JPH07228808A - インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法

Info

Publication number
JPH07228808A
JPH07228808A JP2439694A JP2439694A JPH07228808A JP H07228808 A JPH07228808 A JP H07228808A JP 2439694 A JP2439694 A JP 2439694A JP 2439694 A JP2439694 A JP 2439694A JP H07228808 A JPH07228808 A JP H07228808A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
weight
water
jet recording
acetylene glycol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2439694A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroko Hayashi
広子 林
Kazuhide Kubota
和英 窪田
Etsuko Yoshiike
悦子 吉池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2439694A priority Critical patent/JPH07228808A/ja
Publication of JPH07228808A publication Critical patent/JPH07228808A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 印字品質に優れ、高周波駆動条件下において
も吐出安定性に優れ、また、インクジェット記録用イン
ク及び記録方法を提供する。 【構成】 少なくとも水、水溶性染料と5〜20重量%
の多価アルコールの低級アルキルエーテル、0.1〜3
重量%のアセチレングリコール及び/またはアセチレン
グリコール誘導体を含むインクであって、0.001〜
1.0重量%のベンゾトリアゾールを含むことを特徴と
する。さらに、本インクをインク吸収体に含浸させたイ
ンク容器から供給し、ノズル面に撥水処理を施したノズ
ルオリフィスから吐出させて記録を行うことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラー印字においても高
印字品質を満足し、吐出安定性を改良したインクジェッ
ト記録用インクに関し、さらにインクジェット記録方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録方法に用いる
インクとしては染料を水に溶解させたインクが主流を占
めている。(以下水性インクと称する。)水性インク
は、各種の水溶性染料を水に溶解、必要に応じて各種添
加剤を添加して用いられている。しかし、従来の水性イ
ンクでは印字後の乾燥が遅く、また、普通紙に対する印
字品質も十分満足出来るものでは無かった。特にカラー
画像は一般にイエロー、マゼンタ、シアン及黒の各色か
ら形成されるため、このドットをインクジェット記録方
式で形成しようとするとき、異なる色同士の領域が接す
る部分で混色したり、他の色の領域に流れ出してしま
い、カラー画像の劣化を起こしてしまう。従って鮮明な
カラー画像を得るために、次の様な提案がなされてい
る。例えば、特開昭63−233881号公報にはジエ
チレングリコールモノブチルエーテルまたはトリエチレ
ングリコールモノブチルエーテルまたはこの混合物を1
0重量%以上含み、かつ水を20重量%含むインクを特
定量以下の吐出量で用いることによって乾燥時間が著し
く短くできるため隣接するドット間の混色や、流れ出し
を発生させない高画質のカラー画像を実現できることが
開示されている。また、米国特許第5196056号明
細書にはジエチレングリコールモノブチルエーテル、ト
リエチレングルコールモノブチルエーテル、アセチレン
グリコールのエチレンオキサイド付加化合物を含むこと
で、カラー印字におけるにじみだしを改良できることが
開示されている。
【0003】しかし、これらのインクはヘッドのノズル
面で広がりやすく、濡れ曲がりを発生したり、水を主成
分にしているインクであるため、ノズル面でのインクの
増粘や、乾燥によってインクの吐出安定性が非常に悪い
という欠点を持っていた。さらに、多価アルコールの低
級アルキルエーテルはヘッド、インク容器の材料を溶
解、膨潤したり、添加剤の抽出性(以下侵食性と言う)
が高いため、インクに異物が発生したり、インクの物
性、特に表面張力や濡れ性に大きな影響を及ぼしてお
り、表面張力が低くなりすぎてメニスカスの回復が遅れ
高速応答性を劣化させていた。特にインクをウレタンフ
ォームのような吸収体に含浸させるインク容器でヘッド
に供給し吐出させる場合、吸収体からの溶出物がインク
の特性に大きな影響を与えていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの課題
を解決するもので、その目的とするところは、速乾性に
