JP2006320932A - ろう付け方法 - Google Patents

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Yukio Kuramasu
幸雄 倉増
Yoshito Oki
義人 沖
Takeshi Minamida
剛 南田
Mikio Kosaka
幹夫 小坂
Hiromichi Sano
博通 佐野
Akinori Ogasawara
明徳 小笠原
Takayuki Tsuchida
孝之 土田
Terue Takahashi
照栄 高橋
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Abstract

【課題】 部材の接合強度を増大させることができるろう付け方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 アルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる部材20,21同士を線状のろう材30により面接合するろう付け方法であって、部材20,21同士の接合面20A,21Aの少なくとも一方に溝部10,10を設け、ろう付け接合の間、溝部10,10によって線状のろう材30を保持する。溝部10,10は、リング状、放射状、格子状に設ける。接合面20A,21Aの少なくとも一方に、溝部10,10に連通して接合面20A,21Aの端部まで通じるフラックス排出用の溝15,15を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ろう付け方法に関するものである。
従来、アルミニウム又はアルミニウム合金製の部材同士のろう付け方法は、一般的に、例えば、図9(a)に示すように、部材50Aと部材50Bとの接合箇所Sの周りに線状のろう材51を巻き付けるようにしてセットし、これらをろう材51の融点以上の温度に加熱することによって行われている。
線状のろう材51としては、線状のアルミニウムろう材の表面にフラックス層を被着したものなどが使用されている(例えば、特許文献1参照)。このような線状のろう材51を使用することにより、接合箇所Sにフラックスを別途に塗布することなく容易にろう付け作業を行うことができる。
特開平6−190586号公報
しかしながら、前記した従来のろう付け方法では、図9(a)に示すように、部材50Aと部材50Bとの接合箇所Sの周りに線状のろう材51を巻き付けるようにセットするため、図9(b)に示すように、溶融したろう材51が部材50Aと部材50Bとの接合面50A’,50B’の隙間の全面に十分に浸透させることは難しかった。このために接合強度が低下するおそれがあった。
このような問題を回避する方策として、部材50Aと部材50Bとの接合面50A’,50B’の隙間にろう材51を配置してろう付けを行うことが考えられる。しかしながら、接合面50A’,50B’の隙間に、ろう材51を好適に配置しておくことは難しかった。また、接合面50A’,50B’の隙間の特定の箇所にろう材51が片寄ると、接合強度が低下するおそれもあった。
そこで、本発明は、部材の接合強度を増大させることができるろう付け方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明のろう付け方法は、アルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる部材同士を線状のろう材により面接合するろう付け方法であって、前記部材同士の接合面の少なくとも一方に溝部を設け、ろう付け接合の間、前記溝部によって前記線状のろう材を保持することを特徴とする。
かかるろう付け方法によれば、ろう付け接合の間、部材同士の接合面に線状のろう材を溝部により保持しておくことができ、接合面を線状のろう材で好適に直接接合することができる。したがって、従来に比べて接合強度が増大する。
また、前記溝部はリング状、放射状および格子状に設けられている構成とするのがよい。
溝部がリング状に設けられている場合には、部材同士の接合面に線状のろう材をリング状に保持することができ、接合面に広くろう材が行き渡るろう付けを実現することができる。ここで、リング状の溝部には、同心円状、同心円弧状(波紋状)、渦巻き状等がある。
また、溝部が放射状に設けられている場合にも、部材同士の接合面に広くろう材が行き渡るろう付けを実現することができる。例えば、接合面の中心から周囲に向けて溝部が放射状に設けられている場合には、接合面に広く均等にろう材が行き渡る。ここで、放射状の溝部には、直線状に放射するものと、渦巻き状に放射するもの等がある。
