JP2006324545A - 配線用フィルム基板の製造方法、製造装置および配線用フィルム基板 - Google Patents

配線用フィルム基板の製造方法、製造装置および配線用フィルム基板 Download PDF

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Abstract

【課題】 高周波信号の伝送に好適で、高密度実装可能かつ信頼性の高い配線用フィルム基板を簡易に提供する。
【解決手段】 配線用フィルム基板の製造方法であって、熱可塑性樹脂フィルムである液晶ポリマーフィルム1の表面にPd触媒2を介して無電解めっき法で導体薄膜である導体シード層3を形成する導体薄膜形成工程と、この導体薄膜形成工程によって導体シード層3が形成された液晶ポリマーフィルム1とこの導体シード層3とを融点より低い温度でフィルム面方向のせん断力を加えつつ熱圧着する熱圧着工程とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、フレキシブルプリント基板などの配線用フィルム基板の製造方法等に係り、より詳しくは、例えば、高周波信号の伝送に好適で高密度の実装が可能かつ信頼性の高い配線用フィルム基板の製造方法等に関する。
近年、特に携帯用機器の普及など、電子回路を内蔵する機器の小型化が進展することに伴い、樹脂フィルムを基板とするフレキシブルプリント配線基板(配線用フィルム基板)が広く用いられるようになってきている。このような小型機器に用いられるフレキシブルプリント配線基板は、配置されるスペースも限られることから、曲げて用いられる場合も多く、その曲率も使用する機器によって異なっているのが現状である。また、可動部分に使用される場合もある。
現在、フレキシブルプリント配線基板の基板材料としては、ポリイミドフィルムが広く用いられている。このポリイミドフィルムは、他の有機物や高分子系材料と比べて高い耐熱性(500℃まで)を有し、また、機械強度や耐化学薬品性の面でも高い性能を備えている。また、誘電率も低く(通常3.2〜3.4)、延性に富み、熱膨張係数にも優れていることから、フレキシブルプリント配線基板の基板材料として有利な点が多い。
図4(a)〜(d)は、基板材料としてポリイミドを用い、サブトラクティブ法によって配線パターンを製造する製造方法を説明するための図である。ここでは、まず、図4(a)に示すように、ポリイミドのフィルム基板201に例えば9μmの厚さからなる銅箔202を張り合わせて、いわゆる銅張積層板を形成する。その後、図4(b)に示すように、この銅箔202が張り合わされたポリイミドのフィルム基板201にレジスト203でパターンニングする。そして、図4(c)に示すようにエッチングで配線パターン202Aを形成し、図4(d)に示すようにレジスト203を剥離して、ポリイミドのフィルム基板201上に配線パターン202Aを形成している。
ここで、近年の情報化社会の進展に伴い、情報伝達や情報処理の高速化が進み、信号の高周波化が進んだ場合に、基板材料であるポリイミドフィルムは比較的誘電率が低い材料ではあるが、未だ不十分であり高周波における伝送損失が大きくなることが問題となる。
また、上述したサブトラクティブ法によるフレキシブルプリント配線基板の形成では、ポリイミドのフィルム基板201に銅箔202を張り合わせた銅張積層板を用いている。そのために、エッチングする銅配線が一定の厚みを有し、配線のエッジをシャープに形成することができない。また、図4(d)に示すような銅膜表面側の配線幅L1と基板表面側(接合側)の配線幅L2において、これらの幅が大きく異なってしまい、微細配線を形成するのが難しくなるという問題もある。微細配線対応としては、パターンめっきにより配線を形成する、いわゆるセミアディティブ法があり、ポリイミドフィルム基板を用いたものが実用化されている。
高周波対応としては、誘電率がポリイミドより低くかつ誘電損失の低い液晶ポリマが注目されており、既にこれを用いたフレキシブルプリント基板が実用化されている。
