JP2006320368A - 内視鏡システム - Google Patents
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Abstract
【課題】内視鏡装置が使用可能か否か告知可能な小型で低廉な内視鏡システムを提供する。
【解決手段】内視鏡装置26と告知装置34とを有する内視鏡システム10。内視鏡装置26は、撮像素子28に熱的に接続され、形状記憶合金によって形成され、その温度が所定の温度以上であるか否かに応じて変形されて検知部材86又はGND部材54との接触状態と離間状態との間で切り替えられて検知部材86とGND部材54とを電気的に接続あるいは遮断するスイッチ部材84を有する。告知装置34は、検知部材86とGND部材54とに電気的に接続され、検知部材86とGND部材54とが同電位であるか否かを検知する検知回路92と、検知回路92による検知に応じて少なくともスイッチ部材84が所定の温度以上であることを告知する告知手段と、を有する。
【選択図】図2
【解決手段】内視鏡装置26と告知装置34とを有する内視鏡システム10。内視鏡装置26は、撮像素子28に熱的に接続され、形状記憶合金によって形成され、その温度が所定の温度以上であるか否かに応じて変形されて検知部材86又はGND部材54との接触状態と離間状態との間で切り替えられて検知部材86とGND部材54とを電気的に接続あるいは遮断するスイッチ部材84を有する。告知装置34は、検知部材86とGND部材54とに電気的に接続され、検知部材86とGND部材54とが同電位であるか否かを検知する検知回路92と、検知回路92による検知に応じて少なくともスイッチ部材84が所定の温度以上であることを告知する告知手段と、を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、撮像素子によって内視鏡画像を撮像する内視鏡装置を有する内視鏡システムに関する。
従来、撮像素子によって内視鏡像を撮像する内視鏡装置が用いられている。このような内視鏡装置は、使用後に洗滌、消毒、滅菌等を施されるが、例えば高温高圧蒸気を用いるオートクレーブ滅菌のように、内視鏡装置が高温環境下に曝される場合がある。このような高温環境に対応可能なように、耐熱性が向上されている内視鏡装置が開発されている。
一方で、撮像素子を有する内視鏡装置では、主に撮像素子及びその駆動回路の温度特性に基づき、使用環境温度は約40℃に設定されている。撮像素子等の温度が使用環境温度以上である場合に内視鏡装置を使用すると、表示手段に内視鏡画像が表示されない、内視鏡画像にノイズが生じるといった不具合を招来する。このため、内視鏡装置がオートクレーブ滅菌等により高温環境下に曝されて高温になった場合には、内視鏡装置を冷却して、撮像素子等の温度が使用環境温度以下まで低下してから内視鏡を使用する必要がある。
ここで、特許文献1には、撮像素子等の温度が耐熱温度以上となった場合にこれを警告する電子内視鏡装置が開示されている。即ち、この電子内視鏡装置は、観察光学系の結像位置に配設されている撮像素子によって内視鏡像を撮像する電子式内視鏡を有する。この電子式内視鏡は、撮像素子で撮像された内視鏡像を信号処理を行って表示手段に表示させるプロセッサに接続されている。そして、撮像素子の近傍には温度センサが配設されており、この温度センサは、プロセッサに内蔵されている比較器に測定温度データを出力する。また、プロセッサには、撮像素子の耐熱温度データを保持しているデータ保持手段が内蔵されており、このデータ保持手段は、比較器に耐熱温度データを出力する。比較器は、測定温度を耐熱温度と比較し、測定温度が耐熱温度よりも高い場合には告知信号を発し、この告知信号に基づいてランプを点滅させる等の警告が行われる。
特開平1−284226号公報
特許文献1の電子内視鏡装置を転用して、撮像素子等の温度が使用環境温度以上である場合にこれを告知する内視鏡システムを構成することが可能である。しかしながら、撮像素子を有する内視鏡装置内に温度センサを配設すると、内視鏡装置が大型化してしまい、また、データ保持手段や比較器が必要であるため、内視鏡システムが大型化すると共に高価になってしまう。
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、内視鏡装置が使用可能か否か告知可能な小型で低廉な内視鏡システムを提供することである。
