JP2006327382A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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敏明 應矢
Masahiko Sakamaki
正彦 酒巻
Katsutoshi Nishizaki
勝利 西崎
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Abstract

【課題】 操舵補助用モータの非干渉制御を行っても、操舵補助力が大きいときに、操舵補助用モータの追随性が低下せず、共振が発生し難い電動パワーステアリング装置の提供。
【解決手段】 操舵部材(図示せず)に加えられた操舵トルクを検出するトルク検出器3と、操舵補助用のモータ6の回転速度を検出する手段42と、その検出した回転速度に基づき、モータ6の逆起電力により発生する電流を相殺するように、モータ6に電流を流す非干渉制御を実行する手段43,44,45とを備え、非干渉制御を実行すると共に、トルク検出器3が検出した操舵トルクに基づきモータ6を駆動して操舵補助する電動パワーステアリング装置。非干渉制御により流す電流を所定範囲内に制限する手段46を備える構成である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、操舵補助用モータの回転速度を検出し、検出した回転速度に基づき、操舵補助用モータに逆起電力により発生する電流を相殺するように、操舵補助用モータに電流を流す非干渉制御を実行し、操舵部材に加えられ検出された操舵トルクに基づき、操舵補助用モータを駆動して操舵補助する電動パワーステアリング装置に関するものである。
近年、モータを駆動して操舵補助を行ない、運転者の負担を軽減する電動パワーステアリング装置が多用されている。電動パワーステアリング装置は、操舵部材(ステアリングホイール、ハンドル)に繋がる入力軸と、ピニオン及びラック等により操向車輪に繋がる出力軸と、入力軸及び出力軸を連結する連結軸とを備え、連結軸に生じる捩れ角度によって、トルクセンサが入力軸に加わる操舵トルク値を検出し、検出した操舵トルク値に基づき、出力軸に連動する操舵補助用のモータを駆動制御するものである。
電動パワーステアリング装置では、操舵補助用のモータの応答性及び追随性を向上させる為に、モータの逆起電力により発生する電流を相殺するように、モータに電流を流す非干渉制御が行われている。
特許文献1には、走行状態が所定の領域に属するか否かを判定する判定手段を備え、判定手段の判定結果に応じて、操舵補助用の電動モータに対する非干渉制御補正値による補正の有無を制御する電動パワーステアリング装置が開示されている。
特開2001−18822号公報
上述したような従来の電動パワーステアリング装置では、操舵補助用モータの非干渉制御を行うことにより、操舵補助力が大きいときには、オーバーシュートの傾向も大きくなって、却って追随性が低下し、最悪の場合、共振の発生にもつながるという問題がある。
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、操舵補助用モータの非干渉制御を行っても、操舵補助力が大きいときに、操舵補助用モータの追随性が低下せず、共振が発生し難い電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明に係る電動パワーステアリング装置は、操舵部材に加えられた操舵トルクを検出するトルク検出器と、操舵補助用のモータの回転速度を検出する手段と、該手段が検出した回転速度に基づき、前記モータの逆起電力により発生する電流を相殺するように、前記モータに電流を流す非干渉制御を実行する手段とを備え、該手段が非干渉制御を実行すると共に、前記トルク検出器が検出した操舵トルクに基づき前記モータを駆動して操舵補助する電動パワーステアリング装置において、前記非干渉制御により流す電流を所定範囲内に制限する手段を備えることを特徴とする。
本発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、操舵補助用のモータの回転速度を検出し、検出した回転速度に基づき、モータの逆起電力により発生する電流を相殺するように、モータに電流を流す非干渉制御を実行し、操舵部材に加えられ検出された操舵トルクに基づきモータを駆動して操舵補助し、制限する手段が、非干渉制御により流す電流を所定範囲内に制限するので、操舵補助用モータの非干渉制御を行っても、操舵補助力が大きいときに、操舵補助用モータの追随性が低下せず、共振が発生し難い電動パワーステアリング装置を実現することができる。
以下に、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態の構成を示す模式図である。この電動パワーステアリング装置は、例えば舵取りの為のハンドル1(ステアリングホイール、操舵部材)と、ハンドル1の操舵に応じて駆動される操舵補助用のブラシレスDCモータ6と、モータ6の回転を減速歯車機構7を介して舵取機構12,12に伝える伝動手段13と、モータ6を駆動制御するECU(コントローラ)5とを備えている。ECU5には、車両の走行速度を検出する車速センサ4が出力した車速信号が与えられている。
