JP2006322570A - バルブ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ピストン速度に応じて減衰力特性がリニアに変化させることが可能であって車両における乗り心地と操作感とを両立させることが可能な緩衝器のバルブ構造を提供することである。
【解決手段】 ポート1が形成される円板状のバルブボディ4に積層されポート1の出口端の外周側に形成の弁座3に離着座しポート1を開閉する環板状弁体10を備えた緩衝器のバルブ構造において、環板状弁体10に積層され外周縁が環板状弁体10の弁座3への着座位置からポート1の中心までの径方向距離の3分の2の位置からポート1の内縁までの範囲内となる環板状の積層部材11を設け、該積層部材11を環板状弁体10に向けて附勢する附勢手段Sを設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、バルブ構造の改良に関する。
従来、この種バルブ構造にあっては、緩衝器のピストン部等に具現化され、ピストン部に設けたポートの出口端に各ポートに連通する窓と言われる凹部を形成し、この凹部の外周側に形成の弁座に積層リーフバルブを離着座させてポートを開閉するものが知られている。
そして、具体的には、このバルブ構造にあっては、図6に示すように、弁座に離着座する第1のリーフバルブ51と、この第1のリーフバルブ51に積層される第1のリーフバルブ51と略同径の第2のリーフバルブ52との間にリング53と、リング53の位置決めに使用されるリング53より薄肉の環状部材54を介装し、さらに、第2のリーフバルブ52に積層される第3のリーフバルブ55との間に極小径のスペーサ56を介装させ、第2のリーフバルブ52のみに初期撓みを与えてリング53で第1のリーフバルブ51を弁座57の真上から附勢するようにしたものがある(たとえば、特許文献1参照)。
この図6に示したバルブ構造にあっては、第2のリーフバルブ52があらかじめ撓んでいる分、第1のリーフバルブ51が弁座から離座するクラッキング圧(開弁圧)を高く設定するとともに第1のリーフバルブ51の撓み量を小さくすることができ、特に緩衝器のピストン速度が中高速となる領域では、図4中線Bに示すように、高い減衰力を発生することができる。
しかし、その反面、図6に示したバルブ構造では、ピストン速度が低速となる領域にあっては、微視的には、第2リーフバルブ52から荷重を受けた状態で第1のリーフバルブ51がリング53の内周側端部近傍を支点として撓んで開弁するので発生減衰力が高くなり、この低速領域での車両における乗り心地が悪化してしまう弊害がある。
そこで、図7に示した他のバルブ構造では、上記不具合を改善するために、上記したバルブ構造に改変を加えてあり、この他のバルブ構造にあっては、スペーサ56を介装させる位置を第1のリーフバルブ51と第2のリーフバルブ52との間にしたものがある。
この他のバルブ構造では、図4中線Cに示すように、ピストン速度が低速領域にある時には、スペーサ56で初期撓みが与えられた第2のリーフバルブ52が第1のリーフバルブ51に荷重を与える事がないようになっており、上記低速領域においては第1のリーフバルブ51のみが撓むことにより低い減衰力を発生でき、他方、ピストン速度が中高速となる時には、第1のリーフバルブ51が大きく撓んで第2のリーフバルブ52に当接するようにしてあることから、中高速域においては、図6に示したバルブ構造と同様に高い減衰力を発生できるようにしてある(たとえば、特許文献2参照)。
実開平4−97133号公報(2頁,図1) 特開2004−324817号公報(段落番号0031〜0033,図3(A))
ところで、緩衝器を含むサスペンション装置は、車両の操縦安定性、乗り心地に影響する重要な装置であり、特に、中でも緩衝器の発生減衰力は、車両における乗り心地を大きく左右することが知られている。
そして、年々車両における乗り心地への要求が高まっており、特には、緩衝器の伸縮速度、すなわち、ピストン速度が低速領域における乗り心地の向上が望まれ、これを実現するため、上記した図7に示したバルブ構造にあっても低速領域においては、なるべく低い減衰力を発生させるようにしている。
したがって、この従来バルブ構造のように低速領域において低い減衰力を発生可能であり、この領域においては車両における乗り心地は向上するのではあるが、その反面、低速領域と中高速領域との間を境に減衰力特性が急激に変化することになり搭乗者に違和感を覚えさせてしまうことがある。