請求項1の発明は、内視鏡像を撮像する撮像素子、検知部材、接地されるGND部材、及び、前記撮像素子に熱的に接続され、形状記憶合金によって形成され、その温度が所定の温度以上であるか否かに応じて変形されて前記検知部材又は前記GND部材との接触状態と離間状態との間で切り替えられて前記検知部材と前記GND部材とを電気的に接続あるいは遮断するスイッチ部材、を有する内視鏡装置と、前記検知部材と前記GND部材とに電気的に接続され、前記検知部材と前記GND部材とが同電位であるか否かを検知する検知回路、及び、前記検知回路による検知に応じて少なくとも前記スイッチ部材が所定の温度以上であることを告知する告知手段、を有する告知装置と、を具備することを特徴とする内視鏡システムである。
そして、本請求項1の発明では、スイッチ部材の温度が所定の温度以上である場合には、スイッチ部材は変形されて検知部材又はGND部材との接触状態あるいは離間状態に切り替えられて、検知部材とGND部材とが電気的に接続あるいは遮断されて同電位となりあるいは同電位ではなくなり、検知回路によって、検知部材とGND部材とが同電位であるあるいは同電位でないと検知されて、告知手段によって、スイッチ部材が所定の温度以上であることが告知される。
本発明によれば、内視鏡装置が使用可能かどうか告知可能な内視鏡システムにおいて、内視鏡システムの小型化及び低廉化が可能となっている。
以下、本発明の第1実施形態を図1乃至図3Bを参照して説明する。図1は、本実施形態の内視鏡システム10の全体の概略構成を示す。この内視鏡システム10は光学式内視鏡12を有し、この内視鏡12は体腔内に挿入される細長い挿入部14を有する。この挿入部14の基端部の外周面には口金16が突設されており、この口金16にはライトガイドケーブル18の一端部が接続されている。このライトガイドケーブル18の他端部には光源コネクタ20が配設されており、この光源コネクタ20は光源装置22に着脱自在に接続されている。
この光源装置22には白色発光するランプが内蔵されており、このランプの光は、光源コネクタ20を介して、ライトガイドケーブル18に挿通されている第1のライトガイドの一端面に入射される。この第1のライトガイドにおいて導光された光は、口金16を介して、内視鏡12に挿通されている第2のライトガイドの一端面に入射される。第2のライトガイドの他端面は、内視鏡12の挿入部14の先端部に配設されている照明窓の後端面に接続されている。この第2のライトガイドを導光された光は、照明窓から出射されて観察対象を照明する。
そして、内視鏡12の挿入部14の先端部には、内視鏡像を結像するための対物レンズが配設されている。対物レンズによって結像された内視鏡像は、挿入部14内で並設されているリレー光学系によって、挿入部14の基端部に連結されている接眼部24の接眼レンズまで伝達される。この接眼レンズを介して、内視鏡像が観察可能である。
さらに、内視鏡12の接眼部24には、内視鏡装置としての内視鏡用撮像装置26が着脱自在に接続されている。この内視鏡用撮像装置26は、接眼レンズを介して内視鏡像を撮像するCCD等の固体撮像素子28を有する。また、内視鏡用撮像装置26からカメラケーブル30が延出されており、このカメラケーブル30の延出端部にはプラグ32が配設されている。このプラグ32はプロセッサ34のレセプタクル36に着脱自在に接続されており、このプロセッサ34はモニタ38に接続されている。そして、プロセッサ34は、固体撮像素子28を駆動するための駆動信号を出力すると共に、固体撮像素子28から入力された映像信号を信号処理して内視鏡像をモニタ38に表示させる。
図2を参照して、本実施形態の内視鏡システム10を詳細に説明する。本実施形態の内視鏡用撮像装置26は、略円筒状の外装40を有する。この外装40の外周面には、プロセッサを遠隔操作して内視鏡用撮像装置26を作動させるためのリモートスイッチが配設されている。また、外装40の先端部には、内視鏡12の接眼部24が着脱自在に装着されるスコープマウント42が形成されている。
そして、外装40の内部には、その内部を気密に保持する気密ユニット44が収容されている。この気密ユニット44は、外装40と略共軸に配置されている略円筒状の気密ユニット本体46を有する。この気密ユニット本体46の先端部は、外装40の先端壁に形成されている貫通孔に嵌合固定されている。そして、気密ユニット44の先端壁に形成されている貫通孔に気密に嵌合固定されているカバーガラス48が、スコープマウント42に装着されている接眼部24の接眼レンズに対面している。
気密ユニット本体46内において、内視鏡像を結像するための結像レンズ50群がカバーガラス48の後端側に配設されている。これら結像レンズ50は、気密ユニット本体46に内嵌されている略円筒状のレンズ枠52に内嵌され固定されている。
