JP2006317200A - 表面形状測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複雑なオートフォーカス機能を必要としない簡単な光学系によって、形状測定の基準となる位置マーク球の位置を高精度で検出する。
【解決手段】被測定物W1 を保持するジグ2は3個の位置マーク球3を有し、被測定物W1 の表面をトレースするプローブ10とは別に、各位置マーク球3の反射光から位置マーク球3の光学像の2次元位置を互いに異なる光軸方向から検出する2つの光点位置測定光学系12a、12bを、Zスライダ7に保持させる。各光点位置測定光学系12a、12bのポジションセンサーから得られる2組の2次元位置情報を用いた演算によって、各位置マーク球3の位置を3次元的に求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、自由曲面を有するレンズやミラー等の光学素子、あるいは光学素子を成形するための金型等の形状を精密測定するための表面形状測定装置に関するものである。
図15は、特許文献1に開示された一従来例による表面形状測定装置を示すもので、レンズ金型101の金型軸部101bに密着状態で金型ベース101aの表面に載置した同一形状の3個の位置決め球111の形状を、測定用プローブ103によるXY方向への走査により測定する。この各位置決め球111の頂点座標を算出したのちに、各頂点座標で形成される平面と、各2つの頂点座標の垂直2等分線に基づいてレンズ金型101の中心とを算出する。金型転写面101cの形状の測定データを求めたのちに、さきほどの平面を基準としたときの金型転写面101cの傾きと、レンズ金型101の中心軸に対する金型転写面101cの中心の偏心とを算出する。
図16は上記の工程を説明するフローチャートであって、まず3個の位置決め球を設置し(S101)、位置決め球の表面を測定用プローブを用いて測定する(S102)。次にその測定したXY位置に対する球面のZ座標を計算し(S103)、その差を計算(S104)、その二乗平均値RMS(Root Mean Square)値を算出(S105)、RMS値が小さくなるように座標変換し(S106)、RMS値が十分小さくなるまで(S104)にもどって繰り返し(S107)、十分小さくなったら、3個の球を全部測定するまでS102に戻って繰り返す(S108)。次に各球の頂点座標を計算し(S109)、3頂点を含む平面と金型の中心位置を算出する(S110)。次に測定用プローブを用いて金型転写面の表面を測定する(S111)。次にその測定した点のXY位置に対する設計形状のZ座標を計算し(S112)、その差を計算(S113)、そのRMS値を算出(S114)、RMS値が小さくなるように座標変換し(S115)、RMS値が十分小さくなるまで(S113)に戻って繰り返し(S116)、RMS値が十分小さくなったら金型転写面の形状を計算し(S117)、金型転写面の傾きと偏心を計算する(S118)、(S119)。
また、特許文献2には、3つ以上の位置マーク球と、自由曲面を有する被測定物に対し、自由曲面の形状と位置マーク球に対する相対位置を測定する表面形状測定装置において、3次元的に移動可能な移動部材に、被測定面にトレースさせて形状を測定するプローブと、位置マーク球の中心位置を測定する非接触球中心位置測定手段とを固定した構成が開示されている。非接触球中心位置測定手段は、光点位置を測定する光学系によって光軸に垂直な2方向の位置を各位置マーク球ごとに測定し、焦点位置を検出する光学系によって光軸方向の位置を測定する。すなわち、オートフォーカス機能を有する非接触球中心位置測定手段によって各位置マーク球の中心位置を3次元的に計測し、プローブによる自由曲面の測定形状を補正することで、被測定物の取り付け姿勢の変化や環境温度の影響を排除するものである。
特開2001−133239号公報 特開2004−77144号公報
しかしながら、特許文献1に開示された従来例では以下のような問題があった。
(1)測定に時間がかかる。測定用プローブを用いて3個の位置決め球の表面を走査し、測定した座標から球の中心位置を計算するものであるため、測定用プローブを用いて3個の球も測定しなければならず、測定に時間がかかる。つまり、測定したい金型表面の測定時間に加え、3つぶんの球表面の測定時間がかかってしまう。
特に、このようなプローブ走査による球中心位置の測定は時間がかかる。しかも3次元的な球の位置を測定する必要があるので、1断面ではなく、複数断面の情報が必要であり、長いプローブ走査距離が必要な上、往復運動を繰り返して全面走査する場合にはその加減速に要する無駄な時間も無視できない。
(2)被測定物の取り付け姿勢によって、測定結果が影響を受ける。金型の位置を3つの位置決め球の頂点を測定することにより、測定できるとしているが、球頂点の位置は、測定対象である金型と3つの球が一体となったものの取り付け姿勢が変わると影響を受ける。例えば、図17に示すように、位置決め球111の半径をR、傾斜角度をθとすると、球頂点の変位はRsin(θ)であるから、Rが10mm、θが30度である場合は5mmにもなってしまう。従って、3つの球が装置のXY平面上にほぼ平行におかれていることが前提条件であり、実施する上では大きな障害である。
