射板105a,105bによって非相反デバイス200の内側に反射される。非相反デバイス200の内部に光電変換素子を配置することにより、当該往復反射を繰り返す電磁波(光)P31を効率よく電気エネルギーに変換することができる。
図6は、図5の非相反デバイス200の内部に入射する電磁波の振幅変化を示したシミュレーション図である。
非相反デバイス200に斜め入射する電磁波P31の波長λ=650nmとする。図6において、横軸は時間経過、縦軸は電磁波P31の規格化振幅をそれぞれ示す。振幅計算のシミュレーションには、有限差分時間領域法(FDTD法)を用いている。
図6のシミュレーションにおいて、1次元フォトニック結晶部101は、誘電率ε2の誘電物質と誘電率ε6の誘電物質とが厚さ60nmで交互に15回繰り返し積層された構造を有する。3次元フォトニック結晶部102は、誘電率ε1の3次元フォトニック結晶(直径270nm)に孔を設けた構造を有する。誘電物質106は、誘電率ε6を有し、1次元フォトニック結晶部101と1次元フォトニック結晶部103との間(3次元フォトニック結晶部102の孔部を含む)に充填されている。
3次元フォトニック結晶部102の誘電率ε1は、シミュレーション上、空気の誘電率を想定している。これは、誘電率ε1とε6との比を大きくとることで3次元フォトニック結晶のバンドギャップ効果を計算上小さな体積で実現し、計算時間を短くするためである。したがって、実際には実現可能な誘電率の材料を選択することになる。
図6のシミュレーションは、誘電物質106の所定位置における電磁波P31の振幅を2.5×10-17秒のタイムステップで1.0×10-11秒まで計算したものである。電磁波P31の振幅は、非相反デバイス200に入射時の電磁波P31の振幅が1.0となるように規格化されている。
図6に示すように、電磁波P31の規格化振幅は、時間の経過とともに増大していっていることが分かる。これは、非相反デバイス200の内部に電磁波P31のエネルギーが蓄積されていっていることを示す。
3次元フォトニック結晶部102の孔部を進む電磁波P31は、当該孔部の直径を誘電物質106における電磁波P31の波長λのおおよそ1/2とすることにより、直進性がよくなる。これにより、1次元フォトニック結晶部101から一度入射した電磁波P31が再び1次元フォトニック結晶部101から一層出射しにくくなり、非相反デバイス200の非相反効果がより大きくなる。
図6のシミュレーションでは、3次元フォトニック結晶部102の孔部の直径を265nm、深さを約1μmとしている。3次元フォトニック結晶部102の誘電率ε1と誘電物質106の誘電率ε6との比を大きくすると、3次元フォトニック結晶部102の繰り返し構造が少なくて済む。
非相反デバイス200に入射する電磁波P31の波長は、3次元フォトニック結晶部102における3次元フォトニック結晶単位の直径および誘電率を適当に選択することによって、柔軟に選択することが可能となる。これは、1次元フォトニック結晶部101,103についても同様である。
なお、図5の非相反デバイス200では、1次元フォトニック結晶部101,103を構成する各誘電物質の膜厚を固定しているが、当該膜厚は徐々に変化させることもできる。この場合、非相反デバイス200の反射帯域を広げることができ、電磁波の利用効率が上がる。
以上のように、実施の形態2の非相反デバイスは、1次元フォトニック結晶と3次元フォトニック結晶との組合せにおいて3次元フォトニック結晶の割合を増やすことにより、1次元フォトニック結晶側から斜め入射する所定の波長の電磁波をより効率的に閉じ込めることができる。
[実施の形態3]
図7は、この発明の実施の形態3による光電変換装置300の構造を示した断面図である。
図7を参照して、実施の形態3の光電変換装置300は、1次元フォトニック結晶部101と、3次元フォトニック結晶部102,403と、反射板105a,105bと、誘電物質106と、光電変換素子402とを備える。光電変換装置300は、1次元フォトニック結晶部103が3次元フォトニック結晶部403に置き換えられ、内部に光電変換素子402が配置された点において、実施の形態2の非相反デバイス200と異なる。光電変換装置300は、非相反デバイスとしても使用可能である。
