JP2006321281A - エアバッグ装置 - Google Patents

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JP2006321281A JP2005144188A JP2005144188A JP2006321281A JP 2006321281 A JP2006321281 A JP 2006321281A JP 2005144188 A JP2005144188 A JP 2005144188A JP 2005144188 A JP2005144188 A JP 2005144188A JP 2006321281 A JP2006321281 A JP 2006321281A
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幸広 内藤
Tadao Shikanuma
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Abstract

【課題】エアバッグ21が日光に曝されることを防ぎ、かつ、エアバッグ21にオイルや薬品が付着することを防ぎ、エアバッグ21の特性を長期にわたり確保する。
【解決手段】被覆体27で覆ったエアバッグ21の各取付片48の部分をケース25のケース本体部54の内側に挿入し、各取付片48の取付孔49をケース本体部54のケース側取付孔58と位置合わせした状態で、各取付片48及びケース側取付孔58にリベット59を挿入し、かしめ固定する。次に、エアバッグ21をケース本体部54の内側に挿入し、蓋部55を閉じることにより、エアバッグモジュールが構成される。そして、このエアバッグモジュールを、ボルトなどを用いて車体1のカウル部7に固定し、カウルトップカバー8で覆うとともに、インフレータ22と制御装置をハーネスで電気的に接続することにより、車体1に歩行者保護装置10が取り付けられる。
【選択図】図7

Description

本発明は、例えば、歩行者と車両との衝突時に歩行者を保護する歩行者保護用エアバッグ装置など、車両の車室外に配置されるエアバッグ装置に関する。
今日、車両の乗員保護用安全装置としてエアバッグ装置が普及し、このエアバッグ装置は、運転席用、助手席用、側突保護用、後部座席用など、多くの部位に装着されて、乗員に対する保護機能が高められている。一方、近年、乗員の保護とともに、車両と衝突する歩行者についても保護が求められ、特に、歩行者は自らの周囲に保護体を有しないため、車両の側からの保護が求められている。
この点、車両と歩行者との衝突が避けられない場合に、歩行者への衝撃の緩和を図るいわゆる歩行者保護エアバッグを備えた歩行者保護装置が提案されている。この歩行者保護装置は、車体前部のフードの後端部を上昇可能に支持するとともに、このフードの後端下方に袋状のエアバッグを折り畳んで収納している。そして、この歩行者保護装置は、車両と歩行者との衝突を検出した際に、ガスを供給してエアバッグを展開させ、このエアバッグでフードの後端部を持ち上げて、はね上げられた歩行者がフードにいわゆる二次衝突した際のフードが変形する空間を確保して衝撃吸収特性を向上するとともに、このエアバッグでフロントガラスの両側のピラー部を覆い、歩行者の頭部などがピラー部に衝突する際の衝撃の緩和を図っている。
しかしながら、このようなエアバッグ装置は、これまでの乗員保護装置とは異なり、車室外に配置されるため、多様な外的環境因子の影響を受けやすく、長期にわたって初期の性能を維持することが求められる。すなわち、車室外においては、雨水や水蒸気、日光の照射、高温、低温などの温度変化などに加え、ガソリン、軽油、灯油、エンジンオイル、ブレーキオイル、トルクコンバータオイルなどの各種オイル、ウォッシャ液、洗剤、不凍液、バッテリー液(硫酸)、雪道の滑り止め剤(塩化カルシウム)などの化学物質の付着などの影響が考えられる。
この点、着席した乗員を保護するエアバッグ装置について、ガス発生器及びこのガス発生器から噴出されるガスが流入するエアバッグ本体を備えるエアバッグ装置を、熱収縮フィルムにより被覆した構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。そして、この構成では、熱収縮フィルムでエアバッグ装置を被覆することにより、エアバッグの折畳形状を保持するとともに、フレームなどの錆や油の付着、また、フレームのプレスや溶接などのバリによるエアバッグの損傷の防止が図られている。しかしながら、この特許文献1記載のエアバッグ装置は、車両の車室内に配置されるものであるため、例えば、熱収縮フィルムに設けられた複数のボルト穴から侵入する化学物質や、日光、温度などの影響は考慮されていない。
また、フードの下面側に配置される歩行者保護用のエアバッグ装置について、フードの下方から放射される熱から保護するために、エンジンの冷却用の通風路とは別に、エアバッグ装置の冷却用の通風路を備える構成が知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、実際の車両については、エアバッグ装置の冷却用の通風路のための専用の空間を確保することは容易ではなく、また、この構成では、上記の化学物質や日光、温度などの影響は考慮されていない。
特開平10−181493号公報 (第1−3頁、図1) 特開平8−258669号公報 (第1頁、図1)
上記のように、車室外に配置されるエアバッグ装置について、化学物質の付着や日光、温度などの影響を抑制し、エアバッグ装置の特性を所定の期間にわたって確保できる構成が求められている。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、化学物質の付着や日光、温度などの影響を抑制し、性能を所定の期間にわたって確保できるエアバッグ装置を提供することを目的とする。
請求項1記載のエアバッグ装置は、移動体の室外に折り畳んで配置されガスが供給されて展開するエアバッグを備えるエアバッグ装置であって、前記エアバッグを被覆する被覆体を備え、この被覆体は、光及び液体を遮蔽する遮蔽層と、この遮蔽層を支持する支持層とを積層したものである。
そして、この構成では、遮蔽層により、日光などの光や化学物質などにエアバッグが直接さらされるあるいは付着することが防止されるため、エアバッグの特性が所定の期間にわたり容易に確保される。遮蔽層を支持層で支持する積層構造とすることにより、遮蔽層の材質の選択の自由度が向上する。
請求項2記載のエアバッグ装置は、請求項1記載のエアバッグ装置において、遮蔽層は、金属箔であるものである。
そして、この構成では、金属箔を用いることにより、光や熱を反射するとともに液体及び気体の侵入や浸透を防止する遮蔽層が容易に構成される。
請求項3記載のエアバッグ装置は、請求項1または2記載のエアバッグ装置において、支持層は、エラストマー、布帛、紙のうちの少なくとも1種を用いたシート材であるものである。
そして、この構成では、遮蔽層を確実に支持するとともに折り畳んだエアバッグを形状に応じて被覆できる柔軟な支持層が容易に構成される。
請求項4記載のエアバッグ装置は、請求項1ないし3いずれか一記載のエアバッグ装置において、被覆体は、エアバッグを液密かつ気密に密閉するものである。
