JP2006322264A - 扉装置および扉枠 - Google Patents

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Abstract

【課題】扉体の表側と裏側とで大きな圧力差が生じている場合でも通常の操作と同様の操作で扉本体を開くことができ、かつ、扉本体の外観デザインの制約をなくする。
【解決手段】扉体11には、開閉用の操作部と、操作部の操作に連動して進退するロッド52とが設けられる。扉枠12は、扉体11のロッド52が進退する端面と対向する面に形成された第1開口部13aと、扉体11よりも戸内側となる位置に形成された第2開口部13bとを有する。扉枠12の内部には、第1開口部13aを塞ぐ閉鎖プレート57が設けられる。閉鎖プレート57は、ロッド52の前進によって移動し、第1開口部13aを開放する。
【選択図】図6B

Description

本発明は、扉本体に設けられた操作手段を操作することによって開閉される扉装置に関する。
オフィスビルや集合住宅などにおいては、屋内の環境を快適に維持し、あるいは防火性能を向上させるため、扉、特に屋内と屋外の境界に設けられる扉は、扉本体と扉枠との隙間を極力小さくしたり、この隙間をシール部材で塞いだりするなど、密閉性の高い構造とされていることが多い。密閉性を高くした扉においては、例えば強風が扉に向かって吹き付けている場合や、室内の換気を行っている場合などには扉の外側と内側との間で圧力差が生じやすい。そのため圧力差が大きくなると、扉を開く際に、扉が開きにくくなったり、急激に開いてしまったりという不具合が生じる。
そこで、このような不具合を解消するため、特許文献1には、扉本体を閉扉位置から所定量押し開いた初期開扉位置へ移動させる押し開き機構と、押し開き機構を動作させるための手動の操作部と、操作部の操作力よりも大きな力で押し開き機構を働かせる倍力機構とを有する開扉補助装置が開示されている。操作部は、扉本体のラッチボルトを操作するためのノブやハンドルといった扉開閉用の操作部とは別に設けられている。強風などによって扉を開けにくい場合には、開扉補助装置の操作部を操作すると、倍力機構によって押し開き機構が操作力よりも大きな力で動作されるので、小さな力で扉本体を初期開扉位置まで開くことができる。扉本体が開くことによって、扉本体と扉枠との間に生じた隙間を介して外側と内側との間での圧力差が緩和されるので、それ以降は小さな力で扉本体を開くことができる。
また、特許文献2には、扉本体にその表側および裏側に開口する換気口を形成するとともに、換気口を開閉する開閉板を設けた扉装置が記載されている。開閉板は、操作部が操作されていないときには換気口を塞いでおり、扉本体を開くために操作部を操作することによって、操作部に連動して換気口を開くように構成されている。このように、操作部の操作によって換気口が開き、扉本体が開く前に扉本体を空気が通過できるようにすることで、扉本体の表側と裏側との間での圧力差が緩和され、扉本体をスムーズに開くことができる。
特開2000−54721号公報 特開2000−136679号公報
しかしながら、上述した従来技術には以下に示すような問題点があった。
特許文献1に開示された装置は、通常の開閉用の操作部とは別に、押し開き機構を動作させるための操作部を有している。そのため、風圧等により扉本体を開けにくい場合には、まず押し開き機構用の操作部を操作し、その後に通常の開閉用の操作部を操作するという、通常の操作とは別の操作が付加される。また、押し開き機構は倍力機構を介して動作されるが、たとえ倍力機構を用いたとしても、やはり通常の操作よりは大きな操作力、あるいは大きな操作ストロークが必要となる。したがって、特許文献1に開示された装置では、扉本体を開く動作が煩わしいものとなる。
一方、特許文献2に開示された扉装置は、通常の開閉操作と同じ操作によって換気口を開いて圧力差を緩和し、結果的に扉本体をスムーズに開くことができるようにするものなので、扉本体を開くときの操作に関しては、特許文献1に記載された装置のような煩わしさはない。しかし、扉本体に換気口が設けられているので、扉本体は外観上の制約を受け、扉本体の自由な外観デザインの妨げとなる。
そこで本発明は、扉体の表側と裏側とで大きな圧力差が生じている場合でも通常の操作と同様の操作で扉本体を開くことができ、かつ、扉本体の外観デザインの制約がない扉装置および扉枠を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明の扉装置は、中空構造をなす扉枠と、扉枠に開閉可能に支持された扉体と、扉体に設けられた、扉体を開く際に操作される操作部と、扉体の表側と裏側との間に生じる圧力差を緩和する圧力差緩和手段とを有する。そして、圧力差緩和手段は、操作部の操作に連動して前記扉体の端面から突出するように前記扉体に設けられたロッドと、扉枠の、ロッドが突出する扉体の端面と対向する面に形成された第1開口部と、扉枠の内部から第1開口部を塞いだ位置から第1開口部を開放する位置へ移動可能に扉枠内に設けられた閉鎖部材と、第1開口部が開放することによって、第1開口部とともに、扉枠の内部を通って扉体の表側と裏側とを連通する空気流路を形成するように扉枠に形成された第2開口部とを有する。
