JP2006329519A - 触媒反応式加熱器、触媒反応式加熱システム - Google Patents
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Abstract
【課題】熱交換を効率化する装置構造を有した触媒反応式の加熱器を実現する。
【解決手段】混合ガスが流される幅広の混合ガス流路42,46と、ここから熱を吸収する冷却媒体が流される幅広の冷却媒体流路44,48が、互いに直交して重ねられている。混合ガス流路42,46は、上流側が流れ方向に対し斜めに切られた台形形状をなしている。また、混合ガス流路42,46にはフィン50が設けられその表面には酸化触媒が設置されている。したがって、混合ガスの酸化により形成される高温領域56は、冷却媒体の流れ方向に斜交するように分布する。したがって、冷却媒体を流れの幅方向に効率的に加熱することが可能となる。
【選択図】図2
【解決手段】混合ガスが流される幅広の混合ガス流路42,46と、ここから熱を吸収する冷却媒体が流される幅広の冷却媒体流路44,48が、互いに直交して重ねられている。混合ガス流路42,46は、上流側が流れ方向に対し斜めに切られた台形形状をなしている。また、混合ガス流路42,46にはフィン50が設けられその表面には酸化触媒が設置されている。したがって、混合ガスの酸化により形成される高温領域56は、冷却媒体の流れ方向に斜交するように分布する。したがって、冷却媒体を流れの幅方向に効率的に加熱することが可能となる。
【選択図】図2
Description
本発明は、燃料ガス及び酸素ガスを触媒反応させて、その反応熱を利用して冷却媒体を加熱させる装置についての技術に関する。
燃料ガスと酸素ガスとの混合ガスを触媒を利用して酸化反応させ、その反応熱を取り出す技術が知られている。下記特許文献1には、燃料ガスとして水素ガスを採用し、反応熱を用いて冷却媒体を加熱するシステムについての技術が記載されている。ここでは、混合ガスの流路と直交して冷却媒体の流路が設けられており、酸化触媒は、混合ガスの流路の上流側に担持されている。
上記特許文献1に示されたような触媒反応式加熱システムにおける問題点を、図10乃至図12を用いて説明する。図10は、触媒反応式加熱システムの中核をなす触媒反応式加熱器の一部分(ここでは便宜上熱交換ユニット200と呼ぶ)の概略構成を示した図である。熱交換ユニット200では、水素と空気からなる混合ガスが流される混合ガス流路202,206が、冷却媒体が流される冷却媒体流路204,208と交互に積層されている。
混合ガス流路202内には、混合ガスの流れ方向にのびるフィン210が多数設置され、このフィン210の表面には触媒が設けられている。そして、混合ガス流路202の一方の側面からは混合ガス212が送り込まれ、反対側の側面からは排気ガス214が排出される。この過程で、混合ガス212の水素と酸素は、フィン210の触媒の効果によって酸化反応(いわば静かな燃焼反応)を起こし、反応熱を生じさせる。酸化反応は、水素及び酸素の濃度が高い上流側ほど起こりやすく、したがって、発生する熱量も上流側ほど大きい。他方、次に述べるようにこの熱は冷却媒体によって奪われるため、結局、混合ガス流路202は、上流側で非常に高温化し、下流側では比較的低温に保たれる。図においてハッチで示した高温領域216は高温化した部分を示しており、白で示した低温領域218は比較的低温に保たれる部分を示している。
冷却媒体流路204は、混合ガス流路202とは直交する方向に延びている。この冷却媒体流路204に対しては、一方の側から低温の冷却媒体、すなわち低温冷媒222が送り込まれる。送り込まれた低温冷媒222は、壁から熱エネルギーを得て高温化し、他方の側から加熱された高温冷媒224として排出される。