そして、この構成では、化学物質などがエアバッグに直接付着することが確実に防止されるため、エアバッグの特性が所定の期間にわたり確実に確保される。
請求項5記載のエアバッグ装置は、請求項1ないし4いずれか一記載のエアバッグ装置において、エアバッグは、被取付部材に取り付けられる取付片を備え、被覆体は、前記取付片を一体的に密着して覆うものである。
そして、この構成では、外部から液体などが侵入しやすい取付片の部分について、被覆体が一体的に密着して覆うことにより、密閉を確実にして、エアバッグの特性が所定の期間にわたり確実に確保される。
請求項6記載のエアバッグ装置は、請求項1ないし5いずれか一記載のエアバッグ装置において、移動体は、前部に設けられた変形可能なフードを備えた車両であり、エアバッグは、前記フードの後側下部に配置され、ガスが供給されて展開し、前記フードを押圧して上方に移動させるとともに、前記車両の少なくとも一部を覆い、前記エアバッグにガスを供給するインフレータと、非乗員との衝突を検出して前記インフレータを作動させる制御手段とを具備したものである。
そして、この構成では、制御手段が非乗員と車両との衝突を検出すると、すなわち、車両に非乗員が実際に衝突した衝撃を検出しあるいは車両と非乗員との不可避の衝突を予測すると、インフレータからエアバッグにガスが供給される。すると、このエアバッグが展開し、フードを押圧して上方に移動させ、車両の前部に衝突しはね上げられた非乗員がさらにフードに衝突した際にフードの変形に要する空間が確保され、衝撃吸収特性が向上する。展開したエアバッグは、車両の少なくとも一部を覆い、非乗員が車両に衝突する際の衝撃が緩和される。
本発明のエアバッグ装置によれば、遮蔽層により、日光などの光や化学物質などにエアバッグが直接さらされるあるいは付着することを防止し、エアバッグの特性を所定の期間にわたり容易に確保できる。遮蔽層を支持層で支持する積層構造とすることにより、遮蔽層の材質の選択の自由度を向上できる。
以下、本発明のエアバッグ装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図2及び図3において、1は移動体としての車両である自動車の車体で、この車体1には、前部のエンジンルーム2を覆うフード3と、エンジンルーム2の後方に位置する車室4を覆うウインドシールドとしてのフロントガラス5と、これらエンジンルーム2と車室4との間のカウル部7を覆うカウルトップカバー8となどが取り付けられているとともに、フード3の後端下方などに位置して、エアバッグ装置としての非乗員保護装置である歩行者保護装置10が備えられている。なお、以下、前方(矢印F方向)、上方(矢印U方向)、及び車幅方向である両側方向(矢印W方向)などの方向は、車体1の直進方向を基準として説明する。
そして、フード3は、ボンネットフードあるいはフロントフードなどとも呼ばれるもので、車体1の前部に設けられ、1枚あるいは複数枚の金属板などから形成されているとともに、いわゆる歩行者傷害軽減ボディを構成し、歩行者が衝突した際に、容易に変形して衝撃を吸収するようになっている。また、このフード3は、前端部近傍に設けたロック機構と後端部近傍の両側部に設けたヒンジ機構とにより車体1の他の部分に連結されている。そして、ロック機構は、フード3と下方の車体1側とを係脱可能かつ回動可能に係合保持するようになっている。また、ヒンジ機構は、フード3の後端部近傍の両側部に設けられ、回動可能かつ上方に伸長可能に構成されている。そこで、通常のフード3の開閉時には、ロック機構のロックを解除することにより、ヒンジ機構が支点すなわち回転軸となって開閉可能となり、フード3の前端部が上方に回動して、エンジンルーム2の点検などが可能となる。一方、歩行者保護装置10が作動してフード3の後端部に上方に向かう力が加わった際は、ロック機構によりフード3の前側部は回動が許容されるとともに、各ヒンジ機構によりフード3の後側部は所定の寸法、例えば5cm程度上方への移動が許容されるようになっている。
また、フロントガラス5は、両側部がピラー部としてのAピラー14により支持されているとともに、前端部近傍の下面が、シール部15を介して車体1を構成するカウルトップパネル16により支持されている。
さらに、カウル部7は、エアボックスなどとも呼ばれるもので、カウルトップパネル16とこのカウルトップパネル16の前方に位置する車体パネル17との間に上側を開口した樋状に設けられ、この開口を覆ってカウルトップカバー8が取り付けられている。そして、このカウル部7に、ワイパーを駆動するモータなどが配置されているとともに、空調装置の空気取入部などが接続されている。
そして、歩行者保護装置10は、いわゆる歩行者保護エアバッグ装置であり、車体1の前側であるフード3の後端部の下方のカウル部7に折り畳んで収納した袋状のエアバッグ21を備えている。そして、このエアバッグ21にガスを供給して展開させることにより、フード3の後端部を持ち上げてフード3の下方に変形領域を確保し、フード3の衝撃吸収特性を向上するとともに、展開したエアバッグ21でカウル部7の上面とAピラー14の前面の少なくとも一部を覆うようになっている。そして、この歩行者保護装置10は、エアバッグ21と、このエアバッグ21にガスを供給するインフレータ22と、これらエアバッグ21及びインフレータ22を固定する図示しないリテーナと、これら部材を収納する被取付部材としてのケース25と、図示しない制御装置とに加え、折り畳んだ状態でエアバッグ21を覆う被覆体27を備えている。
そして、エアバッグ21は、図4に示すように、2枚の基布30,31の外周部同士を外周縫合線32で縫い合わせて外殻とした袋状に形成され、全体として、両側方向に延びる基部33と、この基部33の両側方向の端部から突設された突設部34とで略U字状をなしている。さらに、この外殻の内側には、必要に応じて、基部33の長手方向に沿って、基布にて形成された隔壁部が外殻を構成する各基布に内側縫合線で縫い合わされている。また、この隔壁部の両端部近傍には、円孔状などをなす通気部である連通部が形成されている。そして、この隔壁部により、エアバッグ21の内側の、本実施の形態では基部33が、連通部を除いて、第1の気室と、第2の気室とに略気密に区画されている。そして、第1の気室は、展開時に少なくとも一部がフード3の下側に位置する前側の気室であり、図2に示すように、フード3を押し上げるフード押動部43と、このフード押動部43の後側に連通するカウル被覆部とを備え、この第1の気室には、インフレータ22とリテーナとが両側に対をなして収納されている。そして、第2の気室は、第1の気室の後側に位置する後側の気室であり、各突設部34で構成されるピラー被覆部46と、基部の上側部であるカウル被覆部とで構成されている。また、図示しないが、これらの基布には、必要に応じて、防炎布などとも呼ばれる補強布が重ねて縫い合わされている。
さらに、エアバッグ21には、基部33の複数位置から、突設部34の反対側に突設して、複数の取付片48が突設されている。各取付片48は、例えば、四角形状に突設した2枚の基布30,31を重ねて縫い合わせて形成され、各取付片48には、円孔状の取付孔49が形成されている。