さらに、溝部が格子状に設けられている場合には、部材同士の接合面により均一にろう材が行き渡る。
また、前記部材同士の接合面の少なくとも一方に、前記溝部に連通して前記接合面の端部まで通じるフラックス排出用の溝が設けられている構成とするのがよい。
かかるろう付け方法によれば、溝部に連通したフラックス排出用の溝を通じて、ろう付け時にフラックスによって部材の表面より除去された酸化物等の生成物や発生するガスを部材同士の接合面から外部へ排出することができる。したがって、不純物の除去された接合強度の高いろう付けが実現される。
さらに、前記フラックス排出用の溝は、前記部材同士の接合面の中心部から周囲に向けて放射状に形成されている構成とするのがよい。
かかるろう付け方法によれば、ろう付け時にフラックスにより除去された酸化物等を効率よく部材同士の接合面から外部へ排出することができる。
また、前記溝部は、その断面積が前記線状のろう材の断面積よりも小さくされている構成、あるいは、前記溝部は、その断面積が前記線状のろう材の断面積と同等以上である構成とするのがよい。
溝部の断面積が線状のろう材の断面積よりも小さくされている場合には、溝部を簡易に形成することができ、生産性が向上する。また、溝部の断面積がろう材の断面積より小さい分、ろう材が接合面の広い範囲に行き渡る。このとき、圧着力を加えることにより顕著に生じる毛細管現象により、粘度の高いろう材を使用した場合でも、接合面全体に容易にろう材を行き渡らせることができる。
また、溝部の断面積が線状のろう材の断面積と同等以上とされている場合には、線状のろう材が溝部に良好に保持され、線状のろう材を効果的に使用した面接合を行うことができる。
さらに、前記線状のろう材は、Al−Si系合金材とCu材のクラッド材から構築された中空の鞘と、当該鞘内に充填されたフッ化セシウムを含むフッ化物系非腐食性フラックス粉末とからなる構成とするのがよい。
かかるろう付け方法によれば、中空の鞘が、Al−Si系合金材とCu材のクラッド材から構築されるので、良好な塑性加工性を有しており、溝部に対するろう材の配置が行い易い。また、溝部がリング状、放射状および格子状のいずれの場合にも、溝部に沿うようにろう材を好適に変形させて配置することができる。
前記鞘を構築するクラッド材は、Si含有量が5〜15質量%のAl−Si系合金材と、前記鞘全体の質量に対するCuの質量が22〜37質量%に相当するCu材とから構成されていることを特徴とする。
かかるろう付け方法によれば、ろう材の低融点化が達成され、低温ろう付けが可能となる。
本発明によれば、部材の接合強度を増大させることができるろう付け方法が得られる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るろう付け方法について説明する。
参照する図面において、図1は本発明の一実施の形態に係るろう付け方法を説明するための説明図、図2は使用されるろう材の模式拡大断面図である。図3(a)〜(c)は本発明の一実施の形態に係るろう付け方法を説明するための工程説明図、図3(d)〜(f)は同じくろう材の状態を示す模式断面図である。
図1に示すように、本実施形態のろう付け方法は、アルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる部材20,21同士を線状のろう材30により面接合するろう付け方法であって、部材20,21同士の接合面20A,21Aに溝部10,10を形成し、ろう付け接合の間(ろう材30が溶けるまでの間)、これらの溝部10,10によってろう材30を接合面20A,21Aの間に保持するようにしたものである。
ここで、本実施形態のろう付け方法に使用されるろう材30について図2を参照して説明する。
本実施形態では、低融点化に優れるとともに、加工性に優れた線状のろう材30を使用しており、Al(アルミニウム)−Si(珪素)系合金材31にCu(銅)材32をクラッドした鞘に、フッ化セシウムを含有させて融点を下げたフッ化物系腐食性のフラックス33を内包したアルミニウム合金ろう付け用のものを用いている。
また、両素材をクラッド材にすることにより、クラッド材を構成するAl−Si系合金材31およびCu材32はともに良好な塑性加工性を維持しているので、通常のワイヤ製造設備を用いて鞘への成形加工および中へのフラックス33の充填が容易に行えるばかりでなく、ろう付け対象物(部材20,21)の接合面20A,21Aの形状に合わせた曲げ加工が容易に行える。つまり、接合面20A,21Aの溝部10,10の形状(リング状)に合わせた加工が容易である。
