JP2006320883A - 可溶化剤、可溶化組成物およびその製造方法 - Google Patents

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茂樹 伊藤
Makoto Ito
伊藤  誠
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Abstract

【課題】各種油性成分を水に可溶化させ、広い温度範囲で安定的に可溶化状態が持続される可溶化組成物と、その製造方法とを提供する。
【解決手段】可溶化剤は、非イオン性界面活性剤(A)を必須成分として含みアニオン性界面活性剤(B)をさらに含んでもよい。非イオン性界面活性剤(A)はポリオキシアルキレンエーテル類(a1)およびポリオキシアルキレンひまし油類(a2)からなり、前記ポリオキシアルキレンエーテル類(a1)は1重量%水溶液の曇点が20℃以上であり、前記ポリオキシアルキレンひまし油類(a2)は1重量%水溶液の曇点が20℃以上である。前記アニオン性界面活性剤(B)は硫酸エステル型界面活性剤および/またはスルホン酸型界面活性剤であり、重量比率(A)/(B)は70/30〜100/0の範囲にある。
【選択図】 なし

Description

本発明は、油性成分を水に可溶化、溶解させることができる可溶化剤、可溶化組成物およびその製造方法に関する。詳しくは、特定の界面活性剤を特定の比率で配合した可溶化剤と、特定の界面活性剤によって油性成分が可溶化された状態にある可溶化組成物と、その製造方法とに関する。更に詳しくは、特に香料等の油性成分を広い温度範囲にわたって水に可溶化できる可溶化剤と、広い温度範囲にわたって可溶化領域を有する可溶化組成物(芳香剤等)と、その製造方法とに関する。
現在、芳香剤や化粧品等の製品が数多く流通している。これらの多くは、油性成分を水に可溶化させた状態の組成物である。油性成分は本質的に水に不溶または難溶である。通常、油性成分を水に混合して可溶化組成物を得るために、界面活性剤が添加される。
油性成分を水に可溶化させる界面活性剤、すなわち、可溶化剤が、これまで種々検討されている。例えば、特許文献1には硬化ひまし油とγ−ブチロラクトンとエチレンオキサイドとの反応物が開示されている。特許文献2にはフェノール類のエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物が開示されている。特許文献3には鎖状高分子カルボン酸とプロトン受容基を持つ非イオン性高分子化合物の組み合わせが開示されている。特許文献4には特定のイオン性界面活性剤と特定の非イオン性界面活性剤の特定の範囲での組み合わせが開示されている。特許文献5にはイオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤及び電解質との混合物が開示されている。特許文献6にはアルキルグリセリルエーテルリン酸エステルが開示されている。特許文献7には分岐アルコールのエチレンオキサイド付加物が開示されている。特許文献8には分岐アルキル基またはアルケニル基を持つ高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物が開示されている。特許文献9にはフッ素系界面活性剤と他の界面活性剤との組み合わせが開示されている。特許文献10にはC〜Cアルカノールのエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド重合体及び非イオン性乳化剤との組み合わせが開示されている。特許文献11には広い温度範囲にわたって乳化性能を示す界面活性剤と狭い温度範囲で可溶化性能を示す界面活性剤との組み合わせが開示されている。また、特許文献12にも特定の非イオン性界面活性剤の香料可溶化に関する記述がある。
特開昭52−98689号公報 特開昭57−70197号公報 特開昭58−104626号公報 特開昭58−128311号公報 特開昭58−131127号公報 特開昭60−61030号公報 特公昭60−33806号公報 特公昭62−8204号公報 特開昭63−222767号公報 特開平1−52470号公報 特開平6−63374号公報 特開2005−47871号公報
これらの特許文献を詳しく分析し、分類すると、可溶化組成物の製造方法としては、大別して3つの方法があることがわかる。第1の製造方法はイオン性界面活性剤のみを可溶化剤として用いる方法であり、第2の製造方法は非イオン性界面活性剤のみを可溶化剤として用いる方法であり、第3の製造方法はイオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤を併用する方法である。
第1の製造方法は一般的な特徴として、イオン性界面活性剤の水への親和力が大きく、HLBバランス(親水性および親油性のバランス)が親水的になるために油性物質の可溶化量に劣る傾向にある。したがって、実際の使用にあたり多くの界面活性剤量を必要として工業的に難点があるが、可溶化状態を保持する温度領域は広い傾向にあるといわれる。
第2の製造方法は、非イオン性界面活性剤の本質的な物性として水溶液において温度感受性が大きく、たとえば曇点現象を示す。したがって、狭い温度範囲でのみしか可溶化できない傾向にある(通常、曇点以上では界面活性能を失う。非特許文献1参照)。