結像レンズ50群の後端側に、結像された内視鏡像を撮像するための固体撮像素子28が配設されている。この固体撮像素子28は、気密ユニット本体46に共軸に内嵌されている略円環板状の撮像素子保持部材としての固体撮像素子枠54に内嵌され固定されている。この固体撮像素子枠54の後端側には、略円環状の固定部材56が配設されている。この固定部材56の外周面には雄ねじが形成されており、この雄ねじに対応して気密ユニット本体46の内周面に雌ねじが形成されている。そして、気密ユニット44に対して固定部材56を先端側へと捻じ込むことにより、固体撮像素子枠54が、固体撮像素子枠54の先端面の外縁部の先端側に配置されている気密ユニット44の段差部と、固定部材56の先端面の外縁部とによって挟持されて固定されている。また、固体撮像素子28の後端面には、固体撮像素子28に信号を入出力するための複数の入出力ピン58が突設されている。
一方、気密ユニット本体46の後端部には、ハーメチックコネクタ60が配設されている。このハーメチックコネクタ60は、気密ユニット本体46の後端開口部に覆設されているハーメチックコネクタ本体62を有する。気密ユニット本体46とハーメチックコネクタ本体62とは、半田等によって気密に接合されている。また、ハーメチックコネクタ本体62には、接点ピン66が貫通されており、ハーメチックコネクタ本体62と接点ピン66とは、ガラス等によって気密に接合され、互いに絶縁されている。
固体撮像素子28の入出力ピン58は、接続パターンを有するフレキシブル基板68等の信号伝達手段によって、接点ピン66の内端部と電気的に接続されている。そして、各接点ピン66の外端部から芯線が延出されており、これら芯線は、信号を送受信する信号用芯線70と、接地されるGND線72とによって構成されている。
これら信号用芯線70及びGND線72は、上述したカメラケーブル30に挿通されている。即ち、カメラケーブル30は、チューブ状の総合シールドが内挿されているチューブ状の外皮を有する。これら外皮74及び総合シールド76は、内視鏡用撮像装置26の外装40の後端部に形成されている貫通孔から外装40内に挿入されている。
ここで、外皮74及び総合シールド76の挿入端部において、総合シールド76は、外皮74から延出されて、外皮74を覆うように折り返されている。そして、外皮74に被覆されている総合シールド76にクランプ部材78が外嵌され、クランプ部材78によって総合シールド76と外皮74とが固定されている。
外皮74及び総合シールド76の挿入端部は、連結管80を介して気密ユニット44の後端部に連結されている。即ち、外皮74及び総合シールド76の挿入端部のクランプ部材78は、連結管80の後端部にビス82によって固定されている。そして、連結管80の先端部の内周面には雌ねじが形成され、気密ユニット44のハーメチックコネクタ本体62の外周面には対応する雄ねじが形成され、連結管80がハーメチックコネクタ60に螺着されている。
そして、信号用芯線70及びGND線72は、外皮74及び総合シールド76の挿入端部開口に挿入され、外皮74及び総合シールド76内を挿通されて、カメラケーブル30の延出端部のプラグ32に接続されている。
信号用芯線70は、カメラケーブル30のプラグ32及びプロセッサ34のレセプタクル36を介して、プロセッサ34に内蔵されている駆動回路あるいは信号処理回路に接続されている。この駆動回路は、固体撮像素子28を駆動する駆動信号を固体撮像素子28へと出力し、信号処理回路は、固体撮像素子28からの画像信号を信号処理してモニタ38(図1参照)に内視鏡像を表示させる。また、総合シールド76とGND線72とは、プラグ32及びレセプタクル36を介して、プロセッサにおいて互いに電気的に接続され、接地されている。
ここで、総合シールド76、クランプ部材78、ビス82、連結管80、ハーメチックコネクタ本体62、気密ユニット本体46、及び、固体撮像素子枠54は、順に連結されており、全て金属製であって互いに電気的に接続されている。上述したように、総合シールド76はGND線72と電気的に接続されており、GND線72と固体撮像素子枠54とは同電位(GND)となっている。
固体撮像素子枠54の後端面には、スイッチ部材としての第1の接点84が半田接合等によって連結されている。この第1の接点84は、固体撮像素子枠54と電気的に接続され、同電位(GND)となっている。また、第1の接点84は、固体撮像素子枠54を介して固体撮像素子28と熱的に接続されている。