クラッド材を構成するAl−Si系合金材31は、Si含有量が5〜15質量%のものであり、Cu材32は、Al−Si系合金材31およびCu材32の全体の質量に対するCu材32の質量が22〜37質量%に相当するように構成されている。このような組成によれば、ろう付け加熱時に、Al−Si系合金材31とCu材32を反応(共融)させて、融点が525℃のAl−Cu−Si三元共晶系ろうを生成させることができる。この結果、530〜560℃の低い温度範囲で容易にろう付けできる。Si、Cuの少なくとも一方の量が、前記数値範囲を外れると、生成するろう組成と、Al−Cu−Si三元共晶系組成(Cu;26.7質量%,Si;5.3質量%)との差が大きくなりすぎ、530〜560℃の温度範囲でのろう付けが困難になる。
Si含有量が5〜15質量%のAl−Si系合金材31としては、JIS A4343,A4045,A4047,4N43,4N45等が使用できる。
鞘の質量に対するCu材32の質量22〜37質量%は、Cuの比重が8.9、Al−Si系合金の比重が2.7であるから、鞘の断面積に対するCu材32の断面積の割合(管成形前の板状鞘素材のクラッド率)を8〜15%にすることで満足できる。
鞘の内部に充填されるフラックス33としては、融点が低く、非腐食性に優れたフッ化物系非腐食性フラックスが用いられており、これによって、ろう付け後のフラックス残渣除去工程が省略可能となっている。また、フラックス33には、フッ化セシウム(CsF)が含有されており、フラックス33の融点を、Al−Cu−Si三元共晶系ろうの融点である525℃以下に下げるようになっている。
フッ化物系非腐食性フラックスの化合物形態としては、KAlF4,K2AlF5,K3AlF6,AlF3,KF,CsF等があるが、従来と同様にその混合物が使用される。
フッ化物系非腐食性フラックス中に占めるフッ化セシウム(CsF)の割合は、コスト的には少ないほど有利であるが、10モル%に満たないと、フラックス33の融点を下げる効果が十分ではないので、530〜560℃でのろう付けが困難になる。したがって、フッ化物系非腐食性フラックス中のフッ化セシウム(CsF)の割合は、10モル%以上とすることが好ましい。ろう材全体の質量に対するフラックス33の質量は、20〜40%であれば十分である。
次に、このような線状のろう材30を用いたろう付け方法について図1および図3(a)〜(f)を参照して説明する。
ろう付けに先立って、ろう付け対象物であるアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる部材20,21の接合面20A,21Aに、図1に示すように、リング状の溝部10,10およびフラックス排出用の溝15,15を形成する。
ここで、溝部10およびフラックス排出用の溝15は、接合面20A,21Aに同様に設けられるので、以下では、一方の部材20の接合面20Aに設けられるものについて説明し、適宜、接合面21Aに設けられるものについて説明する。
溝部10は、切削加工等により形成することができ、また、円形の凸部を有する金型等を使用することにより部材20の成形時に形成することもできる。なお、部材20が板状でプレス成形可能な部材である場合には、プレス加工によって溝部10を簡易に形成することもできる。なお、この例では、溝部10が部材20および部材21の接合面20A,21Aの両方に設けられるように構成したが、これに限られることはなく、接合面20A,21Aの少なくとも一方に溝部10を形成するようにしてもよい。
また、溝部10は、これらを合わせた断面積が線状のろう材30の断面積よりも小さくなるように形成されている。なお、溝部10の深さは、少なくとも、ろう付けの間、ろう材30を部材20,21の接合面20A,21A間に保持しておくことのきる深さであればよい。つまり、ろう材30は、ろう付けの間、部材20,21の間からずれて外れる(移動する)ことがなく、接合面20A,21Aの間に好適に保持されることとなる。
フラックス排出用の溝15は、接合面20Aの略中心を通る十字状(接合面20Aの中心部から周囲に向けて放射状)に形成されており、溝部10を横切るかたちで溝部10に連通し、接合面20Aの端部まで通じるように設けられている。つまり、溝部10は、フラックス排出用の溝15を通じて、部材20の側方の外部に連通した状態となっている。なお、フラックス排出用の溝15は、接合面20A,21Aの少なくとも一方に形成されていてもよい。
