JP2006328009A - Pparアゴニスト活性を持つイソキサゾール誘導体 - Google Patents
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- Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
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Abstract
Description
本発明はペルオキシソーム増殖活性化受容体(以下、PPARとする)アゴニスト活性を有し、医薬として有用な化合物に関する。
細胞内顆粒であるペルオキシソームを増殖させるペルオキシソーム増殖薬は、脂質代謝の重要な調節因子であると考えられている。そのペルオキシソーム増殖薬によって活性化される核内受容体PPARは、内分泌、代謝、炎症等に関わる多機能な受容体であることが判明しており、そのリガンドが種々の医薬品として応用可能であるとして近年活発な研究が行われている。
PPARは種々の動物臓器からサブタイプ遺伝子が見出されており、ファミリーを形成している。哺乳類においてはPPARα、PPARδ(PPARβと呼ばれることもある)およびPPARγの3種のサブタイプに分類されている。
高脂血症薬として用いられているフィブラート類はPPARαの活性化を介した血清脂質改善遺伝子群の転写促進によりその活性を示すと考えられている。また、骨代謝および非ステロイド性抗炎症薬の活性発現にPPARαが関与している可能性も示唆されている。
インスリン抵抗性改善剤であるチアゾリジンジオン系化合物はPPARγのリガンドである。これらの化合物が血糖降下作用、脂質低下作用、脂肪細胞分化誘導作用等を示すことから、PPARγアゴニストは糖尿病、高脂血症、肥満等の治療薬としての開発が期待される。また、PPARγアゴニストは慢性膵炎、炎症性大腸炎、糸球体硬化症、アルツハイマー症、乾癬、パーキンソン症、バセドウ氏病、慢性関節リウマチ、癌(乳癌、結腸癌、前立腺癌等)および不妊等の治療薬となり得るとして期待されている。
PPARδを脂肪細胞特異的に過剰発現させたトランスジェニックマウスが太りにくいこと等が報告されており、PPARδアゴニストは抗肥満薬、糖尿病薬になり得ると考えられている。さらにPPARδアゴニストは結腸癌、骨粗しょう症、不妊、乾癬、多発性硬化症等の治療薬としても可能性も示唆されている。
これらの知見より、PPARアゴニストは高脂血症、糖尿病、高血糖、インスリン抵抗性、肥満、動脈硬化、アテローム性動脈硬化、高血圧、シンドロームX、炎症、アレルギー性疾患(炎症性大腸炎、慢性関節リウマチ、慢性膵炎、多発性硬化症、糸球体硬化症、乾癬等)、骨粗しょう症、不妊、癌、アルツハイマー症、パーキンソン症、バセドウ氏病等の治療または予防に有用であるとして期待されている(非特許文献1参照)。
特許文献1および特許文献2にはPPARアゴニスト活性を有する種々の化合物が開示されており、イソキサゾール化合物も記載されている。しかし、本発明化合物は記載されていない。さらに、特許文献2のイソキサゾール化合物は本発明化合物と比較すると、イソキサゾール上の置換基の位置関係が異なる。また、PPARαおよび(または)PPARγアゴニスト活性は確認されているがPPARδアゴニスト活性についてはデータが記載されていない。さらに、イソキサゾール化合物についてはαまたはγアゴニスト活性すらデータが記載されておらず、PPARアゴニスト活性が確認されていない。
特許文献3にはイソキサゾール化合物が記載されているが、本発明化合物と比較すると、イソキサゾール上の置換基の位置関係が異なる。また、FXR NR1H4受容体のリガンドであり高コレステロール血症や高脂血症に有用であると記載されているが、PPARアゴニスト活性については記載されていない。
特許文献4にはイソキサゾール化合物が記載されているが、本発明化合物と比較すると、イソキサゾール上の置換基の位置関係が異なる。また、動脈硬化や高血圧に有用である旨開示されているが、PPARアゴニスト活性については記載されていない。
特許文献5および6には、チアゾール化合物、オキサゾール化合物およびイミダゾール化合物がPPARδアゴニスト活性を有することが記載されているが、イソキサゾール化合物については示唆されていない。
特許文献7および8には、イソキサゾール化合物が記載されているが、本発明化合物は記載されていない。
国際公開第WO99/11255号パンフレット
国際公開第WO99/58510号パンフレット
国際公開第WO03/15771号パンフレット
欧州特許出願公開第0558062号明細書
国際公開第WO01/00603号パンフレット
国際公開第WO02/14291号パンフレット
国際公開第WO03/099793号パンフレット
国際公開第WO04/091604号パンフレット
カレント メディシナル ケミストリー(Current Medicinal Chemistry)、2003年、第10巻、第267−280頁
本発明の目的は、優れたPPARアゴニストを提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究の結果、以下の優れたPPARアゴニストの合成に成功した。イソキサゾールの4位が水素でありかつ末端がエチル酢酸である化合物が特許文献1で公知となっている。しかし、本発明者らは、4位の水素をメチルなど他の置換基に置換した化合物が、置換前の化合物と比較して、PPAR転写活性が大きく改善され,薬物代謝酵素に対する阻害が少なくなり、代謝安定性が向上し、水溶性が向上することを見出した。また、化合物(I)のR14またはR15に置換基を有していてもよい低級アルキル基を導入することで、さらに、PPAR転写活性が大きく改善され、薬物代謝酵素に対する阻害が少なくなり、代謝安定性が向上し、水溶性が向上することを見出した。これらの効果は、R15のように、光学活性体とすることにより、さらに向上することを見出した。また、本発明化合物は毒性が低く、医薬として使用するために十分安全であると考えられる。
本発明は、
(1)式(I):
(式中、
R1はハロゲン、ヒドロキシ、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよい低級アルキニル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、カルボキシ、置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニル、置換基を有していてもよい低級アルキルチオ、置換基を有していてもよいアシル、置換基を有していてもよいアミノ、置換基を有していてもよいカルバモイル、置換基を有していてもよいチオカルバモイル、置換基を有していてもよいカルバモイルオキシ、置換基を有していてもよいチオカルバモイルオキシ、置換基を有していてもよいヒドラジノカルボニル、置換基を有していてもよい低級アルキルスルホニルオキシ、置換基を有していてもよいアリールスルホニルオキシ、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアリールオキシ、置換基を有していてもよいアリールチオまたは置換基を有していてもよいヘテロ環式基であり、
R2は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよい低級アルキニル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、カルボキシ、置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニル、置換基を有していてもよい低級アルキルチオ、置換基を有していてもよいアシル、置換基を有していてもよいアミノ、置換基を有していてもよいカルバモイル、置換基を有していてもよいチオカルバモイル、置換基を有していてもよいカルバモイルオキシ、置換基を有していてもよいチオカルバモイルオキシ、置換基を有していてもよいヒドラジノカルボニル、置換基を有していてもよい低級アルキルスルホニルオキシ、置換基を有していてもよいアリールスルホニルオキシ、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアリールオキシ、置換基を有していてもよいアリールチオまたは置換基を有していてもよいヘテロ環式基であり、
R3およびR4は各々独立して、水素、ハロゲン、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよい低級アルキニル、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよいヘテロ環式基であり、
R5、R6、R7およびR8は各々独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよい低級アルキニル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、置換基を有していてもよい低級アルキルチオ、置換基を有していてもよいアシル、置換基を有していてもよいアミノ、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアリールオキシ、置換基を有していてもよいアリールチオまたは置換基を有していてもよいヘテロ環式基であり、
R9およびR10は各々独立して水素、ハロゲン、シアノ、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、置換基を有していてもよいアミノまたは置換基を有していてもよいアリールであり、
−X1−は−O−、−S−、−NR11−(ここでR11は水素、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよいアシル、置換基を有していてもよい低級アルキルスルホニルまたは置換基を有していてもよいアリールスルホニルである)、−CR12R13CO−、−(CR12R13)mO−、−(CR12R13)mS−または−O(CR12R13)m−(ここでR12およびR13は各々独立して水素または置換基を有していてもよい低級アルキルであり、mは1〜3の整数である)、−ON=CR16−(ここでR16は水素または置換基を有していてもよい低級アルキルである)、
(ここでR20およびR21は各々独立して水素または置換基を有していてもよい低級アルキルである)であり、
−X2−CR9R10−(ここでR9およびR10は上記と同意義)は、
(ここでR14は置換基を有している低級アルキルである)または
(ここでR15は置換基を有していてもよい低級アルキルである)であり、
X3はCOOR17、C(=NR17)NR18OR19、
(ここでR17〜R19は各々独立して水素または置換基を有していてもよい低級アルキルである)である)
で示される化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物、
(2)R1が置換基を有していてもよいアリールである、(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物、
(3)R2が置換基を有していてもよい低級アルキルである、(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物、
(4)R3およびR4が各々独立して水素である、(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物、
(5)R5、R6、R7およびR8が各々独立して水素または置換基を有していてもよい低級アルコキシである、(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物、
(6)R9およびR10が各々独立して水素である、(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物、
(7)X1がOまたはSである、(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物、
(8)X3がCOOR17(ここでR17は水素または置換基を有していてもよい低級アルキルである)である、(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物、
(9)R1が置換基を有していてもよいアリール(置換基としては、ハロゲンまたは置換基を有していてもよい低級アルキル)であり、
R2が置換基を有していてもよい低級アルキル(置換基としては、ハロゲン、低級アルコキシ、低級アルキルアミノ、置換基を有していてもよいイミノ、置換基を有していてもよいイミノオキシ、低級アルキルスルホニル、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよいヘテロ環式基)であり、
R3およびR4が各々独立して、水素であり、
R5、R6、R7およびR8が各々独立して、水素または低級アルコキシであり、
R9およびR10が各々独立して水素であり、
X1がOまたはSであり、
X3がCOOR17(ここでR17は水素または低級アルキルである)である、(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物、
(10)−X2−CR9R10−が
(ここでR9およびR10は(1)と同意義。R14は置換基を有している低級アルキルである(置換基としては、ハロゲン))である、(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物、
(11)−X2−CR9R10−が
(ここでR9およびR10は(1)と同意義。R15は置換基を有していてもよい低級アルキルである(置換基としては、ハロゲン))である、(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物、
(12)(1)〜(11)のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を有効成分とする医薬組成物、
(13)(1)〜(11)のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を有効成分とするペルオキシソーム増殖活性化受容体が関連する疾患の予防および/または治療のために用いる医薬組成物、を提供する。
(1)式(I):
R1はハロゲン、ヒドロキシ、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよい低級アルキニル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、カルボキシ、置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニル、置換基を有していてもよい低級アルキルチオ、置換基を有していてもよいアシル、置換基を有していてもよいアミノ、置換基を有していてもよいカルバモイル、置換基を有していてもよいチオカルバモイル、置換基を有していてもよいカルバモイルオキシ、置換基を有していてもよいチオカルバモイルオキシ、置換基を有していてもよいヒドラジノカルボニル、置換基を有していてもよい低級アルキルスルホニルオキシ、置換基を有していてもよいアリールスルホニルオキシ、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアリールオキシ、置換基を有していてもよいアリールチオまたは置換基を有していてもよいヘテロ環式基であり、
R2は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよい低級アルキニル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、カルボキシ、置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニル、置換基を有していてもよい低級アルキルチオ、置換基を有していてもよいアシル、置換基を有していてもよいアミノ、置換基を有していてもよいカルバモイル、置換基を有していてもよいチオカルバモイル、置換基を有していてもよいカルバモイルオキシ、置換基を有していてもよいチオカルバモイルオキシ、置換基を有していてもよいヒドラジノカルボニル、置換基を有していてもよい低級アルキルスルホニルオキシ、置換基を有していてもよいアリールスルホニルオキシ、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアリールオキシ、置換基を有していてもよいアリールチオまたは置換基を有していてもよいヘテロ環式基であり、
R3およびR4は各々独立して、水素、ハロゲン、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよい低級アルキニル、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよいヘテロ環式基であり、
