JP2006328305A - 冶金用コークスの製造方法および製造設備 - Google Patents

冶金用コークスの製造方法および製造設備 Download PDF

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Abstract

【課題】コークス炉に装入する石炭が含有する水分量を減少させてコークスを製造する際に、コークス炉の安定操業を維持しつつ、環境への影響を最小限におさえながら、コークス強度の向上が可能な、コークスの製造方法および製造設備を提供すること。
【解決手段】コークス原料となる石炭の少なくとも一部を、粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、粒径の大きな石炭を乾燥する乾燥工程と、粒径の小さな石炭とコークス原料となる石炭の残部とを粉砕する粉砕工程と、乾燥工程で乾燥した石炭と粉砕工程で粉砕した石炭とを共にコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法を用いる。粘結性が高い石炭(X)と粘結性が低い石炭(Y)とを用いる際には石炭(X)の少なくとも一部を、イナート量が低い石炭(X)とイナート量が高い石炭(Y)とを用いる際には石炭(X)の少なくとも一部を分級する。
【選択図】図1

Description

本発明は、製鉄原料として用いるコークスの製造方法および製造設備に関する。
製鉄用原料として用いるコークスは、高炉内の通気性を維持する重要な役割を担っており、安定した微粉炭多量吹き込み操業、高出銑操業あるいは低還元材比操業を達成するため、高品質なコークスは必要不可欠であると考えられている。特に、高炉内での粉発生を抑制する高強度コークスが強く望まれている。
高強度のコークスを製造するためには、コークス炉に装入する配合炭の性状、例えば、平均最大反射率(Ro)やギーセラー最高流動度(MF)を向上させる方法がある。しかし、RoやMFの大きな高品質の石炭は高価であるとともに、資源量も少ないため、コスト面あるいは需給制約により、この方法だけで高強度のコークスを製造することは困難である。そこで、配合炭性状を制御する石炭の配合技術の開発に加えて、石炭の事前処理を行なうコークス製造技術の開発も行なわれている。
石炭の事前処理を行い高強度のコークスを製造するためには、コークス原料の石炭の粒径を小さくして均質化を図ることで欠陥の生成を減らして強度を高める方法、あるいはコークス炉に装入する石炭に含有される水分量を減少させて充填密度を高くすることで強度を高める方法などが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。コークス炉に装入する石炭の水分量を減少させる方法は、コークス品質のみならず省エネルギー効果も得られることから、多くのコークス製造現場において石炭水分を制御する調湿設備が積極的に導入されている。
石炭の水分量が高い場合には、石炭は水をバインダーとして粗粒子と微粒子が凝集した擬似粒子を形成する。また、石炭粒子表面間の摩擦力が大きい状態にある。これらの現象は、粉体である石炭をコークス炉に装入した場合、装入密度の上昇を阻害する要因となっている。したがって、石炭の水分量を減少させることにより、擬似粒子が崩壊し、石炭粒子表面間の摩擦力が小さくなるため、装入嵩密度は上昇する。この結果として、高強度のコークスが製造できる。
特開平6−184543号公報 特開平11−181440号公報
しかし、石炭の水分を単に大幅に減少させてコークスの製造を行なうと、以下のような問題が発生する。石炭の水分量の減少とともに擬似粒子が崩壊する結果、石炭粉のハンドリング過程における微粉の飛散量が飛躍的に増大する。この結果、コークス炉の搬送過程における作業環境の悪化のみならず、コークス炉への石炭の装入時に飛散した石炭粉(キャリオーバー)がコークス炉上部炉壁に付着して、カーボンが成長することによりコークス炉の安定操業を阻害する。また、キャリオーバーがコークス製造時の副産物であるタール中に混入し、タールの品質を低下させる。特許文献1においては、乾燥後の装入炭に石炭系瀝青物をコーティングすると共に擬似粒子化してコークス炉に装入する方法を用いて発塵性を防止しているが、このような処理を行うことは手間がかかりコスト高である。
上記のようなマイナス要因を有するため、コークス炉の操業条件、コークス炉炉壁の状態、副産物の品質を考慮しながら、石炭の水分量の下限値を適宜設定した操業が行なわれている。このような理由から、石炭の水分を十分に減少させてコークス強度を向上させることは困難である。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、コークス炉に装入する石炭が含有する水分量を減少させてコークスを製造する際に、コークス炉の安定操業を維持しつつ、環境への影響を最小限におさえながら、コークス強度の向上が可能な、コークスの製造方法および製造設備を提供することにある。