(3)環境温度変化の影響が大きい。被測定物の線熱膨張係数がいつも小さいとは限らない。金型の場合にはなおさらである。環境温度を一定に制御して熱変形を抑えるにしても、その影響をゼロにすることはできない。従来例では、測定時間がかかるため環境温度変化の影響を受け、測定誤差が増大する。
(4)3つの位置決め球の寿命が短いため、測定精度が悪化する。3つの位置決め球の位置を測定するのに、接触式のプローブでその表面をなぞっているため、わずかながら摩耗することが考えられる。
一方で、被測定物の形状を測定するごとに位置決め球を測定しなければならないため、測定回数は多くなりがちである。このため、摩耗が無視できず、位置決め球の測定誤差が次第に大きくなる。測定するたびに位置決め球も新しいものに変えることも考えられるが、不経済であるばかりではなく、接着固定して用いる場合、交換することすら難しい。
(5)位置決め球測定時に起きるエラーに対処できない。例えば、人為的なミスなどにより位置決め球が取り付けられていない場合は、測定用プローブは球があるはずのところに接触しようとするが、そこには球が無いばかりか、被測定物やジグなど別の物があることも考えられる。そんな場合はプローブや被測定物を痛める可能性がある。
すなわち、位置決め球、すなわち球面がそこにちゃんと設置されているかどうかはプローブを用いて測定してみるしかない。従って、プローブを被測定物に接近させ、実際に表面をトレースしなければならないので、前述した問題があると、プローブがなにかに衝突する危険は避けられない。
また、特許文献2に開示された表面形状測定装置では、以下のような未解決の課題があった。
(1)光軸方向の位置マーク球の位置を測定するための焦点位置を検出するオートフォーカス機能が必要となるため、光学系が複雑になる。そして、光軸方向の焦点位置検出に用いるオートフォーカスの感度は対物レンズのNA(開口数)が小さいと一般に感度が低くなり、測定精度が悪くなる。これはNAが小さいレンズは焦点深度が広いことに由来しており、NAが小さいレンズは多少焦点位置がずれても感度が鈍い。
(2)半導体デバイス上の光学面の位置を測定できない。すなわち、光を応用したマイクロマシン応用の中には、半導体デバイスの上に微細なレンズや鏡などを形成するものがある。例えば微細なミラーやレンズを移動させる光スイッチである。このような微細な光学素子の位置は、半導体デバイスを基準に測定する必要があるが、従来例による3次元的な計測では、半導体デバイスのアライメントマークとして用いられる十字形の位置マークを用いることが難しい。
本発明は、上記従来の技術の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであり、簡単かつ高感度な光学系を用いて形状測定の基準となる位置マークを検出し、被測定物の取り付け姿勢が変化しても、また、環境温度等が変化しても、測定精度への影響が少ないうえに、長寿命で信頼性の高い表面形状測定装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するため、本発明の表面形状測定装置は、保持手段に保持された被測定物の表面を計測するプローブと、前記プローブを前記被測定物に対して相対的に移動させる移動体と、前記被測定物または前記保持手段に配設された少なくとも3個の位置マークと、2つの検出光学系によって互いに異なる光軸方向からそれぞれ各位置マークを計測し、各位置マークに対する2組の2次元位置情報を得るための光学位置検出手段と、各位置マークに対する2組の2次元位置情報に基づいて各位置マークの3次元位置を演算する演算手段と、を有し、前記演算手段の出力に基づいて、前記プローブによる検出値を補正することを特徴とする。
形状測定の基準となる位置マークの表面をプローブでトレースする場合に比べて、大幅に測定時間が短縮される。測定時間が短縮されることで、測定時間内での環境温度変化も小さくなり、測定精度の向上が期待できる。加えて、非接触に位置マークの位置を測定できるので、摩耗による測定誤差の増大や寿命の短縮等を回避できる。
また、各位置マークの表面で反射された光を受光するポジションセンサー等を用いた2つの検出光学系により、異なる光軸方向から得られた2組の2次元位置情報を演算処理することで各位置マークの位置を3次元的に求めるものであるため、位置マークの検出光学系にオートフォーカス機能を必要としない。すなわち、位置マーク球の中心位置を直接3次元的に計測する場合のようなオートフォーカス機能を必要とせず、従って極めて高感度であって、しかも低コストな検出光学系を用いることができる。
さらに、位置マーク球に限らず、半導体デバイス上の平面的な位置マークを用いる場合にも容易に適用可能であるという利点もある。
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1ないし図7は実施例1を示す。本実施例による表面形状測定装置は、図1に示すように、ベース1上の保持手段であるジグ2に被測定物W1 を取り付ける。このジグ2には3個の位置マークである位置マーク球3が取り付けられている。ジグ2は、各位置マーク球3を固定し、被測定物W1 を着脱可能に保持するものである。ベース1と一体である基台4上には、それぞれX、Y、Zの3軸方向に移動可能にXスライダ5、Yスライダ6、Zスライダ7を設け、それぞれ制御装置8に接続する。移動体であるZスライダ7には位置を測定するX1レーザー測長器9a、X2レーザー測長器9b、Z1レーザー測長器9c、および図示しないが紙面に垂直な方向のY1レーザー測長器、Y2レーザー測長器が設けてある。また、Zスライダ7には、先端球10aを有する接触式のプローブ10が配設される。このプローブ10は例えば、公知の平行板ばね構造であり、板ばねの変位に従って信号を出力する。その信号をプローブ制御用アンプ11を介して制御装置8に接続する。また、Zスライダ7には、互いに異なる光軸方向から各位置マーク球3を計測する2つの検出光学系である光点位置測定光学系12a、12bを設け、それぞれ位置測定用アンプ13a、13bを介して制御装置8に接続する。