R5、R6、R7およびR8は各々独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよい低級アルキニル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、置換基を有していてもよい低級アルキルチオ、置換基を有していてもよいアシル、置換基を有していてもよいアミノ、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアリールオキシ、置換基を有していてもよいアリールチオまたは置換基を有していてもよいヘテロ環式基であり、
R9およびR10は各々独立して水素、ハロゲン、シアノ、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、置換基を有していてもよいアミノまたは置換基を有していてもよいアリールであり、
−X1−は−O−、−S−、−NR11−(ここでR11は水素、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよいアシル、置換基を有していてもよい低級アルキルスルホニルまたは置換基を有していてもよいアリールスルホニルである)、−CR12R13CO−、−(CR12R13)mO−、−(CR12R13)mS−または−O(CR12R13)m−(ここでR12およびR13は各々独立して水素または置換基を有していてもよい低級アルキルであり、mは1〜3の整数である)、−ON=CR16−(ここでR16は水素または置換基を有していてもよい低級アルキルである)、
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X3はCOOR17、C(=NR17)NR18OR19、
で示される化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物、
(2)R1が置換基を有していてもよいアリールである、(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物、
(3)R2が置換基を有していてもよい低級アルキルである、(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物、
(4)R3およびR4が各々独立して水素である、(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物、
(5)R5、R6、R7およびR8が各々独立して水素または置換基を有していてもよい低級アルコキシである、(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物、
(6)R9およびR10が各々独立して水素である、(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物、
(7)X1がOまたはSである、(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物、
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(9)R1が置換基を有していてもよいアリール(置換基としては、ハロゲンまたは置換基を有していてもよい低級アルキル)であり、
R2が置換基を有していてもよい低級アルキル(置換基としては、ハロゲン、低級アルコキシ、低級アルキルアミノ、置換基を有していてもよいイミノ、置換基を有していてもよいイミノオキシ、低級アルキルスルホニル、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよいヘテロ環式基)であり、
R3およびR4が各々独立して、水素であり、
R5、R6、R7およびR8が各々独立して、水素または低級アルコキシであり、
R9およびR10が各々独立して水素であり、
X1がOまたはSであり、
X3がCOOR17(ここでR17は水素または低級アルキルである)である、(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物、
(10)−X2−CR9R10−が
(11)−X2−CR9R10−が
(12)(1)〜(11)のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を有効成分とする医薬組成物、
(13)(1)〜(11)のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を有効成分とするペルオキシソーム増殖活性化受容体が関連する疾患の予防および/または治療のために用いる医薬組成物、を提供する。
さらに、上記化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を投与することを特徴とする、PPAR活性化方法、詳しくは高脂血症、糖尿病、肥満、動脈硬化、アテローム性動脈硬化、高血糖および/またはシンドロームXの治療方法および/または予防方法を提供する。
別の態様として、PPAR活性化のための医薬、詳しくは高脂血症、糖尿病、肥満、動脈硬化、アテローム性動脈硬化、高血糖および/またはシンドロームXの治療および/または予防のための医薬を製造するための、化合物(I)、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物の使用を提供する。
後述の試験結果から明らかなとおり、本発明化合物はPPARアゴニスト作用を示し、本発明化合物は医薬品、特に高脂血症、糖尿病、肥満、動脈硬化、アテローム性動脈硬化、高血糖および/またはシンドロームXの治療および/または予防のための医薬として非常に有用である。
本明細書中において、「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を包含する。特にフッ素および塩素が好ましい。
「低級アルキル」とは、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6、さらに好ましくは炭素数1〜3の直鎖または分枝状のアルキルを包含し、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、n−へプチル、イソヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、n−ノニルおよびn−デシル等が挙げられる。
「低級アルケニル」とは、任意の位置に1以上の二重結合を有する炭素数2〜10、好ましくは炭素数2〜6、さらに好ましくは炭素数2〜4の直鎖または分枝状のアルケニルを包含する。具体的にはビニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、プレニル、ブタジエニル、ペンテニル、イソペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、イソヘキセニル、ヘキサジエニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニルおよびデセニル等を包含する。
「低級アルキニル」とは、炭素数2〜10、好ましくは炭素数2〜6、さらに好ましくは炭素数2〜4の直鎖状または分枝状のアルキニルを意味し、具体的には、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル等を包含する。これらは任意の位置に1以上の三重結合を有しており、さらに二重結合を有していてもよい。
「置換基を有していてもよい低級アルキル」、「置換基を有している低級アルキル」、「置換基を有していてもよい低級アルケニル」、「置換基を有していてもよい低級アルキニル」の置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、低級アルキニルオキシ、置換基を有していてもよいアミノ(例えば、低級アルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロ環アミノ、アシルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ等)、メルカプト、低級アルキルチオ、アシル、アシルオキシ、置換基を有していてもよいイミノ、置換基を有していてもよいイミノオキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、低級アルキルカルバモイル、チオカルバモイル、低級アルキルチオカルバモイル、カルバモイルオキシ、低級アルキルカルバモイルオキシ、チオカルバモイルオキシ、低級アルキルチオカルバモイルオキシ、スルファモイル、低級アルキルスルファモイル、低級アルキルスルホニル、低級アルキルスルホニルオキシ、シアノ、ニトロ、置換基を有していてもよいシクロアルキル、シクロアルキルオキシ、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアリールオキシ、置換基を有していてもよいアリールチオ、置換基を有していてもよいアリール低級アルコキシ、置換基を有していてもよいアリールスルホニル、置換基を有していてもよいアリールスルホニルオキシ、置換基を有していてもよいヘテロ環式基(ここで置換基とはハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、オキソ、ハロゲノ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシ、アリール低級アルコキシ、ハロゲノ低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、低級アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アシルアミノ、メルカプト、低級アルキルチオ、アミノ、低級アルキルアミノ、アシル、アシルオキシ、シアノ、ニトロ、フェニル、ヘテロ環式基等)、置換基を有していてもよいヘテロ環オキシ(ここで置換基とはハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、オキソ、ハロゲノ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシ、アリール低級アルコキシ、ハロゲノ低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、低級アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アシルアミノ、メルカプト、低級アルキルチオ、アミノ、低級アルキルアミノ、アシル、アシルオキシ、シアノ、ニトロ、フェニル、ヘテロ環式基等)が挙げられ、任意の位置がこれらから選択される1以上の基で置換されていてもよい。
「置換基を有していてもよい低級アルキル」、「置換基を有していてもよい低級アルケニル」、「置換基を有していてもよい低級アルキニル」等の置換基としての「ヘテロ環式基」として好ましくはモルホリノ、ピペリジノ、ピペラジノ、フリル、チエニルまたはピリジルである。
「ハロゲノ低級アルキル」、「ヒドロキシ低級アルキル」、「低級アルコキシ」、「ハロゲノ低級アルコキシ」、「アリール低級アルコキシ」、「ヒドロキシ低級アルコキシ」、「低級アルキルアミノ」、「低級アルキルチオ」、「低級アルキルスルホニル」、「低級アルキルスルホニルオキシ」、「低級アルキルカルバモイル」、「低級アルキルチオカルバモイル」、「低級アルキルカルバモイルオキシ」、「低級アルキルスルホニルアミノ」、「低級アルキルチオカルバモイルオキシ」、「低級アルキルスルファモイル」、「低級アルコキシカルボニル」および「低級アルコキシカルボニルアミノ」の低級アルキル部分は上記「低級アルキル」と同様である。
「低級アルキニルオキシ」の低級アルキニル部分は上記「低級アルキニル」と同様である。
「置換基を有していてもよい低級アルコキシ」、「置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニル」、「置換基を有していてもよい低級アルキルチオ」および「置換基を有していてもよい低級アルキルスルホニルオキシ」の置換基は上記「置換基を有していてもよい低級アルキル」の置換基と同様である。
「置換基を有していてもよいイミノ」および「置換基を有していてもよいイミノオキシ」の置換基は上記「置換基を有していてもよい低級アルキル」の置換基と同様である。
「アシル」とは(a)炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6、最も好ましくは炭素数1〜3の直鎖もしくは分枝状のアルキルカルボニルもしくはアルケニルカルボニル、(b)炭素数4〜9、好ましくは炭素数4〜7のシクロアルキルカルボニル、(c)炭素数7〜11のアリールカルボニルおよび(d)ホルミルを包含する。具体的には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、アクリロイル、プロピオロイル、メタクリロイル、クロトノイル、シクロプロピルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、シクロオクチルカルボニルおよびベンゾイル等を包含する。
「アシルアミノ」および「アシルオキシ」のアシル部分は上記「アシル」と同様である。
「置換基を有していてもよいアシル」の置換基としては上記「置換基を有していてもよい低級アルキル」の置換基と同様のものが挙げられる。さらに、シクロアルキルカルボニルおよびアリールカルボニルは低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルケニル、ハロゲノ低級アルケニルおよび/またはヒドロキシ低級アルケニル等で置換されていてもよい。
「置換基を有していてもよいアミノ」の置換基としては上記「置換基を有していてもよい低級アルキル」と同様のものが挙げられる。さらに低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルケニル、ハロゲノ低級アルケニルおよび/またはヒドロキシ低級アルケニル等で置換されていてもよい。
「置換基を有していてもよいカルバモイル」、「置換基を有していてもよいチオカルバモイル」、「置換基を有していてもよいカルバモイルオキシ」、「置換基を有していてもよいチオカルバモイルオキシ」、「置換基を有していてもよいヒドラジノカルボニル」の置換基としては上記「置換基を有していてもよい低級アルキル」と同様のものが挙げられる。
「シクロアルキル」とは、炭素数3〜8、好ましくは5または6の環状のアルキルを包含する。具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチルおよびシクロオクチル等が挙げられる。
「アリール」とは、フェニル、ナフチル、アントリルおよびフェナントリル等を包含する。また、他の非芳香族炭化水素環式基と縮合しているアリールも包含し、具体的にはインダニル、インデニル、ビフェニルイル、アセナフテニルおよびフルオレニル等が挙げられる。他の非芳香族炭化水素環と縮合している場合、結合手はいずれの環に有していてもよい。アリールの好ましい例としてはフェニルが挙げられる。
「置換基を有していてもよいシクロアルキル」および「置換基を有していてもよいアリール」の置換基としては、特に記載のない限り、上記「置換基を有していてもよい低級アルキル」の置換基と同様のものが挙げられる。さらに、低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルケニル、ハロゲノ低級アルケニル、ヒドロキシ低級アルケニル、アルキレンジオキシおよび/またはオキソ等で置換されていてもよい。
「アリールオキシ」、「アリールチオ」、「アリール低級アルコキシ」、「アリールアミノ」、「アリールスルホニル」、「アリールスルホニルオキシ」および「アリールスルホニルアミノ」のアリール部分は上記「アリール」と同様である。
「置換基を有していてもよいアリール低級アルコキシ」、「置換基を有していてもよいアリールオキシ」、「置換基を有していてもよいアリールチオ」、「置換基を有していてもよいアリールスルホニル」および「置換基を有していてもよいアリールスルホニルオキシ」の置換基は特に記載のない限り、上記「置換基を有していてもよいアリール」の置換基と同様である。