また、本発明の扉枠は、開閉用の操作部、および操作部の操作に連動して端面から突出するロッドが設けられた扉体を開閉可能に支持する扉枠であって、ロッドが突出する扉体の端面と対向する面に形成された第1開口部と、扉枠の内部から第1開口部を塞いだ位置から、第1開口部を開放する位置へ移動可能に扉枠内に設けられた閉鎖部材と、第1開口部が開放することによって、第1開放部とともに、扉枠の内部を通って扉体の表側と裏側とを連通する空気流路を形成するように形成された第2開口部とを有する。
本発明では、扉体が閉じている状態で操作部を操作すると、それに連動してロッドが扉体の端面から突出する。ロッドが突出すると、ロッドは扉枠内に設けられ、扉枠に形成された第1開口部を塞いでいる閉鎖部材を移動させる。これにより、第1開口部が開放し、扉枠には、扉体の表側から扉枠内を通って裏側へ通じる空気流路が形成される。この空気流路を通って、圧力が高い側から低い側へ空気の流れが生じ、その結果、扉体の表側と裏側との圧力差が緩和される。
上述したように本発明によれば、通常の開扉動作と同じ操作部の操作だけで、特別な操作を必要とせず、扉体の表側と裏側との圧力差を緩和し、扉体の表側と裏側とで大きな圧力差が生じている場合でも容易に開扉することができる。しかも、空気流路は扉枠に形成されるので、扉体の外観には影響なく、扉体の自由なデザインが可能となる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態による扉装置の正面図である。図1に示す扉装置1は、本発明を玄関用のスイング式扉に適用したものであり、戸外側から見た状態を示している。
扉装置1は、扉体11と、扉体11を開閉可能に支持する扉枠12と、扉体11の戸外側と戸内側との圧力差を緩和するための圧力差緩和機構50と、を有する。
扉体11は、その幅方向一端部が手前側に開くように、他端部がヒンジ18によって扉枠12に連結されている。つまり、扉体11は、一端部が戸先側端部、他端部が戸尻側端部となるように、扉枠12にヒンジ連結されている。ヒンジ18は、扉体11の上端部、下端部および中間部の3ヶ所に取り付けられている。
扉体11の戸先側端部にはプッシュプル錠20が内蔵されている。プッシュプル錠20は、扉体11の表裏両面に設けられた操作部であるハンドル31を操作することによって、扉枠12への扉体12のロックおよび解除を行うように動作する。ハンドル31は、戸先側の端部が、鉛直方向に延びた支持部33を支軸として回動可能に支持されている。なお、図1では戸外側のハンドル31のみが示される。
図2Aおよび図2Bを参照して、プッシュプル錠20の詳細な構成および動作について説明する。
プッシュプル錠20は、ラッチボルト22およびラッチボルト22をロック状態に保持したり、ロック状態を解除したりするための機構を有し、これらの各部品を、板金部材を組み合わせて構成されたケース21内に収容して構成されている。ラッチボルト22は、ケース21の扉枠側端面21fから進退移動自在に支持されている。またラッチボルト22は、圧縮コイルばね28aによって、扉枠側端面21fから突出する向きへ付勢されており、通常、ラッチボルト22の先端部はケース21から突出した状態にある。
ケース21の、扉体11の表裏面と平行な側面には、押金挿通孔21a,21bが、互いに上下方向に間隔をおいて、かつそれぞれ水平方向に延びて形成されている。一方の押金挿通孔21aは、戸外側のハンドル31(図1参照)に一体に設けられた押金32aが挿通され、他方の押金挿通孔21bは、戸内側のハンドルに一体に設けられた押金32bが挿通される。
ケース21の内部には、押金挿通孔21a,21bに挿通された押金32a,32bに隣接して、2つの作動プレート23,24が水平な軸周りに揺動自在に設けられている。各作動プレート23,24は、押金32a,32bを間において対向配置されている。一方の作動プレート23の一部は押金挿通孔21aの一部と重なっており、押金32aが押金挿通孔21a内で図示右方向に移動することによって、押金32aに押されて時計回りに動く。他方の作動プレート23の一部は押金挿通孔21bの一部と重なっており、押金32bが押金挿通孔21b内で図示左方向に移動することによって、押金32bに押されて時計回りに動く。各作動部レート23,24の揺動範囲は、ストッパによって、図2Aに示した初期位置から図2Bに示した解除位置までの間の範囲に規制されている。
ケース21の内部にはさらに、ラッチプレート25、第1アーム26および第2アーム27が設けられている。ラッチプレート25は、ラッチボルト22と係合する係合部25aを有する。ラッチプレート25は、水平な軸回りに揺動自在に支持されており、ねじりコイルばね28bによって時計回りに付勢されている。ラッチプレート25の一端部は各作動プレート23,24に当接しており、ねじりコイルばね28bの付勢力によって各作動プレート23,24を初期位置に保持している。またこの状態では、ラッチプレート25の係合部25aはラッチボルト22に係合しており、これによって、ラッチボルト22はケース21から突出した位置に固定されている。扉体11が閉じた状態でラッチボルト22がケース21から突出していると、ラッチボルト22の先端部は、扉枠12に設けられた受け金具(不図示)内に進入し、これによって扉体11がロックされる。