図3,4でも説明したように、3次元フォトニック結晶部403は、1次元フォトニック結晶部103に比べ、可視光の波長領域においても損失を少なく反射率を高くすることができる。さらに、3次元フォトニック結晶部403は、斜めより入射する電磁波も反射することができるため、光電変換装置300の内部で往復反射を繰り返す電磁波の滞在時間を延ばすことができる。これにより、実施の形態3の光電変換装置300は、内部で往復反射を繰り返す電磁波を効率よく電気エネルギーに変換することができる。
[実施の形態4]
図8は、この発明の実施の形態4による光電変換装置400の構造を示した断面図である。
図8を参照して、実施の形態4の光電変換装置400は、1次元フォトニック結晶部101と、3次元フォトニック結晶部102,403,405a,405bと、誘電物質106と、光電変換素子402とを備える。光電変換装置400は、非相反デバイスとしても使用可能である。
光電変換装置400は、反射板105a,105bが3次元フォトニック結晶部405a,405bにそれぞれ置き換えられた点において、実施の形態3の光電変換装置300と異なる。これにより、実施の形態4の光電変換装置400は、内部で往復反射を繰り返す電磁波をより効率よく電気エネルギーに変換することができる。
[実施の形態5]
図9は、この発明の実施の形態5による光電変換装置500の構造を示した断面図である。
図9を参照して、実施の形態5の光電変換装置500は、1次元フォトニック結晶部101,103と、3次元フォトニック結晶部102,104,405a,405bと、誘電物質106と、光電変換素子402とを備える。光電変換装置500は、3次元フォトニック結晶部403が3次元フォトニック結晶部104および1次元フォトニック結晶部103に置き換えられた点において、実施の形態4の光電変換装置400と異なる。光電変換装置500は、非相反デバイスとしても使用可能である。
図9に示すように、光電変換装置500は、光電変換素子402を挟んで反対側に1次元フォトニック結晶部101および3次元フォトニック結晶部103と対称的な構造を設けることにより、光電変換素子402に効率的に光を入射させることができる。これにより、実施の形態5の光電変換装置500は、内部で往復反射を繰り返す電磁波をより一層効率よく電気エネルギーに変換することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態1による非相反デバイス100の構造を示した断面図である。 図1の非相反デバイス100における1次元フォトニック結晶部101の構造を示した断面図である。 図1の非相反デバイス100における3次元フォトニック結晶部102の構造を示した断面図である。 図3の3次元フォトニック結晶102aの構造の一例を示した立体図である。 この発明の実施の形態2による非相反デバイス200の構造を示した断面図である。 図5の非相反デバイス200の内部に入射する電磁波の振幅変化を示したシミュレーション図である。 この発明の実施の形態3による光電変換装置300の構造を示した断面図である。 この発明の実施の形態4による光電変換装置400の構造を示した断面図である。 この発明の実施の形態5による光電変換装置500の構造を示した断面図である。 従来の光閉じ込め構造1000を概略的に示した斜視図である。 従来の光非相反デバイス2000の構成を示した側面図である。
符号の説明
100,200 非相反デバイス、101,103 1次元フォトニック結晶部、102,104,403,405a,405b 3次元フォトニック結晶部、102a 3次元フォトニック結晶、102b 孔部、105a,105b 反射板、106 誘電物質、300,400,500 光電変換装置、402 光電変換素子、503 シリコン基板、511 ピラミッド、513 V溝、514 反射鏡、521 第1偏光子、522 ファラデー回転子、523 第2偏光子、524a,524b 磁石、1000 光閉じ込め構造、2000 光非相反デバイス。

Claims (18)

  1. 異なる誘電物質の層を交互に積み重ねた第1の1次元フォトニック結晶部と、
    前記第1の1次元フォトニック結晶部と隣接して配置され、前記第1の1次元フォトニック結晶部の積層方向に垂直な方向に孔部が設けられた第1の3次元フォトニック結晶部とを備える、非相反デバイス。
  2. 前記第1の3次元フォトニック結晶部を挟んで前記第1の1次元フォトニック結晶部の反対側に配置された第2の1次元フォトニック結晶部をさらに備える、請求項1に記載の非相反デバイス。
  3. 前記第1の3次元フォトニック結晶部を挟んで前記第1の1次元フォトニック結晶部の反対側に配置された第2の3次元フォトニック結晶部をさらに備える、請求項1に記載の非相反デバイス。