ベース1には、位置測定の基準を支えるコラム14が立設され、コラム14に固定してX方向の基準となる参照ミラー15を設ける。この参照ミラー15は、X1、X2レーザー測長器9a、9bのターゲットとして用いるものである。また、コラム14に固定してZ方向の基準となる参照ミラー16を設ける。この参照ミラー16は、Z1レーザー測長器9cのターゲットとして用いるものである。同様に、コラム14に固定してY方向の基準となる参照ミラーを設ける。この参照ミラーはY1、Y2レーザー測長器のターゲットとして用いるものである。
これらレーザー測長器の出力信号、すなわち参照ミラーとの距離は図示しないデータ処理装置に接続され、被測定面の位置情報としてデータ処理する。
次に図2に基づいて、一方の光点位置測定光学系12aを説明する。光点位置測定光学系12aは、半導体レーザー17aから出射した光を、ハーフミラー18aで2方向に分割する。ハーフミラー18aを通過した光は遮蔽板19aに当たって吸収される。一方、ハーフミラー18aで反射した光はミラー20aで反射し、位置マーク球3の方向へ光軸を曲げられる。この光は対物レンズ21aを通ることによって集束光ビームである光束Baとなる。このとき光束Baの焦点位置が、先端球9を有する接触式のプローブ10の真下になるように、ミラー20aおよび対物レンズ21aの位置をあらかじめ調整しておく。この調整を非常に精密に行うことは困難であるが、このときの調整誤差は補正することができる。その方法については後でフローチャートを用いて説明する。
図2に示すように光束Baの焦点位置と、位置マーク球3の中心位置がほぼ重なった時、光束Baは位置マーク球3の表面で反射し、光路を逆進する。光束Baがハーフミラー18aを透過し、焦点を結ぶ位置に光学像(光点)である点像の2次元位置を検出するポジションセンサー23aを設ける。一方ハーフミラー18aで反射する光は不要な光として半導体レーザー17aの方向に帰っていくが、周辺の物品で散乱し、不要な迷光とならないように、半導体レーザー17aの出射口近傍に小さな穴をあけた第2の遮蔽板24aに当てて吸収させる。
ポジションセンサー23aからの4つの信号を、制御装置8に設けられた演算手段の2つの引き算回路25a、26aに通し、2つの差信号を得る。この信号は光点の位置を表す。しかしこのままでは、光源の半導体レーザー17aの出力変動などによって影響を受ける。すなわち、半導体レーザー17aの出力がα倍になったとすると、ポジションセンサー23aの4つの出力も一律にα倍となり、当然、差信号もα倍になる。そこで、ポジションセンサー23aからの4つの信号を加算回路27aで全部足しあわせ、割り算回路28a、29aで先ほどの差信号を割る。α倍された差信号をαで割り算することになるので、半導体レーザー17aの出力変動などの影響を除去することができる。こうして得られた位置マーク球3の2次元位置を表わす光点位置の信号をφ1a、φ2aとする。
また、加算回路27aの出力をエラー判定回路30aに接続する。加算回路27aの出力が低い場合、光がポジションセンサー23aにちゃんとあたっていない可能性がある。従って、この信号がある所定の値以下になるかどうかを判定すればエラー状態かどうかを判定することができる。エラー判定回路30aは加算回路27aの出力を、あらかじめ設定した信号レベルと比較し、もしも低ければエラー信号を出力する。このエラー信号をe12aとする。
次に、信号φ1a、φ2aが位置マーク球3の中心の2次元位置情報として、光束Baの光軸Vaに垂直な2方向の位置を表わすことを、図3、図4を用いて説明する。半導体レーザー17aから出た光が距離D1の位置にある対物レンズ21aの作用で集光し、距離D2のE1で焦点を結ぶ。このとき、レンズの公式から、対物レンズ21aの焦点距離をf1とすると以下の式が成立する。
1/f1=1/D1+1/D2
この像E1を距離D3にある位置マーク球3の球面で反射させる。球面は、位置マーク球3の半径をRとすると、R/2の焦点距離をもつ凹レンズと同じ作用をすると考えてもよいので、点像は、距離D4だけ離れた位置E2に写像される。すなわち、以下の式が成立する。
2/R=1/D3+1/D4
いま、焦点位置E1と位置マーク球3の中心位置がほぼ一致する場合を考えているので、ほぼD3とD4は同じ距離である。
この点像は再び距離D5にある対物レンズ21aを通り、距離D6にあるポジションセンサー23a上で焦点E3を結ぶ。すなわち、以下の式が成立する。
1/f1=1/D5+1/D6
このような光学系の配置において、位置マーク球3の球面が光軸Vaに対して垂直方向にδだけに変位した場合を考える。この時の状態は図4に示すように、位置マーク球3にとって、点像E1がδ動くのと同じなので、位置E2は光軸Vaに対してδ*(D4/D3+1)だけ動く。
