JP2006326388A - 多液混合装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 混合性能に優れた多液混合装置を提供する。
【解決手段】 駆動ギヤ30(駆動側回転部材)を回転駆動してロータ50(従動側回転部材)を回転させると、撹拌空間15内では、撹拌片61が回転して主剤(液体)と硬化剤(液体)を剪断するように撹拌し、この撹拌作用によって主剤と硬化剤が混合されて混合塗料となる。また、ロータ50に回転力を付与する手段として磁力を利用しているので、筒状部材10を貫通する形態の回転力伝達部材が不要であり、回転力伝達部材の貫通部分に浸入した混合塗料が高粘度化して固着することに起因してロータ50の回転に支承を来たすことがない。
【選択図】 図1
Description
上記のように複数種類の液体を混合する混合装置として、スタティックミキサを用いることができる。スタティックミキサは、液体の流路内に、捻れ方向が逆向きであって螺旋状の板からなる2種類のエレメントを交互に配置したものであり、各エレメントを通過するときに液体の流れを分割する作用と、隣り合うエレメント間を移行するときに液体の流れの捻れ方向を反転させる作用を繰り返すことにより、複数の液体を混練するようになっている。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、混合性能に優れた多液混合装置を提供することを目的とする。
駆動側回転部材を回転駆動して従動側回転部材を回転させると、撹拌空間内では、撹拌片が回転して液体を剪断するように撹拌し、この撹拌作用によって複数種類の液体が混合される。液体の流速が遅い場合でも、駆動側回転部材の回転速度、即ち撹拌片の回転速度を高めることにより、液体を充分に撹拌して混合させることができる。
また、筒状部材内に収容されている従動側回転部材に回転力を伝える手段として、従動側回転部材に一体回転するように設けた伝達部材を筒状部材の外部へ貫通させ、この伝達部材に回転力を付与する構造が考えられるが、このように回転する伝達部材が筒状部材を貫通する構造の場合、伝達部材の貫通部分の隙間に浸入した混合液体が、高粘度化して固着し、そのために従動側回転部材の回転に支障を来たすことが懸念される。これに対し本発明では、従動側回転部材に回転力を付与する手段として、磁力を利用しているので、上記のような混合液体の高粘度化に起因する従動側回転部材の回転不良を回避することができる。
液体は、流通孔内を流れる間に概ね層流状となり、流通孔を通過した直後に、撹拌片によって流れをほぼ直角に横切るように剪断されつつ撹拌されるので、撹拌片による剪断効果が高く、液体を良好に混合させることができる。
撹拌室においては、撹拌片からの撹拌力を受けた液体が外部に逃げ難いので、効率良く撹拌することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図8を参照して説明する。本実施形態の多液混合装置は、主剤(本発明の構成要件である液体)と硬化剤(本発明の構成要件である液体)を所定の割合で混合するためのものであって、この多液混合装置には、主剤と硬化剤が夫々所定の流量ずつ交互に供給されるようになっている。また、混合された主剤と硬化剤は、二液混合塗料として図示しない塗装ガンへ供給されるようになっている。
筒状部材10は、非磁性材料からなる円筒状の筒体11と、筒状の上部支持体12と、筒状の下部支持体13とからなる。筒体11は軸線を上下方向に向けており、筒体11の上面の開口部に上部支持体12が同心状に嵌合され、筒体11の下面の開口部に下部支持体13が同心状に嵌合されている。かかる筒状部材10は、上部ベース板40と下部ベース板41との間で上下に挟まれた状態で固定して支持されている。この筒状部材10の内部空間のうち概ね上半分領域は収容空間14となっており、概ね下半分領域は撹拌空間15となっている。
主剤と硬化剤を混合する際には、まず、モータ42により駆動ギヤ30を回転させ、筒状部材10内でロータ50を回転させておき、この状態で、流入口24aから筒状部材10の収容空間14の上端部に主剤と硬化剤を交互に供給する。供給された主剤と硬化剤は、ロータ50の導入孔55に流入し、連通孔57を通ってロータ50外へ流出し、撹拌空間15内において、最上段の区画板16の流通孔17、上側のスペーサ20で囲まれた撹拌室21、中央高さの区画板16の両通空間、下側のスペーサ20で囲まれた撹拌室21、最下段の区画板16の流通孔17を順に通り、軸受板22の切欠孔23を通過した後、流出口25aから筒状部材10(撹拌空間15)の外部へ(塗装ガンに向けて)流出される。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では撹拌片よりも上流側近傍位置に、液体の流通を許容する流通孔と、液体の流通を遮断する遮断部とを周方向に隣り合うように設け、流通孔内を概ね層流状に流れた液体が流通孔を通過した直後に、撹拌片が概ね層流状の液体を横切るようにしたが、本発明によれば、このような流通孔と遮断部を設けない構成としてもよい。
(2)上記実施形態では撹拌片を液体の流通方向に間隔を空けて複数設けたが、本発明によれば、撹拌片は、液体の流通方向における1箇所のみに設けてもよい。
(3)上記実施形態では複数の撹拌片と複数の遮断部(流通孔)を液体の流通方向において交互に配置したが、本発明によれば、撹拌片と遮断部(流通孔)のうち少なくともいずれか一方は1つだけとしてもよい。
(4)上記実施形態では撹拌片を従動側回転部材の外周面に設けたが、本発明によれば、従動側回転部材を筒状にしてその内周に撹拌片を設けてもよい。
(5)上記実施形態では2種類の液体を所定量ずつ交互に流入させるようにしたが、本発明によれば、2種類の液体を所定の割合で混在させたものを流量させてもよい。
(6)上記実施形態では2種類の液体を混合する場合について説明したが、本発明によれば、混合する液体の種類は3種類以上であってもよい。
(7)上記実施形態では混合によって得られる混合液体が塗料である場合について説明したが、本発明は、塗料以外の混合液体にも適用できる。
(8)上記実施形態では流通孔と遮断部の数を4つずつしたが、本発明によれば、これらの数は、3つ以下でもよく、5つ以上でもよい。
15…撹拌空間
17…流通孔
19…遮断部
21…撹拌室
30…駆動側回転部材(駆動ギヤ)
35…駆動側磁石
50…従動側回転部材(ロータ)
53…従動側磁石
61…撹拌片
Claims (3)
- 内部に複数種類の液体を一方向に流通させるための撹拌空間が設けられている筒状部材と、
駆動側磁石を有し、前記撹拌空間内における前記液体の流通方向と略平行な軸を中心として前記筒状部材の外周に沿って回転駆動する駆動側回転部材と、
従動側磁石と撹拌片とを有し、前記駆動側回転部材と略同軸に回転し得るように前記筒状部材内に設けられた従動側回転部材とを備え、
前記駆動側磁石と前記従動側磁石との間の磁気吸引力により、前記従動側回転部材が前記回転駆動部材と一体となって回転することで、前記撹拌片が前記撹拌空間内で前記液体の流通方向と交差する方向に回転するようになっていることを特徴とする多液混合装置。 - 前記撹拌空間内における前記撹拌片よりも上流側近傍位置には、前記液体の流通を許容する流通孔と、前記液体の流通を遮断する遮断部とが周方向に隣り合うように設けられていることを特徴とする請求項1記載の多液混合装置。
- 前記撹拌空間のうち前記撹拌片が移動する領域が、撹拌室として区画されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多液混合装置。
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