優れ、高品位なカラー画像を実現しかつ、高速駆動条件
で吐出安定性を満足するインクジェット記録用インクを
提供することに有る。さらにウレタンフォームの様なイ
ンク吸収体にインクを含浸させたインク容器から供給す
るインクジェット記録方法であって、高品位な印字を実
現し、吐出安定性を満足する記録方法を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録用インクは以下の構成を特徴とする。少なくとも水
溶性染料と5〜20重量%の多価アルコールの低級アル
キルエーテルと0.1〜3重量%のアセチレングリコー
ル及び/またはアセチレングリコール誘導体を含むイン
クであって、0.001〜1.0重量%のベンゾトリア
ゾールを含むことを特徴としている。また、このインク
をインク吸収体に含浸させたインク容器より供給し、ノ
ズル面に撥水処理を施したノズルオリフィスから吐出さ
せて記録を行うことを特徴とする記録方法である。
【0006】多価アルコールの低級アルキルエーテルは
速乾性を改良し、にじみや混色の無い高画質の印字品質
を実現する為に添加する。多価アルコールの低級アルキ
ルエーテルの添加量は、5重量%より少ないとカラー画
像におけるにじみ出し、混色を改良出来ず、20重量%
より多いと、粘度が高くなったり、染料の溶解性が小さ
いためインクとしての信頼性が劣化する。また、侵食性
が高くなり異物発生等によって信頼性が満足できない。
従って、好ましい添加量は7〜15重量%で有る。また
好ましいアルキルエーテルとしてはブチルエーテルが好
ましく、更に好ましくはジエチレングリコール、トリエ
チレングリコールのブチルエーテルで有る。
【0007】更にインクにアセチレングリコール及び/
またはアセチレングリコール誘導体を添加することによ
って、紙によって印字品質に差のない高品位なカラー記
録を実現できる。アセチレングリコールは、一般的には
次式に示す構造式で表される物質でn+mが0のもので
あり、誘導体とは、n+mが30以下のエチレンオキサ
イド付加化合物をいう。
【0008】
【化1】
【0009】上記構造を有するアセチレングリコールで
商品化されている物としてはサーフィノール440、サ
ーフィノール465、サーフィノール82、サーフィノ
ールTG(製造元:Air Product and
Chemicals、Inc.、販売元:日信化学工業
株式会社)がある。添加量は0.1重量%より少ないと
にじみ混色の改良が出来無い紙が有り、3重量%より多
いと溶解性が悪く、また粘度が高くなり、インクジェッ
ト記録に不適になる。好ましい添加量は0.5〜2重量
%である。
【0010】上記インクにベンゾトリアゾールを添加す
ることによって高画質を損なうことなく吐出安定性を改
良できる。添加量は0.001重量%より少ないと吐出
安定性を満足できる効果が得られず、1.0重量%より
多いと溶解性が悪くインクとしての保存性に劣る。添加
量として、好ましくは、0.005〜0.5重量%、更
に好ましくは0.01〜0.1重量%で有る。
【0011】本発明のインクををさらに説明する。本発
明に用いられる水溶性染料は直接染料、酸性染料、食用
染料、塩基性染料、反応性染料、分散性染料が挙げられ
る。特に好ましいものは C.I.ダイレクトレッド2、4、9、23、26、3
1、39、62、63、72、75、76、79、8
0、81、83、84、89、92、95、111、1
73、184、207、211、212、214、21
8、221、223、224、225、226、22
7、232、233、240、241、242、24
3、247、 C.I.ダイレクトバイオレット7、9、47、48、
51、66、90、93、94、95、98、100、
101、 C.I.ダイレクトイエロー8、9、11、12、2
7、28、29、33、35、39、41、44、5
0、53、58、59、68、86、87、93、9
5、96、98、100、106、108、109、1
10、130、132、142、144、161、16
3、 C.I.ダイレクトブルー1、10、15、22、2
5、55、67、68、71、76、77、78、8
0、84、86、87、90、98、106、108、
109、151、156、158、159、160、1
68、189、192、193、194、199、20
0、201、202、203、207、211、21
3、214、218、225、229、236、23
7、244、248、249、251、252、26
4、270、280、288、289、291、 C.I.ダイレクトブラック9、17、19、22、3
2、51、56、62、69、77、80、91、9
4、97、108、112、113、114、117、
118、121、122、125、132、146、1
54、166、168、173、199、 C.I.アシッドレッド35、42、52、57、6
2、80、82、111、114、118、119、1
27、128、131、143、151、154、15
8、249、254、257、261、263、26
6、289、299、301、305、336、33
7、361、396、397、 C.I.アシッドバイオレット5、34、43、47、
48、90、103、126、 C.I.アシッドイエロー17、19、23、25、3