さらに、対物レンズ21aによって焦点E3に写像されるので、焦点E3の動きδ1は以下の式で表される。
δ1=δ*(D4/D3+1)*D6/D5
例えば、D3=D4、D6=D5とすると2δである。つまり位置マーク球3の、光軸Vaに対して垂直な平面内の2次元的な動きが2倍になって検出できることになる。その信号がφ1、φ2である。
また、図4において、結像位置である焦点E3から距離D7だけずれた位置を考える。結像位置からずれているので、この位置ではスポットサイズは大きい。しかしその中心位置のずれδ2はδ1よりも大きくなっている。つまり、感度を高めることができる。
他方の光点位置測定光学系12bも同じ構成であるので説明は省略する。2つの光点位置測定光学系12a、12bによる2組の2次元位置情報として、光軸Vaに対して垂直な動きに応じた信号をφ1a、φ2a、光軸Vbに対して垂直な動きに応じた信号をφ1b、φ2bとする。
図5に基づいて、これら4つの信号、φ1a、φ2a、φ1b、φ2bから、位置マーク球3の3次元位置を決定する方法を説明する。信号φ1a、φ2aは位置マーク球3が光軸Vaに対し、光軸Vaと垂直な方向に離れている位置を表しているため、光軸Vaに平行で、位置マーク球3の中心(球心)を通る直線DVaを決定することができる。同様に、信号φ1b、φ2bは位置マーク球3が光軸Vbに対して、光軸Vbと垂直な方向に離れている位置を表しているため、光軸Vbに平行で、球心を通る直線DVbを決定することができる。もしも、誤差なく測定することができていれば2つの直線DVa、DVbは交わるはずである。なぜなら両方の直線とも、同一の位置マーク球3の中心を貫いているはずだからである。
そして4つの信号φ1a、φ2a、φ1b、φ2bがゼロの時、直線DVa、DVbは光軸Va、Vbに一致していることを表し、従って、位置マーク球3の中心が光軸Va、Vbの交点と一致していることを表す。
しかし、4つの信号φ1a、φ2a、φ1b、φ2bに混入する電気ノイズの影響や、組立て誤差の影響で2つの直線DVa、DVbは交わらないと考えるほうが自然である。そこで、図5に示したように、2つの直線DVa、DVbが最も接近する位置に引いた垂直線の中点cを位置マーク球3の中心位置(3次元位置)として出力する。
また、2つの直線DVa、DVb間の距離である位置ずれAも計算する。位置ずれAは前述した誤差が小さければ本来ゼロになる距離である。従って、この測定結果に含まれる誤差を表していることになる。この誤差の量、すなわち位置ずれAがあらかじめ定めておいた値よりも大きい場合はエラーと判定する。
図1の装置のレーザー測長器9a〜9c等はZスライダ7の位置姿勢を測定して補正するが、その方法を図6に基づいて説明する。ベース1に固定し、前述のように直交配置した3つの参照ミラーに対し、各レーザー測長器で測定した長さをX1、X2、Y1、Y2およびZ1とする。Z1はZ参照ミラー16とプローブ10までの距離を測定する。また、X1、Y1を計測するレーザー測長器の取り付け高さと、X2、Y2を計測するレーザー測長器の取り付け高さの差をL2とし、そこからプローブ10の取り付け高さまでの差をL3とし、そこからプローブ10の先端球10aの中心位置までの差をL4とし、そこから光束Ba、Bbの焦点位置までの距離をL5とする。これらL2〜L5の距離は測定装置の部品寸法で決まる長さである。L1は測定値Z1からL2とL3を差し引くことで得られる。
この構成において、プローブ10の先端球10aの中心位置の測定座標は以下の式(1a)〜(1c)で計算できる。
プローブ球X座標=−X1−(X2−X1)*(L2+L3+L4)/L2
・・・(1a)
プローブ球Y座標=−Y1−(Y2−Y1)*(L2+L3+L4)/L2
・・・(1b)
プローブ球Z座標=−Z1−L4 ・・・(1c)
同様に、光束Ba、Bbの焦点位置の測定座標は以下の式(2a)〜(2c)で計算できる。
焦点位置X座標=−X1−(X2−X1)*(L2+L3+L4+L5)/L2
・・・(2a)
焦点位置Y座標=−Y1−(Y2−Y1)*(L2+L3+L4+L5)/L2
・・・(2b)
焦点位置Z座標=−Z1−L4−L5 ・・・(2c)
この座標位置は3面の参照ミラーを位置の基準に測定しているので、Zスライダの姿勢誤差に影響されない。
次に、図1の表面形状測定装置の動作を、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。まず、3つの位置マーク球3を取り付けたジグ2に被測定物W1 を着脱可能に取り付ける。次に、光点位置測定光学系12a、12bと、被測定物W1 の自由曲面を測定するプローブ10の位置あわせを行う必要があるかどうかを判断する(ステップS1)。これが必要となる場合は、例えば装置を製作した最初の時や、プローブ10を交換してプローブ位置情報がなくなってしまった時である。また、前述したように光点位置測定光学系12a、12bの測定位置、すなわち光束Ba、Bbの焦点位置がプローブ10の真下になるようにだいたいの位置あわせを行うが、非常に精密にこれを調整するのは困難である。そういった意味でもまず光点位置測定光学系12a、12bとプローブ10の位置あわせを行う必要がある。しかし、一度位置あわせを行ってしまえば、位置あわせの必要はなくなる。