図11は、図10の熱交換ユニット200を上面から描いた模式的な図であり、同一の構成には同一の番号を付している。流入した低温冷媒222が混合ガス流路202から吸収する熱エネルギーは、一般に壁の温度が高いほど大きくなる。したがって、高温領域216側を通過する冷却媒体は高温化し、低温領域218側を通過する冷却媒体はあまり高温化しない。
図12は、図11におけるAA’断面、すなわち冷却媒体流路204の下流(出口)付近での冷却媒体の温度を模式的に示した図である。横軸は混合ガス流路202の流れ方向を示しており、左側が混合ガスの上流側、右側が混合ガスの下流側に相当する。また、縦軸は冷却媒体の温度を示している。図示したように、冷却媒体は混合ガスの上流側で高温化しており、下流側ではあまり温度が上がっていない。
以上に示したように、上記特許文献1に記載されたような技術では、混合ガスの流路における上流側の冷却媒体のみが高温化しており、冷却媒体内で大きな温度差を生じている。一般に、低温の冷却媒体ほど容易に熱吸収できる。したがって、この冷却媒体が低温のままとなる上記構成は熱交換が非効率であり、好ましい構成とは言えない。この装置構成において熱吸収を効率化する方法としては、例えば冷却媒体の流れを高速化して流量増大させる態様が考えられる。しかし、流れを高速化すると、流れにおける圧力損失が増大し、また、冷媒を駆動する装置の補機損も大きくなる。しかも、冷却媒体流路を高速の流れに耐えるように強度補強する必要が生じるため、体格(大きさ)を大きくしなければならないという問題も生じる。
本発明の目的は、熱交換を効率化する装置構造を有した触媒反応式の加熱器又は加熱システムを実現することにある。
本発明の別の目的は、触媒反応式の加熱器や加熱システムの体格を小さく維持したまま、その熱交換特性を改良することにある。
本発明の触媒反応式加熱器は、燃料ガス及び酸素ガスを含む混合ガスが流される混合ガス流路と、混合ガス流路に交差して隣接設置され、混合ガス流路から熱を吸収する冷却媒体が流される冷却媒体流路と、混合ガスを酸化反応させて反応熱を生じさせる触媒が混合ガス流路内に冷却媒体流路と斜交して設けられてなる触媒部と、を備える。
触媒反応式加熱器は、燃料ガスと酸素ガスを触媒の効果によって酸化反応させ、その結果生じる反応熱を外部に取り出す装置であり、触媒反応式熱交換器と呼ばれる場合もある。燃料ガスは酸化反応により発熱するガスである。典型的には水素ガスが使用されるが、メタンガスやプロパンガス等も利用可能である。燃料ガスは、加熱により容易に気化可能であれば、メタノールのように常温で気体でないものであってもよい。混合ガスは燃料ガスと酸素ガスを含むガスであり、典型的には燃料ガスを空気と混合させて作られる。
混合ガス流路は、混合ガスが流される流路である。そして、冷却媒体流路は、混合ガス流路を冷却する冷却媒体が流される流路である。これらの流路は、熱交換が効率良く行われるように、互いに隣接させて配置される。また、この配置においては、両流路方向は交差(直交でも斜交でもよい)するように設定される。
触媒部とは、混合ガス流路内に設けられた酸化触媒が分布する領域をいう。酸化触媒としては、例えば白金やパラジウムを用いることができる。触媒部は、混合ガス流路に設けられたフィンや突起物の表面の一部又は全部に触媒を設けることで形成される。この触媒分布、すなわち触媒配置の形状、密度、方向などをどのようなものとするかには任意性がある。しかし、ここでは、触媒分布を冷却媒体流路と斜交するように設定することとした。つまり、冷却媒体流路から見た場合に、冷却媒体の流れ方向に進むに従って触媒の存在する位置が幅方向に変化するように触媒分布を定める。これにより、触媒反応の発熱により形成される高温領域の位置もまた冷却媒体流路の幅方向に変化することとなる。