9、40、42、44、49、50、61、64、7
6、79、110、127、135、143、151、
159、169、174、190、195、196、1
97、199、218、219、222、227、 C.I.アシッドブルー9、25、40、41、62、
72、76、78、80、82、92、106、11
2、113、120、127:1、129、138、1
43、175、181、205、207、220、22
1、230、232、247、258、260、26
4、271、277、278、279、280、28
8、290、326、 C.I.アシッドブラック7、24、29、48、5
2:1、172、 C.I.リアクティブレッド3、13、17、19、2
1、22、23、24、29、35、37、40、4
1、43、45、49、55、 C.I.リアクティブバイオレット1、3、4、5、
6、7、8、9、16、17、22、23、24、2
6、27、33、34、 C.I.リアクティブイエロー2、3、13、14、1
5、17、18、23、24、25、26、27、2
9、35、37、41、42、 C.I.リアクティブブルー2、3、5、8、10、1
3、14、15、17、18、19、21、25、2
6、27、28、29、38、 C.I.リアクティブブラック4、5、8、14、2
1、23、26、31、32、34、 C.I.ベーシックレッド12、13、14、15、1
8、22、23、24、25、27、29、35、3
6、38、39、45、46、 C.I.ベーシックバイオレット1、2、3、7、1
0、15、16、20、21、25、27、28、3
5、37、39、40、48、 C.I.ベーシックイエロー1、2、4、11、13、
14、15、19、21、23、24、25、28、2
9、32、36、39、40、 C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、22、
26、41、45、46、47、54、57、60、6
2、65、66、69、71、 C.I.ベーシックブラック8、等が挙げられる。これ
らの添加量は染料の種類、溶媒成分の種類、要求特性等
によって決定されるがインク全重量に対し、0.2〜7
重量%、好ましくは0.5〜5重量%の範囲で添加する
のがよい。
【0012】本発明には更に目詰まりを防止するために
湿潤剤を添加する。湿潤剤としては、グリセリン、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリ
コール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、1,3プロパンジオー
ル、1,5ペンタンジオール等の高沸点低揮発性の多価
アルコール類が用いられ、その他N−メチル2−ピロリ
ドン、1,3ジメチルイミダゾリジノン、モノエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン
等の含窒素有機溶剤、尿素、糖等の固体で吸湿性の高い
添加剤等も用いることが出来る。添加量は4〜30重量
%が望ましく、好ましくは7〜20重量%で有る。
【0013】本発明のインクジェット記録用インクの成
分は上記の通りであるがその他従来公知の水溶性有機溶
剤、各種の分散剤、粘度調整剤、蛍光増白剤等を必要に
応じて添加することができる。それらの例を以下に示
す。メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数
1−4のアルキルアルコール等の有機溶剤、セルロース
類、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、水
溶性樹脂等の水溶性の天然あるいは合成高分子物を粘度
調整剤として、更に、緩衝液によるpH調整剤、防カビ
剤等を挙げることができる。
【0014】また、記録液を帯電するタイプのインクジ
ェット記録方法に使用される記録液を調合する為には、
塩化リチウム、塩化アンモニウム、塩化ナトリウムの無
機塩類等の比抵抗調整剤が添加される。
【0015】尚、熱エネルギーの作用によって記録液を
吐出させるタイプのインクジェット記録方法に適応する
場合には、熱的な物性値(蒸発熱、沸点、融点、比熱、
熱膨張係数、熱伝導率等)が調整されることもある。
【0016】本発明のインクジェット記録用インクは、
上記の如き成分を混合し溶解させた後、不純物などを濾
過して得られる。
【0017】またインク物性としてはヘッドからの安定
吐出、ヘッドへの安定インク供給を確保する為に、50
mPa・s以下であることが望ましく、さらに望ましく
は20mPa・s以下が良い。
【0018】本発明のインクはインクをインク吸収体に
含浸させて供給するタイプのインク容器からヘッドに供
給する場合、特に効果がある。このようなインク容器は
インクジェットプリンタの小型化の為にキャリッジに乗
せるタイプのインク容器として既に商品化が進んでい
る。一般的には多孔質のフォームを容器に圧縮して固定
しその中にインクを含浸させ保持させるものである。イ
ンク吸収体に用いるフォームはウレタンフォームが汎用
性の高いものである。ウレタンフォームは、ポリエーテ
ル系ポリオールとポリイソシアネートを触媒、発泡剤、
整泡剤、およびその他の助剤の存在下に反応させて得ら