「ヘテロ環式基」とは、O、SおよびNから任意に選択されるヘテロ原子を環内に1以上有するヘテロ環を包含し、具体的にはピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、フリルおよびチエニル等の5〜6員のヘテロアリール;インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリジニル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、プリニル、プテリジニル、ベンゾピラニル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズオキサジアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾピリジル、トリアゾロピリジル、イミダゾチアゾリル、ピラジノピリダジニル、キナゾリニル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロベンゾチエニル等の2環の縮合ヘテロ環式基;カルバゾリル、アクリジニル、キサンテニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、ジベンゾフリル等の3環の縮合ヘテロ環式基;インドリニル、ジオキサニル、チイラニル、オキシラニル、オキサチオラニル、アゼチジニル、チアニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジル、ピペリジノ、ピペラジニル、ピペラジノ、モルホリニル、モルホリノ、オキサジアジニル、ジヒドロピリジル等の非芳香族ヘテロ環式基を包含する。ヘテロ環式基が縮合環式基である場合、結合手をいずれの環に有していてもよい。
R1およびR2としての「ヘテロ環式基」の好ましい例はピリジル、モルホリノ、ピペラジノまたはピペリジノである。
「置換基を有していてもよいヘテロ環式基」の置換基は上記「置換基を有していてもよいアリール」と同様である。
「ヘテロ環アミノ」、「ヘテロ環オキシ」のヘテロ環部分は上記「ヘテロ環式基」と同様である。
R1は、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよい低級アルキニル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、カルボキシ、置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニル、置換基を有していてもよい低級アルキルチオ、置換基を有していてもよいアシル、置換基を有していてもよいアミノ、置換基を有していてもよいカルバモイル、置換基を有していてもよいチオカルバモイル、置換基を有していてもよいカルバモイルオキシ、置換基を有していてもよいチオカルバモイルオキシ、置換基を有していてもよいヒドラジノカルボニル、置換基を有していてもよい低級アルキルスルホニルオキシ、置換基を有していてもよいアリールスルホニルオキシ、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアリールオキシ、置換基を有していてもよいアリールチオまたは置換基を有していてもよいヘテロ環式基であり、特に、置換基を有していてもよいアリール、さらには、置換基を有していてもよいアリール(置換基としては、ハロゲンまたは置換基を有していてもよい低級アルキル)が好ましい。
R2は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよい低級アルキニル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、カルボキシ、置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニル、置換基を有していてもよい低級アルキルチオ、置換基を有していてもよいアシル、置換基を有していてもよいアミノ、置換基を有していてもよいカルバモイル、置換基を有していてもよいチオカルバモイル、置換基を有していてもよいカルバモイルオキシ、置換基を有していてもよいチオカルバモイルオキシ、置換基を有していてもよいヒドラジノカルボニル、置換基を有していてもよい低級アルキルスルホニルオキシ、置換基を有していてもよいアリールスルホニルオキシ、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアリールオキシ、置換基を有していてもよいアリールチオまたは置換基を有していてもよいヘテロ環式基であり、特に、置換基を有していてもよい低級アルキル、さらには、置換基を有していてもよい低級アルキル(置換基としては、ハロゲン、低級アルコキシ、低級アルキルアミノ、置換基を有していてもよいイミノ、低級アルキルスルホニル、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよいヘテロ環式基)が好ましい。
R2が置換基を有していてもよい低級アルキルである場合、当該置換基としては、置換基を有していてもよいイミノ、シクロアルキルオキシ、置換基を有していてもよい低級アルコキシ(置換基としては、シクロアルキル、置換基を有していてもよいヘテロ環式基(置換基としては、オキソ、低級アルキル)、置換基を有していてもよいアミノ(置換基としては、低級アルキルスルホニル、アリールスルホニル))、置換基を有していてもよいヘテロ環オキシ(置換基としては、オキソ、低級アルキル)、置換基を有していてもよいイミノオキシ(置換基としては、低級アルキル、シクロアルキル)が好ましい。
R2が置換基を有していてもよい低級アルキルであり、該置換基が置換基を有していてもよいイミノである場合、イミノの置換基としては、ヒドロキシ、置換基を有していてもよい低級アルコキシ(置換基としては、置換基を有していてもよいヘテロ環式基(置換基としては、オキソ、低級アルキル)、置換基を有していてもよいアミノ(置換基としては、低級アルキルスルホニル、アリールスルホニル))、シクロアルキルオキシ、置換基を有していてもよいアルキル(置換基としては、シクロアルキル)、置換基を有していてもよいヘテロ環オキシ(置換基としては、オキソ、低級アルキル)が好ましい。
R2が置換基を有していてもよい低級アルキルである場合、当該置換基としては、置換基を有していてもよいイミノ、シクロアルキルオキシ、置換基を有していてもよい低級アルコキシ(置換基としては、シクロアルキル、置換基を有していてもよいヘテロ環式基(置換基としては、オキソ、低級アルキル)、置換基を有していてもよいアミノ(置換基としては、低級アルキルスルホニル、アリールスルホニル))、置換基を有していてもよいヘテロ環オキシ(置換基としては、オキソ、低級アルキル)、置換基を有していてもよいイミノオキシ(置換基としては、低級アルキル、シクロアルキル)が好ましい。
R2が置換基を有していてもよい低級アルキルであり、該置換基が置換基を有していてもよいイミノである場合、イミノの置換基としては、ヒドロキシ、置換基を有していてもよい低級アルコキシ(置換基としては、置換基を有していてもよいヘテロ環式基(置換基としては、オキソ、低級アルキル)、置換基を有していてもよいアミノ(置換基としては、低級アルキルスルホニル、アリールスルホニル))、シクロアルキルオキシ、置換基を有していてもよいアルキル(置換基としては、シクロアルキル)、置換基を有していてもよいヘテロ環オキシ(置換基としては、オキソ、低級アルキル)が好ましい。
R3およびR4は各々独立して、水素、ハロゲン、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよい低級アルキニル、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよいヘテロ環式基であり、特に、水素が好ましい。
R5、R6、R7およびR8は各々独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよい低級アルキニル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、置換基を有していてもよい低級アルキルチオ、置換基を有していてもよいアシル、置換基を有していてもよいアミノ、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアリールオキシ、置換基を有していてもよいアリールチオまたは置換基を有していてもよいヘテロ環式基であり、特に、水素または置換基を有していてもよい低級アルコキシ、さらには、水素または低級アルコキシが好ましい。
R9およびR10は各々独立して水素、ハロゲン、シアノ、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、置換基を有していてもよいアミノまたは置換基を有していてもよいアリールであり、特に、水素が好ましい。
−X1−は−O−、−S−、−NR11−(ここでR11は水素、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよいアシル、置換基を有していてもよい低級アルキルスルホニルまたは置換基を有していてもよいアリールスルホニルである)、−CR12R13CO−、−(CR12R13)mO−、−(CR12R13)mS−または−O(CR12R13)m−(ここでR12およびR13は各々独立して水素または置換基を有していてもよい低級アルキルであり、mは1〜3の整数である)であり、−ON=CR16−(ここでR16は水素または置換基を有していてもよい低級アルキルである)、
(ここでR20およびR21は各々独立して水素または置換基を有していてもよい低級アルキルである)であり、特に、−O−または−S−、さらには、−S−が好ましい。
−X2−CR9R10−(ここでR9およびR10は上記と同意義)は、
(ここでR14は置換基を有している低級アルキルである)または
(ここでR15は置換基を有していてもよい低級アルキルである)であり、特に、
(ここでR9およびR10は上記と同意義。R14は置換基を有している低級アルキルである(置換基としては、ハロゲン))または
(ここでR9およびR10は上記と同意義。R15は置換基を有していてもよい低級アルキルである(置換基としては、ハロゲン))が好ましい。
X3はCOOR17、C(=NR17)NR18OR19、
(ここでR17〜R19は各々独立して水素または置換基を有していてもよい低級アルキルである)であり、特に、COOR17(R17は水素または置換基を有していてもよい低級アルキル)、さらには、COOR17(R17は水素)が好ましい。
本発明化合物には、各々の化合物の生成可能であり、製薬上許容される塩を包含する。「製薬上許容される塩」としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸またはリン酸等の無機酸の塩;パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸またはクエン酸等の有機酸の塩;アンモニウム、トリメチルアンモニウムまたはトリエチルアンモニウム等の有機塩基の塩;ナトリウムまたはカリウム等のアルカリ金属の塩;およびカルシウムまたはマグネシウム等のアルカリ土類金属の塩等を挙げることができる。
本発明化合物はその溶媒和物を包含し、化合物(I)に対し、任意の数の溶媒分子と配位していてもよい。好ましくは水和物である。
本発明化合物(I)が不斉炭素原子を有する場合には、ラセミ体および全ての立体異性体(ジアステレオマー、鏡像異性体等)を含む。また、本発明化合物(I)が二重結合を有する場合には、二重結合の置換基配置につき、幾何異性体が存在するときはそのいずれをも含む。
本発明化合物(I)は、例えば次の方法で合成する事が出来る。
なお、−X2−が−CH(R15)−である光学活性な化合物は、光学活性な原料(例えば、光学活性な式(III)で示される化合物、光学活性な式(IV)で示される化合物)を用いて製造してもよいし、原料としてラセミ体を用いて式(Ia)で示される化合物、式(Ib)で示される化合物などを製造し、その後、光学分割して製造してもよい。
なお、−X2−が−CH(R15)−である光学活性な化合物は、光学活性な原料(例えば、光学活性な式(III)で示される化合物、光学活性な式(IV)で示される化合物)を用いて製造してもよいし、原料としてラセミ体を用いて式(Ia)で示される化合物、式(Ib)で示される化合物などを製造し、その後、光学分割して製造してもよい。
(第1法)化合物(Ia)(X1=O、(CR12R13)mO、O(CR12R13)m)の合成
(式中、AおよびDは一方がOHで他方が(CR12R13)mOHであるか、共にOHであり、その他の記号は前記と同義)
式(II−1)で示される化合物と式(III)で示される化合物を光延反応に付し化合物(Ia)を得ることができる。光延反応は常法に従って行えばよいが、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、芳香族炭化水素類(例、トルエン、ベンゼン、キシレンなど)、飽和炭化水素類(例、シクロヘキサン、ヘキサンなど)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなど)、エーテル類(例、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、ケトン類(例、アセトン、メチルエチルケトンなど)、ニトリル類(例、アセトニトリルなど)、水およびそれらの混合溶媒等の溶媒中、アゾジカルボン酸エステルやアミド(ジエチルアゾジカルボキシレートなど)とトリフェニルホスフィン等のホスフィン類存在下、−30℃〜150℃、好ましくは0℃〜100℃で、0.5〜90時間反応させればよい。
式(II−1)および式(III)で示される化合物は公知の化合物を用いてもよく、公知化合物から常法により誘導された化合物を用いてもよい。
式(II−1)で示される化合物と式(III)で示される化合物を光延反応に付し化合物(Ia)を得ることができる。光延反応は常法に従って行えばよいが、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、芳香族炭化水素類(例、トルエン、ベンゼン、キシレンなど)、飽和炭化水素類(例、シクロヘキサン、ヘキサンなど)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなど)、エーテル類(例、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、ケトン類(例、アセトン、メチルエチルケトンなど)、ニトリル類(例、アセトニトリルなど)、水およびそれらの混合溶媒等の溶媒中、アゾジカルボン酸エステルやアミド(ジエチルアゾジカルボキシレートなど)とトリフェニルホスフィン等のホスフィン類存在下、−30℃〜150℃、好ましくは0℃〜100℃で、0.5〜90時間反応させればよい。
式(II−1)および式(III)で示される化合物は公知の化合物を用いてもよく、公知化合物から常法により誘導された化合物を用いてもよい。
(第2法)化合物(Ib)(X1=O、SまたはNR11)の合成
(式中、LGはハロゲン、低級アルキルスルホニルオキシ等の脱離基であり、その他の記号は前記と同義)
式(II−2)で示される化合物と式(III)で示される化合物を反応させることにより、化合物(Ib)を合成することもできる。反応は適当な溶媒中、塩基存在下、−10〜180℃、好ましくは0〜150℃で、0.5〜90時間行えばよい。溶媒は上記第1法に記載と同様の溶媒を用いることができる。塩基としては例えば金属水素化物(例、水素化ナトリウム、水素化カリウムなど)、金属水酸化物(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなど)、金属炭酸塩(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウムなど)、金属アルコキシド(例、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシドなど)、炭酸水素ナトリウム、金属ナトリウム、有機アミン(トリエチルアミン、DBUなど)等が挙げられる。
式(II−2)および式(III)で示される化合物は公知の化合物を用いてもよく、公知の化合物から常法により誘導された化合物を用いてもよい。
式(II−2)で示される化合物と式(III)で示される化合物を反応させることにより、化合物(Ib)を合成することもできる。反応は適当な溶媒中、塩基存在下、−10〜180℃、好ましくは0〜150℃で、0.5〜90時間行えばよい。溶媒は上記第1法に記載と同様の溶媒を用いることができる。塩基としては例えば金属水素化物(例、水素化ナトリウム、水素化カリウムなど)、金属水酸化物(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなど)、金属炭酸塩(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウムなど)、金属アルコキシド(例、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシドなど)、炭酸水素ナトリウム、金属ナトリウム、有機アミン(トリエチルアミン、DBUなど)等が挙げられる。
式(II−2)および式(III)で示される化合物は公知の化合物を用いてもよく、公知の化合物から常法により誘導された化合物を用いてもよい。
(第3法)化合物(Ic)(X1=CR12R13CO)の合成
式(Ic)で示される化合物で表される化合物は以下のルートで合成できる。
(式中、X2はO、SまたはNR14であり、Rは低級アルキル、LGはハロゲン、低級アルキルスルホニル等の脱離基、Halはハロゲン、Proは保護基であり、その他の記号は前記と同義)