第3の製造方法は、イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とを併用してそれぞれの欠点を補完することを目的とするが、実際問題として各油性成分に関してそれぞれに細かな配合系を調製するなど、煩雑な検討がなされて、且つ十分な解決を見出すに至っていない旨が特許文献4に記載されている。しかしながら、第1および第2の製造方法の欠点を補完するのは第3の製造方法であり、特許文献4、5および9に見られるように種々検討がなされている。上記第3の製造方法で可溶化能が著しく向上する旨が、非特許文献2においても記載されている。
竹内節著、「界面活性剤〜上手に使いこなすための基礎知識」、米田出版、1999年、32ページ 吉田時行ら編、「新版界面活性剤ハンドブック」、工学図書株式会社、昭和62年、266ページ
一般に芳香剤や化粧品等の製品は、輸送、保存、使用中に広い温度範囲におかれる可能性がある。たとえば、冬季には氷点下になることもあり、逆に、夏季には40℃ないしは50℃といった状態にもなりうる。したがって、製品である可溶化組成物については広い温度範囲で安定に可溶化されていることが要求される。特許文献4、5、9および11においても、この点が追求されている。
しかしながら、これまでに提案された可溶化剤はいずれも広い温度範囲にわたる可溶化能が十分でなかったり、特定の油性成分にしか効果がなかったり、その原料物質が高価であるなどの問題点を有しており、必ずしも満足すべきものではなかった。たとえば、香料を可溶化させて芳香剤を製造する場合、各香料に応じてそれぞれ異なった可溶化剤を開発しているのが現状である。
上述のように、可溶化剤については、より多くの種類の油性成分を広い温度範囲で安定的に可溶化でき、且つ安価であることが要求されている。これらの要求を満足する可溶化剤の開発は進められてはいるものの、実現していないのが現状である。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、より多くの種類から選択された各種油性成分を水に可溶化させ、広い温度範囲で安定的に可溶化状態を持続させることができ、しかも、安価である可溶化剤と、より多くの種類から選択された各種油性成分が水に可溶化されており、広い温度範囲で安定的に可溶化状態が持続される可溶化組成物と、その製造方法とを提供することにある。なお、広い温度範囲とは−5〜50℃の範囲とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の界面活性剤を特定の比で含有する可溶化剤(または特定の界面活性剤を特定の比で使用すること)によって、より多くの種類から選択された各種油性成分を可溶化させ、広い温度範囲で安定的に可溶化状態を持続させることができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明にかかる可溶化剤は、
非イオン性界面活性剤(A)を必須成分として含み、アニオン性界面活性剤(B)をさらに含むことがある可溶化剤であって、
前記非イオン性界面活性剤(A)がポリオキシアルキレンエーテル類(a1)およびポリオキシアルキレンひまし油類(a2)からなり、前記ポリオキシアルキレンエーテル類(a1)が下記一般式(1)で示され、その1重量%水溶液の曇点が20℃以上であり、前記ポリオキシアルキレンひまし油類(a2)は1重量%水溶液の曇点が20℃以上であり、それぞれの重量比率(a1)/(a2)が30/70〜70/30の範囲にあり、
前記アニオン性界面活性剤(B)が硫酸エステル型界面活性剤および/またはスルホン酸型界面活性剤であり、
非イオン性界面活性剤(A)とアニオン性界面活性剤(B)との重量比率(A)/(B)が70/30〜100/0の範囲にある。
R−O−{(EO)(PO)}−H (1)
(但し、Rはアルキル基およびアルケニル基から選ばれた少なくとも1種の炭化水素基であり、炭素数8〜16の炭化水素基が炭化水素基R全体に占める割合が90重量%以上であり、EOはエチレンオキサイド単位を示し、POはプロピレンオキサイド単位を示し、m、lはそれぞれエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドの平均重合度を表し、mは0〜5を満たし、l+mは7〜25を満たす。)
本発明にかかる可溶化組成物は、
非イオン性界面活性剤(A)、油性成分および水を必須成分として含み、アニオン性界面活性剤(B)をさらに含有することがある組成物であって、
油性成分が非イオン性界面活性剤(A)およびアニオン性界面活性剤(B)によって水に可溶化された状態にあり、
前記非イオン性界面活性剤(A)がポリオキシアルキレンエーテル類(a1)およびポリオキシアルキレンひまし油類(a2)からなり、前記ポリオキシアルキレンエーテル類(a1)が上記一般式(1)で示され、その1重量%水溶液の曇点が20℃以上であり、前記ポリオキシアルキレンひまし油類(a2)は1重量%水溶液の曇点が20℃以上であり、それぞれの重量比率(a1)/(a2)が30/70〜70/30の範囲にあり、
前記アニオン性界面活性剤(B)が硫酸エステル型界面活性剤および/またはスルホン酸型界面活性剤であり、
非イオン性界面活性剤(A)とアニオン性界面活性剤(B)との重量比率(A)/(B)が70/30〜100/0の範囲にある。
本発明にかかる可溶化組成物の製造方法は、
非イオン性界面活性剤(A)、油性成分および水を必須成分として混合し、アニオン性界面活性剤(B)をさらに混合することがあり、油性成分を水に可溶化させる可溶化工程を含む、可溶化組成物の製造方法であって、