また、各インフレータ22は、ガス発生器であり、略円柱状の本体部を備えるとともに、この本体部の一端側にガス噴射部が設けられている。そして、このインフレータ22は、図示しないコネクタに点火信号が供給されることにより、内部に充填した推進薬を反応させ、あるいは、内部のボンベに貯留したガスを開放などして、ガス噴射部の周面に設けた複数の孔部からガスを噴射する。例えば、2本のインフレータ22は、ガス噴射部が互いに反対側を向くように配置されている。
また、リテーナは、金属板を折曲などして形成したリテーナ本体部と、このリテーナ本体部に固定されたボルトとを備えたインフレータ固定具である。そして、リテーナ本体部は、インフレータ22を固定するとともに、ガス噴射部から噴射されたガスを案内するようになっている。また、ボルトには、ナットが螺合するようになっている。
さらに、ケース25は、カウルトップカバー8の下側に配置され、上側を開口部53とした溝状をなす収納部としてのケース本体部54と、このケース本体部54の上側の開口部53を覆う蓋部55とを備えている。そして、本実施の形態では、ケース本体部54は、カウルトップカバー8と別体に形成され、カウルトップカバー8の下面に取り付けられている。一方、蓋部55は、リッドとも呼ばれるもので、一辺がヒンジ部56としてケース本体部54に屈曲自在に連結されているとともに、他の3辺はゴムブッシュによりケース本体部54に密着し、この蓋部55により開口部53を略気密に閉鎖可能に形成されている。また、ケース本体部54の長手方向に沿った一側面には、取付受け部であるケース側取付孔58が形成され、それぞれリベット59を挿入可能となっている。
また、各インフレータ22のコネクタには、ハーネスを介して、図示しない制御装置に接続されている。この制御装置は、CPUなどを備えるとともに、検出手段である複数のセンサを備え、歩行者などの非乗員と車体1との衝突を検出し、すなわち、実際の衝突の衝撃を検出し、あるいは、不可避の衝突を判別して、各インフレータ22を作動させる。
また、被覆体27は、光及び液体を遮蔽する遮蔽層とこの遮蔽層を支持する柔軟な支持層とを積層したシートからなり、折り畳んだエアバッグ21を液密及び略気密に密閉して外部から遮断するもので、エアバッグ21が直接に日光にさらされないように遮光し、また、雨水や水蒸気の他、ガソリン、軽油、灯油、エンジンオイル、ブレーキオイル、トルクコンバータオイルなどの各種オイル、ウォッシャ液、洗剤、不凍液、バッテリー液(硫酸)、雪道の滑り止め剤(塩化カルシウム)などの化学物質が付着せず、さらに、高温、低温などの温度変化が抑制されて、エアバッグ21を構成する基布の劣化が抑制され、保護されるようになっている。また、この被覆体27は、例えば支持層の少なくとも一部に易開裂手段が設けられ、エアバッグ21の展開時には破断してエアバッグ21を円滑に展開させるようになっている。そして、この実施の形態では、被覆体27は、遮光性を有するアルミニウムなどの金属箔からなる遮蔽層と、ポリプロピレン(PP)製の支持層とを積層したシートとして構成され、このシートをエアバッグ21に被せ、周囲を接着あるいは熱溶着、いわゆるヒートシールして形成されている。また、この被覆体27は、エアバッグ21の折り畳んだ形状を保持する機能と、包装材として機能をも有するラッピング材ともなっている。
次に、この歩行者保護装置10の組立工程を説明する。
まず、図4に示すように、インフレータ22とリテーナとを組み合わせた組立体をエアバッグ21の内側に配置した状態から、エアバッグ21を細長い所定の形状に折り畳む。このとき、図1に示すように、各取付片48は、下方に並んだ状態になる。次いで、折り畳んだエアバッグ21に、このエアバッグ21より長手寸法の大きい矩形状のシート状の被覆体27を上側から被せ、図5及び図6に示すように、両端部及び下側の3辺を液密及び気密に熱溶着する。この状態で、エアバッグ21の長手寸法よりも、被覆体27の長手寸法が大きいため、長手方向の両端部は被覆体27同士が密着して確実に密閉される。また、長手方向に沿った取付片48側である下側については、各取付片48の全体が被覆体27に覆われ、すなわち、各取付片48の周囲で被覆体27同士が密着して確実に密閉される。加えて、各取付片48の取付孔49の部分についても、被覆体27に覆われ、すなわち、取付孔49の内側で被覆体27同士が密着し、基布が露出しないようになっている。
次いで、図5及び図6に示すように、被覆体27で覆ったエアバッグ21の各取付片48の部分をケース25のケース本体部54の内側に挿入し、各取付片48の取付孔49をケース本体部54のケース側取付孔58と位置合わせした状態で、各取付片48及びケース側取付孔58にリベット59を挿入し、かしめ固定する。この状態で、図7に示すように、エアバッグ21をケース本体部54の内側に挿入し、蓋部55を閉じることにより、エアバッグモジュールが構成される。そして、このエアバッグモジュールを、ボルトなどを用いて車体1のカウル部7に固定し、カウルトップカバー8で覆うとともに、インフレータ22と制御装置をハーネスで電気的に接続することにより、車体1に歩行者保護装置10が取り付けられる。
次に、この歩行者保護装置10の動作を説明する。
まず、折り畳んだエアバッグ21をケース25に収納した状態で、制御装置が車体1の前部と歩行者との衝突を検出すると、すなわち、実際の衝突の衝撃を検出し、あるいは、車両の進行速度と歩行者との距離から演算して衝突が避けられない状態であることを判別すると、制御装置は、信号すなわち電力を供給して、インフレータ22を起動させる。すると、このインフレータ22は、ガス噴射部からエアバッグ21の第1の気室にガスを供給する。すると、この展開の圧力により、ケース25の蓋部55が開き、エアバッグ21が上側に展開する。すると、このエアバッグ21は、図3に2点鎖線3aで示すように、フード3の後端部を上方に押し上げ、エアバッグ21の第1の気室のフード押動部43によりフード3とエンジンルーム2内の部材との間に隙間が確保される。
さらに、エアバッグ21は、第1の気室が十分に展開した状態で、両側方向の両端部近傍に設けた連通部を介してガスが第1の気室から第2の気室に供給され、第2の気室のピラー被覆部46が展開する。このピラー被覆部46は、Aピラー14に沿って展開し、図2に示すように、ピラー被覆部46によりAピラー14の一部あるいは全部が覆われるとともに、第1の気室及び第2の気室のカウル被覆部により、カウル部7及びフロントガラス5の下端部などが覆われる。
この状態で、はね上げられるなどした歩行者がフード3に衝突すると、フード3は十分なストロークを持って変形し、所定の衝撃吸収特性を発揮し、歩行者に対する衝撃を緩和する。そして、エアバッグ21によりカウル部7の凹凸のある部材などが覆われ、さらに、エアバッグ21によりAピラー14などが覆われ、これら部材と歩行者との衝突を回避し、歩行者を保護するようになっている。