また、図6のバルブ構造では、低速領域においても減衰力が高くなるので、路面の凹凸等による振動が車両の車体等のバネ上部材に伝達されやすくなり、これにより、バネ上部材が小刻みに振動することとなり、特に、緩衝器の圧縮側の減衰力が高い場合には、運転者や搭乗者にゴツゴツ感(ハーシュネス)、伸長側の減衰力が高い場合には、ヒョコヒョコ感(ビジー感)といった不快感を感じさせることになり、車両における乗り心地を悪化させてしまうことになる。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、ピストン速度に応じて減衰力特性がリニアに変化させることが可能であって車両における乗り心地と操作感とを両立させることが可能な緩衝器のバルブ構造を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、ポートが形成される円板状のバルブボディに積層されポートの出口端の外周側に形成の弁座に離着座しポートを開閉する環板状弁体を備えた緩衝器のバルブ構造において、環板状弁体に積層され外周縁が環板状弁体の弁座への着座位置からポートの中心までの径方向距離の3分の2の位置からポートの内縁までの範囲内となる環板状の積層部材を設け、該積層部材を環板状弁体に向けて附勢する附勢手段を設けた。
さらに、他の課題解決手段は、ポートが形成される円板状のバルブボディに積層されポートの出口端の内周側に形成の弁座に離着座しポートを開閉する環板状弁体を備えた緩衝器のバルブ構造において、環板状弁体に積層され内周縁が環板状弁体の弁座への着座位置からポートの中心までの径方向距離の3分の2の位置からポートの外縁までの範囲内となる環板状の積層部材を設け、該積層部材を環板状弁体に向けて附勢する附勢手段を設けた。
本発明のバルブ構造によれば、ピストン速度が低速領域における該バルブ構造が発生する減衰力は、附勢手段の荷重が環板状弁体に弁座の真上から全体に亙り作用しないので、従来バルブ構造のように高い減衰力とならず、また、一枚のリーフバルブが内周側あるいは外周側から撓むのではなく、環板状弁体は、環状部材で背面が支持されているので積層部材の外周縁あるいは内周縁を支点として撓む結果となるから、その部分での撓み剛性が高くなり従来バルブ構造程低い減衰力とならず、その中間領域の減衰力を発生させることができるのである。
さらに、この中間領域の減衰力を発生させることができることから、ピストン速度が低速時にあっても減衰力が高くなりすぎずに、車両の運転者等にハーシュネスやビジー感といった不快感を感じさせずにすむことになり、また、ピストン速度が低速時にあっても減衰力が低くなりすぎないので、車両旋回時にロールが大きくなってしまい搭乗者に不安感を抱かせるといった操作感を悪化ようなことがなくなる。
したがって、このバルブ構造にあっては、従来バルブ構造では達成できなかったピストン速度が低速領域にあるときの車両における乗り心地と操作感の向上の両立が可能となるのである。
さらに、積層部材の外周縁が環板状弁体の弁座への着座位置からポートの中心までの径方向距離の3分の2の位置からポートの内縁までの範囲内、あるいは、積層部材の内周縁が環板状弁体の弁座への着座位置からポートの中心までの径方向距離の3分の2の位置からポートの外縁までの範囲内となっているので、ピストン速度が中高速領域に達するまでに、積層部材の撓みを進行させているので、低速領域と中高速領域との境目で急激に減衰力特性が変化することなく、その減衰力特性はピストン速度に応じてリニアに変化することになる。
したがって、このバルブ構造にあっては、低速領域においては車両における乗り心地と操作感とを両立させることができるとともに、ピストン速度に応じて減衰力特性がリニアに変化させることができるので、低速領域と中高速領域との境で急激に減衰力特性が変化しないので車両に搭乗者に違和感を覚えさせるという不具合もない。
以下、本発明のバルブ構造を図に基づいて説明する。図1は、一実施の形態におけるバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の縦断面図である。図2は、バルブ構造が具現化したピストンの一部拡大平面図である。図3は、一実施の形態におけるバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の一部拡大縦断面図である。図4は、一実施の形態におけるバルブ構造の減衰力特性を示す図である。図5は、一実施の形態の変形例におけるバルブ構造が具現化されたピストン部の縦断面図である。