位置あわせをする場合はまず、位置マーク球3の表面をプローブ10でトレースしたときの点群を測定する(ステップS2)。その表面上の点群から最小2乗法などを用い、中心位置を計算する(ステップS3)。計算の結果得られた位置をPaとする。
ここで、この点Paは従来例のように球の頂点ではないことを注意しておく。頂点位置と異なり、球の中心位置(球心位置)はどの方向から測定しても同じ点になるはずである。言い換えると、位置マーク球の位置をどの方向から測定しても同じ結果を与える。
各光点位置測定光学系12a、12bによって、各光軸Va、Vbに対して垂直な平面内における位置マーク球3の2次元位置を測定する。プローブ10で測定した位置マーク球の位置Paと光束Ba、Bbの焦点位置がほぼあうように、制御装置8を用いてX、Y、Zスライダ5、6、7を動かす(ステップS4)。この位置において、図2で説明したエラー信号e12a、e12bのいずれか一方でも出力されていないかを判定する(ステップS16)。もしエラーが出力されていれば、位置マーク球3が想定した位置にいないか、半導体レーザー17a等が故障したなど、なんらかの故障があったことになるので、エラー停止する旨、コンピュータ画面など表示装置にエラー表示し(ステップS17)、停止する。一方エラーでなければ、信号φ1a、φ2a、φ1b、φ2bは正しい測定値と考えることができる。
そして、この4つの信号φ1a、φ2a、φ1b、φ2bは光束Baおよび光束Bbの各光軸Va、Vbに対する垂直方向の偏差を表しているので、図5で説明した方法で、位置マーク球3の位置データcを計算し、この位置データcがゼロ、すなわち、2つの光軸Va、Vbの交点と一致するように制御装置8を用いてX、Y、Zスライダ5、6、7を微調整する(ステップS5)。換言すれば、信号φ1a、φ2a、φ1b、φ2bがゼロに近づくように各スライダを微調整する。
微調整した後、X、Y、Zスライダ5〜7の位置、姿勢から、図6と式(2a)、(2b)、(2c)を用いて説明した方法で位置マーク球3の中心のX、Y、Z位置(3次元位置)を求め、さらに図5で説明した方法で、位置マーク球3の位置ずれAを計算する。この時、4つの信号φ1a、φ2a、φ1b、φ2bはX、Y、Zスライダ5〜7の微調整により、十分小さくなっているはずであるが、調整しきれなかった調整誤差も残る。4つの信号φ1a、φ2a、φ1b、φ2bから位置データcを計算し、この調整残差をX、Y、Z方向の誤差に換算し、位置マーク球3の中心のX、Y、Z位置を補正しておけば、なお精密である。このX、Y、Z位置をPbとする(ステップS6)。
位置ずれAは、2つの光束Ba、Bbの光軸Va、Vbが一致していなかったり、4つの電気的な信号φ1a、φ2a、φ1b、φ2bに混入する誤差が大きい場合に大きくなる。そこで、もし位置ずれAがあらかじめ定めておいた値よりも大きい場合はエラーと判定し(ステップS22)、エラー表示し(ステップS23)、停止する。
次に、位置の差d=Pa−Pbを計算し、これを位置補正量とする。これは自由曲面を測定するプローブ10と、位置マーク球3を測定する光点位置測定光学系12a、12bとの位置補正量を表している(ステップS7)。
次にすべての位置マーク球3を光点位置測定光学系12a、12bで測定する。一つ一つの測定は先ほど説明した手順と同じである。第n番目の位置マーク球を測定する場合について説明する。まず第n位置マーク球の中心位置に光束Ba、Bbの焦点位置を移動させる(ステップS8)。おおよその位置はジグ2の設計図面、ジグ2を測定装置に取り付ける図面などからわかるので、その位置にX、Y、Zスライダ5〜7を移動させることができる。この位置において、図2で説明したエラー信号e12a、e12bのいずれか一方でも出力されていないか判定する(ステップS18)。もしエラーが出力されていれば、位置マーク球3が想定した位置にいないなど、なんらかの故障があったことになるので、エラー停止する旨、コンピュータ画面など表示装置に対してエラー表示し(ステップS19)、停止する。一方エラーでなければ、信号φ1a、φ2a、φ1b、φ2bは正しい測定値と考えることができる。
次に先ほどと同様に、この4つの信号φ1a、φ2a、φ1b、φ2bは光束Ba、Bbに対する垂直方向の偏差を表しているので、図5で説明した方法で、位置マーク球3の位置データcを計算し、この位置データがゼロ、すなわち、2つの光軸Va、Vbの交点と一致するように制御装置8を用いてX、Y、Zスライダ5〜7を微調整する(ステップS9)。
この時の第n番の位置マーク球の中心位置(X、Y、Z位置)を計算し、Pnとする(ステップS10)。このとき、先ほど求めた位置補正量dを加える。これによって位置Pnは、あたかも接触式のプローブ10で測定した時の位置に変換される。しかも、プローブ10で測定する場合に比べ、表面をトレースする必要がないため測定時間がかなり短い。
また、先ほどと同様に、位置ずれAがあらかじめ定めておいた値よりも大きい場合はエラーと判定し(ステップS20)、エラー表示し(ステップS21)、停止する。
全部の位置マーク球3を測定するまでステップS8からの動作を繰り返し、終わったら次に進む(ステップS11)。3つの球心位置から1つの直交座標系を決定する(ステップS12)。この方法はいくつかあるが、例えば3つの点(測定した球心位置)で定義される平面に直交する方向にZ軸をとり、そのなかの2点を結ぶ線をX軸とし、残りのY軸はX、Z軸に垂直な軸として定義できる。こうして定義した直交座標系は3つの球に固定されているので、被測定物座標系と呼ぶ。この被測定物座標系からみて、測定すべき自由曲面を含む被測定物W1 は、いつも同じ位置にある。なぜなら、冒頭で述べたように位置マーク球3に固定したジグ2に被測定物W1 が固定されているからである。