このように、本実施の形態によれば、車両の車室4外に備えられ、歩行者との衝突時に衝撃を吸収する歩行者保護用のエアバッグ21について、折り畳まれたエアバッグ21を被覆体27で密閉して覆ったため、多種多様の外的な環境因子の影響を抑制し、エアバッグ21をこれら配置部位における外的な環境要因から保護して、長期にわたり歩行者保護の特性、すなわち迅速に展開してフード3を持ち上げるとともにAピラー14などを覆い、歩行者に加わる衝撃を吸収する特性を確保することができる。また、被覆体27は、遮蔽層とこの遮蔽層を支持する柔軟な支持層との積層体としたため、遮蔽層により、日光、雨水、水蒸気、エンジンオイルやブレーキオイルなどの各種オイル、ガソリン、軽油、硫酸(バッテリー液)、塩化カルシウム(雪路の滑り止め剤)などに直接エアバッグ21が曝されることや付着することを防止し、エアバッグ21を5年、10年といった長期にわたり、初期の性能を容易に確保できる。そして、被覆体27の遮蔽層は、金属箔とすることにより、光や熱を反射し、各種液体、気体などの侵入や浸透を防止でき、また、遮蔽層を遮光性材料とすることにより、光を遮蔽でき、エアバッグ21の各種の損傷や劣化を防止できる。また、被覆体27の支持層は、エラストマー、布帛、紙のうちの1種あるいは2種以上からなるシートすることにより、遮蔽層を確実に支持できるとともに柔軟で折り畳んだエアバッグを形状に応じて被覆できる柔軟なシート材を実現できる。さらに、被覆体27は、エアバッグ21を密閉状態で被覆し、いわばラッピングすることにより、さらに確実に日光、雨水や水蒸気、各種オイル、ガソリン、軽油、硫酸、塩化カルシウムなどからエアバッグ21を遮蔽し、長期にわたりエアバッグ21の初期の性能を維持できる。また、エアバッグ21の取付片48を被覆体27とともに密着してシールし、いわばエアバッグ21の取付部においても基布が外部に露出しないようにしたため、取付片48の部分から被覆体27の内部すなわちいわばエアバッグ収納空間内への液体や気体の侵入を確実に遮断し防止して、気密性、耐薬品性などを向上できる。このようにして、歩行者保護装置10に適したエアバッグ装置を実現できる。
次に、エアバッグ21及び被覆体27の構成について、詳細に説明する。
エアバッグ21は、折り畳まれた状態で、遮蔽層と柔軟な支持層とから構成された積層体である被覆体27で被覆される。車両の客室である車室4の外に配置されるエアバッグ21は、車室4内の環境とは異なり、多種多様の外的な環境因子の影響を受ける。即ち、屋外で想定される環境及び車両固有の環境、例えば、太陽や照明などの光、雨、霧、融雪などの水分、冬季の雪や氷などによる冷温及び凍結、夏季の高温、梅雨時の高湿、車両排気や燃焼物により発生する各種のガス、埃や砂などのダスト類の付着と摩擦、洗車や車両点検時の洗剤溶液、ガソリンや各種オイル類の付着、飛散、あるいはバッテリー交換時などの薬品の飛散など、様々な外的因子を受ける可能性がある。車室4外に配置されるエアバッグ装置は、これらの外的因子の影響を最小限にしつつ、展開性能、衝撃吸収性能などの基本的な性能を保持する必要がある。
そして、被覆体27は、折り畳まれたエアバッグ21などの外周を、密着もしくは密着に近い状態で被覆することが好ましく、確実な遮蔽性、不均一な外周形状に追従できる柔軟性が必要であるだけでなく、被覆材としての物理特性、例えば、軽さ、引き裂き強さ、耐摩擦強さ、長期にわたる耐久性が求められる。
このような点で、遮蔽層としては、遮光性材料または金属箔を用いることが好ましい。遮光性材料は、光を遮蔽して被覆したエアバッグ21を光から保護し、金属箔は光や熱を反射し、液体、気体などの遮蔽機能に優れる上、溶剤、薬品などにも抵抗性が高い。
そして、被覆体27は、遮光性材料または金属箔で構成される遮蔽層と支持層とを複合した積層体とすることで、物理特性を向上できるだけでなく、それぞれの特性を補完し合い、遮蔽層あるいは支持層の単独では得にくい作業性、長期にわたる性能保持性、外的な機械作用からの保護性、など、被覆体27として好ましい特性を実現できる。
また、遮光性材料としては、少なくとも片面に黒色面を有する樹脂フィルムが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系、塩素、フッ素などを含むポリビニル系またはポリオレフィン系、含ハロゲン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリビニル系、から選定された1種または2種以上のフィルムに、カーボンなど黒色顔料を添加する、黒色印刷する、黒色顔料を含む接着性材料を塗布する、などの方法により得られる黒色フィルムを用いればよい。
そして、金属箔としては、工業的に薄い箔状、シート状に形成できるものであれば何れでも良いが、例えば、アルミニウム、ニッケル、鉄、銅、亜鉛、錫などから選定された1種または2種以上の材料を併用もしくは混合して使用できる。このうち、アルミニウムは、広く産業用途に普及しており、取り扱いの上からも好ましい。これらの金属箔には、支持層との密着性を高めるため、少なくとも片面に接着剤あるいは粘着剤を塗布したり、プライマー処理、プラズマ処理、電子線処理、紫外線処理などの化学的、物理的な前処理を施すこともできる。
また、積層体を構成する遮蔽層には、遮蔽層を保護あるいは力学的に補強し、また、機能を向上させるために、後述する柔軟な支持層に用いられるエラストマー、例えば、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリオレフィン系、含ハロゲン系などの材料を、遮光性材料または金属箔からなる遮蔽層の少なくとも片面に積層させる形で用いることもできる。
また、積層体を構成する柔軟な支持層は、エラストマー、布帛、紙などのシート材を用いることが好ましい。これらの材料は、エアバッグの保護機能を満たすものであれば特に限定しないが、単独で用いても良く、また、2種以上の複数の材料を多層で用いても良く、場合により、2種以上のエラストマーを混合して用いても良い。そして、エラストマーとしては、耐熱性、長期安定性、遮蔽層との密着性、積層体である被覆体27の端部との接合性などの点から、例えば、塩化ビニリデン、塩化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化ビニルなどの含ハロゲン系樹脂またはゴム、脂肪族ポリエステル、ポリアルキレンテレフタレート、脂肪族アルコールと芳香族カルボン酸との共重合ポリエステル、全芳香族ポリエステルなどのポリエステル系樹脂またはゴム、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6/66/12、ナイロン6/66/610などの脂肪族ナイロン、芳香族ナイロン、ナイロン6T、ナイロン9Tに代表される脂肪族アミンと芳香族カルボン酸との共重合ナイロンなどのポリアミド系樹脂またはゴム、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂またはゴム、エーテル系、エステル系、カーボネート系のポリウレタン系樹脂またはゴム、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、エチレンと酢酸ビニル共重合などに代表されるポリビニル系樹脂またはゴム、などから選定された1種または2種以上を併用もしくは混合使用したフィルム、シートなどを用いれば良い。また、前記した各エラストマーには、物理特性、接着性、耐久性を改良するため、他材料との重合体、構成するポリマーの末端部や側鎖に官能基を付加させた変性体なども含まれる。
また、柔軟な支持層を布帛とする場合は、例えば、織物、編物、不織布、割り布、組み布、メッシュ、ネットなど、シート状の繊維材料を用いることができる。これらの布帛には、表面特性、物理特性などを改良するため、布帛同士を複合させ、あるいは少なくとも布帛の片面に布帛以外の材料を複合させることもできる。
