JP2006328686A - 屋外構造物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】柱10の下部を地盤11に埋めて基礎14で固定し、その柱10の上部に屋根12を取付けし、前記柱10の中心10cを基礎14の中心に対して柱10に作用する転倒荷重方向にずらし、その柱10の下部に荷重受部材20を、転倒荷重方向と直角方向の2つの面10d,10eよりも張り出して取付け、基礎14における荷重受部材20と対向した部分で転倒荷重を支持するようにし、それによって前述の部分のかぶり厚さを小さくできるから、柱10を隣接境界線の近くに設置できる。
【選択図】図2
Description
このようなカーポートにおいては、屋根に作用する吹き上げ風等で柱に上向きの力が作用して浮き上がろうとすると共に、その吹き上げ風等で柱を一方向に倒す力が作用して一方向に転倒しようとし、前記屋根に堆積した雪等で柱に下向きの力が作用して沈もうとすると共に、その雪等で柱を他方向に倒す力が作用して他方向に転倒しようとする。
これらのことから、地盤に埋められた柱の下部にアンカーを設けると共に、その柱の下部周囲をコンクリートの基礎で覆って固定保持している。
このようにすることで、柱3と基礎5との接着及びアンカー4のせん断等で柱3の浮き上がり、沈み込みを防止している。
また、柱3と基礎5の接触、柱3の下端面と孔2の底面の接地、転倒方向の柱面による基礎抵抗等で柱3の転倒を防止している。
前述の転倒方向の柱面による基礎抵抗とは、柱3に一方向(矢印a方向)の転倒荷重が作用した場合には柱3の一方の面3aと対向した基礎5の一側部分5aで倒れないように支持し、柱3に他方向(矢印b方向)の転倒荷重が作用した場合には柱3の他方の面3bと対向した基礎5の他側部分5bで倒れないように支持することである。
前述の部分5a,5bのかぶり厚さが所定の厚さよりも小さいと、基礎5が図7に1点鎖線で示す部分付近から破断して柱3が転倒することがある。
このために、柱を隣地境界際に設置する場合には、図8に示すように、柱3を隣地境界線Aから前述の所定のかぶり厚さH1に相当する距離以上離隔して設置し、基礎5が隣地境界線Aを越えて隣地(となりの敷地)に張り出さないようにする必要がある。なお、隣地境界線Aとは自己の敷地と隣の敷地との境界線のことである。
このことは、柱3を建家外壁に隣接して設置する場合も同様である。
前記柱の中心と基礎の中心が、その柱に作用する転倒荷重方向にずれ、
前記柱の下部に荷重受部材を、転倒荷重方向と直角方向の面よりも張り出して取付け、この荷重受部材は柱の長手方向に長尺で、前記基礎における荷重受部材と対向した部分で柱に作用する転倒荷重を支持できるようにしたことを特徴とする屋外構造物である。
前記柱の中心と基礎の中心は一方の面、他方の面方向にずれて柱の一方の面が基礎の一方の面と面一で、
前記柱の2つの面における下部に荷重受部材を取付け、この荷重受部材は柱の長手方向に長尺で前記基礎における荷重受部材と対向した部分で柱に作用する転倒荷重を支持できるようにしたことを特徴とする屋外構造物である。
また、基礎における荷重受部材と対向した部分で柱に作用する転倒荷重を支持するので基礎における柱の面と対向した部分で支持する転倒荷重が小さく、その部分のかぶり厚さを柱の転倒を防止するために必要なかぶり厚さよりも小さくできる。
したがって、柱を隣接境界線に近く設置できるし、建物外壁に近く設置することが可能である。
この柱10は屋根12に作用する吹き上げ風等で上向きの力と一方向(矢印cで示すように柱10の一方の面10a方向)の転倒荷重が作用し、屋根12に堆積した雪等で下向きの力と他方向(矢印dで示すように柱10の他方の面10b方向)の転倒荷重が作用する。
この実施の形態では、複数の柱10の上部に屋根12を、柱10の他方の面10b方向に張り出して取付けた片持ちタイプのカーポートである。
図2と図3に示すように、地盤11に孔13を掘削などで形成する。この孔13は相対向した一対の第1内面13aと相対向した一対の第2内面13bを有する矩形状である。
この孔13内に柱10の下部を挿入し、その柱10の周面と孔13の内面との間にコンクリートを打設して柱10の周面を覆う基礎14としてある。
この柱10の中心10cは孔13の中心13cとずれ、柱10の中心10cと基礎14の中心はずれている。この中心のずれ方向は前述した柱10に作用する転倒荷重方向(矢印c,d)である。