ただし液晶ポリマは表面加工性がきわめて悪く、スパッタやメッキ等での薄膜の付着力が弱いためセミアディティブめっき加工におけるシード層の形成が困難であった。このため、現在の液晶ポリマによるフレキシブルプリント基板は上記銅張積層品に限られており、微細配線対応のものはできていない。
したがって、高周波対応かつ微細配線対応の、液晶ポリマを用いたセミアディティブタイプのフレキシブルプリント基板が望まれている。
そこで、次世代のフレキシブルプリント配線基板の基板材料として、液晶ポリマーフィルムを用い、セミアディティブ法によってフレキシブルプリント配線基板を形成する方法が検討されている。
図5(a)〜(e)は、基板材料として液晶ポリマーフィルムを用いセミアディティブ法によって配線パターンを製造する製造方法を説明するための図である。まず、図5(a)に示すように、液晶ポリマーフィルム101に薄い導体シード層102を形成する。その後、図5(b)に示すように、導体シード層102の上にレジスト103を形成する。次に、図5(c)に示すように、形成されたレジスト103を用いて電気めっき法で配線形成部にのみ銅膜104を厚付けしてパターンめっきを行う。その後、図5(d)に示すようにレジスト103を除去(剥離)する。そして最後に、図5(e)に示すようにエッチングにより、レジスト103が形成されていた非配線部分の導体シード層102を除去して配線パターンを形成する。
このようにして形成されたフレキシブルプリント配線基板では、液晶ポリマーフィルム101の誘電率が低いことから、高周波における伝送損失を小さくすることができる。また、図5(a)〜(e)に示すセミアディティブ法によれば、高密度配線(微細配線)が可能となる。
ここで、このセミアディティブ法では、最後に導体シード層102をエッチングで除去しなければならないので、導体シード層102は薄いほどよい。しかしながら、銅箔は数μm厚程度が薄さの限界といわれているため、導体シード層102を銅箔で形成することは好ましくない。
また、この導体シード層102の形成方法として、スパッタリング法や無電解めっき法が考えられる。しかしながら、このスパッタリング法は、真空中で成膜しなければならないため製造プロセスが煩雑になり、製造コストが高くなることが問題となる。更に、無電解めっき法は、製造プロセスが簡易でありコストが安くなるという利点があるが、液晶ポリマーフィルム101にめっき膜を十分な密着強度で形成することは困難とされている。
更に、一般に市販されている液晶ポリマーフィルムの銅張積層板では、銅箔を液晶ポリマーフィルムに十分な密着強度で張り合わせるために、銅箔の接着面を事前に粗化している。これが、伝送損失を増加させ、液晶ポリマーフィルムを基板材料として用いる利点を低減させている。
公報記載の従来技術として、液晶ポリマーフィルムに無電解めっき法で導体薄膜を形成する際、フィルム表面を粗化することで十分な密着強度を得ようとするものが存在する(例えば、特許文献1参照。)。また、液晶ポリマーフィルムに無電解めっき法で導体薄膜を形成するに際し、無電解めっき法で用いる触媒化処理溶液に工夫を施すことで密着強度を上げる技術が存在する(例えば、特許文献2参照。)。更に、液晶ポリマーフィルムに無電解めっき法で導体薄膜を形成した後、窒素、酸素、大気雰囲気中においてガラス転移点以上の温度でフィルムを加熱処理することで、導体薄膜のフィルムへの密着強度を上げる技術が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開2000−223804号公報 特開2004−143587号公報 特開2004−247425号公報