れるものであり、多くの添加剤、未反応物を含んでい
る。さらにインクとウレタンフォームの接触面積は非常
に大きくインクヘ何らかの溶出が発生し、そのためにイ
ンクの濡れ性、表面張力が変化する。特に、グリコール
エーテルはフォームに対する侵食性も大きく、インク容
器から供給されるインクは泡立ちが大きく、泡消えが遅
くなったり、液性が変化したり、紙や、各種部材に対す
る接触角も変化する。この溶出物の影響は特にノズルの
濡れを不均一にしたり、濡れ曲がりを誘発し、吐出安定
性を劣化させることが確認されているが、本発明のベン
ゾトリアゾール添加インクによって解決できる。
【0019】また、このインクをノズル面に撥水処理を
施したヘッドを用いて記録を行う場合特に、撥水処理効
果を損なうことなく、常に高画質のカラー記録と、連続
吐出安定性を満足できる記録方法を実現することができ
る。即ち、ノズル面に撥水処理を施したヘッドを用いた
とき多価アルコールの低級アルキルエーテル、アセチレ
ングリコール及び/またはアセチレングリコールの誘導
体を含む従来のインクでは撥水性を持続できなかった
が、本インクを使用することによって、撥水処理の本来
の効果を得ることができる。
【0020】撥水処理は、フッ素系高分子をコーティン
グしたり、ニッケル−フッ素系高分子の共析メッキ等に
よって実施できる。
【0021】
【実施例】本発明のインクジェット記録用インク及びイ
ンクジェット記録方法について以下に説明する。
【0022】まず、本発明のインクの実施例を示す。組
成比の数値の単位は、すべてwt%である。
【0023】実施例1 (ブラックインクB) <組成比> ・C.I.タ゛イレクトフ゛ラック 154 5 ・トリエチレンク゛リコールモノフ゛チルエーテル(TEG-mBE) 10 ・シ゛エチレンク゛リコール 8 ・サーフィノール465 0.8 ・Proxel XL-2:防腐剤(ZENECA(株)製) 0.3 ・ヘ゛ンソ゛トリアソ゛ール:腐食防止剤 0.005 (関東化学(株)製) ・超純水 75.895 計 100 (イエローインクY) <組成比> ・C.I.タ゛イレクトイエロー 132 2 ・トリエチレンク゛リコールモノフ゛チルエーテル(TEG-mBE) 10 ・シ゛エチレンク゛リコール 18 ・サーフィノール465 0.8 ・Proxel XL-2:防腐剤(ZENECA(株)製) 0.3 ・ヘ゛ンソ゛トリアソ゛ール:腐食防止剤 0.005 (関東化学(株)製) ・超純水 68.895 計 100 (マゼンタインクM) <組成比> ・C.I.アシット゛レット゛ 289 2 ・トリエチレンク゛リコールモノフ゛チルエーテル(TEG-mBE) 10 ・シ゛エチレンク゛リコール 19 ・サーフィノール465 0.8 ・Proxel XL-2:防腐剤(ZENECA(株)製) 0.3 ・ヘ゛ンソ゛トリアソ゛ール:腐食防止剤 0.005 (関東化学(株)製) ・超純水 67.895 計 100 (シアンインクC) <組成比> ・C.I.タ゛イレクトフ゛ルー 199 3.5 ・トリエチレンク゛リコールモノフ゛チルエーテル(TEG-mBE) 10 ・シ゛エチレンク゛リコール 15 ・サーフィノール465 0.8 ・Proxel XL-2:防腐剤(ZENECA(株)製) 0.3 ・ヘ゛ンソ゛トリアソ゛ール:腐食防止剤 0.005 (関東化学(株)製) ・超純水 70.395 計 100 実施例2〜実施例5 本発明の実施例2〜実施例5のインクの組成を表1に示
す。
【0024】
【表1】
【0025】実施例6〜実施例9 本発明の実施例6〜実施例9のインクの組成を表2に示
す。
【0026】
【表2】
【0027】次に本発明の比較例について説明する。
【0028】比較例1〜比較例3のインク組成を表3に
示す。
【0029】
【表3】
【0030】比較例1は、実施例2の組成でベンゾトリ
アゾールを添加しないインクである。
【0031】比較例2は、実施例3の組成でベンゾトリ
アゾールの添加量が1.5重量%のインクである。
【0032】比較例3は、実施例4の組成でベンゾトリ
アゾールの添加量が0.0005重量%のインクであ
る。
【0033】上記インクの各成分を混合して60℃で2
時間攪拌した後、0.8μm径のメンブランフィルタを
用い、2kg/cm2 の圧力で加圧濾過し、インクを得
た。
【0034】次に本発明の記録方法に用いるヘッド及び
インク容器について説明する。本発明に用いるヘッドの
ノズルプレートはSUSの80μmにノズル穴を設け、
さらにニッケル−ポリテトラフルオロエチレンの共析メ
ッキを施したノズルプレートである。
【0035】さらにヘッドにインクを供給するインク容
器は、ポリエーテル系のポリオールとイソシアネートを
反応させてえられるウレタンフォームを1.6倍の圧縮
率でポリスチレンで形成する容器に圧入し、インクを充
填、含浸させてたものである。
【0036】インクジェット記録は吐出ノズル径30μ
m、圧電素子駆動電圧20V、駆動周波数5.5kH
z、解像度360ドット/インチ、インク吐出量0.0
5μgに調整した試作48ノズルインクジェット評価機
を用いて、PPC用紙(ゼロックス社登録商標PPC用
紙、リコー社登録商標RICOPY6200)、再生紙
(本州製紙登録商標やまゆり)、ボンド紙(ミード社登