式(II−2)で示される化合物と式(IV)で示される化合物を付加反応に付し、式(V)で示される化合物を得る。反応は、好ましくは適当な溶媒中、塩基存在下で−50℃〜150℃、好ましくは−20℃〜100℃で、0.5〜60時間反応させればよい。溶媒としては上記第1法に記載のものを用いることができ、塩基としては上記第2法に記載のものを用いることができる。
次に化合物(V)を酸で処理して式(VI)で示される化合物を得る。反応は酢酸、水等の溶媒中または無溶媒下、塩酸、硫酸等の酸を用いて0℃〜180℃、好ましくは20℃〜150℃で、0.5〜90時間反応させればよい。目的化合物がR13が水素である場合は本工程で目的化合物が得られるが、目的化合物がR13が置換基を有していてもよい低級アルキルである場合には、本工程の後または次工程の後等、適当な段階で常法によりアルキル化すればよい。
最後に化合物(VI)を脱保護し、得られたフェノール体とハロゲン化合物を反応させて目的化合物(Ic)を得る。脱保護は常法により行うことができる。反応は塩基存在下、適当な溶媒中で目的とするCR9R10X3基を有する対応するハロゲン化物と−10〜180℃、好ましくは0〜150℃で0.5〜90時間反応させればよい。溶媒としては上記第1法に記載のものを用いることができる。塩基としては、上記第2法に記載のものを用いることができる。式(II−2)および式(VI)で示される化合物は公知の化合物を用いてもよく、公知の化合物から常法により誘導された化合物を用いてもよい。
式(Ic)で示される化合物で表される化合物は以下のルートで合成できる。
式(II−2)で示される化合物と式(IV)で示される化合物を付加反応に付し、式(V)で示される化合物を得る。反応は、好ましくは適当な溶媒中、塩基存在下で−50℃〜150℃、好ましくは−20℃〜100℃で、0.5〜60時間反応させればよい。溶媒としては上記第1法に記載のものを用いることができ、塩基としては上記第2法に記載のものを用いることができる。
次に化合物(V)を酸で処理して式(VI)で示される化合物を得る。反応は酢酸、水等の溶媒中または無溶媒下、塩酸、硫酸等の酸を用いて0℃〜180℃、好ましくは20℃〜150℃で、0.5〜90時間反応させればよい。目的化合物がR13が水素である場合は本工程で目的化合物が得られるが、目的化合物がR13が置換基を有していてもよい低級アルキルである場合には、本工程の後または次工程の後等、適当な段階で常法によりアルキル化すればよい。
最後に化合物(VI)を脱保護し、得られたフェノール体とハロゲン化合物を反応させて目的化合物(Ic)を得る。脱保護は常法により行うことができる。反応は塩基存在下、適当な溶媒中で目的とするCR9R10X3基を有する対応するハロゲン化物と−10〜180℃、好ましくは0〜150℃で0.5〜90時間反応させればよい。溶媒としては上記第1法に記載のものを用いることができる。塩基としては、上記第2法に記載のものを用いることができる。式(II−2)および式(VI)で示される化合物は公知の化合物を用いてもよく、公知の化合物から常法により誘導された化合物を用いてもよい。
上記のいずれかの方法により得られた化合物がX3=COOR17のエステル体である場合、この化合物を常法により加水分解してX3=COOHのカルボン酸体を得ることができる。
必要に応じ、上記製造法の適当な段階においていずれかの置換基を公知の有機合成反応を利用し、異なる置換基に変換してもよい。
例えば、いずれかの化合物がハロゲンを有している場合、DMF、テトラヒドロフラン等の溶媒中、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の塩基および水酸化アルカリ金属、炭酸水素アルカリ金属、炭酸アルカリ金属、有機塩基等の脱酸剤存在下、−20℃〜100℃でアルコールと反応させれば置換基が低級アルコキシに変換された化合物が得られる。
また、いずれかの化合物がヒドロキシを有している場合、二クロム酸ピリジニウム、ジョーンズ試薬、二酸化マンガン、過マンガン酸カリウム、四酸化ルテニウム等の酸化剤とジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ベンゼン、アセトン等の溶媒中で反応させることにより、置換基がカルボキシに変換された化合物が得られる。
必要に応じ、上記製造法の適当な段階においていずれかの置換基を公知の有機合成反応を利用し、異なる置換基に変換してもよい。
例えば、いずれかの化合物がハロゲンを有している場合、DMF、テトラヒドロフラン等の溶媒中、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の塩基および水酸化アルカリ金属、炭酸水素アルカリ金属、炭酸アルカリ金属、有機塩基等の脱酸剤存在下、−20℃〜100℃でアルコールと反応させれば置換基が低級アルコキシに変換された化合物が得られる。
また、いずれかの化合物がヒドロキシを有している場合、二クロム酸ピリジニウム、ジョーンズ試薬、二酸化マンガン、過マンガン酸カリウム、四酸化ルテニウム等の酸化剤とジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ベンゼン、アセトン等の溶媒中で反応させることにより、置換基がカルボキシに変換された化合物が得られる。
また、必要であれば、適当な段階で化合物のアミノまたはヒドロキシを常法により保護した後に反応に付し、適当な段階で酸または塩基で処理して脱保護してもよい。
アミノ保護基としてはフタルイミド、低級アルコキシカルボニル、低級アルケニルオキシカルボニル、ハロゲノアルコキシカルボニル、アリール低級アルコキシカルボニル、トリアルキルシリル、低級アルキルスルホニル、ハロゲノ低級アルキルスルホニル、アリールスルホニル、低級アルキルカルボニル、アリールカルボニル等を使用することができる。
ヒドロキシ保護基としてはアルキル(t−ブチル等)、アラルキル(トリフェニルメチル、ベンジル)、トリアルキルシリル(t−ブチルジメチルシリル、トリイソプロピルシリル等)、アルキルジアリールシリル(t−ブチルジフェニルシリル等)、トリアラルキルシリル(トリベンジルシリル等)、アルコキシアルキル(メトキシメチル、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル等)、アルコキシアルコキシアルキル(メトキシエトキシメチル等)、アルキルチオアルキル(メチルチオメチル等)、テトラヒドロピラニル(テトラヒドロピラン−2−イル、4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル等)、テトラヒドロチオピラニル(テトラヒドロチオピラン−2−イル等)、テトラヒドロフラニル(テトラヒドロフラン−2−イル等)、テトラヒドロチオフラニル(テトラヒドロチオフラン−2−イル等)、アラルキルオキシアルキル(ベンジルオキシメチル等)アルキルスルホニル、アシル、p−トルエンスルホニル等が挙げられる。
脱保護反応はテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、トルエン、ベンゼン、キシレン、シクロヘキサン、へキサン、クロロホルム、酢酸エチル、酢酸ブチル、ペンタン、ヘプタン、ジオキサン、アセトン、アセトニトリルまたはそれらの混合溶媒等の溶媒中、ヒドラジン、ピリジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基または塩酸、トリフルオロ酢酸、フッ化水素酸等の酸を用いて行えばよい。
アミノ保護基としてはフタルイミド、低級アルコキシカルボニル、低級アルケニルオキシカルボニル、ハロゲノアルコキシカルボニル、アリール低級アルコキシカルボニル、トリアルキルシリル、低級アルキルスルホニル、ハロゲノ低級アルキルスルホニル、アリールスルホニル、低級アルキルカルボニル、アリールカルボニル等を使用することができる。
ヒドロキシ保護基としてはアルキル(t−ブチル等)、アラルキル(トリフェニルメチル、ベンジル)、トリアルキルシリル(t−ブチルジメチルシリル、トリイソプロピルシリル等)、アルキルジアリールシリル(t−ブチルジフェニルシリル等)、トリアラルキルシリル(トリベンジルシリル等)、アルコキシアルキル(メトキシメチル、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル等)、アルコキシアルコキシアルキル(メトキシエトキシメチル等)、アルキルチオアルキル(メチルチオメチル等)、テトラヒドロピラニル(テトラヒドロピラン−2−イル、4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル等)、テトラヒドロチオピラニル(テトラヒドロチオピラン−2−イル等)、テトラヒドロフラニル(テトラヒドロフラン−2−イル等)、テトラヒドロチオフラニル(テトラヒドロチオフラン−2−イル等)、アラルキルオキシアルキル(ベンジルオキシメチル等)アルキルスルホニル、アシル、p−トルエンスルホニル等が挙げられる。
脱保護反応はテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、トルエン、ベンゼン、キシレン、シクロヘキサン、へキサン、クロロホルム、酢酸エチル、酢酸ブチル、ペンタン、ヘプタン、ジオキサン、アセトン、アセトニトリルまたはそれらの混合溶媒等の溶媒中、ヒドラジン、ピリジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基または塩酸、トリフルオロ酢酸、フッ化水素酸等の酸を用いて行えばよい。
具体的には、化合物(I)のA部分、B部分およびC部分をそれぞれ組み合わせた化合物が好ましい。
本発明のPPARアゴニスト用医薬組成物はPPARの関与する疾患全般に有効に作用するが、特に高脂血症、異脂肪症、脂質代謝異常、低HDL症、高LDL症、高VLDL症、高TG症、糖尿病、高血糖、インスリン抵抗性、肥満、神経性多食症、動脈硬化、アテローム性動脈硬化、高血圧、シンドロームX、虚血性疾患、炎症、アレルギー性疾患(炎症性大腸炎、慢性関節リウマチ、慢性膵炎、多発性硬化症、糸球体硬化症、乾癬、湿疹等)、骨粗しょう症、不妊、癌(乳癌、結腸癌、大腸癌、卵巣癌、肺癌等)、アルツハイマー症、パーキンソン症、バセドウ氏病の予防および/または治療に対して有効である。特に、PPARアゴニスト活性を有する本発明化合物のうち、PPARδ選択的アゴニスト活性を有する化合物は、高いHDL上昇作用が期待できること、副作用が軽減され得ること等の理由から優れた医薬品となり得る。
本発明化合物をPPARアゴニスト用医薬組成物として投与する場合、経口的、非経口的のいずれの方法でも投与することができる。経口投与は常法に従って錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、丸剤、液剤、シロップ剤、バッカル剤または舌下剤等の通常用いられる剤型に調製して投与すればよい。非経口投与は、例えば筋肉内投与、静脈内投与等の注射剤、坐剤、経皮吸収剤、吸入剤等、通常用いられるいずれの剤型でも好適に投与することができる。本発明化合物は経口吸収性が高いため、経口剤として好適に使用できる。
本発明化合物の有効量にその剤型に適した賦形剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤等の各種医薬用添加剤とを必要に応じて混合し医薬製剤とすることができる。注射剤の場合には適当な担体と共に滅菌処理を行なって製剤とすればよい。
具体的には、賦形剤としては乳糖、白糖、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウムもしくは結晶セルロ−ス等、結合剤としてはメチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシプロピルセルロ−ス、ゼラチンもしくはポリビニルピロリドン等、崩壊剤としてはカルボキシメチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−スナトリウム、デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末もしくはラウリル硫酸ナトリウム等、滑沢剤としてはタルク、ステアリン酸マグネシウムもしくはマクロゴ−ル等が挙げられる。坐剤の基剤としてはカカオ脂、マクロゴ−ルもしくはメチルセルロ−ス等を用いることができる。また、液剤もしくは乳濁性、懸濁性の注射剤として調製する場合には通常使用されている溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、安定化剤、保存剤、等張剤等を適宜添加しても良く、経口投与の場合には嬌味剤、芳香剤等を加えても良い。
具体的には、賦形剤としては乳糖、白糖、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウムもしくは結晶セルロ−ス等、結合剤としてはメチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシプロピルセルロ−ス、ゼラチンもしくはポリビニルピロリドン等、崩壊剤としてはカルボキシメチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−スナトリウム、デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末もしくはラウリル硫酸ナトリウム等、滑沢剤としてはタルク、ステアリン酸マグネシウムもしくはマクロゴ−ル等が挙げられる。坐剤の基剤としてはカカオ脂、マクロゴ−ルもしくはメチルセルロ−ス等を用いることができる。また、液剤もしくは乳濁性、懸濁性の注射剤として調製する場合には通常使用されている溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、安定化剤、保存剤、等張剤等を適宜添加しても良く、経口投与の場合には嬌味剤、芳香剤等を加えても良い。
本発明化合物のPPARアゴニスト用医薬組成物としての投与量は、患者の年齢、体重、疾病の種類や程度、投与経路等を考慮した上で設定することが望ましいが、成人に経口投与する場合、通常0.05〜100mg/kg/日であり、好ましくは0.1〜10mg/kg/日の範囲内である。非経口投与の場合には投与経路により大きく異なるが、通常0.005〜10mg/kg/日であり、好ましくは0.01〜1mg/kg/日の範囲内である。これを1日1回〜数回に分けて投与すれば良い。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳しく説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
実施例
実施例中、各略語の意味は以下の通りである。
Me メチル
Et エチル
nBu n−ブチル
tBu tert−ブチル
nPr n−プロピル
Ph フェニル
Bn ベンジル
Ac アセチル
Ms メタンスルホニル
TMS トリメチルシリル
PCC ピリジニウムクロロクロメート
CDI 1,1’−カルボニルジイミダゾール
DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン
DME 1,2−ジメトキシエタン
DPM ジフェニルメチル
TBS 3−tert−ブチルジメチルシリル
TFMP 4−トリフルオロメチルフェニル
実施例中、各略語の意味は以下の通りである。
Me メチル
Et エチル
nBu n−ブチル
tBu tert−ブチル
nPr n−プロピル
Ph フェニル
Bn ベンジル
Ac アセチル
Ms メタンスルホニル
TMS トリメチルシリル
PCC ピリジニウムクロロクロメート
CDI 1,1’−カルボニルジイミダゾール
DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン
DME 1,2−ジメトキシエタン
DPM ジフェニルメチル
TBS 3−tert−ブチルジメチルシリル
TFMP 4−トリフルオロメチルフェニル
(参考例1−1)4−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール−3−カルボン酸エチルエステル
ジエチルエーテル1500mlにリチウムビス(トリメチルシリル)アミド溶液500mlを加え、内温−70℃以下に冷却した。4−トリフルオロメチルプロピオフェノン100.5gのエーテル500ml溶液を内温−65℃以下に保ち滴下した。−78℃で1時間攪拌後、シュウ酸ジエチル73.0gを加え、室温で20時間攪拌した。析出した結晶を濾過しピルベートのリチウム塩を第1晶として53.1g得た。このリチウム塩53.1gにエタノール530ml、塩酸ヒドロキシルアミン16.9gを加え24時間還流した。減圧下、反応溶液を濃縮し析出した結晶を濾取した。標記化合物 42.5gを得た。
NMR(CDCl3):δ 1.46(3H, t, J=6.9Hz), 2.47(3H,s), 4.49(2H, q, J=6.9Hz), 7.78(2H, d, J=8.4Hz), 7.86(2H, d, J=8.4Hz).