第1の接点84は、その温度に応じて、検知部材としての第2の接点86との接触状態と離間状態との間で切り替えられて、第2の接点86と電気的に接続あるいは遮断される。即ち、第1の接点84は形状記憶合金で形成されており、第1の接点84の温度が固体撮像素子28の使用環境温度(例えば、40℃)以上である場合には、第1の接点84は、図3Aに示されるように、第2の接点86と接触して電気的に接続される。一方、第1の接点84の温度が固体撮像素子28の使用環境温度未満である場合には、第1の接点84は、図3Bに示されるように、第2の接点86から離間されて電気的に遮断される。
再び図2を参照し、第2の接点86は、検知用接点ピン88の内端部に連結されている。この検知用接点ピン88は、他の接点ピン66と同様に、ハーメチックコネクタ本体62に貫通されており、ハーメチックコネクタ本体62と検知用接点ピン88とは、ガラス等によって気密に接合され、互いに絶縁されている。検知用接点ピン88の外端部から検知用芯線90が延出されており、この検知用芯線90は、信号用芯線70及びGND線72と同様に、カメラケーブル30内を挿通されている。
カメラケーブル30を挿通されている検知用芯線90とGND線72とは、プラグ32及びレセプタクル36を介して、告知装置としてのプロセッサ34に内蔵されている検知回路92に電気的に接続されている。この検知回路92は、検知用芯線90とGND線72とが同電位であるか否か検知する。
ここで、固体撮像素子28の温度が使用環境温度以上である場合には、第1の接点84の温度も使用環境温度以上であって第2の接点86と接触しており、第1の接点84と第2の接点86とが電気的に接続されている。このため、GND線72と同電位(GND)である固体撮像素子枠54、第1の接点84、第2の接点86、検知用接点ピン88、及び、検知用芯線90が電気的に接続されており、GND線72と検知用芯線90とが同電位(GND)となっている。このように、固体撮像素子28が使用環境温度以上である場合には、GND線72と検知用芯線90とが同電位(GND)となっている。換言すれば、GND線72と検知用芯線90とが同電位(GND)である場合には、固体撮像素子28の温度が使用環境温度以上であり、内視鏡用撮像装置26は使用不可能である。
一方、固体撮像素子28の温度が使用環境温度未満である場合には、第1の接点84の温度も使用環境温度未満であって第2の接点86から離間しており、第1の接点84と第2の接点86とが電気的に遮断されている。このため、第1の接点84に電気的に接続されている固体撮像素子枠54と同電位であるGND線72と、第2の接点86に検知用接点ピン88を介して電気的に接続されている検知用芯線90とは相異なる電位となっている。このように、固体撮像素子28が使用環境温度未満である場合には、GND線72と検知用芯線90とが相異なる電位となっている。換言すれば、GND線72と検知用芯線90とが相異なる電位である場合には、固体撮像素子28の温度が使用環境温度未満であり、内視鏡用撮像装置26は使用可能である。
検知用芯線90とGND線72とが同電位である場合に内視鏡用撮像装置26を作動させようとした場合には、検知回路92は、内視鏡12が使用不可能であることを告知する。告知方法としては、モニタ38(図1)に警告を表示する、LED等を点灯させる、警報ブザーを発音する等の方法を用いることが可能である。
次に、本実施形態の内視鏡装置26の作用について説明する。内視鏡用撮像装置26をオートクレーブ滅菌等により高温環境下に曝すと、内視鏡用撮像装置26が固体撮像素子28の使用環境温度以上に加熱される。この結果、固体撮像素子28の温度が使用環境温度以上となり、第1の接点84の温度も使用環境温度以上となって、第1の接点84が変形して第2の接点86に接触し、第2の接点86と電気的に接続される。そして、GND線72と同電位(GND)である固体撮像素子枠54、第1の接点84、第2の接点86、検知用接点ピン88、及び、検知用芯線90が互いに電気的に接続され、GND線72と検知用芯線90とが同電位(GND)となる。
オートクレーブ滅菌等が終了したら、内視鏡用撮像装置26を冷却する。冷却が不充分であり、固体撮像素子28が使用環境温度以上である場合に内視鏡用撮像装置26を作動させようとすると、検知回路92は、GND線72と検知用芯線90とが同電位(GND)であることを検知し、モニタ38に警告を表示する等により、内視鏡用撮像装置26が使用不可能であることを告知する。
内視鏡用撮像装置26を充分に冷却すると、固体撮像素子28の温度が使用環境温度未満まで冷却され、第1の接点84の温度も使用環境温度未満まで冷却されて、第1の接点84が変形して第2の接点86から離間され、第1の接点84と第2の接点86とは電気的に遮断される。この結果、第1の接点84に電気的に接続されている固体撮像素子枠54と同電位であるGND線72と、第2の接点86と検知用接点ピン88を介して電気的に接続されている検知用芯線90とは相異なる電位となる。