本発明のバルブ構造は、図1に示すように、緩衝器のピストン部に具現化されており、複数のポート1と、各ポート1に連通する窓2と、ポート1の出口端となる窓2の外周側に形成された弁座3を備えたバルブボディたる円板状のピストン4と、上記ポート1の下流端を開閉する環板状弁体たるリーフバルブ10と、リーフバルブ10に積層され外周縁がリーフバルブ10の弁座3への着座位置からポート1の中心までの径方向距離の3分の2の位置からポート1の内縁までの範囲内となる環板状の積層部材たる小径リーフバルブ11と、該小径リーフバルブ11をリーフバルブ10に向けて附勢する附勢手段Sとで構成されている。
他方、このバルブ構造が具現化される緩衝器は、周知であるので詳細には図示して説明しないが、具体的にたとえば、シリンダ30と、シリンダ30の上端を封止するヘッド部材(図示せず)と、ヘッド部材(図示せず)を摺動自在に貫通するピストンロッド31と、ピストンロッド31の端部に設けたピストン4と、シリンダ30内にピストン4で区画した上室R1と下室R2と、シリンダ30の下端を封止する封止部材(図示せず)とを備えて構成されている。
ピストン4は、図1および図2に示すように、環状のディスク部5と、ディスク部5の外周に嵌挿されシリンダ30の内周に摺接する摺接部6とを備え、ディスク部5は、上室R1と下室R2とを連通し同一円周上に配置されて設けられる複数の伸側ポートとなるポート1と、ポート1と同一円周に互い違いに形成される複数の圧側のポート7と、ディスク部5の図中下端に形成されそれぞれがポート1の出口端に連通される窓2と、窓2の外周側にリーフバルブ10が着座する弁座3とを備えている。
そして、弁座3は、図2に示すところでは、外周部3aと側部3bと内周部3cとを備えており、各ポート1を取り囲むようにして設けられているが、圧側ポートの外周側に伸側ポートあるいは伸側ポートの外周側に圧側ポートを配置するようなバルブディスクにあっては、各ポートを連通する環状窓を形成し弁座も環状窓の外周側に形成して環状としてもよい。
また、リーフバルブ10は、環状であって板状、すなわち、環板状の弁体として形成され、ピストンロッド31に内周側が固定され、自由端となる外周側を弁座3に当接させてピストン4の図中下方に積層されている。
このリーフバルブ10の図中下方には、環状部材となるリーフバルブ10より小径な小径リーフバルブ11がやはり内周側がピストンロッド31に固定されて積層され、さらに、この小径リーフバルブ11には、附勢手段Sが積層されている。
附勢手段Sは、リーフバルブ10と同径の一対のディスク12と、ディスク12間に介装されるディスク12と同径のリング13およびリング13の内周側に配置され内周端がピストンロッド31に固定される環状板14とで構成されており、この附勢手段Sの図中下方には、さらに、複数枚のリーフバルブを重ねて構成した環状板部材たる積層リーフバルブ15が積層されている。
上記した小径リーフバルブ11は、環状に形成され、その全体をリーフバルブ10の弁座3に対向する面の背面に当接させて積層され、また、小径リーフバルブ11の外周縁は、図3に示すように、リーフバルブ10の弁座3の外周部3aに着座している部位からポート1の中心までの径方向距離Lの3分の2の位置からポート1の内縁までの範囲A内、つまり、外周部3aから距離2L/3の位置からポート1の内縁までの範囲A内に収まるように設定され、小径リーフバルブ11は、リーフバルブ10の背面を附勢手段Sに附勢されて支持している。ここで、ポート1の内縁とは、ポート1の最もピストン4の内周側に位置する縁のことである。
そして、この場合、小径リーフバルブ11の外周縁は、環板状弁体であるリーフバルブ10が撓むときの支点となり、ピストン速度が低速領域にあるときにはリーフバルブ10は、小径リーフバルブ11の外周縁を支点として撓むことになる。
また、環状板14は、円環状のリング13の内周側に摺接あるいは若干の隙間を開けて挿入され、リング13のディスク12に対する位置ずれを防止する位置ずれ防止手段であり、また、リング13は、環状板14に対し図中上下方向となる軸方向への移動が許容されている。