次に、このような溝部10およびフラックス排出用の溝15が形成された部材20,21に、ろう材30を挟み込むようにして配置する。ここでは、まず、図3(a)に示すように、一方の部材20の溝部10に、リング状に折曲加工したろう材30を載置する。溝部10は、前記のように、断面積がろう材30よりも小さくなるように形成されているので、溝部10に載置されたろう材30は、図3(d)に示すように、ろう材30の下部が溝部10に入り込む程度に保持される。
その後、図3(b)に示すように、部材21を部材20に向けて下降し、部材20,21の溝部10,10でろう材30を上下方向から挟み込む(図3(e)参照)。これにより、ろう材30は、上下両側から溝部10,10で圧接状態に保持されるので、溝部10,10からの外れを効果的に防止できる。
この状態で、これらを加熱炉内に入れて、ろう材30の融点以上の温度に加熱する。加熱は、部材20,21ごと全体を行ってもよいし、トーチや電磁誘導加熱等の手段で主として接合面20A,21Aを部分的に加熱するようにしてもよい。なお、加熱時には、部材21に対して部材20方向への圧着力が加えられる。
そうすると、図3(c)(f)に示すように、ろう材30が溶融し、圧着力によって顕著に生じる毛細管現象により接合面20A,21Aの間(隙間)にろう材30が浸透し、接合面20A,21Aの全体に行き渡る。このとき、溝部10に連通したフラックス排出用の溝15を通じて、ろう付け時にフラックスによって除去される酸化物は外部に排出される。また、このフラックス排出用の溝15を通じて、酸化物以外に発生するガス等の生成物も排出される。これにより、接合面20A,21Aに不純物が残ることなく、また、非接合部分を生じることなく接合面20A,21Aが良好にろう付けされる。したがって、部材20,21の接合強度を十分なものにすることができる。
また、図3(f)に示すように、ろう付け後、溝部10内は、ろう材30で満たされた状態となるので、せん断強度も向上させることができる。
以上説明した本実施形態のろう付け方法によれば、ろう付け接合の間、部材20,21同士の接合面20A,21Aに線状のろう材30を保持しておくことができ、接合面20A,21Aを線状のろう材30で好適に直接接合することができる。したがって、従来に比べて接合強度が増大する。
また、溝部10がリング状に設けられているので、部材20,21同士の接合面20A,21Aに線状のろう材30をリング状に保持することができ、接合面20A,21Aに広くろう材30が行き渡るろう付けを実現することができる。
また、部材20,21の接合面20A,21Aに設けられたフラックス排出用の溝15,15を通じて、ろう付け時にフラックス33(図2参照)により除去された酸化物等の不純物や発生するガス等を接合面20A,21Aから外部へ排出することができるので、接合強度の高いろう付けが実現される。
しかも、フラックス排出用の溝15,15は、部材20,21の接合面20A,21Aの中心部から周囲に向けて放射状に形成されているので、ろう付け時に発生する酸化物等の不純物を効率よく排出することができる。
また、溝部10,10は、その断面積がろう材30の断面積よりも小さくされているので、溝部10,10を簡易に形成することができ、生産性が向上する。また、溝部10,10の断面積がろう材30の断面積より小さい分、ろう材30が接合面20A,21Aの広い範囲に行き渡る。このとき、圧着力を加えることにより顕著に生じる毛細管現象により、仮に、ろう材30として粘度の高いものを利用した場合でも、接合面20A,21Aの全体に容易にろう材30を行き渡らせることができる。
さらに、ろう材30は、中空の鞘が、Al−Si系合金材31とCu材32のクラッド材から構築されるので、良好な塑性加工性を有しており、溝部10,10に沿うように好適に変形させて配置することができる。
また、鞘を構築するクラッド材は、Si含有量が5〜15質量%のAl−Si系合金材31と、鞘全体の質量に対するCuの質量が22〜37質量%に相当するCu材32から構成されているので、ろう材30の低融点化が達成され、低温ろう付けが可能となる。
図4から図6は、本発明の一実施の形態に係るろう付け方法のその他の例を説明するための説明図である。
図4に示した例では、溝部10Aが渦巻き状に設けられており、この溝部10Aに沿う渦巻き状にろう材30Aが形成されている。