また、柔軟な支持層を紙類とする場合は、和紙、洋紙、加工紙、糸または割り布などを複合した補強紙などを用いることもできる。
そして、これらのエラストマー類、布帛類、紙類には、耐久性、難燃性、耐熱性、接着性などを付与するための化学処理、物理処理を施すこともできる。
そして、被覆体27は、少なくとも1層の遮蔽層と1層の柔軟な支持層との積層体として構成されるが、被覆するエアバッグなどの形状、設置部位、設置環境などによっては、複数の遮蔽層と柔軟な複数の支持層とから構成しても良く、場合により、柔軟な支持層の片面に、蒸着、転写などにより金属層を直接付与したり、別のフイルム、シートなどに金属層を付与したものを重ね合わせることもできる。
さらに、被覆体27は、遮蔽層と柔軟な支持層とから構成され、遮光性材料または金属箔、及び支持層の厚さとしては、要求される遮蔽層、物理特性、被覆作業性、柔軟性などの観点から設定するが、例えば、遮蔽層、支持層それぞれの単一の厚さとしては、1〜200マイクロメートル、積層体である被覆体27の厚さとしては10〜1000マイクロメートルの範囲から選定すれば良い。
また、被覆されているエアバッグ21に対し、外的環境の影響を受けることがないように、外的環境因子を遮蔽できる処置を被覆体27を構成する積層体の端部に施すことが好ましい。すなわち、光、熱、あるいは各種の気体、液体、固体が積層体を透過したり、間隙をすり抜けたり、漏れたりすることがないように、積層体の端部同士を接着や溶着などにより接合し、折り畳み、あるいはエアバッグ21の収納体であるケース25へ物理的に嵌合し、固定し、貼り付けるなどの処置の1種あるいは2種以上を施すことが好ましい。あるいは、場合により、積層体自体を加熱により収縮させ、被覆、包装することもできる。
また、被覆体27により被覆されたエアバッグ21が展開する際に、遅延することなく円滑に展開させるため、被覆体27を構成する柔軟な支持層の少なくとも一部、例えば、支持層を貫通する状態で、あるいは、厚さ方向の一部に易開裂手段を設けることもできる。この易開裂手段としては、スリットやミシン目などの断続した切断線を施す、容易に剥離可能な接着あるいは溶着などの接合手段により接合する、支持層を構成する支持体の物理特性に方向性を設けて破断しやすくする、などの構成を採ることができるが、これらに限定されるものではない。また、易開裂手段を施す部位によっては、被覆体27で被覆した後、さらに、易破断性の糸状、帯状の縫合材、包装材などにより、縫合、包装することもできる。
また、エアバッグ21を構成する基布は、長期にわたる耐久性、展開時の衝撃力、展開後に当接する物体との耐摩擦性、などに優れるものであれば良いが、例えば、300デシテックス以上の糸から構成され、カバーファクターが720以上、より好ましくは750〜950である織物であることが好ましい。ここで、カバーファクター(CF)とは、経糸及び緯糸の織物密度(本/cm)と経糸及び緯糸の太さ(デシテックス)との積で求められる織物構造の粗密を表すパラメータで、下式にて表される。
CF=Nw×√Dw+Nf×√Df
また、エアバッグ21の基布は、少なくとも片面に、耐熱性、気密性などを付与するための被覆材が施されていることが好ましい。この被覆材としては、通常エアバッグに用いられる被覆材のうち、耐久性、耐候性、耐衝撃性に優れる材料、例えば、シリコーン樹脂またはゴム、ポリウレタン樹脂またはゴム(シリコーン変性、フッ素変性などを含む)、クロロプレンゴムやハイパロンゴムなどの含塩素系ゴム、フッ素系ゴム、ポリエステル系樹脂またはゴム、ポリアミド系樹脂またはゴムなどから選定された1種または2種以上を混合、積層して用いることができる。
また、これらの被覆材を基布に付与する方法としては、ナイフ、キス、リバース、コンマなどのコーティング法、浸漬法、スクリーン、ロール、ロータリーなどの印捺法、ラミネート法、噴霧法、などの加工法によれば良い。さらに、被覆材の性状は、溶剤系、無溶剤系、エマルジョン系、水溶液系あるいはこれらの混合溶液、微粉末状、フィルム状またはシート状など、いずれの構成を採ることもできる。
また、この被覆材には、加工性、接着性、耐久性、耐候性に優れた各種の添加剤、例えば、架橋剤、反応促進剤、反応遅延剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐光安定剤、老化防止剤、潤滑剤、平滑剤、粘着防止剤、顔料、撥水剤、撥油剤、酸化チタンなどの隠蔽剤、光沢付与剤、難燃剤、可塑剤などの1種あるいは2種以上を選択し混合して用いることができる。
さらに、エアバッグ21の基布への被覆材の付与は、同一あるいは異なる2種以上の被覆材を重ねて積層しても良い。また、第1の被覆材と第2の被覆材とを積層することもできる。例えば、アンダー層として、基布との密着性、耐熱性、柔軟性に優れた第1の被覆材を基布面に施し、この第1の被覆材の上に重ねるトップ層として、耐切創性を有する第2の被覆材を形成し、2層構造の被覆層を形成することもできる。また、このトップ層として使用する被覆材は、耐油性、耐候性、耐水性、耐擦過性、耐摩耗性に優れた材料を用いることが望ましい。
また、この被覆材は、基布の少なくとも一方の表面、基布の間隙部、あるいは繊維糸条の間隙など、いずれに介在させても良い。
また、この被覆材には、基布との密着性を向上するための各種前処理剤、接着向上剤などを添加しても良く、また、予め基布の表面にプライマー処理などの前処理を施しても良い。さらに、この被覆材に耐熱性、老化防止性、耐酸化性などを付与するため、被覆材を織物に付与した後、乾燥、架橋、加硫などを熱風処理、接触熱処理、高周波、電子線、紫外線などの高エネルギー処理などを行うこともできる。
また、エアバッグ21に、展開後に当接する物体との耐摩耗性、耐擦過性、耐切創性を付与するため、エアバッグ21の上側に位置する基布の少なくとも片面の一部に、シート状の耐切創性材料を接合し、あるいは、耐切創性材料を含んだ被覆材を施すこともできる。
そして、シート状の耐切創性材料を用いる場合には、この耐切創性材料の形状は、織物、編物、不織布、抄紙、フィルム、ネット、メッシュ、網、テープ、及び、これらの複合体などから選定された形状であればよい。
さらに、エアバッグ21の基布への耐切創性材料の接合は、通常、布帛、シート、フィルムなどの接合に用いられている、縫合、接着、溶着、あるいはこれら手段の併用により行うことができる。この耐切創性材料の接合は、エアバッグ21の外側または内側の一方、あるいは、外側及び内側の両方に行えば良いが、衝突物が当接する外側に接合することが効果的である。また、接合する部位は、エアバッグ21が装着される位置、形状などに応じて選定すれば良く、さらに、全面に接合することにより、耐切創性の向上をより確実、効果的にできる。また、材料の厚さ、目付けなどは、接合されるエアバッグ21の形状、部位などにより適宜選定することができるが、例えば、厚さは0.1mm〜1mm、目付けは、20g/m〜200g/mの範囲とすれば良いが、これに限定するものではない。また、耐切創性材料とエアバッグ21の基布との接合性を向上させるため、耐切創性材料に交絡加工、表面研磨加工、プライマー加工などの物理的、化学的な加工を行うこともできる。