NMR(CDCl3):δ 1.46(3H, t, J=6.9Hz), 2.47(3H,s), 4.49(2H, q, J=6.9Hz), 7.78(2H, d, J=8.4Hz), 7.86(2H, d, J=8.4Hz).
(参考例1−2)[4−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール−3−イル]メタノール
4−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール−3−カルボン酸エチルエステル60.5gを、テトラヒドロフラン400ml、エタノール600mlに溶解した。氷冷水下、水素化ホウ素ナトリウム7.64gを加え、室温で2時間攪拌した。反応液を濃縮後、水、酢酸エチルを加え、2N塩酸でpH6とした。酢酸エチルで抽出し、標記化合物45.0 gを得た。
NMR(CDCl3):δ 1.97(1H, t, J=6.6Hz), 4.80(2H, m), 7.76(2H, d, J=8.4Hz), 7.85(2H, d, J=8.4Hz).
NMR(CDCl3):δ 1.97(1H, t, J=6.6Hz), 4.80(2H, m), 7.76(2H, d, J=8.4Hz), 7.85(2H, d, J=8.4Hz).
(参考例1−3)
3−クロロメチル−4−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール
[4−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール−3−イル]メタノール45g、クロロホルム670mlの溶液に氷冷下、塩化チオニル42.6g、ピリジン15.5gを加えた。室温で23時間攪拌後、反応液を濃縮し氷水を加えた。酢酸エチルで抽出し、標記化合物41.4gを得た。
NMR(CDCl3): 1.97(1H, t, J=6.6Hz), 4.80(2H, m), 7.76(2H, d, J=8.4Hz), 7.85(2H, d, J=8.7Hz).
3−クロロメチル−4−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール
NMR(CDCl3): 1.97(1H, t, J=6.6Hz), 4.80(2H, m), 7.76(2H, d, J=8.4Hz), 7.85(2H, d, J=8.7Hz).
(参考例2−1)5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸エチルエステル
4−トリフルオロメチルアセトフェノンから、参考例1-1と同様の方法で合成した。
NMR(CDCl3): 1.46(3H, t, J=6.9Hz), 4.49(2H, q, J=6.9Hz), 7.04(1H, s), 7.77(2H, d, J=8.7Hz), 7.95(2H, d, J=8.7Hz).
NMR(CDCl3): 1.46(3H, t, J=6.9Hz), 4.49(2H, q, J=6.9Hz), 7.04(1H, s), 7.77(2H, d, J=8.7Hz), 7.95(2H, d, J=8.7Hz).
(参考例2−2)[5−(4−トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール−3−イル]メタノール
5−(4−トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール−3−カルボン酸エチルエステルから、参考例1-2と同様の方法で合成した。
融点111−113℃.
融点111−113℃.
(参考例2−3)3−メトキシメトキシメチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール
[5−(4−トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール−3−イル]メタノール21.9g、テトラヒドロフラン300mlの混合物に水素化ナトリウム(60%)4.14gを氷冷下加え、室温で1時間攪拌した。反応液にクロロメチルメチルエーテル9.42gを加えた後、さらに室温で20時間攪拌した。反応液を氷水に注いだ後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトに付し、酢酸エチル:n−ヘキサン(1:4)で溶出し、標記化合物20.8gを得た。
NMR(CDCl3) : δ 3.44(3H,s), 4.73(2H,s), 4.76(2H,s), 6.70(1H,s), 7.72(2H,d,J=8.7Hz), 7.92(2H,d,J=8.7Hz)
NMR(CDCl3) : δ 3.44(3H,s), 4.73(2H,s), 4.76(2H,s), 6.70(1H,s), 7.72(2H,d,J=8.7Hz), 7.92(2H,d,J=8.7Hz)
(参考例2−4)3−メトキシメトキシメチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール−4−カルボアルデヒド
3−メトキシメトキシメチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール286mg、テトラヒドロフラン6mlの混合物中に、−78℃でn−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液)1.56mlを加えた。−78℃で0.5時間攪拌後、N,N−ジメチルホルムアミド257mgを一気に加えた。反応液を室温まで昇温後、氷水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトに付し、酢酸エチル:n−ヘキサン(1:5)で溶出し、標記化合物179mgを得た。
1H-NMR(CDCl3) : δ 3.45(3H,s), 4.81(2H,s), 4.96(2H,s), 7.84(2H,d,J=8.4Hz), 8.08(2H,d,J=8.4Hz), 10.14(1H,s)
1H-NMR(CDCl3) : δ 3.45(3H,s), 4.81(2H,s), 4.96(2H,s), 7.84(2H,d,J=8.4Hz), 8.08(2H,d,J=8.4Hz), 10.14(1H,s)
参考例(2−5)[3-メトキシメトキシメチル-5-(4-トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール-4-イル]メタノール
3−メトキシメトキシメチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール−4−カルボアルデヒド 4.60g、メタノール60ml、エタノール40mlの混合物に、水素化ホウ素ナトリウム 665mg を加え、室温で4時間攪拌した。反応液を濃縮後、氷水を加えて、クロロホルムで抽出した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精 製し、標記化合物 3.98gを得た。
1H-NMR(CDCl3) : δ 2.75(1H, brs), 3.44(3H,s), 4.68(2H, s), 4,79(2H, s), 4.82(2H, s), 7.78(2H, d, J=8.1Hz), 7.94(2H, d, J=8.1Hz)
1H-NMR(CDCl3) : δ 2.75(1H, brs), 3.44(3H,s), 4.68(2H, s), 4,79(2H, s), 4.82(2H, s), 7.78(2H, d, J=8.1Hz), 7.94(2H, d, J=8.1Hz)
(参考例2−6)4−エトキシメチル-3-メトキシメトキシメチル-5-(4-トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール
[3-メトキシメトキシメチル-5-(4-トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール-4-イル]メタノール 2.54g、テトラヒドロフラン 30mlの混合物に水素化ナトリウム 384mgを加えた。1時間攪拌後、ヨウ化エチル1.75gを加え、さらに21時間攪拌した。反応液を濃縮後、氷水を加えクロロホルムで抽出した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物 2.17gを得た。
TLC Rf 0.32 (酢酸エチル/n-ヘキサン,1/3)
TLC Rf 0.32 (酢酸エチル/n-ヘキサン,1/3)
(参考例2−7)[4−エトキシメチル−5−(4−トリフルオチメチルフェニル)イソキサゾール−3−イル]メタノール
4−エトキシメチル−3−メトキシメトキシメチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール2.15g、6規定塩酸4ml、テトラヒドロフラン25mlの混合物を8時間還流した。反応液に水を加え酢酸エチルで抽出した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムク ロマトグラフィーで精製し、標記化合物 1.90gを得た。
NMR(CDCl3) : δ 1.29(3H,t,J=7.2Hz), 3.65(2H,q,J=7.2Hz), 4.61(2H,s), 4.82(2H,s), 7.78-7.80(4H,m).
NMR(CDCl3) : δ 1.29(3H,t,J=7.2Hz), 3.65(2H,q,J=7.2Hz), 4.61(2H,s), 4.82(2H,s), 7.78-7.80(4H,m).
(参考例2−8)
3−クロロメチル-4-エトキシメチル-5-(4-トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール
[4−エトキシメチル−5−(4−トリフルオチメチルフェニル)イソキサゾール−3−イル]メタノール 1.90g、塩化チオニル 1.65g、ピリジン505mg、クロロホルム40mlの混合物を室温で30時間攪拌した。反応液を濃縮後、氷水を加えクロロホルムで抽出した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物1.61g を得た。
1H-NMR(CDCl3) : δ 1.28(3H, t, J=6.9Hz), 3.64(2H, q, J=6.9Hz), 4.57(2H, s), 4.73(2H, s), 7.69(2H, d, J=8.4Hz), 7.90(2H, d, J=8.4Hz).
3−クロロメチル-4-エトキシメチル-5-(4-トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール
1H-NMR(CDCl3) : δ 1.28(3H, t, J=6.9Hz), 3.64(2H, q, J=6.9Hz), 4.57(2H, s), 4.73(2H, s), 7.69(2H, d, J=8.4Hz), 7.90(2H, d, J=8.4Hz).
(参考例3−1)3−メトキシメトキシメチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール−4−カルボアルデヒドエチルオキシム
3−メトキシメトキシメチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール−4−カルボアルデヒド12.4g、エトキシアミン塩酸塩4.79g、テトラヒドロフラン300mlの混合物を60℃で3時間撹拌した。溶媒を減圧下留去した後、残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトに付し、酢酸エチル:n−ヘキサン(5:95)で溶出し、標記化合物10.6gを得た。
NMR(CDCl3) : δ 1.33(3H,t,J=7.2Hz), 3.46(3H,s), 4.23(2H,q,J=7.2Hz), 4.18(2H,s), 4.89(2H,s), 7.77(2H,d,J=8.4Hz), 7.88(2H,d,J=8.4Hz), 8.17(1H,s).
NMR(CDCl3) : δ 1.33(3H,t,J=7.2Hz), 3.46(3H,s), 4.23(2H,q,J=7.2Hz), 4.18(2H,s), 4.89(2H,s), 7.77(2H,d,J=8.4Hz), 7.88(2H,d,J=8.4Hz), 8.17(1H,s).
(参考例3−2)
3−ヒドロキシメチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール−4−カルボアルデヒドエチルオキシム
参考例2−7と同様の方法で合成した。
TLC Rf 0.27(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/4)
3−ヒドロキシメチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール−4−カルボアルデヒドエチルオキシム
TLC Rf 0.27(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/4)
(参考例3−3)メタンスルホン酸 4-(エトキシイミノメチル)-5-(4-トリオフルオロメチルフェニル)イソキサゾール-3-イルメチルエステル
3−ヒドロキシメチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール−4−カルボアルデヒドエチルオキシム 7.90g、メタンスルホニルクロリド 2.37ml、トリエチルアミン 4.23g、塩化メチレン 200mlも混合物を0℃で1時間攪拌した。反応液を氷水中に注いだ後、クロロホルムで抽出し標記化合物 9.72gを得た。
NMR(CDCl3) : δ 1.34(3H, t ,J=7.2Hz), 3.18(3H, s), 4.26(2H,q,J=7.2Hz), 5.58(2H,s), 7.80-7.81 (4H, m), 8.17(1H,s).
NMR(CDCl3) : δ 1.34(3H, t ,J=7.2Hz), 3.18(3H, s), 4.26(2H,q,J=7.2Hz), 5.58(2H,s), 7.80-7.81 (4H, m), 8.17(1H,s).