このような例によれば、ろう付け接合の間、部材20,21の接合面20A,21Aの間(隙間)にろう材30Aを保持しておくことができ、接合面20A,21Aをろう材30Aで直接接合することができる。しかも、ろう材30Aが渦巻き状であるので、接合面20A,21Aに広く、しかも、隙間の途中で途切れる等の不具合を生じることなく、接合面20A,21Aの全体にろう材30Aが行き渡るろう付けを実現することができる。
さらに、ろう材30Aが渦巻き状であるので、1本のろう材30を曲げ加工することにより得ることができ、生産性が向上する。
また、図5に示した例では、溝部10Bが放射状(接合面20A,21Aの対角線上)に設けられており、この放射状の溝部10Bおよび放射状のフラックス排出用の溝10B’を利用して、複数のろう材30,30・・からなるろう材30Bが保持されるようになっている。なお、溝部10Bとフラックス排出用の溝10B’間は、リング状のフラックス排出用の溝15Aで連通している。
このような例においても、ろう材30Bで接合面20A,21Aを直接接合することができる。しかも、ろう材30Bはろう材30を所定寸法に切断することにより得られるので、加工が行い易く生産性が向上する。また、接合面20A,21Aの中心から周囲に向けて溝部10Bが放射状に設けられているので、接合面20A,21Aに広く均等にろう材30Bを行き渡らせることができる。
なお、フラックス排出用の溝10B’には、必ずしもろう材30を配置しなくてもよい。
また、図6に示した例では、溝部10Cとフラックス排出用の溝15Cとがともに格子状に設けられており、この格子状の溝部10Cを利用して、格子状に組まれた複数のろう材30,30・・からなるろう材30Cが保持されるようになっている。ろう材30Cは、同図に示すように、交差する部分がプレス加工等により凹部30aとされており、これによって、格子状(井形状)に組み上げられるようになっている。
このような例によれば、前記と同様に、接合面20A,21Aに対してより均一にろう材30Cが行き渡り、ろう材30Cで接合面20A,21Aを直接接合することができる。
図7は変形例におけるろう材の状態を示した模式断面図であり、(a)は溝部を示した図、(b)は溝部にろう材を配置した図、(c)はろう材を保持した状態を示した図、(d)はろう付け後のろう材の状態を示した図である。
図7(c)に示すように、この変形例では、溝部10D,10Dからなる断面積が、ろう材30の断面積と同等以上となるように構成されている。図7(a)(b)に示すように、1つの溝部10Dは、ろう材30の断面積の半分程度の断面積を備えた半円形となっており、図7(c)に示すように、部材20,21が合わさった状態で、ろう材30の断面積に相当する大きさとなる。つまり、溝部10D,10Dでろう材30の断面の略全体を収容する深さを有している。したがって、同図に示すように、接合面20A,21A同士を当接あるいは近接させた状態で、ろう材30を保持することができる。これにより、ろう付けの間、ろう材30が溝部10D,10Dに良好に保持され、線状のろう材30を効果的に使用した面接合を行うことができる。
この場合、図7(d)に示すように、溝部10D,10D内に保持されたろう材30は、ろう付け時の加熱によって、溝部10D,10D内から接合面20A,21Aの間(隙間)へ浸透する。これによって、溝部10D,10D内には、ろう材30が浸透した分の空洞が形成されることがあるが、ろう付け強度上重要な接合面20A,21A間にはろう材30が浸透されるので十分な強度を得られる。
また、図8はその他の変形例におけるろう材の状態を示した模式断面図であり、(a)は溝部を示した図、(b)は溝部にろう材を配置した図、(c)はろう材を保持した状態を示した図、(d)はろう付け後のろう材の状態を示した図である。
この変形例では、図8(a)(b)に示すように、部材20側にのみ溝部30Dが設けられており、図8(c)に示すように、部材21の接合面21Aが平らに形成されている。つまり、ろう材30は、部材20側にのみ設けられた溝部30Dによって、保持されることとなり、溝部30Dの形成が片側で済む分、前記のように両側に形成したものに比べて生産性が向上する。しかも、溝部30Dはろう材30の断面積の半分程度の断面積を備えた半円形となっているので、ろう付けの間、ろう材30が接合面20A,21Aに良好に保持される。また、図8(d)に示すように、溝部30D内がろう材30で満たされた状態となるので、せん断強度も向上させることができる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、これらをさらに種々変更して用いることも可能である。