  4. 前記第1の3次元フォトニック結晶部を挟んで前記第1の1次元フォトニック結晶部の反対側に配置され、前記第1の1次元フォトニック結晶部の積層方向に垂直な方向に孔部が設けられた第2の3次元フォトニック結晶部と、
    前記第1および前記第2の3次元フォトニック結晶部を挟んで前記第1の1次元フォトニック結晶部の反対側に前記第1の1次元フォトニック結晶部と平行に配置された第2の1次元フォトニック結晶部とをさらに備える、請求項1に記載の非相反デバイス。
  5. 前記非相反デバイスに入射した電磁波を内側に反射させる反射部をさらに備える、請求項2〜4のいずれかに記載の非相反デバイス。
  6. 前記反射部は、金属である、請求項5に記載の非相反デバイス。
  7. 前記反射部は、3次元フォトニック結晶である、請求項5に記載の非相反デバイス。
  8. 前記孔部の直径は、前記非相反デバイスに入射する電磁波の波長の1/2である、請求項1〜7のいずれかに記載の非相反デバイス。
  9. 異なる誘電物質の層を交互に積み重ねた第1の1次元フォトニック結晶部と、
    前記第1の1次元フォトニック結晶部と隣接して配置され、前記第1の1次元フォトニック結晶部の積層方向に垂直な方向に孔部が設けられた第1の3次元フォトニック結晶部と、
    前記孔部の出射口から出射される光を電気に変換する光電変換素子とを備える、光電変換装置。
  10. 異なる誘電物質の層を交互に積み重ねた第1の1次元フォトニック結晶部と、
    前記第1の1次元フォトニック結晶部と隣接して配置され、前記第1の1次元フォトニック結晶部の積層方向に垂直な方向に孔部が設けられた第1の3次元フォトニック結晶部と、
    前記第1の3次元フォトニック結晶部を挟んで前記第1の1次元フォトニック結晶部の反対側に配置され、光を電気に変換する光電変換素子とを備える、光電変換装置。
  11. 前記第1の3次元フォトニック結晶部および前記光電変換素子を挟んで前記第1の1次元フォトニック結晶部の反対側に配置された第2の1次元フォトニック結晶部をさらに備える、請求項10に記載の光電変換装置。
  12. 前記第1の3次元フォトニック結晶部および前記光電変換素子を挟んで前記第1の1次元フォトニック結晶部の反対側に配置された第2の3次元フォトニック結晶部をさらに備える、請求項10に記載の光電変換装置。
  13. 前記第1の3次元フォトニック結晶部および前記光電変換素子を挟んで前記第1の1次元フォトニック結晶部の反対側に配置され、前記第1の1次元フォトニック結晶部の積層方向に垂直な方向に孔部が設けられた第2の3次元フォトニック結晶部と、
    前記第1および前記第2の3次元フォトニック結晶部ならびに前記光電変換素子を挟んで前記第1の1次元フォトニック結晶部の反対側に前記第1の1次元フォトニック結晶部と平行に配置された第2の1次元フォトニック結晶部とをさらに備える、請求項10に記載の光電変換装置。
  14. 前記光電変換装置に入射した電磁波を内側に反射させる反射部をさらに備える、請求項10〜13のいずれかに記載の光電変換装置。
  15. 前記反射部は、金属である、請求項14に記載の光電変換装置。
  16. 前記反射部は、3次元フォトニック結晶である、請求項14に記載の光電変換装置。
  17. 前記孔部の直径は、前記光電変換装置に入射する光の波長の1/2である、請求項9〜16のいずれかに記載の光電変換装置。
  18. 前記光電変換素子は、太陽電池である、請求項9〜17のいずれかに記載の光電変換装置。
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ES2277800A1 (es) * 2007-02-16 2007-07-16 Universidad Politecnica De Madrid Dispositivo para acoplar la luz de forma optima a una celula solar de banda intermedia realizada mediante puntos cuanticos.
JP2013525837A (ja) * 2010-04-23 2013-06-20 オーシャンズ キング ライティング サイエンスアンドテクノロジー カンパニー リミテッド 集光装置及びその製造方法並びに太陽電池システム

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