JP2006321931A - インクジェット記録用水性インク - Google Patents

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Abstract

【課題】 高濃度、高発色のプリントを可能とし、かつインクジェットヘッドに使われている金属部材の腐食を防止でき、インク微小液滴の高い着弾精度を長期に渡って維持できるインクジェット記録用水性インクを提供する。
【解決手段】 インクジェット記録用水性インクが、インク中で塩化物イオンを生成する反応染料、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、水及び水溶性有機溶媒を含む。インク中で塩化物イオンを生成する反応染料としては、トリアジン系染料等を含有する。
【選択図】なし

Description

インクジェット記録方式のプリンタ技術とは、急激に加熱し発生した気泡により微細ノズルからインクを吐出するバブル方式、電圧印加により変形する圧電素子を用いて微細ノズルからインクを吐出するピエゾ方式等により、基本色となる数色のインクを、数pL〜数十pLという微小液滴として選択的に紙面上に着弾させることにより画像を形成する記録技術である。
このインクジェット記録方式の長所は、微小液滴の吐出制御による高印字品質、高印画品質であり、数pLの微小液滴を高精度で紙面上に着弾させることにより、フルカラーに近い色再現を持ち、かつ粒状感のない画像形成が可能となる点である。しかし、そのような微小液滴の着弾精度を長期に渡って維持するためには、様々な技術が要求される。
特に、微細ノズルから高精度にインクを吐出するため、インクの製造時にはインク中のゴミや不純物の除去が必要であり、また製造後においても、長期間に渡ってインク中に析出物等の異物が発生しないことが求められる。そのため、インクジェット記録用水性インクは、製造時には精密濾過によってインク中のゴミや不純物が除去され、インクが使用されるプリンタでは、インクに接する全ての部品が、インクへの溶出物が極力少なくなるような素材から形成され、充分に洗浄を行った上で使用される。
しかしながら、プリンタに搭載されるインクジェットヘッド部材は、一般的に金属から形成されるため、金属の腐食によりインクジェットヘッド自体の不具合や、腐食した金属がインク中に析出することに起因して、インクジェットヘッドのフィルターやノズルに目詰まりが生じる場合がある。特に、インクジェットヘッドが鉄及びニッケルからなる合金部材を有し、インクが水系である場合、インク中に鉄やニッケル等の金属イオンが溶出して不溶性無機塩が生成され、また金属部材自身が劣化することにより、フィルターやノズルに詰まりが発生し、高い着弾精度が得られないという問題が生じる。
鉄及びニッケルからなる合金部材を腐食させる代表的な原因物質としては、インク中に含まれる塩素イオンや塩化物イオン(以下、これらを合わせて塩化物イオンという)が挙げられる。
通常、金属表面はその金属の酸化被膜で覆われており、その酸化被膜が溶出しても周囲に存在する酸素によって新たな酸化被膜が形成され、その反応が平衡状態となっているため、実用上腐食していないように見える。しかし、塩化物イオンが存在すると、塩化物イオンが金属表面に特異吸着し、酸化被膜の再形成を阻害することにより、やがて金属表面の酸化被膜が無くなって、塩化物イオンが特異吸着した部分を起点に急激に金属の腐食が進む。
そこで、インクジェット記録用水性インクには、金属の腐食を防止するために、ベンゾトリアゾール等の防錆剤が添加されることが多い(特許文献1)。
実際、インク中に含まれる着色剤が直接染料、酸性染料又は塩基性染料等の場合には、インク中に塩化物イオンが数百ppm含有されていたとしても、ベンゾトリアゾール等の防錆剤を添加することで金属の腐食を抑えることができる。
しかしながら、直接染料は色調の鮮明なもの及び水溶性が充分なものが少なく、酸性染料は普通紙等への染着性が悪く、塩基性染料は耐光性が悪いものが多いという問題がある。さらに、直接染料、酸性染料及び塩基性染料には、高濃度、高発色のプリントを可能とするものが少ない。
一方、高濃度、高発色のプリントを可能とする染料として反応染料が知られているが、反応染料は、直接染料、酸性染料及び塩基性染料に比して分解し易い。そのため、反応染料が、例えば、クロロトリアジン等のように塩素を含有する場合、長期保存の間に、反応染料の分解によりインク中に塩化物イオンが増加するので、インクジェットヘッドで使用されている金属部材が腐食し易くなり、ベンゾトリアゾール等の防錆剤を添加しても腐食を防止できないという問題がある。