この上記各特許文献に提案されている方法によれば、液晶ポリマーフィルムに無電解めっき法で導体薄膜を形成することが可能である。しかしながら、特許文献1に記載の方法では、フィルム表面が粗化されていることで、伝送損失が大きくなってしまい、液晶ポリマーフィルムを用いた利点が低減してしまう。また、特許文献2に記載の技術では、プロセスが煩雑となり、処理時間が長くなるという問題があった。更に、特許文献3に記載の技術では、事前にフィルム表面を粗化することなしでは、十分な密着強度は得ることができず、特許文献1と同様に、伝送損失が大きくなることは避けられない。
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、高周波信号の伝送に好適で、高密度実装可能な、配線用フィルム基板を提供し、また、この配線用フィルム基板の製造方法および装置を提供することにある。
かかる目的のもと、本発明は、発明者等の鋭意検討によって、図5(a)に示すような配線用フィルム基板を製造する方法についてなされた提案である。即ち、本発明が適用される配線用フィルム基板の製造方法は、熱可塑性樹脂フィルムの表面に無電解めっき法で導体薄膜を形成する導体薄膜形成工程と、この導体薄膜形成工程によって導体薄膜が形成された熱可塑性樹脂フィルムと導体薄膜とを熱圧着する熱圧着工程とを含み、さらに前記熱圧着の際にせん断力を加え、このせん断力は面方向の力成分を含むものであることを特徴とする。さらに本発明は前記配線用フィルム基板の製造に用いる装置に関するものである。
せん断力とは、ある物質(材料)内の任意の平行面に関して、それぞれの面に反対方向に力を作用させた場合に発生する変形力である。反対方向の力を作用させることにより、ある面を境にして材料はお互いに反対方向に滑り、変形を生じる。本発明においては、図1(b)に図示するように、熱圧着工程において、熱圧着とともにフィルム面方向に関して、それぞれ反対方向の力を加えてせん断力を得る。このせん断力付与の目的は、液晶ポリマの場合、固化状態では分子が配向しており、せん断力がない状態では融点近傍まで加熱された場合でも構造が崩れにくく十分な軟化流動状態が得にくいためである。上記せん断力は、例えば、フィルムを挟んで上下に設置されるロールによる加圧や熱板の水平移動等によって付与される。このとき、ロールや水平板は、上下の一方のみ稼動し、他方は固定であっても十分にせん断力を付与することができる。
さらに好ましいせん断力付与の方法として、フィルムの少なくとも一方の面がフラットな面に押圧される形で行うことが適当である。これは、熱可塑性樹脂は加熱状態で強度が大幅に低下するため、両面ロール加圧等のライン加圧では変形が生じやすいためである。例えば、一方の面がロール、他方の面が平板の組合せでの熱圧や、両面平板での熱圧が適しており、後者の場合は一方の平板は固定で、他方を水平移動することによってせん断力を与えることができる。
ここで、このせん断力を伴う熱圧着工程は、熱可塑性樹脂フィルムの融点近傍の温度でかつ融点より低い温度で、熱圧着を行うことを特徴とすることができる。熱可塑性樹脂は融点以上に加熱されると粘度が大幅に低下し、それ自体が接着剤となり、圧力を加えることで導体薄膜とフィルムの界面の微細な空孔に入り込む。そのために、熱圧着を行うことにより密着強度を向上させることができる。ただし、熱可塑性樹脂が液晶ポリマである場合は融点以上での粘度の低下が特に著しく、せん断力を伴う熱圧着によってフィルムの変形を起こす可能性あるため融点より少し低い温度で圧着することが好ましい。より、好ましくは、融点―60℃以上、融点―10℃以下である。
また、導体薄膜形成工程は、熱可塑性樹脂フィルムの表面に無電解めっきの触媒核となる金属原子を付与した後に無電解めっき法で導体薄膜を形成することを特徴とすることができる。
一方、本発明は、配線用に用いられるフィルム基板であって、熱可塑性樹脂フィルムと、この熱可塑性樹脂フィルムの表面に無電解めっき法で形成され、その後、熱可塑性樹脂フィルムと熱圧着されて形成される導体薄膜とを有する。
ここで、この熱可塑性樹脂フィルムは、液晶ポリマーフィルムであることを特徴とすることができる。