ラッチプレート25の他端部には第1連結軸26bを介して第1アーム26の一端部が揺動自在に連結されている。第1アーム26の他端部には、第2連結軸26bを介して第2アームが揺動自在に連結されている。第1連結軸26aおよび第2連結軸26bはそれぞれ、ケース21に形成された長孔21c,21d内に挿通され、長孔21c,21dに沿って移動することができる。
第2アーム27は、その一端部を中心にして揺動自在に支持され、ねじりコイルばね28cによって反時計回りに付勢されている。第2アーム27の他端部には孔が形成されており、この孔に、圧力差緩和機構50(図1参照)の一部を構成するロッド52に一体に設けられたガイドピン29が挿通されている。ガイドピン29は、ケース21に形成されたガイド孔21eに支持され、ガイド孔21eに沿って移動することができる。ガイドピン29がガイド孔21eに案内されて移動することによって、ロッド52も移動する。ここではガイド孔21eは水平方向に延びて形成されているので、ロッド52も水平方向に移動する。
プッシュプル錠20の動作を以下に説明する。
まず、ラッチボルト22がケース21から突出してラッチプレート25にラッチされている状態(図2Aに示す状態)で戸外側のハンドル31を手前に引き付けると、ハンドル31は支持部33を支軸として回動し、押金32aが図2Aに示す位置から図2Bに示す位置へ移動する。押金32aの移動によって、作動プレート23は押金32aに押されて時計回りに回動し、ねじりコイルばね28bの付勢力に抗してラッチプレート25を反時計回りに回動させる。ラッチプレート25が反時計回りに回動すると、係合部25aによるラッチボルト22の係合が解除され、ラッチボルト22をケース21内に押し込むことができるようになる。ラッチボルト22は、扉体11(図1参照)の開方向の側面がテーパ状に形成されており、ラッチボルト22の係合が解除された状態では、扉体11を開くことが可能となる。
さらに、ラッチプレート25の回動によって、連結軸26aは長孔21cに沿って移動する。この移動は、第1アーム26、連結軸26b、第2アーム27およびガイドピン29を介して、ロッド52をガイド孔21eに沿って戸尻側へ移動させる。
そして、ハンドル31から手を離すなど、ハンドル31に加えていた力を解放すると、ねじりコイルばね28b,28cの付勢力によって、作動プレート23,24、ラッチプレート25、第1アーム26および第2アーム27は図2Aに示した初期位置へ戻る。これによって、ロッド52も戸先側へ移動する。
一方、図2Aに示す状態において戸内側のハンドル31を扉体11に向けて押し込むと、そのハンドルの押金32bが図示左方向へ移動する。押金32bの移動によって、作動プレート24は押金32bに押されて時計回りに回動し、ねじりコイルばね28bの付勢力に抗してラッチプレート25を反時計回りに回動させる。以降の動作は、戸外側のハンドル31を操作したときと同様である。
以上のように、ロッド52は、ハンドル31の操作に連動して、戸尻側へ前進したり、戸先側へ後退したりするように構成されている。
次に、圧力差緩和機構50について、図3〜図5を参照して説明する。
図3は、圧力差緩和機構の構成を説明するための、図1のA−A線断面図である。図4は、扉体のロッドケースが取り付けられた部分の構造を説明する図であり、同図(a)は縦断面図、同図(b)は戸尻側端面図である。図5は、図1に示す扉枠の、扉体の戸尻側端面と対向する部分での要部拡大図である。
図3および図4に示すように、扉体11の戸尻側端部には、板金部材を組み合わせて構成されたロッドケース53が取り付けられている。ロッドケース53内にはスライダ54が、前述したロッド52の移動方向と平行にスライド自在に設けられている。ロッド52は、その先端部をロッドケース53内に進入させて、スライダ54に固定されている。スライダ54の戸尻側端部には、2つの押圧ロッド55が互いに上下に間隔をあけて固定されている。各押圧ロッド55に対応して、ロッドケース53の戸尻側端面には開口部53aが形成されている。各押圧ロッド55は、ロッド52の進退移動に伴うスライダ54の移動によって、各開口部53aを貫通して進退移動する。
一方、扉枠12は中空構造をなしており、図3および図5に示すように、その扉体11の戸尻側端面と対向する部位に、第1開口部13a、第2開口部13b、および第3開口部13cが形成された2つの開口プレート13を有している。第1開口部13aは、扉体11の戸尻側端面と対向する位置に形成されている。第2開口部13bは、扉体11よりも開扉方向と反対側である、戸内側となる位置に形成されている。第3開口部13cは、押圧ロッド55と対向する位置に形成されている。第1開口部13aおよび第2開口部13bは、扉枠12の中空部内と外部とを連通する。扉枠12の、第1開口部13aが形成された領域と第2開口部13bが形成された領域との間には、扉体11と扉枠12との間の隙間を密閉するためのエアタイトゴム61が、扉体11の外周部全周にわたって当接するように設けられている。つまり、第1開口部13aおよび第2開口部13bは、エアタイトゴム61を基準として戸外側および戸内側にそれぞれ開口している。