前記非イオン性界面活性剤(A)がポリオキシアルキレンエーテル類(a1)およびポリオキシアルキレンひまし油類(a2)からなり、前記ポリオキシアルキレンエーテル類(a1)が上記一般式(1)で示され、その1重量%水溶液の曇点が20℃以上であり、前記ポリオキシアルキレンひまし油類(a2)は1重量%水溶液の曇点が20℃以上であり、それぞれの重量比率(a1)/(a2)が30/70〜70/30の範囲にあり、
前記アニオン性界面活性剤(B)が硫酸エステル型界面活性剤および/またはスルホン酸型界面活性剤であり、
非イオン性界面活性剤(A)とアニオン性界面活性剤(B)との重量比率(A)/(B)が70/30〜100/0の範囲にある。
本発明の可溶化剤は、各種の油性成分を水に可溶化させ、広い温度範囲で安定的に可溶化状態を持続させることができる。しかも、本発明で用いる界面活性剤は量産化されており、その流通量が多い汎用品であるため、得られる可溶化剤は安価である。
また、本発明の可溶化剤は、特に香料の可溶化に効果的であり、多数の香料からそれぞれに対応した芳香剤を多数製造する場合に、準備する可溶化剤の種類を大幅に減らすことができる。したがって、工業的生産の下で従来煩雑であった可溶化剤の在庫管理が容易になる。
本発明の可溶化組成物は、より多くの種類から選択された油性成分が水に可溶化されており、広い温度範囲で安定的に可溶化状態が持続される。本発明の可溶化組成物は、芳香剤の他、ローション、忌避剤、殺虫剤、誘引剤、農薬、防虫剤、消臭剤、クレンジング料、洗浄剤等に応用できる。
本発明の可溶化組成物の製造方法は、上記可溶化組成物を安価で簡便に製造できる。
以下、本発明について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の開示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施できる。
[可溶化剤]
本発明の可溶化剤は、非イオン性界面活性剤(A)を必須成分として含み、アニオン性界面活性剤(B)をさらに含むことがある可溶化剤である。非イオン性界面活性剤(A)は、ポリオキシアルキレンエーテル類(a1)およびポリオキシアルキレンひまし油類(a2)からなる。
ポリオキシアルキレンエーテル類(a1)は、下記一般式(1)で示され、その1重量%水溶液の曇点が20℃以上である。
R−O−{(EO)(PO)}−H (1)
(但し、Rはアルキル基およびアルケニル基から選ばれた少なくとも1種の炭化水素基であり、炭素数8〜16の炭化水素基が炭化水素基R全体に占める割合が90重量%以上であり、EOはエチレンオキサイド単位を示し、POはプロピレンオキサイド単位を示し、m、lはそれぞれエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドの平均重合度を表し、mは0〜5を満たし、l+mは7〜25を満たす。)
一般式(1)において、Rはアルキル基またはアルケニル基のいずれでもよく、直鎖構造および分岐構造のいずれでもよい。また、Rについて、炭素数8〜16の炭化水素基が炭化水素基R全体に占める割合は、90重量%以上であり、好ましくは95重量%以上、さらに好ましくは98重量%以上である。炭化水素基R全体に占める炭素数16超の炭化水素基が多いために、炭素数8〜16の炭化水素基が炭化水素基R全体に占める割合が90重量%未満の場合は、可溶化剤を使用して可溶化組成物が得られたとしても、低温安定性に問題を生じやすく、白濁しやすい。逆に、炭化水素基R全体に占める炭素数8未満の炭化水素基が多いために、炭素数8〜16の炭化水素基が炭化水素基R全体に占める割合が90重量%未満の場合は、可溶化能力が低い傾向がある。
一般式(1)のEOおよびPOは、それぞれ、エチレンオキサイドに由来しそのエポキシ基が開環して得られる2価の構造単位であるエチレンオキサイド単位と、プロピレンオキサイドに由来しそのエポキシ基が開環して得られる2価の構造単位であるプロピレンオキサイド単位とを意味する。また、(EO)(PO)の重合様式については、ブロック重合、ランダム重合、交互重合のいずれの様式であってもよく、これらの重合様式が混合されていてもよい。なお、アルキレンオキサイドとして、たとえば、プロピレンオキサイドより炭素数が多い、ブチレンオキサイドや他のα−オレフィンオキサイドが用いられた場合には、疎水性が高くなって十分な効果は得られず、好適でない。
一般式(1)のm、lはそれぞれエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドの平均重合度を表す。mは0〜5であり、好ましくは0〜3.5である。mが5を超えるとプロピレンオキサイド単位の占める割合が大きく、疎水性が高くなって十分な可溶化効果は得られない。l+mは7〜25であり、好ましくは7〜20、さらに好ましくは7〜15である。l+mが7未満であると高温安定性が劣る。一方、l+mが25を超えると低温安定性が劣る。なお、本発明において、高温安定性における高温とは、40℃〜50℃を意味する。また、低温安定性における低温とは、−5℃〜5℃を意味する。すなわち、高温安定性が劣るとは、40℃〜50℃で保存した際に、可溶化された状態でなくなることを意味する。低温安定性についても同様である。
ポリオキシアルキレンエーテル類(a1)の1重量%水溶液の曇点は20℃以上であり、好ましくは25℃以上、さらに好ましくは28℃以上である。上記曇点は20℃未満であると、界面活性剤の本質的性質によって可溶化できなくなるおそれがある。