この構成によれば、冷却媒体が大量の熱を受け取る幅方向の位置が流れ方向に進むに従って変化するため、変化がない場合に比べて冷却媒体の温度上昇が幅方向に均等化され、熱吸収効率が向上するものと期待できる。したがって、例えば、従来と同程度の熱吸収効率を実現するために必要となる冷却媒体の流量を小さく(流路を小型化にしたり、流速を小さくしたりして実現される)することができ、装置全体をコンパクトなものにすることが可能となる。
本発明の触媒反応式加熱器の一態様においては、触媒部においては、混合ガス流路の上流側において触媒分布領域が冷却媒体流路の一部又は全部と斜交するように触媒が設けられている。なお、混合ガス流路の下流側における触媒分布領域の形状は、通常は特に限定されるものではない。これは、触媒部が混合ガスの流れ方向に長い場合には、一般に最も高温化する部分は触媒部の上流側であり、下流側の形状の影響はあまり大きくないことによる。
本発明の触媒反応式加熱器の一態様においては、冷却媒体流路は、混合ガス流路と略直交して設けられ、触媒部においては、混合ガス流路の上流側において触媒分布領域が混合ガス流路と斜交するように触媒が設けられている。また、本発明の触媒反応式加熱器の一態様においては、混合ガス流路の上流側における触媒分布領域はV字型または逆V字型に設定されている。
本発明の触媒反応式加熱器の一態様においては、冷却媒体流路は、混合ガス流路と斜交して設けられ、触媒部においては、混合ガス流路の上流側において触媒分布領域が混合ガス流路と略直交するように触媒が設けられている。なお、この構成以外にも両流路及び触媒部の位置関係を設定することが可能である。例えば、冷却媒体流路は混合ガス流路と斜交して設けられ、触媒部は混合ガス流路内に斜交して配置され、なおかつ触媒部が冷却媒体流路の一部又は全部の幅帯を斜交するように配置することも可能である。
本発明の触媒反応式加熱器の一態様においては、触媒部においては、混合ガス流路の上流側において触媒の等密度領域が冷却媒体流路の一部又は全部と斜交するように触媒が設けられている。つまり、触媒部の密度分布の設定により酸化反応の進行を制御して、高温領域の分布を所望のものとすることができる。例えば、二つの流路が略直交する場合には、触媒の密度は混合ガス流路の幅方向に不均一となるように設定すればよい。
本発明の触媒反応式加熱器の一態様においては、複数の混合ガス流路と複数の冷却媒体流路が交互に積層配置されている。各流路の幅広面の形状は、熱交換が効率良く行われるのであれば平面的であってもよいし曲面的であってもよい。重ね合わせは全層を通じて同位置で行ってもよいが、順次あるいは互い違いに若干位置をずらすなどして上層と下層との高温領域の位置を変化させることも有効である。また、本発明の触媒反応式加熱器の一態様においては、隣り合う混合ガス流路における触媒の斜交方向が互いに異なっている。あるいは、隣り合う混合ガス流路における高温領域の斜交方向を同じとしたまま、位置を互いに異ならせるように設定してもよい。
本発明の触媒反応式加熱システムは、上記触媒反応式加熱器と、混合ガスを混合ガス流路に供給する混合ガス供給部と、冷却媒体を冷却媒体流路に循環させる冷却媒体循環部と、を備える。
なお、本発明の触媒反応式加熱器の一態様として、燃料ガス及び酸素ガスを含む混合ガスが流される幅広の混合ガス流路と、混合ガス流路から熱を吸収する冷却媒体が混合ガス流路と交差する方向に流される幅広の冷却媒体流路であって、混合ガス流路の幅広面にその幅広面が隣接して設けられた冷却媒体流路と、混合ガスを酸化反応させて反応熱を生じさせる触媒が混合ガス流路の幅方向に拡がりを持って混合ガス流路内に設けられてなる触媒部であって、反応熱により形成される高温領域が冷却媒体流路の幅方向の一部又は全部と斜交するように触媒分布が設定された触媒部と、を備える態様を採用することも可能である。