扉枠12の中空部のうち、扉体11の戸尻側端部と対向する部分には、閉鎖プレート57が配置されている。閉鎖プレート57は、扉枠12の閉鎖プレート57が配置された部分における長手方向(鉛直方向)に沿って延びる支持軸56を中心に回動自在に設けられている。閉鎖プレート57は、開口プレート13の第1開口部13aおよび第3開口部13cが形成された領域と当接する面を有しており、閉鎖プレート57が揺動することによって、第1開口部13aおよび第3開口部13cを開放したり扉枠12の内側から塞いだりすることができる。
さらに、扉枠12の中空部には、閉鎖プレート57が第1開口部13aを塞ぐ方向に閉鎖プレート57を付勢する圧縮コイルばね59が、ガイドピン58に支持されて設けられている。ガイドピン58は、閉鎖プレート57に形成された貫通孔に挿通された状態で、扉枠12に固定されている。
従って、押圧ロッド55が戸尻側へ突出すると、押圧ロッド55は圧縮コイルばね59の付勢力に抗して閉鎖プレート57を押し込み、これによって閉鎖プレート57は開口部形成プレート13から離れ、第1開口部13aおよび第3開口部13cが開放される。一方、押圧ロッド55が引き込まれると、閉鎖プレート57は圧縮コイルばね59の付勢力によって元の位置へ戻り、第1開口部13aおよび第3開口部13cを塞ぐ。
本実施形態では、閉鎖プレート57が第1開口部13aおよび第3開口部13cを塞いでいる状態での気密性を確保するために、閉鎖プレート57は、開口部形成プレート13の第1開口部13aおよび第3開口部13cが形成された領域と対向する面に貼り付けられたシール部材60を有している。さらに、シール部材60は、開口部形成プレート13と当接した際の衝撃を緩和するために、弾力性を有する部材で構成されることが好ましい。このような部材としては、多孔質ゴムのような部材が挙げられる。
次に、上述した圧力差緩和機構50の動作について、図6Aおよび図6Bを参照して説明する。なお、図6Aおよび図6Bでは、説明の簡略化のために、図4に示した構造を単にロッド52として示す。
図6Aに、扉体11が閉じており、かつ、ハンドル31(図1参照)が操作されていない状態を示す。この状態では、前述したように、ロッド52は最も後退した位置にあり、閉鎖プレート57から離れているので、扉枠12の第1開口部13aは閉鎖プレート57によって塞がれている。このとき、戸外で強風が吹いていると、扉体11の戸外側表面には、白抜き矢印で示すように風圧が作用している。一方、扉体11と扉枠12との隙間にはエアタイトゴム61(図3参照)が設けられているので、風は戸内側へは進入しない。そのため、扉体11に加わる圧力は、戸内側と比較して戸外側のほうが高くなっており、扉体11を戸外側へ開こうとしても、扉体11は開きにくくなっている。
仮にエアタイトゴム61が設けられていないとしても、扉体11と扉枠12との隙間は僅かであるので、この隙間から戸内側へ進入する空気の流れは極めて少なく、戸外側と戸内側での圧力差による扉体11の開きにくさの傾向は、エアタイトゴム61を設けた場合と同様である。
ハンドル31を操作すると、ラッチボルト22(図2A参照)のラッチが解除され、扉体11を開くことが可能な状態となる。それと同時に、前述したようにハンドル31の操作に連動してロッド52が前進する。ロッド52が前進すると、図6Bに示すように、ロッド52の先端部は扉枠12の第3開口部13c(図5参照)を通過して閉鎖プレート57を押圧する。閉鎖プレート57は、ロッド52に押圧されることによって、矢印で示す向きに回動し、第1開口部13aから離れる。このことにより、第1開口部13aが開放され、扉枠12の内部を通って扉体11の戸内側と戸外側とを連通する空気流路が形成され。その結果、白抜き矢印で示すように、戸外側で扉体11に吹き付ける風によって、第1開口部13aから扉枠12の中空部および第2開口部13bを通って戸内側へ抜ける空気の流れが生じる。
この空気の流れは、戸外側と戸内側との圧力差を緩和する。圧力差が緩和されることによって、扉体11の片面に大きな風圧が作用しているような場合であっても、従来の圧力差緩和機構50が設けられていないものと比較して少ない力で扉体11を開くことができる。しかも、扉体11を開くために、特別な操作は必要なく通常と同様のハンドル操作だけでよいので、何の違和感もなく扉体11を開くことができる。また、扉体11の表側と裏側との間での空気流の通路となる開口は扉体11ではなく扉枠12に形成されるので、圧力差緩和機構50を設けたことによる扉体11のデザイン上の制限は何もなく、扉体11の自由なデザインが可能である。
開扉動作時には、ハンドル31を操作したままの状態、言い換えるとロッド52が前進した状態であるが、扉本体12がヒンジ18(図1参照)を中心として回転するので、開扉動作の途中でロッド52は第3開口部13c(図5参照)から抜け出る。この際、ロッド52は円弧状の軌跡を描きながら移動するので、ロッド52の移動中にロッド52が扉枠12と干渉しないように、ロッド52と第3開口部13cとのクリアランスが設定される。
ロッド52が第3開口部13cから抜け出ることによって、閉鎖プレート57は圧縮コイルばね(図3参照)の付勢力によって元の位置へ戻り、第1開口部13aを閉鎖する。また、開いている扉体11を閉じる際には、ハンドル31を操作することなく閉じれば、ロッド52は前進せず第3開口部13c内に進入しないので、第1開口部13aは閉じたままである。このように、第1開口部13aは、扉体11を開く直前から開いている動作の途中段階までの限られた期間のみに開放し、開扉動作時以外は、第1開口部13aおよび第2開口部13bを介して扉枠12内を通る戸外側と戸内側との間での空気の流れは生じない。したがって、扉体11が閉じている間は、扉枠12に第1開口部13aおよび第2開口部13bを設けたことによる、空調負荷の増加や風切り音といった問題は発生しない。