なお、本発明において曇点とは、界面活性剤の1重量%水溶液を徐々に加熱した場合に、水溶液が白濁する温度をいう。具体的には、内径15mm、長さ180mmのガラス製試験管に10mLの該水溶液を添加し、さらに温度計を試験管の器壁に触れないように該水溶液の中央に配置し、温度計の端部が水溶液内に浸かるように固定する。次いで、この試験管を1Lの水を入れた容量1Lのビーカーに入れ、ビーカーの器壁に触れないように取り付け、ビーカー内の水を攪拌しながら徐々に加熱する。水溶液が濁る温度を読み取って曇点とする。ここで、ビーカー内の水の温度が(予想した)曇点より十分低い場合には、2℃/分の昇温速度となるように加熱を調整し、(予想した)曇点の約10℃低い温度に達した後は、0.2℃/分の昇温速度となるように加熱を調整する。
このようなポリオキシアルキレンエーテル類(a1)の具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンイソドデシルエーテル、ポリオキシエチレンイソテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンイソセチルエーテル、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、ポリオキシエチレンイソオクチルエーテル、ポリオキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレン第2級アルキル(C12〜14)エーテル、ポリオキシエチレン第2級アルキル(C10〜12)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンイソドデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンイソテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンイソセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンイソデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンイソオクチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン−2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン第2級アルキル(C12〜14)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン第2級アルキル(C10〜12)エーテル等を挙げることができる。これらのポリオキシアルキレンエーテル類(a1)は、1種または2種以上を併用してもよい。なお、上記例示において括弧で示した部分は、その直前に記載したアルキル基の炭素数を示す。
次に、ポリオキシアルキレンひまし油類(a2)は、ひまし油および/または硬化ひまし油にアルキレンオキサイドを反応させて得られる非イオン性界面活性剤であり、その1重量%水溶液の曇点が20℃以上である。
硬化ひまし油の硬化度については、特に限定はなく、完全に硬化(水素添加)されたものでもよく、部分的に硬化されたものでもよい。
上記反応に用いるアルキレンオキサイドの種類については、特に限定はないが、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドが好ましい。なお、アルキレンオキサイドとして、たとえば、プロピレンオキサイドより炭素数が多い、ブチレンオキサイドや他のα−オレフィンオキサイドが用いられた場合には、疎水性が高くなって十分な効果は得られないことがある。また、アルキレンオキサイドを2種類以上使用する場合、その重合様式については、ブロック重合、ランダム重合、交互重合のいずれの様式であってもよく、これらの重合様式が混合されていてもよい。
ポリオキシアルキレンひまし油類(a2)において、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドの平均重合度を、それぞれnおよびpとする時、n+pは好ましくは35〜120であり、さらに好ましくは35〜80、特に好ましくは40〜80である。n+pが35未満であると高温安定性が劣る。一方、n+pが120を超えると低温安定性が劣る。また、pは好ましくは0〜15であり、さらに好ましくは0〜10である。pが15を超えるとプロピレンオキサイド単位の占める割合が大きく、疎水性が高くなって十分な効果は得られないことがある。
ポリオキシアルキレンひまし油類(a2)の1重量%水溶液の曇点は20℃以上であり、好ましくは25℃以上、さらに好ましくは28℃以上である。上記曇点は20℃未満であると、界面活性剤の本質的性質によって可溶化できなくなるおそれがある。
このようなポリオキシアルキレンひまし油類(a2)の具体例としては、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンひまし油等を挙げることができる。これらのポリオキシアルキレンひまし油類(a2)は、1種または2種以上を併用してもよい。
ポリオキシアルキレンエーテル類(a1)およびポリオキシアルキレンひまし油類(a2)の重量比率(a1)/(a2)は、30/70〜70/30の範囲にあり、好ましくは45/55〜70/30の範囲にある。ポリオキシアルキレンエーテル類(a1)の重量比率が上記範囲より多いと、油性成分を高温でないと可溶化しにくくなる。また、ポリオキシアルキレンひまし油類(a2)重量比率が上記範囲より少ないと、油性成分を低温でないと可溶化しにくくなる。このように、より多くの種類の油性成分について広い温度範囲で可溶化状態を提供するためには、上記に示した重量比率の規定が重要である。