また、熱可塑性フィルムと導体薄膜との界面の凹凸が十点平均高さRzで表して2μm以下であることを特徴とすれば、導体薄膜を用いて配線が形成された際に、高周波の伝送損失を小さくすることができる点で好ましい。界面の凹凸がRzで2μm以上の場合、高周波の伝送損失が銅張積層板の製品と同程度以上になってしまい、無電解めっき法で銅膜を形成することによる利点が低減してしまう。また周知のように微細パターン形成の上からも界面の凹凸が少ないことが好ましい。高周波の伝送損失を低下させてかつ微細パターンを得るためには、界面の凹凸が十点平均高さRzで表して80nm以下が好ましい。
また、導体薄膜は、Cu、Cu合金、Ni、およびNi合金のうち、少なくとも1つを含む金属薄膜であることを特徴とすることができる。特に配線用としてはCuが好ましい。これはこの導体薄膜をシード層としてセミアデティブ法により配線形成を行った場合、シード層のエッチングが容易であること、および導電性の面から配線材料と同じCuであることが好ましいためである。
更に、その厚みは、薄すぎると電気めっきによる導体膜の積層が良好に行えず、厚すぎると配線形成時のエッチングプロセスに時間がかかり過ぎてしまうことから、30nm以上800nm以下とすることが好ましく、100nm以上300nm以下が更に好ましい。
また更に、この熱可塑性フィルムと導体薄膜との間には、無電解めっきの触媒核となる金属原子が含まれることを特徴とすることができる。
本発明によれば、高周波信号の伝送に好適で、高密度実装可能かつ信頼性の高い配線用フィルム基板を簡易にかつ効率よく提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本実施の形態は、図5(a)に示すような配線用フィルム基板そのものを提供する技術に関するものである。
図1(a),(b)は、本実施の形態が適用される配線用フィルム基板の製造方法を説明するための図である。まず、図1(a)に示すように、熱可塑性樹脂である液晶ポリマーフィルム1に、Pd触媒2を用いて無電解めっき法で、例えば、厚さ200nm程度の導体シード層3(導体薄膜)を形成する。導体シード層3としては、Cu、Cu合金、Ni、Ni合金などを用いることが好ましい。また、Pd触媒2の代わりに、Pt、Au、Agなどの触媒を用いることが可能である。次に、導体シード層3と液晶ポリマーフィルム1とを熱圧着し、その際に図示のようにフィルムの面方向にせん断力を加える。
熱圧着の温度は、液晶ポリマーフィルム1の融点近傍でかつ若干低い温度である。せん断力の付与により融点以下であってもポリマーの分子配向が乱れて一定の流動状態が生じ、接着性が得られる。尚、液晶ポリマーフィルム1側と導体シード層3側の両方から加熱することも可能であるが、どちらか一方だけを加熱するように構成しても良い。
図2は、図1(b)に示すせん断力付与熱圧着工程を実行する熱圧着装置20を示した構成図である。図2に示す熱圧着装置20は、導体シード層3がめっき形成された液晶ポリマーフィルム1を供給する供給ローラ21と、導体シード層3および液晶ポリマーフィルム1を熱圧着するための加熱加圧ローラ22と、加熱加圧平板22‘とを有している。この加熱加圧ローラ22および加熱加圧平板22’の内部には、加熱ヒータ23、23‘が設けられている。更に、熱圧着後の配線用フィルム基板を下流側に搬送する出口ローラ24を有している。
供給ローラ21から供給される導体シード層3形成後の液晶ポリマーフィルム1は、加熱加圧ローラ22および加熱加圧平板22’の間に順次供給され、加熱および加圧される。加熱および加圧された導体シード層3付きの液晶ポリマーフィルム1は、出口ローラ24まで搬送され、例えば冷却された状態で回収される。この回収されるシートが配線用フィルム基板材料として用いられる。
以下、実施例により本実施の形態を具体的に説明する。但し、本実施例は、その要旨を越えない限り、本実施の形態を限定するものではない。
〔実施例1〕