(参考例4−1)4,4,4-トリフルオロ-3-(4-メトキシフェニル)クロトン酸 メチルエステル
2,2,2,-トリフルオロ-4'-メトキシアセトフェノン4.58g、ジメチルホスホノ酢酸メチル 4.88g、カリウム t−ブトキシド3.17g、THF 50mlの混合物を1.5時間還流した。水を加えて反応を停止した後、酢酸エチルで抽出し、標記化合物を5.55g得た。
TLC Rf 0.49(トルエン/酢酸エチル,9/1)
TLC Rf 0.49(トルエン/酢酸エチル,9/1)
(参考例4−2)4,4,4-トリフルオロ-3-(4-メトキシフェニル)酪酸 メチルエステル
4,4,4-トリフルオロ-3-(4-メトキシフェニル)クロトン酸 メチルエステル4.55g、10%Pd-C 455mg、メタノールの混合物を1気圧の水素雰囲気下16時間攪拌した。不要物をろ過した後、母液を減圧下濃縮し標記化合物4.52gを得た。
TLC Rf 0.65(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/1)
TLC Rf 0.65(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/1)
(参考例4−3)4,4,4-トリフルオロ-3-(4-ヒドロキシフェニル)酪酸 メチルエステル
4,4,4-トリフルオロ-3-(4-メトキシフェニル)酪酸 メチルエステル 4.00gの塩化メチレン40mlに、0℃で三臭化ホウ素(1M塩化メチレン溶液)31mLを加え、2時間攪拌した。水を加えた後、クロロホルム/メタノール(9/1)で抽出し、標記化合物3.80gを得た。
TLC Rf 0.42 (酢酸エチル/n-ヘキサン,1/1)
TLC Rf 0.42 (酢酸エチル/n-ヘキサン,1/1)
(参考例4−4)3-(4-ジメチルチオカルバモイルオキシフェニル)-4,4,4-トリフルオロ酪酸 メチルエステル
4,4,4-トリフルオロ-3-(4-ヒドロキシフェニル)酪酸 メチルエステル3.80g、水素化ナトリウム673mg、ジメチルチオカルバモイルクロリド 2.08g、ジメチルホルムアミド60mlの混合物を室温で1時間攪拌した。水を加えた後、酢酸エチルで抽出し、標記化合物を3.67gを得た。
TLC Rf 0.46 (トルエン/酢酸エチル,9/1)
TLC Rf 0.46 (トルエン/酢酸エチル,9/1)
(参考例4−5)3-(4-ジメチルカルバモイルスルファニルフェニル)-4,4,4-トリフルオロ酪酸 メチルエステル
3-(4-ジメチルチオカルバモイルオキシフェニル)-4,4,4-トリフルオロ酪酸 メチルエステル 3.67g、フェニルキシリルエタン 20mLの混合物を290℃で1時間攪拌した。混合物をシリカゲルカラムクロマトクラフィーで精製し、標記化合物 3.53gを得た。
TLC Rf 0.34(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/1)
TLC Rf 0.34(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/1)
(参考例4−6)4,4,4-トリフルオロ-3-(4-メルカプトフェニル)酪酸 メチルエステル
3-(4-ジメチルカルバモイルスルファニルフェニル)-4,4,4-トリフルオロ酪酸 メチルエステル 335mg、1.0Mナトリウムメトキシド(メタノール溶液)2.0mLの混合物を1時 間還流した。水を加えた後、酢酸エチルで抽出し標記化合物266mgを得た。
TLC Rf 0.64(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/1)
TLC Rf 0.64(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/1)
(参考例5−1)2−フルオロアセトフェノン
2−ブロモアセトフェノン 3.0g、フッ化カリウム 1,80g、18-クラウン-6 264mg、アセトニトリル 5mLの混合物を20時間還流した。水を加えた後、ジエチルエーテルで抽出した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、標記化合物 1.16gを得た。
TLC Rf 0.47(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/2)
TLC Rf 0.47(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/2)
(参考例5−2)4-フルオロ-3-フェニルクロトン酸 メチルエステル
2−フルオロアセトフェノン 1.16g、ジメチルホスホノ酢酸メチル 1.82g、カリウム t−ブトキシド1.19g、テトラヒドロフラン20mlの混合物を0℃で1時間攪拌した。水を加えて反応を停止した後、酢酸エチルで抽出した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、標記化合物を1.20g得た。
TLC Rf Z体 0.58,E体 0.42(トルエン/酢酸エチル,9/1)
TLC Rf Z体 0.58,E体 0.42(トルエン/酢酸エチル,9/1)
(参考例5−3)4-フルオロ-3フェニル酪酸 メチルエステル
4-フルオロ-3-フェニルクロトン酸 メチルエステル704mg、5%Pd-C 70mg、酢酸エチル7mLの混合物を、1気圧の水素雰囲気下2時間攪拌した。不要物をろ過した後、母液を減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、標記化合物546mgを得た。
TLC Rf 0.45 (トルエン/酢酸エチル,9/1)
TLC Rf 0.45 (トルエン/酢酸エチル,9/1)
(参考例5−4)
3-(4-クロロスルホニルフェニル)-4-フルオロ酪酸 メチルエステル
4-フルオロ-3フェニル酪酸 メチルエステル 100mg、クロロ硫酸 238mgの混合物を室温で5時間攪拌した。反応液を氷水中に注いだ後、ジエチルエーテルで抽出し、標記化合物 109mgを得た。
TLC Rf 0.43(酢酸エチル/n-ヘキサン,2/1)
3-(4-クロロスルホニルフェニル)-4-フルオロ酪酸 メチルエステル
TLC Rf 0.43(酢酸エチル/n-ヘキサン,2/1)
(参考例5−5)4-フルオロ-3-(4-メルカプトフェニル)酪酸 メチルエステル
3-(4-クロロスルホニルフェニル)-4-フルオロ酪酸 メチルエステル 109mg、スズ 220mg、4規定塩酸/ジオキサン溶液 0.5mL、メタノール 0.5mLの混合物を1時間還流した。不溶物をろ過した後、母液を濃縮し標記化合物を84mg得た。
TLC Rf 0.61(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/2)
TLC Rf 0.61(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/2)
(参考例6−1)2,2−ジフルオロアセトフェノン
2,2,2-トリフルオロアセトフェノン 3.00g、マグネシウム 870mg、クロロトリメチルシラン 7.79g、テトラヒドロフラン 75mL の混合物を室温で2時間攪拌した。1Mテトラブチルアンモニウムフルオリド/テトラヒドロフラン溶液、水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物を2.13g得た。
TLC Rf 0.50(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/6)
TLC Rf 0.50(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/6)
(参考例6−2)4,4-ジフルオロ-3-フェニルクロトン酸 メチルエステル
2,2−ジフルオロアセトフェノン 2.13g、ジメチルホスホノ酢酸メチル 2.96g、カリウム t−ブトキシド1.93g、THF 50mlの混合物を0℃で1時間攪拌した。水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、標記化合物1.28gを得た。
TLC Rf Z体 0.59,E体 0,48(トルエン/酢酸エチル,9/1)
TLC Rf Z体 0.59,E体 0,48(トルエン/酢酸エチル,9/1)
(参考例6−3)4,4-ジフルオロ-3-フェニル酪酸 メチルエステル
4,4-ジフルオロ-3-フェニルクロトン酸 メチルエステル 1.25g、5%Pd-C 125mg、酢酸エチル20mLの混合物を、1気圧の水素雰囲気下2時間攪拌した。不溶物をろ過したのち、母液を減圧下濃縮し、標記化合物1.12mgを得た。
TLC Rf 0.64(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/6)
TLC Rf 0.64(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/6)
(参考例6−4)3-(4-クロロスルホニルフェニル)-4,4-ジフルオロ酪酸 メチルエステル
4,4-ジフルオロ-3フェニル酪酸 メチルエステル 100mg、クロロ硫酸 218mgの混合物を0℃で3時間、50℃で0.5時間攪拌した。反応液を氷水中に注いだ後、酢酸エチルで抽出し、標記化合物 109mgを得た。
TLC Rf 0.33(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/2)
TLC Rf 0.33(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/2)
(参考例6−5)4,4-ジフルオロ-3-(4-メルカプトフェニル)酪酸 メチルエステル
3-(4-クロロスルホニルフェニル)-4,4-ジフルオロ酪酸 メチルエステル 109mg、スズ 207mg、4規定塩酸/ジオキサン溶液 0.5mL、メタノール 0.5mLの混合物を1時間還流した。不溶物をろ過した後、母液に水を加えクロロホルムで抽出し、標記化合物を85mg得た。
TLC Rf 0.55(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/2)
TLC Rf 0.55(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/2)
(参考例7−1)(S)-3-フェニル酪酸 イソプロピルエステル
クロトン酸イソプロピルエステル 64.1g、フェニルボロン酸 76.2g、炭酸カリウム6.91g、クロロ(1,5‐シクロオクタジエン)ロジウム(I)ダイマー 1.23g、(R)-BINAP 4.67g、ジオキサン600mL、水100mL の混合物を1時間還流した。減圧下、反応液を濃縮した後、水を加えた。酢酸エチルで抽出後、粗生成物を蒸留し、標記化合物67.9gを得た。
b.p. 93 ℃(1.6 Torr).
b.p. 93 ℃(1.6 Torr).
(参考例7−2)(S)-3-フェニル酪酸
(S)-3-フェニル酪酸 イソプロピルエステル 67.9g、2規定水酸化ナトリウム水溶液200mL、ジオキサン400mL、エタノール200mLの混合物を100℃で1.5時間攪拌した。反応液を濃縮後、残渣に酢酸エチル、1規定塩酸を加えた。酢酸エチルで抽出し、標記化合物76.4gを得た。
得られた標記化合物73.2gを(S)−フェニルエチルアミン54.0g、エタノール200mL、水220mLと混合した。80℃で攪拌した後、室温に戻し、析出した結晶を濾取した。得られた結晶に2規定塩酸、水、酢酸エチルを加え、有機層を分取、濃縮した。標記化合物 49.7gを得た(97.7%e.e.)。
[α]D 23 +55.9°(C=1.38,ベンゼン).
得られた標記化合物73.2gを(S)−フェニルエチルアミン54.0g、エタノール200mL、水220mLと混合した。80℃で攪拌した後、室温に戻し、析出した結晶を濾取した。得られた結晶に2規定塩酸、水、酢酸エチルを加え、有機層を分取、濃縮した。標記化合物 49.7gを得た(97.7%e.e.)。
[α]D 23 +55.9°(C=1.38,ベンゼン).
(参考例7−3)(S)-3-フェニル酪酸 メチルエステル
(S)-3-フェニル酪酸 30.5g、濃硫酸 0.5mL、メタノール 300mL を2時間還流した。減圧下溶媒を留去後、残渣を酢酸エチルに溶解し、水、飽和食塩水で洗浄した。減圧下溶媒を留去し、標的化合物32.4gを得た。
HPLC:Column CHIRALCEL OD(4.6 mm x 250 mm, DAICEL),移動層 n-プロパノール/n-ヘキサン=10/90,流速 1mL/min,UV 286nM,t R=7.12 min.
HPLC:Column CHIRALCEL OD(4.6 mm x 250 mm, DAICEL),移動層 n-プロパノール/n-ヘキサン=10/90,流速 1mL/min,UV 286nM,t R=7.12 min.
(参考例7−4)(S)-3-(4-クロロスルホニルフェニル)酪酸 メチルエステル
(S)-3-フェニル酪酸 メチルエステル 32.4g、クロロ硫酸 48mLの混合物を0℃で0.5時間、室温で2.5時間、50℃で0.5時間攪拌した。反応液を氷に注いだ後、酢酸エチルで抽出した。得られた標記化合物はそのまま次の反応に用いた。
TLC Rf 0.55(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/2)
TLC Rf 0.55(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/2)
(参考例7−5)(S)-3-(4-メルカプトフェニル)酪酸 メチルエステル
参考例7−4で得られた(S)-3-(4-クロロスルホニルフェニル)酪酸 メチルエステルを、スズ 108g、4規定 塩酸/ジオキサン溶液 230mL、メタノール 230mLと混合 し、3時間還流した。不溶物をろ過した後、母液を濃縮し標記化合物33.3gを得た。
TLC Rf 0.44(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/2)
TLC Rf 0.44(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/2)
(参考例8−1)4−ジメチルチオカルバモイルオキシ−3−メトキシアセトフェノン
アセトバニロン15.11g、N,N−ジメチルチオカルバモイルクロリド12.8g、N,N−ジメチルアミノピリジン1.1g、トリエチルアミン13ml、1,4−ジオキサン100mlの混合物を1.5時間還流した。反応液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣を酢酸エチル−n−ヘキサンの混合溶媒から再結晶し、標記化合物20.2gを得た。
NMR(CDCl3) : δ 2.61(3H,s), 3.37(3H,s), 3.47(3H,s), 3.89(3H,s), 7.13(1H,d,J=8.1Hz),7.57-7.61(2H,m).
NMR(CDCl3) : δ 2.61(3H,s), 3.37(3H,s), 3.47(3H,s), 3.89(3H,s), 7.13(1H,d,J=8.1Hz),7.57-7.61(2H,m).
(参考例8−2)4−ジメチルカルバモイルスルファニル−3−メトキシアセトフェノン
4−ジメチルチオカルバモイルオキシ−3−メトキシアセトフェノン21.7g、ビフェニルエーテル100mlの混合物を270℃で1時間攪拌した。室温に冷却後、反応液にn−ヘキサンを加え、析出した結晶を濾取し、標記化合物18.9gを得た。
NMR(CDCl3) : δ 2.61(3H,s), 3.08(6H,br), 3.94(3H,s), 7.51-7.61(3H,m).
NMR(CDCl3) : δ 2.61(3H,s), 3.08(6H,br), 3.94(3H,s), 7.51-7.61(3H,m).
(参考例8−3)3−(4−ジメチルカルバモイルスルファニル−3−メトキシフェニル)クロトン酸 メチルエステル
ジメチルホスホノ酢酸メチル16.3g、テトラヒドロフラン200mlの混合物に、カリウム t−ブトキシド10.6gを−78℃で加えた。室温で30分間攪拌後、4−ジメチルチオカルバモイルオキシ−3−メトキシアセトフェノン18.9gを加え、さらに室温で2時間攪拌した。反応液に飽和酢酸アンモニウム水溶液、水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣を酢酸エチル−n−ヘキサンの混合溶媒から再結晶し、標記化合物15.6gを得た。
(参考例8−4)3−(4−ジメチルカルバモイルスルファニル−3−メトキシフェニル)酪酸 メチルエステル
3−(4−ジメチルカルバモイルスルファニル−3−メトキシフェニル)クロトン酸 メチルエステル22.3g、メタノール200mlの混合物にマグネシウム4.56gを加え室温で2時間攪拌した。反応液を水200ml、2規定塩酸250mlの混合液に注いだ後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をn−ヘキサン−イソプロピルエーテルの混合溶媒から再結晶し、標記化合物を15.0g得た。
NMR(CDCl3) : δ 1.30(3H,d,J=6.9Hz), 2.50-2.68(2H,m), 3.06(6H,br), 3.24-3.33(1H,m), 3.65(3H,s), 3.87(3H,s), 6.81-6.85(2H,m), 7.38(1H,d,J=7.8Hz).