なお、本実施形態では、2つの閉鎖プレート57を有し、各閉鎖プレート57を押圧するようにロッド52を先端部で2つに分岐させた構成を示したが、これは、扉体11の中央部に位置するヒンジ18を避けるためである。したがって、そのような必要がない場合は、閉鎖プレート57を1つとし、ロッド52の先端部を分岐させずに単独のロッド52で閉鎖プレート57を押圧するようにしてもよい。一方、閉鎖プレート57のサイズと、ロッド52が閉鎖プレート57を押圧する位置との関係によっては、ロッド52が閉鎖プレート57を押圧したときに閉鎖プレート57に撓みや捻れ等が生じ、第1開口部13aを良好に開放させることができなくなる場合がある。そのような場合には、1つあたりの閉鎖プレート57のサイズが小さくなるように閉鎖プレート57の数を3つ以上とし、ロッド52の先端部もそれぞれの閉鎖プレート57を押圧できるように3つ以上に分岐させてもよい。
また、本実施形態では、第1開口部13aおよび第2開口部13bを、扉枠12の本体とは別部材の開口プレート13に形成した例を示したが、これら各開口部13a,13bは、扉枠12に直接形成してもよい。ただし、後述するように、各開口部13a,13bの開口面積は、圧力差緩和機構50の性能に関係があり、しかも設置される建物の床面積等にも依存する。従って、それぞれ各開口部13a,13bの開口面積が異なる種々の開口プレートを用意しておけば、設置される建物の条件に応じて開口プレートを交換するだけで最適な性能を得ることができる。
さらに、本実施形態では扉体11の開閉のための操作部としてプッシュプル式のハンドル31を示したが、操作部はこれに限られず、レバー式、ノブ式など、一般的な扉体の操作部として用いられる任意の操作部を用いることができる。また、それに対応して、ロック機構も操作部の操作をロッド52の進退運動に変換することができる任意の機構を有するものを用いる。
以上、本発明について代表的な実施形態を例に挙げて説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で適宜変更することができる。以下に、本発明の他の実施形態について説明する。なお、以下に示す実施形態では、上述した実施形態と同様の構成については上述した実施形態と同じ符号を付し、その詳しい説明は省略する。
図7Aは、本発明の他の実施形態による扉装置の、扉枠の要部縦断面図である。本形態では、閉鎖プレート72は、その上端部が、水平方向に延びる支持軸71を中心に回動自在に支持されている。また、閉鎖プレート72は、不図示の付勢手段の付勢力によって、開口プレート13の第1開口部13aが形成された領域に押圧されており、通常は第1開口部13aを閉鎖している。
扉体(不図示)が閉じている状態で、扉体に設けられたロッド(不図示)が前進すると、ロッドの先端部が扉枠12内に進入し、閉鎖プレート72を押圧する。これによって、図7Bに示すように閉鎖プレート72は支持軸71を中心に回動し、第1開口部13aが開放する。それ以降は、前述した実施形態と同様に扉体の表側と裏側との圧力差が緩和され、強風等により扉体の片面側に大きな圧力が作用している場合であっても容易に扉体を開くことができる。
ここでは閉鎖プレート72の上端部が支持軸71によって支持されている例を示したが、閉鎖プレート72は下端部が支持されていてもよい。
図8Aは、本発明のさらに他の実施形態による扉装置の、要部水平方向断面図である。本形態は、閉鎖プレート77がスライドするように扉枠12内に支持されている点が上述した実施形態と異なる。詳しくは、閉鎖プレート77は、開口プレート13の内面に接して、その接している内面に沿って矢印B1方向およびB2方向に往復移動可能に設けられている。閉鎖プレート77は不図示の付勢手段によって矢印B1方向に付勢されている。閉鎖プレート77に付勢手段以外からの外力が作用していない状態では、付勢手段の付勢力により、閉鎖プレート77の端部に設けられたストッパ部77aが扉枠12に当接し、これによって閉鎖プレート77は第1開口部13aを塞いだ位置に保持される。また、閉鎖プレート77の、ロッド76の前進移動により加圧される加圧面77bは、第1開口部13aを閉鎖する面よりも矢印B1方向側に位置し、かつ矢印B1方向側を向くテーパ状に形成されている。この加圧面77bのテーパ形状に対応して、ロッド76の先端面もテーパ状に形成されている。
扉体11が閉じた状態でハンドル(不図示)を操作し、ロッド76を前進させると、ロッド76の先端部は扉枠12の第3開口部(不図示)を通過し、閉鎖プレート77の加圧面77bを押圧する。加圧面77bはテーパ状に形成されているので、加圧面77bがロッド76によって押圧されることで、閉鎖プレート77には矢印B2方向の運動成分が作用する。その結果、図8Bに示すように、閉鎖プレート77は付勢手段の付勢力に抗して矢印B2方向へ移動し、第1開口部13aを開放する。この際、ロッド76の先端面も閉鎖プレート77の加圧面77bに対応したテーパ形状とされているので、矢印B2方向への閉鎖プレートの移動をスムーズに行わせることができる。それ以降は、前述した実施形態と同様に扉体11の表側と裏側との圧力差が緩和され、強風等により扉体11の片面側に大きな圧力が作用している場合であっても容易に扉体11を開くことができる。