特開2000−327976号公報
本発明は、前述した問題を解決するためになされたものであり、高濃度、高発色のプリントを可能とする反応染料を着色剤として含有し、かつインクジェットヘッドに使用されている金属部材の腐食を防止でき、インク微小液滴の高い着弾精度を長期に渡って維持できるインクジェット記録用水性インクを提供することを目的とする。
本発明者らは、インクジェット記録用水性インクにおいて、高濃度、高発色のプリントを可能とするが、インク中で分解することにより塩化物イオンを生成する反応染料を着色剤として使用した場合に、インクジェットヘッドに使われている金属部材の腐食を防止するためには、このインク中にベンゾトリアゾールとカルボキシベンゾトリアゾールを併用することが有効であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、インク中で塩化物イオンを生成する反応染料、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、水及び水溶性有機溶媒を含むインクジェット記録用水性インクを提供する。
本発明のインクジェット記録用水性インクによれば、高濃度、高発色のプリントを可能とし、かつインクジェットヘッドに使われている金属部材の腐食を防止し、インク微小液滴の高い着弾精度を長期に渡って維持させることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、着色材として、インク中で塩化物イオンを生成する反応染料を含有し、さらに防錆剤としてベンゾトリアゾールとカルボキシベンゾトリアゾールの双方を含有することを特徴としている。
ここで、インク中で塩化物イオンを生成する反応染料としては、塩素原子を含む置換基を有するトリアジン系、スルファトエチルスルホン系、ピリミジン系等の反応染料を挙げることができ、より具体的には、例えば、C.I.リアクティブイエロー2,3,6,12,18,95及び99;C.I.リアクティブオレンジ2,5,9,12,13及び20;C.I.リアクティブレッド3,3:1,4,7,12,13,15,16,24,29,31,32,33,43,45,46,58,59及び226;C.I.リアクティブバイオレット1及び2;C.I.リアクティブブルー2,3,5,7,13,14,15,15:1,25,26,39,40,41,46,49及び176;C.I.リアクティブグリーン5及び8;C.I.リアクティブブラウン1,2,7,8,9,11及び14;C.I.リアクティブブラック1,3,8,10,12及び13等が挙げられる。
反応染料は、それぞれ単独で使用しても、2種類以上を混合して使用してもよい。2種類以上を混合して使用することにより、単独では得られない所望の色を得ることが可能となる。
反応染料の含有量は、プリント物で必要とされる色相や濃度に応じて適宜決定されるが、少なすぎると被記録材上での発色が不充分となり、多すぎるとインクジェットヘッドのノズルに目詰まりが起きやすくなるので、インク全量に対して好ましくは0.1〜20重量%、さらに好ましくは0.3〜15重量%である。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、必要に応じて、着色剤として上述のインク中で塩化物イオンを生成する反応染料以外の反応染料を含有することができる。また、直接染料、酸性染料又は塩基性染料を含有することができ、顔料を含有することもできる。
本発明のインクジェット記録用水性インクが、金属腐食を防止する防錆剤として含有するベンゾトリアゾール及びカルボキシベンゾトリアゾールは、それぞれある程度の防錆作用を有するが、これらの単独使用では、インク中で塩化物イオンを生成する反応染料を含有するインクにおいて充分な防錆効果を得ることはできず、併用により初めて長期に渡る充分な防錆効果を得ることが可能となる。
その理由は、明確に解明されるには至っていないが以下のように考えられる。即ち、ベンゾトリアゾールは不動態被膜の形成を補助する効果があるものの、不動態被膜を過不動態化から守る力が若干弱いため、それ単独では、インク中の塩化物イオン濃度が高い環境下では、形成された不動態被膜を維持できない。一方、カルボキシベンゾトリアゾールは不動態被膜の形成を補助する効果は弱いが、一度形成された不動態被膜を過不動態化から保護する力は強い。そこで、ベンゾトリアゾールとカルボキシベンゾトリアゾールを併用することにより、ベンゾトリアゾールによって緻密な不動態被膜を形成し、その不動態被膜をカルボキシベンゾトリアゾールで過不動態化から保護することが可能となり、金属腐食に対して過酷な環境下においても金属を腐食から保護する優れた防錆効果を得られると考えられる。この併用による防錆効果は、インクジェットヘッドの腐食を充分に防止するものであるため、本発明のインクジェット記録用水性インクにおいては、ベンゾトリアゾール及びカルボキシベンゾトリアゾール以外に防錆剤を添加することは不要である。