録商標ギルバートボンド25%コットン紙)、上質紙
(王子製紙登録商標OK上質紙L)に1ライン塗りつぶ
し(以下ベタ印字と称する)、アルファベット文字等を
印字した。
【0037】評価項目 A.混色印字評価 任意のインクを用いたベタ印字に続けてそのすぐ下に接
するように他のインクを用いたベタ印字をした際の隣接
した境界部を目視により観察する。
【0038】評価結果は、次のように分類した。
【0039】・印字品質に紙による差はほとんど無く、
混色にじみ、ひげが観察されない ・・・◎ ・印字品質に紙による差が多少見られるが、混色にじ
み、ひげは気にならない ・・・○ ・印字品質に紙による差があり、紙によっては、混色に
じみ、ひげが観察される ・・・△ ・印字品質に紙による差が有り、どの紙においても混色
にじみ、ひげが観察される・・・× B.吐出安定性評価 B1.連続吐出安定性評価 常温での連続印字中のドット抜けおよびインクの飛び散
りの有無を観察し、10回以上発生するまでの時間を調
査する。
【0040】評価結果は、次のように分類した。
【0041】・48時間以上ドット抜けまたはインクの
飛び散りが10回発生しない ・・・◎ ・24〜48時間の内にドット抜けまたはインクの飛び
散りが10回発生する ・・・○ ・1〜24時間の内にドット抜けまたはインクの飛び散
りが10回発生する ・・・△ ・1時間以内にドット抜けまたはインクの飛び散りが1
0回以上発生する ・・・× B2.高速応答性評価 駆動周波数を10kHzとし、C1と同様の評価を行
う。
【0042】評価結果の分類は、C1に準じる。
【0043】B3.間欠印字吐出安定性評価 1ライン印字を行った後、一定時間印字を休止し、次の
1ドット目がドット抜けまたは飛行曲がりを起こすまで
の時間を測定する。
【0044】評価結果は、次のように分類した。
【0045】・30秒以上ドット抜けまたは飛行曲がり
が観察されない ・・・◎ ・20〜30秒の内にドット抜けまたは飛行曲がりが観
察される ・・・○ ・5〜20秒の内にドット抜けまたは飛行曲がりが観察
される ・・・△ ・5秒未満にドット抜けまたは飛行曲がりが観察される
・・・× C.撥水処理の持続性評価 ニッケル−ポリテトラフルオロエチレンの共析メッキを
施したノズルプレートを、インクに40℃で15日間ど
ぶ漬けする。共析メッキ面の浸漬前後の接触角を測定す
る。接触角の測定は静的接触角形CA−D(協和界面科
学(株))を用いて30秒後の値をデータとし、放置前
の値から放置後の値を差引した。
【0046】評価結果は次のように分類した。
【0047】 ・放置前後の接触角の差が5度以内 ・・・◎ ・放置前後の接触角の差が10度以内 ・・・○ ・放置前後の接触角の差が10度を越える・・・× D.インクの保存安定性 インクをガラス容器にいれ、密閉し、60℃及び、−3
0℃の環境に7日間放置し放置前後の物性、及び異物の
発生を確認した。
【0048】評価結果は次のように分類した。
【0049】・放置前後で物性の変化、及び、異物の発
生が無い。 ・・・○ ・放置前後で物性の変化、または異物の発生がある。
・・・× 各インクの評価結果を表4に示す。
【0050】
【表4】
【0051】各評価項目の評価結果によれば、実施例1
〜実施例9のインク組成物は印字品質、吐出安定性およ
び撥水処理の持続性、インクの保存安定性に優れてい
た。
【0052】比較例1〜比較例3についても実施例と同
様にA〜Dの評価を行ったところ、印字品質、吐出安定
性、撥水処理持続性、インク保存安定性のいずれかにお
いて十分な結果が得られなかった。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインク組
成物によれば、インクジェット記録方法に用いるインク
として、印字品質、吐出安定性および撥水処理の持続
性、インクの保存性に優れた効果を有する。また、本発
明のインクをウレタンフォームに含浸させたインク容器
から撥水処理を施したヘッドに供給しても、ノズルの撥
水性を損なうこと無く、常に飛行曲がりの無い吐出安定
性に優れた印字を実現することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも水溶性染料と5〜20重量%
    の多価アルコールの低級アルキルエーテル、0.1〜3
    重量アセチレングリコール及/またはアセチレングリコ
    ール誘導体を含むインクであって、0.001〜1.0
    重量%のベンゾトリアゾールを含むことを特徴とするイ
    ンクジェット記録用インク。
  2. 【請求項2】 多価アルコールの低級アルキルエーテル
    がブチルエーテルであることを特徴とする請求項1記載
    のインクジェット記録用インク。
  3. 【請求項3】 ベンゾトリアゾールの添加量が0.00
    5〜0.5重量%で有ることを特徴とする請求項1記載
    のインクジェット記録用インク。
  4. 【請求項4】 少なくとも水溶性染料、5〜20重量%
    の多価アルコールの低級アルキルエーテル、0.1〜3
    重量アセチレングリコール及/またはアセチレングリコ
    ール誘導体、0.001〜1.0重量%のベンゾトリア
    ゾールを含む記録用インクをインク吸収体に含浸させた