次に被測定物W1 の表面である自由曲面をプローブ10でトレースし、自由曲面上の点群を測定する(ステップS13)。この点群をすべて被測定物座標系に座標変換する(ステップS14)。こうして得られた点群は3つの位置マーク球3を位置基準としているので、被測定物W1 を測定装置のどこに設置しても、どんな姿勢に設置しても、同じ点群が得られる。次に最小2乗法を用いて設計形状との差、すなわち誤差形状を計算する(ステップS15)。
以上説明してきた方法によれば、測定時間を短縮することができる。なぜならば3球の測定時間が短くなるからである。従来例のように、プローブを用いて球の表面をトレースする場合、3次元的な位置情報が必要なので、複数断面のトレースが必要となるため、長いトレース長さが必要である。しかも往復運動を繰り返してトレースする場合にはその加減速に要する時間も無視できない。これに対して本実施例による方法では、光軸の中心位置におおよそ位置マーク球がくるようにX、Y、Z軸を移動させ、その後、信号φ1a、φ2a、φ1b、φ2bに従って微調整するだけで球心位置が決定できる。球の表面をトレースする必要がないので大幅な時間短縮が可能である。
球の頂点位置ではなく、球の中心位置を測定しているので、被測定物の位置姿勢の影響を受けない。これは、どの方向から中心位置を測定しても同じ点を指し示すという、球の性質を利用しているからである。
また、オートフォーカス信号を得る必要が無いため、レンズのNA(開口数)が小さくてもよい。レンズのNAが小さくてすむと、レンズと位置マーク球との間の距離を離すことができるため、光学系の配置が簡単になり、設計自由度を大幅に向上できる。
また、球の測定時間が短縮されるため、全体の測定時間も短縮される。時間とともに変化する温度変形などの誤差を緩和することができるので、結果として測定精度を向上させることができる。
なお、本実施例では各検出光学系にポジションセンサーを用いているが、CCDなど撮像素子を使って光点の2次元点位置を検出してもよい。
また、自由曲面を測定するプローブは接触式のプローブとして説明してきたが、非接触式のプローブであっても同様である。
光源としては、半導体レーザーの代わりに、例えばLEDなどの発光素子を用いてもよい。ただし、点光源に近いほうが、焦点位置でのスポットが小さくなり、光点位置検出が容易になるため好ましい。
光軸の向きを変え、斜めの光束を得るのにミラーを用いているが、これを省略してもよいし、光軸をミラーで1回折り曲げる代わりに、さらにミラーを追加し、光軸を折り曲げてもよい。このようにミラーを追加することにより、光学素子の配置に対する設計自由度を向上させることができる。
本実施例は以下のような効果を奏する。
(1)従来例のように位置マーク球表面をトレースする必要がないので、大幅な測定時間短縮が期待できる。
(2)球の頂点ではなく、球の中心を測定しているので、被測定物の位置や姿勢に関係なく同じ測定結果が得られる。なぜなら球の中心はどの方向から測定しても同じ点だからである。
(3)測定時間が短縮できるので、測定時間内での環境温度変化も小さくなり、測定精度が向上する。
(4)非接触に位置マーク球の中心を測定できるので、球の摩耗を心配することがなくなり、摩耗による誤差の増大が無いため、測定精度を向上することができる。
(5)非接触なので位置マーク球の寿命を延ばすことができる。
(6)非接触なので、摩耗による測定誤差の増大が無いため精度が向上する。
(7)位置マーク球の測定位置をプローブ軸の延長線上とすることにより、プローブ移動に伴う、移動部材の位置、姿勢誤差の影響をプローブと同様、最小限にできる。
(8)光軸方向の位置を光学的に検出する必要がないためオートフォーカス機能を省略した簡便な光学系を用いることができる。
(9)光軸ずれを監視し、大きい場合には測定を中断することによって、測定の信頼性を向上することができる。
(10)オートフォーカスを使わなくてもすむため、検出光学系のレンズのNAが小さくてもよい。その結果、レンズと被測定物との距離を長くとることが可能となる。
(11)位置マーク球が脱落した場合などの異常状態を自動検出、装置を停止することが可能となる。
(12)位置マーク球の変わりに間違った別部品がついているなど、従来では対応が難しかったエラーに対しても安全にエラーを自動検出、装置を停止することが可能となる。
(13)異常を素早く検出することでエラーの影響を最小限にくい止めることができる。
(14)安全にエラーを検出し停止できるため事故防止という点でも有効である。事故を未然に防ぐことで生産設備の稼働率を向上し、生産コストを下げることにつながる。
図8は実施例2を示すもので、これは、実施例1に対して、光源部分とハーフミラー部分のみが異なる。共通の光源である半導体レーザー37から出射するレーザー光を分割手段である光ファイバー41a、光ファイバー41bによって2本に分割する。光ファイバー41aは光ファイバー出射端40aに接続し、ここからレーザー光を出射させる。光ファイバー41bについても同じであるから、説明を省略する。