幅広とは厚み方向に比べて幅方向が長い構造をいう。幅広の流路は、流路内が空洞である単体の大きな流路により形成されてもよいし、複数の細流路が集合することで形成されてもよい。一般に、幅広の度合いが高くなるほど単位体積あたりの表面積が大きくなり熱交換効率が高められるが、幅方向への流体の動きが制限されるなどして幅方向の熱交換が相対的に起こりにくくなる。このため、幅広の度合いを高めるほど冷却媒体流路に対する高温領域の位置関係が重要となる。また、触媒部は混合ガス流路内の混合ガスを十分に反応させるように設けられることが好ましく、混合ガス流路の幅方向に十分な拡がりを持って配置され、また、通常は流れ方向にも適当な拡がりを持って配置される。この触媒分布、すなわち触媒配置の形状、密度、方向などをどのようなものとするかには任意性がある。しかし、ここでは、触媒分布を、その触媒分布にともなう反応熱に起因した高温領域が冷却媒体流路の幅方向の一部又は全部と斜交するように設定することとした。つまり、冷却媒体流路から見た場合に、冷却媒体の流れ方向に進むに従って壁面における高温領域の位置が冷却媒体流路の幅方向に変化するように、触媒分布を定める。
ここで、高温領域とは、混合ガス流路において相対的に温度が高くなった領域をいう。触媒によって作り出される高温領域は、混合ガスの流れによる熱の移流効果が小さい場合には、酸化反応の発熱が最も多い位置付近であると考えられ、熱の移流効果が大きい場合には上流での発熱量の影響も受けるため発熱量の最も大きい位置よりもやや下流側になると推測される。そして、酸化反応の発熱量は、燃料ガス量や酸素ガス量が多くなると増大すると考えられる。また、ガスの温度上昇、ガスの乱流の度合いの増加、触媒の接触面積の増加等によっても発熱量は増加すると予測される。触媒分布を決定する場合には、こうした理論的知見を基に見通しを立てたり、実際に実験を行うことによって適宜決定すればよい。
以下に本発明の代表的な実施の形態について説明する。
[第1の実施例]図1は、第1の実施例にかかる触媒反応式加熱システム10の概略構成を説明する図である。この触媒反応式加熱システム10は、用意された水素タンク30内の水素ガスと空気(外気)32を取り込んで熱を発生させ、加熱対象物34を加熱するためのシステムである。
触媒反応式加熱システム10には、触媒反応式加熱器12が設けられている。触媒反応式加熱器12は、触媒が内部に設置された混合ガス流路と、この混合ガス流路を取り巻く冷却媒体流路が設けられた装置である。触媒反応式加熱器12の混合ガス流路に対しては、上流側に混合ガス供給路14が取り付けられ、下流側に排気路16が取り付けられている。混合ガス供給路14に対しては、水素ガス供給路18を通じて水素タンク30から水素ガスが送られ、また、空気供給路20を通じてポンプ22により空気32が送られる。混合ガス供給路14では、これらを混合することで水素ガスと酸素ガスとを含む混合ガスを作りだし、触媒反応式加熱器12に供給する。
触媒反応式加熱器12の冷却媒体流路の入口及び出口に対しては、両者を結ぶ冷媒循環路24が取り付けられている。冷媒循環路24にはポンプ26が取り付けられており、内部に封入された冷却媒体(冷媒)が強制的に循環させられる。すなわち、触媒反応式加熱器12からは高温の冷却媒体が排出され、その熱によって加熱対象物34を加熱する。そして、この過程で冷却された冷却媒体は再び触媒反応式加熱器12に送り込まれることとなる。
続いて、図2乃至図4を用いて、触媒反応式加熱器12の構成例について詳しく説明する。図2乃至図4は、触媒反応式加熱器12の一部分について説明する図であり、それぞれ図10乃至図12に対応している。
図2は、触媒反応式加熱器12の一部分である熱交換ユニット40の概略構成を示した図である。熱交換ユニット40では、図10で説明したように、混合ガス流路42,46と冷却媒体流路44、48とが交互に積層されている。各層の厚さは例えば2,3mm程度、横方向の各辺の長さは1〜2cm程度である。触媒反応式加熱器12は、層方向及び横方向にこのような熱交換ユニットを多数備えており、全体として大きな熱量を生み出すことができる。