NMR(CDCl3) : δ 1.30(3H,d,J=6.9Hz), 2.50-2.68(2H,m), 3.06(6H,br), 3.24-3.33(1H,m), 3.65(3H,s), 3.87(3H,s), 6.81-6.85(2H,m), 7.38(1H,d,J=7.8Hz).
(参考例8−5)(S)-3-(4-ジメチルカルバモイルスルファニル-3-メトキシフェニル)酪酸
3−(4−ジメチルカルバモイルスルファニル−3−メトキシフェニル)酪酸 メチルエステル 6.03g、リパーゼPS(天野エンザイム)3.00g、リン酸ナトリウムバッファー(pH7.6)300mL、DMSO 60mLの混合物を50℃で19時間攪拌した。5規定塩酸100mlを加えた後、酢酸エチルで抽出した。得られた粗生成物をアセトンから再結晶し、標記化合物0.83gを得た。93%e.e.
HPLC:Column CHIRALCEL OJ-R(4.6 mm x 150 mm, DAICEL),移動層 エタノール/水/トリフルオロ酢酸=60/40/0.1,流速 0.5mL/min,UV 254nM,t R=9.46 min.
HPLC:Column CHIRALCEL OJ-R(4.6 mm x 150 mm, DAICEL),移動層 エタノール/水/トリフルオロ酢酸=60/40/0.1,流速 0.5mL/min,UV 254nM,t R=9.46 min.
(参考例8−6)(S)-3-(4-ジメチルカルバモイルスルファニル-3-メトキシフェニル)酪酸 メチルエステル
(S)-3-(4-ジメチルカルバモイルスルファニル-3-メトキシフェニル)酪酸 440mg、濃硫酸0.1mlをメタノール20mlに溶解し、30分間還流した。溶媒を留去後、水を加え、酢酸エチルで抽出し標記化合物455mgを得た。
NMR(CDCl3) : δ 1.30(3H, d, J=6.9Hz), 2.50-2.68(2H, m), 3.01-3.11(6H, br), 3.23-3.35(1H, m), 3.65(3H, s), 3.87(3H, s), 6.81-6.85(2H, m), 7.38(1H, d, J=7.8Hz).
NMR(CDCl3) : δ 1.30(3H, d, J=6.9Hz), 2.50-2.68(2H, m), 3.01-3.11(6H, br), 3.23-3.35(1H, m), 3.65(3H, s), 3.87(3H, s), 6.81-6.85(2H, m), 7.38(1H, d, J=7.8Hz).
(参考例8−7)(S)-3-(4-メルカプト-3-メトキシフェニル)酪酸 メチルエステル
(S)-3-(4-ジメチルカルバモイルスルファニル-3-メトキシフェニル)酪酸 メチルエステル 779mg、1Mナトリウムメトキシド 12.5ml、メタノール 20mlの混合物を6時間還流した。溶媒を留去した後、1規定塩酸を加え、酢酸エチルで抽出し、標記化合物を575mg得た。
NMR(CDCl3) : δ 1.28(3H, d, J=7.2Hz), 2.49-2.64(2H, m), 3.18-3.30(1H, m), 3.63(3H, s), 3.73(1H, s), 3.89(3H, s), 6.71-6.74(2H, m), 7.17(1H, d, J=8.1Hz)
NMR(CDCl3) : δ 1.28(3H, d, J=7.2Hz), 2.49-2.64(2H, m), 3.18-3.30(1H, m), 3.63(3H, s), 3.73(1H, s), 3.89(3H, s), 6.71-6.74(2H, m), 7.17(1H, d, J=8.1Hz)
3-[4-[4-エトキシメチル-5-(4-トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール-3-イルメチルスルファニル]フェニル]-4,4,4-トリフルオロ酪酸 メチルエステル
4,4,4-トリフルオロ-3-(4-メルカプトフェニル)酪酸 メチルエステル254mg、3−クロロメチル-4-エトキシメチル-5-(4-トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール 279mg、炭酸セシウム 342mg、アセトニトリル 4mLの混合物を室温下20時間攪拌した。不要物をろ過した後、母液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、標記化合物 415mgを得た。
TLC Rf 0.57(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/2)
TLC Rf 0.57(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/2)
3-[4-[4-エトキシメチル-5-(4-トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール-3-イルメチルスルファニル]フェニル]-4,4,4-トリフルオロ酪酸
3-[4-[4-エトキシメチル-5-(4-トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール-3-イルメチルスルファニル]フェニル]-4,4,4-トリフルオロ酪酸 メチルエステル 410mg、4規定水酸化リチウム水溶液 0.94mL、テトラヒドロフラン 2mL、メタノール 2mLの混合物を室温で3時間攪拌した。溶媒を留去した後、水、2規定塩酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物 327mgを得た。
TLC Rf 0.63 (EtOAc)
TLC Rf 0.63 (EtOAc)
4-フルオロ-3-[4-[4-メチル-5-(4-トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール-3-イルメチルスルファニル]フェニル]酪酸
4-フルオロ-3-[4-[4-メチル-5-(4-トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール-3-イルメチルスルファニル]フェニル]酪酸 メチルエステル 170mg、4規定水酸化リチウム水溶液 0.45mL、テトラヒドロフラン 2mL、メタノール 2mLの混合物を室温で1時間攪拌した。水、2規定塩酸水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した。得られた粗生成物を、アセトン/ジイソプロピルエーテルから再結晶し、標記化合物 85mgを得た。
NMR(CDCl3)δ: 2.23(3H, s), 2.66-2.95(2H, m), 3.39-3.54(1H, m), 4.12(2H, s), 4.35-4.66(2H, m), 7.17(2H, d, J=8.4Hz), 7.37(2H, d, J=8.4Hz), 7.73(2H, d, J=8.4Hz), 7.80(2H, d, J=8.4Hz)
NMR(CDCl3)δ: 2.23(3H, s), 2.66-2.95(2H, m), 3.39-3.54(1H, m), 4.12(2H, s), 4.35-4.66(2H, m), 7.17(2H, d, J=8.4Hz), 7.37(2H, d, J=8.4Hz), 7.73(2H, d, J=8.4Hz), 7.80(2H, d, J=8.4Hz)
4,4-ジトリフルオロ-3-[4-[4-メチル-5-(4-トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール-3-イルメチルスルファニル]フェニル]酪酸
4,4-ジトリフルオロ-3-[4-[4-メチル-5-(4-トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール-3-イルメチルスルファニル]フェニル]酪酸 メチルエステル 161mg、4規定水酸化リチウム水溶液 0.42mL、テトラヒドロフラン 2mL、メタノール 2mLの混合物を室温で1時間攪拌した。水、2規定塩酸水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した。得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物 22mgを得た。
NMR(CDCl3)δ: 2.17(3H, s), 2.74-3.03 (2H, m), 3.51-3.58(1H, m), 5.89(1H, td, J=56.1Hz, 3.0Hz), 7.21(2H, d, J=8.1Hz), 7.38(2H, d, J=8.1Hz), 7.73(2H, d, J=8.1Hz), 7,.80(2H, d J=8.1Hz)
NMR(CDCl3)δ: 2.17(3H, s), 2.74-3.03 (2H, m), 3.51-3.58(1H, m), 5.89(1H, td, J=56.1Hz, 3.0Hz), 7.21(2H, d, J=8.1Hz), 7.38(2H, d, J=8.1Hz), 7.73(2H, d, J=8.1Hz), 7,.80(2H, d J=8.1Hz)
(S)-3-[4-[4-メチル-5-(4-トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール-3-イルメチルスルファニル]フェニル]酪酸 メチルエステル
(S)-3-(4-メルカプトフェニル)酪酸 メチルエステル 25.0g、3-クロロメチル-4-メチル-5-(4-トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール 29.9g、炭酸セシウム 70.4g、アセトニトリル 450mLの混合物を室温下19時間攪拌した。不溶物をろ過した後、母液を濃縮した。残渣に水、2規定塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物 36.8gを得た。
TLC Rf 0.26(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/6)
TLC Rf 0.26(酢酸エチル/n-ヘキサン,1/6)
(S)-3-[4-[4-メチル-5-(4-トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール-3-イルメチルスルファニル]フェニル]酪酸
(S)-3-[4-[4-メチル-5-(4-トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール-3-イルメチルスルファニル]フェニル]酪酸 メチルエステル 36.6g、4規定水酸化リチウム水溶液 45mL、水90mL、テトラヒドロフラン 300mL、メタノール 300mLの混合物を室温で5時間攪拌した。氷冷下2規定塩酸水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した。得られた粗生成物を、ジイソプロピルエーテルから再結晶し、標記化合物 20.8gを得た。融点 108−109℃.[α]D 23 +18.1°(C=1.004,メタノール).
(S)-3-[4-[4-(エトキシイミノメチル)-5-(4-トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール-3-イルメチルスルファニル]-3-メトキシフェニル]酪酸 メチルエステル
(S)-3-(4-メルカプト-3-メトキシフェニル)酪酸 メチルエステル192mg、メタンスルホン酸 4-(エトキシイミノメチル)-5-(4-トリオフルオロメチルフェニル)イソキサゾール-3-イルメチルエステル317mg、炭酸セシウム330mg、アセトニトリル10mlの混合物を室温で15.5時間攪拌した。溶媒を留去した後、2規定塩酸25mlを加え、酢酸エチルで抽出した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物310mgを得た。
NMR(CDCl3) : δ 1.29(3H, d, J=7.2Hz), 1.34(3H, t, J=7.2Hz), 2.49-2.65(2H, m), 3.20-3.32(1H, m), 3.64(3H, s), 3.88(3H, s), 4.23(2H, q, J=7.2Hz), 4.30(2H, s), 6.73-6.77(2H, m), 7.35(1H, d, J=7.8Hz), 7.76(2H, d, J=8.4Hz), 7.84(2H, d, J=8.4Hz), 8.19(1H, s).
NMR(CDCl3) : δ 1.29(3H, d, J=7.2Hz), 1.34(3H, t, J=7.2Hz), 2.49-2.65(2H, m), 3.20-3.32(1H, m), 3.64(3H, s), 3.88(3H, s), 4.23(2H, q, J=7.2Hz), 4.30(2H, s), 6.73-6.77(2H, m), 7.35(1H, d, J=7.8Hz), 7.76(2H, d, J=8.4Hz), 7.84(2H, d, J=8.4Hz), 8.19(1H, s).