冷却が充分であり、固体撮像素子28が使用環境温度未満である場合には、検知回路92はGND線72と検知用芯線90とが相異なる電位であることを検知し、内視鏡用撮像装置26を作動させることが可能である。内視鏡用撮像装置26を作動させると、プロセッサ34の駆動回路によって撮像素子28が駆動され、接眼レンズまで伝達された内視鏡像が撮像素子28によって撮像される。そして、撮像素子28からプロセッサ34の信号処理回路へと映像信号が出力され、信号処理回路は、映像信号を信号処理してモニタ38に内視鏡像を表示させる。このようにして表示された内視鏡像を観察して、患部の診断、処置等を行う。
従って、本実施形態の内視鏡システム10は次の効果を奏する。固体撮像素子28の温度が使用環境温度以上である場合には、内視鏡用撮像装置26が使用不可能である。本実施形態では、固体撮像素子28の温度が使用環境温度以上であって、第1の接点84の温度が固体撮像素子28の使用環境温度以上である場合には、第1の接点84は変形されて第2の接点86との接触状態に切り替えられて、第1の接点84に固体撮像素子枠54を介して電気的に接続されているGND線72と、第2の接点86に電気的に接続されている検知用芯線90とが、電気的に接続されて同電位となっている。そして、検知回路92によって、検知用芯線90とGND線72とが同電位であると検知されている場合には、告知手段によって内視鏡用撮像装置26が使用不可能であることが告知されている。このように、本実施形態では、内視鏡用撮像装置26が使用不可能であるか否かを告知するために、第1の接点84及び検知回路92という簡単な構成を用いているため、内視鏡システム10の小型化及び低廉化が可能となっている。
以下、本発明の第1実施形態の変形例を説明する。第1実施形態と同様な機能を有する構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、第1の接点84の温度が固体撮像素子28の使用環境温度以上である場合には、第1の接点84は第2の接点86との離間状態(図3B参照)に切り替わり、GND線72と検知用芯線90とが相異なる電位となる。一方、第1の接点84の温度が固体撮像素子28の使用環境温度未満である場合には、第1の接点84は第2の接点86との接触状態(図3A参照)に切り替わり、GND線72と検知用芯線90とが同電位(GND)となる。そして、検知用芯線90とGND線72とが相異なる電位である場合に内視鏡用撮像装置26を作動させようとした場合には、検知回路92は、内視鏡12が使用不可能であることを告知する。
図4A及び図4Bは、本発明の第2実施形態を示す。第1実施形態と同様な機能を有する構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。
図4A及び図4Bに示されるように、本実施形態では、撮像用の複数の入出力ピン58、接点ピン66及び信号用芯線70の内の1組の入出力ピン94、接点ピン96及び信号用芯線98を、内視鏡用撮像装置26が使用可能か否か判断するために兼用している、即ち、第1の接点84は、固体撮像素子28の兼用入出力ピン94に半田接合等により連結されている。この兼用入出力ピン94は、フレキシブル基板68、兼用接点ピン96、及び、兼用信号用芯線98を介して、プロセッサ34(図1参照)の駆動回路あるいは信号処理回路、及び、検知回路92に電気的に接続されている。検知回路92は、信号用芯線98とGND線72とが同電位であるか否か検知する。
また、第1の接点84は、入出力ピン94を介して固体撮像素子28と熱的に接続されている。そして、第1の接点84は、その温度に応じて、固体撮像素子枠54との接触状態と離間状態との間で切り替えられて、固体撮像素子枠54と電気的に接続あるいは遮断される。
即ち、第1の接点84の温度が固体撮像素子28の使用環境温度以上である場合には、第1の接点84は、図4Aに示されるように、固体撮像素子枠54と接触して電気的に接続されている。このため、GND線72と同電位(GND)である固体撮像素子枠54、第1の接点84、兼用入出力ピン94、兼用接点ピン96、及び、兼用信号用芯線98が電気的に接続されており、GND線72と兼用信号用芯線98とが同電位(GND)となっている。
一方、第1の接点84の温度が固体撮像素子28の使用環境温度未満である場合には、第1の接点84は、図4Bに示されるように、固体撮像素子枠54から離間されて電気的に遮断される。このため、固体撮像素子枠54と同電位であるGND線72と、第1の接点84に兼用入出力ピン94を介して電気的に接続されている兼用信号用芯線98とは相異なる電位となっている。