図9Aは、本発明のさらに他の実施形態による扉装置の、要部水平方向断面図である。本形態もスライドする閉鎖プレート78を有しているが、そのスライド方向が図8Aに示したものと異なっている。本形態では、閉鎖プレート78は、扉体11が閉じている状態でのロッド52の移動方向と平行な方向である矢印C1およびC2方向に往復移動可能に設けられている。そして閉鎖プレート78は、不図示の付勢手段によって矢印C1方向に付勢され、この付勢力によって閉鎖プレート78は第1開口部13aを塞いでいる。
扉体11が閉じた状態でハンドル(不図示)を操作し、ロッド52を前進させると、ロッド52の先端部は扉枠12の第3開口部(不図示)を通過し、閉鎖プレート78を押圧する。これによって、図9Bに示すように、閉鎖プレート78は矢印C2方向へ移動し、第1開口部13aを開放する。それ以降は、前述した実施形態と同様に扉体11の表側と裏側との圧力差が緩和され、強風等により扉体11の片面側に大きな圧力が作用している場合であっても容易に扉体11を開くことができる。特に本形態では、閉鎖プレート78の移動方向がロッド52の移動方向と一致しているので、これまで述べてきた形態と比べて、ロッド52の移動力がより有効に閉鎖プレート78に伝達され、閉鎖プレート78を移動させるのに必要な力をより軽減することができる。
上述した各形態では、閉鎖プレートおよび各開口部を戸尻側に設けるとともに、閉鎖プレートを押圧するロッドも扉体の戸尻側端面から突出させるようにした構成を示したが、閉鎖プレートおよび各開口部の位置はこれに限られるものではなく、上枠、下枠および戸先のいずれに設けてもよい。また、これらの組み合わせも任意である。そして、これら閉鎖プレートおよび各開口部の位置に応じて、扉体の適宜位置に少なくとも1つのロッドが配置される。
図10に、その一例として、扉枠の上枠部に閉鎖プレートを設けた場合の、ロッドの近傍での斜視図を示す。また、図11Aおよび図11Bに、図10のA−A線断面図を示す。なお、以下に説明する構成は、上枠部だけでなく下枠部や戸先にも同様に適用することができる。
扉体81は、図10において手前側に向かって開く(開扉方向を矢印で示す)ように、扉枠82にヒンジ連結されている。ロッド85は、ハンドル(不図示)の操作に連動して扉体81の上端面に対して進退移動するように設けられている。ロッド85を上下に移動させる機構は、ハンドルの操作によってロッド85を上方へ移動させることができる任意の機構を用いることができ、例えば、グレモン錠のロック機構を応用することができる。
扉体81が閉じている状態で、扉枠82のロッド85と対向する部位には、第3開口部83cが形成されている。第3開口部83cは、扉枠82の、ロッド85との対向面、および扉体81の開扉方向側の側面に跨って形成されている。扉枠82にはさらに、第1開口部および第2開口部(いずれも不図示)が形成されている。第1開口部は、扉体81の上端面と対向する領域に形成され、第2開口部は、第1開口部とともに、扉枠82内を通って扉体81の表側と裏側とを連通する空気流路を形成する領域に形成されている。閉鎖プレート84は、扉枠82の内部に設けられており、付勢手段(不図示)によって付勢されて、第1開口部および第3開口部83cを扉枠82の内側から塞いでいる。
扉体81が閉じている状態でハンドルを操作すると、図11Bに示すように、ロッド85が上昇し、第3開口部83c内に進入する。進入したロッド85は、付勢手段の付勢力に抗して閉鎖プレート84を持ち上げる。閉鎖プレート84が持ち上げられることによって第1開口部が開放し、第1開口部と第2開口部とが連通するので、扉体81の表側と裏側との間の圧力差が緩和される。その後、扉体81は図11Bに示す白抜き矢印方向に開扉される。この際、第3開口部83cは、開扉方向側の側面の部分がロッド85の逃げとなり、ロッド85が第3開口部83cと干渉することなく扉体81を開くことができる。
また本発明は、玄関扉に限られるものではなく、戸内の部屋間に設置される扉や、窓あるいはベランダ用の扉など、開閉する種々の扉に適用することができる。さらに、扉体の開閉タイプについても、スイング式に限らずスライド式にも適用可能である。
ところで、圧力差緩和機構による、扉体の表側と裏側との圧力差緩和性能は、扉体を閉じた状態で第1開口部を開放したときの、扉枠内での空気の流れ易さが大きく関係する。すなわち、扉枠内での空気の流れが生じ易ければ、より高い圧力差緩和性能が得られる。
例えば、図12に示すような、戸外と接する扉として玄関扉101およびベランダ扉103を有し、また戸内が住戸内扉102で2つの室に仕切られている住戸100のモデルを考える。住戸100内では、住戸100の周りの風の流れに起因する玄関扉101側とベランダ扉103側との圧力差により、空気の流れ(通気)が生じる。
ここで、扉の表側と裏側との圧力差と通気量との関係は、
Figure 2006322264