図2の構成において特徴的な点は、混合ガス流路42,46が、図10の混合ガス流路202,206と異なり台形形状に形成されていることである。すなわち、冷却媒体流路44,48は図10と同様に方形形状に形成されているのに対し、混合ガス流路202,206は混合ガスの流れの上流側が斜めに切り取られたような形状をなしている。
混合ガス流路42の内部には、やはりフィン50が設置され、その表面には酸化触媒が設けられている。そして、斜めに切り取られた側から混合ガス52が送り込まれ、反対側から排気ガス54が排出される。この結果、混合ガス流路42の手前側には、台形の斜辺に沿って高温領域56が形成され、その奥側には低温領域58が形成される。
冷却媒体流路44は、混合ガス流路42と直交する方向に延びている。そして、一方から低温冷媒62が送り込まれ、他方から高温冷媒64が排出される。
図3は、図2の熱交換ユニット40を上側から描いた図であり、同一の構成には同一の番号を付している。ここでは、図11の場合とは異なり、高温領域56は冷却媒体流路の対角線上に分布している。このため、低温冷媒62は、冷却媒体流路を進むにつれ、その幅方向の全ての部分において高温領域56と接することとなる。したがって、図4に示したように、排出される高温冷媒64における幅方向の温度むらは小さなものとなる。図4は、図3におけるAA’断面について冷却媒体の温度を模式的に示した図であり、図12の場合とは異なり幅方向に一様に高温化されたことを表している。
続いて、図5〜図9までの各図を用いて、熱交換ユニットの変形例について説明する。
[第2の実施例]図5は、第2の実施例を説明する図である。この図は、図2に対応するものであり、同一の構成には同一の番号を付して説明を省略化または簡略化する。図示した熱交換ユニット70においては、図2に示した熱交換ユニット40の混合ガス流路46の代わりに、台形形状の斜辺の傾きが異なる混合ガス流路72を採用している。
図2の例では、冷却媒体流路44を挟んで隣り合う混合ガス流路42,46は、冷却媒体流路44に射影した場合の形状及び位置が一致するように設定されていた。このため、冷却媒体流路44においては、その方形形状における一方の対角線方向に沿って上下の壁が高温領域となっていた。これに対し、図5の例では、冷却媒体流路44を挟んで隣り合う混合ガス流路42,72の形状が異なっており、対応する触媒分布の形状も異なっている。つまり、混合ガス流路42においては、触媒分布の上流側の形状は、右手前から左奥に斜交する直線形状であるのに対し、混合ガス流路72においては、左手前から右奥に斜交する直線形状である。このため、冷却媒体流路44の上側の壁と下側の壁にはそれぞれ別の対角線に沿って高温領域が形成され、全体として見ればX字型の高温領域が形成されることになる。
この構成によれば、冷却媒体流路44を流れる冷却媒体は、その幅方向にほぼ左右対称の加熱を受けることとなる。したがって、冷却媒体の加熱を幅方向に均一化することが可能となる。なお、触媒反応式加熱器において、混合ガス流路及び冷却媒体流路がさらに多数積層される場合には、例えば混合ガス流路の高温領域の方向が交互に入れ替わるように、混合ガス流路の触媒分布形状を設定すればよい。
[第3の実施例]図6は、第3の実施例を説明する図である。この図は、図2に対応するものであり、同一の構成には同一の番号を付して説明を省略化または簡略化する。図示した熱交換ユニット80においては、図2に示した熱交換ユニット40の台形形状の混合ガス流路42,46の代わりに、V字型形状の混合ガス流路82,84を採用している。混合ガス流路82,84においては、その内部に設けられたフィンの表面に触媒が設置されている。そして、混合ガス流路82においては、触媒分布の上流側の形状も中央手前から左奥及び右奥に直線的に伸びるV字形状となっている。この形状は、冷却媒体流路44を挟んで隣り合う混合ガス流路84においても同様である。