第1実施形態と同様に、兼用信号用芯線98とGND線72とが同電位である場合に内視鏡用撮像装置26を作動させようとした場合には、内視鏡用撮像装置26が使用不可能であることが告知される。
次に、本実施形態の内視鏡システム10の作用について説明する。内視鏡用撮像装置26が固体撮像素子28の使用環境温度以上に加熱されると、第1の接点84の温度も使用環境温度以上となって、第1の接点84が変形して固体撮像素子枠54に接触し、固体撮像素子枠54と電気的に接続される。そして、GND線72と同電位(GND)である固体撮像素子枠54、第1の接点84、兼用入出力ピン94、兼用接点ピン96、及び、兼用信号用芯線98が電気的に接続され、GND線72と兼用信号用芯線98とが同電位(GND)となる。
内視鏡用撮像装置26の冷却が不充分であり、固体撮像素子28が使用環境温度以上である場合に内視鏡用撮像装置26を作動させようとすると、検知回路92は、GND線72と兼用信号用芯線98とが同電位(GND)であることを検知し、内視鏡用撮像装置26が使用不可能であることが告知される。
内視鏡用撮像装置26を充分に冷却すると、第1の接点84の温度が使用環境温度未満まで冷却されて、第1の接点84が変形して固体撮像素子枠54から離間され、第1の接点84と固体撮像素子枠54とは電気的に遮断される。この結果、固体撮像素子枠54と同電位であるGND線72と、第1の接点84に兼用入出力ピン94を介して電気的に接続されている兼用信号用芯線98とは相異なる電位となる。
冷却が充分であり、固体撮像素子28が使用環境温度未満である場合には、内視鏡用撮像装置26を作動させることが可能である。内視鏡用撮像装置26を作動させてモニタ38に内視鏡像を表示させる際には、兼用入出力ピン94、兼用接点ピン96、及び、兼用信号用芯線98によっても、固体撮像素子28と、プロセッサ34の駆動回路あるいは信号処理回路との間で信号の送受信が行われる。
従って、本実施形態の内視鏡システム10は次の効果を奏する。本実施形態では、内視鏡像の撮像に用いられる入出力ピン94、接点ピン96及び信号用芯線98を、兼用入出力ピン94、兼用接点ピン96及び兼用信号用芯線98として、内視鏡用撮像装置26が使用可能か否かを告知するために兼用している。このため、内視鏡用撮像装置26の構成が簡単化され、内視鏡用撮像装置26の小型化、低廉化が可能となっている。
内視鏡システムに用いる内視鏡装置は、上述した内視鏡用撮像装置に限定されるものではなく、撮像素子によって内視鏡像を撮像するあらゆる内視鏡装置を用いることが可能である。例えば、結像機能を有する光学アダプタと、撮像機能を有する撮像部とに別体化された内視鏡用撮像装置を用いてもよいし、上記実施形態の光学式内視鏡と内視鏡用撮像装置とが一体化された電子式内視鏡を用いてもよい。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1)高圧蒸気滅菌可能な電子内視鏡、または内視鏡用撮像装置(まとめて内視鏡装置)と、この内視鏡装置で撮像した内視鏡像をモニタなどの表示手段に表示できるように信号処理をするプロセッサと、前記内視鏡装置内の固体撮像素子またはその近傍に設けられたスイッチ手段と、このスイッチ手段に常時電気的に接続されている検知用ケーブルと、前記プロセッサに内蔵され、前記検知用ケーブルとGNDが同電位であるか否かを検知する検知回路と、この検知回路の検知結果に応じて、スイッチ手段が所定温度以上であることを告知する告知手段とを有する内視鏡システムにおいて、スイッチ手段は形状記憶合金からなり、このスイッチ手段が所定温度以上であるか否かに応じてGNDとの電気的な接続がオン・オフされることを特徴とする内視鏡システム。
記
(付記項1)高圧蒸気滅菌可能な電子内視鏡、または内視鏡用撮像装置(まとめて内視鏡装置)と、この内視鏡装置で撮像した内視鏡像をモニタなどの表示手段に表示できるように信号処理をするプロセッサと、前記内視鏡装置内の固体撮像素子またはその近傍に設けられたスイッチ手段と、このスイッチ手段に常時電気的に接続されている検知用ケーブルと、前記プロセッサに内蔵され、前記検知用ケーブルとGNDが同電位であるか否かを検知する検知回路と、この検知回路の検知結果に応じて、スイッチ手段が所定温度以上であることを告知する告知手段とを有する内視鏡システムにおいて、スイッチ手段は形状記憶合金からなり、このスイッチ手段が所定温度以上であるか否かに応じてGNDとの電気的な接続がオン・オフされることを特徴とする内視鏡システム。
