JP2006317607A - 情報表示用パネルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間の隔壁で形成されたセル内に、少なくとも1種類以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電性を有する少なくとも1種類以上の表示媒体3を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体3を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの製造方法において、基板上のセルの上方に配置された転写媒体12上に、一方の極性に帯電した表示媒体3を載置し、表示媒体3を転写媒体12上から飛翔移動させて基板上のセル内に充填する表示媒体充填工程を行う際に、充填する基板上に設けられた電極からの引き出しリードに帯電した表示媒体の有する極性とは逆極性の電位を印加するようにした。
【選択図】図4
Description
しかしながら、この方法では、基板に電極等の導電材が設けられていない場合には所望の通り表示媒体の充填が行えたが、基板に電極等の導電材が設けられている場合には表示媒体の充填が行えないという問題があった。なお、この問題は、表示媒体を基板に直接散布する方法であっても、感光体などの帯電媒体上に配置しておいた帯電した表示媒体を基板に飛翔させる方法であっても同様に起こるため、基板に電極等の導電材が設けられている場合には基板に表示媒体を精度良く充填することができなかった。
図1(a)、(b)に示す例では、それぞれが少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは粒子群からなる白色表示媒体3Wおよび粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)を、基板1、2の外部から加えられる電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図1(b)に示す例では、図1(a)に示す例に加えて、基板1、2の間に例えば格子状に隔壁4を設けセルを形成している。
図2(a)、(b)に示す例では、それぞれが少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは粒子群からなる白色表示媒体3Wおよび粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)を、基板1に設けた電極5と基板2に設けた電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図2(b)に示す例では、図2(a)に示す例に加えて、基板1、2の間に例えば格子状に隔壁4を設けセルを形成している。
図3(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電性を有する1種類の表示媒体3(ここでは粒子群からなる白色表示媒体3Wを示す)を、基板1上に設けた電極5と電極6との間に電圧を印加させることにより発生する電界に応じて、基板1、2と平行方向に移動させ、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行うか、あるいは、電極6または基板1の色を観察者に視認させて電極6または基板1の色の表示を行っている。なお、図3(b)に示す例では、図3(a)に示す例に加えて、基板1、2の間に例えば格子状の隔壁4を設けセルを形成している。
以上の説明は、粒子群からなる白色表示媒体3Wを粉流体からなる白色表示媒体3Wに、粒子群からなる黒色表示媒体3Bを粉流体からなる黒色表示媒体3Bに、それぞれ置き換えた場合も同様に適用することができる。
すなわち、まず、図6(a)に示すように、帯電した表示媒体(図示例では正極性に帯電した表示媒体)3を感光体ローラ(代わりに現像ローラを用いてもよい)11に担持させる表示媒体帯電担持工程を行う。
次に、図6(b)に示すように、帯電した表示媒体3を担持した感光体ローラ11と非帯電状態にした転写媒体12とを接触させながら、感光体ローラ11および転写媒体12を互いに逆方向に回転駆動することにより、感光体ローラ11上の表示媒体3を転写媒体12に移動させる表示媒体移動工程を行う。その際、転写媒体12を感光体ローラ11に接触させるときには転写媒体12は帯電していない状態になっており、帯電した表示媒体3が転写媒体12上に移動した後、感光体ローラ11から切り離された後、転写媒体12が帯電することになる。
次に、図6(c)に示すように、転写媒体12を介して帯電した表示媒体3を基板上のセルの上方に移動載置する帯電表示媒体載置工程を行う。
次に、図6(d)に示すように、転写媒体12の帯電表示媒体飛翔位置Jに設けた電圧印加装置13を作動させることにより、帯電表示媒体飛翔位置Jに到達した表示媒体3を、下方に位置する基板の隔壁4によって形成されるセル内に飛翔させて充填する表示媒体飛翔充填工程を行う。この表示媒体飛翔充填工程を行う際には、図4(a)に示すように、基板に設けた電極(例えばITO電極)に所定電位V1を付与しながら表示媒体の充填を行うものとする。
感光体ローラ11上の帯電した表示媒体3は、感光体ローラ11→転写媒体12の順に移動し、基板に設けた電極(例えばITO電極)に所定電位V1を付与しながら、帯電した表示媒体3が転写媒体12上に移動して帯電表示媒体飛翔位置Jに到達した時点で電圧印加装置13を作動させることにより、帯電した転写媒体12と帯電した表示媒体3との反発および帯電した表示媒体3と電極に付与した逆極性電位との吸引とを利用して、転写媒体12上の帯電した表示媒体3を、基板のセル内に転写充填することができる。
本発明に表示媒体として例えば用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の情報表示用パネルでは、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で用いられる。
粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な粒子移動が可能となる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