この構成によれば、冷却媒体流路44を流れる冷却媒体は、まずはじめ右側から左側にかけて順次加熱され、次に左側から右側にかえて順次加熱される。したがって、この幅方向の加熱の繰り返しにより、冷却媒体の加熱量が幅方向に均一化されることが期待できる。
[第4の実施例]図7は、第4の実施例を説明する図である。この図は、図2に対応するものであり、同一の構成には同一の番号を付して説明を省略化または簡略化する。図示した熱交換ユニット90においては、図2に示した熱交換ユニット40の台形形状の混合ガス流路42,46の代わりに、V字型形状の混合ガス流路92,94を採用している。ただし、この混合ガス流路92,94は、図6に示したV字型形状の混合ガス流路82,84とは形状が異なっている。すなわち、図6の混合ガス流路82,84は、上流側のみがV字型であり、下流側は流路と直交する直線状の形状をなしていた。また、図6の混合ガス流路82,84は、冷却媒体流路44に投影した場合に形状及び配置位置が一致するように設置されていた。これに対し、熱交換ユニット90の混合ガス流路92,94は、上流側及び下流側がともにV字型に形成されており、流れ方向の長さが比較的短い。このため、例えば、上側の混合ガス流路92においては、流路全体が相対的に温度が高い高温領域96となっている。したがって、装置全体を軽量化することができる他、高価な触媒用金属にかかるコストを削減することも可能となっている。
また、熱交換ユニット90においては、上側の混合ガス流路92は中央側ほど上流に位置するV字型であるのに対し、下側の混合ガス流路94は中央側ほど下流に位置する逆V字型に形成されている。このため、これらに挟まれた冷却媒体流路44は、これらの混合ガス流路92,94によって、X型の高温領域が連続して二つ並んだかのような加熱を受ける。したがって、冷却媒体の加熱量を幅方向に非常に均一化する効果が高まるものと期待される。
[第5の実施例]図8は、第5の実施例を説明する図である。この図は、図3に対応するものであり、同一の構成には同一の番号を付して説明を省略化または簡略化する。図示した熱交換ユニット100においては、方形形状の混合ガス流路が設けられている。しかし、図11の熱交換ユニット40の混合ガス流路202とは異なり、触媒の密度分布が非一様に設定されている。つまり、この混合ガス流路では、対角線近傍を境目として、フィンの数が多く触媒密度も高い高触媒領域102と、フィンの数が少なく触媒密度も低い低触媒領域104とに分けられて構成されている。
この結果、温度は、高濃度の混合ガスが高触媒領域102に触れる付近、及び、低濃度の混合ガスが低触媒領域104に達してからしばらく経過した付近で上昇する。図示した高温領域106はこの領域を模式的に示したものであり、高触媒領域102と低触媒領域104の境目付近に分布している。従って、前に示した例と同様に、幅方向の加熱量を均一化することが可能となる。
なお、この触媒密度分布を設定するにあたっては、流入する低温冷媒62がどの幅方向においても同程度の長さの高温領域106を通過するように考慮している。これにより、冷却媒体の加熱量を幅方向に均一化する効果が高められる。また、触媒密度の設定は、フィンの数にかかわらず適宜行うことが可能である。これにより、フィンの形状にとらわれず効率的な高温パターンを設計することや、不要な部分の触媒配置をやめて触媒原料のコストを削減することも可能となっている。
[第6の実施例]図9は、第6の実施例を説明する図である。この図は、図3に対応するものであり、同一の構成には同一の番号を付して説明を省略化または簡略化する。図示した熱交換ユニット110における主たる特徴は、混合ガス52及び排気ガス54が流れる方向と冷却媒体すなわち低温冷媒118及び高温冷媒120が流れる方向とが斜交している点にある。このため、両者は平行四辺形形状の領域112において交差している。そして、混合ガス流路114は混合ガス52の流れに直交するように、この平行四辺形の領域112内に配置されている。また、触媒は混合ガス流路114内に全面的に設けられているため、その上流側が高温領域116となっている。