そして、リング13は、その図中上下方向となる軸方向厚さが環状板14のそれより若干厚くなるように形成され、下方のディスク12および積層リーフバルブ15に初期撓みを与えており、この初期撓みによって小径リーフバルブ11がリーフバルブ10側に向けて附勢される。
なお、環状板14は、リング13の位置ずれを防止する機能を果たしているので、その形状は、リング13のセンタリングが可能であれば、どのような形状とされてもよい。
さらに、積層リーフバルブ15は、図示したところでは、3つのリーフバルブからなり、下方のディスク12に当接するリーフバルブ16は、ディスク12より小径に設定されるとともに、リーフバルブ16の下方に積層されるリーフバルブ17は、リーフバルブ16と同径に設定され、さらに、リーフバルブ17より小径なリーフバルブ18が上記リーフバルブ17の下方に積層されている。
そして、上記積層リーフバルブ15もまた、ピストンロッド31に内周側が固定され、その外周端は自由端とされ、図中一番最上方に積層されるリーフバルブ16は、リング13が環状板14より肉厚に形成されているので、若干の隙間を介して環状板14に対向していることになり、積層リーフバルブ15全体として小径リーフバルブ11に附勢力を作用させており、この附勢力に応じて各リーフバルブ16,17,18の径や材質、厚さを変更することができる。
なお、積層リーフバルブ15の構成としては、上記のものに限られず、また、一対のディスク12、リング13のみで小径リーフバルブ11に所定の附勢力を作用させることができるようであればこれを省略するとしても差し支えない。さらに、附勢手段Sとしては、上記一対のディスク12、リング13の換わりに、たとえば、コイルスプリングで積層部材たる小径リーフバルブ11に附勢力を作用させてもよいが、リング13の厚みを変更することで容易に減衰力特性の調整を行える点で有利である。
さらに、一対のディスク12のうち一方にリング13を接着等して一体化する場合には、環状板14を省略あるいは環状板14の外径をリング13の内径に対して小さいものとすることができる。
また、ピストン4の図1中上方には、上記したリーフバルブ10、小径リーフバルブ11および附勢手段Sを上下逆に配置して積層させてあり、このピストン4の上方に配置されるリーフバルブ10は、圧側のポート7の出口端に形成の窓8を取り囲むように形成された弁座9に当接させてある。
そして、ピストンロッド31の縮径部32には、図1中上から順にバルブストッパ35、間座36、積層リーフバルブ15、附勢手段S、小径リーフバルブ11、リーフバルブ10、ピストン4、リーフバルブ10、小径リーフバルブ11、附勢手段S、積層リーフバルブ15、間座36およびバルブストッパ35が装着され、ピストンロッド31の図中下端となる先端に設けた螺子部33に螺着されるピストンナット37で上記各部材がピストンロッド31に固定されている。
以上のようにバルブ構造は構成され、以下その作用効果について説明する。
緩衝器が伸長する時、作動油は、上室R1から下室R2へポート1を通過して移動するが、ピストン速度が低速領域にある時、リーフバルブ10が弁座3から離座するクラッキング圧に達すると、ディスク12および積層リーフバルブ15の初期撓みに相当する荷重が小径リーフバルブ11を介して作用しているので、リーフバルブ10は、まず、何等支持されていない外周端のみが撓んで弁座3から離座する。
すなわち、図3中仮想線で示すようにリーフバルブ10は、小径リーフバルブ11の外周縁を支点として撓む結果となり、弁座3の内周部3cおよび側部3bの内周側の一部に当接したまま外周部3aと側部3bの外周側から離座することとなる。
すると、作動油は、リーフバルブ10と弁座3の外周部3aおよび側部3bの外周側との間に形成される僅かな隙間を通過して、上室R1から下室R2に移動することになる。
このとき、該バルブ構造が発生する減衰力の特性は、オリフィス特性のように二乗特性ではなく、ピストン速度に比例するリニアな特性となる。
そして、ピストン速度が低速領域における該バルブ構造が発生する減衰力は、ディスク12および積層リーフバルブ15の荷重がリーフバルブ10に弁座3の真上から作用しないので、図6の従来バルブ構造のように高い減衰力とならず、また、図7のバルブ構造ように一枚のリーフバルブが内周側から撓むのではなく、リーフバルブ10は、小径リーフバルブ11で背面が支持され上記範囲A内となる小径リーフバルブ11の外周縁を支点として、外周端側のみが撓む結果となるから、その部分での撓み剛性が高くなり図7のバルブ構造程低い減衰力とならず、図4中線Aに示すように、その中間領域の減衰力を発生させることができるのである。