図3は、実施例1における製造方法の工程を説明するための図である。まず、液晶ポリマーフィルム(クラレ社製:ベクスターOC、融点:310℃)を準備し(ステップ101)、この液晶ポリマーフィルム表面に、次のステップ102〜ステップ107の工程(無電解めっき法)により銅めっき膜を付着させる。最初に、フィルムの表面を軽度にアルカリエッチングし(3mol/l KOH溶液中浸漬、80℃−60min)、表面を若干粗化させる(ステップ102)。大気プラズマ照射でフィルム表面を化学的に活性化させた(ステップ103)。そして、シランカップリング剤(信越シリコーン社製:KBM903)に3分間浸漬させた後に水洗いした(ステップ104)。次に、Pd触媒付与剤(奥野製薬工業社製:OPC−80キャタリストM)に3分間浸漬させた後に水洗いした(ステップ105)。その後、塩酸に3分間浸漬させた後に水洗いした(ステップ106)。そして、32℃の無電解銅めっき液(奥野製薬工業社製:ATSアドカッパ−IW)に10分間浸漬させた後に水洗いし、100℃の大気中で30分間乾燥させた(ステップ107)。以上のようにして、表面に銅(Cu)めっき膜が形成された液晶ポリマーフィルムを形成した。その後、図2に示すようなせん断力付与型熱圧着装置20で熱圧着した(ステップ108)。熱圧着時の温度は280℃、荷重は100kgとした。SEM(Scanning Electron Microscope)観察結果によると、このようにして形成されためっき膜の厚みは約200nmであり、界面の凹凸は十点平均高さRzで表して50nmであった。
〔実施例2〕
ステップ107に示す無電解銅めっき液に代えて、Ni−B系めっき液(奥野製薬工業社製:トップケミアロイB−1)を用いた点以外は、実施例1と同様な操作を行い、液晶ポリマーフィルム上にNi−B薄膜を備えためっき膜付着液晶ポリマーフィルムを形成した。SEM観察結果によると、めっき膜の厚みは約200nmであった。また、界面の凹凸は十点平均高さRzで表して50nmであった。
〔実施例3〕
最初に、液晶ポリマーフィルムの表面を化学的処理で十分に粗化したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。SEM観察結果によると、めっき膜とフィルムの界面の凹凸は十点平均高さRzで表して2μmであった。
〔比較例1〕
前記熱圧着しないこと以外は実施例1と同様にして、液晶ポリマーフィルム上に銅めっき膜を形成した。界面の凹凸は十点平均高さRzで表して80nmであった。
〔比較例2〕
液晶ポリマーフィルムに10μm厚の銅箔を熱圧着装置で熱圧着した市販の銅張積層フィルムについて同様の評価を行った。SEM観察結果によると、界面の凹凸は十点平均高さRzで表して4μmであった。
〔比較例3〕
液晶ポリマーフィルムをせん断力を併用せずに280℃で熱圧着したこと以外は実施例1と同様にして、液晶ポリマーフィルム上に銅めっき膜を形成した。界面の凹凸は十点平均高さRzで表して30nmであった。
実施例、比較例で得られた試料を次のようにして評価し、結果を表1にまとめた。
Figure 2006324545
実施例1、2、3と比較例1、3で得られた試料について、電解めっき法によりさらに約10μmの銅膜を積層した試料と、比較例3の試料について、導体膜とフィルムの密着強度を90度ピール試験で測定した。実施例1および実施例2では導体膜の密度強度が650N/m、実施例3,比較例2では導体膜の密度強度が700N/mと良好であった。しかしながら、比較例1の密着強度は10N/m程度、比較例3の密着強度は100N/m程度と非常に低い値となった。即ち、熱圧着を行わない比較例1の場合や、融点以下でせん断力を併用せずに熱圧着を施した比較例3の場合には、十分な密着強度を得ることができないことが判明した。