(付記項2)前記スイッチ部材は、その温度が所定の温度以上である場合には前記検知部材又は前記GND部材と接触状態にあり前記検知部材と前記GND部材とを電気的に接続しており、前記告知手段は、前記検知回路が前記検知部材と前記GND部材とが同電位であると検知した場合に前記スイッチ部材が所定の温度以上であることを告知する、ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
そして、本付記項2の発明では、スイッチ部材の温度が所定の温度以上である場合には、スイッチ部材は変形されて検知部材又はGND部材との接触状態に切り替えられて、検知部材とGND部材とが電気的に接続されて同電位となり、検知回路によって、検知部材とGND部材とが同電位であると検知されて、告知手段によって、スイッチ部材が所定の温度以上であることが告知される。
(付記項3)前記スイッチ部材は、その温度が所定の温度以上である場合には前記検知部材又は前記GND部材と離間状態にあり前記検知部材と前記GND部材とを電気的に遮断しており、前記告知手段は、前記検知回路が前記検知部材と前記GND部材とが同電位でないと検知した場合に前記スイッチ部材が所定の温度以上であることを告知する、ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
そして、本付記項3の発明では、スイッチ部材の温度が所定の温度以上である場合には、スイッチ部材は変形されて検知部材又はGND部材との離間状態に切り替えられて、検知部材とGND部材とが電気的に遮断されて同電位ではなくなり、検知回路によって、検知部材とGND部材とが同電位でないと検知されて、告知手段によって、スイッチ部材が所定の温度以上であることが告知される。
(付記項4)前記内視鏡装置は、その外部から内部へと設けられ、外端部には前記検知回路が電気的に接続され、内端部には前記検知部材が連結されている接点ピンを有し、前記GND部材は、前記検知回路に電気的に接続され、前記撮像素子を保持する撮像素子保持部材を有し、前記スイッチ部材は、前記撮像素子保持部材に連結され、その温度が所定の温度以上であるか否かに応じて変形されて前記検知部材との接触状態と離間状態との間で切り替えられる、ことを特徴とする請求項1、並びに、付記項2及び3のいずれか1に記載の内視鏡システム。
そして、本付記項4の発明では、スイッチ部材が検知部材との接触状態に切り替えられることにより、撮像素子保持部材、スイッチ部材、検知部材、及び、接点ピンが電気的に接続されて同電位となる。
(付記項5)前記撮像素子は、前記撮像素子への信号の入出力を行い、前記検知部材を兼ねる入出力ピンを有し、前記内視鏡装置は、その内部から外部へと設けられ、内端部には前記入出力ピンが電気的に接続され、外端部には前記撮像素子と信号を送受信するプロセッサ及び前記検知回路が電気的に接続される接点ピンを有し、前記GND部材は、前記検知回路に電気的に接続され、前記撮像素子を保持する撮像素子保持部材を有し、前記スイッチ部材は、前記入出力ピンに連結され、その温度が所定の温度以上であるか否かに応じて変形されて前記撮像素子保持部材との接触状態と離間状態との間で切り替えられる、ことを特徴とする付記項2に記載の内視鏡システム。
そして、本付記項5の発明では、スイッチ部材の温度が所定の温度以上である場合には、スイッチ部材が撮像素子保持部材との接触状態に切り替えられることにより、撮像素子保持部材、スイッチ部材、入出力ピン、及び、接点ピンが電気的に接続されて同電位となり、スイッチ部材の温度が所定の温度未満である場合には、スイッチ部材が撮像素子保持部材との離間状態に切り替えられ、入出力ピン及び接点ピンを介して撮像素子とプロセッサとの間で信号が入出力される。
(付記項6)前記内視鏡装置は、光学式内視鏡の接眼部に装着されて光学式内視鏡の内視鏡像を撮像する内視鏡用撮像装置を有する、ことを特徴とする請求項1、並びに、付記項2乃至5のいずれか1に記載の内視鏡システム。
そして、本付記項6の発明では、内視鏡用撮像装置のスイッチ部材について、告知手段によってスイッチ部材が所定の温度以上であることが告知される。
(付記項7)前記内視鏡装置は、電子式内視鏡を有する、ことを特徴とする請求項1、並びに、付記項2乃至5のいずれか1に記載の内視鏡システム。
そして、本付記項7の発明では、電子式内視鏡のスイッチ部材について、告知手段によってスイッチ部材が所定の温度以上であることが告知される。