アニオン性界面活性剤(B)は、硫酸エステル型界面活性剤および/またはスルホン酸型界面活性剤である。アニオン性界面活性剤(B)の具体例としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル(またはアルケニル)硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルケニル)エーテル硫酸エステル塩、アシルメチルタウリン酸塩、ジアルキル(またはアルケニル)スルホコハク酸塩、アシルイセチオン酸塩等を挙げることができる。アニオン性界面活性剤(B)としては、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等が好ましくは、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等がさらに好ましい。これらのアニオン性界面活性剤(B)は、1種または2種以上を併用してもよい。なお、ここでアニオン性界面活性剤(B)が塩の場合は、アルカリ金属塩および/またはトリエタノールアミン塩を示す。また、アニオン性界面活性剤(B)中に含まれるアルキル基、アルケニル基、アシル基の有機基は、直鎖構造でも分岐構造でもよい。アルキル基、アシル基の炭素数は8〜18が好ましい。
非イオン性界面活性剤(A)とアニオン性界面活性剤(B)との重量比率(A)/(B)は、70/30〜100/0の範囲にあり、好ましくは75/25〜99/1の範囲、さらに好ましくは80/20〜99/1の範囲にある。アニオン性界面活性剤(B)重量比率が上記範囲より多いと、高温でないと油性成分を可溶化しにくくなる。ここでも、より多くの種類の油性成分について広い温度範囲で可溶化状態を提供するためには、上記に示した重量比率の規定が重要である。
本発明の可溶化剤は油性成分を水に可溶化させるため用いられる。油性成分とは、水に不溶性または難溶性の可燃性の物質を意味し、油性成分は実質的に水に溶けないために可溶化技術の必要性が生じている。本発明における難溶性とは、室温、特に20℃近辺において、濃度が約0.5重量%の水溶液を調製しようとしても溶けない状態を意味する。
油性成分は、液体および固体のいずれでもよいが、液体が好ましい。油性成分としては、たとえば、植物抽出油、配合香料、天然香料、合成香料、精油、テルペン類等の香気成分;ミネラルオイル;脂肪族炭化水素油;芳香族炭化水素油;エステル油;アミド化合物等を挙げることができる。これらの油性成分は、1種または2種以上を併用してもよい。
香気成分としては、具体的には、ラベンダーオイル、オレンジオイル、レモンオイル、薔薇抽出油、ライムオイル、ヒノキ抽出油、ハーブ抽出油等の植物抽出油;ローズ、シトラス、レモン、コーヒー、アプリコット、フローラル、ピーチ等の、種々の成分を人工的に配合することによりそれに似せた香気を与えた配合香料;樟脳白油、ヒノキ精油、テレビン油、ユーカリ油、薄荷油等の精油;p−メンタジエン、d−リモネン、p−メンタン、ターピネオール、リナロール、テルピニルアセテート、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピニルアセテート、ミルテナール、ミルテノール、ペリラアルデヒド、ローズオキサイド、ボルネオール、カンフル、カルベオール、カルボンオキサイド、カルビルアセテート、カリオフィレン、シネオール、シトロネラール、シトロネロール、サイメン、サイメン−8−オール、ジヒドロカルベオール、ジヒドロカルボン、ジヒドロカルビルアセテート、リモネンオキサイド、フラノイド、ピラノイド、メントン、メンチルアセテート、ミルテナール、ミルテノール、ミルテニルアセテート、ペリリルアルコール、ペリリルアセテート、ピネン、ピネンオキサイド、ゲラニオール、酢酸イソアミル、アミルシンナミックアルデヒド、メントール、アンスラニル酸メチル等のテルペン類香気成分等を挙げることができる。
ミネラルオイルとしては、具体的には、流動パラフィン、軽油、スピンドル油等を挙げることができる。
脂肪族炭化水素油としては、具体的には、ヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、オクタンなどが、芳香族炭化水素油としてはトルエン、キシレン等を挙げることができる。
エステル油としては、具体的には、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸メチル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸−2−エチルヘキシル、パルミチン酸−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ブチル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸エチル、乳酸ブチル等を挙げることができる。
アミド化合物としては、具体的には、N,N−ジエチルトルアミド等を挙げることができる。
本発明の可溶化剤を用いて油性成分を可溶化させる場合、油性成分と可溶化剤との重量比率について特に限定はないが、好ましくは1/0.7〜1/3、さらに好ましくは1/1〜1/2、特に好ましくは1/1〜1/1.5である。油性成分の重量比率が大きいと、広い温度範囲での油性成分の可溶化が困難になるおそれがある。一方、油性成分の重量比率が小さいと、得られる可溶化組成物に期待される本質的物性が発現せず、商品価値が低下するため好ましくない。たとえば、可溶化組成物が芳香剤の場合には香気不足の問題が生じるおそれがあり、また、ローションの場合には皮膚刺激などの安全性の観点から好ましくない。さらに、得られる可溶化組成物が芳香剤の場合は、水や香料等の揮発性物質が揮発した後に、容器内に非イオン性界面活性剤(A)およびアニオン性界面活性剤(B)が残存するが、油性成分が少ないと使用後の外観が劣り、商品価値の低下を招くことがある。