    インク容器から供給し、ノズル面に撥水処理を施したノ
    ズルオリフィスから吐出させて記録を行うことを特徴と
    するインクジェット記録方法。
  5. 【請求項5】 撥水処理がニッケル-フッ素系高分子の
    共析メッキであることを特徴とする請求項4記載のイン
    クジェット記録方法。
  6. 【請求項6】 前記インク吸収体がウレタンフォームで
    あることを特徴とする請求項4記載のインクジェット記
    録方法。
JP2439694A 1994-02-22 1994-02-22 インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法 Pending JPH07228808A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2439694A JPH07228808A (ja) 1994-02-22 1994-02-22 インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2439694A JPH07228808A (ja) 1994-02-22 1994-02-22 インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07228808A true JPH07228808A (ja) 1995-08-29

Family

ID=12137008

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2439694A Pending JPH07228808A (ja) 1994-02-22 1994-02-22 インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07228808A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10195357A (ja) * 1997-01-14 1998-07-28 Seiko Epson Corp 記録用インク及びそれを用いたインクジェットプリンタ
JPH11116863A (ja) * 1997-10-16 1999-04-27 Seiko Epson Corp インクジェット記録用インク
JP2000044851A (ja) * 1998-07-27 2000-02-15 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インク組成物
JP2000290558A (ja) * 1999-04-08 2000-10-17 Seiko Epson Corp インクジェット捺染用インク組成物及びインクジェット捺染方法並びに布帛
WO2001062861A1 (fr) * 2000-02-24 2001-08-30 Fujitsu Limited Encre et cartouche pour impression jet d'encre
JP2004131740A (ja) * 2000-05-22 2004-04-30 Seiko Epson Corp 水系記録インク
JP2006037020A (ja) * 2004-07-29 2006-02-09 Hitachi Maxell Ltd インクジェットプリンター用油性顔料インク組成物
JP2007070568A (ja) * 2005-09-09 2007-03-22 Dainippon Ink & Chem Inc 水性顔料分散体及びインクジェット記録用水性インク
JP2007107009A (ja) * 2006-11-16 2007-04-26 Hitachi Maxell Ltd インクジェットプリンター用油性顔料インク組成物
JP2007204759A (ja) * 2007-03-06 2007-08-16 Seiko Epson Corp 記録用インク及びそれを用いたインクジェットプリンタ
WO2009066577A1 (ja) 2007-11-20 2009-05-28 Dic Corporation 水性顔料分散体、及びインクジェット記録用水性顔料インク
EP2845734A2 (en) 2013-09-06 2015-03-11 Canon Finetech Inc. Recording head for ink jet recording, ink jet recording apparatus, and ink jet recording method

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10195357A (ja) * 1997-01-14 1998-07-28 Seiko Epson Corp 記録用インク及びそれを用いたインクジェットプリンタ
JPH11116863A (ja) * 1997-10-16 1999-04-27 Seiko Epson Corp インクジェット記録用インク
JP2000044851A (ja) * 1998-07-27 2000-02-15 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インク組成物