さらに、耐切創性材料を含んだ被覆材は、エアバッグ21を作成した後に、エアバッグ21の表面に塗布、噴霧、浸漬などにより付与しても良く、また、エアバッグ21の基布の少なくとも片面、好ましくは両面に被覆材を施した基布を作成し、この基布を用いてエアバッグ21を作成することもできる。また、これら被覆材を施された基布は、エアバッグ21の外表面または内表面のいずれかもしくは両面に位置するように用いることができるが、エアバッグ21の外表面に用いることにより、耐切創性を効果的に付与できる。そして、この方法で用いる耐切創性材料の形状は、被覆材との均一な混合が行えるものであれば良く、例えば、単繊維状、撚糸条、紡績糸、嵩高性糸、分割シート片、スプリット状糸、などがあり、太さ、長さも適宜選定することができる。例えば、単糸の太さは1〜50デシテックス、総太さは100〜1500デシテックス、長さは5〜100mmとすれば良い。さらに、場合によっては、被覆材との混合性を向上するために、耐切創性材料に表面処理などを施すこともできる。
また、耐切創性材料は、要求される耐切創性を満足するものであれば良いが、例えば、パラフェニレンテレフタルアミド、このパラフェニレンテレフタルアミドと芳香族エーテルとの共重合物に代表される芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル(ポリアリレート)、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール(PBO)に代表されるポリベンズアゾール、ゲル紡糸法が適用される高分子量ポリエチレンや高強度ポリビニルアルコール、から選ばれた1種または2種以上の材料を用いれば良い。
また、エアバッグ21の基布自体は、通常の工業用織物を製造するのに用いられる各種織機により製織すれば良く、例えば、シャトル織機、ウォータージェット織機(WJL)、エアージェット織機(AJL)、レピア織機、プロジェクタイル織機、などから選ぶことができる。さらに、エアバッグ21の基布には、経糸及び緯糸から構成される通常の織物以外に、織物の力学的な等方性を高めた三軸織物、四軸織物などを用いても良い。また、ジャガード織機により作成される2枚の基布を接結して袋構造をなす袋織物を用いることもできる。
さらに、エアバッグ21の基布を構成する織物同士の接合は、縫製、接着、溶着、製織、製編、あるいはこれらの方法の併用など何れでも良く、エアバッグ21としての堅牢性、展開時の耐衝撃性、耐圧性などを満足するものであればよい。
例えば、縫合による場合、縫い仕様は、本縫い、二重環縫いなど通常のエアバッグに適用されている縫い目により行えば良い。また、縫い糸の太さは、700デシテックス(20番手相当)〜2800デシテックス(0番手相当)、運針数は2〜10針/cmとすれば良い。複数列の縫い目線が必要な場合は、縫い目間の距離は2〜8mmとして、多針型ミシンを用いれば良いが、1本針ミシンで複数回縫合することもできる。また、場合によっては、ホルダー、バインダーなどの縫製治具を用いて、基布端の一方または両方を巻き込んだり、あるいは、別途準備した当て布を挟むか、包み込むようにして、縫合することもできる。エアバッグ21構成する基布として、複数枚の裁断片を積層した状態で用いる場合には、複数枚を重ねて縫合しても良いし、1枚ずつ縫合しても良い。
また、場合により、縫い目からのガス抜け、基布の目ずれを防ぐために、接着剤、シール剤などを、縫い目の上、または下、あるいは上下両方、縫い目の間、縫い代部分などに塗布、噴霧、積層などしても良く、さらに、接着剤を塗布したテープ、帯状布、パッチなどを各場所に貼り付けることもできる。
そして、縫合に用いる縫い糸は、一般に、化合繊縫い糸と呼ばれるものや、工業用縫い糸として使用されているもののなかから適宜選択すれば良く、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン6T、ナイロン9T、ポリエステル、ビニロン、アラミド、カーボン、ガラスなどがあり、紡績糸、フィラメント合撚糸、フィラメント樹脂加工糸の何れかでも良い。
また、用いるインフレータ22の特性によっては、インフレータ22からの熱ガスからエアバッグ21の基布を保護するための耐熱保護布や力学的な補強布を設けても良い。これら保護布や補強布は、布自体が耐熱性の材料、例えば、芳香族ポリアミド系繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリイミド系繊維、ポリベンズアゾール系(PBO)繊維、含フッ素系繊維などの耐熱性繊維材料を用いても良く、また、エアバッグ21の外殻を構成する本体基布と同じか別途作成した、本体基布よりも太い糸を用いた織物などの基布に耐熱性材料を被覆加工したものを用いても良いし、あるいは、被覆材を施さずに用いることもできる。
また、このエアバッグ21の本体基布を構成する繊維糸条は、特に限定するものではなく、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン612などの単独またはこれらの共重合、混合により得られる脂肪族ポリアド繊維、ナイロン6T、ナイロン9Tに代表される脂肪族アミンと芳香族カルボン酸の共重合ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの単独またはこれらの共重合、混合により得られるポリエステル繊維、ビニリデンまたはポリ塩化ビニルなどの塩素系繊維、ポリテトラフルオロエチレンを含むフッ素系繊維、ポリアセタール繊維、ポリサルフォン繊維、ポリフェニレンサルファイド系繊維(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン系(PEEK)繊維、ポリイミド繊維、ポリエーテルイミド繊維、ポリベンズアゾール系(PBO)繊維、高強力レーヨンを含むセルロース系繊維、ビニロン繊維、アクリル系繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、ガラス繊維、炭素繊維、場合によってはスチールに代表される金属繊維などから適宜選択することができる。
さらに、これらの繊維糸条には、紡糸性や加工性、材質の耐久性を改善するために、通常使用されている各種の添加剤、例えば、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐光安定剤、老化防止剤、潤滑剤、平滑剤、顔料、撥水剤、撥油剤、酸化チタンなどの隠蔽剤、光沢付与剤、難燃剤、可塑剤などの1種あるいは2種以上を用いることができる。また、場合によっては、加撚、嵩高加工、捲縮加工、捲回加工などの加工を施すこともできる。さらに、糸条の形態は、長繊維のフィラメント、短繊維の紡績糸、これらの複合糸などを用いることができ、特に限定するものではない。
また、エアバッグ21の仕様、形状、容量は、配設される部位、用途、収納スペース、非乗員衝撃の吸収性能、インフレータ22の出力などに応じて、選定することができる。
また、エアバッグ21に歩行者などの非乗員が当接した際のエネルギーの吸収のため、1個あるいは複数の排気孔、例えば、直径10mm〜80mmの円形またはそれに相当する面積の孔を設けても良い。また、この排気孔の周囲には、補強布を接合しても良い。さらに、エアバッグ21の突出形状を規制したり、膨張時の厚みを制御するために、エアバッグ21の内側に、吊り紐、ガス流調整布を設け、また、エアバッグ21の外側に、フラップと呼ばれる帯状布や押さえ布を設けることもできる。