光ファイバー出射端40aから出射した光は偏光ビームスプリッタ42aに入射する。偏光ビームスプリッタ42aによって、P偏光成分は透過し、遮蔽板19aに当たって吸収される。一方、S偏光成分は偏光ビームスプリッタ42aで反射し、ミラー20aで反射し、位置マーク球3の方向へ光軸を曲げられる。そして4分の1波長板43aで円偏光に変換され、この光は対物レンズ21aを通ることによって光束Baとなる。このとき光束Baの焦点位置が、先端球10aを有する接触式のプローブ10の真下になるように、ミラー20aおよび、対物レンズ21aの位置をあらかじめ調整しておく。この調整を非常に精密に行ことは困難であるが、このときの調整誤差は補正することができる。
図8に示すように、光束Ba、Bbの焦点位置と、位置マーク球3の中心位置がほぼ重なった時、光束Baは位置マーク球3の表面で反射し、もと来た光路を戻っていく。対物レンズ21aを通り、4分の1波長板43aを通ると、再び直線偏光に変換されるが偏光の向きが変わっており、P偏光となっている。この光はミラー20aで反射し、偏光ビームスプリッタ42aに入射する。このP偏光はこの光学素子を通過し、ポジションセンサー23aに入射する。この時、偏光ビームスプリッタ42aで反射する光、つまりS偏光成分が無いことが特徴である。このため、光量の損失が少なくてすむ。また、反射した不要な光を吸収するための、第2の遮蔽板も必要なくなる。
実施例1のようにハーフミラーを用いただけの場合では、ハーフミラーを2回通過するため、少なくとも4分の1の光しかポジションセンサーに到達しない。これに対して、本実施例では偏光ビームスプリッタを用いることによって、ポジションセンサーに入射する光を2倍にすることができる。また、半導体レーザーは発熱するが、光ファイバーを用いることによって半導体レーザーを自由に配置することができる。さらに、光ファイバー分配器を使って2本に分割しているので、半導体レーザーは1つですむ。測定装置にとって測定部分での発熱体は大きな測定誤差につながってしまうので、半導体レーザーを遠くに配置できることは精度向上にメリットが大きい。
本実施例では、実施例1による効果に加えて次の効果がある。
(1)1つの光源を分岐することによって、光源の数を減らし、装置コストを下げることができる。
(2)光ファイバーで光を導くことにより、光源まわりの部品スペース、例えば半導体レーザーや、その駆動回路の部品スペースをとる必要がない。その結果、小型に構成することができる。
(3)光ファイバーを用いることによって光源を測定領域から遠くに離して配置することが可能となるため、光源の発熱による温度上昇の心配がない。その結果、温度上昇による測定誤差を軽減、測定精度を向上させることができる。
図9は、実施例3を示すもので、これは、実施例1に対して、光束Ba、Bbの焦点位置がプローブ10の中心からずれている点が異なる。他の構成および作用は実施例1と同じなので説明を省略する。
本実施例では実施例1に加えて次の効果がある。
(1)接触式のプローブとの干渉にとらわれず、光学系の配置が可能となるため、小型に構成できる。実施例1ではプローブに干渉しないようにするため、対物レンズの焦点距離を長くする必要があったが、本実施例では、短い焦点距離のレンズを用いて小型の光学系で構成可能である。
(2)接触式のプローブの近傍に障害物であるプリズムなどの部品を配置する必要がないので、被測定物と測定装置が衝突する可能性が低くなる。従って被測定物の設計制約を緩和することができる。
このようなメリットがある反面、図6で説明したスライダの位置姿勢補正は十分に機能しない。図6で姿勢補正が可能なのはプローブの軸上だけだからである。軸上からはずれると、スライダ姿勢誤差のうち、垂直Z軸まわりの姿勢誤差、いわゆるヨーイング誤差の影響が大きくなってくる。従って本実施例ではヨーイング誤差が小さいX、Y、Zスライダが必要となる。
図10および図11は実施例4を示すもので、図10はその上面図であり、図11は鳥瞰図である。実施例1では2つの光束Ba、Bbを対向させて、Zスライダ7に固定して配置していたが、本実施例では、図示するように屈曲配置したものである。光点位置を検出するポジションセンサー23a、23bは、光束Ba、Bbに垂直な方向の変位を出力する。換言すれば、光束Ba、Bbの方向に対しては感度が無く、これに直角な方向には最大の感度がある。そこで、2つの光束Ba、Bbが互いに直角に交わるように配置すれば、一方の感度が無くなる方向でも、もう一方の感度が最大になってカバーできる。したがって、全方向に対して位置検出感度が低くなる場所がなく、測定精度が向上する。
この条件は、2つの光束Ba、Bbの光軸Va、Vbの方向のベクトルの内積がゼロになる配置と表現することができる。
また、図10の上面図に示すように、接触式のプローブ10を挟んで対向配置する場合に比べてプローブ10とポジションセンサー23a、23bを保持するZ軸を小さく構成することができる。
図12は実施例5を示す。これは、実施例1に対して、光学部品を一体化することにより、組立てが簡便な構成にしている。2つのハーフミラー18a、18bを接着固定し、これに2つのプリズム50a、50bを接着して一体の構造とする。各光学素子の接着には、例えば紫外線硬化樹脂を使用する。光学系の配置が異なるだけで作用は実施例1と同様であるから説明は省略する。