さらに、この中間領域の減衰力を発生させることができることから、ピストン速度が低速時にあっても減衰力が高くなりすぎずに、車両の運転者等にビジー感といった不快感を感じさせずにすむことになり、また、ピストン速度が低速時にあっても減衰力が低くなりすぎないので、車両旋回時にロールが大きくなってしまい搭乗者に不安感を抱かせるといった操作感を悪化ようなことがなくなる。
したがって、このバルブ構造にあっては、従来バルブ構造では達成できなかったピストン速度が低速領域にあるときの車両における乗り心地と操作感の向上の両立が可能となるのである。
そして、徐々にピストン速度が高まっていくと、小径リーフバルブ11の外周縁が上記範囲A内となっているので、ポート1を通過する作動油はリーフバルブ10のみを撓ませるだけでなく、小径リーフバルブ11、附勢手段Sおよび積層リーフバルブ15を全体的に撓ませるようになり、ピストン速度が中高速領域に達するようになると、リーフバルブ10は、附勢手段Sのディスク12に当接するようになるが、この状態となるまでに、小径リーフバルブ11、附勢手段Sおよび積層リーフバルブ15の全体の撓みを進行させているので、低速領域と中高速領域との境目で急激に減衰力特性が変化することなく、その減衰力特性は図4中線Aに示すがごとくにピストン速度に応じてリニアに変化することになる。
したがって、このバルブ構造にあっては、低速領域においては車両における乗り心地と操作感とを両立させることができるとともに、ピストン速度に応じて減衰力特性がリニアに変化させることができるので、低速領域と中高速領域との境で急激に減衰力特性が変化しないので車両に搭乗者に違和感を覚えさせるという不具合もない。
なお、リーフバルブ10を撓ませる支点の変更により、発生減衰力および減衰力特性の調整もでき、支点の変更は、上述のように積層部材たる小径リーフバルブ11の径の変更で行うことができるので、調整も容易である。
さらに、積層部材たる小径リーフバルブ11で環板状弁体たるリーフバルブ10の背面の外周端を除き略全体を支持させることにより、確実にリーフバルブ10の外周端のみを撓ませることができ、都度の発生減衰力にばらつきを生じさせないという利点がある。
なお、上述したところでは、リーフバルブ10は内周側が固定され、外周側が自由端とされる、いわゆる外開きのバルブとして構成されているが、外周側を固定して内周端を自由端とする、いわゆる内開きのバルブとして構成されてもよい。
この場合には、図5に示す一実施の実施の形態の変形例におけるバルブ構造のように、環板状弁体たるリーフバルブ20は無論のこととして、積層部材たるリーフバルブ21、附勢手段Sにおける各ディスク22、環状板23、および積層リーフバルブ24もまた外周側を固定し内周側を自由端とし、各ディスク22間に環状板23の内周側に配置され環状板23に対し軸方向への移動が許容されるリング28を介装し、バルブボディ27に形成のポート26の出口端に設けた弁座25に着座させればよい。
なお、この場合には、リーフバルブ21の内周端が、弁座25の内周部25aからポート26の中心までの径方向距離Mの3分の2の位置からポート26の外縁までの範囲B内、つまり、内周部25aから距離2M/3の位置からポート26の外縁までの範囲B内に収まるように設定される。ここで、ポート26の外縁とは、ポート26の最もピバルブボディ27の外周側に位置する縁のことである。
したがって、この変形例にあっても、リーフバルブ20が内開きとなるだけで、その作用効果については、上記した一実施の形態におけるバルブ構造と変わることはなく、上記同様、従来バルブ構造では達成できなかったピストン速度が低速領域にあるときの車両における乗り心地と操作感の向上の両立が可能となり、さらに、ピストン速度に応じて減衰力特性がリニアに変化させることができるので、低速領域と中高速領域との境で急激に減衰力特性が変化しないので車両に搭乗者に違和感を覚えさせるという不具合もないのである。
他方、緩衝器が収縮する時にあっては、図1に示すように、圧側のポート7の出口端にも、リーフバルブ10、小径リーフバルブ11、附勢手段Sおよび積層リーフバルブ15が設けてあるので、作動油の移動が下室R2から上室R1となるだけで、やはり、この場合にも、ピストン速度が低速領域にある場合には、中間領域となる減衰力を発生させることができる。