ベンゾトリアゾールの含有量は、少なすぎると防錆効果が得られなくなり、多すぎると長期保存した場合に染料の析出原因となり、インクの長期保存安定性が悪化するので、インク全量に対して好ましくは0.05〜0.5重量%、さらに好ましくは0.1〜0.5重量%である。
カルボキシベンゾトリアゾールの含有量は、少なすぎると防錆効果が得られなくなり、多すぎるとインク中に溶解しなくなるので、インク全量に対して好ましくは0.01〜0.04重量%である。
本発明のインクジェット記録用水性インクで使用する水は、一般の水ではなく、イオン交換水、蒸留水、純水及び超純水等の純度の高いものを使用することが好ましい。
本発明のインクジェット記録用水性インクで使用する水溶性有機溶剤は、主としてインクジェットヘッドの先端部での水分蒸発によるインクからの固形分の析出やインクの乾固防止を目的とする湿潤剤として使用される。そこで、揮発性が低い溶剤を選択することが望ましい。湿潤剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール;N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物等を挙げることができる。これらの湿潤剤は単独で使用しても、2種類以上混合して使用してもよい。
湿潤剤の含有量は、インク全量に対して好ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは10〜35重量%である。5重量%未満であると、湿潤作用が不充分となり、インク中の水分が蒸発した場合に固形分の析出や、インクの乾固等の問題が生じる。また、40重量%を超えると、必要以上にインクの粘度が上昇し、吐出不能となったり、被記録材上でのインクの乾燥が極端に遅くなる等の問題を生じるため好ましくない。
本発明のインクジェット記録用水性インクには、必要に応じて浸透性を制御する浸透剤として水溶性有機溶剤を配合してもよい。浸透剤としては、多価アルコールアルキルエーテルを使用することができ、その具体例としては、例えば、プロピレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールイソブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル等が挙げられる。
浸透剤の含有量は、少なすぎると浸透性が不充分であり、多すぎると過剰な浸透性によってフェザリング等のにじみを生じやすくなるので、インク全量に対して好ましくは0.05〜15重量%、さらに好ましくは、0.1〜10重量%である。
また、上述の湿潤剤や浸透剤の他に、インクの被記録材への浸透や乾燥性を制御する目的で、エタノール、イソプロピルアルコール等の一価アルコールを使用することも可能である。
本発明のインクジェット記録用水性インクには、さらに、インクの吐出安定性やインクジェットヘッド内部への導入性、印字品質等を満足させる目的で、表面張力を調整する界面活性剤を用いることが好ましい。界面活性剤としては、例えば、エマール(登録商標)シリーズ,ラテムル(登録商標)シリーズ,ベノール(登録商標),ネオペレックス(登録商標)シリーズ,NSソープ,KSソープ,OSソープ,ペレックス(登録商標)シリーズ(以上、花王(株)製)、リポラン(登録商標)シリーズ,ライポン(登録商標)シリーズ,サンノール(登録商標)シリーズ,リポタック(登録商標)TE,エナジコール(登録商標)シリーズ,リパール(登録商標)シリーズ,ロータット(登録商標)シリーズ(以上、ライオン(株)製)等のアニオン性界面活性剤;エマルゲン(登録商標)シリーズ,レオドール(登録商標)シリーズ,エマゾール(登録商標)シリーズ,エキセル(登録商標)シリーズ,エマノーン(登録商標)シリーズ,アミート(登録商標)シリーズ,アミノーン(登録商標)シリーズ(以上、花王(株)製)、ドバノックス(登録商標)シリーズ,レオコール(登録商標)シリーズ,レオックス(登録商標)シリーズ,ラオール,レオコン(登録商標)シリーズ,ライオノール(登録商標)シリーズ,カデナックス(登録商標)シリーズ,リオノン(登録商標)シリーズ,レオファット(登録商標)シリーズ(以上、ライオン(株)製)等の非イオン性界面活性剤等が例示できるが、特にこれらに限定されるものではない。これらの界面活性剤は単独で使用しても、2種類以上混合して使用してもよい。