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
(1)コークス原料となる石炭の少なくとも一部を、粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を乾燥する乾燥工程と、前記粒径の小さな石炭と前記コークス原料となる石炭の残部とを粉砕する粉砕工程と、前記乾燥工程で乾燥した石炭と前記粉砕工程で粉砕した石炭とを共にコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
(2)粘結性が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも粘結性が低い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を乾燥する乾燥工程と、前記粒径の小さな石炭と前記石炭(X)の残部と前記石炭(Y)とを粉砕する粉砕工程と、前記乾燥工程で乾燥した石炭と前記粉砕工程で粉砕した石炭とを共にコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
(3)イナート量が低い石炭(X)と該石炭(X)よりもイナート量が高い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を乾燥する乾燥工程と、前記粒径の小さな石炭と前記石炭(X)の残部と前記石炭(Y)とを粉砕する粉砕工程と、前記乾燥工程で乾燥した石炭と前記粉砕工程で粉砕した石炭とを共にコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
(4)1〜20mmの範囲内で設定した粒径で粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級することを特徴とする(1)ないし(3)のいずれかに記載のコークスの製造方法。
(5)コークス原料となる石炭の一部を、粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級機と、前記粒径の大きな石炭を乾燥する乾燥機と、前記粒径の小さな石炭と前記コークス原料となる石炭の残部とを配合する配合槽と、該配合槽で配合した石炭を粉砕する粉砕機と、該粉砕機で処理された石炭と前記乾燥機で乾燥された石炭とをコークス炉へ搬送するための搬送機とからなることを特徴とするコークスの製造設備。
本発明によれば、従来製造されているコークスよりもさらに高強度を有するコークスを操業トラブルを増加させること無く製造することができる。また、乾留熱量が低減し、乾留速度も増加して、コークスの増産や品質向上が可能となる。このような高品質なコークスを高炉で使用することで、高炉内において充分な通気性が確保され、高炉の安定操業を継続することができる。
本発明では、コークス原料となる石炭の少なくとも一部を、粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を乾燥する乾燥工程と、前記粒径の小さな石炭と前記コークス原料となる石炭の残部を粉砕する粉砕工程と、乾燥工程で乾燥した石炭と粉砕工程で粉砕した石炭を共にコークス炉に装入することを特徴とする。コークス炉に装入する石炭の水分量を減少させるとコークス強度は向上するが、上記で説明したように微粉発生の問題があり、原料石炭の水分の除去量には限界がある。本発明では、水分低下に伴う微粉の発生に影響を及ぼさない粗粒部分の石炭のみを乾燥してその水分を極端に低下させることで、微粉発生を防止すると共に、石炭強度の向上が可能であることを見出して、本発明を完成した。
粒径の大きい石炭と粒径の小さい石炭との分級は篩を用いて篩い分けを行なう程度で十分であり、したがって、分級工程としては、例えば篩を用いて篩上と篩下とに石炭を分級する。篩目よりも大きい粒径の石炭である篩上については乾燥工程において乾燥する。乾燥工程では必ずしも石炭の水分含有量が0mass%になるまで完全に水分を除去する必要は無く、石炭の水分量を十分に減少させることができればよい。乾燥工程では、たとえば水蒸気を熱源として水分量を下げる調湿機や、高温の予熱ガスにより石炭を加熱する加熱機、流動床乾燥機、気流加熱塔などを用いることができる。篩目以下の粒径である篩下および分級工程を経ていない石炭は、これらを共に、あるいは別々に配合する配合工程後、粉砕工程において粉砕処理を行なう。あるいは配合工程を経ずに粉砕工程において粉砕処理を行なってもよい。通常のコークス炉の操業においては、全装入炭の粒度が一定となるようにコークス炉に石炭を装入するので、粗粒部分が粉砕されずにコークス炉に装入される本発明方法を用いる場合は、粉砕工程で粉砕する石炭は、従来の操業条件よりも細かく粉砕する必要が生じる。篩下および分級工程を経ていない石炭については乾燥処理を行なっていないため石炭水分が十分高く、微粉の飛散トラブルが起こりにくいため、通常よりも細かく粉砕しても問題はない。乾燥後の粗粒石炭と粉砕後の微粒石炭は、配合工程を経て、あるいは配合工程を経ずに共にコークス炉に装入する。