したがって、この場合にも、この中間領域の減衰力を発生させることができることから、ピストン速度が低速時にあっても減衰力が高くなりすぎずに、車両の運転者等にハーシュネスといった不快感を感じさせずにすむことになり、また、ピストン速度が低速時にあっても減衰力が低くなりすぎないので、車両旋回時にロールが大きくなってしまい搭乗者に不安感を抱かせるといった操作感を悪化ようなことがなくなる。
つまり、このバルブ構造にあっては、伸圧両側どちらでも、従来では達成できなかったピストン速度が低速領域にあるときの車両における乗り心地と操作感の向上の両立が可能となり、ピストン速度に応じて減衰力特性をリニアに変化させることができるのである。
また、伸圧両側で最適となる減衰力を発生できることから、車両旋回時には、適度にロールを抑制することができ、車両の運転者は、不安を感じることなく、また、内輪側の車輪の接地性が向上されるので、この点でも操作感が向上されるのである。
またさらに、上記したところからでは、本発明のバルブ構造が緩衝器のピストン部に具現化された場合について説明したが、ベースバルブ部に具現化されても良いことは無論である。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
一実施の形態におけるバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の縦断面図である。 バルブ構造が具現化したピストンの一部拡大平面図である。 一実施の形態におけるバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の一部拡大縦断面図である。 一実施の形態におけるバルブ構造の減衰力特性を示す図である。 一実施の形態の変形例におけるバルブ構造が具現化されたピストン部の縦断面図である。 従来のバルブ構造を示す図である。 従来の他のバルブ構造を示す図である。
符号の説明
1,7,26 ポート
2,8 窓
3,9,25 弁座
3a 弁座における外周部
3b 弁座における側部
3c,25a 弁座における内周部
4 バルブボディたるピストン
5 ディスク部
6 摺接部
10,20 環板状弁体たるリーフバルブ
11 積層部材たる小径リーフバルブ
12,22 ディスク
13,28 リング
14,23 環状板
15,25 積層リーフバルブ
16,17,18 リーフバルブ
21 積層部材たるリーフバルブ
27 バルブボディ
30 シリンダ
31 ピストンロッド
32 縮径部
33 螺子部
35 バルブストッパ
36 間座
37 ピストンナット
R1 上室
R2 下室
S 附勢手段

Claims (5)

  1. ポートが形成される円板状のバルブボディに積層されポートの出口端の外周側に形成の弁座に離着座しポートを開閉する環板状弁体を備えた緩衝器のバルブ構造において、環板状弁体に積層され外周縁が環板状弁体の弁座への着座位置からポートの中心までの径方向距離の3分の2の位置からポートの内縁までの範囲内となる環板状の積層部材を設け、該積層部材を環板状弁体に向けて附勢する附勢手段を設けたことを特徴とするバルブ構造。
  2. ポートが形成される円板状のバルブボディに積層されポートの出口端の内周側に形成の弁座に離着座しポートを開閉する環板状弁体を備えた緩衝器のバルブ構造において、環板状弁体に積層され内周縁が環板状弁体の弁座への着座位置からポートの中心までの径方向距離の3分の2の位置からポートの外縁までの範囲内となる環板状の積層部材を設け、該積層部材を環板状弁体に向けて附勢する附勢手段を設けたことを特徴とするバルブ構造。
  3. 附勢手段は、少なくとも一対の環板状のディスクと、該一対のディスクの間に介装されるリングとを備え、積層部材に積層されることを特徴とする請求項1または2に記載のバルブ構造。
  4. 環板状弁体を環板状弁体が弁座から離座するクラック時に上記積層部材の外周縁を支点として撓ませることを特徴とする請求項1または3に記載のバルブ構造。
  5. 環板状弁体を環板状弁体が弁座から離座するクラック時に上記積層部材の内周縁を支点として撓ませることを特徴とする請求項2または3に記載のバルブ構造。
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