界面活性剤の含有量は、少なすぎるとインクジェットヘッド内のインク流路へのぬれ性が著しく低下してインクの初期導入性が悪化することがあり、多すぎるとインクの記録紙等の被記録材への浸透性が大きくなりすぎて印字品質ないし印画品質に悪影響を及ぼしたり、インクがインクジェットヘッドのノズル周辺を極端にぬらしてしまったりする等の不具合が発生し、結果として安定したインクの吐出を阻害するので、インク全量に対して好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは、0.1〜5重量%である。
また、本発明のインクジェット記録用水性インクは、染料の加水分解を抑制する点からpHを5〜7にすることが好ましく、必要に応じて公知のpH調整剤を使用することができる。
この他、染料溶解剤、防腐防カビ剤等を必要に応じて添加することができ、また、熱エネルギーの作用によってインクを吐出させるタイプのインクジェット記録方式に適用する場合には、熱的な物性値(例えば比熱、熱膨張係数、熱電導率等)を調整することができる。
本発明のインクジェット記録用水性インクを使用する装置としては、吐出部へのインク供給経路内にニッケル及び/又はニッケル含有合金からなる金属部材を有するインクジェットヘッドを備えるインクジェット記録装置が挙げられる。このようなインクジェットヘッドとしては、微細ノズルと、その微細ノズルへのインク供給経路とを有し、前記ノズルから微小液滴を吐出することにより記録媒体の表面に画像を形成するものであって、例えば、特開平10−278265号公報に開示されているように、インク供給経路の内面にニッケルからなる電極を配置したもの、特開2002−19102号公報に開示されているように、インク供給経路を内部に有するように積層した複数のプレートを42%ニッケル合金鋼で構成したもの等を挙げることができる。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、ニッケル及び/又はニッケル含有合金からなる金属部材と長期にわたり接触しても金属部材を劣化させることがないため、上述のようにインク供給経路内等のインクと直接接触する部分に、ニッケル及び/又はニッケル含有合金からなる金属部材を用いたインクジェットヘッドを備えるインクジェット記録装置に好適に使用することができる。
本発明を具体化した実施例及び比較例について説明する。
(A)インクの調製
[実施例1]
C.I.リアクティブレッド31:3.0重量%、グリセリン:25.5重量%、ジプロピレングリコールプロピルエーテル:2.0重量%、サンノール(登録商標)DL−1430(アルキルエーテル硫酸エステル塩:界面活性剤)(ライオン(株)製):0.2重量%、PROXEL GXL(S)(防腐防黴剤)(アーチ・ケミカルズ(株)製):0.03重量%、ベンゾトリアゾール:0.5重量%、カルボキシベンゾトリアゾール:0.04重量%、純水:68.73重量%を充分に混合攪拌した後に、孔径1μmのメンブランフィルターで濾過した。
[実施例2〜6]、[比較例1〜8]
表1に示したようにインク組成を変更した以外は、実施例1と同様にしてインクを調製した。また、実施例4,比較例3,6についてはpHを測定した。
(B)金属腐食の評価
各実施例及び比較例で調製したインクについて、金属腐食の評価を次のように行った。
(1)まず、インクの長期的な安定性を確認するため、インクをよく洗浄したガラス瓶に充填して60℃の恒温槽中に2週間放置し、その後、ビーカーにインクを入れて恒温水槽に浸し、恒温水槽の温度を60℃に設定して30〜60分間放置し、ビーカー内のインクの温度を60℃とした。
(2)42%ニッケル合金鋼製の作用極金属片をアルカリ性脱脂剤(エースクリーン850;奥野製薬工業(株)製)に浸漬し、60℃で5分間放置した後、純水で洗浄した。
(3)作用極金属片と対極である白金板を接続し、銀/塩化銀標準電極基準で−600mV〜0mV、0mV〜+400mVの電位範囲における電流密度を測定した。
測定順序は、まず0mV〜+400mVの測定を行い、この電圧範囲で電流密度が200μA/cm2 未満の場合には、作用極金属片には不動態被膜が存在すると考え、さらに−600mV〜0mVの測定を行って不動態被膜の形成能力を調べることとし、0mV〜+400mVで電流密度が200μA/cm2 以上の場合には、−600〜0mVの測定は行わなかった。使用した測定機器は、北斗電工(株)製 電気化学測定システムHZ−3000である。
(4)得られた電流密度を、以下の基準で◎、○及び×の3段階で評価した。結果を表1に示す。
◎:電流密度100μA/cm2 未満