また、エアバッグ21を収納する際の折り畳み方法も、例えば、運転席用のエアバッグのように、中心から左右上下対称な屏風折り、あるいは中心側に向かって多方向から押し縮める方法、助手席用のエアバッグのように、ロール折り、蛇腹折り、屏風状のつづら折り、あるいはこれら折り方の併用、シート内蔵型のサイドエアバッグのようないわゆるアリゲータ折りなど、種々の方法で折り畳むことができる。
例えば、第1の気室と第2の気室とを別個に折り畳み、第1の気室が展開した後に、第2の気室が展開するように折り畳むことができる。そして、第2の気室は、先端部からロール状に巻回し、この巻回する向きは、上端部である先端部をAピラー14側すなわち下側に巻き付けた方向であり、この巻回したが展開時に巻き戻される際に、Aピラー14をこするように回転する向きとなっている。次いで、第1の気室を単に袋を扁平に押し広げるようにして、巻回した第2の気室に沿わせて包むように折り畳む。すなわち、第2の気室に対して、第1の気室は、展開抵抗の小さい折り方とされ、第2の気室より第1の気室が迅速に展開可能に折り畳むことができる。
また、インフレータ22は、燃焼型、ボンベ型、これらを組み合わせたハイブリッド型など種々の構成をとることができる。また、インフレータ22は、エアバッグ21の内側に配置する他、エアバッグ21の外部に配置することもできる。
また、ケース25は、カウルトップカバー8と別体とする他、カウルトップカバー8と一体あるいは一体的に形成することもできる。また、ケース25は、ケース本体部54と蓋部55とを溶着して内部を密閉し、エアバッグ21の展開時に指定の位置で破断してエアバッグ21を展開させることもできる。
また、被覆体27について、折り畳んだエアバッグ21にシート状の被覆体27を被せ、3辺を密着した場合には、取り付け用の取付孔49を形成したエアバッグ21の取付片48の部分について、外部から内側への薬品などの侵入が考えられ、密閉が必要となる。そこで、この部分については、上記のように、取付孔49の部分についても基布が露出しないように被覆体27を密着させる他、この取付孔49の部分に、別体のシール部材を装着することもできる。例えば、図8に示すように、取付孔49の部分に装着される防水パッキング60を用いることもできる。この防水パッキング60は、薬品に強く、防水機能のある材料で略円筒状に形成され、中央部にリベット59が挿入されるリベット用通孔61が形成されているとともに、外周部には、ケース25のケース側取付孔58に液密に嵌合するケース嵌合部62と、エアバッグ21の取付孔49に液密に嵌合するエアバッグ嵌合部63とが形成されている。
さらに、被覆体27は、筒状の部材を用い、折り畳んだエアバッグ21を内側に挿入した後、両端部を折り返すなどして密閉する構成とすることもできる。
また、被覆体27により、エアバッグ21のみならず、インフレータ22、エアバッグ21を収納するケース25、及びこれら部材を接合する部材などを一体に覆うこともできる。
また、歩行者保護用のエアバッグ21は、カウル部7のカウルトップカバー8の下方に配置されるため、上記の種々の液体などに浸される可能性があるとともに、エンジンルーム2から伝わる熱により高い温度条件下に置かれ、また、高温から低温までの温度変化に曝されることが考えられる。そこで、被覆体27の表面に防熱剤を塗布などして被覆体27の遮熱性を高め、あるいは、被覆体27をさらに別体の防熱シートで覆うことにより、エアバッグ21を熱による影響から保護して劣化を抑制し、歩行者保護装置10の特性を長期に維持することができる。
次に、図9の表を参照して、本発明のエアバッグ装置の実験結果を示す。
以下、積層体である被覆体27及びエアバッグ21の基布の性能評価は以下の方法によった。
耐候性については、JIS−D0205(5.4)に規定されたサンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験機により、チャンバー内雰囲気として、ブラックパネル温度83℃、水の噴射は60分照射中12分間の条件にて、エアバッグ用基布(片面にシリコーン樹脂を35g/m塗布したコート基布)表面を被覆体27で被覆した状態で200時間照射し、照射前後のエアバッグ用基布の強力保持率(%)を求めた。
耐薬品性ついては、エアバッグ用の基布の表面を被覆体27で被覆した場合、しなかった場合について、それぞれ表面に、ガソリン(無鉛JIS2号相当)、または硫酸20%液(JIS K−8951の特級)の約0.5ccを滴下し、120℃で24時間加熱し、室温まで放冷した後、基布強力を測定し、滴下してない基布強力を比較し、変化率(%)を求めた。
展開試験については、2本のインフレータ22(LE−110 ダイセル化学工業株式会社製 ハイブリッドインフレータ)を後述するエアバッグ21の取付口71に固定し、エアバッグ21の膨張部をロール状に丸めて畳み、積層体により作成した円筒状の被覆体27の内側に挿入し、被覆体27の両端部は熱溶着により封鎖して密閉した。この状態から、エアバッグ21の展開時の挙動を観察した。被覆体27を用いない場合は、下記の実施例2に用いたものと同じポリエステルのスパンボンド不織布で作成した円筒にエアバッグ21を挿入した。
この展開試験に供したエアバッグ21の展開前の平面形状は、図10及び図11に示すように、全幅L1が2020mm、上側の突設部34間の幅寸法L2が1150mm、下側の基部33の幅寸法L3が1500mm、高さ寸法L4が800mmに設定されている。また、外周縫合線32は、ナイロン66繊維の縫い糸により、二重環縫い2列で縫製し、上糸は1400デシテックス相当(5番手糸)、下糸は940デシテックス相当(8番手糸)、運針数3.5針/cm、針間2.4mmとした。また、このエアバッグ21では、基部33の中央部にインフレータ22の取付口71を設け、この取付口71の両側方に展開時の形状を制御する膨張規制部材72を設けている。取付口71周囲の補強布、及び膨張規制部材72には、エアバッグ21本体の基布30,31と同じ基布を用い、取付口71の補強として3枚、展開時の厚さ寸法が約70mmとなるように2枚の膨張規制部材72をそれぞれ裁断して縫い付けている。この縫い仕様は、上糸、下糸とも1400デシテックス相当(5番手糸)で、運針数は4針/cmとした。なお、図11に示すように、基布30,31の内面には、被覆材74が設けられている。
また、図12及び図13は被覆体27の例を示している。図12は、2層の遮蔽層81,82と1層の支持層83とを積層した例である。また、図13は、2層の遮蔽層81,82と2層の支持層84,85とを積層した例である。