本発明では、コークス原料となる石炭の少なくとも一部を分級工程により分級するが、コークス原料となる石炭の一部のみを分級する際には、分級を行なう石炭の性状としては、粗粒部分が粉砕されずにコークス炉に装入されるため、粗粒の状態でも十分に軟化溶融して周辺の石炭と融着するとともに、再固化後も欠陥構造を生成しにくい石炭を優先的に用いることが望ましい。石炭の融着性の観点からは、高MF炭など高粘結性の石炭、あるいは軟化溶融しないイナート量が少ない石炭を優先的に用いることが望ましい。粘結性は石炭粒子が溶けて接着する力を表しており融着性の重要な指標となる。また、イナートはそのものが軟化溶融しないため、軟化溶融物との接着性が悪く、融着性阻害要因である点で重要な指標となる。したがって、原料石炭としてイナート量の多い非微粘結炭を用いる場合は、非微粘結炭を分級する石炭として選択しないことが望ましい。
一方、欠陥構造生成の観点からは、高Roなど高炭化度炭を優先的に分級することが望ましい。石炭のコークス化過程における収縮量は低Ro炭ほど大きいため、高炭化度炭であれば粗粒の場合でも収縮量が相対的に小さいため、再固化後の欠陥構造が生成しにくくなる。
したがって、特に高品位の石炭を製造するためには、原料石炭の中で、高粘結性の石炭、イナート量の少ない石炭、高炭化度炭の中から選ばれる1種以上の石炭の一部または全部を分級工程および乾燥工程で処理することが望ましい。原料石炭のうち、比較的高粘結性を有するもの、比較的イナート量が少ないもの、比較的炭化度が高いものを用いれば効果がある。
分級工程において、石炭を粒径の大きい石炭と粒径の小さい石炭とに分級する際には、1〜20mmの範囲内で設定した粒径で粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級することが好ましい。分級粒径が20mm超であると、粗粒の歩留まりが低下して、配合炭全体としての水分量の減少量が少なくなるため、コークス強度が向上しない場合がある。一方、分級粒径が1mm未満であると、飛散しやすい粒径の石炭が粒径の大きな石炭に多く混入するため、十分に石炭の水分量をさげることができなくなる。
乾燥工程で乾燥させた粗粒部分の石炭の水分量は、少ないほど強度向上の効果があり、0mass%以上、6mass%未満とすることが望ましい。6mass%以上の水分含有量の場合は、配合炭全体としての水分量が十分に下がらずに、コークス強度が向上しない場合がある。
次に、本発明のコークスの製造設備について説明する。
上記のコークスの製造方法を実施するために、コークス原料となる石炭の一部を、粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級機と、前記粒径の大きな石炭を乾燥する乾燥機と、前記粒径の小さな石炭と前記コークス原料となる石炭の残部とを配合する配合槽と、該配合槽で配合した石炭を粉砕する粉砕機と、該粉砕機で処理された石炭と乾燥機で乾燥された石炭とをコークス炉へ搬送するための搬送機とからなることを特徴とするコークスの製造設備を用いることができる。配合槽と粉砕機とを複数台を用い、石炭をその品質に基づき複数の系列にグループ分けして、系列別に配合して、粉砕することが望ましい。系列別に配合、粉砕することで、配合炭の性状を向上させることができる。
図1は本発明のコークスの製造設備の一実施形態を示す概略図である。
石炭ヤード1、2、3のうち、石炭ヤード1の石炭の一部を搬出して原料ホッパー4に装入後、篩5により篩い分けして、所定粒径超である篩上aは乾燥機6により十分に水分を除去する。篩下bは原料ホッパー7に装入後、第一の系列の配合槽8に投入する。石炭ヤード1の石炭の残部については、そのまま第一の系列の配合槽8に適宜搬出する。石炭ヤード2の石炭については、第二の系列の配合槽9、第三の系列の配合槽10に適宜搬出する。石炭ヤード3の石炭については、第三の系列の配合槽10に適宜搬出する。各配合槽の石炭は、適宜粉砕機11、12、13で粉砕する。各粉砕機で粉砕された石炭と乾燥機で乾燥された石炭は、コンベア等の搬送機14で混合されながら搬送されることで、ある程度均質化してコークス炉に装入される。
上記においては、石炭ヤード1の石炭として強粘結炭を、石炭ヤード2、3の石炭として非微粘結炭を用いた場合を示しているが、石炭ヤード1、2、3の石炭の品種や量に応じて、原料ホッパー4、第一の系列の配合槽8、第二の系列の配合槽9、第三の系列の配合槽10に装入する石炭は適宜変更することができる。また、石炭の粉砕系列数も、任意に変更可能である。