冷却媒体は、混合ガス流路114及び高温領域116を斜交するように流れる。したがって、下流側に進むにつれて、高温領域116と重なる幅方向の位置が変化する。これにより、冷却媒体の加熱量を幅方向に均一化することが可能となる。
10 触媒反応式加熱システム、12 触媒反応式加熱器、14 混合ガス供給路、16 排気路、18 水素ガス供給路、20 空気供給路、22,26 ポンプ、24 冷媒循環路、30 水素タンク、32 空気、34 加熱対象物、40,70,80,90,100,110 熱交換ユニット、42,46 混合ガス流路、44,48 冷却媒体流路、50 フィン、52 混合ガス、54 排気ガス、56 高温領域、58 低温領域、62 低温冷媒、64 高温冷媒、102 高触媒領域、104 低触媒領域。
Claims (9)
- 燃料ガス及び酸素ガスを含む混合ガスが流される混合ガス流路と、
混合ガス流路に交差して隣接設置され、混合ガス流路から熱を吸収する冷却媒体が流される冷却媒体流路と、
混合ガスを酸化反応させて反応熱を生じさせる触媒が混合ガス流路内に冷却媒体流路と斜交して設けられてなる触媒部と、
を備える、ことを特徴とする触媒反応式加熱器。 - 請求項1に記載の触媒反応式加熱器において、
触媒部においては、混合ガス流路の上流側において触媒分布領域が冷却媒体流路の一部又は全部と斜交するように触媒が設けられている、ことを特徴とする触媒反応式加熱器。 - 請求項1又は2に記載の触媒反応式加熱器において、
冷却媒体流路は、混合ガス流路と略直交して設けられ、
触媒部においては、混合ガス流路の上流側において触媒分布領域が混合ガス流路と斜交するように触媒が設けられている、ことを特徴とする触媒反応式加熱器。 - 請求項3に記載の触媒反応式加熱器において、
混合ガス流路の上流側における触媒分布領域はV字型または逆V字型に設定されている、ことを特徴とする触媒反応式加熱器。 - 請求項1又は2に記載の触媒反応式加熱器において、
冷却媒体流路は、混合ガス流路と斜交して設けられ、
触媒部においては、混合ガス流路の上流側において触媒分布領域が混合ガス流路と略直交するように触媒が設けられている、ことを特徴とする触媒反応式加熱器。 - 請求項1に記載の触媒反応式加熱器において、
触媒部においては、混合ガス流路の上流側において触媒の等密度領域が冷却媒体流路の一部又は全部と斜交するように触媒が設けられている、ことを特徴とする触媒反応式加熱器。 - 請求項1に記載の触媒反応式加熱器において、
複数の混合ガス流路と複数の冷却媒体流路が交互に積層配置されている、ことを特徴とする触媒反応式加熱器。 - 請求項7に記載の触媒反応式加熱器において、
隣り合う混合ガス流路における触媒の斜交方向が互いに異なっている、ことを特徴とする触媒反応式加熱器。 - 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の触媒反応式加熱器と、
混合ガスを混合ガス流路に供給する混合ガス供給部と、
冷却媒体を冷却媒体流路に循環させる冷却媒体循環部と、
を備える、ことを特徴とする触媒反応式加熱システム。
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- 2005-05-26 JP JP2005153423A patent/JP2006329519A/ja active Pending
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