この空隙部分とは、図1(a),(b)〜図3(a),(b)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(基板内側に電極を設けた場合)、表示媒体(粒子群あるいは粉流体)3の占有部分、隔壁4の占有部分(隔壁を設けた場合)、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
乾式の情報表示用パネルとする場合、対向する基板間の空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
なお、実施例および比較例の情報表示用パネルは、下記の方法にて作製したものを、下記の基準に従い、評価した。
実施例、比較例では、表示媒体として、正帯電性の白色表示媒体用粒子で構成される白色表示媒体を用いた。
この白色表示媒体は、ターシャリーブチルメタクリレ−トモノマー80重量部およびメタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチルモノマ−20重量部に0.5重量部のAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を溶解し、カップリング剤処理して親油性とした酸化チタン20重量部を分散させて得られた液を、10倍量の0.5%界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)水溶液に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニュ−マチック工業)を用いて作製した。作製された白色表示媒体用粒子で構成される白色表示媒体は、平均粒子径が8.5μmで、帯電量が+10μC/g(正帯電)の白色表示媒体であった。
ガラス基板としては、リード処理が施されたITO電極付きガラス製透明基板(7cm×7cm□)を準備し、一方の基板上に高さ50μmのリブを作り、四角形、格子状配置の隔壁を形成した。
隔壁の形成は次のように行った。感光性フィルムであるニチゴーモートン社製ドライフィルムフォトレジストNIT250をITO付ガラス上にラミネートし、露光、現像により、所望とするライン30μm、スペース320μm、ピッチ350μmの隔壁を形成した。
もう一方の基板には、ITO電極付きガラス製透明基板(7cm×7cm□)を準備した。
樹脂製フィルム基板としては、リード処理が施されたITO電極付きポリエチレンテレフタレート樹脂製透明基板(7cm×7cm□)を準備し、一方の基板上に高さ50μmのリブを作り、四角形、格子状配置の隔壁を形成した。
隔壁の形成は次のように行った。感光性フィルムであるニチゴーモートン社製ドライフィルムフォトレジストNIT250をITO付ガラス上にラミネートし、露光、現像により、所望とするライン30μm、スペース320μm、ピッチ350μmの隔壁を形成した。
もう一方の基板には、ITO電極付きポリエチレンテレフタレート樹脂製透明基板(7cm×7cm□、厚み100μm)を準備した。
前記したガラス基板を用いて、準備した白色表示媒体を図4(a)および図6(a)〜(d)に示した表示媒体充填工程によって、隔壁が形成された基板のセル内に充填した。その際、基板に設けたITO電極に接続した補助リード線を介して所定の負極性電位(V1=−10volt)を印加させた。
前記したフィルム基板を用いて、準備した白色表示媒体を図4(a)および図6(a)〜(d)に示した表示媒体充填工程によって、隔壁が形成された基板のセル内に充填した。その際、基板に設けたITO電極に接続した補助リード線を介して所定の負極性電位(V1=−10volt)を印加させた。
前記したガラス基板を用いて、準備した白色表示媒体を図8(a)および図9(a)〜(d)に示した表示媒体充填工程によって、隔壁が形成された基板のセル内に充填した。その際、基板に設けたITO電極には補助リード線を接続しないで(すなわち所定の電位V1を印加させないで)表示媒体の充填を試みた。
表示媒体充填後の様子を実体顕微鏡を用いて観察して評価したところ、基板に設けたITO電極に所定電位V1を付与した状態で表示媒体の充填を行った実施例1および実施例2の情報表示用パネルは、情報表示用パネルの基板間の隔壁4によって形成されたセル内に表示媒体3を充填するにあたって、充填量の不足および偏りが発生することがなく、隔壁4の頂上部に表示媒体が載ることもなかった。
一方、基板に設けたITO電極に所定電位V1を付与しない状態で表示媒体の充填を試みた比較例1の情報表示用パネルは、表示媒体が基板側にうまく飛翔せず、表示媒体が充填されていないセルが観察された。
2 基板
3 表示媒体(粒子群、粉流体)
3W 白色表示媒体
3B 黒色表示媒体
4 隔壁
5 電極
6 電極
11 感光体ローラ
12 転写媒体
13 電圧印加装置
Claims (3)
- 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間の隔壁で形成されたセル内に、少なくとも1種類以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電性を有する少なくとも1種類以上の表示媒体を封入し、基板に設けた電極から表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの製造方法において、
基板上のセルの上方に配置された転写媒体上に、一方の極性に帯電した表示媒体を載置し、表示媒体を前記転写媒体上から飛翔移動させて基板上のセル内に充填する表示媒体充填工程を行う際に、充填する基板上に設けられた電極からの引き出しリードに帯電した表示媒体の有する極性とは逆極性の電位を印加するか、電位をグランドレベルにすることを特徴とする情報表示用パネルの製造方法。 - 前記表示媒体充填工程が、帯電した表示媒体を感光体ローラに担持させる表示媒体帯電担持工程と、帯電した表示媒体を感光体ローラから非帯電状態の転写媒体に移動させる表示媒体移動工程と、転写媒体を介して帯電した表示媒体を基板上のセルの上方に移動載置する帯電表示媒体載置工程と、転写媒体の帯電表示媒体飛翔位置に設けた電圧印加手段の作動により前記帯電表示媒体飛翔位置に到達した表示媒体を下方に位置する基板のセル内に飛翔させて充填する表示媒体飛翔充填工程と、から構成されることを特徴とする請求項1に記載の情報表示用パネルの製造方法。
- 前記表示媒体が粒子群または粉流体であることを特徴とする請求項1または2に記載の情報表示用パネルの製造方法。
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