伝動手段13は、ハンドル1に連結された入力軸2に図示しないトーションバーを介して連結される出力軸8と、出力軸8にユニバーサルジョイントを介して連結される連結軸9と、連結軸9にユニバーサルジョイントを介して連結されるピニオン軸10と、ピニオン軸10のピニオンに噛合するラック歯を有し、左右の操向輪A,Aに舵取機構12,12を介して連結されるラック軸11とを備えている。入力軸2及び伝動手段13は操舵軸14を構成している。
入力軸2の周りには、ハンドル1を操作することにより入力軸2に加わる操舵トルクを、トーションバーに生じる捩れによって検出するトルクセンサ(トルク検出器)3が配置されており、トルクセンサ3が検出した操舵トルクに基づいて、ECU5がモータ6を駆動制御するように構成してある。
減速歯車機構7は、モータ6の出力軸に繋がるウォームと、出力軸8の途中に嵌合されるウォームホイールとを備えており、モータ6の回転をウォーム及びウォームホイールから出力軸8に伝達するように構成してある。
このような構成の電動パワーステアリング装置では、ハンドル1の操作による舵取り操作力を入力軸2、トーションバー(図示せず)、出力軸8、連結軸9、及びピニオン軸10を介してラック軸11に伝達し、ラック軸11を軸長方向へ移動させ、舵取機構12,12を作動させる。また、それと共に、トルクセンサ3が検出した操舵トルクに基づき、ECU5がモータ6を駆動制御し、モータ6の駆動力を出力軸8に伝達することにより、舵取り操作力を補助し、舵取りの為の運転者の労力負担を軽減する。
図2は、図1に示す電動パワーステアリング装置の要部構成を示すブロック図である。この電動パワーステアリング装置は、トルクセンサ3が検出した操舵トルク値Ts が、位相補償器31に与えられ、位相補償器31で位相補償された操舵トルク値が、ECU5のトルク−電流テーブル33に与えられる。また、車速センサ4が検出した車速値Vs が、トルク−電流テーブル33及び収斂性補正部27に与えられている。
トルク−電流テーブル33では、操舵トルク値が所定の不感帯を超えると、操舵トルク値の増加に従ってモータ電流の目標値が比例的に増加し、さらに操舵トルク値が所定値以上になると目標値が飽和するような関数が、車速値Vs に応じて可変的に定められている。前記関数は車速値Vs が大となるに従って操舵トルク値に対するモータ電流の目標値の比が小となると共に、目標値の飽和値が小となるように定められている。トルク−電流テーブル33が定めたモータ電流の目標値It は、加算手段20及び指令電流方向指定部29へ与えられる。
モータ電流の目標値It は、dq座標変換を用いたモータ制御におけるq軸電流の目標値を示す符号付きの値であり、その正負は、操舵補助の方向を示している。
指令電流方向指定部29は、与えられたモータ電流の目標値It の正負符号に基づき、操舵補助の方向を示す方向信号Sdir を作成し、収斂性補正部27に与える。
操舵補助を行うブラシレスDCモータであるモータ6には、そのロータ位置を検出する為の角度検出器であるレゾルバ25が内蔵され、レゾルバ25が出力した正弦波信号は、ECU5内のロータ位置検出部62に与えられる。ロータ位置検出部62は、与えられた正弦波信号に基づいて電気角θreを求め、正弦波ROMテーブル40及びロータ角速度演算部42に与える。
正弦波ROMテーブル40は、与えられた電気角θreにより正弦波値sinθreを出力し、三相交流/dq座標変換部38及びdq/三相交流変換部32に与える。
ロータ角速度演算部42は、与えられた電気角θreによりロータ角速度(回転速度)ωreを算出し、収斂性補正部27及び非干渉化演算部43(非干渉制御を実行する手段)に与える。収斂性補正部27は、与えられた車速値Vs 、方向信号Sdir 及びロータ角速度ωreに基づき、車両収斂性を確保する為の補償電流値ic を作成し、加算手段20に与える。
加算手段20は、モータ電流の目標値It に補償電流値ic を加算し、その加算結果をq軸電流指令値i* q として減算手段24に与える。
ECU5内のv相電流検出器54及びu相電流検出器56が、モータ6のv相界磁コイル及びu相界磁コイルにそれぞれ流れる電流値iv 及びiu を検出し、三相交流/dq座標変換部38に与える。
三相交流/dq座標変換部38は、与えられた電流値iv ,iu 及び正弦波値sinθreに基づき、q軸電流値iq 及びd軸電流値id へdq変換し、q軸電流値iq を減算手段24及び非干渉化演算部43へ、d軸電流値id を減算手段22及び非干渉化演算部43へそれぞれ与える。
減算手段24は、q軸電流指令値i* q とq軸電流値iq との偏差eq を演算し、その偏差eq をq軸電流PI制御部28へ与える。
減算手段22は、トルクに関与しないので0であるd軸電流指令値i* d とd軸電流値id との偏差ed を演算し、その偏差ed をd軸電流PI制御部26へ与える。
q軸電流PI制御部28及びd軸電流PI制御部26は、与えられた偏差eq 及び偏差ed に基づき、PI制御の為のq軸電圧Vq 及びd軸電圧Vd を演算して、加算手段44及び加算手段45に与える。