本実施例では2つのポジションセンサー23a、23bを並べて配置できる。従ってこの電気部品を1つの回路基板に実装することができるので組立てが容易である。また、2つの半導体レーザー17a、17bについても、並べて配置できる。従ってこの電気部品を1つの回路基板に実装することができるので組立てが容易である。その他、光学部品を直接接着固定する構成は、光学部品を固定するための部品を省略することにつながるため、全体として部品点数を少なくし、簡単に組み立てることができる。
図13は実施例6を示すもので、これは、実施例1に対して、各光点位置測定光学系のポジションセンサーを撮像手段であるカメラに置き換えたものである。
位置マーク球3に対して、2組のカメラ60a、60bを設け、それぞれを画像処理装置61a、61bに接続する。画像処理装置61a、61bは位置マーク球3の画像から、カメラ60a、60bで写した範囲のどこに位置マークが写っているかを自動的に計算することができる。この画像処理によって画像の位置を計測する技術は公知であり、非接触方式の三次元座標測定装置などに応用されている。画像処理装置61aは位置マーク球3の画像から得られた2次元位置情報である信号φ1a、φ2a、および、画像処理が失敗したときのエラー信号e12aを出力する。同様に、画像処理装置61bは位置マーク球3の2次元位置情報である信号φ1b、φ2b、および、画像処理が失敗したときのエラー信号e12bを出力する。これらの情報は、実施例1で説明した光学系が出力する情報と同じであり、この後の処理も同様であるから、説明は省略する。
本実施例では、ポジションセンサーの代わりにカメラを用いるため、位置マーク球以外の位置マークを使用することもできる。例えば図14に示すように、被測定物である半導体デバイスに設けられるアライメント用の十字形の位置マーク63を用いることができる。十字形の位置マーク63は、半導体リソグラフィ技術を用いて基盤上に容易に製作することができる。
すなわち、光学素子の自由曲面を接触式のプローブで測定し、半導体デバイス上の位置マークを2組のカメラで測定する。従って、半導体デバイス上に形成した微細な光学素子の形状を、半導体デバイスのアライメント用の位置基準である十字形の位置マークを基準にして測定することができる。
実施例1による表面形状測定装置を示す模式図である。 図1の装置の位置マーク球を測定する光学系を説明する図である。 図2の光学系の光路を示す模式図である。 図2の光学系による光点のずれを示す模式図である。 4つの信号から位置マーク球の3次元位置を計算する方法を説明する図である。 実施例1による座標位置測定方法を説明する図である。 実施例1による動作を説明するフローチャートである。 実施例2の光学系を説明する図である。 実施例3を示す模式図である。 実施例4を示す上面図である。 実施例4を示す鳥瞰図である。 実施例5を説明する図である。 実施例6を説明する図である。 十字形の位置マークを説明する図である。 一従来例を説明する図である。 従来例の動作を説明するフローチャートである。 従来例によって位置マーク球の頂点位置を測定することの問題点を説明する図である。
符号の説明
1 ベース
2 ジグ
3 位置マーク球
5 Xスライダ
6 Yスライダ
7 Zスライダ
8 制御装置
9a、9b、9c レーザー測長器
10 プローブ
10a 先端球
12a、12b 光点位置測定光学系
17a、17b、37 半導体レーザー
18a、18b ハーフミラー
21a、21b 対物レンズ
23a、23b ポジションセンサー
41a、41b 光ファイバー
42a 偏光ビームスプリッタ
60a、60b カメラ
61a、61b 画像処理装置
63 位置マーク

Claims (5)

  1. 保持手段に保持された被測定物の表面を計測するプローブと、前記プローブを前記被測定物に対して相対的に移動させる移動体と、前記被測定物または前記保持手段に配設された少なくとも3個の位置マークと、2つの検出光学系によって互いに異なる光軸方向からそれぞれ各位置マークを計測し、各位置マークに対する2組の2次元位置情報を得るための光学位置検出手段と、各位置マークに対する2組の2次元位置情報に基づいて各位置マークの3次元位置を演算する演算手段と、を有し、前記演算手段の出力に基づいて、前記プローブによる検出値を補正することを特徴とする表面形状測定装置。
  2. 光学位置検出手段が、それぞれポジションセンサーによって位置マークの反射光による点像の2次元位置を検出する2つの検出光学系を有することを特徴とする請求項1記載の表面形状測定装置。
  3. 光学位置検出手段が、それぞれ位置マークの画像を撮像手段によって撮像する2つの検出光学系を有することを特徴とする請求項1記載の表面形状測定装置。
  4. 2つの検出光学系の出力に基づいて、エラー信号を発生することを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の表面形状測定装置。
  5. 光学位置検出手段が、共通の光源と、前記光源から発生される光を2つの検出光学系に分割する分割手段を有することを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載の表面形状測定装置。
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