コークス原料石炭として複数銘柄の石炭を用い、配合炭の性状が平均最大反射率(Ro)で1.05、ギーセラー最大流動度(logMF)で2.5となるように石炭銘柄とそれぞれの配合率を決定した。選定した石炭のうち一部の石炭を篩い分けし、6mm超の篩上のものについては石炭の水分量が2mass%になるまで乾燥処理を行なった。篩下である6mm以下の石炭は残りの石炭と混合し、粒径3mm以下の粒子の質量割合が84mass%(3mm以下84mass%)となるように粉砕処理を行なった後、通常の調湿処理として、水分量を調整した。水分量は6.0、7.0、8.0mass%の3水準について検討した。これを6mm超の乾燥処理を行った石炭粒子と混合し、実機コークス炉をシミュレート可能な試験炉に装入して乾留した。篩い分けを行なう石炭の選定方法は以下の条件1〜3の3通りで行なった。各条件で、篩上の質量割合がほぼ同じになるように調整した。
条件1:logMFが2.5以上かつRoが0.8以上の石炭(全石炭量に対して41mass%にあたり、全イナート量(TI)が24体積%)、
条件2:logMFが2.5以上かつTIが30体積%以下の石炭(全石炭量に対して46mass%にあたり、TIが22体積%)、
条件3:Roが0.8以上かつTIが30体積%以下の石炭(全石炭量に対して43mass%にあたり、TIが23体積%)、
以上、合計9水準の乾留試験を行い、得られたコークス性状を測定した。コークス性状としてドラム強度DI150/15を使用した。尚、DI150/15はJIS K2151の回転強度試験法により15rpm、150回転の条件で測定したドラム強度である。
比較例として、全石炭を混合し、粒径3mm以下の粒子の質量割合が上記配合炭と同じくなるように粉砕処理を行なった後、水分を6.0、7.0、8.0mass%に調整し乾留する方法でのコークス製造も行なった。
条件1の試験の結果、篩下6mm以下の石炭と残りの石炭の混合物水分が8.0、7.0、6.0mass%の時のコークス強度はそれぞれ83.3、83.6、83.9であった。条件2の試験結果ではそれぞれ83.4、83.7、84.0、条件3の試験結果ではそれぞれ83.3、83.8、84.0であった。一方、比較例でのコークス強度はそれぞれ83.2、83.5、83.7であった。以上の結果、分級を行なう石炭の選定条件として条件1、2、3いずれの条件を用いた場合においても、比較例に比較してコークス強度は明らかに向上した。
コークス原料石炭として複数銘柄の石炭を用い、配合炭の性状が平均最大反射率(Ro)で1.05、ギーセラー最大流動度(logMF)で2.5となるように石炭銘柄とそれぞれの配合率を決定した。選定した石炭のうち一部の石炭を篩い分けし、3mm超の篩上のものについては石炭の水分量が2mass%になるまで乾燥処理を行なった。篩下である3mm以下の石炭は残りの石炭と混合し、3mm以下91mass%となるように粉砕処理を行なった後、水分量を調整した。水分量は6.0、7.0、8.0mass%の3水準について検討した。これを3mm超の乾燥粒子と混合し、実機コークス炉をシミュレート可能な試験炉に装入して乾留した。篩い分けを行なう石炭の選定方法は以下の3通りとした。各条件で、篩上の質量割合がほぼ同じになるように調整した。
条件1:logMFが2.5以上かつRoが0.8以上の石炭(全石炭量に対して41mass%にあたり、TIが24体積%)、
条件2:logMFが2.5以上かつTIが30体積%以下の石炭(全石炭量に対して46mass%にあたり、TIが22体積%)、
条件3:Roが0.8以上かつTIが30体積%以下の石炭(全石炭量に対して43mass%にあたり、TIが23体積%)、
以上、9水準の乾留試験を行い、得られたコークス性状を測定した。コークス性状としてドラム強度DI150/15を使用した。尚、DI150/15はJIS K2151の回転強度試験法により15rpm、150回転の条件で測定したドラム強度である。
比較例として、全石炭を混合し上記配合炭と同じ3mm以下の粒子の質量割合を有するように粉砕処理を行なった後、水分を6.0、7.0、8.0mass%に調整し乾留する方法でのコークス製造も行なった。
条件1の試験の結果、篩下3mm以下の石炭と残りの石炭の混合物水分が8.0、7.0、6.0mass%の時のコークス強度はそれぞれ83.4、83.7、84.0であった。条件2の試験結果ではそれぞれ83.6、83.8、84.2、条件3の試験結果ではそれぞれ83.7、83.7、84.2であった。一方、比較例でのコークス強度はそれぞれ83.2、83.5、83.7であった。以上の結果、分級を行なう石炭の選定条件として条件1、2、3いずれの条件においても、比較例に比較してコークス強度は向上することが明らかとなった。また、実施例1の分級点6mmの結果に比較して、より高強度のコークスが製造できた。