(付記項8)内視鏡像を撮像する撮像素子と、検知部材と、接地されるGND部材と、前記撮像素子に熱的に接続され、形状記憶合金によって形成され、その温度が所定の温度以上であるか否かに応じて変形されて前記検知部材又は前記GND部材との接触状態と離間状態との間で切り替えられて前記検知部材と前記GND部材とを電気的に接続あるいは遮断するスイッチ部材と、を具備し、前記検知部材と前記GND部材とに電気的に接続され、前記検知部材と前記GND部材とが同電位であるか否かを検知する検知回路と、前記検知回路による検知に応じて少なくとも前記スイッチ部材が所定の温度以上であることを告知する告知手段と、を有する告知装置と組み合わせて用いられる、ことを特徴とする内視鏡装置。
(付記項9)内視鏡像を撮像する撮像素子と、検知部材と、接地されるGND部材と、前記撮像素子に熱的に接続され、形状記憶合金によって形成され、その温度が所定の温度以上であるか否かに応じて変形されて前記検知部材又は前記GND部材との接触状態と離間状態との間で切り替えられて前記検知部材と前記GND部材とを電気的に接続あるいは遮断するスイッチ部材と、を有する内視鏡装置と組み合わせて用いられ、前記検知部材と前記GND部材とに電気的に接続され、前記検知部材と前記GND部材とが同電位であるか否かを検知する検知回路と、前記検知回路による検知に応じて少なくとも前記スイッチ部材が所定の温度以上であることを告知する告知手段と、を具備することを特徴とする告知装置。
本発明は、内視鏡装置が使用可能か否か告知可能な小型で低廉な、撮像素子によって内視鏡画像を撮像する内視鏡装置を有する内視鏡システムを提供する。
10…内視鏡システム、26…内視鏡装置、28…撮像素子、54…GND部材、84…スイッチ部材、86,94…検知部材、92…検知回路。
Claims (1)
- 内視鏡像を撮像する撮像素子、
検知部材、
接地されるGND部材、及び、
前記撮像素子に熱的に接続され、形状記憶合金によって形成され、その温度が所定の温度以上であるか否かに応じて変形されて前記検知部材又は前記GND部材との接触状態と離間状態との間で切り替えられて前記検知部材と前記GND部材とを電気的に接続あるいは遮断するスイッチ部材、を有する内視鏡装置と、
前記検知部材と前記GND部材とに電気的に接続され、前記検知部材と前記GND部材とが同電位であるか否かを検知する検知回路、及び
前記検知回路による検知に応じて少なくとも前記スイッチ部材が所定の温度以上であることを告知する告知手段、を有する告知装置と、
を具備することを特徴とする内視鏡システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005143685A JP2006320368A (ja) | 2005-05-17 | 2005-05-17 | 内視鏡システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005143685A JP2006320368A (ja) | 2005-05-17 | 2005-05-17 | 内視鏡システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006320368A true JP2006320368A (ja) | 2006-11-30 |
Family
ID=37540478
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005143685A Pending JP2006320368A (ja) | 2005-05-17 | 2005-05-17 | 内視鏡システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006320368A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008253296A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-23 | Hoya Corp | 内視鏡および内視鏡管理システム |
-
2005
- 2005-05-17 JP JP2005143685A patent/JP2006320368A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008253296A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-23 | Hoya Corp | 内視鏡および内視鏡管理システム |
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