例えば、溝部およびフラックス排出用の溝は、同心円状、同心円弧状(波紋状)に複数設けてもよいし、リング状と放射状との組み合わせ、渦巻き状と放射状との組み合わせ等、種々の形態を採ることができる。
また、溝部やフラックス排出用の溝の形状は、任意の形状とすることができる。さらに、ろう材は溝部の全てに配置する必要はなく、溝部に対して長さを短く設けたり、複数の溝部に対しては本数を減らして設けたりすることによって、ろう付け状態(接合強度)を適宜調整することができる。これにより、的確な量のろう材によるろう付けが可能となる。
また、前記放射状の溝部としては、直線状に放射するものの他、渦巻き状に放射するもの等がある。
本発明の一実施の形態に係るろう付け方法を説明するための説明図である。 使用されるろう材の模式拡大断面図である。 (a)〜(c)は本発明の一実施の形態に係るろう付け方法を説明するための工程説明図、(d)〜(f)は同じくろう材の状態を示す模式断面図である。 本発明の一実施の形態に係るろう付け方法のその他の例を説明するための説明図である。 同じくその他の例を説明するための説明図である。 同じくその他の例を説明するための説明図である。 変形例におけるろう材の状態を示した模式断面図であり、(a)は溝部を示した図、(b)は溝部にろう材を配置した図、(c)はろう材を保持した状態を示した図、(d)はろう付け後のろう材の状態を示した図である。 その他の変形例におけるろう材の状態を示した模式断面図であり、(a)は溝部を示した図、(b)は溝部にろう材を配置した図、(c)はろう材を保持した状態を示した図、(d)はろう付け後のろう材の状態を示した図である。 (a)(b)は従来技術の説明図である。
符号の説明
10 溝部
10A〜10D 溝部
10B’ フラックス排出用の溝
15 フラックス排出用の溝
15A,15C フラックス排出用の溝
20 部材
20A 接合面
21 部材
21A 接合面
30 ろう材
30A〜30C ろう材
30D 溝部
31 Al−Si系合金材
32 Cu材
33 フラックス

Claims (10)

  1. アルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる部材同士を線状のろう材により面接合するろう付け方法であって、
    前記部材同士の接合面の少なくとも一方に溝部を設け、ろう付け接合の間、前記溝部によって前記線状のろう材を保持することを特徴とするろう付け方法。
  2. 前記溝部はリング状に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のろう付け方法。
  3. 前記溝部は放射状に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のろう付け方法。
  4. 前記溝部は格子状に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のろう付け方法。
  5. 前記部材同士の接合面の少なくとも一方に、前記溝部に連通して前記接合面の端部まで通じるフラックス排出用の溝が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のろう付け方法。
  6. 前記フラックス排出用の溝は、前記部材同士の接合面の中心部から周囲に向けて放射状に形成されていることを特徴とする請求項5に記載のろう付け方法。
  7. 前記溝部は、その断面積が前記線状のろう材の断面積よりも小さくされていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のろう付け方法。
  8. 前記溝部は、その断面積が前記線状のろう材の断面積と同等以上であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のろう付け方法。
  9. 前記線状のろう材は、Al−Si系合金材とCu材のクラッド材から構築された中空の鞘と、当該鞘内に充填されたフッ化セシウムを含むフッ化物系非腐食性フラックス粉末とからなることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のろう付け方法。
  10. 前記鞘を構築するクラッド材は、Si含有量が5〜15質量%のAl−Si系合金材と、前記鞘全体の質量に対するCuの質量が22〜37質量%に相当するCu材とから構成されていることを特徴とする請求項9に記載のろう付け方法。
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