非干渉化演算部43は、与えられたロータ角速度ωre、q軸電流値iq 及びd軸電流値id に基づき、ロータ角速度ωreのときに、モータ6の逆起電力により発生するq軸電流及びd軸電流を相殺する各電流を流す為のq軸電圧値及びd軸電圧値を定め、リミッタ(制限する手段)46ヘ与える。モータ6の逆起電力により発生するq軸電流及びd軸電流は、ロータ角速度ωreに比例するから、それらを相殺する各電流を流す為のq軸電圧値及びd軸電圧値もロータ角速度ωreに比例する(但し、ここでは向きは問わない)。
リミッタ46は、与えられたd軸電圧値を、図3(a)に示すように、所定電圧範囲−vds〜+vds内に制限して、加算手段45に与える。また、与えられたq軸電圧値を、図3(b)に示すように、所定電圧範囲0〜+vqs内に制限して、加算手段44に与える。
加算手段45は、与えられたd軸電圧値及びd軸電圧Vd を加算して、d軸電圧指令値V* d を作成し、dq/三相交流変換部32に与える。
加算手段44は、与えられたq軸電圧値及びq軸電圧Vq を加算して、q軸電圧指令値V* q を作成し、dq/三相交流変換部32に与える。
dq/三相交流変換部32は、与えられたq軸電圧指令値V* q 及びd軸電圧指令値V* d に基づき、dq逆変換(三相変換)して、三相のu相電圧指令値V* u 及びv相電圧指令値V* v を演算し、減算手段34及び三相PWM変調部50へ与える。
減算手段34は、V* w =−V* u −V* v を演算し、演算したw相電圧指令値V* w を三相PWM変調部50へ与える。
三相PWM変調部50は、与えられた三相の各電圧指令値V* u ,V* v ,V* w をパルス幅変調し、三相の各PWM信号Su ,Sv ,Sw としてモータ駆動回路52へ与える。
モータ駆動回路52は、与えられた各PWM信号Su ,Sv ,Sw (パルス信号)により、図示しない各相の界磁コイルと電源及び接地端子との間をスイッチングして、モータ6をPWM駆動し、モータ6はトルクTm を出力する。
尚、上述したトルク−電流テーブル33、収斂性補正部27、加算手段20,44,45、指令電流方向指定部29、ロータ角速度演算部42、正弦波ROMテーブル40、三相交流/dq座標変換部38、dq/三相交流座標変換部32、減算手段22,24,34、q軸電流PI制御部28、d軸電流PI制御部26、非干渉化演算部43及びリミッタ46は、マイクロコンピュータ21により実現されている。
このような構成及び動作の電動パワーステアリング装置では、非干渉化演算部43が定めた、モータ6の逆起電力により発生するq軸電流及びd軸電流を相殺する各電流を流す為のq軸電圧値及びd軸電圧値を、リミッタ46が各所定電圧範囲内に各制限して、加算手段44及び加算手段45に与える。
加算手段44は、与えられたq軸電圧値を、q軸電流PI制御部28からのq軸電圧Vq に加算して、q軸電圧指令値V* q を作成し、dq/三相交流変換部32に与える。
加算手段45は、与えられたd軸電圧値を、d軸電流PI制御部26からのd軸電圧Vd に加算して、d軸電圧指令値V* d を作成し、dq/三相交流変換部32に与える。
これにより、アシストゲインの不感帯及び低アシスト領域では、相応の非干渉制御により、慣性及び粘性等の不自然な操舵感が生じ難くなり、アシストゲインが大きい領域では、モータの応答性及び追随性が過敏になることなく、共振も起き難くなる。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態の構成を示す模式図である。 図1に示す電動パワーステアリング装置の要部構成を示すブロック図である。 本発明に係る電動パワーステアリング装置の動作例を説明する為のリミッタ特性図である。
符号の説明
1 ハンドル(操舵部材)
3 トルクセンサ(トルク検出器)
5 ECU
6 (ブラシレスDC)モータ
25 レゾルバ(検出する手段)
32 dq/三相交流変換部
33 トルク−電流テーブル
38 三相交流/dq座標変換部
42 ロータ角速度演算部(検出する手段)
43 非干渉化演算部(非干渉制御を実行する手段)
44,45 加算手段(非干渉制御を実行する手段)
46 リミッタ(制限する手段)
52 モータ駆動回路
54 v相電流検出器
56 u相電流検出器
62 ロータ位置検出部

Claims (1)

  1. 操舵部材に加えられた操舵トルクを検出するトルク検出器と、操舵補助用のモータの回転速度を検出する手段と、該手段が検出した回転速度に基づき、前記モータの逆起電力により発生する電流を相殺するように、前記モータに電流を流す非干渉制御を実行する手段とを備え、該手段が非干渉制御を実行すると共に、前記トルク検出器が検出した操舵トルクに基づき前記モータを駆動して操舵補助する電動パワーステアリング装置において、
    前記非干渉制御により流す電流を所定範囲内に制限する手段を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104210532A (zh) * 2013-05-28 2014-12-17 本田技研工业株式会社 电动助力转向装置

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