で表される。ここで、Qは通気量(m3/s)、αは流量係数(通常は0.7)、Aは開口面積(m2)、ρは空気の密度(=1.225N/m3)、Δpは扉の前後の圧力差である。また、流量係数に開口面積を乗じた値αAは実効面積(m2)を意味する。式(1)より、玄関扉101の実効面積(αA)1を増すと、玄関扉101に加わる風圧力は減少するので、玄関扉101に加わる風圧力を減らすためには玄関扉101の実効面積(αA)1を増やすことになる。
このとき、玄関扉101、住戸内扉102、およびベランダ扉103を通る通気量は等しいので、
Figure 2006322264
が成り立つ。式(2)において、Q1は玄関扉101を通過する通気量(m3/s)、Q2は住戸内扉102を通過する通気量(m3/s)、Q3はベランダ扉103を通過する通気量(m3/s)である。
また、各扉の前後の圧力差を足し合わせたものが空気の流れ全体の圧力差、すなわち、玄関扉101の外側の圧力とベランダ扉103の外側の圧力の差に等しくなるので、以下の式(3)が成り立つ。
Figure 2006322264
式(3)において、Δpallは空気の流れ全体の圧力差、Δp1は玄関扉101の前後の圧力差、Δp2は住戸内扉102の前後の圧力差、Δp3はベランダ扉103の前後の圧力差である。
流れ全体の圧力差は、風洞実験による平均風圧係数を用いて以下の式(4)で表すことができる。
Figure 2006322264
ここで、p(a)は、風向aにおける空気の流れ全体の圧力差、Gはガストファクター(=2.0)、Cpa(a)、Cpb(a)はそれぞれ風向aにおける玄関扉101の外部、およびベランダ扉103の外部の平均風圧係数(実験値)、UH(a)は、風向a、軒高での風速の1ヶ月再現期待値である。
式(1)〜式(5)より、玄関扉101、住戸内扉102およびベランダ扉103に作用する風圧力が求まる。また、この風圧力は、各扉の開閉状況に依存する(開閉状態により各扉の実効面積(αA)1、(αA)2、(αA)3が決まる)。算出に用いた各扉の流量係数αおよび開口面積Aを表1に示す。また、予測される各扉の開閉状態4パターンにおける、玄関扉101に作用する風圧力の全体風圧力に対する割合を表2に示す。
Figure 2006322264
Figure 2006322264
玄関扉101の実効面積(αA)1は、玄関扉101と扉枠との隙間の実効面積(αA)1’と、圧力差緩和機構により付加される開口の実効面積(αA)0とを加えたものである。圧力差緩和機構により付加される開口の実効面積(αA)0の値は、圧力差緩和機構の性能目標から決めた。ここで、目標とする圧力差緩和機構の性能は、「玄関扉に加わる圧力を100Pa程度以下に低減できる性能」とした。ちなみに、扉を開けられる重さは、既往の文献によれば、成人男性で約20kgf(玄関扉圧力250Pa)、老年(60〜75歳)女性で約9kgf(玄関扉圧力113Pa)、幼年(5〜6歳)女性で約3kgf(玄関扉圧力36Pa)といわれており、これより、老年女性でも開けられる程度の圧力に低減することを目標としている。
図13に、玄関扉に加わる圧力とその圧力を100Paまで低減するために必要な圧力の低減率の関係を示す(○印の曲線)。この曲線より、例えば、玄関扉に加わる圧力が200Paである場合、圧力を100Paに下げるために必要な荷重の低減率は50%と読み取ることができる。
また、図13には、住戸床面積を約80m2、各扉の開閉状態を、比較的強い風が吹いているときには、外部に接する扉は閉じていると仮定し、表2のケース3の状態とした場合の、圧力差緩和機構により付加される開口の実効面積(総合実効面積)(αA)0と荷重の低減率の関係も合わせてプロットしている(□印の曲線)。この曲線からは、例えば、荷重の低減率を50%とするために必要な圧力差緩和機構の総合実効面積(αA)0は約0.006m2であることがわかる。
つまり、2つの曲線からは「玄関扉に加わる圧力が200Paのとき、目標とする性能を得るためには圧力差緩和機構により約0.006m2の開口の実効面積を付加する必要がある。」ことがわかる。また、玄関扉に加わると想定される圧力が最大で250Paであるとすると、図13から、圧力差緩和機構によって付加する必要がある開口の実効面積は0.008m2以下でよいと考えられる。
なお、圧力差緩和機構により付加される開口の実効面積は、第1開口部および第2開口部だけでなく、扉枠内での空気流路の断面積も考慮する。例えば、第1開口部の実効面積を(αA)a、第1開口部が開放した状態での扉枠内部での扉枠と閉鎖プレートとの隙間の実効面積を(αA)b、第3開口部の実効面積を(αA)cで表すと、圧力差緩和機構により付加される開口の実効面積は、
Figure 2006322264
で表され、このとき(αA)0は「総合実効面積」ともいう。
以上の検討によって求められる値は、住戸床面積,各扉の開閉状態、各扉の隙間の実効面積((αA)1’、(αA)2、(αA)3)の仮定などにより異なる。これらの検討条件の幅を考慮し、また、必要以上の開口部を扉枠に設けることは扉枠の強度低下を招くおそれがあることを考慮すると、圧力差緩和機構によって付加する開口の総合実効面積(αA)0は、0.01m2以下とすることが好ましい。また、開口面積が小さすぎると強風時に必要な性能(玄関扉の荷重の低減)が得られにくくなるため、圧力差緩和機構によって付加する開口の総合実効面積は0.002m2以上であることが好ましい。