○:電流密度100μA/cm2 以上200μA/cm2 未満
×:電流密度200μA/cm2 以上
なお、0mV〜+400mVで電流密度100μA/cm2 未満の場合には、不動態被膜の形成により作用極金属片にほとんど腐食電流が流れないことから、実使用においてもインクジェットヘッド内の金属部材が酸化により腐食されず、インクジェットヘッドのフィルター及びノズルの目詰まりが発生せず、高い着弾精度を得られる。さらに、−600mV〜0mVで電流密度100μA/cm2 未満の場合には、何らかの理由で不動態被膜が失われても、不動態被膜に充分な形成能力があることを示しており、実使用においてもインク中の塩化物イオンに対して充分な耐性を有する。
また、0mV〜+400mVで電流密度100μA/cm2 以上200μA/cm2 未満の場合には、不動態被膜の形成により、概ね作用極金属片の腐食電流が抑制されたといえるので、実使用においてもインクジェットヘッド内の金属部材の酸化による腐食が抑制され、若干着弾精度が下がるものの、目視上問題のない画像品質を得ることができる。
0mV〜+400mVで電流密度200μA/cm2 以上の場合には、陽極酸化により作用極金属片に腐食電流が流れるため、実使用においてもインクジェットヘッド内の金属材料が腐食してしまい、高い着弾精度が得られない。
Figure 2006321931
表1から、実施例1〜6は、インクにベンゾトリアゾールとカルボキシベンゾトリアゾールを併用しているため、金属腐食評価において良好な結果が得られている。
一方、比較例1〜3及び6は、防錆剤としてベンゾトリアゾールとカルボキシベンゾトリアゾールのいずれか一方を使用しているため、金属腐食評価の結果が不良である。
また、比較例4,5,7及び8は、インク中にベンゾトリアゾールとカルボキシベンゾトリアゾールのいずれか一方と、ベンゾトリアゾールとカルボキシベンゾトリアゾール以外の防錆剤を組み合わせて使用しているが、金属腐食評価の結果が不良である。
以上より、インク中にベンゾトリアゾールとカルボキシベンゾトリアゾールを併用する相互作用によって、顕著な防錆効果が発揮されることがわかる。
さらに、この金属腐食評価の結果を踏まえて、実際にインクジェット記録装置に実施例1〜6及び比較例1〜8のインクを搭載し、室温で1年間放置した後、印字評価を行った。その結果、実施例1〜6のインクを搭載したインクジェット記録装置では、高い着弾精度を維持していることが確認されたが、比較例1〜8のインクを搭載したインクジェット記録装置では、着弾精度が低下したり、不吐出になったりしたノズルが発生し、印字品質が低下した。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、高濃度、高発色のプリントを高い着弾精度で長期に渡って維持させることを可能とするので、インクジェット記録装置で高品位の画像を形成する場合に有用となる。

Claims (7)

  1. インク中で塩化物イオンを生成する反応染料、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、水及び水溶性有機溶媒を含むインクジェット記録用水性インク。
  2. インク中で塩化物イオンを生成する反応染料が、トリアジン系染料である請求項1記載のインクジェット記録用水性インク。
  3. トリアジン系染料が、C.I.リアクティブレッドである請求項2記載のインクジェット記録用水性インク。
  4. トリアジン系染料が、C.I.リアクティブレッド31である請求項3記載のインクジェット記録用水性インク。
  5. ベンゾトリアゾールの含有量が、インクジェット記録用水性インクの全量に対して0.05〜0.5重量%である請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用水性インク。
  6. カルボキシベンゾトリアゾールの含有量が、インクジェット記録用水性インクの全量に対して0.01〜0.04重量%である請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録用水性インク。
  7. ニッケル及び/又はニッケル含有合金からなる金属部材を有するインクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置に使用する請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録用水性インク。


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