本発明の可溶化剤を用いて油性成分を可溶化させる場合、得られる組成物全体に占める油性成分の配合率について特に限定はないが、好ましくは0.5〜5重量%、さらに好ましくは0.8〜4重量%である。油性成分が多いと、上記非特許文献1の43〜51ページに記載されているように、可溶化剤によって可溶化されるものの、可溶化機構が異なるために可溶化剤を使用しても効果が低くなるおそれがある。一方、油性成分が少ないと、得られる可溶化組成物に期待される本質的物性が発現せず、商品価値が低下するため好ましくない。たとえば、可溶化組成物が芳香剤の場合には香気不足の問題が生じるおそれがあり、また、ローションの場合には皮膚刺激などの安全性の観点から好ましくない。
本発明の可溶化剤は、非イオン性界面活性剤(A)およびアニオン性界面活性剤(B)以外の成分を、その物性を損なわない範囲で含有してもよい。上記成分としては、たとえば、アルキレングリコール、エタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等の水溶性溶剤や、水、ゲル化防止剤、ハイドロトロープ剤、抗菌剤、防腐剤、色素、染料、消泡剤、粘度調整剤、保湿剤、その他の界面活性剤等を挙げることができる。これらの成分は1種または2種以上を併用してもよい。
本発明の可溶化剤を用いて油性成分を可溶化させる際に、場合によってはゲル化することがあるが、可溶化剤が上記水溶性溶剤をさらに含有することによって、ゲル化を有効に防止することができる。特に、可溶化によって得られる組成物が芳香剤の場合は、水溶性溶剤が揮発速度の調節に用いられる。また、後述する可溶化組成物においても、同様の理由で水溶性溶剤をさらに含有すると好ましい。さらに、後述する可溶化組成物の製造方法においても、ゲル化が有効に防止されるため、水溶性溶剤をさらに添加、混合すると好ましい。
本発明の可溶化剤やこの可溶化剤を構成する界面活性剤を用いて、以下に説明する可溶化組成物を製造できる。
[可溶化組成物とその製造方法]
本発明の可溶化組成物は、非イオン性界面活性剤(A)、油性成分および水を必須成分として含み、アニオン性界面活性剤(B)をさらに含有することがある組成物である。可溶化組成物において、油性成分が非イオン性界面活性剤(A)およびアニオン性界面活性剤(B)によって水に可溶化された状態にある。ここで、油性成分が水に可溶化された状態とは、水に不溶または難溶な油性物質が、その水への溶解度以上に見かけ上溶けた状態である。また、この可溶化された状態を透過率で定義すると、光路長1cmの石英セルで透過率を測定した場合、波長600nmの光線に対する透過率が90%T以上の状態をいう。
可溶化組成物を構成する各種成分は、上記[可溶化剤]で説明したとおりである。
本発明の可溶化組成物において、油性成分と、非イオン性界面活性剤(A)およびアニオン性界面活性剤(B)の合計との重量比率について特に限定はないが、好ましくは1/0.7〜1/3、さらに好ましくは1/1〜1/2、特に好ましくは1/1〜1/1.5である。油性成分の重量比率が大きいと、広い温度範囲での油性成分の可溶化が困難になるおそれがある。一方、油性成分の重量比率が小さいと、得られる可溶化組成物に期待される本質的物性が発現せず、商品価値が低下するため好ましくない。たとえば、可溶化組成物が芳香剤の場合には香気不足の問題が生じるおそれがあり、また、ローションの場合には皮膚刺激などの安全性の観点から好ましくない。さらに、得られる可溶化組成物が芳香剤の場合は、水や香料等の揮発性物質が揮発した後に、容器内に非イオン性界面活性剤(A)およびアニオン性界面活性剤(B)が残存するが、油性成分が少ないと使用後の外観が劣り、商品価値の低下を招くことがある。
本発明の可溶化組成物において、得られる可溶化組成物全体に占める油性成分の配合率について限定はないが、好ましくは0.5〜5重量%、さらに好ましくは0.8〜4重量%、である。油性成分が多いと、上記非特許文献1の43〜51ページに記載されているように、非イオン性界面活性剤(A)およびアニオン性界面活性剤(B)によって可溶化されるものの、可溶化機構が異なるために非イオン性界面活性剤(A)およびアニオン性界面活性剤(B)を使用しても効果が低くなるおそれがある。一方、油性成分が少ないと、可溶化組成物に期待される本質的物性が発現せず、商品価値が低下するため好ましくない。
本発明の可溶化組成物は、油性成分、水、非イオン性界面活性剤(A)およびアニオン性界面活性剤(B)以外の成分を、その物性を損なわない範囲で含有してもよい。上記成分としては、たとえば、アルキレングリコール、エタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等の水溶性溶剤や、ゲル化防止剤、ハイドロトロープ剤、水溶性溶剤、抗菌剤、防腐剤、色素、染料、ゲル化剤、吸水性樹脂、消泡剤、粘度調整剤、増粘剤、保湿剤、その他の界面活性剤等を挙げることができる。これらの成分は1種または2種以上を併用してもよい。
本発明の可溶化組成物は、たとえば、芳香剤、ローション、忌避剤、殺虫剤、誘引剤、農薬、防虫剤、消臭剤、クレンジング料、洗浄剤等の商品として使用される。