JP2000290558A (ja) * 1999-04-08 2000-10-17 Seiko Epson Corp インクジェット捺染用インク組成物及びインクジェット捺染方法並びに布帛
WO2001062861A1 (fr) * 2000-02-24 2001-08-30 Fujitsu Limited Encre et cartouche pour impression jet d'encre
JP2004131740A (ja) * 2000-05-22 2004-04-30 Seiko Epson Corp 水系記録インク
JP2006037020A (ja) * 2004-07-29 2006-02-09 Hitachi Maxell Ltd インクジェットプリンター用油性顔料インク組成物
JP2007070568A (ja) * 2005-09-09 2007-03-22 Dainippon Ink & Chem Inc 水性顔料分散体及びインクジェット記録用水性インク
JP2007107009A (ja) * 2006-11-16 2007-04-26 Hitachi Maxell Ltd インクジェットプリンター用油性顔料インク組成物
JP2007204759A (ja) * 2007-03-06 2007-08-16 Seiko Epson Corp 記録用インク及びそれを用いたインクジェットプリンタ
WO2009066577A1 (ja) 2007-11-20 2009-05-28 Dic Corporation 水性顔料分散体、及びインクジェット記録用水性顔料インク
EP2845734A2 (en) 2013-09-06 2015-03-11 Canon Finetech Inc. Recording head for ink jet recording, ink jet recording apparatus, and ink jet recording method
US9434160B2 (en) 2013-09-06 2016-09-06 Canon Finetech, Inc. Recording head for ink jet recording, ink jet recording apparatus, and ink jet recording method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3005059B2 (ja) インク、これを用いたインクジェット記録方法及び機器
JP3454024B2 (ja) インクジェット記録用インク組成物及び記録方法
KR100500089B1 (ko) 잉크젯인쇄용내광성잉크
US5296022A (en) Ink-jet recording method and apparatus employing ink containing halogenated alkanol with 2 to 4 carbon atoms
JP3060319B2 (ja) インク、インクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置
JPH08325493A (ja) インクジェット記録用イエローインク及び画像記録方法
JPH0841392A (ja) インクジェット印刷用のインク組成物
JPH07138511A (ja) インクジェット記録用インク
JPH07228808A (ja) インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法
JP3487010B2 (ja) インクジェット用インク
JPH07188595A (ja) インクジェット用導電性インク
JPH09279071A (ja) インクジェット記録用インク
JP4406093B2 (ja) インクジェット記録用インクおよび記録方法
JP3261734B2 (ja) 記録液
JP3156355B2 (ja) 記録液
JP3039877B2 (ja) インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器
JP3009064B2 (ja) インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器
JP2980995B2 (ja) インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器
JPH1036733A (ja) インクジェット記録用インクおよび記録方法
JP3305804B2 (ja) インクジェット記録用インク
JP3055810B2 (ja) インク、インクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置
JP3060321B2 (ja) インク、これを用いたインクジェット記録方法及び機器
JP2948308B2 (ja) インク、インクジェット記録方法、記録ユニット、インクジェット記録装置及びインクカートリッジ
JP3008215B2 (ja) インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器
JP3060320B2 (ja) インク、これを用いたインクジェット記録方法及び機器