本発明の一実施形態による扉装置の正面図である。 図1に示すプッシュプル錠の内部構成を説明する図であり、ラッチボルトがラッチされている状態を示す。 図1に示すプッシュプル状の内部構成を説明する図であり、ラッチボルトのラッチが解除された状態を示す。 図1のA−A線断面図である。 図3に示す圧力差緩和機構の、扉体のロッドケースが取り付けられた部分での縦断面図、および戸尻側端面図である。 図1に示す扉枠の、扉体の戸尻側端面と対向する部分での要部拡大図である。 図3に示す圧力差緩和機構の動作を説明する模式的断面図であり、ハンドルの操作前の状態を示す。 図3に示す圧力差緩和機構の動作を説明する模式的断面図であり、ハンドルの操作後の状態を示す。 本発明の他の実施形態による扉装置の、第1開口部が閉鎖されている状態を示す、扉枠の要部縦断面図である。 図7Aに示す扉装置の、第1開口部が開放した状態を示す、図8Aと同様の断面図である。 本発明のさらに他の実施形態による扉装置の、第1開口部が閉鎖されている状態を示す、要部水平方向断面図である。 図8Aに示す扉装置の、第1開口部が開放した状態を示す、図8Aと同様の断面図である。 本発明のさらに他の実施形態による扉装置の、第1開口部が閉鎖されている状態を示す、要部水平方向断面図である。 図9Aに示す扉装置の、第1開口部が開放した状態を示す、図9Aと同様の断面図である。 扉枠の上枠部に閉鎖プレートおよび各開口部を設けた場合の、扉枠および扉体の要部斜視図である。 ロッドがその移動範囲の下端に位置している状態を示す、図10のA−A線断面図である。 ロッドがその移動範囲の上端に位置している状態を示す、図10のA−A線断面図である。 扉体へ付加する好ましい開口面積を求めるのに用いた住戸モデルを示す図である。 玄関扉に加わる圧力を100Pa程度に低減するのに必要な、玄関扉に加わる圧力と圧力差緩和機構により付加される開口面積との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 扉装置
11 扉体
12 扉枠
13a 第1開口部
13b 第2開口部
18 ヒンジ
20 プッシュプル錠
31 ハンドル
50 圧力差緩和機構
52,76,85 ロッド
57,72,77,78,84 閉鎖プレート

Claims (10)

  1. 中空構造をなす扉枠と、前記扉枠に開閉可能に支持された扉体と、前記扉体に設けられた、前記扉体を開く際に操作される操作部と、前記扉体の表側と裏側との間に生じる圧力差を緩和する圧力差緩和手段と、を有する扉装置において、
    前記圧力差緩和手段は、
    前記操作部の操作に連動して前記扉体の端面から突出するように前記扉体に設けられたロッドと、
    前記扉枠の、前記ロッドが突出する前記扉体の端面と対向する面に形成された第1開口部と、
    前記扉枠の内部から前記第1開口部を塞いだ位置から、前記第1開口部を開放する位置へ移動可能に前記扉枠内に設けられた閉鎖部材と、
    前記第1開口部が開放することによって、前記第1開口部とともに、前記扉枠の内部を通って前記扉体の表側と裏側とを連通する空気流路を形成するように前記扉枠に形成された第2開口部と、を有することを特徴とする扉装置。
  2. 前記扉枠には、突出した前記ロッドが挿通される第3開口部が形成され、前記閉鎖部材は前記第3開口部を塞ぐ部分を有している、請求項1に記載の扉装置。
  3. 前記第1開口部を塞ぐ方向に前記閉鎖部材を付勢する付勢手段をさらに有する、請求項1または2に記載の扉装置。
  4. 前記扉体は前記扉枠にヒンジ連結されており、前記ロッドは前記操作部の操作によって前記扉体の戸尻側端面から突出する、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の扉装置。
  5. 前記第2開口部は、前記扉体よりも開扉方向反対側となる位置に形成されている、請求項4に記載の扉装置。
  6. 前記圧力差緩和機構により付加される開口の総合実効面積は0.002m2以上である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の扉装置。
  7. 前記圧力差緩和機構により付加される開口の総合実効面積は0.01m2以下である、請求項6に記載の扉装置。
  8. 開閉用の操作部、および該操作部の操作に連動して端面から突出するロッドが設けられた扉体を開閉可能に支持する扉枠であって、
    前記ロッドが突出する前記扉体の端面と対向する面に形成された第1開口部と、
    前記扉枠の内部から前記第1開口部を塞いだ位置から、前記第1開口部を開放する位置へ移動可能に前記扉枠内に設けられた閉鎖部材と、
    前記第1開口部が開放することによって、前記第1開放部とともに、前記扉枠の内部を通って前記扉体の表側と裏側とを連通する空気流路を形成するように形成された第2開口部と、を有する扉枠。
  9. 突出した前記ロッドが挿通される第3開口部が形成され、前記閉鎖部材は前記第3開口部を塞ぐ部分を有している、請求項8に記載の扉枠。
  10. 前記第1開口部を塞ぐ方向に前記閉鎖部材を付勢する付勢手段をさらに有する、請求項8または9に記載の扉枠。
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