本発明の可溶化組成物の製造方法は、非イオン性界面活性剤(A)、油性成分および水を必須成分として混合し、アニオン性界面活性剤(B)をさらに混合することがあり、油性成分を水に可溶化させる可溶化工程を含む製造方法である。ここで、これら各成分の配合順序は特に限定されない。
可溶化組成物の製造方法においては、前記可溶化工程前に、非イオン性界面活性剤(A)を必須成分として含み、アニオン性界面活性剤(B)をさらに含むことがある可溶化剤を予め調製する準備工程を行い、得られた可溶化剤を用いて可溶化工程を実施してもよい。また、可溶化組成物の製造方法においては、上記で詳しく説明した可溶化剤を用いて可溶化工程を実施してもよい。
可溶化組成物の状態については特に限定はなく、液状でもよく、ゲル化剤等で固めた固状でもよく、吸水性樹脂等に吸収させた状態でもよい。特に後二者は、製品外観に付加価値を付与する場合、液状で流出するおそれがある場合、液状での流出が好ましくない場合等に行うことが多い。
以下に、本発明を実施例および比較例を示して具体的に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(可溶化剤の調製)
[実施例1〜6]
各実施例において、表1に示すように界面活性剤をそれぞれ所定量準備した。非イオン性界面活性剤(A)を60℃で混合、攪拌しながら、アニオン性界面活性剤(B)を徐々に加えることにより、各可溶化剤を調製した。表1には(a1)/(a2)比および(A)/(B)比を併記した。
[比較例1〜3]
各比較例において、表2に示すように界面活性剤をそれぞれ所定量準備し、実施例1〜6と同様に、各可溶化剤を調製した。表2には(a1)/(a2)比および(A)/(B)比を併記した。
(可溶化組成物の調製と評価)
[実施例7〜35]
各実施例において、表3〜8に示すように可溶化剤、油性成分、添加剤、水をそれぞれ所定量準備した。40℃に加温した状態の可溶化剤に水溶性溶剤および油性成分を加熱せずに添加混合した。得られた混合物を攪拌しながら水および添加剤を徐々に加えて、各可溶化組成物を調製した。なお、吸水性樹脂については油性成分の可溶化後に添加した。
得られた可溶化組成物の外観評価は、−5℃、室温、50℃のそれぞれの温度で1週間保存後に、下記の評価基準(○〜×)に基づいて行った。その結果を各表に併記した。
○:透明
△:僅かに白いが透明性を有する
×:白濁
[実施例36]
3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(1.5重量部)、POE(9)第2級アルキル(C12〜14)エーテル(0.825重量部)、POE(60)硬化ひまし油(0.525重量部)、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液(濃度70重量%、0.15重量部)を、この順に40℃で攪拌しながら混合し、室温まで冷却した。次いで、得られた混合物にレモン香料(1.5重量部)を添加、混合し、攪拌を続けながら、水をさらに加えて、組成物を得た。ここで、添加した水の量は組成物の全量が100重量部となるように調整した。得られた組成物を3つに小分けし、それぞれを50℃、20℃、−5℃で1週間の保存後、外観を評価したところ、いずれも透明であった。
この組成物は実施例7の組成物と同一の組成であり、しかも、同じ評価結果を示すことから、組成物を調製する手順にかかわらず、良好な物性の可溶化組成物が得られることが明らかになった。
表3〜8で明らかなように、実施例1〜6の各可溶化剤は、それぞれ多種の油性成分を広い温度範囲にわたって可溶化できた。
また、実施例7について、分光光度計(日本分光株式会社製・V−550)に温度調節機構を取り付けて、25〜50℃の範囲にわたって、光路長1cmの石英セルを用いて600nmの波長で透過率を測定したところ、99〜100%Tの範囲であった。すなわち、この温度範囲でほぼ完全に光が透過し、可溶化できていることを意味している。なお、25℃より低い温度では測定機器が結露するため透過率を測定できなかったが、25〜50℃の範囲と同等の透明感があった。また、他の実施例についても、−5℃、室温、50℃のいずれの温度でも1週間保存後に評価した場合、実施例7と同等の透明感があった。なお、実施例7〜11、18〜25、31〜34で得られた組成物は、いずれも、そのまま芳香剤として使用できた。
[比較例4〜6]
各比較例において、表9に示すように可溶化剤、油性成分、添加剤、水をそれぞれ所定量準備した。次に、実施例7〜35と同様に、各可溶化剤を調製し、評価した。
Figure 2006320883
1)表1の成分名で、「POE」は「ポリオキシエチレン」を、「POP」は「ポリオキシプロピレン」を表す。以下の表についても同様。
2)表1の成分名で、括弧内に示した数字は、その直前が「POE」であればエチレンオキサイドの平均重合度を示し、その直前が「POP」であればプロピレンオキサイドの平均重合度を示す。また、括弧内に示したCと数字は、その直前のアルキル基を構成する炭素の数を示す。以下の表についても同様。
Figure 2006320883
Figure 2006320883
Figure 2006320883
Figure 2006320883
Figure 2006320883
Figure 2006320883
Figure 2006320883
Figure 2006320883

Claims (9)

  1. 非イオン性界面活性剤(A)を必須成分として含み、アニオン性界面活性剤(B)をさらに含むことがある可溶化剤であって、