(S)-3-[4-[4-(エトキシイミノメチル)-5-(4-トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール-3-イルメチルスルファニル]-3-メトキシフェニル]酪酸
(S)-3-[4-[4-(エトキシイミノメチル)-5-(4-トリフルオロメチルフェニル)イソキサゾール-3-イルメチルスルファニル]-3-メトキシフェニル]酪酸 メチルエステル310mg、4規定水酸化リチウム0.5mL、水2.0ml、メタノール10ml、テトラヒドロフラン20mlの混合物を室温で20時間攪拌した。溶媒留去後2規定塩酸を加え酢酸エチルで抽出した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し標記化合物を100mg得た。
1H-NMR : δ 1.31-1.35 (6H, m), 2.52-2.70 (2H, m), 3.189-3.31 (1H, m), 3.87 (3H, s), 4.30 (2H, s), 6.73-6.77 (2H, m), 7.34 (1H, d, J=7.8 Hz), 7.75 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.84 (2H, d, J=8.4 Hz), 8.18 (1H, s)
1H-NMR : δ 1.31-1.35 (6H, m), 2.52-2.70 (2H, m), 3.189-3.31 (1H, m), 3.87 (3H, s), 4.30 (2H, s), 6.73-6.77 (2H, m), 7.34 (1H, d, J=7.8 Hz), 7.75 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.84 (2H, d, J=8.4 Hz), 8.18 (1H, s)
同様にして合成される以下の化合物も本発明に含まれる。
試験例1 PPARδおよびαに対する転写活性化試験
PPAR遺伝子転写活性化アッセイはキメラ転写因子による核内レセプターの活性検出系を用いた。すなわち酵母の転写因子であるGAL4のDNA結合ドメインとレセプターのリガンド結合ドメインとの融合蛋白質を発現するプラスミドおよびレポータープラスミドの2つのプラスミドをCHO細胞へ一過性にトランスフェクションし、レポータープラスミドにコードされているGAL4の認識配列を含むプロモーターの活性を指標にすることによりレセプターの活性化度を検出するものである。
PPAR遺伝子転写活性化アッセイはキメラ転写因子による核内レセプターの活性検出系を用いた。すなわち酵母の転写因子であるGAL4のDNA結合ドメインとレセプターのリガンド結合ドメインとの融合蛋白質を発現するプラスミドおよびレポータープラスミドの2つのプラスミドをCHO細胞へ一過性にトランスフェクションし、レポータープラスミドにコードされているGAL4の認識配列を含むプロモーターの活性を指標にすることによりレセプターの活性化度を検出するものである。
プラスミド:ヒトPPARδ(hPPARδ)およびα(hPPARα)のリガンド結合領域(δ: aa 139〜C末端;α: aa 167〜C末端)はHuman Universal Quick-Clone cDNA(CLONTECH社)を用いてPCR増幅により得た。増幅されたcDNAはそれぞれpCR2.1-TOPOベクター(Invitrogen社)にサブクローニングした後、シークエンスを行い塩基配列を確認した。得られた各々のcDNAフラグメントをさらにpBINDベクター(Promega社)にサブクローニングすることにより、酵母転写因子GAL4のDNA結合ドメインとの融合蛋白質を発現するプラスミドを構築した。レポータープラスミドはpG51ucベクター(Promega社)を使用した。
細胞培養およびトランスフェクション:CHO細胞を10%FBS-αMEM中で培養した。96ウェルプレート(Costar社)を用いて、トリプシン処理にて剥離したCHO細胞を1ウェル当たり20000個、および上記の手順にて得られた2つのプラスミドを1ウェル当たりそれぞれ25ngを製造者のインストラクションに従いFuGene試薬(Roche社)を用いてトランスフェクションした。
転写活性化能の測定:上記手順にてトランスフェクションしたCHO細胞をDMSOに溶解した試験化合物があらかじめ0.5μlスポットされた各ウェルに100μlずつ分注した。細胞と試験化合物は共に24時間CO2インキュベーター内にて培養した後、ルシフェラーゼ発光基質ピッカジーンLT2.0(東洋インキ社)を1ウェル当たり100μl添加することによってルシフェラーゼ活性を測定した。測定はLUMINOUS CT−9000D(DIA-IATRON社)を用いた。
PPARδについては、得られた発光量から飽和発光量の1/2量を示す試験化合物の濃度をエクセルにて計算し、試験化合物のPPARδ活性化作用におけるEC50値を算出した。結果を表80に示す。
試験例2 CYP2C9酵素阻害試験
CYP2C9酵素阻害試験は、ヒト肝ミクロソームを用いて、CYP2C9の典型的な反応であるトルブタミド4位水酸化活性を指標にして行った。
反応条件は以下のとおり:基質、5μM トルブタミド(14C標識化合物);反応時間、30分;反応温度、37℃;蛋白濃度、0.25mg/mL(ヒト肝ミクロソーム、15pol、Lot.210296、米国XenoTech社)。
HEPES Buffer(pH7.4)中に蛋白(ヒト肝ミクロソーム)、薬物溶液、基質を上記の組成で加え、反応の補酵素であるNADPHを添加して反応を開始した。所定の時間反応後、2N 塩酸溶液を加え除蛋白することによって反応を停止した。クロロホルムで残存する基質薬物および生成する代謝物を抽出し、溶媒を留去したものをメタノールで再溶解した。これをTLCにスポットして、クロロホルム:メタノール:酢酸=90:10:1で展開し、イメージングプレートに約14〜20時間コンタクトさせた後、BAS2000で解析した。代謝物であるトルブタミド4位水酸化体の生成活性について、薬物を溶解した溶媒を反応系に添加したものをコントロール(100%)とし、被検薬物溶液を加えたものの残存活性(%)を算出し、本発明化合物のCYP2C9酵素に対する阻害が小さいことを確認した。
CYP2C9酵素阻害試験は、ヒト肝ミクロソームを用いて、CYP2C9の典型的な反応であるトルブタミド4位水酸化活性を指標にして行った。
反応条件は以下のとおり:基質、5μM トルブタミド(14C標識化合物);反応時間、30分;反応温度、37℃;蛋白濃度、0.25mg/mL(ヒト肝ミクロソーム、15pol、Lot.210296、米国XenoTech社)。
HEPES Buffer(pH7.4)中に蛋白(ヒト肝ミクロソーム)、薬物溶液、基質を上記の組成で加え、反応の補酵素であるNADPHを添加して反応を開始した。所定の時間反応後、2N 塩酸溶液を加え除蛋白することによって反応を停止した。クロロホルムで残存する基質薬物および生成する代謝物を抽出し、溶媒を留去したものをメタノールで再溶解した。これをTLCにスポットして、クロロホルム:メタノール:酢酸=90:10:1で展開し、イメージングプレートに約14〜20時間コンタクトさせた後、BAS2000で解析した。代謝物であるトルブタミド4位水酸化体の生成活性について、薬物を溶解した溶媒を反応系に添加したものをコントロール(100%)とし、被検薬物溶液を加えたものの残存活性(%)を算出し、本発明化合物のCYP2C9酵素に対する阻害が小さいことを確認した。
試験例3
代謝安定性について
肝ミクロソームによる代謝安定性評価:トリス塩酸バッファー(pH7.4)中にNADPH(終濃度1mM,酸化的代謝の場合)、肝ミクロソーム(終濃度0.5 mg protein/ml)および各化合物(終濃度2μM)を添加し、37℃で0および30分間反応させた。グルクロン酸抱合の場合は、NADPHに代えてUDPGA(終濃度5mM)を添加した。反応液の倍量のアセトニトリル/メタノール=1/1(v/v)を添加し反応を停止した後、その遠心上清中の化合物をHPLCで測定した。0および30分の値の比較から代謝反応による消失量を算出し、本発明化合物の代謝安定性を確認した。
代謝安定性について
肝ミクロソームによる代謝安定性評価:トリス塩酸バッファー(pH7.4)中にNADPH(終濃度1mM,酸化的代謝の場合)、肝ミクロソーム(終濃度0.5 mg protein/ml)および各化合物(終濃度2μM)を添加し、37℃で0および30分間反応させた。グルクロン酸抱合の場合は、NADPHに代えてUDPGA(終濃度5mM)を添加した。反応液の倍量のアセトニトリル/メタノール=1/1(v/v)を添加し反応を停止した後、その遠心上清中の化合物をHPLCで測定した。0および30分の値の比較から代謝反応による消失量を算出し、本発明化合物の代謝安定性を確認した。
試験例4
溶解性について
本発明化合物と測定溶媒(JP-2液、20mMタウロコール酸Na含有JP-2液)を37℃で3時間攪拌後、0.45μmのフィルターで濾過し、濾液の濃度をHPLC法により測定し、本発明化合物の溶解性を確認した。
溶解性について
本発明化合物と測定溶媒(JP-2液、20mMタウロコール酸Na含有JP-2液)を37℃で3時間攪拌後、0.45μmのフィルターで濾過し、濾液の濃度をHPLC法により測定し、本発明化合物の溶解性を確認した。
試験例5
毒性について
ラットに本発明化合物 (30〜300mg/kg/day)を投与した。投与後のラットの死亡数、状態、摂餌量、体重を確認し、病理組織学的検査等を行った。
また、血液学的検査として、投与数日後に採血、血液処理後にPT、APTTおよびFbgを検査した。外因系血液凝固因子(F-II, F-V, F-VII, F-X)および内因系血液凝固因子(F-VIII, F-IX, F-XI, F-XII)の活性を測定した。外因系血液凝固因子および内因系血液凝固因子は、ラットの血漿にそれぞれ測定対象の因子欠乏血漿(デイドベーリングマールブルグ社)を添加してプレインキュベーション後、PT測定法(外因系)およびAPTT測定法(内因系)により凝固時間を測定した。対照群ラットの血漿を混合し、この血漿をオーレンベロナール緩衝液で順次倍希釈したものを標準物質として検量線を作成し、因子欠乏血漿を用いた凝固時間法により測定した凝固時間と検量線から活性パーセントを算出し、無処置ラットの血漿に対する活性パーセントにより各凝固因子活性を評価した。
以上によって、本発明化合物の毒性を確認した。
毒性について
ラットに本発明化合物 (30〜300mg/kg/day)を投与した。投与後のラットの死亡数、状態、摂餌量、体重を確認し、病理組織学的検査等を行った。
また、血液学的検査として、投与数日後に採血、血液処理後にPT、APTTおよびFbgを検査した。外因系血液凝固因子(F-II, F-V, F-VII, F-X)および内因系血液凝固因子(F-VIII, F-IX, F-XI, F-XII)の活性を測定した。外因系血液凝固因子および内因系血液凝固因子は、ラットの血漿にそれぞれ測定対象の因子欠乏血漿(デイドベーリングマールブルグ社)を添加してプレインキュベーション後、PT測定法(外因系)およびAPTT測定法(内因系)により凝固時間を測定した。対照群ラットの血漿を混合し、この血漿をオーレンベロナール緩衝液で順次倍希釈したものを標準物質として検量線を作成し、因子欠乏血漿を用いた凝固時間法により測定した凝固時間と検量線から活性パーセントを算出し、無処置ラットの血漿に対する活性パーセントにより各凝固因子活性を評価した。
以上によって、本発明化合物の毒性を確認した。
Claims (13)
- 式(I):
R1はハロゲン、ヒドロキシ、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよい低級アルキニル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、カルボキシ、置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニル、置換基を有していてもよい低級アルキルチオ、置換基を有していてもよいアシル、置換基を有していてもよいアミノ、置換基を有していてもよいカルバモイル、置換基を有していてもよいチオカルバモイル、置換基を有していてもよいカルバモイルオキシ、置換基を有していてもよいチオカルバモイルオキシ、置換基を有していてもよいヒドラジノカルボニル、置換基を有していてもよい低級アルキルスルホニルオキシ、置換基を有していてもよいアリールスルホニルオキシ、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアリールオキシ、置換基を有していてもよいアリールチオまたは置換基を有していてもよいヘテロ環式基であり、
R2は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよい低級アルキニル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、カルボキシ、置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニル、置換基を有していてもよい低級アルキルチオ、置換基を有していてもよいアシル、置換基を有していてもよいアミノ、置換基を有していてもよいカルバモイル、置換基を有していてもよいチオカルバモイル、置換基を有していてもよいカルバモイルオキシ、置換基を有していてもよいチオカルバモイルオキシ、置換基を有していてもよいヒドラジノカルボニル、置換基を有していてもよい低級アルキルスルホニルオキシ、置換基を有していてもよいアリールスルホニルオキシ、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアリールオキシ、置換基を有していてもよいアリールチオまたは置換基を有していてもよいヘテロ環式基であり、
R3およびR4は各々独立して、水素、ハロゲン、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよい低級アルキニル、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよいヘテロ環式基であり、
R5、R6、R7およびR8は各々独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよい低級アルキニル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、置換基を有していてもよい低級アルキルチオ、置換基を有していてもよいアシル、置換基を有していてもよいアミノ、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアリールオキシ、置換基を有していてもよいアリールチオまたは置換基を有していてもよいヘテロ環式基であり、
R9およびR10は各々独立して水素、ハロゲン、シアノ、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、置換基を有していてもよいアミノまたは置換基を有していてもよいアリールであり、
−X1−は−O−、−S−、−NR11−(ここでR11は水素、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよいアシル、置換基を有していてもよい低級アルキルスルホニルまたは置換基を有していてもよいアリールスルホニルである)、−CR12R13CO−、−(CR12R13)mO−、−(CR12R13)mS−または−O(CR12R13)m−(ここでR12およびR13は各々独立して水素または置換基を有していてもよい低級アルキルであり、mは1〜3の整数である)、−ON=CR16−(ここでR16は水素または置換基を有していてもよい低級アルキルである)、
−X2−CR9R10−(ここでR9およびR10は上記と同意義)は、
X3はCOOR17、C(=NR17)NR18OR19、
で示される化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。 - R1が置換基を有していてもよいアリールである、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
- R2が置換基を有していてもよい低級アルキルである、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
- R3およびR4が各々独立して水素である、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
- R5、R6、R7およびR8が各々独立して水素または置換基を有していてもよい低級アルコキシである、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
- R9およびR10が各々独立して水素である、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
- X1がOまたはSである、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
- X3がCOOR17(ここでR17は水素または置換基を有していてもよい低級アルキルである)である、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
- R1が置換基を有していてもよいアリール(置換基としては、ハロゲンまたは置換基を有していてもよい低級アルキル)であり、
R2が置換基を有していてもよい低級アルキル(置換基としては、ハロゲン、低級アルコキシ、低級アルキルアミノ、置換基を有していてもよいイミノ、置換基を有していてもよいイミノオキシ、低級アルキルスルホニル、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよいヘテロ環式基)であり、
R3およびR4が各々独立して、水素であり、
R5、R6、R7およびR8が各々独立して、水素または低級アルコキシであり、
R9およびR10が各々独立して水素であり、
X1がOまたはSであり、
X3がCOOR17(ここでR17は水素または低級アルキルである)である、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。 - 請求項1〜11のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を有効成分とする医薬組成物。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を有効成分とするペルオキシソーム増殖活性化受容体が関連する疾患の予防および/または治療のために用いる医薬組成物。
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