図9の表に示す実施例1は、エアバッグ21の基布として、ナイロン66繊維470デシテックス/72f(糸強度8.6cN/デシテックス)の糸を用い、織密度が経、緯いずれも20本/cmの平織物を作成した。そして、この平織物を、精錬、熱セットし、次いで、付加型の熱硬化性シリコーン樹脂(顔料としてカーボンブラックを1質量%含む)を織物の片面に40g/m(固形分換算)塗布し、120℃で乾燥、160℃で熱処理した。塗布後の織密度は経、緯いずれも21本/cm、目付けは250g/mであった。また、エアバッグ21を被覆する被覆体27として、接着剤処理を施した厚さ9マイクロメートルのアルミニウムの片面に、塩素化ポリエチレン15マイクロメートル、ポリエチレンテレフタレート樹脂15マイクロメートルをラミネートした遮蔽層と、同様に接着剤処理を施したアルミニウムの他方の面に支持層として塩素化ポリエチレン樹脂15マイクロメートルとポリエチレン樹脂60マイクロメートルの積層フィルムを重ね合わせた積層体とした。この被覆体27の厚さは約0.12mmであった。
また、比較例1は、実施例1において、積層体からなる被覆体27に代えて、不織布のみからなる円筒を用い、他の条件を実施例1に準じたものである。
そして、この実施例1と比較例1との実験の結果、実施例1と比較例1ともエアバッグ21の展開には問題はないが、耐候性及び耐薬品性について、実施例1では基布強力の低下はないが、比較例1では基布強力の低下が見られた。
実施例2は、エアバッグ21の基布として、ナイロン66繊維350デシテックス/72f(糸強度8.6cN/デシテックス)の糸を用い、織密度が経、緯いずれも23本/cmの平織物を作成した。そして、この平織物を、精錬、熱セットし、次いで、織物の片面に実施例1で用いた熱硬化性シリコーン樹脂を30g/m(固形分換算)塗布し、実施例1に準じた工程によりコート織物を得た。塗布後の織密度は経、緯いずれも24.5本/cm、目付けは220g/mであった。また、エアバッグ21を被覆する被覆体27として、接着剤処理を施した厚さ7マイクロメートルのアルミニウムの片面に、塩素化ポリエチレン15マイクロメートル、ポリブチレンテレフタレート樹脂20マイクロメートルをラミネートした遮蔽層と、同様に接着剤処理を施したアルミニウムの片方の面に支持層として塩素化ポリエチレン樹脂15マイクロメートル、ポリエステル繊維からなるスパンボンド不織布(目付け40g/m、厚さ0.25mm)とポリエチレンテレフタレート樹脂20マイクロメートルとからなる積層シートを重ね合わせた積層体を作成した。この被覆体27の厚さは約0.35mmであった。
また、比較例2は、実施例2において、積層体からなる被覆体27に代えて、不織布のみからなる円筒を用い、他の条件を実施例2に準じたものである。
そして、この実施例2と比較例2との実験の結果、実施例2と比較例2ともエアバッグ21の展開には問題はないが、耐候性及び耐薬品性について、実施例2では基布強力の低下はないが、比較例2では基布強力の低下が見られた。
実施例3は、実施例1において、エアバッグ21を被覆する被覆体27として、延伸配向したポリプロピレンの厚さ20マイクロメートルのフィルムと押出し成型したポリプロピレンの厚さ80マイクロメートルのフィルムとの間に、カーボンを含有した厚さ60マイクロメートルの黒色ポリエチレンフィルムを挟み、重ね合わせて積層体を作成したものである。この被覆体27の厚さは約0.16mmであった。
また、比較例3は、実施例3において、被覆体27を、押し出し成型したポリプロピレンのフィルムに代え、他の条件を実施例3に準じたものである。
そして、この実施例3と比較例3との実験の結果、実施例3と比較例3ともエアバッグ21の展開には問題はないが、耐候性について、実施例3では基布強力の低下はないが、比較例3では基布強力の低下が見られた。
なお、この実施例3は、ポリプロピレンのフィルムの間にカーボンを含有した黒色フィルムを配置したものであるが、この黒色フィルムに代えて、アルミニウム箔、あるいは塗装による遮光性を有する遮蔽層を形成しても、同様の効果が得られる。
以上のように、何れの実験結果においても、積層体からなる被覆体27ついて、エアバッグ21の展開には問題がなく、なおかつ、耐候性及び耐薬品性について、基布強力の低下を防止できることが示された。すなわち、車両の客室外の部位に配置される歩行者保護用のエアバッグについて、エアバッグ21が受ける外的な環境要因からエアバッグ21を保護し、長期にわたる性能を容易に保持できることが示された。
本発明は、車両の歩行者保護用エアバッグについて説明したが、室外に配置されるエアバッグであれば、乗用車に限られず、トラック、バス、二輪車、船舶、列車、飛行機、あるいは他の輸送手段、遊園地設備などの移動体に適用することができる。
本発明のエアバッグ装置の一実施の形態を示す組立工程の説明図である。 同上エアバッグ装置を備えた車両のエアバッグが展開した状態の説明図である。 同上エアバッグ装置の動作を示す説明図である。 同上エアバッグ装置のエアバッグの展開形状を示す説明図である。 同上エアバッグ装置の組立工程を示す説明図である。 同上エアバッグ装置の組立工程を示す説明図である。 同上エアバッグ装置の組立工程を示す説明図である。 同上エアバッグ装置の他の実施の形態を示す組立工程の説明図である。 同上エアバッグ装置の実験結果を示す表である。 同上エアバッグ装置の実験に用いたエアバッグの展開形状を示す説明図である。 同上エアバッグ装置のエアバッグの図10のI−I相当位置の断面図である。 同上エアバッグ装置の被覆体の一例を示す断面図である。 同上エアバッグ装置の被覆体の他の例を示す断面図である。
符号の説明
1 移動体としての車体
3 フード
10 エアバッグ装置としての歩行者保護装置
21 エアバッグ
22 インフレータ
25 被取付部材としてのケース
27 被覆体
48 取付片

Claims (6)

  1. 移動体の室外に折り畳んで配置されガスが供給されて展開するエアバッグを備えるエアバッグ装置であって、
    前記エアバッグを被覆する被覆体を備え、この被覆体は、光及び液体を遮蔽する遮蔽層と、この遮蔽層を支持する支持層とを積層した
    ことを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 遮蔽層は、金属箔である
    ことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置。
  3. 支持層は、エラストマー、布帛、紙のうちの少なくとも1種を用いたシート材である
    ことを特徴とする請求項1または2記載のエアバッグ装置。
  4. 被覆体は、エアバッグを液密かつ気密に密閉する
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載のエアバッグ装置。
  5. エアバッグは、被取付部材に取り付けられる取付片を備え、
    被覆体は、前記取付片を一体的に密着して覆う
    ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載のエアバッグ装置。
  6. 移動体は、前部に設けられた変形可能なフードを備えた車両であり、
    エアバッグは、前記フードの後側下部に配置され、ガスが供給されて展開し、前記フードを押圧して上方に移動させるとともに、前記車両の少なくとも一部を覆い、
    前記エアバッグにガスを供給するインフレータと、
    非乗員との衝突を検出して前記インフレータを作動させる制御手段とを具備した
    ことを特徴とする請求項1ないし5いずれか一記載のエアバッグ装置。
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