    前記非イオン性界面活性剤(A)がポリオキシアルキレンエーテル類(a1)およびポリオキシアルキレンひまし油類(a2)からなり、前記ポリオキシアルキレンエーテル類(a1)が下記一般式(1)で示され、その1重量%水溶液の曇点が20℃以上であり、前記ポリオキシアルキレンひまし油類(a2)は1重量%水溶液の曇点が20℃以上であり、それぞれの重量比率(a1)/(a2)が30/70〜70/30の範囲にあり、
    前記アニオン性界面活性剤(B)が硫酸エステル型界面活性剤および/またはスルホン酸型界面活性剤であり、
    非イオン性界面活性剤(A)とアニオン性界面活性剤(B)との重量比率(A)/(B)が70/30〜100/0の範囲にある、
    可溶化剤。
    R−O−{(EO)(PO)}−H (1)
    (但し、Rはアルキル基およびアルケニル基から選ばれた少なくとも1種の炭化水素基であり、炭素数8〜16の炭化水素基が炭化水素基R全体に占める割合が90重量%以上であり、EOはエチレンオキサイド単位を示し、POはプロピレンオキサイド単位を示し、m、lはそれぞれエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドの平均重合度を表し、mは0〜5を満たし、l+mは7〜25を満たす。)
  2. 非イオン性界面活性剤(A)、油性成分および水を必須成分として含み、アニオン性界面活性剤(B)をさらに含有することがある組成物であって、
    油性成分が非イオン性界面活性剤(A)およびアニオン性界面活性剤(B)によって水に可溶化された状態にあり、
    前記非イオン性界面活性剤(A)がポリオキシアルキレンエーテル類(a1)およびポリオキシアルキレンひまし油類(a2)からなり、前記ポリオキシアルキレンエーテル類(a1)が下記一般式(1)で示され、その1重量%水溶液の曇点が20℃以上であり、前記ポリオキシアルキレンひまし油類(a2)は1重量%水溶液の曇点が20℃以上であり、それぞれの重量比率(a1)/(a2)が30/70〜70/30の範囲にあり、
    前記アニオン性界面活性剤(B)が硫酸エステル型界面活性剤および/またはスルホン酸型界面活性剤であり、
    非イオン性界面活性剤(A)とアニオン性界面活性剤(B)との重量比率(A)/(B)が70/30〜100/0の範囲にある、
    可溶化組成物。
    R−O−{(EO)(PO)}−H (1)
    (但し、Rはアルキル基およびアルケニル基から選ばれた少なくとも1種の炭化水素基であり、炭素数8〜16の炭化水素基が炭化水素基R全体に占める割合が90重量%以上であり、EOはエチレンオキサイド単位を示し、POはプロピレンオキサイド単位を示し、m、lはそれぞれエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドの平均重合度を表し、mは0〜5を満たし、l+mは7〜25を満たす。)
  3. 油性成分と、非イオン性界面活性剤(A)およびアニオン性界面活性剤(B)の合計との重量比率が1/0.7〜1/3であり、可溶化組成物全体に占める油性成分の配合率が0.5〜5重量%である、請求項2記載の可溶化組成物。
  4. 芳香剤である、請求項2または3記載の可溶化組成物。
  5. 非イオン性界面活性剤(A)、油性成分および水を必須成分として混合し、アニオン性界面活性剤(B)をさらに混合することがあり、油性成分を水に可溶化させる可溶化工程を含む、可溶化組成物の製造方法であって、
    前記非イオン性界面活性剤(A)がポリオキシアルキレンエーテル類(a1)およびポリオキシアルキレンひまし油類(a2)からなり、前記ポリオキシアルキレンエーテル類(a1)が下記一般式(1)で示され、その1重量%水溶液の曇点が20℃以上であり、前記ポリオキシアルキレンひまし油類(a2)は1重量%水溶液の曇点が20℃以上であり、それぞれの重量比率(a1)/(a2)が30/70〜70/30の範囲にあり、
    前記アニオン性界面活性剤(B)が硫酸エステル型界面活性剤および/またはスルホン酸型界面活性剤であり、
    非イオン性界面活性剤(A)とアニオン性界面活性剤(B)との重量比率(A)/(B)が70/30〜100/0の範囲にある、
    可溶化組成物の製造方法。
    R−O−{(EO)(PO)}−H (1)
    (但し、Rはアルキル基およびアルケニル基から選ばれた少なくとも1種の炭化水素基であり、炭素数8〜16の炭化水素基が炭化水素基R全体に占める割合が90重量%以上であり、EOはエチレンオキサイド単位を示し、POはプロピレンオキサイド単位を示し、m、lはそれぞれエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドの平均重合度を表し、mは0〜5を満たし、l+mは7〜25を満たす。)
  6. 前記非イオン性界面活性剤(A)を必須成分として含み、前記アニオン性界面活性剤(B)をさらに含むことがある可溶化剤を予め調製する準備工程を前記可溶化工程前にさらに含み、前記可溶化剤を用いて前記可溶化工程を実施する、請求項5に記載の可溶化組成物の製造方法。
  7. 請求項1に記載の可溶化剤を用いて前記可溶化工程を実施する、請求項5に記載の可溶化組成物の製造方法。
  8. 油性成分と可溶化剤との重量比率が1/0.7〜1/3であり、可溶化組成物全体に占める油性成分の配合率が0.5〜5重量%である、請求項6または7記載の可溶化組成物の製造方法。
  9. 前記可溶化組成物が芳香剤である、請求項5〜9までのいずれかに記載の可溶化組成物の製造方法。
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