また、実施例1、2、3および比較例1、3の試料についてはセミアディティブ法で、比較例2の試料についてはサブトラクティブ法で、幅/高さが20μm/10μmの銅配線を形成した。そして、これらの試料について、図4(d)にて説明したようなL1とL2と同様の寸法関係を把握した。即ち、この銅膜表面側の配線幅L1と液晶ポリマーフィルム表面側(接合側)の配線幅L2としてL1/L2を比較した。この結果、実施例1および実施例2では、比L1/L2が0.98、0.97と大きく、微細配線を形成するのに好ましい配線用フィルム基板を得ることが可能であることが明らかとなった。実施例3、比較例1、および比較例3では、比L1/L2が0.82、0.92、0.97という値であったが、比較例2の試料では、L1/L2が0.54と、他の試料よりも小さく、微細加工には不適当であることが明らかとなった。
従って、微細配線パターン形成に適した界面の凹凸としては、十点平均高さRzで表して2μm以下が好ましく、特に80nm以下が好ましい。
(a),(b)は、本実施の形態が適用される配線用フィルム基板の製造方法を説明する断面模式図である。 本発明による熱圧着工程を実行する熱圧着装置の実施形態を示した構成図である。 実施例1における製造方法の工程を説明するフローチャートである。 (a)〜(d)は、基板材料としてポリイミドを用い、サブトラクティブ法によって配線パターンを製造する従来のフレキシブルプリント基板の製造方法を説明する図である。 (a)〜(e)は、基板材料として液晶ポリマーフィルムを用いセミアディティブ法によって配線パターンを製造する本発明の方法による製造方法を説明するための図である。
符号の説明
1…液晶ポリマーフィルム、2…Pd触媒、3…導体シード層、20…熱圧着装置

Claims (9)

  1. 配線用フィルム基板を製造する方法であって、
    熱可塑性樹脂フィルムの表面に無電解めっき法で導体薄膜を形成する導体薄膜形成工程と、
    前記導体薄膜形成工程によって前記導体薄膜が形成された前記熱可塑性樹脂フィルムと当該導体薄膜とをフィルム面方向のせん断力を加えつつ熱圧着する熱圧着工程とを含む配線用フィルム基板の製造方法。
  2. 前記熱圧着工程は、前記熱可塑性樹脂フィルムの融点近傍でかつ融点より低い温度で熱圧着を行うことを特徴とする請求項1記載の配線用フィルム基板の製造方法。
  3. 前記導体薄膜形成工程は、前記熱可塑性樹脂フィルムの表面に無電解めっきの触媒核となる金属原子を付与した後に無電解めっき法で前記導体薄膜を形成することを特徴とする請求項1記載の配線用フィルム基板の製造方法。
  4. 配線用に用いられるフィルム基板であって、
    熱可塑性樹脂フィルムと、
    前記熱可塑性樹脂フィルムの表面に無電解めっき法で形成され、その後、当該熱可塑性樹脂フィルムとフィルム面方向のせん断力を加えつつ熱圧着されて形成される導体薄膜とを有する配線用フィルム基板。
  5. 前記熱可塑性樹脂フィルムは、液晶ポリマーフィルムであることを特徴とする請求項4記載の配線用フィルム基板。
  6. 前記熱可塑性フィルムと前記導体薄膜との界面の凹凸が十点平均高さRzで表して2μm以下であることを特徴とする請求項4記載の配線用フィルム基板。
  7. 前記導体薄膜は、Cu、Cu合金、Ni、およびNi合金のうち、少なくとも1つを含む金属薄膜であることを特徴とする請求項4記載の配線用フィルム基板。
  8. 前記熱可塑性フィルムと前記導体薄膜との間には、無電解めっきの触媒核となる金属原子が含まれることを特徴とする請求項7記載の配線用フィルム基板。
  9. 請求項4記載の配線用フィルム基板の製造に用いる装置であって、
    前記熱可塑性樹脂フィルムの表面に無電解めっき法で導体薄膜が形成された前記熱可塑性樹脂フィルムと当該導体薄膜とをフィルム面方向のせん断力を加えつつ熱圧着する熱圧着部を有し、
    前記熱圧着部は、当該フィルムと当接する少なくとも一方の面が平板状であるでことを特徴とする配線用フィルム基板の製造に用いる装置。

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