例えば、柱10は孔13の一対の第1内面13a方向の転倒荷重が作用するので、柱10の中心10cが孔13の中心13cに対して一対の第1内面13a方向にずれている。第2内面13b方向には各中心10c,13cが合致しているが、ずれていても良い。
この実施の形態では、柱10の中心10cが孔13の一方の第1内面13a寄りにずれ、柱10の一方の面10aが孔13の一方の第1内面13aと面一である。これは、前述のように屋根12が柱10の他方の面10bよりも張り出しているためであり、必ずしもこれに限ることはない。
この荷重受部材20は柱10の長手方向に長尺で、好ましくは柱10の下端面10fから基礎14の表面14aよりも若干下の位置までに亘って取付けてある。つまり、荷重受部材20は基礎14に埋設されている。
したがって、基礎14における柱10の一方の面10aと対向した部分のかぶり厚さが、柱の転倒を防止するために必要な所定のかぶり厚さよりも小さくできる。この実施の形態では、かぶり厚さがゼロである。
すなわち、前述した荷重受部材20の張り出し長さ、埋め込み方向長さ(つまり、大きさ)は、前述の基礎14における柱10の一方の面10aと対向した部分のかぶり厚さが、所定のかぶり厚さよりも小さい分を補償できるものであれば良い。なお、補償する大きさよりも大きい荷重受部材20で良いことは勿論である。
なお、荷重受部材20とは別にアンカーを取付けても良い。この場合には荷重受部材20の上部を基礎14の表面14aよりも上方に突出させても良い。
また、断面鉤形で短尺な荷重受部材20を、柱10の面10d,10eに埋め込み方向に間隔を置いて複数取付けしても良い。
前述の荷重受部材20は断面鉤形に限ることはなく、種々の断面形状とすることができる。
例えば、図5(a)に示す断面コ字形、図5(b)に示すように断面矩形、図5(c)に示すように断面三角形などとすることができる。また、図6に示すように荷重受部材20をプレート形状とし、柱の他方の面10bに固着具23で固着して取付け、柱10の2つの面10d,10eよりも張り出すようにしても良い。
すなわち、荷重受部材20の形状は自由であり、その基礎14と接する面積が柱10の基礎14と接する面積の10%以上であれば良い。
つまり、柱10に一方向の転倒荷重が作用した時に、基礎14には一方向に引張り荷重が作用し、その基礎14における荷重受部材20と対向した部分を境として一方の第1内面13a寄り部分14−1と他方の第2内面13a寄り部分14−2との境界部分から破断するので、前述のように引張補強部材30で基礎14の引張強度を補強し、破断しづらくしてある。
また、荷重受部材20は2つの10d,10eにおける他方の面13c寄りに取付けてあるが、一方の面10a寄りの位置に取付けても良いし、一方の面10aと他方の面10bとの中央の位置、他方の面10bと面一の位置に取付けても良く、さらには荷重を受ける部分が他方の面10bよりも張り出すように取付けても良い。
前述の実施の形態では柱10は断面矩形状であるが、断面円形状、だ円形などでも良い。
Claims (4)
- 柱の下部を地盤に埋めて基礎で固定し、その柱の上部に屋根を取付けした屋外構造物であって、
前記柱の中心と基礎の中心が、その柱に作用する転倒荷重方向にずれ、
前記柱の下部に荷重受部材を、転倒荷重方向と直角方向の面よりも張り出して取付け、この荷重受部材は柱の長手方向に長尺で、前記基礎における荷重受部材と対向した部分で柱に作用する転倒荷重を支持できるようにしたことを特徴とする屋外構造物。 - 一方の面と他方の面と2つの面を有する断面矩形状の柱の下部を地盤に埋めて基礎で固定し、その柱の上部に屋根を、他方の面よりも張り出して取付けて柱の一方の面と他方の面の方向に転倒荷重が作用するようにし、
前記柱の中心と基礎の中心は一方の面、他方の面方向にずれて柱の一方の面が基礎の一方の面と面一で、
前記柱の2つの面における下部に荷重受部材を取付け、この荷重受部材は柱の長手方向に長尺で前記基礎における荷重受部材と対向した部分で柱に作用する転倒荷重を支持できるようにしたことを特徴とする屋外構造物。 - 荷重受部材は基礎に埋設されて基礎の表面と荷重受部材の上面との間に隙間がある請求項1又は2記載の屋外構造物。
- 基礎における荷重受部材を境とした転倒荷重方向の両側に亘って引張補強部材を設けた請求項1又は2記載の屋外構造物。
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