コークス原料石炭として複数銘柄の石炭を用い、配合炭の性状が平均最大反射率(Ro)で1.05、ギーセラー最大流動度(logMF)で2.5となるように石炭銘柄とそれぞれの配合率を決定した。選定した石炭のうち一部の石炭を篩い分けし、6mmあるいは3mm超の篩上のものについて、分級点6mmで篩い分けした場合については石炭の水分量が4mass%、分級点3mmで篩い分けした場合については石炭の水分量が2mass%になるまで乾燥処理を行なった。篩下である石炭は残りの石炭と混合し、篩下6mm以下の場合は3mm以下84mass%、篩下が3mm以下の場合は3mm以下91mass%となるように粉砕処理を行なった後、水分量を調整した。水分量は6.0、7.0、8.0mass%の3水準について検討した。これを6mmあるいは3mm超の乾燥粒子と混合し、石炭の発塵量が測定可能な試験装置を使用し発塵量を測定した。篩い分けを行なう石炭の選定方法は以下の3通りとした。各条件で、篩上の質量割合がほぼ同じになるように調整した。
条件1:logMFが2.5以上かつRoが0.8以上の石炭(全石炭量に対して41mass%にあたり、TIが24体積%)
条件2:logMFが2.5以上かつTIが30体積%以下の石炭(全石炭量に対して46mass%にあたり、TIが22体積%)
条件3:Roが0.8以上かつTIが30体積%以下の石炭(全石炭量に対して43mass%にあたり、TI=23体積%)、
したがって、発塵量の測定は、分級点6mmについて9水準、分級点3mmについて9水準行なった。
比較例として、全石炭を混合し上記配合炭と同じ粒径3mm以下の粒子の質量割合を有するように粉砕処理を行なった後、水分を各種変更した場合の粉塵量測定も行なった。配合炭の水分含有量は2.9mass%〜10.3mass%の範囲で8水準で変化させた。
図2に配合炭の平均水分含有量と発塵量の関係を示した。配合炭の水分含有量が同一でも、本発明により発塵量が減少することが明らかになった。発塵量の減少により、コークス炉での安定操業が期待される。
本発明のコークス製造設備の一実施形態の概略図。 配合炭の平均水分含有量と発塵量の関係を示すグラフ。
符号の説明
1 石炭ヤード
2 石炭ヤード
3 石炭ヤード
4 原料ホッパー
5 篩
6 乾燥機
7 原料ホッパー
8 第一の系列の配合槽
9 第二の系列の配合槽
10 第三の系列の配合槽10
11 粉砕機
12 粉砕機
13 粉砕機
14 搬送機
a 篩上
b 篩下

Claims (5)

  1. コークス原料となる石炭の少なくとも一部を、粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を乾燥する乾燥工程と、前記粒径の小さな石炭と前記コークス原料となる石炭の残部とを粉砕する粉砕工程と、前記乾燥工程で乾燥した石炭と前記粉砕工程で粉砕した石炭とを共にコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
  2. 粘結性が高い石炭(X)と該石炭(X)よりも粘結性が低い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を乾燥する乾燥工程と、前記粒径の小さな石炭と前記石炭(X)の残部と前記石炭(Y)とを粉砕する粉砕工程と、前記乾燥工程で乾燥した石炭と前記粉砕工程で粉砕した石炭とを共にコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
  3. イナート量が低い石炭(X)と該石炭(X)よりもイナート量が高い石炭(Y)とを用いてコークスを製造する方法であって、前記石炭(X)の少なくとも一部を粒径の大きな石炭と該石炭よりも粒径の小さな石炭とに分級する分級工程と、前記粒径の大きな石炭を乾燥する乾燥工程と、前記粒径の小さな石炭と前記石炭(X)の残部と前記石炭(Y)とを粉砕する粉砕工程と、前記乾燥工程で乾燥した石炭と前記粉砕工程で粉砕した石炭とを共にコークス炉に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
  4. 1〜20mmの範囲内で設定した粒径で粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のコークスの製造方法。
  5. コークス原料となる石炭の一部を、粒径の大きな石炭と粒径の小さな石炭とに分級する分級機と、前記粒径の大きな石炭を乾燥する乾燥機と、前記粒径の小さな石炭と前記コークス原料となる石炭の残部とを配合する配合槽と、該配合槽で配合した石炭を粉砕する粉砕機と、該粉砕機で処理された石炭と前記乾燥機で乾燥された石炭とをコークス炉へ搬送するための搬送機とからなることを特徴とするコークスの製造設備。
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